「コロナに負けるな」 (手作りマスクに込めた思い )
新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、マスク不足が叫ばれるようになってはや2カ月。いっときに比べマスク不足解消の兆しは見えつつあるものの、いまだ入手できない人が多いのが現状だ。
そんな中、マスク不足を払拭(ふっしょく)しようと、趣向を凝らしたマスクを手作りする人が増加。好みの布で作ったマスクを身に着ける人々が、春、そして間もなく初夏を迎えようとするまちなかに彩りを与えている。
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困難な状況にあっても女性のおしゃれ心は健在だ。「ガーゼが品薄」「耳に掛けるゴムが手に入りにくい」。そんな情報が流れるごとに誰かが代替案や代用品を提案し、手法などがアップデートされていく。今ではインターネットで「手作りマスク」と検索すると、無料型紙や彩り豊かな手作りマスクの画像などが日々更新されている。中には国が配布する布マスクの俗称「アベノマスク」を「ベツノマスク」「ウチノマスク」としてリメークしてしまうつわものも。
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100年前のパンデミック(世界的大流行)「スペイン風邪」では、当時の日本の総人口約5600万人に対し約2400万人が感染したとされ、終息には丸2年を費やした。スペイン風邪の大流行をきっかけに、当時、主に炭鉱などで働く人たちの粉じんよけとして使用されていたマスクが一般に普及したという。
しかし当時もマスクの供給が需要に追い付かず値段が高騰。さらに困難な状況に一山当てようと、マスクの「不正商人」が横行したという。
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いまだ終息のめどの立たない新型コロナウイルス禍。このたびもマスクなどの転売が社会問題となったが、いつの時代も暴利商法を用いて不正を働く者がいる一方、しなやかに、そしてたくましく困難に立ち向かう人々の姿もある。このコーナーでは、鮮やかなマスクを身に着けた人々の笑顔にスポットを当てたい。
「コロナに負けるな」。「手作りマスク」には、そんな人々の思いが込められているのではないだろうか。
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本紙では、自慢の「手作りマスク」を着用した写真を募集しています(マスク単体でも可)。あなたのすてきな「手作りマスク」の写真をお送りください。画像は「手作りマスク」コーナー宛てで、熊野新聞社フェイスブックもしくはメール(info@kumanoshimbun.com)でお送りください。
(2020年4月29日付紙面より)
中止事業の予算を活用し (古座川町老連 )
古座川町老人クラブ連合会(奥根公平会長)がこのほど、全会員に首掛け式の空間除菌剤1個を配ることを決めた。近々入荷予定で、単位老人クラブ会長経由で会員に届けるという。
24日にあった役員会で、新型コロナウイルス感染予防の観点から本年度前半の行事をすべて中止する判断をした同町老連。関係予算の新たな有効活用の方法を話し合う中で奥根会長(88)が身に着けている空間除菌剤が話題になり、それを全会員へ配って感染予防意識を喚起する方向へとまとまった。
その空間除菌剤は薬局を営む娘夫婦が感染予防に役立てばという思いで託した品で、薬剤師として近隣の病院に勤めた経験を持つ夫・尾鷲恭二さん(68)は医療従事者が身に着けている状況を見て自身も3年ほど前から使っているという。奥根会長は「手洗いや消毒、マスクなど基本の対策の上乗せとして、人が集まる場所へ行かなければならないときに使っている」と利用の状況を語り、ただ配るのではなく感染予防の説明をし日頃の心掛けを高めながら配るとしている。
