まちなかに帰省や観光客の姿 (熊野地方 )
新天皇即位と改元に伴う10連休が27日からスタートした。同日、JR新宮駅などでは休暇をふるさとや観光地で過ごそうとする帰省客や観光客の姿が多く見られた。
皇位継承と新元号の施行により、今年に限りゴールデンウイーク(GW)が異例の10連休となった。愛知県名古屋市から訪れた香村(こうむら)哲也さん(57)、規容衣(きよえ)さん(53)夫妻は「新宮市内を見て本宮町へ。熊野古道を歩きます。和歌浦、高野山などへ行く予定です」と話していた。
3日(金・祝)には同駅前で恒例の「しんぐう駅マルシェ」が開かれる。4日(土・祝)には新宮港に客船「スターレジェンド」が入港する予定。
他府県ナンバーの車も増え始めた。和歌山県警が発表している交通事故発生予報によると、当地方の厳重警戒日は27日、5月2日(木・休)~5日(日・祝)。日本道路交通情報センターによると、6日(月・振休)までの期間中は交通量が増加し、高速道路を中心に激しい渋滞の発生が予測される。
(2019年4月28日付紙面より)
なんなんネットが総会 (那智勝浦町 )
東牟婁地方の精神医療、保健、福祉関係者で組織される南紀の心の医療・保健・福祉を何とかしよらネットワーク(通称・なんなんネット、屋敷満雄代表)は25日、那智勝浦町宇久井の南紀ひまわり作業所で本年度の総会を開催した。啓発活動の拡大や催しの在り方などの話し合いを進め、全ての議案が拍手をもって承認された。
なんなんネットは平成18年に東牟婁地方の精神医療保健福祉の質の向上を目的に発足。精神障害者の社会参加の促進や障害者と健常者が平等に生活する社会の実現を促進するために相互理解を深め、地域支援ネットワークの構築を目指している。
屋敷代表が「なんなんネットでは障害者を大切にしている。新宮市がさまざまな事例を出しながら学ぶ勉強会を2カ月に1度、実施している。同じようなものをこちらでも取り入れてはどうか」とあいさつ。続いて、本年度の事業計画として、専門的知識・技術研修、地域住民への普及啓発活動、当事者・家族研修、情報交換事業などを事務局が説明した。また、5月25日(土)午後6時から那智勝浦町体育文化会館で実施するシンポジウム「発達障がいの子が自立するために身につけておきたい大切なこと」はNPO法人ぷろぼのくまのとなんなんネットの共催で行うことを紹介した。
委員からは「精神などについての相談や悩みをどうすればよいか、地域住民は知らない人が多い」「困っている人たちのためにもなんなんネットで何とかすべきでは」「『なんなん祭り』の運営方式を変更してみては」などの意見が挙がった。
司会を務めた日浦頼和さん(南紀ひまわり作業所)は「皆さまから多くの意見を頂き、参考にしながら今年度も進めていきたい。なんなんネットの存在やその活動を知ってもらい、啓発につなげていけたら」と締めくくった。
(2019年4月28日付紙面より)
大型連休前に近畿運輸局
大型連休を前に国土交通省近畿運輸局勝浦海事事務所(吉武愼二所長)が26日、新宮市南檜杖に係留している熊野川川舟下りの川舟3隻の安全を点検した。吉武所長ら4人が救命道具の備えなどを確認し、船頭らに安全運航を指導した。
国交省は2011年8月に静岡県浜松市の天竜川で発生した川下り船転覆事故を受け、13年に策定した「川下り船の安全対策ガイドライン」を基に、全国の事業者を対象に安全点検を実施している。この日は、船体検査、運航管理や操船技術、救助体制などの点検のほか、救助用ロープ使用方法の指導もあった。
川の参詣道として世界遺産に登録されている「熊野川」を巡る川舟下り事業は05年9月にスタート。11年の紀伊半島大水害の影響で一時は乗客が減少したが徐々に回復し、昨年度は水害以降最も多い4563人を記録した。外国人観光客も年々増えており、本年度は乗客の約7割が外国人という。
点検を終え、吉武所長は「安全を順守して運航しているという印象を受けた。船頭さん、語り部さんに関しては、十分健康に留意し、今後さらなる安全運航を心掛けてください」と講評した。森本博也・熊野川川舟センター長は「年に1度の点検ということで、毎回初心に戻れるいい機会だと思っています。安全運航をモットーに、訪れるお客さんに楽しんでもらえるように努力したい」と話していた。
