那智の滝で大しめ縄張り替え (那智勝浦町 )
那智勝浦町の熊野那智大社(男成洋三宮司)で27日、世界遺産である那智の滝で恒例の大しめ縄の張り替えがあった。日本一の落差133㍍の滝口で神職たち5人が足元に注意を払いながら慎重に新しいしめ縄に取り換えた。
那智の滝は同大社の別宮・飛瀧(ひろう)神社のご神体。張り替え作業は7月14日の例大祭「那智の扇祭り(火祭)」の前と年末の毎年2回行われている。
しめ縄はサラシ製で長さ約26㍍、重さ約4㌔。大社本殿で安全祈願を行い、白装束に烏帽子(えぼし)姿の神職らが表参道約2㌔の道のりを運んだ。滝の流れに足をつけた神職らは声をかけ合いながら無事にしめ縄を設置した。
年2回の張り替えの様子を見物できたことを喜び、写真撮影を行う参拝客らの姿も見られた。
男成宮司は「今日はすす払いを行い、しめ縄の張り替えも済み、新年を迎える準備が整った。今年はコロナ禍に加え、ロシアによるウクライナ侵攻もあり、厳しい社会情勢だった。来年こそはコロナ終息や紛争の終結する年になれば。すがすがしい一年になることを祈っています」と語った。
同大社では新型コロナウイルス対策に取り組み、年末年始の参拝客を迎えるとしている。
なお、那智の滝は大みそかから元旦にかけて青岸渡寺の三重塔とともにライトアップされる。
(2022年12月28日付紙面より)
串本町田原
串本町田原の荒船海岸では冬の風物詩、海霧が発生している=写真(20日撮影)。
霧は12月に入って、続く寒さでほぼ連日のように出ている。この日の串本の日の出は午前6時56分ごろだったが、水平線に雲があり、すこし遅れて顔を出した朝日に照らされて黄金色の海霧が浮かび上がった。
海霧は海面から発生する湿気を含んだ水蒸気が低温によって冷やされて蒸気霧となる現象で、気嵐(けあらし)といわれる。
シーズンはこれから本番を迎え、1月末ぐらいまで続く。
(2022年12月28日付紙面より)
来年2月末ごろのロケット「カイロス」初号機打ち上げを目指すスペースワン株式会社=東京都港区=がこのほど、準備の大詰めを迎えている射場「スペースポート紀伊」を報道公開した。同社は、事業の背景と概要を説明し総合指令棟と射点一帯の外観を紹介した。
射点には「カイロス」より一回り大きい高さ約20㍍の移動式射点組立足場があり、隣接するロケット整備棟からパーツを運び込んで射点上に組み上げる。打ち上げ時に立ち入り禁止となる「カイロス」の半径1㌔圏外となる場所に管制室があり、遠隔操作で「カイロス」を打ち上げて人工衛星を軌道投入するまでを一括監視する。
「カイロス」のロケットシステムは宇宙へ到達するための1段目と第一宇宙速度(地球の引力と人工衛星の遠心力がつりあい地球に落下しない最低速度、秒速約8㌔)までの加速を担う2、3段目からなり、さらに軌道修正用液体エンジン(スラスター)を駆使し適切に軌道投入をする。とりわけ多くのニーズが見込まれる高度500㌔の太陽同期軌道(打ち上げる方向は南方)に投入する場合、「カイロス」は150㌔の打ち上げ能力を発揮する。
これら技術の集大成により同社が目指す事業コンセプトは▽信頼性▽即応性(契約から1年、衛星受領から4日で打ち上げ)▽柔軟性▽低コスト―の4本柱。他の射点の手法を参考にし、遅くとも打ち上げの1カ月半前までにその日時を公表し、直前の気象条件などを見て日時を調整する形を取るという。
2020年代半ばには年間20回の打ち上げ頻度を目指していて、その光景と音響が日常となる射場周辺地域に向け同社の川井孝之部長は「初号機を成功し、そして定期的に打ち上げられるようになること、できることで地域の皆さんと一緒に頑張っていくことが貢献になると思っている。宇宙産業が拡大する中、宇宙へ出ていくためにはその手段が必要。われわれのロケットにより世界中の宇宙産業が多くなり、また入りやすくするような貢献もしていければ」と語った。
