わかば園作業所で利用者ら (「御燈祭り」に向け )
新宮市木ノ川の社会福祉法人わかば福祉会「わかば園第二作業所」では、利用者たちが2月6日(月)の「御燈祭り」に向け、上がり子たちが使うたいまつを懸命に作っている。代参、小、大、特大の4種類を合わせて約500本作る。
障がい福祉サービス事業施設の同作業所は、2006(平成18)年から御燈祭り用のたいまつと白装束を製作している。利用者14人が作業していて、年々スピードアップしている。材料のヒノキは年間通じて集め、組み立ては毎年10月下旬から本格的に開始。作業所が所有する紀宝町神内など水田のワラを使って荒縄も作っている。
祭りに参加した経験があるという利用者の大浦晃士さん(31)は、主にたいまつの先端に「ハナ」を付ける作業に取り組んでいる。「自分で作ったたいまつで参加できたのがうれしかった。作業はだいぶ慣れてきました」
製作を指導しているサービス管理責任者の瀬田幸司さん(44)は生まれも育ちも新宮。「地元の祭りに関われることを誇りに思っています。この時季になると利用者も私もみんなワクワクしています」と話していた。
作業所では、わらじ、巾着なども取り扱っていて、市内大型スーパーで今週末ぐらいから販売。売上金は利用者たちの給料に反映される。問い合わせは同所(電話0735・31・5735/FAX0735・29・7638)まで。
(2017年1月19日付紙面より)
災害復興願いチャリティー (新宮市 )
新宮市佐野の佐野会館で15日、インド式ヨガ教室のギリ・ガネーシュ代表(44)と親交のある新宮高校2年の藏本梨奈さん(17)によるチャリティー「インド式ヨガ&フラ新宮」が開催された。約30人が参加し、体を動かしてリフレッシュした。
平成23年9月に起きた紀伊半島大水害を忘れないためのチャリティー。近畿南部に訪れたときに、まだ工事や災害復興に皆の力が必要だと思い企画された。
2人は昨年5月に海南市で開かれたイベントで知り合った。今回新宮でチャリティーを開くにあたり、ギリさんから協力を呼び掛けた。
ギリさんは「ヨガは5000年以上前に、ヒマラヤ山脈の仏教僧が修行場所の寒さに打ち勝つために始めた」と述べ、ヨガの効果や健康法などを話しながら体の動かし方を指導した。
藏本さんは「少しでもフラを知っていただいて、楽しさを知ってもらえたら」とあいさつし、踊りのコツを教えた。
昼食会もあり、ギリさんが前日から準備していたカレーとチャイティーが振る舞われた。来賓に田岡実千年市長を招き、チャリティーで集まった5万円を手渡した。
ギリさんは、和歌山市在住のインド式ヨガ代表。2015紀の国わかやま国体PR大使も務め、平成25年に新宮で国体PRの無料ヨガ体験を開いた。
(2017年1月19日付紙面より)
宇久井小で防煙教室
那智勝浦町立宇久井小学校(山本健策校長)で17日、防煙教室が開かれた。東牟婁振興局健康福祉部の藤田まなみさんが、4年生16人にたばこの危険性を説いた。
この授業は新宮保健所管内の小中高校を対象に、健康増進事業の一環で行われている。平成14年に新宮市内の中学生の喫煙経験率が30・6%と高かったことを受け、活動を活発化させた。以降、経験率は下がり、平成25年には3・1%まで低下している。
たばこの毒性を訴えるビデオを鑑賞した後、藤田さんは「たばこは毒の缶詰とも呼ばれている」と講話。たばこの3大有害物質であるニコチン、タール、一酸化炭素の危険性を話した。妊婦の喫煙は胎児に悪影響があるとし、フィルター越しに吸い込む主流煙より副流煙の方が体に悪いと教えた。
(2017年1月19日付紙面より)
鍋グランプリへ出品 (古座川町商工会全国展開事業委 )
古座川町商工会(小原周作会長)の第6回調査研究事業全国展開事業委員会(高橋太一郎委員長)が13日、同町の南紀月の瀬温泉「ぼたん荘」で開かれ、委員らが「ニッポン全国鍋グランプリ」へ出品するオリジナル鍋料理「うずみ鍋」を試食した。鍋グランプリは28日(土)、29日(日)に埼玉県和光市で開かれる。委員らは古座川の「食」を全国へアピールしようと料理の改善点などについて意見を出し合った。
うずみ鍋は同町平井の郷土料理「うずみ膳」を元に同委員会の委員でぼたん荘の深海政也料理長を中心に作った。アユの骨から出汁を取り、アユのつみれ、シカのつみれ、シイタケなどが入った古座川町の山の幸、川の幸を味わえる鍋。委員の県トップブランド創出事業アドバイザーの早﨑昭夫さんらが試食した。