日本周辺では毎年2000隻近くの船舶事故が発生しているが、7割以上が小型船舶によるもの。国交省は、警察、海上保安庁などの協力を得て小型船舶の安全キャンペーン期間中(4月22日~8月30日)、啓発やパトロールを強化している。
(2019年4月28日付紙面より)
復興願い地域住民ら設置 (新宮市熊野川町 )
熊野川地域フラワーツーリズム推進協議会(下阪殖保会長)は27日、新宮市熊野川町の道の駅「瀞峡街道熊野川」付近と日足道路バイパス付近の水田にこいのぼりを計約40匹設置した。
2011年9月の紀伊半島大水害からの復興を願い、地元住民らが設置を始めて8回目。
こいのぼりは水害後、熊野川行政局が新聞などで提供を呼び掛け、県内各地から集まったものを使用している。熊野杉の間伐材で作った高さ約12㍍のポール11本を会員約15人で取り付けた。
下阪会長は「水害からの復興に向けて『元気です』の思いをアピールしたい。今年は10連休ということもあり、大勢の方々に見てもらって気持ちが安らげば」と来場を呼び掛けていた。
取り付けたこいのぼりは5月12日(日)まで設置を予定している。
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■5月5日に地域物産展
同協議会は5月5日(日・祝)午前10時から午後2時ごろまで、同バイパス下で「熊野川地域物産展鯉(こい)のぼり祭り」を開催する。
熊野川町内で採れた野菜などを販売するほか、各種屋台、創作ダンス、午後1時30分からは100㌔分の餅まきを予定している。小雨決行。荒天中止。
(2019年4月28日付紙面より)
新宮ジュニアレスリングクラブ
予選から全試合ストレート (JAみくまの杯少女バレー )
民生児童委員協が総会 (新宮市 )
新宮市民生委員児童委員協議会(福田行男会長)は23日、市福祉センターで本年度総会を開き、事業や予算などを承認した。福田会長は地域の誰もが笑顔で安全に安心して暮らせる社会づくりのために委員活動が期待されるとし「民生委員児童委員は専門職ではなく、行政や専門機関とのつなぎ役だと意識することが大切。無理なく市の福祉の増進に協力を」と呼び掛けた。
出席委員全員で民生委員の歌『花咲く郷土』を斉唱し、5カ条の民生委員児童委員信条を朗読。来賓として出席した田岡実千年市長は「地域でのネットワークがこれからの地域福祉を発展させる上で大切になる。民生委員児童委員の尽力なくては実現できない。今後とも地域住民の心の支えとして、変わらぬお力添えを」とあいさつした。
本年度の重点目標は「さまざまな関係機関団体と連携し、課題を抱える住民の支援に積極的に取り組む」「児童問題について早期に対応するため、子育て家庭に対しての情報提供や支援活動に積極的に取り組む」の2点。
本年度事業計画は▽地区民児協活動の推進▽「民生委員・児童委員の日」活動強化週間の取り組み▽高齢者福祉事業の推進▽児童福祉と母子福祉事業の推進▽研修会の開催―など。「こんにちは赤ちゃん訪問事業」「さわやか朝の声かけ運動」などへの参加協力も行う。本年度一般会計予算は508万4000円。
(2019年4月25日付紙面より)
マナーアップキャンペーンで高校生ら (JR新宮駅 )
通学中の列車内や駅構内など、公共の場でのモラルとマナーの向上を呼び掛ける「きのくに・さわやかマナーアップキャンペーン」が24日朝、新宮市徐福のJR新宮駅(林正樹駅長)で実施された。高校生や関係者らが利用者に啓発グッズを配布した。
同キャンペーンは、学生が公共の場所で座り込みや大声で騒ぐなどのマナー違反行為が横行し社会問題となった平成15年から継続している。
この日は新宮高校と近畿大学附属新宮高校の生徒、新宮警察署、少年補導員、少年相談センター、JR新宮駅社員などが参加。角野敦彦副駅長が「今日お集まりいただいた生徒さんはすでに思いやる心を持っている方々だと思います。取り組みを通して、思いやりのある人を増やして」とあいさつ。生徒らはキャンペーンを知らせるたすきを掛け、ティッシュやクリアファイルなどの啓発物資を渡し声を掛けた。
