河内神社例祭「河内祭」 (串本町 )
古座川河口域の祭礼「河内祭(こうちまつり)」が26日に本祭を迎えた。今年は新型コロナウイルスに伴う規模縮小で神事のみ営む形となり、関係5区は天候不順のため古座神社で大前の儀に臨み神霊「河内様(こおったま)」への礼を尽くした。
河内祭は古座川河口から約3㌔上流にある川中の島・清暑島を神体とする河内神社の例祭。現在は串本町の古座区と古田区、古座川町の下部区と宇津木区と月野瀬区が奉仕し、7月第4日曜日を本祭日として営んでいる。
例年は獅子舞や祭船の奉仕や奉納もあってにぎわうが、今年は密の状況を避けがたい稽古などを見合わせ併せて拝観の規模を抑えるため中止。礼だけは絶やさないため神事のみ営むことを5月下旬に関係5区で申し合わせて準備してきた。
規模縮小は戦後には一度としてなかった異例の形。大前の儀も奉幣神事を省いて営む形となり、古座神社の石田保宮司が「河内大明神」と刻まれた神額に神霊を遷(うつ)して祝詞を奏上し区長5人、次いで関係諸団体代表者7人が順次玉串をささげて神霊への礼を尽くした。
古座区は25日夜半に宵宮祭も営んだ。南藤房男区長(72)は御船や獅子舞、櫂伝馬(かいでんま)に奉仕する者にとってかわいそうな結果になってしまったと悔やみつつ「来年にはコロナが落ち着き、ちゃんとした形で河内祭を営む。その一点で願った」と思いを語った。
(2020年7月28日付紙面より)
那智勝浦町防災会議
行政や民間などの各種団体で構成される那智勝浦町防災会議(会長=堀順一郎・那智勝浦町長、委員24人)の第12回会議が22日、同町体育文化会館で開かれた。21人が出席し、事務局から町の防災の現行計画修正についての説明があり、全会一致で承認された。
防災会議は1982(昭和57)年に第1回を開催し、その時代に合った防災対策を検討している。堀会長は「南海トラフの臨時情報の運用が昨年5月に改訂されたため、町の地域防災計画を大きく修正することになった。この防災計画を基に、少しでも防災・減災につなげていきたい。皆さまから多くのご意見をいただければ」とあいさつした。
事務局は修正内容について「津波対策への追記」「平成29年度の山地災害危険地区調査要領改正に伴う危険地区の見直し」「和歌山県の水防配備体制発令基準との整合を図る」「団体名称変更に伴う修正」「南海トラフ地震臨時情報が発表された際の防災対応の追記」などを挙げ、町にとって必要でない箇所を削除することも説明した。
前述の南海トラフ地震臨時情報とは、南海トラフ沿いで異常な現象が観測され、地震発生の可能性が相対的に高まっていると評価された場合、警戒や注意が必要な際に気象庁から発表される情報のことで、今回の修正は同情報の改訂によるものが主だったという。
修正案承認後には、関西電力から「停電情報アプリ」の紹介があった。同アプリは▽停電情報をプッシュ通知で知らせてくれる▽関西エリア全域の停電情報を確認できる▽復旧作業の進捗(しんちょく)状況や復旧見込み時間が確認できる―などの特徴を持つ。
同社からは「停電時にお役に立つことができるようにアプリを作成した。10地域ほどの登録ができ、各地域ごとに情報をお届けできる。ぜひご利用いただければ」と説明した。
(2020年7月28日付紙面より)
新高田会館で親子学習 (新宮市 )
新宮市高田の新高田会館で19日、高田小・中学校育友会(溝口亮会長)主催の親子学習が開かれた。同校に通う児童・生徒や保護者、教職員約40人が参加し、4チームに分かれての対抗ミニ運動会で互いの絆を深め合った。
毎年恒例のイベント。例年は高田川でカヌーやバーベキューをするが、今年は長雨による増水や水温が低いことから室内でのレクリエーションに切り替えた。換気や全員のマスク着用、身体距離を保つなどの感染対策を取った。
開会に先立ち川でのレスキュー法講習があり、高田中の成見雅貴教頭が「溺れている人を見つけたら、まず大人に知らせ、ペットボトルや浮き輪を近くに投げてあげて。一緒に溺れてしまわないよう、泳いで助けには行かないで」と呼び掛けた。
