年内に市内全域へ (新宮市 )
新宮市と新宮郵便局は現在、QRコードおよび海抜表示付き郵便ポストの更新作業を実施している。28日には同市伊佐田町の新宮郵便局前ポストで竹田和之・防災対策課長と間嶋義則・新宮郵便局長がQRコードシートを貼り替えた。年内をめどに市内99カ所の全ポストへの更新作業を行っていく。
郵便ポストへのQRコード貼付は、昨年3月から共同実施している「災害・観光・郵便局のPR」を兼ねた取り組み。
このたびの貼り替えは防災情報を最新版である「Web(ウェブ)版新宮市ハザードマップ」にリンクするためのQRコード更新に伴うもの。更新前は市内避難所・避難場所の一覧表示だったが、貼り替え後は位置情報を利用し、現在地の危険性を瞬時に確認することができる。
郵便ポストにQRコードと海抜情報を貼付することで市民はもちろん、土地に不慣れな観光客もいざというときはスマートフォンなどでQRコードを読み込むことによってハザードマップに接続が可能。ポストの位置から現在地の津波の浸水深、最寄りの避難場所などを確認することができる(位置情報を取得するためにはブラウザの位置情報をオンにしておく必要がある)。
間嶋新宮郵便局長は「新型コロナウイルスが終息したら多くの観光客が新宮市を訪れると思う。歩いて観光する人も多く、その際は防災・観光情報などの取得に活用いただければ」と話している。
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■Web版新宮市ハザードマップ
新宮市では、昨年5月から「Web版新宮市ハザードマップ」のサービスを開始している。洪水浸水想定区域や浸水被害実績、津波浸水想定区域、土砂災害警戒区域、避難所の位置などを選択して確認できるほか、洪水時や津波時の「逃げどき判定」ができる機能も備えられている。
多言語(日本語、英語、中国語、韓国語)にも対応。パソコンやスマートフォン、タブレット端末で閲覧ができる。市では「Web版新宮市ハザードマップを事前にお使いいただき、避難の際に役立てて」と活用を呼び掛けている。
(2021年9月30日付紙面より)
「社会奉仕の日」に合わせて (紀宝町 )
全国老人クラブ連合会が定めた全国一斉「社会奉仕の日」の取り組みとして、紀宝町鵜殿の老人クラブ「讃寿会(さんじゅかい)」(牧戸光彦会長)は28日、同地区の中曽公園で清掃活動を実施した。
社会奉仕の日(9月20日)は、地域社会に対する感謝と地域の担い手としての活力を示すことが目的。「きれいな地球を子どもたちへ」をスローガンに、全国各地で「花のあるまち、ゴミのないまち」を目指した美化活動、環境活動が展開されている。
同会では30年ほど前から「社会奉仕の日」と3月、7月の年3回、ボランティアで清掃に取り組んでいる。
今回は約30人が参加し、午前7時から作業を進めた。草刈り機で公園内の雑草を刈り取り、雑草を集めてビニール袋に回収するなどして約2時間で清掃を終えた。
牧戸会長は「前日から作業してくれた有志会員や参加してくれた会員のおかげでスムーズに作業を終えることができた」と話していた。
(2021年9月30日付紙面より)
すさみ串本道路田並中ノ谷地区進入路工事を請け負う木下建設株式会社が27日、串本町立串本西中学校(平原良一校長、生徒29人)を招いて現場見学会を開いた。
同社が住民に身近な工事を知ってほしいという思いで現場最寄りの同校に提案し、同校は校外の職場に触れキャリア教育を進める良い機会として招待を希望。双方、時節柄の新型コロナウイルス感染症対策を十分に講じた上で現場見学会実施へとこぎ着けた。
先んじて25日に同町の12~15歳対象新型コロナワクチン集団接種〈2回目〉があった影響で参加できた生徒は18人。スクールバスで国道42号沿いの出入り口から作業用道路経由で同社田並中ノ谷作業所(得能晃所長)を訪ね、得能所長ら社員の歓迎を受けて現場見学会に臨んだ。
得能所長による現場や見学の概要説明を経て、序盤は国土交通省紀南河川国道事務所の田中富博建設監督官がすさみ串本道路の概要を紹介。中盤は同社が準備した▽ICT建機操縦▽調査用ドローン操縦▽鉄筋組み―の各体験提供で、生徒は学年別に分かれローテーションして一通り挑戦した。終盤は工事中に心掛けていることややりがい、すさみ串本道路事業の全体像や予算規模など同校が事前に寄せた質問事項に答えて生徒の理解を後押しした。