近畿大学附属新宮高校の山本雅也さん(2年)は「マナー違反について考えて生活していくことは大切なことだと思いました。活動を通して、県、国、世界にマナーアップの精神が広がればうれしい。またキャンペーンがあればぜひ参加したいです」。
新宮警察署少年補導員連絡会の柳本利文会長は「あいさつなどが希薄になってきたこの時代に、ちょっとした行動が心を和ませる。この機会にマナーアップに全力投球していただければ」と協力に感謝を述べた。
(2019年4月25日付紙面より)
無人航空機運用隊を発足 (串本町消防本部 )
串本町消防本部(寺島正彦消防長)が23日、無人航空機〈ドローン〉運用隊(通称・KATT=カット)を発足した。自治体のドローン運用手法として部隊を結成する形は県内初。寺島消防長は富田祐次隊長(消防司令補)ら職員6人を隊員に任命し、串本ライオンズクラブ(串本LC、小森正剛会長)が託した機体の有効運用を目指して努力するよう促した。
串本LCは昨年11月、認証55年記念事業の一環で同本部の災害対応力向上を願ってドローン(INSPIRE2)を寄贈。同本部は操縦技術を習得するため、今年1月に国土交通省所定のフライトオペレーター講習を招致して開講。修了した職員6人はその後も自主的にGPS機能がないドローン機体を購入して技術を磨き、運用手法の検討を重ねてきた。その意欲を持って同本部は部隊を発足するに至った。
通称のKATTは「KushimotoF.D Aerial Shoot Technical Team(串本町消防本部空撮専門隊)」から取ったそうで、隊員の士気を高める趣旨で用いるという。
この日は寺島消防長ら職員(隊員含む)と田嶋勝正町長、串本LCの小森会長ら3人が出席。寺島消防長が発隊宣言して隊員の任命をし、代表して富田隊長が串本LCへの謝辞を交えて意気込みを掲げた。
小森会長は託した機体をいざという時に役立てて職員が活躍すること、田嶋町長はこの機体を駆使していち早く対処することをそれぞれ期待して隊員のいっそうの奮起に期待。寺島消防長は発隊に至るまでの多方面の助力に対する感謝を掲げ「今後はわれわれの持てる力と技術、そしてこのドローンを最大限に活用し、積極果敢に現場投入して消防力向上を図り地域住民の安全安心につなげたいと思う」と訓示を述べて隊員の士気を促した。
式後は飛行展示もあり、同隊は現時点での操縦技術や機体性能を披露。撮影した映像をリアルタイムでモニター表示し、小森会長や田嶋町長らに導入効果の一端を示した。
同隊は本部指揮隊の要請により出動し、▽災害現場を上空から撮影し(広域的)情報収集▽行方不明者の捜索▽消防職員が進入困難な場所の(局所的)情報収集―などの任務に当たる。
20~30代が主体の同隊を束ねる富田隊長(44)は当面、撮影を主体にした活動を考えるとし、部隊として一刻も早く災害に対処できるよう、そして今思っている以上に幅広く使えるよう視野を広げながら、いっそうの向上に努めたいと意気込みを語った。
(2019年4月25日付紙面より)
新宮小売酒販組合(辻良治理事長)などは24日、新宮市佐野のスーパーセンターオークワ南紀店で未成年者飲酒防止・飲酒運転撲滅キャンペーンの街頭啓発を実施した。組合員や関係機関の職員ら約30人が買い物客らにチラシとティッシュを配った。
毎年4月は「未成年者飲酒防止強調月間」。和歌山県全体では2000年から、新宮組合では1993年から街頭キャンペーンを実施している。この日は国税庁のゆるキャラ「イータ君」「マイナちゃん」、県警のマスコットキャラ「きしゅう君」も参加し、買い物に来た親子連れなどに未成年の飲酒防止などを呼び掛けた。
辻理事長の開会宣言のあと、榎本伸・新宮税務署長、髙砂(たかす)浩之・新宮警察署長、田岡実千年新宮市長があいさつ。田岡市長は「未成年だけではなく、大人に対してもお酒の正しい飲み方を呼び掛けていけたら」と話していた。
啓発に参加したのは▽新宮小売酒販組合▽新宮警察署▽和歌山税務署▽新宮税務署▽大阪国税局▽新宮納税協会▽新宮市▽新宮市立少年相談センター▽新宮警察署少年補導員連絡会▽日本フランチャイズチェーン協会▽紀南酒造組合―などの皆さん。
(2019年4月25日付紙面より)