ミニ運動会では「ひこうき飛ばし」や「うしろむき玉入れ」、新聞紙に乗ってすり足で走る「新聞リレー」などオリジナルのゲームで白熱した試合を繰り広げ、楽しい時間を過ごした。
溝口会長は「梅雨が明けても、みんな健康には気を付けて暑い夏を乗り切りましょう」とあいさつ。最後は大会の準備や進行役を務めた育友会、児童会、生徒会の役員たちに感謝の気持ちを込め、大きな拍手を送った。
(2020年7月28日付紙面より)
脊古輝人組合長を表彰 (太地町 )
田辺海上保安部(上野春一郎部長・田辺港長)は27日、太地町漁業協同組合(脊古輝人組合長)を訪れ、和歌山県水難救済会理事会の永年勤続表彰授与式を開いた。上野部長は水難救済思想の普及などに長年貢献した同会理事の脊古組合長に感謝状を手渡した。
表彰は同会の育成や啓発などに尽力した理事に感謝状を贈るもので、脊古組合長は7年前から理事を務めていた。
保安部によると、近年は熊野地域では漁船からの転落やレジャーに伴う事故はあるものの、大きな海難事故は発生していないという。また、保安部では今月31日まで事故発生を防ぐための事故ゼロキャンペーンに取り組んでいると話した。
上野部長は「皆さまのご協力はありがたく感謝しています。今後も継続していただき、本部長表彰につなげていただきたい。保安部としてはレジャーに伴う事故を防ぐためにもライフジャケットの着用など指導啓発に努めていきたい」と話した。
昨年9月に那智勝浦町内で、サーフィンをしていた他府県在住の男性が波に流される事案が発生。その際に同漁協も捜索活動に尽力したという。
脊古組合長はサーファーの増加に伴う海難事故について懸念していると言及。これまでに2度、那智湾でサーファーたちに「潮の流れに注意し、安全に楽しんでほしい」と啓発を行ったという。
表彰については「これからも一生懸命、ライフジャケットの着用啓発や救難救助に励みたいと思う。海保の皆さまと互いに連携して進めていきたい」と語った。
なお、保安部では海上における事件・事故の際は緊急通報(電話118)の利用を呼び掛けている。
(2020年7月28日付紙面より)
太地小が福祉推進指定校 (太地町社会福祉協議会 )
太地町社会福祉協議会(岡本研会長)は17日、太地町立太地小学校(宮本礼子校長)を福祉教育推進校に指定した。指定式後は、同小4年生の5人が福祉学習に取り組んだ。
以前から福祉学習に取り組んでいた町社協によると、本年度から要項を定めシステム化することで子どもたちへの福祉教育充実化を図ることが目的だという。福祉学習は同校の総合的な学習の一環で行われる。
岡本会長から指定書を受け取った宮本校長は「社協が入ってくれることで専門的な学習を受けることができる。単なる理解だけでなく、深い学びにつながります」と話した。
福祉学習では美熊野福祉会の職員らが来校。事務局長の橋上慶一さんの司会の下、同福祉会利用者で全盲の溝本和彦さんが講師を務め児童と交流を深めた。溝本さんは「今日は皆さんと一緒に楽しく点字の勉強をしたいと思います。よろしくお願いします」とあいさつした。
橋上さんは全盲の障害を持つ人の見え方などを説明。溝本さんの日常生活や、スポーツ大会での活躍についても触れた。白杖(はくじょう)や点字ブロック、盲導犬、音の出る信号機、ガイドヘルパーの重要性を説いた。
その後、児童は溝本さんの手を引いて図書室まで案内した。続いて、アイマスクを着用し全盲の体験や点字学習を行った。
宮本校長は「今後はさらに高齢化社会となるため、福祉学習は子どもたちにとって大きな成長につながる。意識も変わり、次の行動につながっていくと思う」。
岡本会長は「ハンディを持つ方々の生活や、どんなことに困っているかを学んでいただき、心の優しい子どもたちに育ってほしい。今後は太地中学校にも広げていきたい」と語った。
(2020年7月19日付紙面より)
ダイワテックと三銀が毛布寄贈 (那智勝浦町 )
愛知県名古屋市の株式会社ダイワテック(以降、ダイワテック)と第三銀行(三銀)は17日、那智勝浦町役場で寄贈式を行い、連名で真空パックされた毛布160枚を町に贈った。町によると毛布は各避難所などに配備し、災害時に役立てるという。
