手話言語条例が制定 (新宮市 )
新宮市議会(屋敷満雄議長、15人)は3月定例会最終日の28日、「新宮市手話言語条例」を満場一致で可決した。東牟婁郡・新宮聴覚障害者協会の倉脇正史会長は「ここからがスタート。これからも活動をしていくためにご協力いただければ」と手話で伝えた。
「市手話言語条例」は、手話が言語であるとの認識に基づき、手話の理解と広がりをもって地域で支えあい、手話を使って安心して暮らすことができる地域社会を目指すもの。5年ほど前から、手話を言語として普及させるための条例制定の動きが全国的に広がっており、同協会は市役所新庁舎建設中に、聴覚障害者らに配慮するよう市に要望を出していた。以後、当局や関係者にも機運が盛り上がりこのたびの制定へとつながった。
上田勝之議員は、特筆されるのは「学校における理解の促進」の項目が明記されたことであるとし「子どもの時から手話を通じて、『聞こえない』という障害がどういうものか、そしてその人たちの生活がどういうものかを知り、学び、理解を深めることで、ろう・聴覚障害者の皆さんが社会生活を営む上で人権が守られる大きな一歩となる」と賛成討論。「手話は言語」であることを市民に知ってもらわなければならないと強く訴えた。
条例可決について、元会長の辻山尚美さんは「ようやく条例が決まり、とてもうれしい気持ちでいっぱい。市民の皆さんに手話を覚えたいという気持ちや知識を持っていただき、理解してもらえることを願っている」と述べ、「命に関わる場合もあるため、すぐに手話通訳士が呼べるような配慮をいただければ」と喜びの表情を浮かべた。
(2019年3月29日付紙面より)
救助ボートなど追加配備 (串本町消防本部 )
串本町消防本部(寺島正彦消防長)が27日、新たに導入した水難救助ボート積載車の本格運用を始めた。同ボートは県内初となる硬質ウレタン注入型で、寺島消防長は従来以上の機動力による迅速果敢な救助の展開を大いに期待している。
この車両は▽水難救助ボート(硬質ウレタン注入型)▽船外機(30馬力)▽小型クレーン付き積載車(4㌧トラック)―を一式とした内容で、導入費用は約1200万円。従来の同ボートの老朽化に伴う追加配備で、今後は新しい方をメイン、従来の方をサブとして運用するという。
新しい同ボートは、空気の代わりに硬質ウレタンを注入することでフロートに穴が開いたり破れたりしても沈まない特性を発揮。同時に船体の剛性も高まり、従来に比べ安全性と操縦性が向上しているという。その性能を生かすため従来の約3倍のパワーを発揮する船外機を採用し、時速約40㌔での航行を実現。同ボートと船外機を合わせた重量は270㌔あり、迅速な進水や離水を可能にするため、積載車は小型クレーン付きとしている。
この日は同町消防防災センターで配備式を行い、寺島消防長は「長い海岸線を管轄に持ち、ダイビングに磯釣り、海水浴などのマリンレジャーが盛ん。災害が起こったときに求められる消防需要は高く、私たちもそれに対応しなければならない。このような資機材を最大限に活用して消防救助技術の向上を図り、住民の安全安心につなげていきたい」と訓示し、一日も早い操船の習熟を期待した。
引き続き同町くじ野川にある橋杭漁港で取扱訓練を行い、しぶきを上げて旋回するなど従来よりも速度が出る同ボートの扱いの習熟に努めた。同ボートは主に串本消防署が運用する形になっていて、訓練に臨んだ職員は簡単には沈まない特性で暗礁や漂流するがれきへの注意が軽減される分、思い切った救助に臨みやすいなどの印象を語った。24時間体制での出動を実現するため三つ設けている警防班の全てが、この車両を取り扱える状況にあるという。
(2019年3月29日付紙面より)
JA三重南紀など合併
御浜町阿田和に本店を置くJA三重南紀は4月1日(月)、JA伊勢(度会町)、JA鳥羽志摩(志摩市阿児町)と合併し、伊勢農業協同組合(JA伊勢)としてスタートする。
農産物の輸入自由化、農畜産物価格の低迷、農業者の高齢化や後継者不足、耕作放棄地の増加、正組合員の減少などにより、今後、経営環境が一層厳しさを増すと予想されることから、安心して営農や生活ができるよう合併を決めた。合併後の組合員は県内で2番目に多い約4万9千人となる見込み。
