和歌山弁護士会と協定締結 (串本町 )
串本町は29日、和歌山弁護士会(山下俊治会長)と災害発生時における法律相談業務等に関する協定を締結した。
この協定は、災害時に起こるさまざまな民間トラブルの迅速かつ円滑な解決を図る体制づくりが目的。町が法律相談会を開く場合に弁護士会が無償で弁護士を派遣し、弁護士会が災害ADRを行う場合に町は会場の確保と広報に協力することをあらかじめ互いに確認する内容となっている。
災害ADRは、災害時の民事紛争を早期解決するため、弁護士が第三者として和解あっせん人になり公平中立な立場から相互和解による解決を目指す裁判外紛争解決手続きの手法。同弁護士会は同手続きの利用の促進に関する法律に基づき法務大臣認証を受けた団体が行う形を実践できる状況にあるという。
この日は同弁護士会の山下会長と災害対策委員会の九鬼周平委員長、柳川正剛副委員長、藤田隼輝委員が役場本庁を訪ね、田嶋勝正町長に面会。田嶋町長と山下会長名で協定書に署名した。
締結に当たり山下会長は東日本大震災や紀伊半島大水害などでの実務経験を思い返し「かねて任期中にこの協定を結びたいという思いがあった。今後は協定に基づく要請に速やかに協力できるよう努力したい」とコメント。田嶋町長は委員が事前に行った趣旨の説明に対する共感を伝え「この協定を心強く思う。今後もご指導をよろしく願いたい」と思いを交わした。
同弁護士会は本年度、県、和歌山市、田辺市、新宮市、那智勝浦町とこの協定を締結し、同日は同町に続いて上富田町とも締結した。来年度も順次締結を重ね、紀南の全自治体と協力関係を結ぶことを目指すという。
(2019年3月30日付紙面より)
平成30年度新宮市内優良従業員表彰式(市、新宮商工会議所主催)が27日、同市井の沢の新宮商工会議所であった。田岡実千年市長と関康之会頭が市内で10年以上勤務し、成績優秀と認めた20人に賞状と記念品を贈呈した。
関会頭は「多年にわたる皆さま方のご功績は大変意義深いもの。今後も他の従業員の模範として、より一層職務にご専念くださいますよう心からお願い申し上げますとともに、引き続き事業の繁栄とこの熊野地域、新宮のためにご尽力を」とあいさつ。
田岡市長は「会社や地域の発展のためにご尽力いただいていることに敬意と感謝を申し上げます。今後、皆さまのような方が一人でも多く増えて、市の経済が発展するように、後輩にもしっかりと引き継いでいただきたい」。
屋敷満雄・市議会議長は「地域経済は依然として厳しい状況。その中で表彰された皆さまは、経営者、同僚従業員にとって人望厚い立派なこと」。
濱口太史県議は「能力や技術だけでなく、お客さまや取引先とのコミュニケーションなどの面も高く、長く認められたということが表彰につながった」。
榎本伸・新宮税務署長は「今後も経験やノウハウを広げていただき、事業所の発展、地域の活性化のための活躍を期待」。
上野山勲・新宮公共職業安定所長は「地域の発展の一翼を担っているといっても過言ではない。受賞は周りの支えがあったことを忘れず、後進の育成にご尽力を」と祝辞を述べた。
受賞者代表の須川佳彦さんが「本日ここで皆さまからいただいた言葉を肝に銘じ、各自がさらに精進し努力していくべく心を新たにしています」と感謝した。
(2019年3月30日付紙面より)
春休みに親子連れら見物 (勝浦地方卸売市場 )
生鮮マグロの水揚げ量が国内有数の那智勝浦町築地の勝浦地方卸売市場では、春休みに入った頃から大物クロマグロが相次いで揚がり、市場を見学に訪れる観光客らを喜ばせている。28日は、315㌔の大物を含めクロマグロが計9本水揚げされた。21日と25日にも300㌔を超えるクロマグロが揚がった。
同市場に揚がるマグロ類は、資源に優しい「はえ縄漁」などによる釣りで取れたもの。1本ずつ丁寧に引き揚げられるため、肉質が良く刺し身などの生食に向いている。春休みに入り親子連れらの見物人が増え、同市場の2階展望デッキや第2売り場の様子が一望できる展望スペースが利用されている。
来月6日に両親とベトナムへ旅立つ石橋弘明君(11)は、東京都江東区から同市場を訪れた。市場関係者からマグロの生態や漁法について説明を受けた石橋君は、はえ縄漁で用いる釣り針を手に、この日揚がった最大の315㌔のクロマグロと記念撮影。「大きさに驚いたし、うれしかった」と笑顔を見せた。
(2019年3月30日付紙面より)
ホースセラピー牧場 (御浜町 )
御浜町阿田和のくまのグリーンファーム「ホースセラピー牧場」で23日、動物ふれあい体験フェアがあり、子どもたちが乗馬体験や馬の餌やりなどを楽しんだ。
同牧場では、馬と触れ合うことを目的とした体験プログラム「ホースセラピー」に取り組んでおり、セラピー用の馬を育成している。
普段は敷地内を開放していないが、今回は多くの人に楽しんでもらおうと、初めて公開。現在、ポニーのミーア、日本スポーツホース種のシーマ、双子のシバヤギ金太と銀太を飼育している。
乗馬体験では子どもたちがミーアの背中に乗って散歩した。餌やり体験も人気を集めた。
くまのグリーンファームのイチゴやミカン、ジュース、ジャムなどの他、アイス、焼き芋などが販売された。
新宮市元鍛治町から祖母の山口拓代さんと一緒に訪れた上岡然君(5)は、乗馬体験を楽しんだ後「馬はおとなしくてとても気持ちよかった」と笑顔を見せていた。
(2019年3月30日付紙面より)