同町老連事務局の同町社会福祉協議会によると、会下には12の単位老人クラブがあり総会員数は300人弱。今回は予備分も含めて320個を購入し、会員の感染予防に役立てるとしている。
(2020年4月29日付紙面より)
事業主らに応援金など支給 (紀宝町 )
紀宝町は27日、独自の新型コロナウイルス対策として、町に住民票または法人登記を有し県外に事業所、店舗などを構える中小企業・小規模事業者に支援金を、三重県の協力金交付対象外の全ての町内食事提供施設に応援金を支給すると発表した。
県では「緊急事態措置」として、対象施設に休業または営業時間を午後8時(アルコール提供午後7時)まで短縮するよう要請し、協力した県内中小企業・小規模事業者(個人事業主含む)に協力金を交付している。
同町は和歌山県と隣接し、県外で事業を展開する事業主などが多いことから、町では県外事業者向けの支援金として1事業者当たり最大25万円を交付する。29日から5月6日(水・振休)まで休業や営業時間の短縮といった三重県の要請に協力することなどが条件となる。
応援金は、町内で喫茶店や飲食店など食事提供施設を経営し、県の休業要請に当てはまらない事業者に10万円を交付する。
受け付けはいずれも5月18日(月)から6月5日(金)までで、郵送での申し込みとなる。申請書は町のホームページでダウンロードできるほか町産業振興課、町商工会でも入手できる。支援金、応援金ともに申請要件が異なるため、詳しくは町産業振興課(電話0735・33・0336)まで問い合わせを。
町では5月13日(水)の臨時議会に一般会計補正予算として計上し、可決されれば5月末から交付を開始する。
会見した西田健町長は「紀宝町に住民票を有しながらも県外で活躍する人が多い。厳しい状況にある施設の皆さんに町として応援金を交付し、持続・継続できるよう支援したいという強い思いを持って提案した」と述べた。
(2020年4月29日付紙面より)
グランドール紀の風 (新宮市 )
新宮市佐野のサービス付き高齢者住宅グランドール紀の風(鈴木幹啓代表取締役、中村光德施設長)は23日、職員らが手作りした紙製の桜を飾った同施設内のテラスで「テラスでお花見お茶会」を開いた。マスク着用や互いの距離を空けるなど新型コロナウイルス感染対策を取った利用者は笑顔で外の空気を味わい、花見を楽しんだ。
同施設では毎年、同市の黒潮公園で花見を行っているが、新型コロナの影響で実施できない状況となったため、今回の花見を計画した。
桜の花は柔らかい折り紙で作成。利用者も手伝い、竹と段ボールで木の幹や枝を再現した。準備は1カ月ほど要したという。
花見はグループごとに行われ、職員がシャボン玉を飛ばし、お茶やお菓子でもてなした。
利用者は晴天の下、日光浴をしながら手作りの桜を鑑賞。「本当にきれい」とうれしそうに目を細めていた。また、花見待ちの利用者はバルーンアートなどを楽しんでいた。
催しを企画した同施設管理者の森晶平さんは「新型コロナの影響で利用者の方が屋外へ出ることができないため、少しでも楽しんでもらおうと考えた。今回の催しが今後の良い思い出になってくれたら」と話した。
中村施設長は「新型コロナの影響で面会が禁止になっているため、入居者の方やご家族にはご不便をかけ心苦しく思う。こんな時だからこそ、感染拡大には細心の注意を払いながら、笑顔でいられる環境を提供したい。その様子を写真に収めてご家族に送らせていただきます」。
「来年こそは利用者の皆さまに屋外で思い切り空気を吸ってもらい、お花見を楽しんでもらいたい。そして最高の笑顔をつくっていきたいと思う」と語った。
(2020年4月29日付紙面より)
別館に経済対策室設置 (新宮市 )
国の緊急経済対策を踏まえ、新宮市は17日、市役所別館に「新型コロナウイルス感染症経済対策室」を設置した。市民に対して国などの緊急経済対策や市独自の経済対策に関する事務を行っていくほか、税金や各補助金などの相談を受け、関係機関や課につなぐ役割も担う。