JA伊勢を存続させ、JA鳥羽志摩とJA三重南紀は解散する。本店はJA伊勢に置く。伊勢市、鳥羽市、志摩市、尾鷲市、熊野市、御浜町、紀宝町など県の約37%にあたる広大なエリアが活動区域となる。ミカンやイチゴ、伊勢茶など全国市場でも人気の名産品が多く、JA三重南紀では「三重南紀みかん」をタイへ輸出している。
JA三重南紀は本店の名称が三重南紀地区本部に名称が変更となるが、各支店は変わらない。「合併後も地域農業の振興、組合員の営農活動を支援し、『三重南紀みかん』のブランド化、地産地消の推進など、継続的な取り組み、農業者の所得増大に努めます」としている。
合併に伴うシステム移行作業のため、3月30日(土)と31日(日)はJA三重南紀管内のATMが終日休止となる。問い合わせは各JA窓口まで。
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各種取り扱いは次の通り。
■通帳、キャッシュカード、JAカード
通帳は現在の口座番号に変更はないが、窓口での通帳取引は4月1日以降、切り替えが必要となる。口座を開設した各支店窓口に通帳を持参する。県内JAバンクのATM、キャッシュカード、JAカードは今まで通り利用できる。
■振込、口座振替
必要な手続きはJAで行い、給与振り込み、年金振り込み、公共料金などの口座振替は従来通りとなる。
■共済証書
現在契約中の共済はJA伊勢に引き継がれるため、効力は変わらない。証書は旧JAのままとなるが、満期金や事故共済受け取りの際に必要となる。
(2019年3月29日付紙面より)
「下里とも子ガーデン」 (那智勝浦町 )
那智勝浦町の「下里とも子ガーデン」で、春の花が咲き始めた。今年は世話人代表の岩本カナエさんらが、チューリップを500球に増やし、色とりどりの花を咲かせた。チューリップは今週末までが見頃。
同ガーデンは、元の持ち主だった笠松とも子さんの遺志を継ぎ、近くの住民らのボランティアで管理している。この時季のガーデンの花は他に、ヤグルマソウ、キンセンカ、ナノハナ、ムラサキハナナなど。丸い花壇の回りにはシバザクラが咲きそろい、6月のアジサイの季節まで、入れ替わり立ち替わりさまざまな花が楽しめるよう工夫されている。
岩本さんは「近所のメンバーだけでなく、笠松さんを慕っていた方たちが、他の地区から手伝いに来てくれます。ありがたく思います」と話していた。
(2019年3月29日付紙面より)
被害想定し災害対策本部設営 (那智勝浦町立温泉病院 )
大規模地震による災害に備え、那智勝浦町立温泉病院(山本康久院長)は20日、同院2階大会議室で災害対応訓練を実施した。
災害派遣医療チーム(DMAT)のインストラクターで和歌山県立医科大学の助教・那須亨さんが、訓練を評価するコントローラーとして加わった。山本院長をはじめ、職員33人が参加した。
DMATは、災害急性期に活動できるトレーニングを受けた機動性を持つ医療チームと定義されている。医師、看護師と、それ以外の医療職ならびに事務職員で構成され、大規模災害や傷病者が多く発生した事故などの現場で、おおむね48時間以内に活動できる専門的な訓練を受けたチーム。阪神淡路大震災での被害教訓をもとに平成17年に発足した。災害時において平時の救急医療レベルを提供するため、多岐にわたる医療支援を行う。
訓練では、南海トラフ地震の発災1時間後を想定し、同院のマニュアルに基づき災害対策本部を設営した。ライフライン被害は▽建物の損壊なし、全館火災なし▽停電あり・自家発電運用中▽近隣断水、ガス漏れなし、携帯、衛星電話、ポケットWi―Fi(ワイファイ)以外の通信不可―などを想定した。
山本院長の発災宣言があり、院内から被害状況の第一報が次々に入った。本部員が対応に追われる中、余震が発生するなどの実際に起こり得るケースに基づいた訓練が行われた。
訓練後には反省会が開かれた。那須さんは、本部の運営改善や情報を時系列で記録するクロノロジーの活用を説き、「反省点は多くあるが、災害対策能力を高めるための第一歩。訓練に完成形はない。皆さんで考え、積み重ねることが大切」と講評した。
山本院長は「通常の業務を調整し、多くの参加を得ることができた。さまざまな課題が浮き彫りとなった。今日の反省を踏まえ、マニュアルの改善や実施頻度を検討する」と話した。
