土砂災害啓発センターで研修 (那智勝浦町消防本部 )
那智勝浦町消防本部(湯川辰也消防長)は15日、同町市野々の土砂災害啓発センターで土砂災害に関する研修に取り組んだ。参加した職員10人は土砂災害の基礎を学び、砂防えん堤の見学も行った。
同本部によると、職員の約3分の1が2011年の紀伊半島大水害後に採用されているという。水害の詳細を知り、土砂災害への危機意識を高めることなどを目的にセンターに研修を依頼。3回に分けて実施し、この日が2回目だった。
講師を務めた同センターの坂口隆紀所長は、山が大部分を占め、全国でも雨が多いなど那智勝浦町の特徴を紹介。
土砂災害について大きな石が最初に流れてくる「土石流」や、集中豪雨・地震などで急激に斜面が崩落する「崖崩れ」、比較的ゆるやかな斜面が広範囲にわたって滑り落ちる「地滑り」、天然ダムを形成する可能性のある「深層崩壊」があると説明した。
土砂災害の発生要因では誘因として豪雨や台風、地震などとし、素因として地形や地質、土地利用を挙げた。続いて、坂口所長は紀伊半島大水害について詳細を説き、関連する動画を鑑賞した。
その後は2班に分かれ、大きな被害を生み、復旧作業の妨げにもなる流木や石などを防ぐ、砂防えん堤(透過型、不透過型)の実験装置による実験や、鳴子谷川に建設されている砂防えん堤の見学を行った。
同本部警防第一班班長で消防司令の太田真次さんは「センターの協力のおかげで今回の研修が行えました。もうすぐ台風シーズンに入るため大雨も多い。水害について専門的にお話していただくことで、それを知らない職員も学ぶことができる。研修を通じて、危機感を持って今後の災害対応に努めていきたい」と語った。
(2020年7月18日付紙面より)
城南中で薬物乱用防止教室 (新宮市 )
新宮市立城南中学校(中田善夫校長、生徒171人)で16日、1年生45人を対象にした喫煙・飲酒・薬物乱用防止教室が開かれ、なごみ薬局の薬剤師の小林仁さんが講話した。
生徒をたばこやアルコールの害から守ることが目的で、小学校の学習内容とつなげる形で毎年開催している。
小林さんは薬物について「大麻や覚醒剤だけでなく風邪薬なども薬物だが、使用にはルールがある」と説明。さまざまな実験映像から、たばこに含まれるニコチン、タール、一酸化炭素の摂取によって人体に起こる変化を見せた。
違法薬物では中学生の逮捕事例もあるマリフアナ(大麻)を挙げ「インターネットには、あたかもマリフアナは害が少なく、日本の法律が遅れているかのように書くサイトがあるが、海外には依存症で苦しんでいる人がたくさんいる」と話した。
「たばこを吸いたい、お酒を飲みたいと思うのは自由。しかし、今君たちは成長の大切な時期にあり、栄養と酸素を体の隅々まで届ける必要がある。たばこやアルコールによってその流れを妨げ、自分の可能性を狭める行動は、今はするべきではない。身勝手に、自分自身や家族、友人を傷つける行動はしないで」と訴えた。
(2020年7月18日付紙面より)
2海水浴場で安全祈願祭 (串本町 )
串本町の橋杭海水浴場と田原海水浴場で17日に海開きの安全祈願祭があり、運営する南紀串本観光協会の島野利之会長ら関係者が期間中の無事故を願うなどした。
今年は新型コロナウイルスの影響で海開きの有無の判断が分かれるところとなっているが、同町が管理する前述の海水浴場は近隣市町の動向を見ながらの関係者間協議の末、感染予防対策を講じ利用者にも協力を求める形で海開きをすることを決断。例年より半月余りずれこんだが18日(土)から8月31日(月)までの45日間を遊泳期間として運営する。島野会長は、この判断は海水浴だけでなく串本町に夏の節目をつける上でも意味があるとの捉え方を、先んじてあった遊泳区域などの準備時に明らかにしている。
今年は橋杭、田原とも遊泳区域の砂浜に4㍍間隔で標示を設置。これを目安にしてソーシャルディスタンスを確保することなど、事前に定めたガイダンスに基づく留意事項を場内アナウンスや拡声器を使って利用者に伝えて協力を得る。
環境面では感染を誘発しやすい密集や密接を避けるため、橋杭は洋上遊具の設置は行わず更衣室の一部利用制限や屋外簡易水シャワー(利用無料)設置など、田原は更衣室を閉鎖するなどの対応も取っていて、利用時には考慮する必要がある。
