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2023年02月26日
1 一般会計は170億円 新年度の当初予算案発表 (新宮市)

 新宮市は24日、総額362億7923万9000円(前年度比0・7%増)の令和5年度当初予算案を発表した。一般会計は前年度同規模の170億7094万8000円(前年度比0・6%増)となった。2月28日(火)開会の市議会3月定例会に提出する。

 王子ヶ浜小学校区において放課後児童クラブを開設するほか、生後12カ月までの子どもがいる家庭に対し紙おむつなどの子育て用品を支給するなど、子育て環境の充実を図る事業を多く実施する。

 三輪崎庁舎には常設エコ広場を新たに配置し、住民票や各種証明書のコンビニ交付事業を実施するなど、市民生活の利便性向上にも注力する。

 また、「災害に強いまちづくり」として、防災無線戸別受信機の追加配備や、指定避難所の改修事業を実施するとともに、林業活性化と定住促進のため、熊野材の家づくり支援事業を実施。「瀞峡めぐり」乗船場の整備や地域おこし協力隊事業など、地域活性化・過疎対策にも積極的に取り組む。

 事業推進に当たっては、国費などの財源確保を第一に、財源措置に有利な起債を活用するとともに、健全な行財政運営のため、ふるさと納税のさらなる推進や起債の繰り上げ償還による将来負担の軽減を図る。

  □     □

■歳入



 市税は、新型コロナウイルス感染症の影響が次第に改善していくことなどを見込み、総額で2・7%の増となった。地方財政計画において一般財源総額が増加していることに伴い、地方交付税が1・7%の増となっている一方で、臨時財政対策債が44・1%の減となった。それを踏まえ、予算において普通交付税については1・9%の増とし、臨時財政対策債は

50%の減を見込んでいる。

 市債は、前述の臨時財政対策債が大幅減となる一方で、市田川水系内水排水ポンプ整備事業や、千穂王子ヶ浜線整備事業分などの増により、過疎対策事業債が増となったことなどから、総額で11・7%の増。繰入金は退職手当基金や減債基金の減により、44・1%の減となった。

 歳入の構成比率は自主財源24・6%、依存財源75・4%。

  □     □

■歳出



 投資的経費では、三輪崎保育園園舎改修事業補助金の減や神倉小学校屋内運動場改修工事の皆減がある一方で、千穂王子ヶ浜線整備事業や市田川水系内水排水ポンプ整備事業の増などにより、総額で30・2%の増となった。

 義務的経費では、人件費で定年延長制度の開始に伴う退職金の減を見込む一方で、人事院勧告に基づく給料表の改定や期末手当の増などから、総額で0・7%の増。公債費では前年度に行った第三セクター等改革推進債などの繰り上げ償還が減となったことなどから、総額で18・0%減少。扶助費では生活保護扶助費などの増により総額で0・5%の増となった。

(2023年2月26日付紙面より)

2023年02月26日
2 どんな形になるのかな?
 市野々小で「氷の彫刻」  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町立市野々小学校(中西健校長)と町公民館市野々分館(古田桂造分館長)は24日、同校に氷彫刻家の小阪芳史さんを招いてショーを開催した。全校児童29人や地域住民が参加し、どんな彫刻が出来上がるのかドキドキワクワクしながら見守った。

 氷彫刻とは電動工具などを用いて氷の塊から立体を削り出すアートで、制作・展示時間が短いはかなさも魅力の一つ。小阪さんは新宮市三輪崎の出身で、現在は東京都のプリンスホテル高輪に所属。多くの世界大会で受賞歴がある。同校の中西校長との縁で、ショーが実現した。

 児童から「ウサギ!」とのリクエストを受けてショーがスタート。小阪さんは重さ135㌔の氷から、チェーンソーで大きな塊を切り、ドリルで目や鼻の細部を削り出していった。観客席まで氷の粒が飛ぶと、児童から歓声が上がった。2月が誕生月の児童のため、氷の中に花を描くパフォーマンスもあった。

 児童からの「今までで一番大きな作品は?」との質問には「アメリカのアラスカで湖の氷を切り出し、6日間かけて8㍍の作品を作った」、「どうやったらそんなに上手になるの?」には「最初は絵を描くところからスタートし、後は練習あるのみ」と答えた。