(2019年3月24日付紙面より)
王子ヶ浜少年消防クラブ修了式 (新宮市 )
新宮市消防本部で20日、王子ヶ浜少年消防クラブの修了式があった。クラブ員第6期生、市立王子ヶ浜小学校の6年生8人が証書を受け取った。
子どもの頃から正しい火災予防知識と技術を身に付け、学校や家庭で防火意識を高めるとともに、将来、火災予防を習慣として実行できる社会人になってもらおうと、昭和55年に前身の王子少年消防クラブを結成。小学校の統合に伴い、平成25年度から同クラブとして再スタートしている。これまでに火災予防研修や消火器の取り扱い、救急救命法などを学んできた。
一人一人に修了証書と記念品を手渡した内野井愼搾・市消防本部予防課長は1年の活動を振り返り「皆さんが体験、経験、学んだことを将来に生かし、地域防災活動の中心となる人になってほしい」と呼び掛けた。
委員長を務めた下古谷奏明君(12)は「どうなると火災が起きやすくなるのか、防ぐためにはどうすればよいかを楽しく学びました。取り組みを通じて、将来の私生活などに生かせれば」と話していた。
この日は午前中に防火ハイキングを実施。クラブ員たちは燃えやすいゴミや看板の設置確認などに取り組みながら同市の世界遺産・熊野古道「高野坂」を歩いた。
(2019年3月24日付紙面より)
御浜町で広報啓発活動
交通死亡事故が発生した御浜町阿田和の国道42号で22日、広報啓発活動があった。紀宝警察署と紀宝地区交通安全協会、同町が実施し、「交通安全ミルミルボード」を掲げて通行車両にシートベルトの着用徹底を呼び掛けた。
18日午後4時35分ごろ、同地区の国道42号で普通乗用車と大型貨物車が正面衝突する事故があり、乗用車後部座席に乗っていた熊野市の女性(75)が胸などを強く打ち、搬送先の病院で亡くなった。
啓発活動は交通事故の発生を抑止することが目的。関係者が歩道に並び、「シートベルト着用」などと書いたメッセージボードとのぼりを持ち、安全運転を訴えた。
同署地域交通課の横山哲也課長は「直線道路の国道42号は見通しが良く、スピードが出やすい。脇見運転に気を付けてもらいたい」と話していた。
(2019年3月24日付紙面より)
地域福祉活動計画推進委 (紀宝町 )
本年度3回目の地域福祉活動計画推進委員会が22日、紀宝町福祉センターであり、委員ら20人が地域共生社会について考えた。
活動計画は「みんながふだんのくらしをしあわせに感じるまちへ」を基本理念に、住民が主役となって紀宝町の生活と福祉の現状と施策について見直し、これからの取り組みを作っていく計画。現在、2020年度までの第2次計画を進めている。
委員会は同計画の進捗(しんちょく)を確認するもので、町社会福祉協議会、町福祉課、民生委員、住民代表らで組織している。今回は計画策定に携わってきた皇學館大学現代日本社会学科の大井智香子・准教授が講演した。
「我が事・丸ごと」「地域共生社会の実現」をテーマに、「日本は人口減少が進んでいるが、これからは1人暮らしが増え、世帯数が増加していく。今後、サービスの在り方も変わってくる」と説明した。
その上で、「人は1人で生きていけない。集団をつくって生きてきたはずだが、今は社会的孤立や地域コミュニティーの希薄などでつながりが薄くなった」。血縁、地縁の煩わしさからつながりを拒絶するケースも多いという。
▽「我が事」は住民の助け合い、支え合い▽「丸ごと」は多職種連携による縦割り解消―と紹介。支え合いの地域づくりに向けて「サービスではなくサポートを」と呼び掛けた。
(2019年3月24日付紙面より)
応援募金会が熊野川ふれあい公社へ (新宮信用金庫 )
新宮信用金庫(浦木睦雄理事長)の有志役員、職員100人以上で組織する「新宮しんきん世界遺産応援募金会」は20日、熊野川川舟下り事業などを運営する一般社団法人熊野川ふれあい公社へ20万円を寄付した。新宮市大橋通の新宮信用金庫本店で目録を受け取った同公社の下阪殖保代表理事は「趣旨にのっとって考え、有効に活用させていただきます」と感謝した。
募金会は、世界遺産登録された「紀伊山地の霊場と参詣道」の維持管理や広報、ボランティアに関わる団体などへの支援を目的に、2004年に設立した。毎月会費として定額を出し合い、年1回さまざまな団体に寄付をしている。