一連の体験を経て河田栞奈さん(3年)は「ドローンで遠くまで見渡せるのが楽しかった。来る途中でいろいろな現場を見てきたけれど、難しい作業も多そうで大変だろうなと感じた。そのような仕事に頑張ってくれている皆さんと接してとてもかっこいいと思った」と印象をコメント。得能所長は「まずは学校に身近な所でしている工事や働く人々に関心を持ってもらえれば」と生徒の今後を期待し、平原校長は「校内では伝えることしかできない校外の職場をじかに見させていただけたことは、生徒の将来に対する視野を広め目標にバリエーションをもたらす。生徒の目指す将来はそれぞれなので土木分野に就くかどうかは別として、頂いた経験は今後の進路選択の中で必ず生きてくると思う」と同社の招待に感謝しつつ生徒の体験を後押ししていた。
(2021年9月30日付紙面より)
新クリーンセンター建設地 (那智勝浦町 )
那智勝浦町二河に建設される新クリーンセンターの敷地造成工事がこのほど、終了した。当初は今年5月に終了予定だったが、資材調達などに時間を要したため約3カ月の延長となっていた。令和7年度の稼働開始に向け、一歩進んだ形となった。
同町によると、工事では排水溝を設置し、谷を埋め立てて平地を造成。敷地面積は約8800平方㍍で、本年度中に工事業者の入札を実施するという。
施設本体工事は業者選定後、来年12月ごろから開始する予定。6年度(7年3月)中に工事を終え、7年度の稼働を目指すとしている。
担当職員は、新クリーンセンターは将来の人口減少やごみ量も予測して建設するとし、「1日当たりのごみ処理量は旧クリーンセンターが約50㌧だったが、新クリーンセンターは約23㌧の能力となる。人口に合わせて施設の規模も小さくなる」と話していた。
(2021年9月30日付紙面より)
広角南交差点、信号機表示変更へ (新宮警察署 )
国道42号、広角南交差点(新宮市)の信号機の表示方法が今月30日の夕方ごろから変更となる。変更に伴い、同交差点は同日午後2時ごろより切り替え工事を実施。新宮警察署では「工事中は渋滞が発生する可能性もあるが、警察の指示に従って安全運転に協力を」と呼び掛けている。
現在、青信号で直進左折車と右折車が同時通行となる同交差点。直進車と右折車の接触事故が絶えず、令和2年中(1~12月)には人身事故1件、物損事故7件が発生。今年1月から8月末にかけては人身事故の発生はなかったものの、10件の物損事故が発生している。
信号機の表示切り替えは、右折車と直進車の接触を避けるなど、交通事故を一件でも減らすために講じられるもので、切り替えにかかる工事は数時間を予定しているという。改良後には矢印信号により直進左折車と右折車が分離となる。
同署の楠間慎也交通課長は「交通状況の改良のためということにご理解を。ご迷惑をお掛けするかもしれないが、矢印信号に従って安全運転で通行していただければ」と話している。
(2021年9月23日付紙面より)
昨年度うどの幼保護者ら要望 (紀宝町 )
昨年度の紀宝町立うどの幼稚園の保護者らが21日、紀宝町役場で西田健町長と面会し、184世帯479人分の署名を添えて防災公園の設置を要望した。
既存の公園の老朽化やコンビニがたまり場になっていること、室内でのゲーム遊びに依存しがちになっている現状を踏まえ、令和2年度の同園PTA役員会が、3月から町内の子育て世代への署名活動を行った。
新年度になったため、名称を「防災公園設立委員会」とし、子どもが安心して遊べる場所づくりを求めて取り組んでいる。
要望では▽子どもが徒歩や自転車で行ける場所への設置▽安全に自転車の練習ができる広さがあること▽子どもから高齢者までが集える環境であること▽災害時にも活用できる機能があること―などを訴えた。
この日は、委員長で同PTA前会長の中澤武さん、副委員長の中村和隆さんが訪れ、西田町長に要望書を渡し、意見を交わした。
中澤さんは「子どもとお年寄りが寄り添えるような場所にしたい。次世代に地元にいてもらえるような起爆剤になり、地方創生に結び付けばいい」と伝えた。中村さんも「大人の目が届き、安心して遊べる場所に公園をつくってほしい」と話した。
西田町長は「紀宝町に住んでもらいたいというのが原点で、このまちで安心して子育てをしていってほしい。気持ちはしっかり受け止めたい」と答えた。
同町によると、町内に公園は条例化されていない4カ所を含めて18カ所ある。地区別では、鵜殿10カ所、井田2カ所、神内1カ所、成川1カ所、鮒田2カ所、大里2カ所となっている。
