創建草創記念事業実行委員会 (那智勝浦町 )
那智勝浦町の熊野那智大社御創建1700年、那智山青岸渡寺西国三十三所草創1300年記念行事実行委員会(花井啓州委員長)は23日、同町役場大会議室で委員会を開いた。町のイメージキャラクターの最終選考も行われ、20人による投票の結果、北海道江別市の八谷早希子さん(42)作「なっちー」が選ばれた。
イメージキャラクターは4月14日から5月15日まで募集し、県内から92点、県外から46点、町と連携協定を結ぶ京都橘大学から11点の応募があった。好感や愛着が持て、那智勝浦町らしさを表し、かつ着ぐるみの制作と町のPRができることを基準に5月18日の第1次選考で10点まで絞った。
「なっちー」は日本三大名滝の一つである那智の滝をイメージしたキャラクター。那智山の原始林の間から落ちる滝をモチーフに、子どもからお年寄りまで幅広い年齢に親しみを持ってもらえるようデザインしている。
花井委員長は「町にはキャラクターがいなかったので、これを契機に地域・観光振興と対外的な宣伝活動に用いていけたら。デザイン通りの着ぐるみに仕上げたい」と話した。
委員会ではこのほか、7月14日(金)・15日(土)に催される記念メッセージ花火の打ち合わせや10月28日(土)・29日(日)に運行される「恋活縁結び列車」、11月5日(日)予定の世界遺産シンポジウム事業などの記念行事について話し合った。
(2017年6月27日付紙面より)
和大が災害テーマに開放授業 (新宮市 )
和歌山大学南紀熊野サテライトは24日、新宮市大橋通の新宮信用金庫本店5階会議室を会場に第2回学部開放授業「熊野地域の地形地質からの災害史、今後の防災減災を考える」を開催した。同大学災害科学教育研究センターの副センター長でシステム工学部の江種伸之教授と同センターの客員教授、後誠介さんが登壇し、紀伊半島大水害の研究成果などを基に授業を展開し、高校生17人を含む49人が熱心に耳を傾けていた。
南紀熊野サテライトは田辺市新庄町のBig・Uに平成17年に開講し、大学院、学部の開放科目などを開いている。本年度から東牟婁地域の自治体や住民の声を受けて新宮市で初めて開講した。新宮信用金庫が地域貢献事業の一環として無償で会場を提供している。
最初に登壇した後さんは3部に分けて授業を進めた。紀伊半島大水害が発生した2011年9月4日未明に急変した那智川流域の様子を、時間を追って説明し、流木・土石による河川の閉塞(へいそく)が水位の急上昇を招いた状況を解説。2部では過去に紀伊半島で起きた大水害の発生場所とどれくらいの間隔で起きたのかなどを示した。2011年の台風12号は、1889年の十津川大水害の台風とコース、スピードとも似ていたことに研究者も気づかなかったと話し、災害の伝承が重要と訴えた。3部では地質体で違う崩壊の仕方を解説。調査の中で「付加体」の大規模崩壊は北向き斜面、「火成岩体」は南向き斜面で多発しているという興味深い調査結果なども示した。
江種教授は紀伊半島大水害の研究成果をどう生かすかが重要と語り、日頃の気象情報では土中にどれくらい水がたまっているかを数値で示した「土壌雨量指数」への着目などを呼び掛けた。県のホームページの「土砂災害警戒避難判定図」も紹介した。
紀伊半島大水害の最新研究成果として、降雨量と土砂災害の関係、崩壊地の分布などを、データを基に示した。火成岩体エリアの崩壊地では東部と西部に分けると西部は8倍も多くなっている分析結果なども解説した。土壌を表面付近から地下へ三つのタンクに分けてどれだけの水分量が含まれているかを見る「タンクモデル」という手法なども紹介した。
南紀熊野サテライトでは後期の募集要項をホームページに掲載している。問い合わせは同サテライト(電話0739・23・3977)まで。
(2017年6月27日付紙面より)
JFA支援で校庭芝生化 (潮岬中 )
串本町立潮岬中学校(藤本弘子校長)で25日、校庭の芝生化に向けた苗の植え付け作業があった。日本サッカー協会(JFA、田嶋幸三会長)のグリーンプロジェクト「ポット苗方式・芝生化モデル事業」の支援を受けた取り組みで、生徒や教職員ら約170人が雨天下の作業に励んだ。
同校の芝生化は昨夏、砂ぼこり対策を検討する中で話題に挙がり、同プロジェクトが活用できるかもしれないと考えて応募。今年3月に当選の連絡が入り、今月19日から苗を植える穴を掘るなど下準備を重ねてきた。
この日は生徒や教職員のほか、育友会と潮岬小や潮岬幼の教職員、潮岬地区の各老人クラブ会員を含む住民有志、同町教育委員会職員らが参加し、JFA関係で岡島正明専務理事と根本敦志地域担当部部長代理、県サッカー協会の中村源和会長と田中克紀専務理事、苗の生産者グリーンスポーツ鳥取の中野淳一さんが来賓として列席。藤本校長が取り組みの趣旨を伝えて各者の協力に感謝し、根本さんが苗の特性や作業の手順を紹介して作業開始となった。