委員会ではアユとニホンミツバチの蜂蜜のアンケート調査の内容も検討した。料理の写真を添付し、食べたいかどうかなど五つの選択枝を選ぶもの。近畿地方の1年以内に国内旅行をした人を調査対象に200人から取る予定。
観光素材についても話し合った。早﨑さんは「現代の日本人が捨ててしまったものを古座川では守っているなど、ここにしかないものが旅行客を感動させる」とアドバイスし、観光客のターゲットを絞り、実現可能なプランを立てていく方向性を示した。増加する外国人旅行客(インバウンド)の取り込みについても早﨑さんは「日本の食文化が古座川で食べられるとなれば来る」と話した。ツアーの具体的な例として「一枚岩」や「虫喰(むしくい)岩」などを巡る「岩巡り」、滝の拝やまぼろしの滝を巡る「滝巡り」などが挙がった。
同町商工会が全国商工会連合会の補助を受けて認証制度の整備を進める全国展開事業の委員会も16日に開かれた。同委員会が作成したロゴマークとニホンミツバチの「熊野和蜜」などの商標登録へ向け、一般社団法人和歌山県発明協会から担当者を招き、アドバイスを受けた。
同協会から窓口支援担当者の佐薙(さなぎ)英明さん、普及啓発等業務担当の平松久典さんが訪れた。佐薙さんらは特許庁のホームページを使って商標登録を細かく検索する方法などを解説した。
委員会が進めてきた同町の天然アユとニホンミツバチをPRするホームページも紹介された。日本養蜂学会誌で同町産の蜂蜜は農薬が不検出で安全性と品質の高い蜂蜜である研究成果が掲載されることの報告もあった。
蜂蜜については、古座川ブランドを認証する基準などを紹介したチラシが完成。2月2日に大阪市で開かれる「第11回和歌山産品商談会in大阪」、同月15日から17日にかけて開かれる「スーパーマーケット・トレードショー2017」でPRする。
(2017年1月19日付紙面より)
伝統芸能大会実行委員会 (新宮市 )
新宮市伝統芸能大会実行委員会(海野千鶴子委員長)は16日、市役所西別館で29日(日)開催の「新宮市伝統芸能大会」6回目の会を開いた。参加団体の代表者らが出席し、当日の役割分担や動きなどを確認した。市民会館が文化複合施設の建設に伴い取り壊されたことを受け、今年は熊野川町の熊野川総合開発センターで開催する。
大会は伝統芸能に関わる団体の相互交流と継承、普及のために日頃の活動を発表することで、広く一般の人が鑑賞する機会を設け、市や周辺地域の文化振興に役立てようとするもの。
海野委員長が市文化協会所属団体で何かできないかと呼び掛け、2010年から始まった。本年度で8回目を迎える。4回目からは、市が所属団体らでつくる実行委に運営を委託している。
この日は会場準備やリハーサルと当日の進行確認、必要な道具や作業割り当てなどを話し合った。海野委員長は「昨年から会議をしてきた。28日のリハーサル、29日の本番に向けて詰めていきたい」とあいさつ。
「熊野川町での開催となりましたが、団体も機嫌よく参加してくれてありがたい。市民会館が使えないからといって絶やすわけにはいかない。熊野川町、佐野区や三輪崎区などの会館を利用しながら市民会館の落成まで頑張りたい。市内や近隣住民の皆さんに喜んでもらいたい」と話した。
当日は午後1時、熊野川総合開発センターで開演。入場無料。▽井谷豊優扇会▽(公・社)関西吟詩文化協会・華城会▽香扇会▽紫海流詩吟会▽藤紀和会▽西川流友千恵会▽若柳流若吉会―の7団体が出演する。
(2017年1月18日付紙面より)
仲之町商店街に登場 (「御燈祭り」を前に )
新宮市の神倉神社で2月6日(月)に営まれる「御燈祭り」を前に仲之町商店街振興組合(勢古啓子理事長)が、長さ約370㍍のアーケードに長さ1・8㍍のジャンボたいまつを6本設置した=写真。
祭りを盛り上げようと20年以上前から毎年この時季に取り付けている。組合員たちが傷みを補修しながらつるしていて、側面には「世界平和」「商売繁盛」「天下泰平」などと書いている。
勢古理事長は「今年は東京の知り合いが祭りに参加する予定です。遠いところから来た人が新宮の良さを体験してくれることは非常にうれしいです。商店街のにぎわいにもつながればありがたいと思います」
JR新宮駅構内の市観光協会事務局には祭りが近づくにつれ、県内外から祭りに関する問い合わせの電話が増えている。「たいまつや白装束はどこで買うのか」「どこから見学できるのか」「宿泊施設はあるのか」などが多いという。