(2021年9月23日付紙面より)
秋の交通安全運動で啓発 (串本町 )
正しい交通ルールの順守とマナーの実践を呼び掛ける「秋の全国交通安全運動」が21日、始まった。串本町くじ野川の橋杭海水浴場駐車場では街頭啓発があり、関係者らが物資を配布しドライバーへ安全運転や交通ルールの順守などを求めた。
同運動は30日(木)までの10日間。県内では▽子どもと高齢者をはじめとする歩行者の安全の確保▽夕暮れ時と夜間の事故防止と歩行者などの保護など安全運転意識の向上▽自転車の安全確保と交通ルール順守の徹底▽飲酒運転などの悪質・危険な運転の根絶―を重点にし活動が行われる。
この啓発では交通事故をなくする県民運動推進協議会串本地区連合会の事務局・東牟婁振興局串本建設部、串本警察署、町交通指導員会、串本地区交通安全母の会、町などの関係者らが参加。同連合会会長の久保浩也・串本建設部長は重点を挙げ、秋の行楽シーズンで交通量も増加することから交通安全運動の取り組みの効果で事故が少しでも減少すればと述べた。
同町の平井治司副町長は「運動期間中はもとより、日頃からも町において職員一丸となり交通ルールを順守するとともに、マナーの向上に努め、交通事故防止活動に積極的に参加し、町民の模範となるよう努力していきたい」。
串本警察署の泉政勝署長は8月末現在の管内の交通事故発生状況を人身事故12件、物損329件の計341件で昨年同期と比較し微増していると説明。うち8割近くが地域住民の関わる事故となっており、啓発活動を通じ地元住民に「安全運動なんや。気を付けて運転せなあかん」と思ってもらうことに価値があると呼び掛けた。
あいさつ後、パトカーや白バイがそれぞれパトロールに出発。以降ドライバーを駐車場に誘導し、物資を手渡すと「交通安全運動です」と声を掛けるなどして注意を促した。
(2021年9月23日付紙面より)
秋の海ごみゼロウイーク (那智勝浦町 )
日本財団「海と日本PROJECT」と環境省などが実施する全国一斉清掃キャンペーン「秋の海ごみゼロウイーク」にエントリーした「かつうら渚(なぎさ)の会」(猪飼伸会長)は19日、那智勝浦町のブルービーチ那智で清掃活動に取り組んだ。会員や一般参加者など45人ほどが集まり、マスク着用や3密に注意するなど新型コロナウイルス感染症対策を施して作業に汗を流した。
清掃キャンペーンは同財団らが海洋ごみ問題の周知啓発と海洋ごみの流出を少しでも防ぐことを目的に、「ごみゼロの日」の5月30日から6月8日の「世界海洋デー」前後を「春の海ごみゼロウイーク」、9月18日の「ワールドクリーンアップデー」から26日までを「秋の海ごみゼロウイーク」と定めている。渚の会は春にもエントリーし、約100人が参加して海岸をきれいにした。
前回と同様にキャンペーンの必須アイテムである青色の服やタオル、帽子などを身に着けた参加者が協力し合って海藻や流木などの漂着物やごみを拾った。
同会の濵邊誠治副会長は「天気や潮によって漂着物の量は違うが、有名な那智の浜をきれいにすると気持ちがいい」。
猪飼会長は「次回からは那智浜での清掃はザルなどを使って少しでも砂を減らさないようにしようと思う。若い世代の参加者が増えてくれてうれしい。子どもから大人まで皆さんで町の海をきれいにしていきたい」と語った。
(2021年9月23日付紙面より)
紀伊風土記の丘で特別展 (三輪崎小 )
和歌山市の県立紀伊風土記の丘で開館50周年を記念した令和3年度秋期特別展「海に挑み、海をひらく―きのくに七千年の文化交流史―」が10月2日(土)から12月5日(日)まで開催される。新宮市立三輪崎小学校でこのほど、展示品として同校所蔵のモリを貸し出し提供すべく、梱包(こんぽう)作業が行われた。
同展は紀伊半島の沿岸に暮らした先人たちや海の歴史を考古学と民俗学の観点から紹介することがテーマ。和歌山県発祥の漁業にもスポットを当て、改良を重ねた技術が全国各地に伝わったことや、新宮・東牟婁含む県内各地の漁具や資料などが展示される。
同校のモリ2本は寄贈されたもので、捕鯨を行っていた三輪崎組の紋「三つの輪」が刻まれている。このモリに加え、クジラのひげや疑似餌などが貸し出しされる。
三輪崎区や三輪崎郷土芸能保存会、三輪崎漁業協同組合も協力。「鯨踊りの衣装」や「捕鯨に関する写真」「一本釣りに使用した竹の釣り竿」なども展示されるという。