国は7日に「新型コロナウイルス感染症緊急経済対策」を決定。それを受け、市では全庁的に迅速、的確な経済対策を講じていく必要性を鑑み、市新型コロナウイルス感染症対策本部のもとに対策室の設置を計画した。
対策室には、馬込克彦室長(選挙管理委員会事務局長兼監査事務局長)をはじめ職員7人を配置。設置場所は別館1階の第1会議室で開設時間は午前8時30分から午後5時15分(土・日・祝日含む)。電話相談(電話0735・29・7358/直通)のほか、窓口対応も行う。
開設に当たり、田岡実千年市長は「国などの緊急経済対策に加え、それを補完・補強するような市独自の経済対策についても早急に検討し取り組んでもらうことになる」などと訓示。
「対策室には市民の皆さんからいろいろな相談や問い合わせがあろうかと思いますが、大変な思いをされている市民の皆さんに寄り添って、きめ細やかな対応を」と呼び掛けた。
訓示を受け、馬込室長は「緊急事態宣言の全国拡大を受け、より身が引き締まる思い。市の経済施策も進めていけるように一丸となって取り組んでいく」。国が打ち出す経済対策の方向性を見守るとともに、申請に対して速やかに案内できる体制を整えていきたいと決意を述べた。
(2020年4月18日付紙面より)
動鳴気漁港の災害復旧工事 (串本町 )
串本町古座にある動鳴気(どめき)漁港の令和元年台風19号に伴う災害復旧工事が先月26日から着工した。東西両防波堤同時着手で、全体の復旧は今から2年後の令和3年度末になる見込みだという。
同漁港の東西両防波堤は昨年10月11日夜半から12日未明にかけて接近する台風に伴う波の影響を特に強く受け、各所で堤体にずれが生じた。とりわけ西防波堤の先端部約70㍍は、ずれが顕著で、国道42号沿いからでも痛々しく見て取れる状態になっている。
同町産業課は、西防波堤と東防波堤を3分割した計4つの災害復旧工事を計画。うち契約金額が5000万円を超える西防波堤と東防波堤〈その3〉の2工事について同町議会3月定例会最終日(先月25日)で、同町議会の議決に付すべき契約および財産の取得または処分に関する条例に基づく工事請負契約の締結に対する議決を求め、承認を得た。
承認を得た2工事は翌26日から着工となったが西防波堤の契約金額は6億8970万円、東防波堤〈その3〉の契約金額は1億9470万円と膨大で、いずれも工期が令和4年3月25日までとなっている。契約金額5000万円未満の東防波堤〈その1〉と同〈その2〉の工期は令和3年3月26日までだという。
同19号は紀伊半島南東部を通り昨年10月12日午後に最接近。その前の最大瞬間風速30㍍弱の東風にあおられた波が満潮に乗って同町東岸部に強く打ち付けた。同漁港一帯では越波も多発し国道42号古座信号交差点付近では道をまたいで居住区にまで被害をもたらした。
少し離れた同町姫地内では護岸崩壊に伴い国道42号が約70㍍にわたり陥没などの影響を受ける被害があり、先月16日から解除日なしの終日片側交互通行規制をしながらの本復旧工事が始まった。工事期間は暫定で9月30日(水)までとし、発注者の国土交通省紀南河川国道事務所は諸事情で期間変更する場合があるとしている。
(2020年4月18日付紙面より)
20日から職員の分散勤務も (紀宝町 )
新型コロナウイルスの感染防止対策として、紀宝町役場の窓口に透明のビニールカーテンが設置された。
窓口への来庁者と職員の飛沫(ひまつ)感染防止を目的にしたもので、役場1階の福祉課地域包括支援センターや2階の教育委員会など全課窓口に順次設置し、カウンターには透明のアクリルボードも設ける。
また、感染した場合に備え町民生活を維持するため20日(月)から6月19日(金)まで、職員の分散勤務を行う。庁舎内の正規職員80人のうち、理事と課長を除く各課2人程度(約20人)を防災拠点施設5階の研修室とフロアに移す。各班とも2週間のローテーションとし、必要に応じて延長も検討するという。
