地域住民らがこいのぼり設置 (新宮市熊野川町 )
熊野川地域フラワーツーリズム推進協議会(下阪殖保会長)は22日、新宮市熊野川町日足道路バイパス付近の水田に、こいのぼり30匹を設置。未曽有の大水害から10年の節目に思いをはせた。
2011年9月の紀伊半島大水害からの復興への願いを込め、地元住民らが設置を始めて9回目。昨年は新型コロナ感染症の影響でこいのぼりの設置と災害復興イベント「鯉のぼり祭り」は中止となっていた。
11年まで町内イベントで使用していたこいのぼりは、熊野川行政局で保管していたものの水害の際に全て流出。現在使用しているこいのぼりは、熊野川行政局が新聞などで呼び掛け、県内各地から集まったものだ。
この日は会員と行政局職員ら約10人が設置作業に当たった。熊野杉の間伐材で作った高さ約12㍍のポール6本を立てて取り付けると、30匹のこいのぼりが空を泳ぐかのように風になびいた。
新型コロナの影響で、今年の「鯉のぼり祭り」もやむなく中止に。こいのぼりは連休明けの5月10日(月)ごろまで設置する予定だという。
青空にたなびくこいのぼりを見上げ、下阪会長は「復興イベントを催すたびに水害のことを思い出す。コロナ禍なのでこいのぼりを遠くから見て笑顔になってほしい」。
今年の9月4日に向け、「節目として全体で何ができるか考えていきたい」と地域住民参加型催しの計画を協議していると話した。
(2021年4月23日付紙面より)
現職・田嶋勝正町長公務再開 (串本町 )
任期満了に伴う串本町長選挙で当選した現職・田嶋勝正町長(62)が22日、任期開始より一足早く初登庁の節目をつけて公務を再開した。
この選挙は18日に執行され、田嶋町長は無所属ながら自民党、公明党の推薦を受けて立候補。当日有権者数1万3617人に対し5934票を獲得し、連続4期となる再選を果たした。
現職当選時の慣習となっている一足早い初登庁の節目。職員を代表して総務課の中井桐子主事(23)が花束を贈り、集まった職員や支持者らから拍手を受けて入庁した。
引き続きコロナ禍を考慮して課長級以上の職員を対象にした訓示に臨み、選挙活動中に掲げた▽防災▽子育て支援▽経済振興▽福祉―などの柱を今まで以上に強くするという思いを伝え、63年ぶりとなる役場本庁移転がもたらすモチベーション向上をさらなる住民サービスに充てること、千載一遇のチャンスであるロケット事業による地域振興を職員一丸で必ず成功させることを目指すところの一端として見据えた。
加えて選挙活動で感じた事柄として広報強化の必要性も掲げ重点化するほか、新型コロナウイルスワクチンの滞りない接種と接種までの間の予防を呼び掛けることを喫緊に始めるとし、「次の4年間はこれまでの経験を生かし、(臆すること無く)最大限頑張りたい」と意気込みを示した。
町長の次期任期は5月1日(土)から4年間。
(2021年4月23日付紙面より)
和歌山県
和歌山県内で新型コロナウイルスの感染者数が増加しており、病床数が逼迫(ひっぱく)している現状を鑑み、県は21日、紀北地方に呼び掛けていた「不要不急の外出の自粛」を県内全域に拡大し、25日(日)までとしていた期間も延長すると決定した。期間は5月9日(日)まで。
「カラオケ・ダンスなどの大規模な催しへの参加を控える」「在宅勤務(テレワーク)の積極的な活用」などに加え、「感染防止策が徹底されないイベントの開催の延期・自粛」「大規模集客施設・小売店での催物・バーゲンなどは延期・自粛」も新たに追加された。
また、県立学校の部活動は、県外の学校との練習試合や合同練習などを禁止する。大会などについては全国大会や近畿大会につながる場合、原則実施し、その他は原則延期または中止とする。大会などを実施する場合は「新型コロナウイルス感染症に係る県内大会への出場停止や大会中止の目安について」によることとする。
【今後の県立学校における部活動について】
■原則、対人練習および対面練習において、近距離で飛沫(ひまつ)の飛ぶことのないよう、一定の距離を取った上で練習する
▽相撲▽柔道▽剣道▽レスリング▽フェンシング▽なぎなた▽空手道▽少林寺拳法▽ボクシング▽水泳(水球)▽テニス▽ソフトテニス▽卓球▽バドミントン▽バレーボール▽バスケットボール▽ ハンドボール▽サッカー▽ラグビー▽ホッケー▽ 野球▽ソフトボール
■感染防止対策を十分講じた上で練習する