紀伊風土記の丘の主査学芸員・蘇理(そり)剛志さんは「県内では江戸時代から明治半ばまで捕鯨をやってきたのが、太地や古座、三輪崎。紆余(うよ)曲折を経て、約300年にわたり、行ってきた文化が残っている。三輪崎の捕鯨はなくなったが、鯨踊りなど、さまざまな形で伝統が引き継がれ、地域の誇りになっている」。
モリについては「古式捕鯨時代のもの。形も古く、数も残っていない。古くからある三輪崎鍛冶にもつながる。鉄を加工する技術あってこその捕鯨。このモリは重要なものだと思う」と話した。
嶋田雅昭校長は「当校は三輪崎郷土芸能保存会の皆さまから鯨踊りや捕鯨について教えていただいているため、児童も三輪崎の捕鯨文化に触れることができている。価値のあるモリなどを多くの方々に見ていただけるのはうれしい」。
児童に対しては「博物館に展示されるほどの貴重な物が学校にあるということを児童にも伝えたい。県内での修学旅行になるため、行き先の一つとして展示を見に行くことも検討している」と語った。
なお、太地町の鯨舟の模型や鯨絵巻、串本町の河内祭の道具なども展示される予定。
(2021年9月19日付紙面より)
相須地区でいきいきサロン (新宮市熊野川町 )
新宮市熊野川町の相須集会所で16日、「ふれあいいきいきサロン」があった。地域住民5人が参加し、防災クイズを交えてコロナ禍の避難について考えた。
サロンは地域のコミュニティーづくりや介護・寝たきり防止、1人暮らしの人への見守りなどを目的に、区と市社会福祉協議会が協力して開いている。新宮市の施設利用再開を受け、手指消毒や参加者全員の検温、マスク着用などの感染対策を取りながら実施した。
この日は市社協熊野川ステーションの大江真季さんが、コロナ禍中に災害が発生して避難所生活を送ることになったときの備えについて講話。「災害時は危険な場所から避難するのが原則だが、食料や水に加えてマスク、アルコール消毒液、体温計などの感染対策用品を持ち出し袋へ入れておくことが大事。9月の防災月間に合わせて市内のスーパーマーケットに防災用品コーナーができているので、一度見に行ってみて」と呼び掛けた。
「高齢の方や足の悪い人は警戒レベル3の『避難準備・高齢者等避難開始』のときにはもう避難しておいてほしい」と言い、改めて早期避難の重要性を伝えた。
住民からは「紀伊半島大水害の時、なかなか救援物資が届かず難儀した」「自分の身は自分で守らなければ」との声があった。
(2021年9月19日付紙面より)
宇久井神社例大祭・宵宮祭 (那智勝浦町 )
那智勝浦町の宇久井神社(男成洋三宮司)例大祭の宵宮祭が17日夜、本殿であった。例年多くの人でにぎわうが、昨年に引き続き、新型コロナウイルス感染拡大防止のため宵宮と本宮の規模を縮小。神職や祭典役員、党家講など関係者ら約20人が参列して厳かに式典が斎行された。
例年の宵宮では、式典後に宇久井青年会と秋葉会による神楽の奉納や宇久井婦人会による踊りが場を盛り上げ、盛大に餅まきが行われているが、昨年、今年は取りやめとなった。
台風接近の影響で雨が降る中、式典が進められた。熊野那智大社から出仕した伊藤士騎禰宜が神事を執り行い、祝詞を奏上。出席者が玉串をささげた。
式典後の神酒拝載では伊藤禰宜が「コロナが終息に向かいまして、活気あふれる宇久井のお祭りが復活することを心よりお祈りしております」と述べ、一同、手にした杯で乾杯した。
祭典委員長の亀井二三男さんは「残念ながら省略した形での宵宮祭となった。昨年は当地域でのコロナの影響は少なかった。来年こそはと思っていたが、感染が広がり今年も縮小する形となった。2年はわれわれにとっては大きな年。祭典関係者の高齢化も進む中、2年間休んで来年は体力的に大丈夫だろうかとの懸念もある」。
来年については「地域の祭りは氏子の方々にとって大切なもの、決断は心苦しかった。今回の祝詞にもコロナ終息の思いを込めていただいた。来年こそは皆さまの豊漁や健康を祈り、盛大にやっていきたい」と意気込みを語った。
(2021年9月19日付紙面より)
4年生が「鵜殿ばやし」を練習 (鵜殿小 )
新型コロナウイルス感染症の影響で、多くの祭り、イベントが規模縮小や中止を余儀なくされ、紀宝町鵜殿地区で毎年11月22、23日に開催される「うどのまつり」も2年連続の中止が決まった。
秋を彩る「うどのまつり」は、鵜殿ばやしの手踊りが練り歩き、熊野水軍太鼓の演奏、諸手船(もろとぶね)をかたどったダンジリの上でハリハリ踊りを披露するなど、毎年、地区内が祭り一色に包まれる。