同町では「窓口対応などを行う職員が平常時より少なくなる場合があります。町民の皆さまにご不便をおかけする場合がありますが、感染拡大防止のため、ご理解、ご協力をお願いします。引き続き、町民の皆さまにおかれましては不要不急の外出を控えてください」と呼び掛けている。
(2020年4月18日付紙面より)
【第10回】偏食改善のヒント
お子さんがいらっしゃるご家庭からのご相談で一番多いのが「偏食を治したい」というものです。無理やり食べさせるべきなのかどうか、悩む方も多いと思います。偏食は、3歳前後から現れるといわれています。でも、成長とともにほとんどの好き嫌いは改善されるともいわれているんです。栄養が偏るという心配も分かりますが、今は食料の種類がとっても豊富ですし、代替えはとっても簡単です。野菜が苦手であれば、ミネラルやビタミンは果物で摂取することができますし、魚が苦手でもタンパク質はお肉で取ることができます。しかしそうはいっても、栄養の面だけでなくいろんな食材の味を楽しめる子になってほしいですよね。今回はこの偏食改善のヒントをお伝えしようと思います。
まず一つ目は「一緒に子どもと話をしながら食べよう!」です。いわゆる共食ですね。食事の問題は、その根本に「食事が楽しいかどうか」ということが大きく関わっています。まず最初の第一歩は「食事は楽しい!」と思わせてあげることだと思います。子どもの話をできるだけ聞いてあげて、楽しい雰囲気で食事をしてあげてください。子どもの偏食を研究した論文には「食事中の会話が大人中心の場合には嫌いなものが多くなる傾向にあった」と報告しているものもあります(東海女子短期大学紀要「偏食を生み出す要因に関する研究」、2000年)。「いただきます」などのあいさつをきちんとすることや、お箸の持ち方をきちんと教えることも、偏食を防ぐ要因になりうることが分かっています。
二つ目は「声掛けをしましょう!」です。もちろん、皆さん声掛けをされていると思いますが、使うキーワードを意識していただきたいのです。声掛けについて研究した論文があります。この研究によると、最も偏食が少ないのは「感謝」の声掛けが多い家庭でした。「食べ物に感謝して食べようね」「食べ物にも命があるんだよ」などの食べ物への感謝です! しかも「食べないと大きくなれないよ」や「嫌いだったら食べなくていいよ」などの声掛けは、逆に偏食を促進するという結果になっているんです(京都女子大学発達教育学部紀要「食卓の雰囲気と母親の言葉かけの特徴が児童の偏食に及ぼす影響」、2012年)。
子どもたちは、強制されたり叱られたりすることを苦痛に感じているのかもしれません。給食で食べ残しが許されず、食事という行為そのものが嫌いになってしまう子もいます。でも、「嫌いならいいよ」と簡単に許すのは、なんの解決にもなりません。ヒステリックに叱ったり、感情的にならず、優しく促してあげることが一番なんだと思うのです。とにかくポジティブに促すことを心掛けてください。そして、苦手なものを食べられたらたくさん褒めてあげてください。その食卓の雰囲気こそが、きっと子どもたちを前向きで明るい子に育ててくれるのだと思います。実は偏食改善のヒントは、思いがけないところに、まだまだたくさんあります。続きは次回にしたいと思います。まずは、「諦めない、叱らない」ことから意識してみてください。
(2020年4月18日付紙面より)
再開2年目の商業捕鯨 (太地町 )
太地町漁業協同組合(脊古輝人組合長)の捕鯨船「第七勝丸」(32㌧、乗組員5人)が3日夜、再開され2年目となる商業捕鯨を行うため東北沖などを目指し太地漁港を出港した。駆け付けた家族らが漁の安全を願い船を見送った。
昨年7月に31年ぶりの再開となった商業捕鯨。同船は漁が好調だったため、昨年10月に当初の見込みより早く帰港している。