(2022年12月28日付紙面より)
市内小学生から120点の力作 (新宮市 )
新宮市野田の市福祉センターで20日、令和4年度赤い羽根絵はがきコンクール審査会があった。市共同募金委員会長の田岡実千年市長と社会福祉法人和歌山県共同募金会の髙瀨一郎常務理事、市社会福祉協議会の濵前泰弘会長らが審査員を務め、市内小学校の児童から寄せられた作品を審査。県共同募金会会長賞などに8作品を選んだ。
誰もが住み慣れた地域で安心して暮らすことができるよう、さまざまな地域福祉の課題解決に取り組む民間団体を応援する「じぶんの町を良くするしくみ」としての取り組みが展開されている「赤い羽根共同募金」。
10月からの運動期間に合わせ、市では市内の子どもたちに街頭募金への協力を呼びかけ運動を展開しているが、昨今の新型コロナウイルス感染状況を鑑み、募金活動は縮小傾向に。コンクールは「活動が制限される中でも子どもたちに広く運動および活動の趣旨を伝えることができれば」との思いから、市共同募金委員会の主催で昨年初めて開催。市社協職員らが市内各小学校で「赤い羽根共同募金」の授業を実施しつつ、児童らにコンクール参加への呼びかけを行っていた。
2回目となる今回は、市内5小学校から120点の作品が寄せられた。審査会では最終審査に残った83枚から田岡市長らが▽県共同募金会会長賞(1点)▽市共同募金委員会会長賞(同)▽市社会福祉協議会賞(同)▽審査員特別賞(5点)―を選定。「絵だけではなく優しい言葉が入っている」「言葉も良く、絵も遠近感もある」「福祉の精神をよく理解していると思う」などと講評した。
審査を終え、髙瀨常務理事は、福祉への意識高揚を図る市と市社協の取り組みに感謝。田岡市長は「力作が多く、選ぶのに苦労した」と話していた。
応募作品は1月10日(予定)からの約1カ月間、市福祉センターで展示予定。入賞作品は市社協広報紙「Assist(アシスト)」2月号に掲載する。なお、表彰式の開催は未定となっている。
(2022年12月28日付紙面より)
新宮弓友会納射会
新宮ロータリー杯ジュニアバド大会
ケンドリック旗争奪少年野球大会 (串本RC )
需要期に向け目慣らし会 (那智勝浦町 )
那智勝浦町苺(いちご)生産組合(桒野稔近〈くわの・としちか〉組合長)は、クリスマスや年末年始の需要期出荷に向け16日、同町南大居のJAみくまの太田営農センターで、和歌山県オリジナル品種のイチゴ「まりひめ」の目慣らし会を開いた。イチゴ生産農家や、みくまの農業協同組合らが参加し、イチゴの品質などについて意見を出し合った。
「まりひめ」は東牟婁地方を代表する特産品で、那智勝浦町の太田地区が主要産地。果実は大きめ、甘味が強く酸味もほどよい。
例年12月初旬から翌年の5月ごろにかけて出荷。公設市場を通して近隣のスーパーなどで販売される。昨年は4パック入り約1万6036ケースが出荷された。
目慣らし会はケース詰め基準の統一と等級の確認を目的に、イチゴの出荷が本格化し始める時季に開催している。
はじめに桒野組合長は「昨年は1週間早く目慣らし会を行ったが、今年は台風があったため定植が遅れ、出だしが遅い。寒波の影響も不安要素の一つ。年末にかけて忙しくなると思うので、皆さん頑張ってください」とあいさつし、感染症対策も呼びかけた。
その後、生産農家や職員らが真剣な表情で、同センターに集まった146ケースのイチゴを確認し合った。
桒野組合長は「寒い時期のイチゴは甘い。ぜひ、おいしい『まりひめ』を味わっていただけたら」と語った。
同組合は1971(昭和46)年に結成され、昨年設立50年を迎えた。現在、生産農家は10世帯約20人おり、今年も新規就農者が増えたという。
(2022年12月18日付紙面より)
