年末の帰省ラッシュピーク (熊野地方 )
年末年始の帰省ラッシュがピークを迎え、正月をふるさとや観光地への行楽で過ごそうとする人や車の姿が多く見られる。30日、JR新宮駅では午前中に特急列車の2便が、京都・大阪方面と名古屋方面から到着。大きな荷物を持ち帰省してきた人たちが、次々と改札を通り、迎えに来た家族の車に乗り込む姿などが見られた。Uターンのピークは1月3日(水)とみられる。
改札付近にはお見送り&お迎えコーナーを設置し、駅社員らからの温かなメッセージが利用客らを出迎えた。愛知県から妻と2人の子どもと帰省した角卓也さん(36)は「毎年盆と正月の2回は帰省しています。実家で過ごす予定です」と話していた。
和歌山県警が発表している1月の交通事故発生予報によると、当地方の厳重警戒日は1日(月・祝)、2日(火)、17日(水)、25日(木)、27日(土)、28日(日)。県内での年間の人身事故の件数と死者数は前年より減少したものの、高齢者が亡くなる事故が半数近くを占めている。
日本道路交通情報センターによると、1月4日(木)までの年末年始期間中は交通量が増加し、高速道路を中心に激しい渋滞の発生が予測される。
(2017年12月31日付紙面より)
社協が超小型EV導入 (太地町 )
太地町社会福祉協議会ではこのほど、1人乗りの電気自動車(EV)を1台導入した。ホームヘルパーや看護師、ケアマネジャーの訪問に27日から使用している。
同町は家が立て込んだ地区が多く、原付二輪車でなければ回れない家庭が多かった。そのため、雨や風の強い日には苦労していた。今回導入したのはトヨタのCOMS(コムス)という車種で、車両の全長が約2・4㍍、全幅が約1㍍と小さい。小回りが利き駐車しやすく、オプションパーツのキャンバスドアで雨の浸入も防げるようにした。
充電には家庭用の100㌾コンセントを使う。約6時間ほどで満充電となる。1回の充電での走行距離は時速30㌔で68㌔(国土交通省届出値)。最高で時速約60㌔まで出すことができる。後ろにはトランクボックスがあり、荷物を積むにも困らなくなった。
練習を兼ね、暖海地区まで乗ってみたという訪問看護師の竹原愛さんは「駐車するスペースを気にせず乗れるのがいいですね。太地町の細い路地にぴったりです」と感想を話した。
(2017年12月31日付紙面より)
那智勝浦町の下里神社
那智勝浦町の下里神社(山本貞夫宮司)で29日、元日の歳旦祭に向けて迎春準備があった。神社役員らがしめ縄の張り替えや門松の設置、のぼりの掲揚などをした。
しめ縄は10㍍のさらし3枚を使い、門松は神社の竹林から切り出した竹を使って、役員らが手作りしている。毎月2回、神社の清掃をしている下里江川親睦会が早朝から周辺を清掃し、奉納旗45本を境内に立てた。
1月1日(月・祝)は午前0時から初詣参拝者にぜんざいを振る舞い、午前9時から歳旦祭を営む。
山本宮司は「ぜんざいのお餅は、太田の農家の方が米を作り、杵(きね)でついたものです。とても良く伸びておいしいですよ。毎年あっという間になくなります」と話していた。
(2017年12月31日付紙面より)
新宮信用金庫理事長杯卓球大会
串本少年野球連盟所属の2チーム
御浜町「Atawa.R.G.C」
レスリング「NTS近畿ブロック合宿」
地元と健康にこだわり開発 (新宮港埠頭 )
新宮市三輪崎の新宮港埠頭株式会社食品部(シングウポートフーズ)はこのほど、地元にこだわった食材で作ったブリ商品を開発した=写真。今月9日(土)午前10時から正午まで、港内の株式会社食縁本社工場前で初めて地元販売する。
近畿大学技術の養殖プレミアムブリ「におわないブリ」を使用した商品。168時間かけて製造している薫製は、生ハム風と照り焼き風の2種類。切り身はプレーン、照り焼き、みそ漬け、酒かす漬けの4種類。刺身用ブロック、しゃぶしゃぶ用などもある。
安全、安心をモットーに、いずれの商品も化学調味料や食品添加物を一切使用しておらず、しょうゆは新宮醤油、酒かすは尾﨑酒造など、地元産を使用している。