 和田彩音さん(6年)は「ふれあい祭りで彫刻を見たことがあるけれど、実際に作るところを見るのは初めて。お花もきれいだった」と話していた。

(2023年2月26日付紙面より)

完成した彫刻と記念撮影=24日、那智勝浦町立市野々小学校
氷の粒が飛ぶ迫力のショー
2023年02月26日
3 素晴らしい景勝、楽しんで
 瀞峡めぐり、川舟下り3月から始動  (新宮市 )

 国の特別名勝・天然記念物に指定されている瀞峡(瀞八丁)を舟で巡る「瀞峡めぐり」と、川の参詣道として世界遺産に登録されている「熊野川」を巡る川舟下りの定期乗合便が3月1日(水)から運航を始める。今季の運航開始に先立って25日、瀞峡めぐりの乗船場・新宮市熊野川町玉置口と、川舟下り乗船場の道の駅「瀞峡街道熊野川」下の河原では運航開始式典が行われ、川舟清めの儀式の後、関係者らを乗せた第1便が出航した。

 (一財)熊野川町ふれあい公社(下阪殖保代表理事)が運営する両事業。「瀞峡めぐり」は、川に流入する土砂の増加により航路整備が困難になったこと、新型コロナウイルス感染症の影響による観光客の減少、作業員の高齢化などを理由に2021年1月に休止したウオータージェット船事業を同公社が引き継ぎ、昨年3月に川舟を利用して運航を開始。玉置口から瀞峡までの往復約9・4㌔のルートを約40分かけて巡るコースで、22年度(1月まで)は4266人が乗船した。

 川舟下り事業は2005年9月にスタート。同町田長から熊野速玉大社権現川原までの約16㌔を語り部の案内とともに約90分かけて和船で下るコースで、熊野川沿いの景観を楽しむことができる人気の観光メニューとなっている。

 最も乗客が多かったのは07年度の5670人。新型コロナウイルスの影響を受け、20年度には1233人にまで落ち込んだが、22年度(1月まで)には2580人が乗船。うち、305人が外国人で、インバウンド復活の兆しも見せ始めている。

 式典には、下阪代表理事や田岡実千年市長、榎本鉄也市議会議長、東原伸也副議長、酒井清崇・東牟婁振興局長、濱口太史県議、中川洋・勝浦海事事務所長らが出席した。田岡市長が「今後もさらに多くのお客さまにお越しいただき、熊野川地域からより一層、新宮市を盛り上げていただけると期待している」とあいさつ。玉置口乗船場では、新造船の進水式も行われた。出席者らがお神酒で川舟を清め今季の運航の安全などを祈願した。

 下阪代表理事は「水鳥の目線で水に触れることができると好評だった。今季も安全に運航することができれば。多くの人に楽しんでほしい」と話していた。

 「瀞峡めぐり」の運航時間は午前9、10、11時、午後1、2、3時の1日6回。料金は大人3000円、小人(4歳~小学生)1500円。

 「川舟下り」の定期乗合便は午前10時と午後2時30分。料金は大人4300円、小人(4歳~小学生)2000円。

 ともに完全予約制で運航期間は11月30日まで。団体割引、貸切便もある。川の状況などによって運休する場合がある。受け付け、問い合わせは熊野川川舟センター(電話0735・44・0987)へ。ホームページ(http://kawabune.info)からも予約できる。

(2023年2月26日付紙面より)

関係者らを乗せて出航=25日、新宮市熊野川町田長
下阪殖保代表理事(右)と田岡実千年市長らがお神酒で川舟を清めた=同日、新宮市熊野川町玉置口
送迎用バスも新たにラッピング
2023年02月26日
4 助け合いながら活動を
 紀宝町民児協が定例会  

 紀宝町民生委員児童委員協議会(西村喜久男会長)は21日、同町鵜殿の町福祉センターで定例会を開いた。委員26人が出席し、各部会で新年度の活動を話し合った。

 定例会と研修会は毎月開催し、委員間、町、町社会福祉協議会と情報共有をしている。この日は町福祉課、地域包括支援センター、町社会福祉協議会から報告を受けた後、研修会としてふれあい、児童、相談の各部会でグループワークを行い、4月からの活動などを話した。