クリスマスを前に、新宮市徐福のJR新宮駅前の広場で華やかなイルミネーションが点灯した。駅前の花壇を管理する美化里親ボランティア団体「はなはなきっさこ」(上廣正幸会長)が設置したもので、下校途中の高校生たちがベンチに並んで写真を撮るなど、にぎやかな雰囲気となっている。
市社会福祉協議会の「MACHI(まち)サポート募金」の助成金と新宮ロータリークラブ、JR新宮駅、新宮観光協会が寄付をして協力した。
設置期間は1月中旬まで。駅に到着する最終電車に合わせて午後5時~午前0時に点灯しており、同会は「毎年工夫しながら飾り付けをしており、クリスマスや年末年始に駅を利用する方々にも喜んでいただければ」としている。
「はなはなきっさこ」は現在、花壇の見守りや手入れの手伝いが可能な市内在住者を募集している。活動は週1回、1~2時間程度。向井美江副会長は「イルミネーションのときだけ学生さんにボランティアをお願いするなど、多くの方々の協力を得ながら活動を継続していく方法を考えている」と話していた。
(2022年12月18日付紙面より)
体文のイルミネーション (那智勝浦町 )
町内各種団体で構成する那智勝浦町イルミネーション実行委員会は16日、同町の体育文化会館で「第20回体育文化会館イルミネーション」の点灯を行った。各団体によって設置されたイルミネーションは、町の冬の夜を美しく彩っている。来年1月9日(月・祝)まで。点灯時間は午後5時~10時。今月24日(土)、25日(日)は午前0時まで。
例年は点灯式が開催され、出席した園児らが歌や演奏を披露して盛り上がる人気の催し。
おととし、昨年に引き続き今年も、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から点灯式は実施しなかった。点灯初日から見物や写真を撮影する家族連れなどの姿が見られた。
イルミネーションは▽勝浦手話サークル“ちゃお”▽那智勝浦町建設業組合▽勝浦金融協会▽南紀勝浦温泉旅館組合▽那智勝浦町職員互助会・職員組合―の5団体がそれぞれ、10日と13日に飾り付けた。
同町観光企画課の担当職員は関係団体の協力について「前向きな熱意を持って継続していただいている。本当にありがたい」。
来場者については「町では、体育文化会館を町民が集える場所にするために事業を進めており、イルミネーションもその趣旨にのっとった形となる。町内外の多くの皆さまにお楽しみいただければ幸いです」と話している。
(2022年12月18日付紙面より)
ゆうゆうクラブ女性部が音楽体操 (新宮市 )
新宮市ゆうゆうクラブ(老人クラブ連合会)女性部(石原千里部長)は16日、市役所別館で令和4年度健康づくり教室「予防のための楽しい音楽体操」を開催した。会員約90人が参加。講師の宇都宮惠美さんに教わりながら、音楽に合わせて体を動かした。
女性部が毎年実施している恒例の取り組み。夏ごろの開催を予定していたが、新型コロナウイルス感染拡大状況を鑑み、長らく延期となっていた。
この日は、感染予防のため1時間交代の2部制で実施。太地町を拠点にピアノやリトミック指導をしている宇都宮さんに講師を依頼した。音楽体操は簡単な手指体操で体の固まりをほぐすとともに、歌うことで脳の血行促進になり、感情の放出やストレス発散の効果も期待できるという。
宇都宮さんは「短い時間ですが皆さんと楽しいひとときを過ごせれば」とあいさつ。参加者らは「お嫁においで」「マイムマイム」「きよしのズンドコ節」などの楽曲に合わせながら、ボールを使った体操や歌唱を通した脳トレなどに挑戦。和気あいあいと体を温めていた。
参加者に「今日はストレスを発散するつもりで頑張って」と呼びかけた石原部長。「こんなときしか集まることができない。久しぶりの開催なので多くの人が参加してくれた。実施に当たっては副部長の河原良子さん、幹事の松尾由美子さん、田中ミチコさん、和田町子さんらが尽力してくれた。近況報告など、交流を深めるいい機会になったと思う」と話していた。