同社は1978(昭和53)年9月30日に設立された新宮市の第三セクター。これまで新宮港を中心とした港湾運送、船舶代理店、貨物運送を主たる事業としてきたが、日本の「食」の多様性に注目し、食品部を設置。稚魚生産から加工販売までの「なまず養殖事業」もスタートしていて、来年の夏ごろの販売開始を予定している。
小池けん二社長は「私のモットーは、常に先を見据え新しい視点を持つこと。人口減少・少子高齢化の波がこの地方でも大きな社会問題となり、産業の衰退は地方都市の活力を疲弊させています。この地域の新たな活力と産業の振興を図り、雇用の場を作ることが必要。地域の特産を目指した事業を興し、全国展開を図りながら、さらに地域社会に貢献する会社を育てたいと考えています」と話している。
(2017年12月6日付紙面より)
※ 小池けん二社長の「けん」は、「濕」のさんずいを取り除いた字
新宮税務署が説明・相談会 (新宮市 )
新宮税務署は4日、新宮市の新宮商工会議所で「雑損控除等説明会」を開いた。台風21号などで被害を受けた人を対象とする説明会で、同市などで多くの被害があったことから開催した。被災した場合の所得税の減免制度や、住宅や家財の損失額の計算方法などについて説明した。
災害などで住宅や家財に被害があった場合、雑損控除か災害減免法によって所得税の軽減免除を受けられる場合がある。どちらか有利な方を選ぶことができ、確定申告の際に必要書類を添付して申請する。インターネットで申告書が作成できる国税庁ホームページの「確定申告書等作成コーナー」を使う際にも、被害のあった家財などの損失額を入力することで、条件に合わせて雑損控除か災害減免法の有利な方を選択できる。
説明会では全般的な説明の他に、個別相談の時間も設けられ、申告会場に持参できる損失額計算個票の用紙も配られた。確定申告の期間は2月16日(金)からとなるが、同署では被災者を対象に事前対応も予定している。
担当の同署個人課税部門の統括国税調査官・山田耕士さんは、「申告の時期には混雑も予想されます。まずは説明会にお越しください」と話した。
この説明会・個別相談会は今後、5日と7日(木)に同所で、14日(木)に那智勝浦町築地の南紀くろしお商工会で開かれる予定。時間は説明会が午後1時30分~2時30分、個別相談会が午後2時30分~5時。夜間の説明会が午後6時~7時。
(2017年12月6日付紙面より)
来年、創建2050年を迎える田辺市本宮町の熊野本宮大社(九鬼家隆宮司)の式年大祭を盛り上げようと組織された「熊野本宮大社御創建二千五十年奉祝式年大祭推進協議会」(榎本長治会長)は2日、大社瑞鳳殿で総会を開き、来年の主なイベントの事業計画案などを承認した。
協議会は今年9月に組織。熊野本宮観光協会、田辺市熊野ツリーズムビューローなどさまざまな団体、企業など30を超える団体で組織。奉祝期間を誘客の絶好の機会として捉え、さまざまなイベントを展開し、熊野の魅力を発信しようと事業に取り組んでいる。
本宮大社の例大祭は例年4月13日から15日に行われているが、来年は11日(水)から15日(日)までを日程として奉祝式年大祭として営む。期間中には歌手の山川豊さんや水森かおりさんらの歌唱奉納などがある。
例年8月に行われる「八咫(やた)の火祭り」は10月13日(土)に日程を変更し、式年大祭とは別に公募した稚児による湯登神事を行う。
3月には博物学者、小説家の荒俣宏さん、5月には演出家の宮本亜門さん、秋には作詩家の及川眠子さんの講演を計画。宝物殿の特別拝観なども予定している。
協議会では大祭記念ロゴを製作し、ピンバッジやのぼり、記念ポロシャツの製作も進めており、さまざまなPR活動を展開していく。
総会で協議会顧問の九鬼宮司は「地元の高校生も祭りに参加したいという声もあり、うれしい。皆さんと新たな祭りができればと考えている。何かが生まれてくると確信している」とあいさつ。榎本会長は「2050年のお祝いだけでなく、熊野の良さを発信する大きな機会と捉え、地域の観光振興につなげられたらと思う」と話し、「参加していただける団体、企業を募集している。本宮大社へ問い合わせてほしい。いろいろな方々に参加してもらい、一緒に盛り上げていきたい」と呼び掛けた。