 ふれあい部会では、町社協の職員が全国で広がる「子ども食堂」について説明し、町内では3カ所のうち1カ所を社協が毎月開催しており、多くのボランティアの力を得て運営されていることを紹介。「受付などで運営のサポートをお願いできれば」と協力を求めた。

 あいさつした西村会長は民生委員の守秘義務について触れ、委員の活動をたとえ用があっても他人に頼むことはできず、委員ではない人と活動することもできないと注意点を伝えた。「自分だけで悩まず、横の連携で、みんなで助け合いながら取り組んでください。また、この定例会の場で分からないことがあれば相談してください」と呼びかけた。

(2023年2月26日付紙面より)

新年度の活動を話し合う委員ら=21日、紀宝町鵜殿の町福祉センター
2023年02月26日
5 令和5年度会計予算など承認  紀南環境衛生施設事務組合定例会議  
2023年02月26日
6 ウクライナへの義援金  お客の善意を集めて託す  (お食事処きく )
2023年02月26日
7 カワヅザクラが満開に  御浜町  
2023年02月26日
8 新記録も飛び出す  恒例の縄跳び発表会  (相野谷保 )
2023年02月26日
9 ママたちが「運動会」  紀宝町で子育てサロン  
2023年02月26日
10 タイヤなど不法投棄物を回収  町道相野口永田線周辺で  (紀宝町高岡 )
2023年02月26日
11 市民生活に密着した施策を  田岡市長が事業など説明  (新宮市 )
2023年02月26日
12 お悔やみ情報
  
2023年02月22日
13 熊野の歴史など学ぶ
 語り部育成の講演会  (和歌山県観光連盟 )

 紀州語り部担い手講演会(座学編)が19日、新宮市野田の福祉センターであった。18人が参加、講演を通して語り部に必要な、熊野や高野山が育んだ歴史や文化などを学んだ。

 和歌山県観光連盟の主催で、新宮市のほか田辺市や和歌山市でも実施。内容は同じで、第1部は「熊野」、第2部は「高野山」、第3部は「紀州語り部」の魅力を語るものだった。第1部では、国際熊野学会代表委員の山本殖生さんが講演したほか、熊野家三九郎さんが熊野を題材とした落語を披露した。

 山本さんの講演の演題は「日本一の熊野牛玉(ごおう)宝印」だった。山本さんは熊野牛玉宝印について「魔よけのお守り札。家の門口や田の水口に置いた」と説明。「牛玉」の由来について「もともとは牛にできる結石、牛黄(ごおう)のこと。漢方で使われ、中国では万能の解毒薬とされる。牛黄を混ぜた墨や朱を用いて加持祈とうすれば、除災や招福のパワーが得られると考えられた」と話した。

 最初は印として額に押すものだったことを解説。「顔を洗うと消えるので、白い紙に印を押すようになった」と語った。熊野本宮大社では、紙に印を押す古い形式の儀式を今もやっていることも発言。「やがて版木でたくさん押すように。それが熊野牛玉宝印の始まり」と述べた。

 起請文(きしょうもん)(誓約書)として使われたことにも言及。「日本で2番目に古い起請文に熊野の、那智の牛玉宝印が使われている」と示した。「中世から起請文として使われ、一揆を起こすようなときに書いた。みんなで書いて血判を押し、儀式をやったと思われる」と語った。

 古文書にある、熊野牛玉宝印の記述も提示。図柄についても「戦国時代から烏(からす)文字に。日本第一も戦国時代からで、もともとは書いていなかった」と明かした。熊野牛玉宝印が忠誠を誓う際の起請文として▽豊臣秀頼と近畿の大名▽薩摩藩と琉球国王▽代替わりした将軍と各大名―の間で使われたことも伝えた。

 熊野比丘尼(びくに)が全国に広めたこと、あまりに有名なため偽物も出回るほどであったことも付け加えた。

 熊野家さんの落語は「三枚起請」で、遊女がお客に愛を誓う起請文を3枚も出していたというものだった。参加者の笑いを誘い、盛んな拍手で称賛された。

(2023年2月22日付紙面より)

熊野牛玉宝印の歴史などを学んだ=19日、新宮市野田の福祉センター
講話する山本殖生さん
2023年02月22日
14 中学校統合、今後の予定示す
 保護者対象に説明会  (新宮市 )