橋杭は古座神社の石田保宮司、田原は木葉神社の井谷正守宮司の出仕を得て、参列時の間隔を広く取りながら神事を営んだ。
(2020年7月18日付紙面より)
派遣職員のPCR検査実施 (紀宝町区長会 )
町内14地区と町で組織する紀宝町区長会(会長・辰巳尚鵜殿区長)は16日、同町役場大会議室で定例会を開いた。西田健町長は、新型コロナウイルスに関連した第2弾の支援策を検討していると報告した。また、水害タイムラインの運用協定を結ぶ熊本県球磨(くま)村に派遣した職員のPCR検査を実施したことを伝えた。検査結果で陰性が確認されるまで自宅待機する。今後派遣する職員も出発前と町に戻ってきた後に検査する方針で「安心安全のために検査している」と説明した。
定例会には各区の区長、役場職員が出席。役員改選に伴い、会長に辰巳区長、副会長に鮒田区の東口高士区長を選任した。各課の担当職員が町の関連事業などを説明した。
コロナ関連の特別定額給付金は10日現在、1万785人が申請。紀の宝商品券は3日現在で1万696人に配布した。取り扱い店舗は現在も募集している。
鵜殿保育所は南海トラフ地震への備えとして、町生涯学習センターまなびの郷の西側への高台移転を計画。現在、伐採工事を進めており、来年度中の完成を目指している。
出席者からは、対策を講じた上での学校行事の推進や井田地区への新たな避難所の設置要望などがあった。
辰巳会長は「区長さんは中止や開催など行事で迷っていると思う。役場と連絡を取って、良い方法を探ってほしい」と呼び掛けた。
(2020年7月18日付紙面より)
池田武夫さんがマイクロバス寄贈 (新宮市 )
新宮市五新在住の池田武夫さん(84)がこのたび、市にマイクロバスを寄贈した。3日には市庁舎前駐車場で寄贈セレモニーが催され、池田さんが田岡実千年市長に目録とレプリカキーを手渡した。
寄贈は、昨年10月に心筋梗塞のため逝去した愛娘・賀代子さん(享年58)の「高齢者のために無料バスの提供を」との遺志を形にしたいという池田さんの強い思いから実現した。
マイクロバスは日野自動車製の29人乗りロングボディーで名称は「いけだ号」。主に高田グリーンランドのデイサービスや観光客の送迎用として利用される。4日から供用を開始する。
セレモニーには田岡市長をはじめ、新熊野体験研修協会の長山広重代表理事や市議会の久保智敬議長、東原伸也副議長、松本光生議員らが出席。寄贈に当たり、池田さんが「娘は残念ながら思いを実現できずにこの世を去った。(マイクロバスを)多くの人が笑顔になるように活用していただければ娘も喜ぶと思う」とあいさつ。
池田さんに感謝状と記念品を手渡した田岡市長は「このたびの寄贈は市民の福祉の向上に大いに寄与するもの。高齢者、市民、観光客に喜んでもらえるよう、大切に活用することを誓います」と感謝を伝えた。
池田さんによると、持病のため通院や入退院を繰り返しており、病院などで高齢者と接する機会が多かった賀代子さんは「高齢者のために何かしたい」と常々語っていた。池田さんは「まだ若いのだから慌てることはない」などと説得したという。
「生きているうちに実現させてあげれば良かった。一緒にバスに乗れなかったのが残念」と悔しさを口にしながらも、「市に尽くしてほしいという娘の遺志に応えることができた。夢に娘が出てきて『父ちゃん、ありがとう』と言ってくれた。私が市に尽くすことによって、娘も気分を良くしていると思う」と話していた。
(2020年7月5日付紙面より)
ひまわりの絆プロジェクト
京都府警察発案の「ひまわりの絆プロジェクト」に参加した新宮警察署は2日、活動に協力する新宮市立三輪崎小学校(嶋田雅昭校長)の花壇に同プロジェクトの説明と交通事故根絶への願いを記した掲示板を提供した。同署の上畑充史交通課長らが訪れ、校舎北西のフェンスに設置した。
プロジェクトは2011年に府内の交通事故で亡くなった4歳の男児が、植えようとしてかなわなかった種が元になっている。当時の担当警察官が遺族から種を受け取ったことを機に、ヒマワリを育てて種を継ぐことで遺族の思いや命の大切さ、交通事故防止を伝えようと始まった。16年以降は警察署を中心に賛同者が増えて全国的な広がりを見せている。