▽陸上競技▽体操▽水泳(競泳・飛込)▽弓道▽ウエイトリフティング▽登山▽ボート▽ヨット▽自転車▽カヌー▽アーチェリー
■向かい合っての演奏・発声などを避けるなどの対応を取った上で練習すること。※下記以外の文化部は感染防止対策を取った上で練習する
▽吹奏楽▽軽音楽▽合唱▽演劇▽放送など
(2021年4月23日付紙面より)
災害バンダナを作成 (新宮市 )
新宮市はこのほど、聴覚に障害のある人のための防災グッズ「災害バンダナ」を作成した=写真。市役所1階の福祉課と健康長寿課、4階の防災対策課で耳が聞こえない人(手帳の有無は問わない)、手話ができる人を対象に配布している。
障害者差別解消法では、要配慮者への合理的配慮の提供が国や地方公共団体の義務として定められており、それは災害時にも不足なく提供されなければならない。
災害バンダナには「耳が聞こえません お手伝いをお願いします」「手話ができます」といったメッセージが入っており、聴覚障害者がバンダナを身に着けることにより、避難時や避難所での生活において支援を受けやすくなることを目的に200枚作成した。作成に当たっては、市聴覚障害者協会、社会福祉法人美熊野福祉会の協力を得たという。
使用方法は、バンダナに記載されているメッセージが見えるように羽織るほか、火災時に鼻や口を覆うマスク・ハンカチ代わりとしてや、けがをした際に三角巾としても使用できる。
市防災対策課では「災害時など、バンダナを着けた方を見掛けたら、積極的に声掛けや支援への協力をお願いします」と呼び掛けている。
(2021年4月23日付紙面より)
令和3年度スクラッチ杯 (那智勝浦ゴルフ倶楽部 )
「県で最も住みやすい町に」かじ取り役の努力を決意 (串本町長選・町議選 )
任期満了に伴う串本町長選挙と町議会議員一般選挙(定数13)が18日に執行され、別枠の通り当落が確定した。町長選は現職の田嶋勝正さん(62)が4期目の再選。投票率は両選挙とも70.75%で、前回比で町長選は1.75㌽減、町議選は1.76㌽減となった。
選挙戦を制した田嶋さんを祝福するため近隣市町の首長や和歌山県議会議員が選挙事務所に駆け付けた。島野勝後援会長は「4期目は今後の串本町を方向付ける大切な4年間となる」とした。田嶋さんは「厳しい選挙だった。結果を見つめ直して、町のかじ取り役として努力していく」と選挙戦を振り返った。
優先課題では防災力強化や子育て支援、経済活性化、福祉の充実を挙げ、新型コロナウイルス対策はこれまでの47項目に加え、新施策を6月の町議会に上程するとした。
ロケット事業や今後については「県にとって大きなチャンス。経済の活性化と教育に役立てたい。交通渋滞解決にも取り組み、小さな町がロケットの最先端の町になるように、県で最も住みやすい町になるようにしたい」と決意を述べた。
(2021年4月20日付紙面より)
観光案内所などで配布 (那智勝浦町 )
各駅から熊野古道を示した「アクセスルートマップ」と駅周辺の名所を記した「わがらの駅お散歩まっぷ」がこのほど、那智勝浦町の観光案内所や世界遺産情報センターで配布されており、誰でも入手できる。
両マップは観光客受け入れのための基盤整備と機能強化、都市と地域の交流活性を行うことを目的に一般社団法人那智勝浦観光機構(NACKT)や町内外のボランティア団体で構成される世界遺産・熊野古道「大辺路」活性協議会(会長=堀順一郎町長)が作成したもの。
「アクセスルートマップ」はJRきのくに線内の那智勝浦町と串本町にある▽和深▽田子▽田並▽紀伊有田▽串本▽紀伊姫▽古座▽紀伊田原▽紀伊浦神▽下里▽湯川▽紀伊勝浦▽紀伊天満▽那智▽宇久井―のJRの15駅から熊野古道「大辺路」にアクセスする経路を掲載している。
「わがらの駅お散歩まっぷ」は15駅周辺のさまざまな情報が三重県津市在住の絵地図作家・植野めぐみさん作成の絵地図で紹介されている。
同協議会事務局の齋藤茂さんは先日実施された「事業成果報告会」で、両マップについて「成果物を残すことができて
良かった。地域の生活の足であるJRの存続のためにも利用客を増やす
必要がある。どちらのマップも利用客増につながってほしい。今後は外国人観光客のために英語表記も必要」と話していた。
同協議会によると、両マップが欲しい人は観光案内所や世界遺産情報センターの職員からもらうことができるという。数に限りあり。