第100回紀南バレーボール連盟杯春季大会
新人議員は3人誕生 (新宮市議選 )
任期満了(30日)に伴う新宮市議会議員一般選挙が21日、投開票され、現職11人、元職1人、新人3人の計15人が当選した。トップ当選は松畑玄さん(47)で1341票を獲得した。元職の三栗章史さん(55)と、新人では岡﨑俊樹さん(34)、竹内弥生さん(58)、大坂一彦さん(55)が当選を果たした。
議員定数を2削減し、15議席となって初の選挙。現職12人、元職1人、新人6人の計19人が立候補した。現職3人が勇退を表明し、早々に新人が立候補の動きを見せるなど、14日の告示前から選挙戦モードに突入していた。
各候補者は人口減少や防災・減災、福祉医療、建設にかじを切った文化複合施設と市の財政などを争点に舌戦を繰り広げてきた。市民の注目も高く、前回(2015年)の6758人を上回る7753人(男3211、女4542)が期日前投票を済ませた。
午後8時10分から市立総合体育館で開票作業があり、各候補の支持者らが作業を見守った。午後10時18分に結果が確定し、当選した各陣営では候補者と支持者が喜びを分かち合った。
投票率は69・75%で、前回を1・16㌽上回った。
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厳しい選挙だった。結果は支えてくれた皆さんのおかげ。新人が6人出てきたということは、それだけ議会に対する不信感があったのでは。これからはそういうことのないように市民目線で取り組んでいきたい。
文化複合施設建設における決定など、新宮市は間違った方向に向かっている。いずれ来る財政難に対して、市民生活を一番に考えていきたい。
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応援してくれた仲間や投票してくれた皆さんに感謝しています。自分の足で歩くことで多くの声を頂いた。市民からの期待を感じました。議員は市民への報告義務がある。市民が一番求めている情報の発信をしっかりと行いたい。
父・武人さん「歩いて一人一人の声を聞いたのが勝因だと思う。これからも市民の声を聞き、市政に生かしてもらいたい」。
母・節子さん「皆さんが支えてくれたおかげで当選できた。感謝の気持ちでいっぱいです。市民の方々に恩返しできるように市を良くしてもらいたい」。
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■開票結果
当落 | 得票数 | 候補者名 | 年齢 | 党派 | 現元新 |
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当 | 1,341 | 松畑 玄 | 47 | 無 | 現 |
当 | 1,271 | 上田 勝之 | 53 | 無 | 現 |
当 | 1,163 | 岡﨑 俊樹 | 34 | 無 | 新 |
当 | 1,075 | 久保 智敬 | 61 | 公 | 現 |
当 | 1,053 | 三栗 章史 | 55 | 無 | 元 |
当 | 985 | 大西 強 | 75 | 無 | 現 |
当 | 955 | 竹内 弥生 | 58 | 無 | 新 |
当 | 945 | 榎本 鉄也 | 62 | 公 | 現 |
当 | 909 | 濵田 雅美 | 53 | 無 | 現 |
当 | 904 | 前田 賢一 | 71 | 無 | 現 |
当 | 896 | 東原 伸也 | 53 | 自 | 現 |
当 | 836 | 松本 光生 | 68 | 無 | 現 |
当 | 834 | 福田 讓 | 69 | 無 | 現 |
当 | 769 | 屋敷 満雄 | 72 | 無 | 現 |
当 | 754 | 大坂 一彦 | 55 | 無 | 新 |
752 | 大石 元則 | 64 | 無 | 現 | |
648 | 池田 稔夫 | 50 | 無 | 新 | |
341 | 月輪 匡克 | 51 | 無 | 新 | |
299 | 栗須 政志 | 68 | 無 | 新 |
当日有権者数 24,237人
投票者数 16,905人