太地漁協によると、宮城県や千葉県の捕鯨船と協力し、5日から宮城県沖でミンククジラ漁を開始する予定。続いて青森県八戸沖でもミンククジラを、千葉県房総半島沖で国際捕鯨委員会(IWC)規制対象外のツチクジラを捕り、北海道網走沖で再びミンククジラを対象に操業を行う。漁期は11月までとなるが、水産庁が定めるミンククジラの漁獲枠100頭に達し次第、漁が終わる。一時的に太地沖に戻り、5、6月ごろにかけてマゴンドウとツチクジラを捕る予定だという。
同漁協の〆谷(しめたに)和豊業務部長(53)は「大きいクジラが捕れて水揚げできればうれしい。安全第一に操業していただければ」。
竹内隆士船長(41)は「今年は最初から商業捕鯨としての操業になる。今回は天候の関係もあり、安全な操業のため、夜の出航となった」と説明。
「しっかりと漁獲枠を取り終えて、今後の枠の増加につなげていけるように頑張りたい」と抱負を述べた。
(2020年4月5日付紙面より)
飲食業界も悲鳴
新型コロナウイルスの全国的な感染拡大を受け、当地方においても不要不急な外出を自粛する人が増え、客足が遠のいた飲食店が大きな打撃を受けている。そんなさなか、会員制交流サイト(SNS)などで「○○店でコロナ感染者が食事をしていた」「○○で感染者が出た」「感染者が○○に立ち寄った」などといったうわさやデマが流布。業界は悲鳴を上げている。
新宮市内の飲食店経営者は「SNSではあり得ないようなうわさが拡散されており驚いている。営業していることがデマである何よりの証拠なのに」と困惑した表情。「当店だけの問題ではない」と憤りを見せる。
新宮市料理飲食業組合(平見一雄組合長)も現状を問題視。「われわれもコロナウイルスの影響を鑑み、『ご来店ください』とは言えない中で、より一層厳しい状況になっている」と現状を語る。
当地域でも営業を自粛する店舗や閉店、休業を選択した店舗、不安を抱えながらも営業を続ける店舗などさまざまだ。営業を続ける店舗では、普段以上に手洗いやアルコール除菌などを徹底し対策を取っていると強調。同組合は「それぞれに考えた上で下した結論。どの選択が正しいとかではない」と話す。
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先月、米紙「ワシントン・ポスト」に、和歌山県の新型コロナウイルス対策を絶賛する記事が掲載された。県は政府の反応を待たずに知事の強力なリーダーシップの下で迅速な検査と感染ルートの追跡を徹底した結果、封じ込めに成功したとたたえている。
「和歌山モデル」と呼ばれるそれは、迅速な判断と行動によってウイルスの流行を抑制し、感染の連鎖を絶つことができるといった教訓をもたらした。
2月の半ば、湯浅町の病院に勤める男性医師が陽性であることが判明。その後同病院において医師と患者3人に感染の疑いが持たれた。
当時、国は医療機関を受診する目安として「中国・湖北省への渡航歴」や「37・5度以上の発熱が4日以上続く人」に限定。県は基準に当てはまらない人に対しても検査を実施。約3週間後、仁坂吉伸知事は安全宣言を出し、ウイルスの封じ込めに成功した。
現在においても県では、ホームページ(https://www.pref.wakayama.lg.jp/index.html)上で発生状況や情報の更新を続けている。
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新型コロナウイルスという見えない敵との戦いが長期化する中で、不安やストレスを抱える人は少なくない。しかし、出どころ不明なうわさを流布することは、飲食店のみならず商店を廃業に追い込むことも起こり得るという想像力が必要だ。また、不安感から帰国者・接触者相談センターに不要な問い合わせをすることは、本来検査や治療を受けるべき人が手遅れになってしまう危険性もある。県ホームページで状況を確認し、冷静な判断をする必要があるだろう。
幸いにもまだ感染者が出ていない当地域において必要なのは、うわさの流布や真偽を検証することではなく、せきエチケットや手洗い・うがいの徹底を、私たち一人一人が心掛けることではないだろうか。
