那智勝浦町観光協会(花井啓州会長)は26日、町体育文化会館で本年度の総会を開いた。133人が出席し、上程された本年度の予算案と活動計画を承認した。役員改選もあり、会長に花井さんが再任された。
昨年の同町の観光客数は、宿泊66万560人(前年比4621人減)、日帰り72万8821人(前年比5460人増)で、そのうち海外からの観光は5万3568人。総数138万9381人(前年比839人増)となった。昨年度の決算と事業概要も報告され、承認を受けた。
観光功労者表彰もあり、株式会社熊野交通の内田恵さん(54)と株式会社浦島観光ホテルの寺西悟史さん(32)が受章した。
表彰者代表の内田さんは「身に余る光栄で、大きな喜びと感激を覚える。これを契機に、観光振興に向けて努力、精進します」と誓った。
長年にわたり無償で観光施設の補修、設置などを行っている松田伊佐男さんに感謝状を贈呈した。
役員改選では花井さんが会長継続となり、副会長5人も選ばれた。
開会のあいさつで花井会長は昨年を振り返って「年間30万人くらいが往来しており、世界遺産の絶大なる観光推進効果として自慢できること。今年は熊野那智大社創建1700年と那智山青岸渡寺西国三十三カ所草創1300年の記念すべき年。インバウンド対応や観光経済が変動する中、会員一丸となって観光推進にまい進していかなければならない」と求め、会長続投に「8年目。3役の布陣で頑張りたい。今までにない意見やアイデアあればよろしくお願いします」と話した。
(2017年5月28日付紙面より)
園児らがアイガモ放鳥 (三輪崎幼稚園と白梅保育園 )
新宮市立三輪崎幼稚園(尾﨑いづみ園長)と同市三輪崎の白梅保育園(鈴木義則園長)の園児らは17日、同市佐野の前田治さん所有の田んぼにアイガモを放った。
田の広さは約20㌃で、無農薬栽培のためアイガモ農法を取り入れている。アヒルとカモの交雑種のアイガモは米を食べず、雑草や害虫の駆除をする他、田んぼを歩き回り、草を生えにくくする。放鳥は20年ほど前から、地域の園児たちに体験してもらおうと毎年この時期に実施している。
この日放ったアイガモは約30羽。園児一人一人が小さなアイガモを手に持ち、一斉に田んぼに放した。「ふわふわしている」「温かかった」「かわいい」と口々に感想を話し、田を泳ぎ回るアイガモを見守っていた。
前田さんは「楽しかったですか。また見に来てね。今植えているのはみんなが食べているお米になる。カモさんがつくってくれます」と園児らに呼び掛けた。放鳥の様子に「怖がる子もおり、毎年いろいろ。最初に放鳥した子が25歳くらいになっていると思います」と話し、園児らの様子に目を細めていた。
(2017年5月28日付紙面より)
少年補導員連が総会 (新宮警察署 )
新宮警察署少年補導員連絡会(柳本利文会長)の総会が26日、同署講堂で開かれた。柳本会長は「今期もなお一層のご協力を」と呼び掛けた。
少年補導員は少年非行防止活動の一層の推進を図り、地域事情に合った取り組みを進めるため民間の協力者に県警本部長から委嘱している。
柳本会長は「大人を含め、自転車盗難、万引、振り込め詐欺などが増えているよう。少しでもこのような事案が減少できるよう、しっかり啓発活動を行いたい。少年犯罪の低年齢化、社会環境の変化に伴い、地域住民あるいは行政機関との連携による取り組み強化を目指していかなければならない」とあいさつ。
谷本克也署長は日頃の協力に感謝し、少年犯罪の状況を説明。昨年県内で摘発されたのは484人で一昨年より140人の減少。補導された少年の総数は7526人で一昨年より3249人減少した。新宮署管内では131人が補導されており、一昨年より115人減少している。
「健全育成の面から見ても活動から一層効果が出ていると感じている。少年を取り巻く環境は変わりつつあり、全国、県内の傾向を見て、管内の傾向を反映できるよう活動したい」と述べた。交通事故の被害の減少などにも触れ、地域のリーダーとして協力を求めた。
(2017年5月28日付紙面より)
ノンフィクション作家・田中伸尚さん (来年没後100年 )
『大逆事件―死と生の群像』を書いたノンフィクション作家、田中伸尚(のぶまさ)さん(75)が21日、新宮市を訪れ、来年3月に100回忌を迎える「大逆事件」の犠牲者、峯尾節堂(みねお・せつどう)=1885―1919年=の足跡をたどった。7年ぶりに新宮を訪れた理由などについて聞いた。