無効投票数 174票
投票率 69.75%
(2019年4月23日付紙面より)
企業と地域団体が田植え (紀宝町 )
紀宝町神内のパナソニックライフソリューションズ紀南電工株式会社(矢野剛社長)は21日、「農山村活性化の取組に関する協定」を結ぶ地域活性化団体「神内生き活き協議会」(矢熊敏男会長)の協力を得て、同地区の田んぼで田植え作業を実施した。
協定は、県が2012年度から取り組む「三重のふるさと応援カンパニー推進事業」の一環。農山漁村の豊かな地域資源を生かして、社会貢献や新規ビジネスなどに取り組む企業や地域を応援する事業で、両者の締結は県内で11例目となった。
今年で3年目の取り組みで、同社の社員や家族ら120人が参加。西田健町長も足を運び、「今日は平成最後の田植え。令和時代の発展のために共に頑張りましょう」とあいさつした。
矢野社長が「田植えを精いっぱい頑張って秋を迎えたい」と述べた後、参加全員で記念撮影した。
この後、休耕田になる予定だった10㌃の田んぼで作業を開始。3年目の参加者は慣れた手つきで、初参加者は悪戦苦闘しながらもコシヒカリの苗を丁寧に植えた。
秋には稲刈りを行う予定だという。
(2019年4月23日付紙面より)
旧須江小前のこいのぼり (串本町 )
串本町須江、旧須江小学校(現・須江ダイビングセンター)前の旧耕作地(通称・谷のあれ)で20日、こいのぼり38本が優雅に泳ぎ始めた。近くに住む井本成二さん(62)が近所の応援を得て掲げていて、今年は5月6日(月・振休)ごろまで飾り続けるという。
谷のあれは須江小があった時代に耕作地として活用され、児童の身近な自然学習教材であり遊び場でもあった。後に須江小が現大島小として統合されて児童の活気が消え、耕作地としての役目も終えて雑木林へと二次遷移。かつて親しんだ場所が雑然とする状況を憂い、華やかさを取り戻したいという願いが所有者の谷文子さんら区民有志の間で高まる中、三重県亀山市から須江の親元へ戻った井本さんが技術面の担い手として加わり、3年前からこいのぼりを掲げるようになった。
当時は支柱1組に親ひもを横張りし、区内外からこいのぼりを譲り受け横一列で掲げた。生い茂る木々と雨風が元所有者の大事なこいのぼりを傷めないよう、2年目は前もって雑木を切り耕作地の外観が見て取れる状態まで再興。託されたこいのぼりの本数も増え、支柱を3組増やし4列で約50本を掲げた。
日中によく風が吹き抜けるが地形的に風が巻くことが多く、親ひもや隣同士で絡みつきひどいときには破れてしまうことも。布製も古い分傷みやすいが、さらに寿命が短いのが紫外線に弱いナイロン製。3年目からは掲げる期間を3週間弱に縮め、4年目の今年は絡みつき予防としてこいのぼりに竹芯を通す工夫も加えて掲げている。
「絡みつきにくくなっても、芯の重さで泳がなくなったら意味がない。ちょうどいい竹の太さはどれぐらいか、実際に何度も試して探ってきた」と井本さん。その集大成を注いで20日に掲げたこいのぼりは数が2割減となり微風では舞わなくなったが、時折吹き抜ける強い風を受ければ不規則に舞い上がること無く安定して優雅に泳ぎ出す。過度な荒天時は今まで通り外して守るが、応援してくれる区民有志も高齢のため小雨や弱風ぐらいなら掲げたままにしておくという。
一番の悩みはこいのぼり自体の経年劣化。最初に預かったこいのぼりは年々数が減っている状況で、井本さんは今後も託してくれる人が現れることを期待しつつ、こいのぼりを見守っている。
(2019年4月23日付紙面より)
もみじ会4月月例杯
第1回和歌山陸上競技協会記録会
第3回JAみくまの杯
なぎ看護学校で防災講座 (新宮市 )
新宮市蜂伏の県立なぎ看護学校(塩路喜英校長)で17日、全学生対象の防災講座が開かれた。講師に、東牟婁振興局の村上健総務県民課長を招き、「南海トラフ地震について」をテーマに学んだ。
地震や津波などの自然災害発生時の正しい状況判断と対処方を学び、迅速に行動できる能力を身に付けることが目的。同校では、全学生が参加し4月と9月の2回、防災講座および訓練をしている。9月には市消防本部の協力を得て、避難訓練が実施される予定となっている。
