新宮市立佐藤春夫記念館(辻本雄一館長)と実践女子大学は29日、市役所で包括的連携協定を締結した。締結式には辻本館長と、同大学文芸資料研究所の佐藤悟所長、同研究所研究員で佐藤春夫研究者の河野龍也・東京大学文学部准教授が出席。辻本館長と佐藤所長が協定書に署名した。両者は今後、相互連携の下、生誕130年事業などを共催していく予定。
市名誉市民・佐藤春夫(1892~1964年)の生誕から今年で130年。同記念館と同大学文芸資料研究所で連携し、事業を開催できればとの話が発端となり、このたびの締結に至った。
締結には、春夫の研究のため、学生時代から春夫記念館に足を運び、企画展「百年之遇 佐藤春夫 1920臺灣旅行文學展(百年の旅びと 佐藤春夫 1920台湾旅行文学展)」(2020年、台湾台南市の国立台湾文学館)の開催にも尽力した河野准教授が協力。春夫記念館との公式な関わりは14年の没後50年記念行事以降となる。
なお、河野准教授は今年4月から東京大学に転任したが、前任地である実践女子大学には、佐藤家から寄託を受け河野准教授が調査してきた関係資料が多数残されている。実践女子大では未公開の書籍や原稿を中心に1万3000カットの資料撮影を完了しているという。
また、佐藤所長は熊野速玉大社ご神宝の調進に当たった髙倉家に中世以来伝来する装束資料を調査しており、当地方とのつながりに大きく期待を寄せている。
このたびの締結は、協力と信頼関係の下に、互いの持つ資源を有効に活用し、相互の発展とともに文化振興に寄与することを目的とし、目的を達成するため、双方が関心を持つ学術分野において▽共同研究の実施▽講義、講演およびシンポジウムの実施▽学術情報および資料の交換▽研究・教育への相互助言▽その他必要な展示、調査および研究―について交流、協力を推進するもの。
喫緊の生誕130年事業は包括連携協定締結記念と銘打ち、実践女子大学では生誕130年記念展示「知られざる佐藤春夫の軌跡―不滅の光芒(こうぼう)―」(9月26日~10月15日、同大学香雪記念資料館)、国文学科公開講座「美の冒険者・佐藤春夫の挑戦」(10月8日、同大学渋谷キャンパス)、春夫記念館では企画展「『わんぱく時代』の地から―知られざる佐藤春夫の軌跡―」(10月25日~来年2月12日、同記念館)と特別講演会(11月2日、市文化複合施設「丹鶴ホール」)を計画している。
締結式では、河野准教授が締結に至った経緯について説明し「春夫の資料は膨大な量があるので大学と記念館とが協力しながら研究や教育に役立てていきたい。春夫は再評価の機運も高まっていると感じる。新宮市の魅力発信の一助にもなると考えている」。
佐藤所長は「新宮市抜きでは研究はできない。提携がさらに発展し、学術研究・交流など幅広い関係を構築できたら」とあいさつ。
辻本館長は「生誕130年の節目に共催の展示会が開かれることを非常にありがたく思う。かつては谷崎潤一郎、芥川龍之介と共に三者鼎立(ていりつ)などと称された。これを機会に一人でも多くの方に来場、認識いただければ」と話していた。
(2022年8月30日付紙面より)
えとの兎などにぎやかに (太地町飛鳥神社 )
過疎地域神社活性化推進委員会、太地町赤十字奉仕団(和田千明委員長)、太地町地域連絡協議会(法花真左美会長)は27日、同町の飛鳥神社(髙橋正樹宮司)で3回目となる大絵馬づくりを行った。同町在住で日本画家の土長けいさんがクジラとイルカを描き、町内の5歳から11歳までの子どもたち10人が来年のえとである「兎(うさぎ)」の型押しを行い、自由な発想で色を塗り背景を描いた。
髙橋宮司によると、大絵馬づくりは「地域活性化」「子どもたちの思い出づくり」「郷土愛の育くみ」が目的。大絵馬は縦120㌢、横150㌢のヒノキ製。
この日は新型コロナウイルス対策として▽検温▽消毒▽換気▽マスク着用▽3密回避▽大絵馬は1枚のみ作成▽時間短縮―などを徹底。児童らは二手に分かれ、小さな絵馬と大絵馬の作成を交代で取り組んだ。
開始前に和田委員長が「瑞光寺のくじら橋」など、町に関連する絵本の読み聞かせを実施。今回は時間短縮のために、土長さんがクジラなどをすでに描いており、児童らはウサギ型に切り抜いたステンシルシートを用いて、白色の絵の具でウサギを型押しした。
続いて、好みの色で色塗りをして、カラフルな波などを描き加え完成した。小さい絵馬は色とりどりのマジックで好きな絵を描き、目標なども記した。
昨年も参加した山門咲紀さん(太地小5)は「型紙からはみ出さないように塗るのが難しかった。うまくできたし、楽しかった。来年も参加したい」。
土長さんは「3密回避で今回の形となった。子どもたちの元気やパワーが伝わる大絵馬が完成した。子どもの参加がある限り大絵馬づくりは継続したいです」と話した。
法花会長は「コロナ禍のため、前日まで開催を迷った。無事に実施でき、立派な大絵馬が完成して良かった。正月に、ぎやかに飾られるのが楽しみです」。
和田委員長は「今年も子どもたちの個性が輝いた大絵馬ができてうれしい。来年もコロナ終息を願って実施したいです」。
髙橋宮司は「毎年、子どもたちによって赴きが違う。自由な発想が楽しい」と述べた。
年末には大絵馬の奉納奉告祭を予定しており、小さい絵馬も正月に飾られるという。
(2022年8月30日付紙面より)
国道42号関係3団体の会長 (串本町 )
近畿自動車道紀勢線すさみ・那智勝浦間建設促進協議会(会長=田嶋勝正・串本町長)、国道42号(田辺~新宮)改良促進協議会(会長=佐藤武治・和歌山県議会議員)、みんなの高速道路建設促進串本協議会(髙井英二会長)が26日、3団体合同で国土交通省の丹羽克彦道路局長にウェブ経由で要望をした。
新型コロナウイルスの情勢で上京しての面会が難しい状況が続く中、例年の要望は自重しがたいとして昨年は近畿自動車道紀勢線すさみ・那智勝浦間建設促進協議会と国道42号(田辺~新宮)改良促進協議会でウェブ経由による要望を実施。今年は民間団体等52人で結成するみんなの高速道路建設促進串本協議会も加わる形で臨んだ。