鵜殿ばやしは1992年に誕生し、96年に保存会が発足。うどのまつりや紀宝みなとフェスティバルなどで披露し、町村合併以前の旧鵜殿村運動会でも住民総出で踊ったという。
その地域の伝統踊りを子どもたちに継承してもらおうと、町立鵜殿小学校では毎年、運動会で4年生のプログラムに組み込んできた。
昨年は新型コロナの影響もあって運動会で披露する機会がなかったが、今年は10月2日(土)の運動会で2年ぶりに復活する。
本番に向け、4年生35人が保存会のメンバーに踊りを教わりながら練習に励んでいる。15日にはメンバー4人が訪れ、細かい動きを丁寧に指導した。
「沖を眺める」「網をたぐり寄せる」など漁師のしぐさを盛り込んだ男踊り。手を上げる角度や指先の力の入れ方など、難しい動作も多く、児童たちはアドバイスを受けながら覚えていった。今後も本番まで練習を重ねるという。
メンバーの松元美国さんは「現在の保存会メンバーは20人ほど。昨年から鵜殿ばやしを披露する場がなくなり、踊りを知っている子どもも少なくなってきた。鵜殿の伝統を引き継いでもらい、来年、祭りが開催されれば参加してもらいたい」と話していた。
女子児童は「踊りは難しいけど、頑張って運動会までに覚えたい」と笑顔を見せていた。
(2021年9月19日付紙面より)
「色川地ビールを育てる会」が会員募集 (那智勝浦町 )
「最初は僕たちや皆さんで楽しむビール。将来的には色川の仕事の一つにつながるビールになれば」。そう話すのは那智勝浦町小阪区長の峯茂喜さん(66)と和歌山大学観光学部4年の藤本多敬(かずひろ)さん(22)だ。二人が共同代表を務める色川クラフトビールプロジェクトはこのほど、色川地域の茶を用いた地ビールを試作。今後のさらなる生産拡大や地域おこしのために「色川地ビールを育てる会」を組織した。峯さんが会長、藤本さんが副会長を務め、現在会員を募集している。なお、酒税法の関係から、販売は行ってない。
藤本さんは3年前に和大の地域インターンシッププログラムで色川地域を訪れ、峯さんと出会った。同伴していた此松昌彦教授が高野山の地ビールづくりにも関わっており「色川でビールをつくれば良いものができるのでは」と提案した。
二人は意見交換や会議を重ね、学生や町民も参加する中、今年4月からプロジェクトを開始。非営利の育てる会では経費を会員(割り勘仲間)自身が負担し、完成したビールを楽しむという。
同地域の一部は世界遺産「那智の滝」の源流の水を使用している。今後、ビールの原料にはその水と同地域で収穫される茶やユズ、ブルーベリーなどを用いる予定。醸造は和歌山市の和歌山ブルワリーに委託する。峯さんによると、試作品は住民らに好評だったという。
本格的な初回生産は12月で、同地域のほうじ茶を使用する。その後は3カ月ごとに用いる産品を変更する方針だ。1回の生産で完成する330㍉㍑の瓶ビール約380本を会員で分ける仕組み。今後はラベルにもこだわり、一目で色川を連想できるようなものを作るという。
活動は1年間限定としており、「ビールづくりが色川の仕事になることが目標。全国には色川のファンも多い。地ビールを仲介し、人と色川をつなげる存在になってほしい」と二人。
藤本さんは「将来的には色川に醸造場ができて、地ビールで地域おこしができれば。ジビエとのセットも魅力的だと思う。地域の中でお金が循環するようなきっかけづくりになれば」。
峯さんは「農業をしたい移住者も多いが、収入面などの課題がある。それらの解決につながるのでは。『旅行者が地ビールを求めて旅をする』という言葉もある。多くの方々が地ビールを求めて色川を訪れてくれたらうれしい」とそれぞれ語った。
会員になるには申し込みが必要で分担金は1口1500円。すでに他府県からの申し込みもあるという。会員同士のオンラインによる飲み会も検討しているとのこと。
問い合わせは同プロジェクト(電話090・1893・6900)、メール(irokawa.craft.beer@gmail.com)まで。
(2021年9月18日付紙面より)
哲泉流南紀清流支部が披露 (紀宝町 )
哲泉流和歌山県支部連合南紀清流支部が15日、毎月恒例の集い「カフェいっぷく亭」に招かれ、紀宝町福祉センターで詩舞と江戸芸かっぽれを披露した。
いっぷく亭は参加者同士やスタッフと日頃の思いを話し合い、交流を深める場。毎回、検温、手指消毒など感染症対策を講じ、手の平体操やさまざまなゲームを楽しんでいる。