 新宮市役所別館で20日夜、「緑丘中学校・城南中学校統合に関する保護者説明会」があった。城南中学校・王子ヶ浜小学校の保護者らが参加。速水盛康教育長や市職員らが中学校統合に関するスケジュール案などについて説明した。

 昨今の生徒数減少に伴う諸問題への対応を行うべく昨年、市教育委員会では緑丘・城南各中学校の統合検討を開始。

 統合に向けた話し合いを進めるため、9月に「緑丘中学校・城南中学校統合検討委員会」(板谷貴史・城南中育友会長)第1回会議が行われ、今年1月31日に開かれた第3回会議では、市当局から令和9年4月の統合を想定した統合スケジュール案が示された。

 スケジュール案などについて保護者らの理解を得るために開かれたこのたびの説明会は▽城南中学校・王子ヶ浜小学校▽緑丘中学校・神倉小学校―の各保護者を対象に2回に分けて実施した。

 市が示す案では、令和5年度から公募やアンケート、パブリックコメントなどを実施した上で新中学校名を検討。その後、校歌や校章の作成、新制服デザインなどに着手する。

 令和6年度に教育課程編成等委員会を設置し、経営方針や教育課程、学校行事、部活動、通学路などの検討を進めていく。

 統合後の場所を現緑丘中とする案において、令和6年度後半以降に仮設校舎の建設準備を行い、令和7年度に仮設校舎の建設と並行して大規模改修の設計を行い、令和7年度後半以降に生徒・児童、部活動交流や大規模改修、閉校式・開校式に向けた準備を行う計画としている。

 開催に当たり、速水教育長は「子どもたちの将来に向けて教育環境を整える必要があると考えている」とあいさつ。市職員がスケジュール案などについて説明した。

 質疑応答では、保護者が「教育だけではなく、環境づくりも大事。地域に子どもたちの声が聞こえないのは大きな問題。城南中の跡地の利用も並行して考えていく必要がある。関係各課も参加すべきでは」「困っていること、やりたいことは大人では分からない。子どもたちが気軽に意見を言える場をつくってほしい」などと意見。

 対し、市は「まず子どもたちのことを考えて中身を検討していきたいという思いがある」。跡地に関しては「市のまちづくりとして大きな観点で考えていかなければならない」などと理解を求めた。

 緑丘中学校・神倉小学校の保護者を対象にした説明会は22日(水)午後7時から、同所で開催される。

(2023年2月22日付紙面より)

速水盛康教育長らがスケジュール案など説明=20日夜、新宮市役所別館
2023年02月22日
15 「菜花摘み」体験旅行
 色川地区の農園で新企画  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町口色川の安田裕志さん(42)が同所で営む農園「vegelike(ベジライク)」で18日、新規体験旅行企画「1・2月の旬の時期だからこそ味わえる菜花摘み取り体験と季節限定『菜花』限定ランチ」があった。愛知県名古屋市から友人同士の女性3人が参加、食用の菜花を摘み、創作ランチを楽しんだ。

 一般社団法人那智勝浦観光機構(NACKT)が企画立案に協力した。第1次産業の活性化を図るとともに、新たな那智勝浦ブランドを創出し、さらに農業と観光という二つの地場産業を融合しようと考えた。安田さんは菜花を12年前から作っているが、摘み取り体験の実施は初めてという。

 ランチは、安田さんの農園で採れた菜花を使用。同町大野の体験レストランAima(アイマ)で提供した。企画はもともと、1月に4回、2月に4回の実施を予定していたが、コロナ禍の影響でこの日が初回の実施となった。

 農園では、安田さんが収穫の仕方を説明。「つぼみか、花がちょっとついたぐらいのものを、ハサミで切り取って」などと語り、実演した。「無農薬なので、このままでも食べられる。生でも甘くておいしい」とも伝えた。参加者は、さっそく収穫を体験。ハサミで切ってはポリ袋に集め、また時折生で口に運んでは「甘くておいしい」と笑顔を見せていた。