(2022年12月18日付紙面より)
新宮山彦ぐるーぷが秩父宮記念山岳賞
自然保護団体「新宮山彦ぐるーぷ」(沖﨑𠮷信代表・世話人)の「大峰南奥駈道(おくがけみち)の再興と山小屋建設並びにその維持管理活動」がこのほど、秩父宮記念山岳賞(日本山岳会主催)を受賞した。
山について造詣の深かった、故秩父宮ご夫妻の事跡を永く記念するため、山に関連する顕著な活動や業績に対して表彰し、登山活動の奨励と山岳関連諸文化の高揚に資することを目的に、1998年に創設された栄えある賞。
なお、日本山岳会は05年に創立。現在東京の本部を中心に33の支部があり、全国に約4800人の会員が在籍している。会員には天皇陛下も名を連ねている。
新型コロナウイルス感染症の影響で3年ぶりとなった本年度、同団体は74年の発足以来、38年間にわたり熊野古道奥駈道の再興や登山道の維持管理などを行い、また小屋の建設・保守・運営を行っていることなどが評価され受賞に至った。
現在、会員約40人。毎週15人ほどで活動を行う同団体は、120年間やぶに埋もれていた大峰奥駈道(約45㌔)の再興に着手し、約3年間をかけて第1次刈り開きを完了。その後も第2次、第3次刈り開きと並行し、行仙宿の新築や平治宿の建て替え、持経宿の大規模改修など4カ所9棟の小屋などを整備し、84年の千日刈峰行着手から32年間を要して大峰南奥駈道の環境整備を行い、熊野修験の復興にもつなげた。
初代代表の玉岡憲明さん(97)は88歳まで、約40年間にわたり大峰奥駈道の再興に尽力。約2200回に及ぶ活動の様子を記録しているという。
3日に東京都新宿区の京王プラザホテルで年次晩さん会が開催され、沖﨑代表(74)が表彰を受けた。晩さん会前には記念講演も行われ、沖﨑代表らが「千日刈峰行とその展開」を題目に講話した。なお、晩さん会には毎回天皇陛下も臨席されるが、今回は諸事情により欠席となった。
このたびの受賞を受け、沖﨑代表は「40年にもわたり道を開いてくれた玉岡さんら先輩方のおかげ。受賞を報告すると本当に良かった、と喜んでくれた。受賞を励みにして、今まで通り地道にコツコツと活動していけたら」と話していた。
なお、同団体は地域のために行う地道な地域貢献活動が認められ「第13回あしたのなら表彰」(奈良県主催)の受賞も決定している。
同団体では現在、会員を募集中。行事予定や参加・入会に関しては、フェイスブックもしくは同団体ホームページ(http://syamabiko.web.fc2.com/)で確認を。
(2022年12月8日付紙面より)
環境美化に防災加えた初の活動 (紀宝町 )
鮒田の環境を守る会(東口高士会長)は4日、紀宝町鮒田の相野谷川下流で流木を撤去した。環境美化に防災を加えた初の取り組みで、35人が2時間作業し、軽トラック15台分の流木を回収した。
全国的に流木の処理に苦慮する自治体が多い中、鮒田地区では、自分たちで流木を集め、防災用の資源にしようと計画。河川を管理する紀南河川国道事務所の許可を得て実施した。
下流域には9月の台風で流れ着いた流木がたまっており、弁慶橋から鮒田水門付近まで、人の手や重機で集めた。
大きな流木は高台の一時避難場所に運び、ライフラインが寸断されるなどの災害時に備え、まきにして備蓄した。小枝などは、鮒田地区自主防災会による防災散歩時の料理などの燃料に活用する。
同地区の防災活動に関わってきた大阪工業大学工学部都市デザイン工学科の田中耕司・特任教授は「流木を防災や地域の活動に活用する取り組みを初めて見た。これまで鮒田地区の活動を学会で発表しているが、備蓄農園の取り組みは国も驚いていた。高齢化が進み、こういった集まりは地区の情報もみんなで共有できる。楽しく防災に取り組んでいる」と話していた。
作業後、東口会長は「自分たちの地域をきれいにするためにも、ごみにされていた流木を生かそうと考えた。この取り組みが全国に広がれば」と語っていた。