南紀清流支部には講師の荘司瀞扇さんをはじめ、6~86歳の12人が所属。今回は人数を限定し、5人が訪問した。
詩舞は吟詠に合わせて扇を使って舞う日本の伝統芸能。「武田節」「東風吹かば」「川中島」「名槍日本号」「英霊南より還る」を華麗に舞い、扇で詩吟を表現した。
かっぽれは、無形文化財の「住吉踊り」がルーツと伝わる大道芸、お座敷芸の一つ。「茄子と南瓜」「かっぽれ」の2演目を見せた。
いっぷく亭の参加者らは静かに舞を見入り、大きな拍手を送った。最後はスタッフの橋本純子さんが「お上手で目の保養をさせていただき、ありがとうございました。これからも頑張ってください」と伝えた。
荘司さんは「コロナ禍以前はたくさんのコンクールがあったが、今は全国的に中止になっている。お声掛けいただき、ありがたく思う。9カ月ぶりに披露の場だったので緊張したけど、楽しい場でした。また、皆さんに会える日を楽しみにしています」と話していた。
(2021年9月18日付紙面より)
新翔高校教職員の声を聞く (新宮市 )
各クラスの半分が登校し、残り半分がオンラインで自宅学習を行う形で授業を進めている和歌山県内の県立高校。前回の新宮高校に引き続き、新翔高校でも教職員の声を聞いた。
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■﨑山鈴菜教諭(社会科)
現在担当している「現代社会」の授業では、黒板への板書とパワーポイントの両方を使っています。登校/自宅学習の生徒の差が出ないよう、2日連続で同じ内容を行うのですが、扱う事例を変え、少しずつ知識が深まるよう工夫しています。
現代社会では「図書館では言語によって本棚を分けているが、それは差別か区別か?」といった問題を生徒自身に考えてもらう場面があります。教室の生徒には手元のフリップに、オンラインの生徒にはチャットに書き込んでもらうのですが、チャットの方が敷居が低いのか、普段発表しない子も意見を出してくれたりします。
オンラインの生徒には、「フォームズ」というアンケート機能で授業の終わりに理解度チェックの小テストをします。記述式や選択式の設定ができ、正答率も把握できるので、プリントよりも扱うのは楽かもしれません。授業の感想では「新鮮で面白かった」という声もあり、オンラインの物珍しさもあって楽しんでくれているようです。
パワーポイントを使う授業では、ノートを取るのがゆっくりな子もいるので、画面を切り替えるタイミングが難しいと感じます。介護実習の授業では教科書の音読やビデオ視聴を中心に板書をしない授業づくりに取り組んでいる先生や、画面共有での授業に挑戦している先生もいますね。
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■脇村綾乃教諭(英語)
授業では板書とプリントを使っています。オンライン授業を開始した当初は、ウェブ上の会議室に入室できない、音が聞こえないなどのトラブルが続出で、今でも何回かに1回はその対応をしなければいけないときがあります。
授業では生徒の音読する声を聞くため、オンライン学習の生徒にもカメラとマイクをオンにするよう呼び掛けているのですが、なかなか応じてくれない子もいるのが現状。
また、タブレット型パソコン(PC)に内蔵のマイクを使って声を届けているので、授業中はPCの前から動けず、教室を巡回して生徒の発音や理解度の確認ができないのも難しいと感じているところです。
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新翔高校教職員へのインタビューを通じ▽円滑に授業を進めるためにはマイクやスピーカーがあった方がいい▽スクリーンやプロジェクターなど扱う機材が増えると運搬や設置に時間がかかる▽画面共有などさまざまな機能を使いこなすには練習が必要―などの意見が見られた。生徒に授業が好評である一方、課題も多く、教育現場で試行錯誤が続いている現状が浮かび上がる。今後も動向を追っていく。
(2021年9月18日付紙面より)
樫野の遭難慰霊碑前で式典 (串本町 )
串本町樫野にあるトルコ軍艦遭難慰霊碑前で16日、同町主催による追悼式典があった。新型コロナウイルス感染症を考慮し、今年は田嶋勝正町長ら地元の代表者5人で両国の絆を深める決意をささげるなどして殉難将士を追悼した。