問い合わせは町観光案内所(電話0735・52・5311)まで。
(2021年4月20日付紙面より)
新宮市の三輪崎剣道クラブ(新谷浩三代表、部員28人)は18日、同市佐野の佐野体育館で「剣道体験会」を開いた。園児や小学生ら約20人が参加。遊びを交えた体験を通して剣道に親しんだ。
少子高齢化の中、剣道人口を増やすために、普段、剣道に触れる機会のない子どもたちに剣道を身近に感じてもらおうと開催。「竹刀を使って遊びましょう!」をテーマに、竹刀や剣道に慣れ親しんでもらう機会とした。
同クラブは「明るく、楽しく、元気よく」をモットーに活動を展開。競争心と礼儀を学び、指導者と共に成長することを目的に稽古に取り組んでいる。
体験会開催に当たり、同クラブ事務局の西畑将史さんは「今日はさまざまな体験を通して、普段触れることの少ない剣道に触れていただけたら」とあいさつ。
「剣道は『礼に始まり礼に終わる』といわれるほど礼を重んじる競技です」と述べ、正座の順序や黙想などについて指導。竹刀の持ち方・構え方、すり足についても説明し、参加した子どもらは新聞切りや紙風船割りなどを通して剣道の楽しさや奥深さを学んだ。
午後からは、新型コロナ感染症が終息するまでの暫定的な試合・審判法について講習会が実施された。
(2021年4月20日付紙面より)
プロ歌手の歌声楽しむ
那智勝浦町は17日、同町築地の勝浦地方卸売市場で公益財団法人さわかみオペラ芸術振興財団による「さわかみオペラin南紀勝浦生まぐろ市場コンサート」を開催した。共催は南紀勝浦生まぐろ市場コンサート実行委員会で、在日イタリア大使館などが後援。雨天の中、国内外でも珍しいとされる市場でのオペラを見ようと入場前に検温やアルコール消毒などを施した約350人が来場。マグロ漁船が停泊する中でプロのオペラ歌手の歌声が市場内に響き渡り、観客は生の芸術を楽しんだ。
同財団はさわかみ投信㈱で取締役会長を務める澤上篤人さんが、芸術性の高いオペラ文化を日本で広め、多くの人々が心のぜいたくを味わい豊かな人生を送ってもらいたいという思いから設立。
世界トップレベルであるイタリアの有力歌劇場と協力。日本の世界遺産と文化遺産を舞台にジャパン・オペラ・フェスティヴァルなどを開催してきた。
今回のコンサートは堀順一郎町長が前職である和歌山県職員時代から交流を重ねてきた澤上さんが来町した際に決定したもの。今秋実施の「紀の国わかやま文化祭2021」の応援事業の一つとして開催された。
澤上さんは「那智勝浦町を元気にしたいと思う。来年も開催したい。その際にコロナが終息していれば、コンサート後に来場者と歌手たちが一緒に余韻を語り合うレセプションを開きたい」と意気込みを語った。
オペラでは梨谷桃子さん(ソプラノ)、前川健生さん(テノール)、斉木健詞さん(バス)、ピアニストの篠宮久德さんの4人が出演し、同町の町歌のサプライズ披露でスタート。▽カルメンより「闘牛士の歌」▽ナポリ民謡「オー・ソレ・ミオ」▽映画「ゴッドファーザー」愛のテーマより「もっと静かに話して」―、日本歌曲では「早春賦」「南天の花」「花」などを、迫力ある美しい歌声で披露した。
また、停泊中の漁船から同財団に対し、生マグロの切り身が贈られる一こまもあった。
関西方面から地元に帰省していた井原昭彦さんは「初オペラは素晴らしかった。会場の雰囲気も良い。来年もあるならぜひ来たい」。
この日は町内の小中学生も会場に招待された。町立市野々小学校6年の米川みちるさんは「きれいな歌声で驚いた。本当なら大きな建物で開かれるコンサートなのに勝浦に来てくれてうれしい。良い思い出になりました」と笑顔で話した。
コンサート終了後、同実行委員会の後誠介会長は「停泊中の漁船の音や雨音もむしろおもしろかった。こんなコンサートは初めて。本当に良かった」。
堀町長は「素晴らしいコンサートだった。サプライズの町歌も皆さまの耳に残ったのでは。課題も見えてきたので来年はさらに良いオペラコンサートにしていきたい」と語った。
(2021年4月20日付紙面より)
新翔は初戦突破ならず (春季近畿高校野球和歌山県予選 )
集団接種会場運営訓練を実施 (那智勝浦町 )
那智勝浦町は2日、同町の体育文化会館で新型コロナウイルスワクチンの接種会場運営訓練を実施した。医師、看護師、保健師、町消防本部、町職員や町老人クラブ連合会有志合わせて約80人が参加。同館アリーナで会場設備の配置を行い、受付や模擬接種などの動線を確認し、本番環境を想定した訓練に取り組んだ。