(2020年4月5日付紙面より)
公式HPをリニューアル (南紀熊野ジオパーク )
南紀熊野ジオパーク推進協議会が3月31日、リニューアルした同パーク公式ホームページ(HP)の運用を始めた。
同協議会は、2014年4月17日に旧HPを開設。以来約6年が経過し、昨今のインバウンド(訪日外国人観光客)の傾向も考慮に入れて、多くの観光客がいっそう快適に利用できる形を目指して内容を再構築したという。
ページデザインを一新し、旧来の日本語、英語に中国語(簡体字)版を新たに追加。地域別一覧で紹介しているジオサイトをフリーワードでも検索できる機能を取り入れ、ジオパークガイド申し込みについて旧来の申込用紙をダウンロードして使用する形に加えて申し込みフォームも利用できるようにしたのが、今回のリニューアルの主なポイントだという。
同ガイドが推奨するコース紹介を随時していたが、その内容をモデルコースとして紹介する要素も導入。旧来と同一アドレス(https://nankikumanogeo.jp)でリニューアル後のHP運用を始めていて、同協議会事務局は「ぜひご覧ください」と呼び掛けている。
今回のリニューアルは、パソコン版とスマートフォン版の両方を対象としている。
(2020年4月5日付紙面より)
新宮市
新宮市の丹鶴城公園(新宮城跡)のサクラが開花。3日現在で七分咲きとなっている=写真①。公園にはソメイヨシノ122、シダレザクラ21、ボタンザクラ5、ヤマザクラ5、カンヒザクラ3の計156本のサクラが植栽されている。
同所は例年大勢の花見客でにぎわうが、今年は新型コロナウイルス感染症予防の観点から、恒例の夜桜ライトアップは中止。市は、日中のサクラ観賞は可能だが、公園内での飲食を控えるとともにせきエチケットの徹底などを呼び掛けている。
文化複合施設建設が進む丹鶴小学校跡地のサクラも開花=写真②。現在八分咲きといったところだ。同所のサクラは建設工事に伴い撤去の案もあったが、地域住民の要望に応える形で保存されるようになったもの。春を待つ通行人やドライバーらの目を楽しませている。
(2020年4月5日付紙面より)
官公庁で辞令交付式
官公庁で1日、辞令交付式があり、新年度がスタートした。熊野地方の各自治体の首長たちは、昇任した幹部職員や新規採用職員らを前に「地域活性化のために一丸となって職務に」などと奮起を促した。
新宮市では、田岡実千年市長が課長以上の管理職員、医療職、新規採用職員などと分けて人事発令通知書を一人一人に手渡した。幹部職員には「極めて厳しい時期ではありますが、全ての職員が一致団結し、課題に向き合いまちづくりを推進していかなければならない。そのためには皆さんのリーダーシップが何より重要」と訓示。
新規採用職員には「現場はあなた方の斬新な発想と、活気に満ちあふれた熱意を心待ちにしている」と激励し「大きな志を存分に発揮し、新宮市を元気なまちにしていきましょう」と呼び掛けた。
新規採用職員を代表して宣誓書を読み上げたのは、就職氷河期世代の新規採用者である金澤愛さん(42)。昨年、同市は県内の市では初の取り組みとして、就職氷河期世代を対象に職員を追加募集していた。
金澤さんは地元新聞社員を経て、市臨時職員や社協、市嘱託職員として勤務。職員試験に合格し、このたび正職員として採用となった。「嘱託職員の時に引き続き税務課での勤務になるが、正職員としてより踏み込んだ仕事ができれば」と意気込みを見せ、「市民の皆さんに分かりやすく、親しみの持てる税務行政を」と新年度の誓いを新たにした。
(2020年4月2日付紙面より)
生徒にイースターを紹介 (ECC古座・串本教室 )
ECCの古座教室(北本淑鈴指導員)と串本教室(名田真佐美指導員)が3月29日、串本町古座にある消防団拠点施設でイベント「イースターパーティー」を開いてネーティブとのコミュニケーションや慣習「イースター(イエス・キリストの復活祭)」に親しむ機会を生徒に提供した。