来年、節堂没後100年を迎え、顕彰碑を建てるという話も聴き、今回7年ぶりに訪れました。節堂はこの地方の犠牲者6人の中で最も注目されていない、人々の関心が薄い人物。獄中手記を読んでもほとんど、大石誠之助や高木顕明のように社会主義、無政府主義に積極的に関わっていなかった。友達の友達という存在で捕まってしまった人物。
そんな節堂を妙心寺派は判決が出る前に擯斥(ひんせき)処分にした。宗教が国家にベッタリだったことが分かる。宗教、教団の国家に対する姿勢をはっきりさせるのは現代的な問題でもあると思います。
「大逆事件」当時の一般の人々は、限られた情報の中で、捕まった人たちを非難した。節堂は、26歳で検挙され、社会的な圧力で離婚もし、動揺が激しかったに違いない。当時は社会的に余裕がなかったという時代背景もある。
節堂は思想的に確立できていなかったし、迷いながらの人生でした。大石との付き合いも薄かったが、「大逆罪」の網にかけられた。
「大逆事件」はまだ生きている事件。まさに形を変えて生きていると思います。今年は大石の生誕150年。節目、節目で思い出され、次の世代に伝えられていくことは大事なことだと思います。
「共謀罪」は国が人の心を支配しようと外堀を埋めていくようなもの。「大逆罪」はその後、「治安維持法」に継承された。戦争の時代と絡んでふくれあがっていく車の両輪です。戦争に対する反対を抑えるためのもので、古今東西、世界各地にある国家の本質です。
節堂はドラマチックではない普通の青年だった。そんなどこにでもいるような人に光をあてることが今、大事ではないかと思います。
もし、今回の取材を本にまとめることができれば、『大逆事件 死と生の群像』(2010年、岩波書店)『飾らず、偽らず、欺かず 管野須賀子と伊藤野枝』(岩波書店、2016年)に続き、「大逆事件3部作」になりますね。
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■峯尾節堂
1885年4月1日、新宮生まれ。京都の妙心寺で修学して臨済宗妙心寺派の僧侶となった。大石誠之助や高木顕明らと出会い交流を重ね、「大逆事件」に連坐。死刑判決を受け、その翌日特赦で無期懲役に減刑されたが、1919年3月6日、35歳で、獄中で病死した。事件後、妙心寺派は節堂を擯斥処分としたが、1996年に取り消した。
妙心寺派は来年3月6日に節堂の100回忌法要を営む計画。それに合わせて「大逆事件の犠牲者たちの人権回復を求める連絡会」が新宮市内で「第4回大逆事件サミット」を開催する予定。
明治天皇暗殺を企てたとして1911年、12人が絞首刑、12人が無期懲役となった「大逆事件」。現在の研究では大逆罪に名を借りた社会主義者、無政府主義者への弾圧で、国家によるフレームアップであったことが明らかになっている。
(2017年5月25日付紙面より)
那智勝浦町身体障害者連盟(鈴木怜子会長)の定期総会が23日、町福祉健康センターであった。本年度事業計画案、規約の改定案など7議案を承認した。参加した22人の会員らは総会後の昼食会などで交流を深めた。
来賓の植地篤延副町長は「福祉の充実と推進については、自ら進んで参加する熱意が大切。積極的に社会参加している皆さんの活動は意義深い。引き続き協力を」とあいさつ。鈴木会長は、和歌山県が発行する、義足、内部障害などで外見からは援助や配慮が必要なことが分からない人のための「ヘルプマーク」を紹介し「制度を広めたい。必要な方は申し出て」と呼び掛けた。事業案として「ホテルフリーゲート白浜」の視察を10月に予定しており、「支配人、コックさん以外は全員障害者が勤務している。励みになることが多いと思う」と参加を促した。
同会は会員の親睦を図り、障害を克服して自立の促進と福祉の増進を目的として活動。本年度は串本町障害者連盟とのグラウンドゴルフ、カラオケ交流会や日帰り研修旅行、郡連スポーツ大会参加、町長との懇談会などを予定している。
(2017年5月25日付紙面より)
夏に潮岬で第49回キャンプ (日本ユネスコ協会連盟 )
串本町潮岬にある県立潮岬青少年の家で7月30日(日)から8月2日(水)まで、第49回ユネスコ子どもキャンプが開かれる。日本ユネスコ協会連盟の主催事業で、対象は全国の小学4年生~中学3年生。定員50人で募集するさなかにあり、会場地では実行委員が打ち合わせを重ねて受け入れの準備を進めている。