(2017年12月6日付紙面より)
町長らに感謝届け親交深める (串本町 )
駐日トルコ共和国大使館のハサン・ムラット・メルジャン特命全権大使(58)一行が4日、串本町の田嶋勝正町長や同町立大島小学校(山本隆介校長、児童36人)を表敬訪問し、トルコ軍艦エルトゥールル号殉難将士慰霊碑に献花するなどした。
メルジャン大使は先月17日に着任した新任の特命全権大使。今回の訪問は公務に就くにあたって慣例になっているあいさつ回りを兼ねた視察の一環で、インジ・メルジャン夫人と通訳者としてボアチ・ウリケル専門官を連れ3人で来町した。
南紀白浜空港で役場総務課職員と合流し、公用車で同町入り。役場本庁で表敬を受けた田嶋町長は「町民を代表して歓迎する。エ号の遭難は悲しい事故だったが、当時の救難活動が今の日本とトルコの友好を築いた柱と言ってもらえることを私たちはうれしく、誇りに思っている。今も清掃や献花をしながら587人の殉難将士をお守りしているので安心してほしい。これからいいお付き合いをさせていただきたい」と述べ、メルジャン大使は「何よりもまず将士を大切にしてくれていることに感謝する。われわれも祖先への思いを胸に友好を作る努力をし、町長ともよい機会を作りたい」と応えた。
「次の来町時には町長と一緒にダイビングに挑戦したい」など後の懇談も弾む中、田嶋町長は歓迎の一端で記念楯や日本トルコ友好マスコットキャラクター「まぐトル」のぬいぐるみ、町独自の友好のあかしとしている同碑レリーフをかたどったピンバッジなどを贈って親交を深めた。
同町立大島小学校では、山本校長と6年生の造隼瑠菜さんがあいさつし、6年生の伊勢谷連さんと中西基樹君が花束を贈って来校を歓迎。一同で同碑とともに受け継がれる追悼歌を披露した。
メルジャン大使は「皆さんや役場の方々が両国の国旗を振って迎えてくれたことが、串本に来て何より感動していることだ」と歓喜。同碑の清掃などを通して殉難将士を大切に守ってくれている児童を『もっとも美しい花で飾られたような友好の架け橋』とたたえて感謝し、交流の記念にと文具を贈るなどした。
表敬後は樫野崎を訪ね、田嶋町長夫妻や樫野区の岩谷知道区長の代理で高山カヤ子さんとともに同碑に献花。メルジャン大使夫妻は樫野崎園地にある建国の父・アタテュルク像への献花を来町にあたって希望したそうで、同町も応えて段取りし実現した。併せて樫野埼灯台やトルコ記念館、遭難地点とされる岩礁(通称・船甲羅)を視察し現地説明を受けるなどした。
夜は田嶋町長主催の歓迎夕食会に出席。町内に宿泊し翌5日に串本海中公園センターを視察するなどして同大使館がある東京へ戻った。
(2017年12月6日付紙面より)
高さ50㍍、電飾2万球 (熊野川町 )
紀伊半島大水害の復旧工事で伐採した熊野杉を使用した高さ約50㍍の巨大ツリーが3日、新宮市熊野川町上長井の小口自然の家広場に設置された。約2万球の電飾を取り付けていて、10日(日)から来年1月15日(月)まで点灯させる。時間は午後5時から9時まで。
巨大ツリーは水害の犠牲者の冥福を祈るとともに復興の支援者への感謝を込めて小口文化振興会議が設置していて、今年4年目になる。これまでイベントで使用してきた高さ約28㍍の杉に、那智勝浦町川関の那智川沿いの復旧工事で伐採した杉2本を鉄板でつなぎ合わせている。木には「繋(つな)がる絆で笑顔あふれる元気な町」「姿形は見えなくても心は共にあります」などのメッセージが書き込まれている。
水害で友人を亡くした小口地区出身の中川悟さん(58)が発案し、那智谷大水害遺族会の岩渕三千生さん(56)が協力。会員ら約20人がクレーンやロープを使って1日で飾り付けた。
同会議は23日(土・祝)、同地で「第27回小口おもしろプレイランド」を開催する予定。事務局の丸石輝三さん(60)は「おそらく木製のツリーでは日本一の高さだと思います。たくさんの人に見に来てもらいたいです」と話していた。
(2017年12月5日付紙面より)
「紀伊半島」が訪れたい地域世界5位