 那智勝浦観光機構の牛久保賢一さんは「色川や太田には、体験コンテンツにできそうな素材がある。これらをPRすることで、町全体を活性化できれば」と話した。

 「菜の花」とは本来、アブラナ科の花の総称。安田さんの農園では、菜花の食用品種「花飾り」を栽培している。花が開いてしまう前のつぼみの状態が食べ頃で、旬は1月と2月、収穫は3月上旬ごろまで続くという。天ぷらやおひたしのほか、卵と炒めたり、浅漬けにして刻みおにぎりに混ぜたりしてもおいしいとのこと。

(2023年2月22日付紙面より)

収穫を楽しむ参加者=18日、那智勝浦町口色川のvegelike
2023年02月22日
16 義援金を大使館へ届ける
 トルコ地震の見舞い交え  (串本町 )

 串本町の田嶋勝正町長ら一行が17日に駐日トルコ共和国大使館のコルクット・ギュンゲン特命全権大使と面会し、町内外から寄せられたトルコ南東部地震災害義援金〈第1回目分〉1500万円を届けつつ犠牲者への哀悼と被災者への見舞いの意を示すなどした。

 この義援金は、トルコ共和国で現地時間6日未明以降相次いだ大きな地震で被災した人々の支援を目的として7日から募集を開始。役場本庁、旧役場古座分庁舎、文化センター、トルコ記念館の4カ所に義援金箱を設置し、10日には振込口座(紀陽銀行串本支店普通449160と三十三銀行古座支店普通7001609、いずれも振込手数料が必要)も開設して受け付けている。

 町内外から高額寄託の申し出もあり、15日までに集まった額から1500万円を第1回分として同大使館に託すこととした。17日は同町議会(鈴木幸夫議長)と合同の陳情活動の延長で同大使館を訪問。田嶋町長と鈴木議長以下議員11人、佐藤武治県議会議員と日本トルコ友好議員連盟会長でもある二階俊博衆院議員らが面会を求め、代表して田嶋町長が同義援金寄託の目録を読み上げてギュンゲン大使に手渡した。

 町総務課によると、その折に田嶋町長は「現在も救援活動が続き、復旧復興には時間がかかると思われる。われわれはトルコにずっと寄り添いながら義援金協力を呼びかけ続ける」と申し添え、ギュンゲン大使は「困難に直面している時にお目にかかれることを心強く思う。日本、和歌山県、とりわけ串本の皆さまはトルコ人の心の中では大変特別な存在で、本日皆さまが来て下さったこともその証明。心より感謝申し上げる」と応えて申し出に感謝したという。

 二階衆院議員もできることを考えてトルコに寄り添う意を示し、復興への足取りを踏み出すことを祈念。田嶋町長は併せて同町立潮岬中学校(平原良一校長)の3年生が手作りしたメッセージボードも託し、串本はさまざまな形で被災を乗り越えることを願っていることも伝えた。

 同課は今回の被災からの復旧復興を支えるため、今後も同義援金の受け付けを続けるとしている。問い合わせは同課(電話0735・62・0555)まで。

(2023年2月22日付紙面より)

義援金〈第1回目分〉の寄託を申し出る田嶋勝正町長(中央)=17日、駐日トルコ共和国大使館(串本町提供)
コルクット・ギュンゲン特命全権大使と面会する田嶋町長ら一行(同提供)
2023年02月22日
17 危険箇所を地域住民に説明  小中合同人権・防災学習  (相野谷小・中 )
2023年02月22日
18 おもちゃ作りを楽しむ  わくわく科学教室に児童21人  (紀宝町 )
2023年02月22日
19 健康増進で公務災害防止  消防団員健康づくりセミナー  (新宮市 )
2023年02月22日
20 クジラさん、こんにちは!  わかば保育園が卒園遠足  
2023年02月22日
21 仲間との絆忘れずに  ジュニア駅伝チーム解散式  (新宮市 )
2023年02月22日
22 被災者への思いを乗せて  潮岬中3年生ボード託す  (串本町 )
2023年02月22日
23 さまざまなゲームに挑戦  中央児童館で「あそび大作戦」  (新宮市 )
2023年02月22日
24 お悔やみ情報
  
2023年02月18日
25 平時・有事の有効活用に期待
 日本消防協会が消防団活動車を交付  (新宮市 )