熊野川ふれあい公社は05年から「川の参詣道」熊野川を木舟で下る観光体験事業を実施している。11年の紀伊半島大水害で事務所流出などの被害を受けた。
事業開始から今年で14年目を迎え、木舟の老朽化も目立つ。会では「お客さまの受け入れ体制を拡充し、日本はもとより世界の人々にもこの素晴らしい世界遺産『熊野川』の良さを知っていただき、後世に伝えていくためにぜひ支援したい」と推薦した。
同金庫本店営業部の中平潤・課長代理は「趣旨に合致している世界遺産の維持管理をしている団体に協力ができ、ありがたい。お役立てください」と話していた。
26日(火)には勝浦支店で同様に寄贈を行う。
(2019年3月23日付紙面より)
21日の水揚げ7千万円 (那智勝浦町 )
生鮮マグロの水揚げ量が国内有数の那智勝浦町の勝浦地方卸売市場に21日、同市場で今年最大の308㌔のクロマグロが揚がった。200㌔台を含めクロマグロが8本揚がり、1日の総水揚げは約69㌧、7056万円を計上した。
この日は入港船14隻のうち、マグロはえ縄船が11隻。1㌔当たり1万3500円の値がついた194㌔のクロマグロと308㌔の大物は、高知県の「和丸(かずまる)」が水揚げした。市場に集まった仲買人らによると、春の彼岸ごろに紀伊半島沖で取れるクロマグロは鮮度が良く、高値の取引が続いているという。18日には183㌔のクロマグロが今年最高値の1㌔当たり1万5400円で競り落とされた。
県漁連勝浦市場の太田直久参事役は、マグロの計測に追われながら「やはりクロマグロの大物はうれしいですね。市場が活気づく。年度末に向けて1本でも多く揚がってほしい。どの船のマグロも品質が良く、これから期待できると思います」と話した。
(2019年3月23日付紙面より)
近大新宮で中学校修了式 (新宮市 )
新宮市の近畿大学附属新宮高校・中学校(川合廣征校長)で22日、第26回中学校修了式が営まれた。保護者や在校生らが見守る中、中学校課程(中高一貫前期コース)の修了者45(男子22、女子23)人が川合校長から証書を受け取った。
式典では、在校生と保護者、教職員が体育館に集まり、修了生らを拍手で迎えた。国歌斉唱の後、川合校長が一人一人に証書を手渡した。
川合校長は「一生に一度しかない高校時代、人として一番成長できる時期です。後悔することのないよう勉強でもクラブ活動でも習い事でも失敗を気にせず全力でチャレンジしてほしいと思います」と激励。
修了生を代表して松岡悠太君は3年間を振り返り、「勉強、部活、学校行事などさまざまな経験をしてきたからこそ、今の成長した私たちがいると思います。1年生の頃の不安や緊張がうそのように、毎日が楽しいです。元気で明るく互いを高め合える最高の学年だと思います」と述べた。
在校生に対し、悩んだときは一人で抱え込まず誰かに相談しながら乗り越えてほしいとエールを送った。教職員と家族へ感謝を伝え、「これから始まる新しい高校生活が本当に楽しみです」と語った。
(2019年3月23日付紙面より)
田並でくまのじかるた大会 (串本町 )
串本町田並にある田並劇場で21日、地かるた「くまのじかるた」の大会があり、子どもやその家族らが競技に挑戦するなどして内容に親しんだ。
同劇場主催、くまの地かるたプロジェクト共催。南紀熊野ジオパーク推進協議会後援。このかるたは、新宮市熊野川町篠尾(ささび)にアトリエ「SaSaBi」を構えるイラストレーター・杉本麻絵さん(40)を中心とする有志グループが、南紀熊野ジオパーク推進協議会の活動促進事業を活用して制作し1月から発行を始めた。
昨年2月に杉本さんが声を上げ、その趣旨に賛同した有志計4人で同プロジェクトを立ち上げ。熊野地方ならではの歴史や文化、人物や自然を総ざらいして構想を練って4月から制作に着手し、杉本さんが絵札、安原克彦さんが読み札各46枚を仕上げ、山崎好美さんが解説書を作り吉村知子さんが後押しをする形で「くまのじかるた」を完成させた。
この日の大会は、月・水・土曜日に開いている同劇場カフェが串本町域における「くまのじかるた」取扱店になっている縁で実現した。同グループが大会を運営するのは初だそうで、A4サイズに拡大した絵札を使って子ども対象の競技会、既製品を使って家族ら対象の体験会を同時進行で開く形で内容を披露した。