オーストラリアの世界的旅行ガイドブック「ロンリープラネット」で2018年に訪れたい旅行先の5位に「紀伊半島」が選ばれた。那智勝浦町からは国内で唯一、那智の滝と三重塔、「あげいん熊野詣」の画像が紹介されており、同町観光協会でも喜びの声が上がっている。
世界で訪れるべき上位10の国・地域・都市をロンリープラネットのスタッフらが選ぶ「Best in Travel2018」の地域編で5位に入った。県観光交流課によると熊野三山や高野山をはじめ、自然景観・温泉・伝統文化といった都市部にはない和歌山の観光地としての魅力が評価につながったという。
1位はイギリス・北アイルランドのジャイアンツコーズウェー、2位はアメリカ・アラスカ州、3位はスロベニアのジュリア・アルプス、4位はフランスのラングドック・ルシヨン地方。
ロンリープラネットのURLはhttps://www.lonelyplanet.com/best-in-travel/regions
(2017年12月5日付紙面より)
木葉神社「祢んねこ祭り」 (串本町 )
串本町田原にある木葉神社(井谷正守宮司)の例祭「祢(ね)んねこ祭り」が3日に本祭を迎え、朝日遥拝行列や子守り神事など他に類を見ない奉仕の数々が氏子らの拝観を集めた。
神功皇后養育の故事にあやかり、子安の宮として信仰を集める同神社。祭員確保の都合、例祭日は12月第1日曜日とされ、奉仕する田原区(西脇正吾区長)は今年も諸役を定めて礼を尽くした。
午前7時に始まった朝日遥拝行列はご飯持ちみこ・垣下結菜さん(10)を先頭とし最後列で田原獅子保存会(井本悟会長)の連中が笛や太鼓ではやす中、井谷宮司(63)が振り鳴らす鈴一振りにつき一歩ずつ進行。約1時間をかけ約40㍍先にある遥拝所を目指した。
遥拝所で井谷宮司が「遙(はる)かに東天を拝み奉る」と祭文をささげ一同で朝日を遥拝した後は、本殿前で大前の儀に臨んだ。神官の石田保・古座神社宮司が古式の修祓(しゅうばつ)「湯立ての儀」を営んで身を清めた後、子どもみこの荒木野乃子さん(9)と姉の奈菜子さん(18)が神楽「浦安の舞」を奉納。玉串をささげて主祭神への礼を尽くした。
拝殿でお弓の儀を営んだ井谷宮司が童児・北田るきあ君(8)とみかん問答をし、大幣差しの山路和彦さん(54)と御幣差しの宮本綾乃さん(17)、関戸健二さん(49)、佐野圭志さん(46)、荒木琥太郎君(10)、西脇大貴君(9)、そして北田君がござや枕、乳房をかたどった寝具を担ぎ「ねんねこねんねこおろろんよ」と唱えながら子守りの所作を奉納。拝観者から入る野次が場を盛り上げる中、子どもみこ2人が神楽「浦安の舞」を再度ささげ、拝観者に縁起物の稲穂を授与するなどした。
今年は拝殿での神事後に餅まきを実施。小休憩を経て境内に座を設けた田原獅子保存会が獅子係・畑野和彦さんの主導で継承する舞7種類を奉納した。若干雲が流れたものの、初冬の冷え込みもごく緩い好天に恵まれる中で例祭を納める形となった。
(2017年12月5日付紙面より)
田辺市本宮町の熊野本宮大社(九鬼家隆宮司)で4日、迎春準備が始まり、神門の大しめ縄と大絵馬が掛け替えられた。作業を見守った九鬼宮司(61)は「来年の御創建2050年にふさわしい美しいしめ縄を奉納していただき、身の引き締まる思い。来年も多くの方に熊野にお越しいただくことを祈っています」と話した。
大しめ縄は紀宝町成川の榎本政子さん(84)が家族らと約1カ月かけ毎年編んでいる。コシヒカリのワラ約1200束を使っていて、長さ4・5㍍、縦約80㌢、重さ約250㌔。両脇には八咫烏(やたがらす)の形をしたしめ縄を飾っている。
榎本さんが本宮大社の大しめ縄を作り出して今年で34年目。「いいしめ縄ができました。全体の形のバランスを取るのが一番難しいです。体力の続く限りは作り続けていきたいと思っています」と話していた。
来年のえと「戌(いぬ)」の大絵馬(縦90㌢、横182㌢)は九鬼宮司が自ら筆書きで作成したもので、「八咫烏」の模様が入った化粧まわしを付けた白い紀州犬を描き、「悠久」の文字を書き添えている。
(2017年12月5日付紙面より)
準決勝、決勝は17日に実施