 (公財)日本消防協会はこのたび、新宮市消防団に消防団活動車を交付した。17日、市消防本部で車両交付式が行われ、市地域消防協会会長の田岡実千年市長が中谷健兒団長にレプリカキーを手渡した。

 (公財)日本消防協会は、消防団員、消防職員および地域において自主的に消防防災活動を行う者の福祉厚生、消防施設設備などの改善充実、消防知識技能の向上、消防防災思想の普及徹底などにより、消防活動の強化、地域防災の向上などを図り、もって国民生活の安全、社会公共の福祉の増進に寄与することを目的としている。

 このたびの交付は、同協会の令和4年度消防団員等福祉共済事業(福祉増進事業)として行われるもので、同共済は1969年に消防団員福祉共済制度として発足。全国の消防団員等の相互扶助による共済制度として運営されている。

 交付車両は三菱自動車の「エクリプスクロス」(SUV型5人乗り4WD)で、「衝突被害軽減ブレーキシステム」など安全機能も充実。配備先は団本部で、平時は防火・防災、入団促進啓発活動などに使用される他、災害時は市民への情報伝達などに活用される予定となっている。

 交付に当たり、田岡市長は団員らの日頃からの尽力に感謝を伝え「団本部には団幹部をはじめ、女性団員9人が在籍されている。今後、災害活動や防火広報など、さまざまな場面でこの車両を存分に活用いただき、市消防団がますます活躍・発展されることを期待しています」とあいさつ。安全運転の徹底を呼びかけた。

 中谷団長は「有事の際も含め、有効活用していけたら」と話していた。

(2023年2月18日付紙面より)

田岡実千年市長(右)が中谷健兒団長にレプリカキーを手渡した=17日、新宮市消防本部
団本部に配備される「エクリプスクロス」
2023年02月18日
26 JAL社員に仕事教わる
 明神小中など4校で講座  (古座川町 )

 古座川町で16、17日の2日間、日本航空株式会社(JAL)のキャリア教育出前講座が順次あり参加した児童生徒が将来を考えるきっかけを得た。

 この講座を発案した同社産学連携部の丸島拓郎さんが挑戦するきっかけを託したいという思いで希望する学校に届けている機会。同町では2年前から参加の経緯があり、本年度は古座川町青少年育成町民会議の中継ぎにより4校が順次受講した。

 初日午後は明神小5、6年生と明神中1~3年生が明神中体育館へ集まり、丸島さんと同社地域事業本部の三輪祥子さんを迎えて合同受講した。2人は飛行機や同社にまつわるクイズを出題し、JALグループでは131社3万6000人がそれぞれに仕事をこなしそのつながりで1機の飛行機を飛ばしていることを紹介。新型コロナウイルスの影響で飛ぶ数が減った時期に社員は大学講師や地域留学、有名アニメとのコラボレーションなど挑戦してみたい企画を会社に提案して取り組むなど、自身や会社の向上に頑張っている側面にも触れた。

 英語力や相互理解など2人それぞれに仕事をしていく上で大切だと感じていることも伝え、それらに苦手意識があっても避けずに挑戦し続けた成果は将来役に立つと信じて頑張ってほしいと促すなどした。

 最後に児童や生徒があらかじめ準備した質問に応えて学びを後押し。小中それぞれ代表1人を立てて感想を述べ、講座の実施に感謝した。

 同会議事務局によると、明神小中のほか、古座中1年生が16日の4時間目、高池小4、5年生が17日の2時間目を充てて受講。三尾川(みとがわ)小は過去に受講した経緯で今回は参加を見送り、未受講の児童生徒に機会を譲ったという。

(2023年2月18日付紙面より)

JALの成り立ちや仕事をする上で思うことを語る丸島拓郎さんと三輪祥子さん=16日、古座川町一雨の明神中体育館
2023年02月18日
27 地元での就職を促進
 高校生向け企業説明会  

 高校生向け地元就職促進事業「地元企業知っとこガイダンス」が16日、新宮市王子町の市立総合体育館であった。新宮、新翔、串本古座、紀南の4高校から約140人の生徒が参加。企業から説明を聞き、就職について考えた。

 熊野地方就職フェア実行委員会の主催。同委員会は新宮市、新宮商工会議所、那智勝浦町、南紀くろしお商工会、新宮地区職業安定協会で組織する。同ガイダンスは、熊野地方の高校生を対象に、将来地元で働きたいという気持ちを向上させ、若年層流出による地域活力の低下を抑止することを目的としている。