このキャンプは、ユネスコが掲げる「教育、科学、文化」による平和実現を目的にし、国内各地の地域ユネスコ協会と協力して年次実施している。1968(昭和43)年に始まり、本年度は49回目で、日本発祥の民間ユネスコ運動70周年記念事業として位置付け。次年度の50回目の節目も含め、和歌山県ユネスコ連絡協議会が同連盟と協力する状況にある。
キャンプテーマは「わ(WA)!!自然と深める僕らの絆」。昨年秋に会場地の実行委員会が結成され、テント泊を軸にした3泊4日の体験プログラムを検討していて、期間中は同家外での野外活動や屋内活動、夕食交流会や「ジオリンピック」、キャンプファイヤーや班タイムといった日程が募集要項で告知されている。
今月21日に開かれた実行委員の打ち合わせでは、屋外活動は▽古座川でカヌー体験▽串本海中公園でバックヤードツアー▽橋杭海水浴場でマリンアクティビティー体験▽山間部でジオツアー―の4メニューとし、屋内活動はトルコ記念館を軸にして行い夕食交流会はトルコ料理づくりに挑戦することなどを実践手法も交えて検討した。
一連の体験プログラムを通して、かけがえのない自然環境に親しみ共生の歴史を自らも刻む心と、日本とトルコの友好の歴史から人の絆や助け合いの心を育むきっかけを提供するのが全体目標。着実な達成のため同連盟は子どもと目標の仲立ちをする青年スタッフ(高校生以上)も全国規模で募集をしている。
申し込み方法などその他詳細を知りたい人は早めに同連盟公式ホームページ(http://unesco.or.jp/)か同家などで配布している各要項を参照。問い合わせは同家(電話0735・62・6045)まで。
(2017年5月25日付紙面より)
熊野灘捕鯨文化継承協
第3回熊野灘捕鯨文化継承協議会は23日、新宮市の東牟婁振興局で第3回総会を開いた。本年度は河内祭の御船行事のジオラマを製作し、来年2月末までにJR古座駅に展示する事業(500万円)などを計画している。
昨年4月25日に日本遺産に認定された熊野灘の捕鯨文化に関するストーリー「鯨とともに生きる」を活用した誘客促進と地域活性化を目的とした取り組みを進めている組織。和歌山県、県観光連盟、関係市町、観光団体、文化保存会などで組織している。昨年度は「くじらと人と物語」とのキャッチコピーやロゴマークを作成。総合ガイドブックを増刷し、各駅などに設置したほか、ウオークイベントや企画展を開催した。
今年4月28日には孔島厳島神社の石造物(新宮市)、宇久井半島の山見台跡群(那智勝浦町)、太地角右衛門の墓(太地町)、古座組鯨方石宝(串本町)など10件が構成文化財に追加認定され、計29件になった。
本年度予算は4028万1000円で、うち2408万円は文化芸術振興費補助金(日本遺産魅力発信推進事業)。追加認定を受けた文化財の案内板・説明板などの制作・設置費(795万2880円)、捕鯨の勢子舟を復元するため現存する破片の調査と設計の費用(119万4000円)、日本遺産ガイド養成費(81万9620円)などが盛り込まれている。
(2017年5月25日付紙面より)
もみじ会5月例杯
新宮弓友会5月例射会
新宮市出身・小川洋君、秋田県高校野球春季地区大会で
深刻化している鳥獣被害を防ごうと那智勝浦町は平成28年度から鳥獣害対策専属の地域おこし協力隊を結成し、今年度は隊員2人が町内各所で対策に取り組んでいる。
町内に有害駆除を行える猟師は80人ほどいるが、人数は横ばい傾向で高齢化も進んでいる。このため、同町では28年度に協力隊3人分を予算化。同年10月に大阪府大阪市出身の髙嶋淳さん(41)を採用し、今年4月から神奈川県横浜市出身の山中慶太さん(41)を迎え、現在は2人体制で支援にあたっている。
活動は被害の把握や現場の対策、広報を主にしている。農家や区長から電話を受け、被害場所と情報などを記録して対策やアドバイスをし、状況を整理した資料作り、メールや回覧板を通して情報発信している。
鳥獣の生息数の調査にも取り組んでいる。宇久井地区の狗子ノ川ではサルの被害が多く、大型のおりを設置し、発信器の取り付けや駆除を進めてく計画だ。
猟友会や鳥獣被害防止対策協議会とも協力し、実地研修や狩猟免許の取得なども進めている。
髙嶋さんは「10年ほど世界100カ国を訪れ、日本を徒歩で旅した中で、食べ物と人のつながりの大切さ、日本の過疎と獣害問題を知りました。都会の価値観だと獣害が身近ではない。安心して農作物を育て、安定的に作物を供給できる環境をつくり、人間と動物双方の暮らしを守れたら」。