この碑は1890年の同日に樫野沖であった同艦・エルトゥールル号遭難事件の殉難将士587人を弔う墓碑として翌年に建立され、後に昭和天皇もお立ち寄りになったことに感銘を受けたトルコ共和国の初代ムスタファ・ケマル・アタテュルク大統領が国費で霊廟(れいびょう)を備えた台座を建立。その塔部に墓碑をはめ込んだ状態で今日まで伝わっている。
同町は長らく「月命日」として毎月16日、同碑に献花をしている。期日と重なる9月はその大祭として追悼式典を計画し、平年は招待参列や一般参列を迎え大勢で現地の使命を振り返り決意をともにする形で営んでいる。
前年度は同感染症の拡大に伴い規模縮小。他方で、実施できずにいた日本トルコ友好130周年記念事業の追悼式典が上積みとなり、現地参列は地元のみだが三笠宮彬子(あきこ)さまや駐日トルコ共和国大使館の特命全権大使らがオンライン参列する形で営んだ。今年も規模縮小の判断をし、昨年のような上積みがないため田嶋町長、町議会の鈴木幸夫議長、樫野区の髙山カヤ子区長、大島区の稲田賢区長、須江区の福島三男区長の5人が代表参列して殉難将士を追悼することとした。
参列はかなわなかったが同大使館の現任コルクット・ギュンゲン特命全権大使が同町へ献花の代理を依頼し、同町は式典に先んじて同碑前へ献上した。式典では黙とうを経て5人それぞれに献花をし、弔電披露を経て田嶋町長が殉難将士の境遇と当時の大島島民が示した献身に思いをはせつつ「助け合う心を語り継いで、かけがえのない絆を育んでいくことが現在に生きる我々の使命。先人の精神を継承し両国の友好の原点となった歴史を風化させないことが大切だと考える」と述べ、人を思いやる心で結ばれた両国の歴史と文化を学ぶ機会を次世代に託し両国の絆をより深めることへの尽力を誓って追悼した。
現地の髙山区長(74)は「2年続けて規模縮小となったのは残念だったけれど、こうして追悼を続けることはきっと両国の絆につながると思う。コロナが落ち着き以前のように営める日が再び訪れることを今後に願いたい」と胸中を語った。
(2021年9月18日付紙面より)
【第40回】コンポストで食育を!
皆さん、コンポストってご存知ですか? コンポストとは「生ごみを堆肥化させる」こと。簡単にいうと、土に生ごみを混ぜて、堆肥を作るということです。今家庭の生ごみを使って、簡単に堆肥を作る動きが、注目されています。
私も、この夏からコンポストを始めました。おしゃれなコンポストキットがインターネットで販売されていると聞き、早速購入。フェルト生地のような素材でできた、おしゃれなバッグが届きました。別の袋に入っている土を、このバッグの中に移して、セットは完了。後は生ごみを入れていくだけです。普段の料理で出る生ごみを入れてざっくりとかき混ぜるだけ! 土が生ごみを処理してくれるというわけです。
子どもの自由研究も兼ねて、一度入れたごみの経過を観察してみました。これがとっても面白いんです。中でどんどん発酵が進み、生ごみが時間をかけて小さくなっていきます。分解してくれるのは、微生物たち。途中、白カビが生えたり、湯気が上がったり、「あ~分解が進んでるな」と分かるのも楽しいところ。子どもも興味津々でした。
ご飯や麺、肉、魚、野菜など大体の生ごみを入れることができます。魚の骨も、もちろんオッケー。ただ、タマネギの皮や、卵の殻は、分解に時間がかかってしまうそうです。
コンポストを始めて、圧倒的にごみの量は減りました。食べ残したお料理もそのままコンポストに入れてしまいます。揚げ物や炭水化物は、分解を促進させてくれるそうですよ。最初は、「すごく臭いが出るんじゃないかな」と心配していましたが、土のおかげかそんなに臭うことはありません。むしろ、ごみの日まで生ごみを置いておくことがなくなったので、臭いの悩みから解放されました。1日300㌘の生ごみを毎日3週間ほど入れたら、立派な堆肥の完成です。私が買ったキットは、そのままプランターとして野菜を育てることもできるんです。
日本の食品廃棄物は年間2500万㌧、そのうち本来食べられるのに捨てられる食品は600万㌧にも上るといわれています。これがいわゆるフードロスになるわけです。日本のフードロスの46%が家庭から出る生ごみです。
そんな話をしながら、子どもと一緒に生ごみを土に還して堆肥にし、さらに野菜を育てられたら、最高の食育になりますよね。SDGsで、サスティナブルな社会が目標とされる今こそ、挑戦してほしい食育です。フードロスを削減するためにも、家庭からの生ごみを減らして、地球温暖化を抑制しましょう!