 コロナ禍に伴いおととしは中止だったが、基本的には毎年実施している。今回は、串本出張所も含むハローワーク新宮、ハローワーク尾鷲熊野出張所の管内から、27社が参加した。製造、建設、福祉、金融、運送、宿泊など、さまざまな業種があった。2部構成で、生徒は約70人ずつに分かれて行われた。

 生徒が興味のある企業ブースを訪れ、担当者の話を聞くかたちで行われた。時間は20分と決められており、その時間内で概要説明と質疑応答を行うように決められていた。生徒側は事前に、説明を受けたい企業を第3希望まで選んでおり、これに沿って実施された。

 企業担当者は、自社の歴史や業務内容、やりがいなどを、丁寧に説いていた。生徒らは、熱心に耳を傾け、メモを取るなどしていた。新翔高校2年の松井弥土(みと)さんは「どちらかといえば地元就職を希望している。どんな職種を目指すかは、まだ検討中。今日は説明を聞き、知らないこともあったので良かった。話をよく聞いて進路をしっかりと考えたい」と話した。

 新宮信用金庫のブースで説明を担当した、総務部の野田健太さんは「普段の業務で高校生との接点は多くないので、こういう機会はありがたい。金融機関はお金を扱うので、真面目で誠実な人材が欲しい。加えて、受け身ではなく積極性があればなお良い。今日はしっかりPRしたい」と述べた。

(2023年2月18日付紙面より)

企業側の説明を聞く生徒ら=16日、新宮市立総合体育館
2023年02月18日
28 手作りの杖に思い込める
 田端賢太郎さんが神倉山に奉納  (熊野速玉大社 )

 みなべ町在住の田端賢太郎さん(83)は16日、新宮市の熊野速玉大社(上野顯宮司)を訪れ、「神倉神社の参拝者の方に使っていただければ」と、梅の木で作製した参拝用の杖(つえ)50本を奉納した。同日、同大社で奉納奉告祭が営まれ、上野潤権宮司は「梅の木を育てるのに一日一日を積み重ね、丹精を込めて杖をお作りいただいた」と感謝を伝えた。

 梅農家を営む田端さん。農作業の傍ら、寒に入って新月の3日間に切り込んだ枝を1カ月乾燥させ、何度も磨いて艶を出し、蜜ろうを塗って仕上げた。1本制作するのに係る時間は約1時間半。杖には「無病息災」の文字を書き入れ完成させた。

 作業を始める前には般若心経を唱える。「今まで約80年間、大過なく過ごさせていただいた。神倉山にお礼の気持ちを込めた」と一本一本に思いを込めて制作した。

 かねて梅の木の枝の有効活用を思案していた田端さん。7年ほど試行錯誤を重ね、ようやく現在の杖の形に仕上げた。「人生残りわずか。杖の作り方を誰か継承してくれたら。(奉納した杖は)ぜひ多くの人に使っていただきたい」と思いを語った。なお、田端さんは2020年10月にも梅の木を使った杖40本を奉納している。

 上野権宮司は「以前、奉納いただいた杖はすでに短くなってしまった。多くの人に愛用いただいた証だと思う。世間ではあまりにも身勝手な行為が散見されるが、田端さんの利他の心、慈しみの心は神様や多くの人に伝わっていると思います」と話していた。

(2023年2月18日付紙面より)