(2022年12月8日付紙面より)
福祉センターで地震・火災避難訓練 (新宮市 )
新宮市野田の市福祉センターで6日、地震と火災を対象にした避難訓練が行われた。新宮消防署の宮平陽介消防士長と林勇成消防士が訪れ、市社会福祉協議会職員や中央児童館で遊んでいた子どもたちが、災害発生時の避難経路や行動などを確認した。
同センターでは毎年度、地震津波と火災の訓練を実施している。この日は県内全域での強い地震に伴い1階の給湯室からの出火を想定。訓練開始の放送が流れると、居合わせた人たちは身の安全を確保しながらセンター前の駐車場へと逃げた。
訓練を見守った宮平消防士長は避難時に重要な「押さない、走らない、しゃべらない、戻らない、近づかない」を略した「おはしもち」を伝え「火災が発生してから迅速かつ安全に逃げることができていてよかったです。これからも一連の行動を忘れないでください」と講評した。
後半には消火器の使用訓練も行われ、林消防士が諸注意や操作方法などを説明。職員たちは「火事だ!」と叫びながら訓練用消火器で順番に実践した。
同協議会の東雄大さんは「学生時代に訓練は経験しましたが、忘れていた部分もあり勉強になりました。実際の場面に遭遇した場合、冷静さを失う可能性が大きいため今後も継続して訓練に取り組んでいければ」と話していた。
(2022年12月8日付紙面より)
「臨場感シアター(仮称)」完工 (串本町 )
串本町西向にある旧役場古座分庁舎内で改修整備が進められてきた上映室「臨場感シアター(仮称)」が11月末に完工した。今月6日は町議会議員や報道機関対象の見学会を実施。町は建物全体の用途変更に伴う工事完了後(期日未定)に一般公開を始めるとしている。
この上映室は宇宙振興拠点化をコンセプトとする同庁舎リニューアルの一環で、旧議場を改修整備する形で設置。議員席や当局席を取り払い天井と側壁の色を黒系統に変更。縦約3㍍、横約12㍍のパノラミック大型カーブドスクリーンを据え、4Kプロジェクター3台による連携投影(マルチプロジェクション)で8K映像コンテンツの上映を実現する。計10基のスピーカー(うち2基はサブウーハー)を配置して5・1ch相当のサラウンド音響も確保。前方左右中を上下2列としサブウーハーを左右2基とする配置により、最良の状態で音を楽しめる空間を立体的かつ力強くする工夫が注がれている。
旧来のまま残している傍聴席は現状で使用の前提はしておらず、議員席や当局席があったフロア内の同空間内にベンチを並べて通常使用で27人(前列9人掛け×3列)が座って同時鑑賞できる状態としている。
この上映室は、主に宇宙への憧れや新しい時代の始まりを感じさせるシアターとして運用する想定。町企画課ロケット推進室によるとこの整備はロケット「カイロス」の打ち上げを至近かつ相応の画質で捉えた映像コンテンツの上映が最終的な着地点で、一般公開の実質的な開始はそのタイミングになると受け止めてもらえればと話している。
(2022年12月8日付紙面より)
新宮高3年・山際小麦さん
和歌山県立新宮高校(東啓史校長)の3年生の山際小麦(やまぎわ・こむぎ)さんがこのほど、「第12回大阪成蹊 全国アート&デザインコンペティション2022」の高校生の部で、4位に当たる大阪成蹊大学学長賞(金賞)を受賞した。作品は、B2(約51㌢×約73㌢)サイズのアクリル絵画「フルーツタルト」。受賞について山際さんは「びっくりした。お母さんと喜んだ」と話している。
同コンペティションは、中学高校生を対象に全国からアート・デザイン作品を公募し、毎年行っている。テーマは「ワタシノセカイ」で、自分の好きな世界観を自由に表現するものだった。中学生と高校生の部に分かれており、今年は高校生991点、中学生689点の応募があった。