同校園芸委員の児童15人がこのほど、新宮警察署から受け取った種を育苗ポットで発芽させた。学校関係者だけでなく、一般の人の目にも付くようにと、苗は道路沿いの花壇に植えられた。毎朝、委員の児童が中心となって水やりなどの世話をしている。
掲示板設置に立ち会った嶋田校長は「命の尊さ、交通安全学習の良い機会」と感謝し、上畑交通課長は「ヒマワリを見て、亡くなった子どもさんの生きていた証しと交通事故防止を思っていただければ。順調に育って種が取れたら児童たちにも引き継いで育ててもらいたい」と話していた。
(2020年7月5日付紙面より)
売り上げの一部は基金に寄付 (紀宝町福祉セ )
紀宝町鵜殿の町福祉センターで「リサイクル&手づくりバザー」コーナーがリニューアルオープンした。両コーナーと寄付コーナーの使用料は無料で「皆さんのご利用、出品をお待ちしています」と呼び掛けている。
ボランティア・市民活動センター「きぼらんせ」(神園敏昭運営委員長)が循環型社会への啓発活動と、ボランティア基金への協力を目的に設置。同センターの改修工事に伴い昨年8月から休止していたが、施設整備が完了したことから再開した。
これまで同様、福祉センター2階ロビーにコーナーを設け、出品者が自由にレイアウトできるよう工夫した。
リサイクルバザーと寄付コーナーは、未使用の食器や手芸用品、雑貨、着物(リサイクル用)などで洋服は対象外。手作りバザーは新品の作品を受け付けている。バザー売上金の一部は町ボランティア基金に寄付する。
出品などに関する問い合わせは、きぼらんせ事務局の町社会福祉協議会(電話0735・32・0957)まで。
なお、新型コロナウイルス感染防止対策として、来館時はマスク着用、手洗いの徹底などを求めている。
(2020年7月5日付紙面より)
各所で開花し夏を彩る (那智勝浦町 )
那智勝浦町湯川のゆかし潟でハマボウが見頃を迎えている。喫茶きよもん敷地内をはじめ、周辺各所で黄色の花が開花し、夏を彩っている。
ハマボウはアオイ科の落葉低木。内湾海岸に自生する塩生植物で、夏に黄色の花を開花させる。
同所は多くのハマボウが楽しめる名所の一つとして知られ、公益社団法人和歌山県観光連盟のホームページ「わかやま観光情報」にも掲載されている。
毎年きれいに開花するため、散歩する近隣住民、付近道路を走行する車のドライバーや同乗者の目を楽しませている。
記者が取材した6月末も、車から降りてスマートフォンでハマボウを撮影するドライバーの姿が見られた。
(2020年7月5日付紙面より)
奉賛会らが敷砂利整備 (神倉神社 )
神倉神社奉賛会(猪飼三雄会長)は2日、新宮市の神倉神社で敷砂利の整備を実施した。同会メンバーと同市熊野川町東敷屋の株式会社河崎砂利(河崎禮造代表取締役社長)の社員約15人が境内に砂利をまくなどして、奉仕活動に汗を流した。
同神社の敷砂利が少なくなってきていることを知った同社が、景観を損なわないよう役に立ててもらいたいと14㌧の砂利を寄贈した。
社員がトラックで運び、下ろした敷砂利を参加者らは協力しながらスコップでならし、境内の地面を平らにするなどして作業を進めた。河崎社長は「神倉神社は由緒あるところ。立ち寄る参拝者の人たちが美しいと思い、再び訪れたくなるような場所であってほしいです」。
猪飼会長は「河崎社長のご厚意と協力に大変ありがたく思います。新型コロナウイルスの影響もありますが、緊急事態宣言が解除されてから参拝客も少しずつ戻りつつある。多くの人に訪れてもらえるよう、今後も景観を保っていければ」と話していた。
(2020年7月4日付紙面より)
鵜殿3組自主防災会が建設中 (紀宝町 )
紀宝町鵜殿の鵜殿3組自主防災会(森倉賢一郎組長)は、同地区の津波一時避難場所近くの高台に防災備蓄倉庫の建設を進めている。住民が協力して建築作業に取り組み、秋ごろの完成を目指している。
同自主防災会には約330世帯が所属。地震津波、水害に備え、高台の3カ所に一時避難場所を整備しており、倉庫は矢渕中近くと町福祉センター近くの各一時避難場所の中間にあり、両避難場所から遊歩道を歩いて向かうことができる。
完成後は住民が避難生活に必要な物資をまとめた衣装ケースを保管する。建物は木造平屋建ての約26坪。収納スペースや土間、仮設トイレ、物置を整備し、維持費削減のため電気、ガス、水道は設置しないという。