村上課長は「いつ来るかは誰にも分からないが南海トラフ地震は必ず来る」、「発生した場合、西日本全体が大きな被害に遭うため、すぐに助けは来ない」、「今のままでは、地震によりたくさんの犠牲者を出してしまう」と危惧。「自助」「共助」「公助」に加え、それぞれの力で確実に準備をしておけば、地震の被害を少なくすることができると話した。
内陸(直下)型、プレート境界(海溝)型の地震発生メカニズムについて説明し、阪神・淡路大震災、新潟県中越沖地震、東日本大震災、熊本地震を取り上げた。それぞれの地震での教訓や浮き上がった問題点などを挙げた。
南海トラフで発生する地震としては、南海、東南海、東海の3地震があり、今年1月現在の研究機関のデータでは、南海トラフを震源とする地震の規模を示すマグニチュード(M)8~9クラスの地震が30年以内に発生する確率は70~80%だと伝えた。3連動地震(M8・7)や南海トラフ巨大地震(M9・1)が発生した場合の震度予測、津波浸水想定などを紹介した。
地震・津波への備えとして、▽家の中の地震対策(家具や電化製品の固定など)▽木造住宅は耐震診断を受ける(不測の場合は補強工事を)▽沿岸部では津波からの避難が最優先(避難ルートをあらかじめ確認しておく)▽少なくとも3日分の食糧と水の準備を▽防災訓練に参加して地域の防災力を高める▽常に気象状況には気を配る▽土砂災害の前兆を見逃さない▽暗くなる前に避難を始める―などと話した。
「自助」として防災情報の入手には、防災わかやまメール配信サービス、和歌山県防災ナビアプリの活用、「共助」として自主防災組織や災害ボランティア活動への参加を呼び掛け、「公助」として緊急避難所の安全レベルに応じた分類、津波災害復興計画に事前策定、避難所運営リーダーの養成などがあると紹介した。
(2019年4月19日付紙面より)
串本町立潮岬中学校(堀靖典校長、生徒50人)が17日、ダンス「これぞオチャヤレ岬節」の練習を始めた。5月19日(日)に開く体育祭に向けた取り組みで、この日は中学生として初挑戦となる1年生15人が潮岬節保存会ダンスチームから、じかに指導を受けながら励んだ。
このダンスは、潮岬節をよさこい調にアレンジした地踊り。同校では体育祭で同保存会による生歌に合わせて踊る形が歴代生徒の伝統になっていて、本年度も1~3年生50人一丸で発表するため事前練習に取り組む。
本年度の1年生は前年度、潮岬小学校学習発表会に向け自発的にこのダンスを覚えて披露しその延長で今年1月の26日にあったイベント「本州最南端の火祭り」の会場で同保存会ダンスチームと共演した経験を持つメンバーぞろい。中学校での発表は初となるため上級生より一足早く練習を始めたが、序盤から一通り踊って振り付けを思い出し、それを本来の形により近づけるためのポイントをはっきりさせながら向上に努めた。
この日は同保存会ダンスチームを代表して通し指導に当たる大橋彩子さんと、サポート役のメンバー計4人が来校して直接指導。序盤の腕振りは壮大な波を表すなど振り付けの意味を紹介し、生徒が覚えている振り付けの表現力向上を促すなどした。
2、3年生は今月25日(木)から練習を始める予定。ゴールデンウイーク後に3学年合同練習、同保存会とのリハーサルをし、体育祭本番で発表する流れとなっている。
他方、潮岬小は運動会で児童一丸(6年生は踊り手とはやし衆に分かれる)、地域参加も歓迎しながら「正調潮岬節」の輪を描くのが伝統になっている。本年度もゴールデンウイーク明けに同保存会の直接指導を受け、5月26日(日)の発表に臨むという。
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■初夏の運動会体育祭日程
串本町と古座川町では合わせて11校が初夏の運動会や体育祭を挙行する。日程は次の通り。
【5月】
■18日(土)
▽串本西中
▽高池小
■19日(日)
▽潮岬中
■25日(土)
▽大島小
▽西向中
▽古座中
■26日(日)
▽潮岬小〈こども園と合同実施〉
▽三尾川(みとがわ)小〈三尾川運動会に参加〉
【6月】
▽串本西小
▽串本小
▽出雲小〈出雲地区協賛〉
(2019年4月19日付紙面より)
町ぐるみで地域支援 (紀宝町 )