絵札にはエルトゥールル号や熊野比丘尼、補陀落渡海やオーストラリア移民などの史実、那智の滝やフェニックス褶曲などの地質資源、本宮大社例大祭や餅まきの慣習、漁業や昨今話題のクマノザクラなどがわかりよく簡潔に描かれ、かるた遊びを通してこれら魅力への興味を引き出すことを目指したという。
大会と併せてマルシェや田辺市のフラグループ「カピリ」の舞台発表もあり、場内はいつにも増して盛況。同劇場を営む林憲昭さん夫妻もうれしい悲鳴を上げながら対応に努めていた。
同劇場のほか、那智勝浦町域のCompi、新宮市域のコケコッコやツツ井文具センターや縁ga環、田辺市本宮町域の冨士屋やおとなし和紙やあしたの森や拝庵などが「くまのじかるた」を取り扱っている。
制作の第一声を上げた杉本さんは「3年前に篠尾へ移住して知った熊野の魅力を伝えたくてこのかるたを作った。子どもが楽しみながら熊野の魅力を知り、大人も童心に帰って一緒にかるた遊びを楽しむきっかけになれば何より」と大会参加者の今後に期待した。
くまのじかるたは1セット2380円(税込み、解説書付き)で、初回製作数は500セット。問い合わせは同プロジェクト(メールkumanojikaruta@gmail.com)まで。
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■次はおむすびマルシェで
古座川町相瀬にある一枚岩前で24日(日)午前11時~午後3時に開かれるイベント「おむすびマルシェ」でも、「くまのじかるた」を使った大会が計画されている。
企画名は「みんなで!かるた大会」で実施時間は午後1時から。景品付きで行うとしている。
(2019年3月23日付紙面より)
公立中学5校で卒業式 (新宮市・北山村 )
新宮市と北山村の公立中学校で7日、卒業式があった。生徒たちは校長から卒業証書を受け取り、思い出の詰まった母校を巣立っていった。
新宮市内では緑丘77人、城南60人、光洋60人、熊野川6人。北山村は北山4人の計207人が卒業。
緑丘では橋爪健校長が一人一人に卒業証書を手渡した後、「成長」の言葉を挙げ、「多くの先生が関わってくれ、皆さんは大きく成長したのだと思います。まだ十分とは言えないが、必ず今後につながっていくと信じています」と式辞。将来については「どんな時でも目標を持ってほしい。この先、いろんな壁が訪れると思うが自分を信じ、仲間と助け合いながらいろんなことに挑戦してください」と述べた。
在校生の﨑山翔太君(2年)が体育大会や文化祭、部活動を通じて時には厳しい指導につらい時もあったが、今では大切な思い出と感謝し、「私たちは3年生のような先輩になりたいと憧れ、尊敬しました。皆さんのその姿を忘れず、後輩を引っ張っていけるよう頑張ります」。
卒業生代表の岡本華凛さんは入学時に期待と不安を抱いていたと話し、「先生や先輩たちが優しく接してくれたおかげで日を重ねるごとに慣れていった。自身にとって大きな存在となった部活動では、いろんな経験の中で相手の意見を聞き、嫌な思いをさせていないかと考えるようになりました」と語った。
在校生には「いつもあいさつを忘れず、協力してくれてありがとう。悩み事があるときは抱え込まず、親や先生、友達に相談してください。新入生と共に、緑丘中学校を今よりもっとすてきな学校にしてほしい」と涙ながらに答辞を述べ、家族や教職員など多くの人に感謝した。
(2019年3月8日付紙面より)
行政や民間などの各種団体で構成される那智勝浦町防災会議(会長=堀順一郎・那智勝浦町長、委員25人)の平成30年度会議が5日、同町体育文化会館で開かれた。23人が出席し、町の防災について、現行計画の見直しや修正などを話し合った。
防災会議は昭和57年に第1回が開催され、その時代に合った防災対策を検討している。堀会長は「紀伊半島大水害から7年半たち、防災意識の薄れを懸念している。南海トラフに係る地震、津波は近い将来に起こるとされており、対策を進めている。那智勝浦町として防災に強いまちにしていきたい」と話した。
事務局は委嘱された委員(任期は2020年8月末まで)を紹介。豪雨や台風、地震など、全国や同町で被害を発生させた近年の気象状況について報告した。