地元側の会場は同町役場本庁舎内に設け、和歌山県の県土整備部・福本仁志部長もウェブ上で同席。3団体それぞれにあらかじめ書面決議した要望事項を読み上げて丹羽局長に伝え、応答を受け止めた。
同町建設課によると、要望事項は沿線に係る防災、医療、ポストコロナ時代を見据えた地域経済振興、大阪・関西万博などを背景とし▽国道42号の代替道路となる近畿自動車道紀勢線(すさみ串本道路などを含む)の早期完成▽防災・減災、国土強靱化(きょうじんか)のための5か年加速化対策以降も含めて財源を確保し継続して取り組むこと▽自然災害に対応するための地方整備局等の体制強化や資機材の確保を図ること―などを求める内容(他に団体それぞれの立場からの事項がある)。田嶋町長は決議した内容に加えて串本太地道路の用地買収などを急ピッチで進めている旨も付して求めたという。
丹羽局長からは「紀勢線につきましては、皆さまの期待に添えるよう事業を進めていきたい」「5か年だけでは強靱化は済みませんので、さらに5年、10年と進むよう頑張っていきたい。支援いただければと思う」などの応答を得たという。
(2022年8月30日付紙面より)
南大居・大野保が交通安全教室 (那智勝浦町 )
那智勝浦町立南大居保育所(永野陽美所長)で26日、大野保育所と合同の交通安全教室が開かれた。和歌山県警察本部交通部交通企画課安全教育係(通称・ひまわり)が劇で交通ルールを伝え、3~5歳児11人が楽しく学んだ。
園児たちは、交通ルールを守らず、いたずらをしてサルの城に捕まってしまった「しんちゃん」を助けるため、ニャン太郎や警察官と一緒に南の島へ出発。信号機や交通標識の意味、ヘルメットやチャイルドシートの大切さを学習し「飛び出しはしません!」と約束した。
「右見てよし、左見てよし、もう一度右見て渡りましょう♪」の歌詞に合わせて横断歩道を渡る練習もしていた。
同町を含む新宮市・東牟婁郡の公立小・中学校は、9月1日(木)から新学期がスタートする。交通事故を防ぐため、登下校の時間帯にはドライバーも十分注意が必要だ。
(2022年8月30日付紙面より)
潮岬中3年・久保凛さん (串本町 )
串本町立潮岬中学校3年・久保凛さんが19日、第49回全日本中学校陸上競技選手権大会(以下全中とする)女子800㍍決勝で1位となり、ついに日本一の栄冠をつかみ取った。記録は自己ベストの2分9秒96。久保さんは「今までの練習でつらいこともあったけど、頑張ってきて良かった」と喜びをかみしめている。
今回の挑戦の起点は7月2~3日にあった第68回全日本中学校通信陸上競技大会和歌山県大会。女子共通800㍍予選と女子共通1500㍍決勝で標準記録を突破する成績を収め、800㍍種目を選んで全中の出場権を得た。この時点での記録は2分12秒15。以降、24日実施の第74回和歌山県中学校総体陸上競技の部共通女子800㍍で優勝、8月7日実施の第71回近畿中学校総合体育大会陸上競技女子共通800㍍でも優勝と、昨年に続く好成績を収めて全中の本番を迎えた。
全中の会場は福島市にあるとうほう・みんなのスタジアム。18日実施の女子800㍍予選では57人が7組に分かれて挑み、久保さんは第3組で2分11秒79を記録し総合1位で決勝へ進出した。翌19日午後1時に予選上位8人による決勝があり、久保さんは序盤からの先行を最後まで保ってゴールした。
昨年初めて全中の女子800㍍に挑み、結果はB決勝(予選9~16位が対象)3位。今年はゴール直後に倒れ込むほど力を出し切り、大会記録まで2秒45差、日本中学記録に2秒77差と迫る好成績で決勝を駆け抜けた。久保さんは「今の気持ちはとてもとてもうれしいし、みんなに感謝をしています。強い選手と走ることができたおかげで自己ベストも更新し、1位を獲得できました」と挑戦を振り返る。
母校の潮岬中で結果の報告を受けた平原良一校長は「久保さんは集中力と調整力にすごく長けている。今まで積み上げてきたものが実を結んだと思うし、その結果が出たことは感無量でうれしく思う」と語った。
(2022年8月21日付紙面より)
税理士が詳細を解説 (南紀くろしお商工会 )
南紀くろしお商工会(森川起安会長)は19日、那智勝浦町築地の町商工会館で事業環境変化対応型支援事業「インボイス制度についてのセミナー」を開催した。講師は税理士法人ウィズ岩出オフィスの税理士・下津正也さんが務め、インボイス制度の詳細や対応などについて講演した。
インボイスとは複数税率に対応した仕入税額控除の方式で、現行の区分記載請求書等保存方式に代わり、2023年10月1日から導入される。導入後は売り手・買い手双方に新たな義務が課されるという。
売り手側は買い手である取引相手から求められた際、適格請求書(インボイス)を交付しなくてはならない。また、買い手は原則としてインボイスなどの保存が仕入税額控除の要件になる。
下津さんは、インボイスは事業者登録の申請があり、商工会などに依頼し番号を発行する必要があると説明。制度導入で請求書などの様式やシステムの変更が必要になるとした。
制度開始と同時にインボイスを発行するためには、来年3月31日までに申請する必要があると述べた。
適格請求書発行事業者に未登録の事業者からの仕入れは仕入税額控除ができないことから、仕入れを行う相手業者の選別が行われる可能性があると指摘。
免税事業者のままでは適格請求書発行事業者に登録できないため、課税事業者を選択した上で登録を行うかどうかの検討が必要になるとした。
レシートのように記載項目が簡略化され、不特定かつ多数の相手との事業を行う際にはインボイスに代えて、交付できる適格簡易請求書(簡易インボイス)にも触れた。
制度導入後は経費精算での留意点もあるとし、出張先でのタクシー乗車や居酒屋での忘年会などのインボイス発行については、確認の必要が出てくると話した。
そのほか▽登録開始前に法人成りするメリット▽インボイスに記載すべき事項と注意点▽適格請求書発行事業者になるための準備▽仕入税額控除を受ける際の注意点―などを解説した。