同町は、三銀の仲介で自然エネルギーを活用したソーラーハウスなどを手掛けるダイワテックと昨年10月に災害時におけるレンタル資機材の提供に関する協定を締結。これにより、災害発生時は同町へ優先的に蓄電システムが完備されたソーラーシステムハウス(コンテナ状の建物)が届けられるという。
今回の毛布寄贈については、両社が取り組むSDGs(国連が2030年までに達成すべき世界共通目標として掲げる「持続可能な開発目標」)の実践として行われた。
寄贈式にはダイワテックの岡忠志代表取締役社長と渡邊實取締役が、三銀からは執行役員の小松正実・紀州地区営業部長と五十嵐禎幸・庄内支店長、小林秀行・勝浦支店長が出席。
ダイワテックの岡社長は「今回も第三銀行さまのご縁。昨今では100年に1度といわれる災害が毎年発生している。わが社は普段、発電した自然エネルギーを自分たちで使うことをコンセプトにしているが今回は毛布。何もないことが一番だが、発生時には毛布をお役に立てていただけたら」。
三銀の小松紀州地区営業部長は「2016年から同様の取り組みを行っており、現在は90件を超えている。今後も地域貢献していきたい」と語った。
寄贈を受けた堀順一郎町長は「身も心も温まる毛布を寄贈いただきありがとうございます。長期避難だけでなく、一時避難の際にも活用させていただきたい」と感謝を述べた。
(2020年7月19日付紙面より)
浦神実験場で水産実習 (近大新宮高 )
新宮市の近畿大学附属新宮高校(池上博基校長、365人)の2年生の希望者15人は17日、水産実習で那智勝浦町浦神にある近畿大学水産研究所浦神実験場を訪れた。
「実学教育」を建学の精神とする近畿大学との高大連携の一環で、生徒にクロマグロの完全養殖で知られる同大学水産研究所の最先端の研究の一端に触れる機会を提供する。浦神実験場でマダイ、新宮市高田の新宮実験場でアマゴ、チョウザメを育て、生物・生命の尊厳について考える。
生徒たちは昨年11月から実習用いけすで養殖しているマダイの体重を測り、その成長を実感。今年2月時点で150㌘ほどだったが、今回は平均で479・6㌘になっていた。
講義室では家戸敬太郎教授らの指導の下、船の係留や養殖網の設置に使える「もやい結び」や「巻き結び」などに挑戦。初めての作業に悪戦苦闘しながらも、ほどけにくく、必要なときに解きやすい結び方を考案した先人の知恵に驚いていた。
大槻湧山君は「前来たときよりもマダイが3倍近く大きくなっていて驚いた。順調に育ってくれてうれしい。もやい結びは最初は難しかったが、だんだん楽しくなってきた」と語った。
秋ごろには養殖に必要な餌の量についても学ぶ予定。現在の3年生が育てたマダイは近大新宮祭で提供する予定だったが、新型コロナウイルス感染対策で中止となったため、どうするか検討中だという。
(2020年7月19日付紙面より)
新宮グラウンドゴルフ同好会 (新宮市 )
池田武夫さんがマイクロバス寄贈 (新宮市 )
新宮市五新在住の池田武夫さん(84)がこのたび、市にマイクロバスを寄贈した。3日には市庁舎前駐車場で寄贈セレモニーが催され、池田さんが田岡実千年市長に目録とレプリカキーを手渡した。
寄贈は、昨年10月に心筋梗塞のため逝去した愛娘・賀代子さん(享年58)の「高齢者のために無料バスの提供を」との遺志を形にしたいという池田さんの強い思いから実現した。
マイクロバスは日野自動車製の29人乗りロングボディーで名称は「いけだ号」。主に高田グリーンランドのデイサービスや観光客の送迎用として利用される。4日から供用を開始する。
セレモニーには田岡市長をはじめ、新熊野体験研修協会の長山広重代表理事や市議会の久保智敬議長、東原伸也副議長、松本光生議員らが出席。寄贈に当たり、池田さんが「娘は残念ながら思いを実現できずにこの世を去った。(マイクロバスを)多くの人が笑顔になるように活用していただければ娘も喜ぶと思う」とあいさつ。