同プロジェクトが採用するポット苗方式は、50㌢位間隔で苗を植えて芝生化を図る手法。今回は約4600平方㍍あるグラウンドを覆うため1万9320株の苗が同校に無償提供された。荒天を見越して事前に約3分の1は植え付け済み。この日は残り3分の2を手分けして植え、作業を完了させた。
同校サッカー部主将の山本龍輝君(3年)は「まさかJFAから苗がもらえるとは思っていなかったのでうれしい。使える頃には引退しているけれど、ちょくちょく体を動かすのに利用したい。後輩には芝生のグラウンドでいっそう練習に頑張ってほしい」と話し、その瞬間が訪れるのを大いに期待した。
提供されたのは、東京五輪に向け建設中の新国立競技場や現国立競技場も採用しているティフトン芝の苗。日常の芝刈りが欠かせないなど手間はかかるが相応に生育が旺盛で、わずか2カ月ほどで一面を芝生化できるという。藤本校長は「苗を提供いただいた日本サッカー協会や事前の準備に協力してくれた皆さん、そしてこのような天候の中でもご協力いただいた皆さんに改めて感謝申し上げたい。管理に要する肥料や機材を購入していただけることになり、まずは芝生化が無事完了できるよう苗の養生に精いっぱい努力したい」と語った。
JFAは2008年度から500万平方㍍の芝生化を掲げる同事業を展開していて、2016年度までに全国369カ所で139万2300平方㍍相当分の提供実績を挙げている。県内の学校で苗が提供された前例はなく、本州最南端の潮岬中が同プロジェクトによる芝生化第一号になった。
(2017年6月27日付紙面より)
親子参加型講座に16組 (新宮市 )
児童虐待防止を目的として組織している子育てあんしんネットしんぐうは23日、新宮市佐野のくろしお児童館で「親子で楽しもう『音楽療法♪』」を開いた。社会福祉法人美熊野福祉会の音楽療法士、橋上慶一さんらが講師を務め、親子16組が音楽に合わせて触れ合った。
ピアノの演奏に合わせてあいさつをしたり子どもたちの名前を呼んだりすると、子どもたちも返事。音楽とともに会場内を歩き回った他、軽い素材でできた円形の布の遊具「パラバルーン」を取り入れるなど、さまざまな遊びに子どもたちは興味津々の様子だった。
2歳の萌香(ほのか)ちゃんと参加した同市蜂伏の田村知穂さんは「楽しいです。なかなか人と触れ合ったりする機会はなく、成長を確認できる場になります。あまり人見知りをしないので、子どもも楽しんでいるよう。このような機会がたくさんあれば、積極的に参加したい」。
子育てあんしんネットしんぐうの川嶋ひとみさんは「今回の音楽療法は初の試み。親子で楽しく交流を持ってもらえれば」と話していた。
(2017年6月27日付紙面より)
東牟婁支部学童部C級大会
全国高校野球和歌山大会
横綱・日馬富士関ら伊勢ヶ濱部屋の力士が18日、来年創建2050年を迎える田辺市本宮町の熊野本宮大社に手形を奉納し、来場所からの活躍を誓った。横綱は「美しい自然の中にある神社を気持ち良く参拝させていただきました。名古屋場所に向けてパワーをもらいました」と話した。
同社の崇敬者の紹介で、伊勢ヶ濱部屋の親方(元横綱・旭富士)、日馬富士関、大関・照ノ富士関、安美錦関が正式参拝した。3力士のほか、宝富士関、誉富士関、照強関と同部屋の10両以上の力士の手形を押した板(縦30㌢、横180㌢)を奉納した。
部屋に対し、お札、勝守(かちまもり)、挑花などを贈呈した九鬼家隆宮司は「熊野は悩み、立ち止まった時に自分を見つめ直す場所といわれています。これからの部屋の発展、相撲業界の発展を祈ります」とあいさつ。親方は「みんなで夏場所に向けて一日一日いい相撲をとっていければ」と話した。
同社には大勢の見物人が訪れ、力士らは気さくに記念撮影に応じていた。一行は参拝の後、白浜町の特別養護老人ホームを慰問した。
一行と歓談した九鬼宮司によると、横綱は熊野について詳しく、「熊野古道を歩いてみたい」と話していたという。「いつも身に着けていたい」と個人的にも「勝守」を入手した。
九鬼宮司は「現役の横綱に参拝していただき、来年のご創建2050年を迎えるにあたり力を頂いた。来場所はぜひ優勝していただきたい」と話した。
(2017年6月20日付紙面より)
休耕田にヒマワリの種まく (熊野川フラワーツーリズム協 )
熊野川地域フラワーツーリズム推進協議会(下阪殖保会長)は18日、新宮市熊野川町西敷屋の休耕田にヒマワリの種をまいた。町内4地区、約4㌶の土地に約25万~40万本分をまく予定。9月10日(日)には「ひまわりまつり」を予定しており、下阪会長は「花の咲く町になってくれれば」と話していた。