下津さんは「制度導入後は値引きや返品、訂正があった際はインボイスの返品請求書などを発行しなくてはならないため、手書きの請求書などはやめたほうがいい。制度導入前から、それに対応したアプリやシステムなどの準備が必要になる」と呼びかけた。
(2022年8月21日付紙面より)
観光案内など担当 (那智勝浦町 )
国際交流員(CIR)として那智勝浦町が新たに任用する、トルコ出身でオーストラリア国籍を持つスクラン・ベンギス・メルシンリさん(26)が18日、堀順一郎町長を表敬訪問した。英語、トルコ語、日本語を話せるため、通常は那智勝浦観光案内所で案内などを行うほか、学校訪問も計画している。
「語学指導等を行う外国青年招致事業(JETプログラム)」による来日。同事業は、地方公共団体が総務省、外務省、文部科学省、自治体国際化協会の協力で実施するもの。外国語教育の充実と地域レベルの国際交流の進展を図ることを目的に、1987年より行っている。
参加する外国青年は、学校などに配置される外国語指導助手(ALT)、国際交流担当部局などに配置される国際交流員(CIR)、スポーツ指導などを行う「スポーツ国際交流員(SEA)に分かれている。
メルシンリさんの生まれはトルコ。12歳の頃にオーストラリアに移住し、グリフィスという町に住んでいた。シドニーにあるマッコーリー大学の法学部・日本学部を卒業している。
好きな食べ物はうどん。趣味は英会話のボランティア。トルコにはミドルネームで呼ぶ慣習があるため、呼称は「ベンギスさん」になる。
メルシンリさんは14日に来日し、東京都での2日間のオリエンテーションの後、17日に初来町した。同町の印象を「まだ一部しか見ていないが、美しくすてきな町」と語ったほか、「みなさんのお役に立てればと思っています」と意気込みを述べた。
堀町長は「本町は世界に開かれた観光の町。海外の方を迎える先頭に立ち、健闘してほしい。コロナ禍でインバウンドは少なくなったが、ゆくゆくは海外の人も迎えると思う。その準備をしてほしい。子どもとの交流もしてもらえたら」と伝えた。
業務内容は観光案内や学校訪問のほか、通訳翻訳、多文化交流、姉妹都市交流、情報発信、海外への観光プロモーションなどとなる。飲食店のメニューの英語、トルコ語への翻訳も行うとのことで、同町は「町内の事業者さまでお困りの場合は、お気軽にお問い合わせください」と呼びかけている。問い合わせは、那智勝浦町役場観光企画課(電話0735・52・2131)。
(2022年8月21日付紙面より)
3年ぶり、夏の「フライデナイト」 (新宮市 )
商店街の一部を歩行者天国にした「タンカクフライデナイト」が19日夜、新宮市の丹鶴商店街であった。路上は大勢の若者たちでにぎわい、来場者らは露店グルメやステージパフォーマンスなどを通して夏のひとときを堪能した。
丹鶴商店街振興組合(岩澤祐文理事長)主催。路上ビアガーデンとダンス、ライブをミックスしたイベントで2017年夏に初開催。20年は新型コロナウイルスの影響で中止となったが、昨年11月に復活。夏のフライデナイト開催は3年ぶりとなる。
5回目となる今回は前回に引き続き、飲食中は会話を控える、テーブルの利用を30分以内とするなどの新型コロナウイルス感染予防対策に協力を呼びかける形で開催。唐揚げや焼き菓子、フライドポテト、各種丼など地元商店が提供する露店グルメが集結。各店舗前には大勢が列を作り、開始間もなく売り切れとなる商品もあった。
ステージイベントではシンガー・ソングライターの藪下将人さんと藍田真一さんのユニット「ヤブシン」がMCを担当。約15団体がダンスや演奏で会場を盛り上げた。
岩澤理事長は「開催に際しては内外からもいろいろな意見があったが、新型コロナウイルスで沈んだ空気を少しでも上向きにできたらと思って実施に至った」。
国や県のコロナ対策ガイドラインに基づいて対策を講じているとし「同商店街は若手の事業者も多い。イベントが中心市街地の活性化につながればうれしいです」と話していた。
(2022年8月21日付紙面より)
「銀河」車両見学会も開催 (JR西日本 )
長距離列車「WEST EXPRESS 銀河」紀南コースの運行が10月3日(月)から開始する。来年3月までの約5カ月間にわたり京都―新宮間を運行する。2年目の運行となる今回は、海側座席を倍増するなど進化。県を挙げた「おもてなし」を充実させるなどして、さらに鉄道の旅と当地方の魅力のPRを図っていく。
観光を中心とした西日本エリアの活性化のためにJR西日本が運行する長距離列車。「多様性」「カジュアル」「くつろぎ」をキーワードに、鉄道の旅の実現を目指し、1両ごとに異なる座席タイプを配置している。紀南コースは昨年7月16日に運行を開始し、12月22日までの約5カ月間にわたり、延べ約3000人が乗車した。
今回は昼行列車では出発時間を約2時間早め、停車駅(紀伊田辺駅)を新たに追加。おもてなし停車時間も拡大する。新大阪駅、京都駅の到着時間が約1時間早まることによって、関東や九州、北陸方面からも利用しやすいダイヤとなる。
夜行・昼行列車ともに海側座席を倍増する運行(夜行列車24席→61席、昼行列車30席→71席)とし、車窓からの美しいオーシャンビューを演出。宇久井―那智間では県、那智勝浦町、和歌山大学、南紀熊野ジオパークガイドの会の協力の下、景観改善活動も実施した。
また、新たなおもてなしプランの設定やプランのリニューアルを図るとともに、地元企業との合同企画により新たなオリジナル商品も発売していくという。
運行開始初日は、午後9時15分に京都駅を出発。翌4日午前9時37分に新宮駅に到着する。新宮駅発の初便は5日午前9時50分。新型コロナウイルス感染症の状況により変更となる場合があるが、来年3月8日(水)までの間で夜・昼行それぞれ36本の運行を予定している。
なお、日本旅行が企画する個人旅行商品は今月30日(火)から発売予定。詳細は「WEST EXPRESS 銀河」特設サイト(https://www.jr-odekake.net/railroad/westexginga/)からリンクする専用ページで周知する。