池田さんに感謝状と記念品を手渡した田岡市長は「このたびの寄贈は市民の福祉の向上に大いに寄与するもの。高齢者、市民、観光客に喜んでもらえるよう、大切に活用することを誓います」と感謝を伝えた。
池田さんによると、持病のため通院や入退院を繰り返しており、病院などで高齢者と接する機会が多かった賀代子さんは「高齢者のために何かしたい」と常々語っていた。池田さんは「まだ若いのだから慌てることはない」などと説得したという。
「生きているうちに実現させてあげれば良かった。一緒にバスに乗れなかったのが残念」と悔しさを口にしながらも、「市に尽くしてほしいという娘の遺志に応えることができた。夢に娘が出てきて『父ちゃん、ありがとう』と言ってくれた。私が市に尽くすことによって、娘も気分を良くしていると思う」と話していた。
(2020年7月5日付紙面より)
ひまわりの絆プロジェクト
京都府警察発案の「ひまわりの絆プロジェクト」に参加した新宮警察署は2日、活動に協力する新宮市立三輪崎小学校(嶋田雅昭校長)の花壇に同プロジェクトの説明と交通事故根絶への願いを記した掲示板を提供した。同署の上畑充史交通課長らが訪れ、校舎北西のフェンスに設置した。
プロジェクトは2011年に府内の交通事故で亡くなった4歳の男児が、植えようとしてかなわなかった種が元になっている。当時の担当警察官が遺族から種を受け取ったことを機に、ヒマワリを育てて種を継ぐことで遺族の思いや命の大切さ、交通事故防止を伝えようと始まった。16年以降は警察署を中心に賛同者が増えて全国的な広がりを見せている。
同校園芸委員の児童15人がこのほど、新宮警察署から受け取った種を育苗ポットで発芽させた。学校関係者だけでなく、一般の人の目にも付くようにと、苗は道路沿いの花壇に植えられた。毎朝、委員の児童が中心となって水やりなどの世話をしている。
掲示板設置に立ち会った嶋田校長は「命の尊さ、交通安全学習の良い機会」と感謝し、上畑交通課長は「ヒマワリを見て、亡くなった子どもさんの生きていた証しと交通事故防止を思っていただければ。順調に育って種が取れたら児童たちにも引き継いで育ててもらいたい」と話していた。
(2020年7月5日付紙面より)
売り上げの一部は基金に寄付 (紀宝町福祉セ )
紀宝町鵜殿の町福祉センターで「リサイクル&手づくりバザー」コーナーがリニューアルオープンした。両コーナーと寄付コーナーの使用料は無料で「皆さんのご利用、出品をお待ちしています」と呼び掛けている。
ボランティア・市民活動センター「きぼらんせ」(神園敏昭運営委員長)が循環型社会への啓発活動と、ボランティア基金への協力を目的に設置。同センターの改修工事に伴い昨年8月から休止していたが、施設整備が完了したことから再開した。
これまで同様、福祉センター2階ロビーにコーナーを設け、出品者が自由にレイアウトできるよう工夫した。
リサイクルバザーと寄付コーナーは、未使用の食器や手芸用品、雑貨、着物(リサイクル用)などで洋服は対象外。手作りバザーは新品の作品を受け付けている。バザー売上金の一部は町ボランティア基金に寄付する。
出品などに関する問い合わせは、きぼらんせ事務局の町社会福祉協議会(電話0735・32・0957)まで。
なお、新型コロナウイルス感染防止対策として、来館時はマスク着用、手洗いの徹底などを求めている。
(2020年7月5日付紙面より)
各所で開花し夏を彩る (那智勝浦町 )
那智勝浦町湯川のゆかし潟でハマボウが見頃を迎えている。喫茶きよもん敷地内をはじめ、周辺各所で黄色の花が開花し、夏を彩っている。
ハマボウはアオイ科の落葉低木。内湾海岸に自生する塩生植物で、夏に黄色の花を開花させる。
同所は多くのハマボウが楽しめる名所の一つとして知られ、公益社団法人和歌山県観光連盟のホームページ「わかやま観光情報」にも掲載されている。
毎年きれいに開花するため、散歩する近隣住民、付近道路を走行する車のドライバーや同乗者の目を楽しませている。
記者が取材した6月末も、車から降りてスマートフォンでハマボウを撮影するドライバーの姿が見られた。
(2020年7月5日付紙面より)