山際さんは、時期もあり現在はすでに引退しているものの、以前は美術部に所属し、副部長も務めていた。「フルーツタルト」はもともと、9月の文化祭で出展した作品。文化祭を最後に引退だったため、それまでの集大成として臨んだものだった。同コンペティションのテーマの「ワタシノセカイ」が気に入り応募を決めたという。全国レベルでの受賞は初となる。
「フルーツタルト」に取りかかったのは、昨年の夏。下絵を描いた状態にとどめ、今年の夏に色塗りを開始、文化祭前の9月上旬にいったんの完成となった。「文化祭の直前の方が、技術が上がっていると思い、色塗りは止めておいた」という。
制作に当たり「それまで平面的な絵が多かったので、立体的に仕上げようと思った」と語る。「果物のみずみずしさを出すのが難しく、(美術部顧問の)先生や友人に見てもらい、アドバイスを受けた」とのことだった。同コンペティションの応募に当たり、少し加筆した。
受賞の知らせは、11月26日に封筒で届いた。28日には学校にも連絡があった。山際さんは「びっくりした。自信はなく、たぶん落ちると思っていた」とほほ笑む。
山際さんは、すでに美術関係の専門学校への進学が決まっている。「将来は、会社のデザインを担当するところに入りたい」と考えており、その方面の就職率が高いところを選んだとのこと。
美術部顧問の中畑久美教諭も「うれしい。他の部員の刺激にもなる。一生懸命やってきた作品が評価され、自分の成長にもつながるし、これからの制作にも生きるのでは」と喜んだ。
(2022年12月7日付紙面より)
児童が情報モラル学習 (三輪崎小 )
新宮市立三輪崎小学校(嶋田雅昭校長)は11月28日、和歌山県職員を講師に招き、「情報モラル講座」を開いた。6年生58人が受講、インターネットの危険性を知り、正しい活用法を学んだ。
和歌山県青少年・男女共同参画課健全育成支援班の操本隆紀さんが「インターネット・SNSのトラブルについて」をテーマに講話した。6年生は2組あり、組ごとで実施。1組は29人が受講した。
操本さんは、人気オンラインゲームのフォートナイトを1組の児童全員が知っていることを確認した上で、対象年齢は15歳以上であることを説明。同じく人気の動画投稿サイトの「ユーチューブ」も、本来は対象年齢が13歳以上であることを明かした。
「フォートナイトは小学生でトラブルが多い。人間関係で問題が起こっている。ユーチューブも、見ていたら変な動画に誘導されたりして危ない。みんなは対象年齢より低いのだから、気を付けないと」と注意喚起した。
LINE(ライン)などのコミュニケーションツールについても言及。褒め言葉のつもりで「まじめだね」「おとなしいね」などと伝えても、人によっては嫌がられることを語った。「このぬいぐるみ、かわいくない」を例文に、同意を求めているのに否定と勘違いされることがあることを指摘した。
オンラインゲームなどでの課金の問題も解説。紀北で小学5年生が、母の携帯電話で17万円を使った事例を紹介した。交流サイト(SNS)に写真を上げる場合の注意点も伝えた。裸の写真を送るなどの、性犯罪についても言及。「インターネットで何かあったら、家の人や先生に相談を」とまとめた。
(2022年12月7日付紙面より)
不思議科学実験ショー (南紀くろしお商工会 )
南紀くろしお商工会(森川起安会長)は4日、那智勝浦町の体育文化会館で「不思議科学実験ショー」を開催した。那智勝浦町と太地町から小中学生41人とその保護者が参加し、科学技術振興機構・サイエンスレンジャーの海老崎功さんから「翼竜が空を飛んだ原理」を学んだ。
体験型学習を通じて科学やものづくりに興味を持ってもらう取り組み。2年ぶりの開催で、通算19回目を迎えた。
森川会長は子どもたちに向け「私たち商工会は、皆さんのお父さん、お母さんの仕事をお手伝いし、イベント開催を通じて地域の福祉向上に向けた取り組みをしている。何事にも興味を持ち、楽しく勉強して」とあいさつ。