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■10月1日、車両見学会
JR西日本は、2年目運行に先駆け10月1日(土)、試運転期間に車内を特別に見学できる「車両見学会」を実施する。
時間は午前9時45分~10時45分。参加料金は大人(中学生以上)150円、子ども(小学生)70円(小学生未満は大人1人につき2人まで無料。3人目からは子ども料金が必要)。
事前申込制で募集人数は100人。申込多数の場合は抽選となる。申込期間は9月1日(木)~14日(水)必着。往復はがきの往信裏面に見学希望者全員(最大4人まで)の①氏名(ふりがな)②生年月日(西暦)、代表者の③郵便番号④住所⑤電話番号⑥見学者に車いす利用者がいる場合は人数―を記入し、返信表面に代表者の住所、氏名を書いて、〒647―8555新宮市春日1の1、新宮市役所商工観光課内宛てで送る。抽選結果は返信用はがきで知らせる。なお、列車の遅れや天候、新型コロナウイルス感染状況などにより、時間を短縮したり中止となる場合もある。
(2022年8月20日付紙面より)
三輪崎海岸で海洋ごみ調査 (南紀熊野ジオパーク探偵団 )
地元の自然や地球環境に関心を持つ中高生らで組織する「南紀熊野ジオパーク探偵団」(東垣〈あずま・わたる〉団長=南紀熊野ジオパークセンター長)のメンバーや研究者ら17人が17日、新宮市の三輪崎海岸で海洋ごみの調査活動を実施した。
“think locally,act globally(地域で考え、地球規模で行動)”のモットーの下、南紀熊野ジオパークをフィールドに探求活動を行う。本年度の研究テーマは、昨年に引き続き「海洋環境を考える」だ。
調査には、新宮市の県立新翔高校、新宮高校から生徒4人が参加し、砂浜約500㍍を歩きながら、漂着したごみを分類・記録して収集した。
プラスチック片178個(うち一つがアラビア語)やペットボトル51個(うち三つが中国語、一つが韓国語、一つが台湾語)、発泡スチロール49個の他、大きなブイや浮子(うきこ)、漁網などの漁具40個(うち五つが中国語)が回収された。
京都大学学際融合教育研究推進センター次世代研究創成ユニットの島村道代・特定准教授は「漂着するごみの7~8割は陸由来、残りが海から来るものだが、今回は漁具が増えた印象。地元のクリーン活動によって目立つごみは拾われているらしく、増減は詳しく検討する必要がある」と語る。
参加した新翔高校の谷岡俐育さん(2年)は「ボランティアが好きで参加した。思っていたよりもごみの種類が多かった」。他にも「小学生の頃に比べたらごみが減った気がする」「ボロボロになったものが多かった」などの感想が聞かれた。
今後は白浜町の志原海岸でも調査を行い、2地点の結果を共有しつつ事後学習を行う。最終的には、来年度の日本地球惑星科学連合大会などの学術大会で成果を報告することを目指すという。
(2022年8月20日付紙面より)
コロナ禍での御十七夜法要 (那智山青岸渡寺 )
西国三十三所観音霊場の第一番札所、那智勝浦町の那智山青岸渡寺(髙木亮英住職)は17日夜、観音の縁日法要の御十七夜(おじゅうしちや)を営んだ。開帳された本尊の如意輪観世音菩薩(にょいりんかんぜおんぼさつ)を前に、新型コロナウイルス感染症対策で各自の間隔を保った善男善女が手を合わせた。
旧暦8月17日の「御十七夜」は各地の観音霊場で法要が営まれており、青岸渡寺では盆に当たる新暦8月17日に本尊を開帳している。開帳は節分(2月)、開山祭(4月)と盆の年3回。
昨年と同様にコロナ対策として、地元の那智山観音講の信者のみが法要に参列。一般参拝者は3密を防ぐために本尊より距離を取る形で外陣(げじん)からの参拝となった。
午後7時から髙木住職が追善供養と所願成就を祈り、参列者も般若心経を詠唱。本尊を前に信者が御詠歌を唱え、夜の境内に鐘の音と歌声が流れ響いた。
先月開かれた晋山式にて、正式に住職の任命を受けた髙木住職は「正式な形で住職となってからは初の御十七夜法要を務めさせていただいた。観音信仰の布教に全身全霊を込めて務めていくが、私一人ではできない。多くの皆さまのご協力と、神仏の御神徳が成せるもの。変わらず、精進していきたい」と話した。
同町市野々から参拝に訪れた女性は「コロナ禍のため、3年ぶりに観音様にお参りができた。心が洗われるようでした」と話していた。
(2022年8月20日付紙面より)
文化セで教育講演会聴講 (串本町教育研究会 )
串本町教育研究会(会長=水上茂秀・潮岬小学校校長)が17日、同町文化センターで本年度教育講演会を開き町立の小中学校に勤務する教員ら約150人が資質を高めるため聴講した。
「ふるさとを愛し、串本の未来を担う子どもを育てる」をテーマにして年1回実施している研修の機会。新型コロナウイルスの情勢によりおととしは中止、昨年はオンライン実施とし、今年は感染対策を講じつつ3年ぶりに平年通りの集合研修として開いた。
開会に当たり水上会長はテーマ達成のための活動方針として▽連携▽実践交流による指導力の向上▽学ぶ姿勢の大切さ―の3点を掲げ、部会活動と全体活動のハイブリッドによる研究と修養を推し進める自主研究団体が町教研だと位置付け、今回のめあてを示して教職員の資質向上の努力を後押しした。
演題は「子どものための授業づくり」で、兵庫教育大学大学院の淀澤勝治准教授が講師として登壇した。淀澤准教授は道徳教育・幼児教育専攻で2021~22年度文部科学省「道徳教育の抜本的改善・充実に係る支援事業」の指定に基づき潮岬中を軸にしてさまざまな助言を寄せていることで接点がある人材。この日は副題として「教科化によって道徳授業をどう変えるか?」を掲げ、▽豊かな感性▽豊富な教養▽学び続ける力―といった着眼点で体験による実感を託しながら教科化の背景や児童生徒みずからが考え議論する道徳授業を作る上での要点を伝えるなどしたという。
(2022年8月20日付紙面より)
サッカー部15周年記念事業 (近大新宮 )
堀愛菜さん、結菜さんが優勝に貢献 (ガールズトーナメント )
【第52回】リボベジで食育を!