同町では先月、接種会場の設営確認などを実施したほか、役場庁舎1階に「新型コロナウイルスワクチン接種に関するお問い合わせ窓口」を設置。3月22日には接種が優先される75歳以上の町民3639人に対して新型コロナウイルスワクチン接種券を送付している。
16歳以上の国民約1億人が対象とされるワクチン接種。同町では16歳以上が1万3232人(3月1日現在)で、そのうち65歳以上は6413人。現在、75歳以上の接種希望者は1598人で接種は高齢順で実施するという。
19日(月)から22日(木)までの4日間、1日120人をめどに1回目の接種を行うとし、それ以降の接種時期は未定としている。
この日の訓練は▽受付(問診票の記入がない場合は記入する)▽保健師による問診▽医師の診察▽ワクチンの模擬接種▽待機―の流れで行われた。また、待機中に副反応であるアナフィラキシーショックを引き起こしたケースを想定した訓練にも取り組んだ。
訓練に協力した町老連の峰武久会長は「あらかじめ訓練していれば本番は円滑に接種ができる。そういう意味では良い経験になった」と語った。
訓練を視察した堀順一郎町長は「待機時間を快適に過ごしていただくためにテレビなどを設置することも検討している。今回出たさまざまな課題を研究したい。各団体と意見交換してよりスムーズに接種が行えるように対策や態勢を強化して進めていきたい」と話した。
(2021年4月4日付紙面より)
小中高生が応援ボード作る (紀宝町社協 )
「手洗い、マスクをしよう」「健康でいるためにみんなでしっかり予防しよう」「今できることを考えてそれをめいっぱい楽しもう」。みんなで新型コロナを乗り越えようと、紀宝町社会福祉協議会が3月31日に開催した町福祉センターでのボランティアスクールに参加した小中学生12人と、県立木本高校JRC部(市川芹部長)の部員が応援ボードを手作りした。
今月中旬まで町福祉センターと神内の神内福祉センター、鵜殿の主婦の店「アプローチ」に飾る。
ボードは「新緑の緑」「桜のピンク」「青空の青」の3種類で、1グループ8~9人で取り組んだ。小中学生は高校生にアドバイスをもらいながら、花や動物、植物などをかたどった用紙にメッセージやイラストを書き込んでいった。顔写真も貼り付け、子どもたちの思いが詰まったボードが完成した。
県内JRC部で最多の部員を有する木本高校。県内8校JRC部で組織する三重県青少年赤十字高等学校連絡協議会に属し、メンバーと医療従事者への感謝や応援の気持ちを込めたメッセージパネルを作成して伊勢赤十字病院に贈呈した。
同協議会のリーダーで、この日のボラスクールに参加した西那朋香さんは「小中学生と作った応援ボードを通してコロナについて考える良い機会になったと思う」と話していた。
(2021年4月4日付紙面より)
新宮神社でさくら祭り (熊野速玉大社 )
新宮市の熊野速玉大社(上野顯宮司)境内にある新宮神社で3日、例祭(さくら祭り)が執り行われた。大社崇敬会の杉本義和会長や敬神婦人会の久保あや子会長、神倉神社奉賛会の猪飼三雄会長ら約30人が参列し、桜の枝を玉串として奉奠(ほうてん)した。
新宮神社は1907(明治40)年、神社合祀(ごうし)令により、新宮町内にあった18社18柱の祭神を大社境内の金刀比羅(ことひら)宮に合祀したのが始まり。中でも最も位の高い渡御前(わたりごぜん)社の主祭神・神武天皇の例祭に合わせて、毎年4月3日に営まれている。
同神社はおととし、御代(みよ)替わりの年の記念事業として修復工事を行った。鬼瓦と拝所の瓦は、当時(江戸時代のものとされる)のものが利用されているという。
祭典では、上野宮司による祝詞奏上の後、桜の小枝を髪に挿した巫女(みこ)たちが、桜の木を背に優雅に「浦安の舞」を奉納した。
神事を終え、上野宮司は「また全国的に感染者が増え始めているが、できる限り徐々に通常の祭りの形に戻していきたい」と思いを語り「参列者の皆さまにも新型コロナ対策に気を付けていただき、厳粛にお祭りを営むことができた。心も希望新たに新しい年度を迎えることができて良かった」と話していた。
祭典終了後には、関係者らにより、参拝者や地域住民らに厄払いの餅が配られた。
(2021年4月4日付紙面より)