(2017年1月18日付紙面より)
創建1700年祝い生産組合 (熊野那智大社 )
那智勝浦町苺(いちご)生産組合(杉浦仁組合長)、みくまの農業協同組合(村上幸弘代表理事組合長)は15日、創建1700年を迎えた熊野那智大社(男成洋三宮司)にイチゴのオリジナル品種「まりひめ」を奉納した。苺生産組合のマスコットキャラクター「まりりん」と平安衣装姿の町観光協会の女性スタッフらも参加し、イチゴにちなみ参拝客150人にまりひめをプレゼントした。
新宮・東牟婁地域のイチゴ栽培は昭和38年から始まり、最盛期には生産者45人、栽培面積4・5㌶に達するほどだったが、近年の生産者の高齢化などにより栽培が減少し、平成23年の紀伊半島大水害で農家が大きな被害を受けた。しかし、災害復旧支援事業の導入などにより若い人たちを中心に再建されている。まりひめは紀州の伝統工芸品「紀州てまり」にちなみ、かわいらしく皆に愛されるよう命名された。紅色が鮮やかで、酸味が少ない品種。
奉納には杉浦組合長、村上組合長、町観光協会の花井啓州会長ら約20人が参列した。男成宮司は「創建1700年を迎え、イチゴを奉納いただきありがたい。五穀豊穣(ほうじょう)を祈願した」と感謝。杉浦組合長は「現在イチゴ農家は少なく8軒で栽培面積も約80㌃だが、昨年12月から今年5月の連休ごろまで約20㌧を精算する見込み。まずは地元の方々に広く知ってもらい、栽培面積を広げていきたい」と豊富を語った。
(2017年1月18日付紙面より)
町内各地で防災の取り組み (串本町 )
阪神淡路大震災から22年―。防災とボランティアの日の17日、串本町内でも複数の防災の取り組みがあり、日頃の意識を高める契機とされた。
串本警察署(久保隆作署長)は抜き打ちの非常参集訓練を実施。南海トラフを震源とするマグニチュード8・7の地震発生を想定し、午前7時30分に県警緊急連絡システムメールで自主参集を指示した。
署員は自身や家族など身近な情報を同メールの投稿フォームで返信して行動を開始。早い者で5分、15分前後にピークに達し30分で署長以下訓練参加署員45人がほぼ参集を完了した。署員は参集報告後、来る途中のまちの状況を津波ハザードマップ上に書き込み、初期対応に向けた被災状況の把握にも努めた。
同署は海抜約3㍍に立地。津波による浸水に備えて同町サンゴ台に代替指揮所を有するが、いずれに参集するかの判断も含めての自主参集。署員にはケース・バイ・ケースの対応マニュアルが配られていて、これを指針にして取るべき行動を判断するという。
訓練を終えて久保署長は、自主参集にあたっては自身の安否や住民の避難誘導が優先的に必要になるなどさまざまなケースが考えられることを示唆し「組織、部隊の一員として臨機応変かつ自主的に現場を想定して真摯に取り組んでほしい」と呼び掛けた。
同署は非常参集訓練の他、代替指揮所において装備資機材取り扱い習熟訓練やすさみ幹部交番、江住警察官駐在所、佐田警察官駐在所の勤務員を対象にした被害情報収集訓練にも取り組んだ。
NPO法人あったカフェ(岩﨑ひろみ代表)は旧養春小学校で防災学習会「ママの防災」に取り組み、未就園児とその家族11組24人が役立つ知識の習得に努めた。
この日は講師3人を招き、役場総務課防災・防犯グループの枠谷徳彦グループ長から南海トラフを震源とする大地震の概要や各種補助制度など、新宮保健所串本支所の西之坊純子主査から熊本地震後の被災地派遣で見た福祉避難所運営の状況など、串本警察署の磯博文警備課長から非常持ち出し袋の内容や災害種別の避難行動時のポイントなどを教わり、身近に感じる疑問について質問を寄せるなどした。
終盤では岩﨑代表自ら簡易オムツの作り方や少量の水で炊飯する方法、哺乳瓶がない時の授乳の知恵、子どものために入れておくべき非常持ち出し品などを紹介。乾パンや簡易スープの試食や同小学校そばの津波避難場所の確認などにも取り組んだ。
今回の学習について岩﨑代表は「日頃の防災意識に加えて、母親として知っておきたいことを伝えるために計画した。いろいろな話をお伺いして勉強になったし、私たちスタッフも意識がいっそう高まった」と話した。
この日午後は同町立潮岬幼稚園(南君子園長)も高台への避難訓練に取り組み、その後は同署協力により県警マスコットキャラクター「きしゅう君」を交えた園児参加型の防災啓発にも参加した。
(2017年1月18日付紙面より)
那智勝浦FCの畑下葵君