現行の地域防災計画が平成28年に作成されたため、災害対策基本法等の改正や防災基本計画、県地域防災計画の修正などを踏まえ、県の計画に沿って修正し、進めていきたいと理解を求めた。修正は▽県策定の第5次地震防災緊急事業五箇年計画にあわせ変更▽情報伝達手段の確保▽指定避難所、指定緊急避難場所の設定▽要配慮者利用施設の設定▽防災拠点施設整備の推進▽機構改革による担当課名の変更▽津波避難対策事業―を挙げた。
中でも情報伝達手段の確保では現在の同報系無線がアナログで2022年には使用不可となるため、デジタル化を進め、戸別受信機の配布や各地区との通信が可能となる機能付きの子局整備に努めると述べた。2年間の計画で今回の3月議会に予算を計上していると説明した。
防災拠点施設整備の推進では、災害発生時に防災活動拠点となる消防本部の高台新築移転について触れ、役場庁舎が被災した際の災害対策本部の代替機能を備えた消防・防災センターとなることを紹介し、その重要性を訴えた。
長谷潤委員(近畿運輸局和歌山運輸支局勝浦海事事務所長)からは「勝浦地区の避難場所の一つになっている元・遊戯店は現在も避難場所として認識してもよいのか」との質問に事務局は「遊戯店の駐車場とその周辺で現在も指定されている。さらに湯川トンネル方面も追加されている」と返答。避難場所の一覧には「元・跡」などを入れる工夫も必要だと見解を示した。その後、修正案は承認された。
(2019年3月8日付紙面より)
クマノザクラ開花時期に (古座川町 )
古座川町各所でクマノザクラが開花の時期に差し掛かり、可憐(かれん)な花が日に日に数を増している。
クマノザクラは昨年3月に森林総合研究所の論文提出で新種と判断され、にわかに注目されている野生種のサクラ。そのタイプ木が同町池野山にある関係で、同町は町の花として追加指定し同町観光協会も振興すべき地域資源の筆頭として意識している。七川ふるさとづくり協議会が育苗の産業化を目指した挑戦を始めるなど、町域での振興機運も大きく高まっているところでもある。
峯の薬師堂前にあるクマノザクラは平たい円すい状の枝張りが特色で、同堂守護職の水本一男さんが今後の鑑賞の活発化を見込んで周囲の雑木を切り払ったことで幅広い方向から眺められる状態になっている。同堂方向に伸びる枝は町道のすぐそばまで伸びていて花を間近に観察できる。
同町は現在、公式ウェブサイトでタイプ木の開花状況を日々伝えていて、7日時点で「咲き始め」としている。峯のクマノザクラはタイプ木より若干早く開花が進んでいる状況。タイプ木の開花状況と併せて鑑賞の利便を図るためクマノザクラMAP(マップ)も公開し、峯のクマノザクラを含む町域の優良木や群生地7カ所を紹介している。
(2019年3月8日付紙面より)
火の用心を呼び掛ける (太地町 )
春の全国火災予防運動期間中の6日、太地町立太地こども園(森尾扶佐子園長)の園児で構成される幼年消防クラブの防火パレードが行われた。
主催は太地町と太地町消防団(筋師光博団長)。園児ら83人は法被などを身にまとい、鼓笛をしながら行進して防火を呼び掛けた。
この日は町職員4人、筋師団長含む第6分団6人が参加。消防団筋師団長は「1日から7日までが春の火災予防運動の期間です。火事が起こらないためにも、皆さんには大きな声を出していただき、声掛けをお願いします。団も頑張ります」とあいさつ。宇佐川彰男教育長は「元気いっぱい火の用心を呼び掛けてください」と話した。
園児らは役場前を出発し、建物が多く並ぶ通りを啓発しながら進んだ。その姿を一目見ようと各所で住民らが道沿いに待機し笑顔で見送った。一行は約2㌔の道のりを歩き、東の浜に到着した。4、5歳児28人が小・中・大太鼓、鉄琴、シンバルなどの楽器で『君をのせて』を合奏。続いて、ダンス『パプリカ』を披露し、保護者や多くの住民から拍手が送られた。筋師団長は園児らの頑張りを評価した後に住宅用の火災警報器の設置を呼び掛けた。
パレードを終え、森尾園長は「5歳児にとっては最後のパレード。園児も『小学校になるともうパレードできないね』とつぶやく子もいた。成長はうれしいがさみしくも思う」と語り、次期年長児の4歳児の成長も喜んでいた。
(2019年3月8日付紙面より)