このイベントは、培った英会話を生かして英語圏の文化に触れ感性を高めることが狙い。両教室が連携するのは2007年のイベント「ハロウィンパーティー」以来で、内容を準備する中でECCの県スピーチコンテスト審査員を務めるニュージーランド人、マシュー・ビッグスさん(通称・マット先生)をゲストに迎えることになったという。
ビッグスさんは約16年にわたって県内に定住し、幼児教育を本業として生活している。両教室はネーティブと交流できる貴重な機会だが、昨今の新型コロナウイルス感染拡大抑止の観点で大人数を集められないことも考慮。普段は認めている一般参加を今回に限り見合わせ、ビッグスさんの得手を踏まえて教室生徒の乳幼児~児童のみに呼び掛ける制限をしつつ参加を呼び掛けた。
当日は乳幼児~児童9人とその保護者5人が参加。窓を開けて換気を保ちながら開会し、ビッグスさんは自己紹介を経て色をテーマにした紙芝居やミニゲームで子どもと交流。その後に慣習「イースター」を紹介し、イースターエッグのイラストを着色して貼ったカードを作る形で文化の一端を体験するなどした。
名田指導員は「日本ではクリスマス(イエス・キリストの生誕祭)がよく知られているが、イースターはまだまだ知られていない。対の文化としてこの機会に関心を持ってくれれば」と参加者の今後を期待。北本指導員は「マット先生の力で幼い子どもさんにも英語の楽しさがしっかりと伝えられれば」と願って参加者とビッグスさんのコミュニケーションの後押しに努めていた。
(2020年4月2日付紙面より)
東正寺で子ども坐禅会 (紀宝町鵜殿 )
紀宝町鵜殿の醫王山(いおうさん)東正寺(とうしょうじ、片野晴友住職)で、春休み恒例の「子ども坐禅(ざぜん)会」が開かれている。
春休み中の子どもたちに規律正しい生活を送ってもらおうと39年前から毎年行われている。新年度が始まった1日には学年が一つ上がった小学生4人、中学生1人が参加した。
雨の中、午前7時から始まり、ラジオ体操で体をほぐした後、坐禅堂に入堂した。合掌、互いに礼をしてから壁に向かって座り、約20分の坐禅を行った。
坐禅後は本堂でお経をあげた。片野住職は「信仰を基盤とした青少年の健全育成を願って、毎年、春休み期間中に行っています。今年は新型コロナウイルスの影響で休校措置が取られている。子どもたちの生活リズムが狂わないよう、早寝早起きを心掛けてほしい」と話していた。
保育所年長児から通い、本年度から中学生になる榎本健志君(12)は「中学校では勉強と部活を頑張りたい」と笑顔を見せていた。
子ども坐禅会は坐禅堂や本堂の換気、アルコール消毒など新型コロナ感染防止対策を取りながら5日(日)まで行われる。午前7時から8時までで、対象は小中学生。会費は無料。
(2020年4月2日付紙面より)
利便性を考慮し運用開始 (那智勝浦町 )
那智勝浦町のJR那智駅前やその周辺にあった3カ所のバス停留所(以降、バス停)が1日、「道の駅なち」に統合され運用が開始となった。地域住民や外国人観光客の利便性・安全性の向上を目的に整備したもので、民間と町営バスの円滑な利用が期待される。
これまで那智駅舎前に熊野御坊南海バス那智山線と町営バス色川線・太田線が、国道42号を挟んで熊野御坊南海バス新勝線のバス停があった。国道は車両の通行も多く危険であることや、外国人観光客からバス停の利用が分かりにくいなどの意見があったという。
各公共交通機関や国土交通省、和歌山県などで構成される「熊野外国人観光客交通対策推進協議会」の作成したガイドに従い、町はバス停を「道の駅なち」への1本化を検討。そのためには道の駅の駐車場を区画整備する必要があるため、町は県観光交流課と共に管轄元となる国へ要望活動を行い今日に至った。
同町観光企画課は「バスや列車の交通拠点となる那智駅の整備を行った。民間や町営のバスを地元や観光客の方々に、より一層利用していただけたら幸いです」と話している。
(2020年4月2日付紙面より)