同協議会は2011年9月の紀伊半島大水害で被災した町を花の名所にして元気づけようと、休耕田や耕作放棄地に種をまいている。この日は会員と地域住民らが参加。縄に付いた目印を頼りに手作業でまいたり、種まき機を使ったりしながら協力して取り組んだ。
西敷屋在住で協議会会員の辛嶋彰さん(76)は「この地区は特に高齢化が進み、休耕田が増えています。維持していくには活性化につながる花作りなどをしなければ集まる機会も少ない。できる限り、続けていきたいです」。
土地の所有者の向井地數廣さん(85)は「昨年はきれいでみんなが褒めてくれた。盆の時期に見られるようにと今年はまく時期をずらしました。きれいに咲いてくれれば」。種をまいた70代の地元の女性は「花が咲くときれいだった。植えるだけでなく初めから手伝うことができればいいんですけれど…。男性たちが大変だと思います」とほほ笑んだ。
熊野川行政局の山本茂博・住民生活課長(56)は「大変でしたが地元の人も一生懸命で、事務局としても地元のことには協力したいです。花が咲くのが楽しみ。今後とも地域の人たちと一緒に頑張って熊野川町を元気にしたい」。
下阪会長は「時々種があれば欲しいという人もいる。また、種を使ってと送ってくれる人もいます。県外からも問い合わせがあるよう。今年もひまわりまつりを大々的にやりたいです」と語った。
7月9日(日)午前9時ごろからは平野地区での種まきボランティアを募集しており、協力を呼び掛けている。
(2017年6月20日付紙面より)
串本町有田にあるJR紀伊有田駅で5日から14日まで、「紀の国トレイナート2017」関係の作品制作があった。昨年に続き和歌山市在住のアーティスト・画家まつおさん(30)が作品を描き込み、一段とにぎやかさが増した。
この制作は同トレイナートの一企画『駅舎アート』の一環。画家まつおさんは昨年初参加したアーティストで、『え、こんなところにこんな駅?』と題して同駅における作品制作を担当している。
イベントは毎年秋に開かれているが、画家まつおさんはその時期が多忙なため今回は一足早く作品制作に取り組んだ。駅舎線路側の壁面をキャンバスにし、高さ約1・9㍍、幅約3・6㍍の新作を水性ペンキで描き込み。14日に完成させ「串本の海の中」と名付けた。
画家まつおさんは3月から始まった串本海中公園水族館と紀の国トレイナート実行委員会による企画展「海をかりる展」(同館内で実施中)の序盤の展示を担当。その時に串本の海を自身の目でじかに確かめ、後に野村恵一館長からシュノーケリング観察によるサンゴの紹介も受けた。新作はその成果を投影し感謝する思いで描いたという。
持ち味とする規則正しい曲線や円の表現とサンゴの描写で串本の海を形作り、アオリイカやトビウオ、ナマコやウミガメ、セミエビや各種熱帯魚など実際にいる生き物を描き加えた。
新作とは別に、昨年作にもサンゴを重ね描いて串本の海らしさを強めた。制作中は自身の知り合いと下校中の串本西小児童が訪ねてくれたそうで、子どもが自分の絵を見て魚の名前を言い当ててくれるのがうれしかったという。制作後も作品を楽しんでもらえるよう、子どもに好評のオリジナルキャラクター『まるぞう』を随所に描き足し、「串本の海と子どもをもっと身近にする作品になった」と仕上がりを振り返る。
今年の制作はひと段落したが、「トレイナートが続く限りこの作品を発展させたい」と画家まつおさん。「この作品はきれいだけで終わらせたくない。紀伊有田駅へ来たらこの辺りのことが一通り知れる。そんなエンターテイメント性を出していきたい」と語った。
14日現在、同トレイナート2017の日程や詳細な内容は未発表。紀伊有田駅については一足早く今年の作品が完成し、画家まつおさんは「自分はいないけれど、多くの皆さんに鑑賞してもらい楽しんでもらえれば」と期待した。
(2017年6月20日付紙面より)
三輪崎小学校でプール開き (新宮市 )
新宮市立三輪崎小学校(芝﨑勝善校長)で19日、プール開きがあった。6年生62人が1年ぶりの水の感触を楽しんだ。
プール掃除は9日に実施した。19日の同市の気温は午前9時の時点で27・5度、10時には29・6度を記録しており、太陽が輝く絶好のプール日和となった。
水着に着替えた児童らは準備体操でしっかりと体をほぐした。足を水につけ、頭から徐々にならしていき、水につかると「冷たい」「きゃー」と歓声が上がった。水の中で歩いたり、泳力を確認したり、児童らはうれしそうに取り組んでいた。
大野咲空君(11)は「水が冷たかった。時間が少なかったのと、プールが浅い」。川上颯心君(11)は「楽しかった。冷たさもちょうど良かったし、面白かった」と笑顔を見せていた。
(2017年6月20日付紙面より)
第23回JA杯ソフトバレー大会
第36回紀南陸上競技選手権大会