海老崎さんは最初に「翼竜やグライダーは、羽ばたかずエンジンやプロペラもないのにどうやって飛んでいるのか」と問題提起。子どもたちはプテラノドンの模型を飛ばし、翼の角度や首の重さを変えることで、長距離を滑空できるようになることを発見した。
山田暁士君(市野々小1)は「模型の頭に重りを追加したら、遠くまで飛ぶようになって楽しかった。自由な形の模型を作るときは、ロケットにギザギザの羽がついた形にしたけれど、結構飛んだと思う」と語った。
海老崎さんは「上昇気流があれば、模型はどこまでも飛べる」と話し「自然の生き物の形がいかに優れたものなのかという点にも気付いてもらえたら」と話していた。
(2022年12月7日付紙面より)
大型受け入れ実現なるか (新宮港 )
国土交通省はこのほど、新型コロナウイルス感染対応のガイドライン順守を条件として、停止していた国際クルーズ船の受け入れを再開すると発表した。新宮港でも2019年5月から途絶えており、港湾管理者である和歌山県、港湾所在地である新宮市ともに、再来に期待を寄せている。初の11万㌧級の可能性も再浮上することになる。
国際クルーズ船の日本への受け入れは、全国的には20年3月から停止していた。新宮港は19年5月以降も受け入れを予定していたが、悪天候で中止となり、そのままコロナ禍となったため、受け入れが停止した状態になっていた。
新宮港はその大きさや水深から、受け入れが可能なクルーズ船のサイズには限りがあった。船のサイズは乗船客数に比例するため、大型であるほど経済波及効果は高い。このため、港湾管理者である和歌山県が、大型クルーズ船の受け入れを可能とする改修工事を実施。海の底を掘って水深を増やし、岸壁から離れた場所に、船を係留するためのロープを架ける係船柱を設置する工事を施し、19年に終えていた。これにより、11万㌧級の受け入れを可能としていた。
実際に、20年にこれまでにない大型、7万㌧級の国際クルーズ客船の入港予定もあった。しかしコロナ禍が始まり、受け入れが停止、改修工事が役に立つこともないまま、今日に至っている。新宮港が受け入れたクルーズ客船の最大トン数は、改修工事前の18年4月に入港したコスタネオロマンチカの、5万6000㌧で止まっている。
港湾管理者である和歌山県は、国交省による国際クルーズ船の受け入れ再開の発表を受けて「ガイドライン順守はしっかり確認しながら、積極的に受け入れを行っていきたい」と意気込んでいる。新宮市の田岡実千年市長も「再開はうれしく思う。しっかりと客船誘致に取り組み、地域一体となっておもてなしをしたい」と話している。
なお、国内クルーズ客船の新宮港への入港は、コロナ禍に伴い19年11月でいったん途絶えたものの、20年11月に再開。本年度は全7回を予定している。
(2022年12月3日付紙面より)
拝殿に来年の大絵馬掲揚 (熊野速玉大社 )
新宮市の熊野速玉大社(上野顯宮司)で1日、一足早い迎春準備が始まった。拝殿の外に、来年のえと「癸卯(みずのとう)」の大絵馬が掲げられた。
大絵馬はヒノキ製で、縦1・5㍍、横2・1㍍。上野宮司がアクリル絵の具などを使用し、瑞光を背景に、金の御幣を立てた鏡餅に向かって梛の御幣を手に邪を払う父親ウサギ、それを見つめる母親ウサギ、そして無邪気に遊ぶ子ウサギを描いた。
「天の恵みに感謝し、頂いた命を一生懸命、謙虚に生きてほしい」との思いを込め、「天恵(てんけい)」「壽福(じゅふく)」の文字を揮毫(きごう)した。昨年に引き続き、参拝者が拝観しやすいようにと、拝殿の外に掲げられた。
大絵馬掲揚に続いて、JR新宮駅(坂本純一駅長)に対する絵馬(縦70㌢、横110㌢)が授与された。
大絵馬と同様、瑞光を背景にウサギの家族が鏡餅を囲む構図となっており「日本の祈り」の文字が添えられている。
