近畿大学と包括連携協定締結 (新宮市 )
新宮市はこのたび、人的・知的資源の交流と活用推進を目的に、学校法人近畿大学(大阪府東大阪市)と包括連携協定を結んだ。16日、新型コロナウイルス感染状況を鑑みオンラインを通して行われた締結式には同大学の世耕弘成理事長と田岡実千年市長が出席した。取り組みの第1段として、医師不足となっている市立医療センターに同大学病院からの産婦人科医師派遣を予定しているという。
同市は大学創設者・世耕弘一氏(1893~1965年、市名誉市民)の生誕地。同大学附属新宮高等学校・中学校や水産研究所新宮実験場が所在するなど、ゆかり深いつながりがある。そういった関係性から両者はこれまでも地域活動や人材育成など、産官学の連携によってさまざまな取り組みを行ってきた。
両者の連携をさらに拡大・深化させるこのたびの協定締結。今後、①医療・健康・福祉・スポーツ・育児②防災・減災③教育および人材育成④まちづくり⑤生涯学習⑥学術研究⑦国際交流⑧施設の利用―に関することや⑨その他前条の目的に沿い、両者が必要と認める事項を展開し地域振興に取り組んでいく。同大学はまずは先行して①~④の4分野において市の支援を行っていくという。
締結に当たり、田岡市長は「市が抱える地域課題についてあらゆる分野から解決に向けたご支援とご協力を頂けることを大変喜ばしく、また心強く感じている」と世耕理事長と同大学の尽力に感謝。「今後、さらに連携を深める中で地域の皆さまが安心安全で心豊かで元気に暮らせるまちづくりにまい進していく」と誓い、さらなる協力を求めた。
世耕理事長は、産婦人科医の退職に伴い、分娩(ぶんべん)継続が困難となっている市立医療センターの実情について述べ「市長や市議会、また地域住民らから分娩の再開・継続を望む悲痛な要望を受けて検討を重ね、協力を決断した。医師派遣により分娩再開が可能となり、当面安定的に継続もできると考えている。医療だけではなく、縁の深い新宮市ともっと関係を深めるべきだと思った」と締結に至った経緯を説明。
同大学病院では県と連携し地域医療枠を設けていることや、医学生に対し地域医療のやりがいや地域の魅力を伝える取り組みも実践していること、他分野における取り組みに対する展望などを語り「新宮市と近畿大学には大きなポテンシャルがあると思っている。これを機に関係性を深化させていきたい」とあいさつした。
同大学病院は非常勤医師を定期的に派遣する他、現在同大学病院に勤務している産婦人科医師1人が退職し、市立医療センターの常勤医として勤務する予定。
(2022年2月18日付紙面より)
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3回目ワクチン接種で (那智勝浦町 )
新型コロナウイルスのワクチン集団接種が進む那智勝浦町の体育文化会館で16日、堀順一郎町長が3回目の接種を行ったた。ワクチンはモデルナ製で、種類問わず安心して接種が受けられることをPRした。
先月24日から65歳以上の一般高齢者の3回目接種が始まり、この日で9日目。町によると、接種率は14日現在、18・5%で接種は順調に進んでいるとし、目立った副反応などの報告もないとしている。また、町民からは少量だが、ファイザー製のワクチンを望む声もあったという。
昨年7月に1回目、8月に2回目の接種を行い、どちらもファイザー製のワクチンを接種している堀町長。
3回目接種を終えて「モデルナ製に不安のある方も多いので、皆さまに安心いただくためにも、今回モデルナ製での接種を行った。ファイザー製を2回接種後にモデルナ製を接種すると抗体が上がるとも聞いている。空きもあるため、接種できる方は申し込んで打っていただけたら」と述べた。
町では供給量の関係で日時によってワクチンの種類が異なるため、スマートフォンやパソコンなどでそれらが選択できるウェブ予約も勧めている。
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榎本直子福祉課長によると、前倒しの接種を行っていくことから、2回目接種が遅れた対象者などを除けば、全体的には4月半ばに3回目の接種を終えることになるという。
また、12歳以下の子どもの1回目接種については「現段階では検討中だが、3月下旬の接種を予定している」と話していた。
(2022年2月18日付紙面より)
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熊野地方でも積雪
今シーズン最も強い寒気が流れ込んだ17日、全国各地で積雪があり、温暖で知られる熊野地方でも未明から雪が降った。
那智勝浦町の熊野那智大社では境内が白銀の世界に様変わりした。
紀宝町の山間部でも朝には雪が積もり、朝日を浴びる雪だるまもお目見えした。
和歌山地方気象台によると、17日朝の最低気温は古座川町西川で氷点下2・8度、串本町潮岬で0・7度、新宮市で1度などだった。