被害想定し災害対策本部設営 (那智勝浦町立温泉病院 )
大規模地震による災害に備え、那智勝浦町立温泉病院(山本康久院長)は20日、同院2階大会議室で災害対応訓練を実施した。
災害派遣医療チーム(DMAT)のインストラクターで和歌山県立医科大学の助教・那須亨さんが、訓練を評価するコントローラーとして加わった。山本院長をはじめ、職員33人が参加した。
DMATは、災害急性期に活動できるトレーニングを受けた機動性を持つ医療チームと定義されている。医師、看護師と、それ以外の医療職ならびに事務職員で構成され、大規模災害や傷病者が多く発生した事故などの現場で、おおむね48時間以内に活動できる専門的な訓練を受けたチーム。阪神淡路大震災での被害教訓をもとに平成17年に発足した。災害時において平時の救急医療レベルを提供するため、多岐にわたる医療支援を行う。
訓練では、南海トラフ地震の発災1時間後を想定し、同院のマニュアルに基づき災害対策本部を設営した。ライフライン被害は▽建物の損壊なし、全館火災なし▽停電あり・自家発電運用中▽近隣断水、ガス漏れなし、携帯、衛星電話、ポケットWi―Fi(ワイファイ)以外の通信不可―などを想定した。
山本院長の発災宣言があり、院内から被害状況の第一報が次々に入った。本部員が対応に追われる中、余震が発生するなどの実際に起こり得るケースに基づいた訓練が行われた。
訓練後には反省会が開かれた。那須さんは、本部の運営改善や情報を時系列で記録するクロノロジーの活用を説き、「反省点は多くあるが、災害対策能力を高めるための第一歩。訓練に完成形はない。皆さんで考え、積み重ねることが大切」と講評した。
山本院長は「通常の業務を調整し、多くの参加を得ることができた。さまざまな課題が浮き彫りとなった。今日の反省を踏まえ、マニュアルの改善や実施頻度を検討する」と話した。
(2019年3月24日付紙面より)
王子ヶ浜少年消防クラブ修了式 (新宮市 )
新宮市消防本部で20日、王子ヶ浜少年消防クラブの修了式があった。クラブ員第6期生、市立王子ヶ浜小学校の6年生8人が証書を受け取った。
子どもの頃から正しい火災予防知識と技術を身に付け、学校や家庭で防火意識を高めるとともに、将来、火災予防を習慣として実行できる社会人になってもらおうと、昭和55年に前身の王子少年消防クラブを結成。小学校の統合に伴い、平成25年度から同クラブとして再スタートしている。これまでに火災予防研修や消火器の取り扱い、救急救命法などを学んできた。
一人一人に修了証書と記念品を手渡した内野井愼搾・市消防本部予防課長は1年の活動を振り返り「皆さんが体験、経験、学んだことを将来に生かし、地域防災活動の中心となる人になってほしい」と呼び掛けた。
委員長を務めた下古谷奏明君(12)は「どうなると火災が起きやすくなるのか、防ぐためにはどうすればよいかを楽しく学びました。取り組みを通じて、将来の私生活などに生かせれば」と話していた。
この日は午前中に防火ハイキングを実施。クラブ員たちは燃えやすいゴミや看板の設置確認などに取り組みながら同市の世界遺産・熊野古道「高野坂」を歩いた。
(2019年3月24日付紙面より)
御浜町で広報啓発活動
交通死亡事故が発生した御浜町阿田和の国道42号で22日、広報啓発活動があった。紀宝警察署と紀宝地区交通安全協会、同町が実施し、「交通安全ミルミルボード」を掲げて通行車両にシートベルトの着用徹底を呼び掛けた。
18日午後4時35分ごろ、同地区の国道42号で普通乗用車と大型貨物車が正面衝突する事故があり、乗用車後部座席に乗っていた熊野市の女性(75)が胸などを強く打ち、搬送先の病院で亡くなった。
啓発活動は交通事故の発生を抑止することが目的。関係者が歩道に並び、「シートベルト着用」などと書いたメッセージボードとのぼりを持ち、安全運転を訴えた。
同署地域交通課の横山哲也課長は「直線道路の国道42号は見通しが良く、スピードが出やすい。脇見運転に気を付けてもらいたい」と話していた。
(2019年3月24日付紙面より)
地域福祉活動計画推進委 (紀宝町 )
本年度3回目の地域福祉活動計画推進委員会が22日、紀宝町福祉センターであり、委員ら20人が地域共生社会について考えた。
活動計画は「みんながふだんのくらしをしあわせに感じるまちへ」を基本理念に、住民が主役となって紀宝町の生活と福祉の現状と施策について見直し、これからの取り組みを作っていく計画。現在、2020年度までの第2次計画を進めている。
委員会は同計画の進捗(しんちょく)を確認するもので、町社会福祉協議会、町福祉課、民生委員、住民代表らで組織している。今回は計画策定に携わってきた皇學館大学現代日本社会学科の大井智香子・准教授が講演した。
「我が事・丸ごと」「地域共生社会の実現」をテーマに、「日本は人口減少が進んでいるが、これからは1人暮らしが増え、世帯数が増加していく。今後、サービスの在り方も変わってくる」と説明した。
その上で、「人は1人で生きていけない。集団をつくって生きてきたはずだが、今は社会的孤立や地域コミュニティーの希薄などでつながりが薄くなった」。血縁、地縁の煩わしさからつながりを拒絶するケースも多いという。
▽「我が事」は住民の助け合い、支え合い▽「丸ごと」は多職種連携による縦割り解消―と紹介。支え合いの地域づくりに向けて「サービスではなくサポートを」と呼び掛けた。
(2019年3月24日付紙面より)