上野潤権宮司(左端)と杖を奉納した田端賢太郎さん(左から2人目)=16日、熊野速玉大社
「無病息災」の文字を書き入れた
2023年02月18日
29 県の鳥など集まる花盛り  紀伊大島の早咲きサクラ  (串本町 )
2023年02月18日
30 串本の海の愛の形を紹介  水族館内で期間特別展示  (串本海中公園センター )
2023年02月18日
31 口腔ケアで健康長寿に  ローズの会が学び深める  (新宮市 )
2023年02月18日
32 個人情報保護の条例など可決  新宮公設市場で広域議会  
2023年02月18日
33 境内に募金箱設置  トルコ南東部地震受け  (熊野速玉大社 )
2023年02月18日
34 夫婦や地域見つめ48年  和泉さん宅のしだれ紅梅見頃  (那智勝浦町 )
2023年02月18日
35 釈迦の遺徳しのぶ  光明宝院で常楽会  (那智勝浦町 )
2023年02月18日
36 版画作品930点審査  18、19日に3年ぶり勝浦展  (新宮・東牟婁 )
2023年02月18日
37 高血圧ゼロの村目指し  花王㈱など協力でセミナー  (北山村 )
2023年02月18日
38 共生社会へ理解深める  生徒対象の手話教室  (城南中学校 )
2023年02月18日
39 基本方針策定に向け 地域公共交通活性化協議会 (新宮市)
2023年02月18日
40 西田議長が「防災宣言」  タイムライン防災・全国ネットワーク国民会議  
2023年02月18日
41 手打ちうどん作りに挑戦  寺小屋広場で和やかに  (紀宝町 )
2023年02月18日
42 5部門で熱戦繰り広げる  3年ぶり、町民卓球大会  (紀宝町 )
2023年02月18日
43 社会で働く意義を学ぶ  3年ぶりの「対話集会」  (紀南高校 )
2023年02月18日
44 架空料金請求詐欺が増加  コンビニで電子マネー購入に注意  
2023年02月18日
45 南紀熊野ジオフォトコン  令和4年度入賞作品紹介①  
2023年02月18日
46 目標掲げ大人への一歩  那智中学校で立志式  (那智勝浦町 )
2023年02月18日
47 お悔やみ情報
  
2023年02月18日
48 ママも子どもも笑顔になる「疲れない食育」
 【第58回】過剰な健康志向は危ない!  

 子育てでお料理をしているお母さんたちは、みんな真面目で、少しでも体に良いものをお子さんに…と考えている方が多いです。そのために、できるだけ添加物を避けたり、有機野菜を使ったり、無添加のおやつを用意したり。そういった食意識は、もちろん悪いものではありませんが、こだわりが行き過ぎるとご自身がしんどくなってしまうことがあります。今日はそんな、こだわりが過剰になることで患ってしまう、新型摂食障害のお話をしようと思います。これは、アメリカの医師が1997年に提唱したもので「オルトレキシア」と言います。この摂食障害は、拒食症でも過食症でもなく、「自分が健康的だと思っているもの以外を拒否してしまう」という症状が出る病気です。

 最近は健康志向の高まりもあり、食事にこだわる人は増えています。小麦粉を排除する「グルテンフリー」や、動物性のものを取らない「ビーガン」、ダイエットを意識した「糖質制限」もその一つです。でもこの「オルトレキシア」になってしまうと、自分が健康的だと思い込んだもの以外は一切受け付けなくなってしまい、人と食事をすることもできなくなってしまうと言います。自分が決めた食事ルールを破って、食べてしまうと、罪悪感で苦しんだり、体調が悪くなってしまったりするわけです。逆に、自分のルールに合った「健康的だと思う食事」を取ると、自己肯定感が高まっていくというのも特徴です。30代以降の女性に多く、子育て世代も当てはまるため、子どもにも自分が思い込んだ「正しい食事」を強要して、栄養を偏らせてしまうということもあります。そして、「子どもに良いものを」という考えから始まり、発症してしまうお母さんもいるのです。ハリウッドセレブなどの間でも「オルトレキシア」になったとカミングアウトして、ヘルシーな食事に執着するのをやめるという人がいました。この病気が怖いのは、自分でも過剰なこだわりだと分かっているけど、やめられないというところだそうです。

 健康的な食事を心がけることはとても良いことですが、健康的な食事を追求するあまりに、不健康になってしまうのでは本末転倒ですよね。今はインターネットにさまざまな情報があふれていて、ついついうのみにしてしまいますが、科学的根拠のないものもたくさんあります。心と体を健康に保つためにも、「正しい食事」よりも「楽しい食事」をぜひ心がけてください。楽しくおいしく食べる食事こそが、一番健康にいいと私は思っています。野菜が足りないとか、脂が多いとかは、翌日にでも少し調整すれば大丈夫。お子さんのいる方も、いない方も、健康的な食卓がまず目指すのは「楽しい、おいしい食事」なのです。

(2023年2月18日付紙面より)