お盆も過ぎましたが、今年は残暑が厳しい日々が続きますね。
暑くて、キッチンに立つのも嫌だし、お買い物に行くのも嫌!という方が多いのではないでしょうか? そんな方にお勧めの食育があります。それが「リボベジ」です。リボベジとは「リボーンベジタブル」の略で再生野菜のこと。普段料理で捨ててしまう野菜のヘタや根の部分を再生して育てることをいいます。例えば、豆苗(トウミョウ)。豆苗って、根っこから1~2㌢くらいをカットして、残った根を水につけていると、またニョキニョキと生えてきますよね? そしてそれを収穫して食べますよね。あれこそまさに「リボベジ」なんです。豆苗やカイワレ大根以外にも「リボベジ」できるものはたくさんあるんです。
例えば根菜。根菜は葉が生えているヘタ部分(2~5㌢の厚さにカットしたもの)を切り口がつかる程度の水に浸しておくと、2週間ほどで葉っぱが生えてきます。大根やニンジン、カブなんかも再生可能です。ニンジンの葉っぱは、なかなか食べない方も多いと思いますが、パセリ代わりの料理の彩りに使えます。大根の葉は、炒めてふりかけにしてもいいですし、おみそ汁の具にするのもお勧めです。玉ネギも再生可能です。玉ネギの芯の部分を水に浸しておくだけでもニョキニョキと緑色の芽が生えてきます。特に味にクセもなく、万能ネギ代わりに使うことができます。
葉野菜も実は「リボベジ」することができます。根の部分から3㌢ほどを水につけておくと、10日間ほどで葉が生えてきます。ホウレン草やチンゲンサイもできます。根っこが残っていなくても、根に近い部分を残して水に浸すと、成長するんです。野菜の生命力はすごいですよね。
リボベジには、幾つか注意点があります。一つめは「水を小まめに替えること」これが一番大切です。新鮮なお水でないと元気には育ちません。1日1回は必ずお水を替えて、使っている容器のぬめりや、水につかっている部分のぬめりも、きれいに洗ってあげてください。二つめは「日光を当て過ぎないこと」基本的には日陰がお勧めです。そして三つめは「新鮮な野菜を使うこと」元気な野菜の切り口でやらないと、うまくいかないのが「リボベジ」です。
正直「リボベジ」は、野菜代の節約になる!というほどの収穫は期待できません。どの野菜も、少しだけ成長した部分を収穫して、食卓にちょこっと使える程度です。でも、野菜の生命力を感じることができたり、簡単に野菜の成長を日々観察できるので、食育にはもってこいなのです。手間もたった2週間ほどですし、土も必要ありません。野菜を畑で育てて、収穫して食べる体験というのは、すぐにできることではないですが、誰でも家で簡単に野菜を栽培して、実際に食べる体験ができるのだから、最高ですよね。
ぜひお子さんと一緒に「リボベジ」に挑戦して毎日変わる野菜の様子を観察してはいかがでしょうか? 夏の自由研究としても、とってもお勧めの食育です。
(2022年8月20日付紙面より)
追い込み漁前に海保が訓練 (太地町 )
9月から始まるイルカなどの小型鯨類追い込み漁を前に第5管区海上保安本部は17日、太地町の太地漁港および周辺海域で反捕鯨団体による違法行為を想定した12回目の事案対処訓練を実施した。田辺海上保安部、串本海上保安署、太地町漁業協同組合などから約30人が参加し、官民一体で訓練に取り組んだ。また、訓練前には串本海上保安署太地町臨時駐在所の披露式もあった。
同町へは2010年以降、過激な環境保護団体などが多く訪れ、港の無許可撮影などの嫌がらせ行為が続いていた。
保安部によると、昨年度は同町における反捕鯨活動家の違法行為の確認はないが、ドローンを用いて上空から漁の様子を撮影する事例があったという。
田辺海上保安部の真部克彦部長は新型コロナウイルスによる入国制限の解除により、外国人活動家が入国しこれまでと同様の活動を行うことが懸念されるとし「最近では交流サイト(SNS)を活用し、自己主張を世界中に配信する活動が確認されている。惑わされず、冷静かつ毅然(きぜん)とした態度で警備活動を行うことが求められる。地域住民の安心のためにも、万全の体制を取るように努めていただけたら」とあいさつ。
この日はゴムボートによる操船や、漁の様子をドローンで撮影する活動家に対する警備、カヤック乗艇者の転覆救助、違法行為者の海上追跡や捕捉の訓練に取り組んだ。
訓練を終え、海上保安庁警備救難部警備課の坂本誠志郎課長が「高度な技能や練度の高さを見せていただいた。新しい臨時駐在所近くには和歌山県警の特別警戒本部現地警戒所もあり、連携も深まる。町民の安心と安全を守っていただくようお願いします」と講評した。
来月1日(木)から追い込み漁を控える太地いさな組合の小畑充規組合長は「ドローンで船上を飛行されて危険を感じたこともあった。訓練は非常にありがたい。今年もコロナ禍で価格面など大変な状況は続くが、これまで通り仕事に取り組んでいきたい」と話した。
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■臨時駐在所
串本海上保安署は太地漁港内に臨時駐在所を設置していたが、建物の老朽化や津波対策を踏まえて、多目的センター近くの同町小長井に新臨時駐在所を建設した。建物面積が63平方㍍、敷地面積が100平方㍍。
会議などに使用する待機スペースやシャワー室、トイレを完備。すでに開始されている海上のパトロールやさまざまな事案対応などの拠点となる。正式運用は28日(日)から。
(2022年8月19日付紙面より)
熊野市で合同初精霊供養
熊野市木本町の七里御浜海岸で17日、合同初精霊供養が営まれた。例年、8月17日に開催される「熊野大花火大会」は、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、おととし、昨年に続き中止となったが、追善花火が熊野の夜空を染めた。
300年余りの伝統を誇る熊野大花火大会は、お盆の初精霊供養に花火を打ち上げ、その花火の火の粉で灯籠焼きを行ったのが始まりといわれている。
現在の花火大会でも初精霊供養の灯籠焼きや追善供養の打ち上げ花火などがプログラムに組み込まれている。3年前は、三尺玉海上自爆や鬼ヶ城大仕掛けなど1万発の花火が観客を魅了した。
3年連続で花火大会が中止となったが、市観光協会(中平孝之会長)が初精霊供養を実施。法要後に追善花火が打ち上がり、遺族らが故人をしのび大輪の花を見上げていた。
同協会の紀の川良子副会長は「今年も熊野大花火大会が中止になる中、伝統を絶やさぬため花火の原点である初精霊供養を営むことができて良かった」と話していた。
(2022年8月19日付紙面より)
潮岬でリーダー養成キャンプ (県青少年育成協会 )