「大災害時の死者ゼロ」を目指そうと、2年前に計画が持ち上がった。海抜約30㍍にある町有地を借り、材料費はみえ森と緑の県民税の助成を受けた。町の前向きな協力も得て建設に踏み切った。
住民自らが立ち上がり、自主防災会で整備することを決めた。昨年6月から作業を開始し、伐採や草刈りなどに取り組み、1年がかりで土地を整備した。地盤改良や基礎工事などは専門業者に依頼し、先月21日の棟上げ後は住民が集まり作業に汗を流している。
森倉組長は「みんなで手作りすることで防災に関心を持ってほしい。避難所で生活するための物資を保管することで、避難時に重いリュックを持って逃げる必要がなくなる。災害後の災害関連死の減少にも役立つと思う。この取り組みによって町内や近隣市町の自主防災がより活発化するきっかけになれば」と話していた。
(2020年7月4日付紙面より)
水産土木建設技術セと協定締結 (串本町 )
串本町は2日、一般社団法人水産土木建設技術センター(吉塚靖浩理事長)=東京都中央区=と漁港等の施設の災害復旧支援に関する協定を結んだ。
この協定は、同法人が内陸や道路に比べて施工頻度が低く技術の継承がしづらい点で水産関係施設の被災後の早期復旧が困難となっている現状を支援するため、自治体を対象にして締結の希望を受け付けている。平成30年8月の島根県松江市との締結を皮切りとし、同日までに全国15市町村(松江市は漁業集落排水施設と漁協等施設の2協定、他は漁協等施設の協定のみ)と締結。串本町は専門的な技術や業務の蓄積がある同法人の支援により迅速な復旧を図る目的で締結を希望したそうで、全国で17例目、県内では由良町、日高町に続き3例目になるという。
この日は串本町役場本庁で締結式があり、田嶋勝正町長は「大小21の漁港がこの町には存在する。最近の台風や高潮で本当に大きな被害がもたらされていて、今回の協定で専門的な技術を持つ水産土木建設技術センターと協定を結ばせていただけることを心強く思う」、吉塚理事長は「こういった活動を通して技術者が不足している自治体のご支援になればと思っているので、今後とも串本町さんとは災害時に手を携えながら円滑な復旧がなされるよう努力していきたい」と思いを交わしつつ、協定書への署名に臨んだ。
締結には同センターの松嵜哲夫調査役と吉田多真己調査役、役場産業課の南和夫課長ら担当職員も同席。南課長が平成30年度以降の同町における台風被害の状況を報告し、改めて思いを交わしあって歩み寄りを深めた。
この協定は各市町村が管理する漁港や漁場等の施設を対象とし、支援として▽災害の状況を確認するために行う現地調査業務▽災害報告に必要な資料の作成業務▽災害査定に必要な設計図書その他関係資料の作成▽災害査定への対応業務▽災害復旧支援に附帯する業務―を規定している。
(2020年7月4日付紙面より)
たばこ組合新宮支部 (那智勝浦町 )
和歌山県たばこ商業組合新宮支部(塩崎伸一支部長)は2日、那智勝浦町役場とJR紀伊勝浦駅周辺で清掃活動に取り組んだ。参加した会員18人は新型コロナウイルスの感染予防に努めながら、ごみ拾いに汗を流した。
清掃活動は同組合女性部(大谷敏子部長)を中心にたばこのポイ捨て禁止や、未成年者の喫煙防止などの呼び掛けを目的に実施。寒さの厳しい2月と猛暑の8月を除き、活動している。
同支部は毎年7月初めに、同駅とJR新宮駅の2カ所で未成年者の喫煙防止を促す啓発を行っているが、本年は新型コロナの影響で中止となった。啓発の代わりとして、先月18日に新宮市役所から新宮駅までの清掃を実施。加えてこの日の活動となった。
大谷部長は「喫煙する人が減ったため、最近は吸い殻などのごみが少なくなった。しかし、組合としては少しでも町をきれいにしたいと思うので清掃を続けたい」。
未成年者の喫煙防止については「未成年の方も昔と比べてたばこを吸う人が減った。私たちもたばこを購入に来た方に対して年齢が分かる身分証の提示もお願いしている。たばこは20歳になってからお願いします」と語った。
次回は9日(木)に太地町の道の駅たいじで清掃を行うという。
(2020年7月4日付紙面より)
軟式野球部「第4回大会」 (那智勝浦町体育協会 )