紀宝町地域包括支援センターは町社会福祉協議会やボランティアと連携して、地域支援事業を展開している。
在宅医療や介護連携、認知症施策の推進をはじめ、地域とのつながりを目的に鵜殿地区で8日に発足した「かわりない会」への支援などさまざまだ。
その一つが毎月開催する「カフェいっぷく亭」。本年度から町社会福祉協議会が事務局を務めている。
2016年度からスタートした。当初は認知症の人やその家族、専門職、地域住民らが集い、認知症への理解を深め、交流を目的にしていた。
現在は認知症の人に限らず、地域住民の集まりの場と位置付け、奇数月は大里地区、偶数月は鵜殿地区で開いている。
認知症への理解を深める研修を受けた25人で「てまりの会」を結成し、サポーターとしてカフェを運営。毎回、参加者が楽しめる企画を用意している。
サポーターの女性は「毎月内容を考えるのは大変ですが、参加者が楽しんでくれると私たちもうれしい」。各テーブルに人形や花を飾るなど、おもてなしにも気を配っている。
17日には鵜殿地域交流センターで開催した。参加者10人とサポーター16人が集まり、楽しい時間を過ごした。
今回サポーターが用意した企画は「ラケットでボール回し」。バドミントンのラケットを握り、ゴムボールや風船を回し合った。
手のひら体操や百歳体操に取り組んだ他、全員で『おぼろ月夜』『夏は来ぬ』を歌った。テーブルを囲んで温かいコーヒー、お茶を飲みながら家族や地域などの話題で盛り上がった。
同センターでは今後も継続して開催する予定で、「ぜひご参加ください」と呼び掛けている。
(2019年4月19日付紙面より)
全国6市町に支援金 (那智谷遺族会 )
那智勝浦町の那智谷大水害遺族会の岩渕三千生代表が17日、同町役場を訪れ、堀順一郎町長に被災地への支援金などを手渡した。町を通じて全国の被災地に送られる。
昨年9月の総会で、地震や豪雨で被害を受けた全国6市町への被災地支援を決めた。送金額はそれぞれ5万円。遺族会発行の災害記録写真集「紀伊半島大水害」の売上収益の一部を充てた。
写真集と町が製作した啓発用DVD「私たちは忘れない 紀伊半島大水害のこと」も郵送する。
支援先は、災害NGO結(ゆい)の前原土武(とむ)さんのアドバイスにより、那智谷とよく似たケースの被災地区を持つ市や町に決まった。前原さんは被災地でのボランティア活動を全国的に展開しており、那智谷の被災時には3年にわたり支援した。
岩渕代表は「これまでは現場に赴き手渡していたが、町を通すことで役場間の交流も生まれると考えた。復旧、復興に少しでも役に立てたら。次の令和の時代は平穏であってほしい」と話した。
送付先は▽大阪府・茨木市役所(大阪北部地震)▽北海道・厚真町役場(北海道地震)▽福岡県・朝倉市役所(九州北部災害)▽岡山県・倉敷市役所(西日本豪雨災害)▽広島県・坂町役場(同)▽愛媛県・宇和島市役所(同)―となっている。
(2019年4月19日付紙面より)
新宮市商工観光課は7日(日)、同市新宮の旧チャップマン邸の内覧会を開催する。午前9時から午後4時まで施設内を自由に見学できる。19日(金)のオープン後は、建物の観覧や文化イベントの開催などを通して、観光客や市民が交流できる観光施設として活用していく。
旧チャップマン邸は、大正時代を代表する文化人で新宮市名誉市民の西村伊作(1884~1963年)が米国人宣教師のE・N・チャップマンのために設計、1926(大正15)年に建設した洋風建築物。戦後から78(昭和53)年まで旅館「有萬(あるまん)」として使われており、市出身の芥川賞作家・中上健次(1946~92年)が執筆活動をした建物としても知られている。2015(平成27)年に同市に無償譲渡された。築90年以上が経過していたことから老朽化が激しく、市は昨年5月から耐震補強改修工事を進めていた。
改修工事では旅館として利用する際に増築した部分を撤去(1階キッチン部分除く)し、施設利用者、職員共用の多目的トイレを新設。さらに大正時代の建設当時の姿を再現するため、可能な限り既存の部材を修復し再利用したり、空調機器は立ち入り禁止の3階や倉庫などに設置するなど配慮した。