本年度地域ユース・ジュニアリーダー養成キャンプが17日に和歌山県立潮岬青少年の家であり、同リーダーや一般参加の小中学生(=地域ユース)29人が自身の在り方を意識しながらグループ活動に励んだ。
このキャンプは県と県青少年育成協会が主催するリレー式次世代健全育成事業の一環で、異年齢集団における自身の役割を考えて相応の自覚や責任感、地域で活躍するためのリーダシップを高めることを目的として夏季と冬季の年2回実施している。
今回は夏季の巡りで、三つある県立の各青少年の家を会場とし最寄りのジュニアリーダーも自身の研修を兼ねて関わりながらそれぞれの日程と内容を計画している。潮岬の同キャンプは当初例年通り1泊2日での実施を計画して参加を呼びかけたが、新型コロナウイルスの情勢により急きょ感染症予防対策を心がけながらの1日実施に内容を変更して行う形となった。
参加者の内訳は中学生~高校生で結成するジュニアリーダーズクラブ「ドルフィン(西牟婁振興局管内)」「ビー・スター(東牟婁振興局管内)」所属のメンバー16人と、一般参加の小中学生13人。内容の圧縮により、今回は▽アイスブレーキング▽野外炊事〈たき火おこしや飯ごう炊さんなど〉▽クラフト〈レジンアクセサリー制作〉―といった活動に取り組んで、前述した目的や個々の目標の達成を目指した。
一般参加の小中学生はジュニアリーダーと接することで目指すべきリーダー像を考え、ジュニアリーダーは接する小中学生の求めるところに応えて導く筋道を考える、と近しい異年齢間で双方向に気付きをリレーし合う点もこのキャンプの特色。ジュニアリーダー4年目で野外炊事の主導を経験した岩本遥香さん(串本古座高1年、ビー・スター所属)は「いろいろな子が集まると、どうしても一人になってしまう子が出てくる。せっかくこのキャンプに来ているのにそれで思い出がつくれないのは悲しいことなので、今回はいろいろな子に話しかけて誰も一人にならないよう心がけた」と活動するに当たって意識した点などを語った。
(2022年8月19日付紙面より)
ひまわりの絆プロジェクト (マリア保育園 )
新宮市の保育所型認定こども園「マリア保育園」(三浦恒久園長)で、今年も「ひまわりの絆プロジェクト」のヒマワリが咲いた。16日にはきしゅう君と新宮警察署の警察官が来園し、園児たちに交通ルールを守ることの大切さを伝えた。
2011年に京都府内で発生した交通事故で亡くなった男児=当時(4)=が育てていたヒマワリの種を引き継ぎ、全国で開花させるプロジェクト。命の大切さや交通事故の被害者支援への理解を深めるため、新宮警察署管内でも多くの保育園や小中学校が取り組んでいる。
マリア保育園で咲かせるのは今年3年目。昨年開花したヒマワリから種を取り、5歳児たちが水やりなどの世話をし、9輪が咲いた。
本田斗生多警部補は園児たちに「飛び出しは危険!一度止まって安全確認をしよう」などの言葉が描かれた下敷きなどを手渡し「お父さんやお母さんと交通ルールについてよく話し合いましょう」と約束。
登園、降園の時間帯に園児たちの安全を見守っている三浦園長は「園の前の道は自転車の通行も多いですから、子どもたちには送り迎えの時に急に飛び出さないよう話しています。種から花が咲くというのは、子どもたちにとっては不思議で面白い体験となったのでは」と話していた。
(2022年8月19日付紙面より)
中上健次顕彰委員会に寄贈 (新宮市 )
中上健次顕彰委員会はこのほど、新宮市名誉市民で芥川賞作家の中上健次(1946~92年)の生原稿の寄贈を受けた。6日、同市下本町の市文化複合施設「丹鶴ホール」で発表があり、故人の妻のかすみ(紀和鏡〈きわ・きょう〉)さん、長女の紀さんは寄贈者に対し「大切に取ってくださっていてありがたい。心から感謝したい」と話した。
寄贈を受けたのは、中上初期の小説「修験」の直筆生原稿。雑誌「文芸」(74年9月号)初出、「化粧」(78年3月、講談社)に収録されている。原稿用紙に書かれたものは数が少なく珍しい資料であるとともに、同顕彰委員会で所蔵するもののうち2番目に古い資料となる。同顕彰委員会では現在、約100点の作品(コピー含む)を所蔵しているという。
寄贈者は東京都在住の長谷川阿貴(あき)さん。父の故・川西政明さん(1941~2016年)が所蔵していたもので、川西さんは大学卒業後に河出書房新社へ入社。72年に退社し文芸評論家として活躍した。中上に関する記述としては「中上健次を読む」(「本を読む 同時代の作家に関する十四章」82年、集英社)、「安部公房から中上健次まで」(「昭和文学史 下巻」2001年、講談社)がある。
かすみさんの元に長谷川さんから生原稿を所有しているとの文書が届いたことを機に寄贈の運びとなった。原稿は400字詰め原稿用紙20枚分。なお、川西さんが中上を担当していたのか、またなぜ原稿を所有していたのかについては不明とのこと。
冒頭は万年筆だが途中からはボールペンで書かれていることから、かすみさんと紀さんは「途中でインクが切れたのだと思う。1日で仕上げた原稿では」と推測する。
当時は出版社によっては原稿が戻ってこないケースもあり、中上が没後30年を迎える節目の年に原稿の発見に至ったことに対してかすみさんは「いろいろな意味で貴重な発見。作品を振り返るきっかけにもなった」と感謝。
顕彰委員でもある文芸評論家の高澤秀次さんは「『修験』は中上の最初の短編集『化粧』の冒頭を飾る短編。『化粧』は『熊野集』や『千年の愉楽』にもつながる実験的な試みが見られる短編集となっている。紀州の風土も見え隠れする。そんな生原稿が発見されたことは価値があることだと思う」と話していた。
なお、原稿は同施設内市立図書館「中上健次コーナー」で、秋ごろの公開を予定している。
(2022年8月9日付紙面より)
創立65周年記念コンサート (串本分屯基地 )
航空自衛隊串本分屯基地(中津洋紀司令)の創立65周年記念コンサートが7日に紀南文化会館=田辺市=であり、約900人が中部航空音楽隊(五味渕敦隊長)による演奏などを通して一体感を共有した。
1957年4月の空自9082部隊展開を創立として歴史を紡ぐ同基地。現在は太平洋方面の対空警戒監視や災害対応を主任務とし、現在65周年の節目を迎えている。
地域との縁も重んじ、新型コロナウイルスの情勢で最近は休止しているが平年は年1回の一般公開などを実施し、祭事や訓練、交通安全啓発など地域行事へも積極参加。これらつながりを感謝の思いを持って確かめる機会としているのが5年周期で取り組む創立記念事業となっている。