絵馬を受け取った坂本駅長は「ウサギは跳躍のイメージ。皆さんが苦労し、努力を積み重ねたことが飛躍につながる年になれば。世界遺産の地・新宮市に多くの方に来ていただけることを願っています」と話していた。
なお、同駅では三山の絵馬がそろう今月中旬ごろに絵馬の掛け替えを行う予定としている。
(2022年12月3日付紙面より)
第3回学校づくり協議会 (串本町 )
串本町の学校づくり協議会(会長=長澤悟・東洋大学名誉教授、委員14人)が1日、役場本庁舎で3回目の会合に臨んだ。今回は実設計を担当する株式会社綜企画設計がこれまでの意見などを反映して詰めているゾーニング案を共有した上で意見を出し合い、防災機能や地域利用の面で検討を進めるなどした。
同協議会は、町が文部科学省「新しい時代の学びの環境整備先導的開発事業」の適用を受けて基本設計を策定するに当たり設置する新しい時代の統合小学校の在り方検討委員会の会下組織。同委員会は大枠を詰める同協議会と細部を詰める学校づくり分科会を設け、両成果を束ねて基本設計を構築する方向で作業を進めている。
統合校の設置先は町道サンゴ台中央線沿いのくしもとこども園新園舎そばで、校舎を木造平屋建てとする考えは変わらず。そのゾーニング案は協議会と分科会の意見を反映しながら詰めていて、同社は今回、直前と現在の2案を提示して進捗を示しつつ委員からさらに意見を求めた。
案に見える校舎構成は▽低学年棟▽中学年棟▽高学年棟▽教職員棟(学校地域連携室を含む)▽特別支援教室・通級指導教室・創作〈美術室、調理室〉棟▽ラーニング〈図書+音楽+多目的の各機能を一体化〉棟▽体育館〈広さ572平方㍍のアリーナなどを内包〉―で、中庭とラーニング棟を囲むように並べ渡り廊下で連絡して一体化する内容。その周囲に学童保育棟や運動場、駐車場を配置する形となっていて、委員は児童の動線などで質問や意見を注いだ。
以降、同協議会事務局がコンセプト「つながる学校」に基づき四つ掲げるテーマの一つ・レジリエントなまちづくりの概要と防災機能と地域利用の考え方を説明して検討を進めた。防災機能の検討はおおむね、統合校単体で考えるのではなくサンゴ台に複数ある防災拠点との関係性の中で学校としてできることが求められる役割と捉えるべきという方向に収束。地域の利用の検討では教職員に負荷をかけない管理体制の必要性やスポーツ少年団など利用する当事者にもヒアリングすべきとの意見などがあった。
次回の会合は来年1月中~下旬に実施予定で、最終の実施となる見込み。
(2022年12月3日付紙面より)
「光の祭典in紀宝」始まる (紀宝町 )
紀宝町の冬の夜空をイルミネーションで彩る「光の祭典in紀宝」が1日、同町大里のふるさと資料館で始まった。点灯期間は来年1月5日(木)までで、時間は午後6時から10時まで。12月31日(土)と1月1日(日・祝)はオールナイト点灯する。今月3日、4日(日)、10日(土)、11日(日)は午後6時30分から8時30分まで、シャボン玉を飛ばす。
今年は、光のアーチを二つに増やすなど、以前の規模に近づけた。初日はカウントダウンで一斉に点灯し、かわいいキャラクターのオブジェや20㍍ツリーなどが暗闇に浮かび上がると、来場者がきらびやかな光のショーを見入っていた。2人同時にスイッチを踏むとハートが点灯するイルミネーションでは、カップルや友達同士で楽しむ姿が見受けられた。
3年ぶりに小学生対象のイルミネーションデザインコンテストを再開し、金賞作品「くつしたにはまったサンタ」を会場に飾った。町内から200作品の応募があり、金賞を獲得した奥山颯介君(神内小6)は「クリスマスが近いのでサンタっぽくしたらかわいいと思ってデザインした。金賞と聞いてめっちゃうれしかった」と笑顔を見せた。
イルミネーションをバックに演奏や踊りを繰り広げる「キラフェス」は3年連続で中止となった。
(2022年12月3日付紙面より)