勢古口千賀子・商工観光課長は「建設当時の食器棚など、当時をしのんでもらえれば。観光交流施設として広く楽しんでいただき、新宮の歴史や文化を感じていただきたい」と内覧会参加とオープン後の利用を呼び掛けている。今後は「国の文化財」という付加価値を付けるため、登録有形文化財登録に向け、関係機関などと協議しながら申請を進めていく予定。
7日の内覧会では、午前10時と午後1時30分から、2部制で西村記念館・旧チャップマン邸の会事務局長の西山修司さんによる説明会もある。先着30人。申し込みは不要。駐車場がないため、公共交通機関を利用する。問い合わせは市商工観光課(電話0735・23・3333)まで。
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■旧チャップマン邸利用について(19日から)
開館時間:午前9時~午後5時(貸館利用は午後9時まで)
休館日:月曜日、祝日の翌日、12月29日~1月3日
入館料:無料。会議などのため使用する場合は料金を徴収する。
使用料(1部屋につき):午前9時~午後1時、午後1時~5時=1000円、午後5時~9時=1500円
(2019年4月4日付紙面より)
熊野山禅定林寺で「花まつり」 (那智勝浦町 )
那智勝浦町大野の熊野山禅定林寺(西村祖融住職)で3月30日、お釈迦(しゃか)様の誕生を祝う「花まつり」が開かれ、子どもたちを含め、約60人が参拝した。
同寺が設立されてから毎年恒例の行事で、今年で20回目を迎える。一般には4月8日に営まれるが、地域の人たちが集まりやすいよう休日に開かれている。同寺庭園の花々が咲き誇り、西村住職は「花も楽しんでいってほしい」と話した。
西村住職と西村祖心さんは「法要散華」の儀式で参拝者の頭上に花びらを散らし、参拝者は祭壇の前で手を合わせ、釈迦小像に甘茶を掛けた。
毎年恒例の祖心さん手作りの紙芝居もあった。今年は「かさこじぞう」が披露され、参列者の心を和ませた。
西村住職は「人は悪と仏の二つの心を持っていて、仏の心で日々行動できるよう修行している」と話し、祖心さんは「自分の性格は自分がつくってきたもので、自分で変えられる」と話し、法話の中に多くの教訓が込められていた。
その後、お茶やお菓子の振る舞いがあり、ビンゴゲームや輪投げが催された。
(2019年4月4日付紙面より)
飛雪の滝キャンプ場近くで
紀宝町浅里地区の休耕田でキカラシが見頃を迎えている。
浅里環境美化協議会(尾鼻展央会長)と町が景観づくりと観光誘客を目的にした取り組み。3年前から年間を通じて耕作が行われていない休耕田に景観作物を植え、観光スポットとしてPRしている。
場所は飛雪の滝キャンプ場近く。同協議会が昨年秋に種をまいた。キャンプ場周辺でソメイヨシノが開花し、満開のキカラシと桜を同時に楽しむことができる。
同協議会では「浅里地区は『にほんの里100選』に選出された風光明媚(めいび)な農村であり、飛雪の滝をはじめ、さまざまな観光スポットがある。ぜひ、足を運んでいただき、地区の魅力を知ってください」と呼び掛けている。
毎年、開花を楽しみにしているという地元の女性は「今年もきれいに咲きましたね」と話していた。
(2019年4月4日付紙面より)
選管が街頭啓発 (和歌山県議選 )
投開票が7日(日)に迫った和歌山県議会議員選挙。県選挙管理委員会事務局東牟婁分局(田堀国浩分局長)は3日、串本町串本のAコープVASEOで街頭啓発を行い、買い物客らに投票を呼び掛けた。
職員らが買い物客に期日前や当日の投票を促すために物資を配布し啓発。田堀分局長の代理として共に啓発した東牟婁振興局地域振興部の林俊和副部長は「7日の投票日には棄権することなく、責任ある一票をお願いしたい。18、19歳の方にも積極的に参加していただけたら」と語り、当日の投票が無理な場合は期日前投票も勧めた。
期日前投票は先月30日より受け付けており、2日現在の東牟婁郡選挙区では那智勝浦町1079人、太地町236人、古座川町171人、北山村48人、串本町1232人の計2766人が投票を済ませている。
(2019年4月4日付紙面より)
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