この日開いたコンサートは式典(今後実施の見込み)と対で定例化している行事で、静岡県浜松市を拠点とする同音楽隊が出演。同基地の招待者と一般の事前申込者が来場し、2部構成で8曲、アンコールに応えて2曲を鑑賞した。
同基地はコンサートと併せて活動紹介ブースも設け、同基地の軽装甲機動車など装備品や航空自衛隊の任務詳細などを隊員の適時解説を交えて伝えるパネル展示、航空機関係のポスター・フォルダーの進呈で来場者との接点を重ねた。自衛隊和歌山地方協力本部もブースを設け、ミニ制服試着体験やイベント紹介(8月26、27日に新宮港で開く自衛隊サマーフェスタ<護衛艦くまのの寄港など>の宣伝含む)などで接点を後押しした。
同基地招待で来場し、代表して同音楽隊に花束を贈って感謝した県立串本古座高校吹奏楽部の深石みどりさん(2年)は「想像を超えて圧倒されるすごい演奏で、ソロ演奏もかっこ良かった。自分たち(=同部)は少人数なので、迫力を出すために圧倒するような演奏を心がけたいと思いました」とコメント。会場受付で来場者を一通り出迎えた中津司令は「65年間、串本の地で任務に当たれたのは地域皆さまの協力あればこそのたまもの。今後も地域と協働し、国民の安全安心のための活動をしていきたい」とこのコンサートに寄せる思いを語った。
(2022年8月9日付紙面より)
恒例の夏休み企画14日まで (土砂災害啓発センター )
那智勝浦町市野々の和歌山県土砂災害啓発センター(稲田健二所長)は14日(日)まで、小学生以上を対象とした夏休み企画を開催している。事前予約が必要な「砂防えん堤の見学と石積み体験」と「雲の模型の製作ワークショップ」に加え、随時実施している「土石流について学ぼう」の三つの企画が用意されている。
同センターは毎年、内容を変えながら夏休み企画を実施。近年、全国各地や県内で発生している土砂災害について専門知識を持った職員が詳細などを解説する。
「砂防えん堤の見学と石積み体験」では、同センター近くにある砂防えん堤「鳴子谷川1号堰堤」を見学し、えん堤で用いられる工法である石積みの施工体験ができる。14日までの期間、連日午前10時30分から実施。定員は10人。
「雲の模型の製作ワークショップ」は、雲を分類した10種類の模型を製作するもの。気象予報士の資格を持つセンター職員が解説し、実物の転倒ます型雨量計を使って、雨や雨の観測についての説明も行われる。実施日は11日(木・祝)、14日で、いずれも午後1時から90分程度。小学高学年以上が対象で、小学生の場合は保護者同伴が必要。定員は5組。
期間中に申し出があれば、随時実施する「土石流について学ぼう」では、土石流の様子や砂防えん堤の効果が理解できる土石流模型装置を使用して、実験を行う。
センター内には同町井関在住で紀伊半島大水害語り部の防災士・久保榮子さんの体験紙芝居や土砂災害の実例など解説をしたパネル、小中学校における防災学習感想文などの展示もある。
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初日となった6日午前には太地町立太地小学校に通う花村瑛斗君(6年)と森栞那(かんな)さん(2年)が「砂防えん堤の見学と石積み体験」「土石流について学ぼう」に参加した。
同センターの筒井和男さんが、2011年に甚大な被害を発生させた紀伊半島大水害や各地で起きた土砂災害を動画や写真で説明し、砂防えん堤の効果を伝えるために土石流模型装置で実験した。
実際に砂防えん堤を見学後、えん堤に用いる工法を学ぶために再びセンターへ。2人は修景工模型に、発泡スチロール製の石とコンクリートに見立てたクッション材を置きながら、石積み体験に取り組んだ。最後は工事看板に自身らの名前を書き、記念撮影をして体験は終了となった。
花村君は「砂防えん堤がないと本当に怖いと思った。いろいろな対策をしていることや石の積み方などもよく分かりました」と笑顔で語った。
筒井さんは「土砂災害の危険性や砂防えん堤の効果を知ってもらうとともに、土砂災害を引き起こす雨や気象にも興味を持っていただけたら。お気軽にご参加ください」と話している。
申し込みは名前(ふりがな)、連絡先、希望イベント、日程、人数を記入し、FAX(0735・29・7534)または、メール(e0806041@pref.wakayama.lg.jp)で申し込む。問い合わせは土砂災害啓発センター(電話0735・29・7531)まで。
雨天時はセンター内のみでの説明となり、大雨警報などが発表された場合は中止となる。
(2022年8月9日付紙面より)
新宮市の県立新宮高校吹奏楽部(亀谷覚史顧問、尾鷲心部長)が、6日に和歌山市で開かれた第58回和歌山県吹奏楽コンクール高校小編成部門で金賞を受賞。2年連続で県代表に選出され、20日(土)に京都コンサートホール(京都府)で開催される関西大会へ駒を進めた。
部員たちは6日夜、新宮高校に帰校後に結果発表を受け、これまで一緒に音楽を作り上げてきた仲間やOB・保護者らと喜びを分かち合った。
演奏曲は「生命(いのち)のアマナ~ウインド・アンサンブルのために~」。新型コロナウイルス感染拡大の世情を受けて作曲された曲で、不条理に立ち向かって未来を切り開く姿、命の尊さや生きることの美しさを表現している。
尾鷲部長は「体調不良でコンクールに出場できなくなった部員から『かわいい後輩たちともう一回一緒に演奏したいから、関西大会に連れて行って』と言われ、約束を果たせて本当に良かった」。
亀谷顧問は「今年は新型コロナで思うように練習もできず、しんどいことも多かったが、ステージ上で音楽を心から楽しむ部員たちの姿に感動した。2年連続の関西大会出場は、創部以来初では。和歌山県人として、いい音楽を届けたい」と涙をにじませて話していた。
(2022年8月9日付紙面より)
北山村で健康づくり教室
北山村立北山小学校の家庭科室で7月29日、「健康づくり教室」があった。村民7人と、へき地保健師活動について研修を実施している県立医科大学の学生ら3人が参加。和歌山信愛女子短期大学健康増進プロジェクトチームの西出充德教授の指導を受けながら、酢を使用した夏野菜保存食作りに挑戦した。
「全国唯一の飛び地『北山村』高血圧ゼロのまちプロジェクト」を展開している同村。村民全員の高血圧ゼロを目指し、血圧測定推進や健康教室などの事業を実施している。
山間部に位置する同村では、保存のために塩を用いた調理方法が伝統となっている。そんな食文化を背景に、プロジェクトを通じて血圧に関心を持ってもらう狙いもある。
同教室はプロジェクトの一環で、信愛女子短期大学と共催で開催。この日は「高血圧の改善を目指した保存加工食品の紹介」と銘打ち、西出教授がキュウリとパプリカ、酢を使ったピクルスの作り方を指導した。