山中さんは「知人を通じて町に訪れているうちに、ここで暮らしたいと思うようになりました。獣害は駆除がメインだと思っていたが、未然に防ぐことが本質。活動の上で住民との触れ合いも大切だと改めて思います」と支援活動への意気込みを語った。
(2017年5月19日付紙面より)
補陀洛山寺の「春まつり」 (那智勝浦町 )
那智勝浦町浜ノ宮の補陀洛山寺(高木亮享住職)は17日、「春まつり」を営んだ。信徒ら約50人が参列し、護摩祈とうや追善供養を営んだ。
本堂では、国の重要文化財に指定されている本尊「三貌(さんぼう)十一面千手千眼観世音菩薩」が開帳され、高木住職が読経した。護摩たきもあり、信徒らが願いをつづった護摩木を炎が立ちのぼる護摩壇にくべた。寺の裏山にある渡海上人の供養塔前では、追善供養が行われ、極楽浄土を目指した渡海上人の功績と意志をしのんだ。
高木住職は「年3回御本尊を開帳しているので、時間のある人はお会いしに来ていただければ」とあいさつした。
追善供養を終えて青岸渡寺の僧侶・田中亮樹さん(36)は「自分の命を投げ出してでも先人たちは極楽浄土を目指した。その志と功績を胸に、世のため人のため気を引き締めて精進していきたい」と話した。
同寺は、補陀落渡海の信仰とその出発点で知られる。この地から多くの人が極楽浄土を求めて渡海した。その回数は諸説あり、818年から1722年までに25回や28回ともいわれる。
本尊は、毎年1月27日の立春大護摩供星祭、5月17日の春まつり、7月10日の土用護摩供と先祖供養で開帳される。
(2017年5月19日付紙面より)
新宮市が2千部作成
訪新外国人いらっしゃい商店街づくり推進協議会(会長・丹羽生新宮市観光協会長)はこのほど、「新宮うまいもんお食事処マップ」の英語版「SHINGU Gourmet Restaurant Map」を2000部作成した=写真。観光施設などに置いている。
同お食事処マップの日本語版は、新宮市料理飲食業組合、新宮商工会議所、新宮市観光協会、新宮市で組織する「新宮うまいもん見っけ実行委員会」が平成26年度から作成している。それぞれの店舗の位置、種類、営業案内のほか、ホテルやタクシーの電話番号案内、新宮市への交通アクセスなどを掲載している。
英語版では、外国人観光客に市内を周遊しながら食を楽しんでもらおうと、熊野速玉大社と神倉神社の案内も写真入りで掲載している。
(2017年5月19日付紙面より)
保健福祉セで民児協総会 (古座川町 )
古座川町民生委員児童委員協議会(山口美和子会長、会員24人)が17日、同町川口にある保健福祉センターで総会を開いた。本年度は同委員制度創設100周年の節目。3000人規模で開かれる周年記念事業和歌山大会参加を研修に充てることを決めるなどした。
同委員は住民の立場で生活の相談に応じ必要な公的支援とのつなぎ役を果たすボランティアとして、厚生労働大臣が市区町村内の地域単位で委嘱している。任期は3年。同町内の委員定数は25だが一部地区で欠員があり、同日現在24人が委嘱を受けている。
昨年12月の一斉改選以降初となる定期総会の開会にあたり山口会長は、1917(大正6)年に岡山県で発祥した済世顧問制度やその2年後に大阪府で発祥した方面委員制度など、民生委員の原点となる制度創設の背景を振り返り、配布した関係資料を一読して民生委員の存在意義を振り返るよう推奨。町内各地における児童の登下校の見守り活動やふれあいいきいきサロン運営協力、施設入所者家族の送迎など福祉の増進につながる会員の地域貢献をたたえ、引き続きの努力を願うなどした。
来賓の西前啓市町長は西武彦健康福祉課長と共に開会に同席。高齢化が進む一方で支える側の人材確保が厳しくなっている状況に触れ、その要因である人材一人あたりの負担増大を十分な数の人材確保で改めたいという考えを伝えつつ向こう3年間の地域福祉に対する力添えを求め、山口会長は創設100年記念応援ピンバッチを西前町長に贈り連帯を強めた。
続く議事では、前年度と本年度の事業関係諸議案を審議し承認。本年度事業計画の中で、同大会参加を本年度の研修に充てることを決めた。
この日は総会後に研修会もあり、同町高齢者相談センター(=地域包括支援センター)の認知症サポーターキャラバンメイト3人による同サポーター養成講座を受講した。昼食を経て午後はオークワ古座川店前でチラシを配り、同委員制度の地域へのアピールにも取り組んだ。
(2017年5月19日付紙面より)