(2022年2月18日付紙面より)
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農林水産省の「つなぐ棚田遺産」 (那智勝浦町 )
農林水産省はこのほど、優良な棚田を認定する「つなぐ棚田遺産~ふるさとの誇りを未来へ~」を実施し、全国から271地区の棚田が選ばれた。和歌山県内で8地区が選定され、那智勝浦町の「色川の棚田群」もその中に名を連ねた。
「つなぐ棚田遺産」は、棚田地域の振興に関する取り組みを積極的に評価するとともに、国民に棚田地域の活性化や棚田の多面的な機能への理解と協力を呼び掛けることが目的。過去には日本の棚田百選も実施された。
選定基準は▽積極的な維持・保前の取り組みがなされ、今後も継続される見込みがある▽原則として、勾配が20分の1以上の一団の棚田が1㌶以上ある▽棚田を含む地域の振興に係る取り組みに、多様な主体・多世代が参加している―ことが必須要件。さらに「農産物の供給の促進」「国土の保全、水源の涵養(かんよう)」「自然環境の保全」「良好な景観形成」「伝統文化の継承」「棚田を核とした地域の振興」のいずれかに関する取り組みが優れた棚田。
14日に開催した外部有識者から構成する「つなぐ棚田遺産選定委員会」において、選定された。
県内では「色川の棚田群」以外に、紀美野町中田の「中田の棚田」、橋本市柱本の「芋谷の棚田」、有田川町清水の「上湯・あらぎ島」、同町沼の「沼の棚田・段々畑」、同町久野原の「久野原の棚田」、同町沼谷の「沼谷『天空の棚田』」、同町杉野原の「杉野原の棚田」が選ばれた。
認定証授与式は各市町でオンラインにより開催される。また、東京都にある和歌山県のアンテナショップ「わかやま紀州館」では3月末まで「つなぐ棚田遺産」を紹介する特設コーナーが設置され、色川の棚田米など棚田地域の特産品を販売している。
なお、令和5年秋ごろには那智勝浦町で全国棚田(千枚田)サミットが開催される。
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■「色川の棚田群」
「色川の棚田群」は色川棚田地域振興協議会が保全を行っており、同地域では40年以上前から移住に力を注いでいる。多様な人材を受け入れ、地域が一体となって棚田の復田や維持管理に努めてきたという。
棚田地域振興法を活用して同協議会を組織し、色川地域内6カ所の棚田が連携・協力して、保全・活用に取り組んでいる。さらには若い人材が地域で活躍し、棚田オーナー制、農業体験などの都市農村交流、ウェブの活用や農泊なども実施している。
(2022年2月18日付紙面より)
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3高校で読書のススメ講座 (新宮・東牟婁 )
帝京大学の学生ボランティアグループ「共読サポーターズ」による「本って面白い!読書のススメ講座」が2日、オンラインで開かれた。新宮・東牟婁地域の県立新宮高校、新翔高校、串本古座高校の図書委員ら12人が参加し、本を読み合い、薦め合い、評し合う「共読」の楽しさに触れた。
和歌山県教育委員会による「読書を楽しむ習慣づくり事業」と、県立高校で図書委員を務める生徒たちによる「生徒図書充実委員会」の交流行事を兼ねて開催した。
「共読」とは、読書で得た情報を共有・交換し合うことで、その価値と効果を相互に高める発展的循環型の読書を指す造語。共読サポーターズは、同大学の読書推進プロジェクト「共読ライブラリー」の一環として2012年から公募で組織され、本と読書の魅力を伝える活動を展開している。
共読サポーターズからは大学3、4年生の5人が出席。月例の活動である企画展示づくりやビブリオバトル、ブックレビュー執筆のやりがいを語り、一人一人が活動を通じて出会った本「ヒーローズ㈱」や「最後は会ってさよならをしよう」などの魅力を紹介した。
大学生の悩みに著名人が本を紹介する形で答える企画「S―MONDO」にも触れ、実際に参加した高校生の悩みに大学生が回答。「自分に自信を付けるには、どうしたらいい?」という問いには「私に、魔法をかけてDisney Princess Rule」を薦め、「自分が思う理想の人に一歩ずつ近づく行動を取ることが大事。ディズニープリンセスの映画の中の行動に、理想の人に近づくエッセンスが詰まっている」と答えた。
新宮高校の谷口日和さん(1年)は「大学生の話を実際に聞けるのは、とても貴重な経験だった。今まで名前は知っていたけれど読んでいなかった『西の魔女が死んだ』を読んでみようと思う。小説が好きで、友達にも本の魅力を伝えたいと思った」と話していた。
(2022年2月4日付紙面より)
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サクセムがパンとマスク寄贈 (太地町 )