調理開始に先立ち、西出教授は「酢を使うと塩分を抑えることができる。酢は疲労回復に効果があり血管をきれいにします」と説明。野菜や酢が高血圧の改善に良いとされているが、持病がある場合などは必ずしも健康改善に適しないことなどを注意事項として挙げた。
参加者らは、水洗いした野菜を板ずりし、瓶に入る大きさにカット。熱湯に浸して消毒して瓶に詰め、赤唐辛子や月桂樹の葉などとともに調味液に浸し、好みによりじゃばら果汁を入れて香り付けを施した。冷蔵庫で寝かせると1、2週間ほどで食べ頃を迎えるという。
古根川やす子さん(78)は「毎日自分で調理しており塩分にも気を付けているので薬も飲んでいません。ピクルスを作ったのは初めて。完成が楽しみ」と笑顔。
西出教授は「伝統ある和食の塩分が高いのはやむを得ないことだが、お酢を合わせるなどのちょっとした工夫が高血圧の改善につながる。伝統を守りつつ健康になるのが一番。北山村にはじゃばらという調味料もある。取り組みが効果を生み出せば、この村から発信できることも多いのでは」と話していた。
(2022年8月3日付紙面より)
田辺市本宮町の熊野本宮大社(九鬼家隆宮司)で1日、故・白根光夫画伯の六曲屏風(びょうぶ)図「熊野本宮」(131㌢×360㌢)の奉納奉告祭があった。葉月の月首祭に併せて執り行われた奉納奉告祭には、氏子総代会や敬神婦人会ら大社関係者が参列した。
白根画伯は1926年大分県出身。幼くして家族と共に上京し、東京美術学校梅原龍三郎教室に学ぶ。64年、安井賞展に選抜。76年に吉田清志、宮田晨哉らと共に「爵の会」を結成し、86年まで同会展を中心に活躍した。
78年からは奈良県・吉野の桜を素材に「吉野山シリーズ」の制作に取り組み、日本秀作美術展や明日への具象展などを通じて高い評価を受けた。2002年、76歳で逝去。今年は没後20年に当たる。
屏風図を奉納したのは東京都の㈱ダバンラブ・画廊ダバンラブギャラリーオーナーの久岡正人さん。新型コロナウイルス感染拡大状況を鑑みこのたびの来訪はかなわなかったが、没後20年の節目に当たり「画伯の思いを同大社に納めたい」との思いや、新型コロナウイルス感染症の早期終息と世界平和への祈りを込めて奉納を決めた。
屏風図(油彩、アクリル)は1982年に完成した作品で、同大社の旧社地・大斎原(おおゆのはら)、熊野川、音無川、熊野の山々などを背景に、八咫烏(やたがらす)と、同大社の牛王(ごおう)神符が舞う様子が描かれている。大斎原には1889年の「十津川大水害」により流出した社殿も描写されている。
九鬼宮司は、寄贈に感謝を示し「八咫烏や牛王神符が飛んでいる絵は初めて見る。よみがえり・再生の願いを込めてご奉納いただいた。今年は画伯の没後20年であるとともに、当大社にとっては水害を逃れた四社を現在の場所に遷座してから130年を迎える年。くしくもこのタイミングでご奉納いただいたことに意味があると思う。改めて大斎原の意味や大切さを感じていただけるのでは」と話していた。
屏風図は今週いっぱい、同大社黎明殿の幣殿で展示公開される。鑑賞希望者は同大社社務所まで。
(2022年8月3日付紙面より)
サンゴ台中央線全線開通 (串本町 )
串本町の町道サンゴ台中央線未供用区間の通行が1日午前11時から開始された。これにより同線は全線開通となり、国道42号からサンゴ台区へ出入りする第3の連絡道として主要公共施設の高台移転に伴う通勤時間帯の混雑緩和や地域防災力の向上、すさみ串本道路開通以降の国道42号への移動分散化などさまざまな整備効果が期待されている。
この区間は、すさみ串本道路・串本太地道路の串本インターチェンジ〈仮称〉など工事に伴う大型車両の作業道として国土交通省紀南河川国道事務所が整備。沿線にくしもとこども園新園舎や統合小学校校舎の用地があり、工事終了後も町道として再活用する方向で国と町が協働し、開通を目指してきた。
未供用となっていたのは西の岡―サンゴ台間(延長約1242㍍)。車道は幅3㍍強あり、通学路想定で幅3・5㍍の自転車歩行者道が伴う構造。当初は7月1日開通予定だったが、直前で発生した国道42号に影響する土砂崩れ対応のため1カ月ずれこむ形で開通へとこぎ着ける形となった。
この日は開通に先だって式典があり、田嶋勝正町長と国土交通省紀南河川国道事務所の渡邉泰伴所長や関係諸課職員、町議会の鈴木幸夫議長ら議員一同と旧地権者らが出席。代表して田嶋町長が平時より連絡道路として住民に有効活用される状況を見据えつつ国交省をはじめとする関係各位への感謝を掲げ、渡邉所長がこの町道を生かして一日でも早いすさみ串本道路開通を目指す意思を掲げた。鈴木議長が基幹道路としての機能発揮を期待し、以上あいさつ3人によるくす玉割りや出席一同による通り初めで未供用区間の完成を祝った。当初予定していた園児バスによる通り初めは新型コロナウイルスの情勢により実施を見送った。
この町道は、国道42号上浦海岸前(須賀漁港北詰)と橋杭園地交差点付近を連絡する。すさみ串本道路などの工事に伴う大型車両は踏切経由の出入りが難しく従来は橋杭小前経由に集中していたが、今後は2経路への分散化が進む形となる。
(2022年8月3日付紙面より)
太田の夏休みプログラム (那智勝浦町 )
那智勝浦町南大居の交流センター「太田の郷」で1日、「夏休みプログラム」があり、小学生9人が地元の高齢者6人に教わって竹とんぼや水鉄砲を手作りした。
太田地域の子どもたちに、体験活動や地域住民との交流を通じて楽しく長期休暇を過ごしてもらおうと、保護者主催で始まった取り組み。今回は、小刀やドリルといった工具の使い方、遊びの工夫など、地域の人々が培ってきた「生きた知恵」を伝えたいとの思いから、普段同所で健康体操などを行う「中里福祉プログラム」の参加者たちに協力を依頼した。
子どもたちは近くの山で切ったばかりの青竹を使い▽竹とんぼ▽水鉄砲▽紙鉄砲▽竹灯籠―を制作。竹を割ったり削ったりして完成させた後は、早速水を飛ばすなどして遊んだ。
細い竹筒にぬれた新聞紙を詰めて空気圧で飛ばす「紙鉄砲」の作り方を教えた生駒善一さん(84)は「昔は遊ぶ物も何でも手作りで、スギの花粉の硬いのを詰めて飛ばしたりもした。近くに子どもが住んでいないから、どこの子やろうと話してみるのが楽しい」。参加した仲地励君(太田小5)は「竹とんぼを作って、ちょっとだけ飛んだ。去年流しそうめん台を作ったけれど、今日は竹を細く削るのが難しかった」と話していた。
(2022年8月3日付紙面より)
那智勝浦ゴルフ倶楽部
三重カップ空手親善大会 (北道院拳法和歌山支部 )
矢口樹君が関西ブロック代表に (和歌山南紀ボーイズ )