和歌山県紀の川市に工場を置く菓子製造会社のサクセム株式会社(中里輝茂代表取締役社長、本社=大阪府熊取町)は1日、太地町役場に備蓄保存パン「ライフブレッド」(形状規格外品)300本とマスク1800枚を寄贈した。三軒一高町長は「アルファ米など、毎日同じ非常食を食べるのも難しい。試食したが、味も好評だった。高齢者の方にも喜んでいただけると思う。町の備蓄に加えたいと考えている。本当にありがたい」と感謝を述べた。
2008年に大阪府堺市で青果販売業として創業された同社は14年から洋菓子の製造を開始した。世界中の飢餓に苦しんでいる子どもたちに無償で配布し、救済することを目標に10年の歳月をかけて備蓄保存パン「ライフブレッド」を開発した。その実現を目指して、国連や非政府組織(NGO)との交渉などにも日々、奮闘しているという。
さらに同社は国産カットネギ市場を構築すべく、16年に自社農場で青ネギの栽培を開始。雇用創出も視野に入れ、和歌山県全域で地元農家、JAなどの協力の下、青ネギの委託栽培とカット用青ネギの出荷も行っている。
ライフブレッドはバリアー性の高いアルミ包材を使用し、微生物や水分活性を徹底して管理することで、常温で5年6カ月の保存期間を保証している。
昨年は新宮市に、今年1月に紀の川市と北山村にも寄贈を行っている。この日は中里社長をはじめ、和﨑優子取締役と須﨑重博取締役も同行した。
中里社長は「弊社のパンがどのようなものかを知っていただきたい。機会があれば、大量に配布したいので、各地域でも役立てていただければ」と語った。
町担当職員は「数を見ながら、各避難所などに振り分けたい。太地町は台風の影響を受けやすいため、避難所を頻繁に開設する。その際に皆さまに提供したい」と話していた。
(2022年2月4日付紙面より)
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東仙寺で節分星祭 (新宮市 )
新宮市新宮の丹鶴山東仙寺(鶴田隆寛住職)で3日、「節分星祭」が営まれた。厄年の男女が訪れる中、鶴田住職がご本尊・弘法大師の前で護摩供養を行い、信者たちの身体健康や家内安全などを祈った。
同寺は「東海白寿三十三観音霊場」の一番札所。星祭は、人がそれぞれ生まれた年によって持っている「本命星」の巡りが悪い人たちの災いが少しでも和らぐようにと祈る祭りで「星供養」とも呼ばれている。午後5時からは地域住民らが境内に掘られた穴で正月のしめ縄や松飾りなどを焼く「どんど焼き」が行われる。
参列した60代女性=同市蜂伏=は「毎年、足を運んでいます。健康と商売繁盛、当地方でも発生している新型コロナウイルスの一日も早い収束を願いました」。
鶴田住職は「感染対策には日常生活はもちろん、心の中にしっかりとした思いを持つのも大切な予防。どうすれば感染拡大を抑えることができるのか、まずは一人一人、自らの行動を律することから始めるのが重要だと思います」と話していた。
(2022年2月4日付紙面より)
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町内7カ所に救援金箱設置 (古座川町 )
古座川町が1日、役場本庁など町内7カ所でトンガ国海底火山噴火災害救援金の受け付けを始めた。期間は3月15日(火)までで、今月2日に防災行政無線などで町内周知を図り協力を求めている。
この災害は、日本時間の先月15日午後1時すぎにあったトンガ沖の海底火山「フンガトンガ・フンガハアパイ火山」の大規模噴火に伴い発災。翌16日午前0時15分、太平洋沿岸に津波警報などが発令されたことで遠く離れた日本でも広く知られるところとなった。
同町にとって被災したトンガ王国は出身者の縁がある国。歴代の農政大臣に名を連ねるシヨタメ・ツトム・ナカオ(中尾勉)さんの父・中尾重平さんは大柳の出身で、船大工としてオーストラリアへ移民後、トンガへと渡り事業家として大成した。生涯望郷の念を抱くも帰郷はかなわず他界。亡き父の思いを継いでツトムさんが1973年11月22日、白浜町で公演をしていた母国の舞踊団を引き連れて来町し、大柳に眠る先祖代々を墓参した後に明神小運動場で町主催の歓迎式へ出席し返礼として舞踊団によるトンガ舞踊を披露して町民約300人が見届けた。
当時児童だった町民は今還暦前後の年齢。今も多くの町民の記憶に残るところで、そのいきさつは国際交流事例の一つとして父・重平さんの生涯と共に町史に刻まれるところともなっている。そのような接点がある国の窮状を受け、町は住民生活課を軸にし町民からの救援金受け付けに動いている。
投票箱を汎用(はんよう)した救援金箱を▽役場本庁▽中央公民館▽保健福祉センター▽役場七川出張所▽役場三尾川(みとがわ)出張所▽役場小川出張所▽七川診療所―に据え、開庁・開館中に随時寄せてもらえればとしている。問い合わせは町住民生活課(電話0735・72・0180)まで。
(2022年2月4日付紙面より)
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