(2021年9月18日付紙面より)
宇久井中学校で防災学習 (那智勝浦町 )
那智勝浦町教育委員会は本年度、2011年の紀伊半島大水害の記憶を後世に伝えるため、町内3中学校で防災学習を実施する。2日には町立宇久井中学校(坊信次校長)で学習があり、1、3年生36人が真剣な表情で被災当時の那智川沿いの写真や遺族の証言に向き合った。
紀伊半島大水害で小中学生4人を含む29人が亡くなった那智勝浦町では、16年に町と和歌山大学が那智谷大水害遺族会の協力を得てDVD「私たちは、忘れない 紀伊半島大水害のことを」を制作。つらい記憶をよみがえらせることから生徒の視聴には賛否があったが、水害後10年を迎える今年、申し出があった3校で上映に踏み切った。
DVD視聴に続き町教委の草下博昭課長が講話。「災害時には『絆』という言葉が注目されるが、被災した状況下で人と協力していくのは容易なことではない。それが実現するには、日頃から人に優しく接し、多面的に物事を捉え、自分にできることを探すという行動を取っていることが大切なのではないか」と語り掛けた。
参加した生徒からは「どんな被害があったのか、どういう経緯で大きな被害が起きてしまったのか知ることができた。家族を亡くした遺族の気持ちは想像もできないが、一つ一つの災害を忘れてはいけないと感じた」「5歳の時、自分の家も浸水したと聞いた。自分たちにできるのは、忘れないこと、そして防災に取り組むこと」などの声があった。
(2021年9月4日付紙面より)
新たなロケットロゴT発売 (南紀串本観光協会 )
南紀串本観光協会(島野利之会長)は町独自ロゴ「スペースタウン串本ロゴ」を活用したTシャツの販売を開始した。アウトドア総合メーカー「(株)モンベル」とのコラボ商品で、カラーは3種類。1枚3000円(税込み)。同協会と同協会古座の窓口で販売している。
前面にロケットロゴ(単色)、背面の首元にモンベルのロゴをそれぞれあしらった。生地はペアスキンコットンを使用しており、丈夫で型崩れしにくく肌に優しい着心地となっている。色とサイズはネイビー(サイズS~XL)とホワイト(同S~L)、グレー(同XLのみ)。
同協会はロケット打ち上げの機運を盛り上げようと町独自ロゴを活用した商品を開発してきた。ロゴを使った商品のモデルケースを見せる狙いもある。これまでに「大漁旗Tシャツ」「ロゴステッカー」「ロケットサイダー」などを発売した。商品はJR西日本が運行する長距離列車「WEST EXPRESS 銀河」の出迎えの際などにも販売している。
今後は8月に完成した同協会オリジナルのロケットロゴ(全4種)を使った小物類の製作も計画している。商品の通信販売も検討中で、宇井晋介事務局長は「町全体で盛り上がっていることを形として示したい」と話していた。
商品などの問い合わせは同協会串本事業所(電話0735・62・3171)まで。
(2021年9月4日付紙面より)
みくまの農業協同組合 (本宮町 )
みくまの農業協同組合(JAみくまの、漆畑繁生組合長)は8月30日、田辺市本宮町の保健福祉総合センター「うらら館」で田辺市社会福祉協議会(野見陽一郎会長)に介助型車椅子10台、松葉づえ3本、段ボールベッド30個を贈呈した。
「農」と「食」と「地域を守る」を経営理念とし、地域に根差したJAとして2001年から活動してきたJAみくまの。昨今の経済情勢の変化により、今年6月に開催した第20回通常総代会で拠点再編が決まり、本宮支所が縮小となった。しかし、組合員や利用者にわずかでも地域貢献したいという思いから、「介護・福祉活動」「防災対策活動」の一助として、今回の贈呈に至ったという。
同社協の松本栄夫副会長に目録を贈った漆畑組合長は「今回、本宮支所が縮小する中で何か地域貢献ができないかと考えておりました。福祉用具の必要性などを考え、少ないですが、今回の贈呈に至りました。今後ともどうぞよろしくお願いします」と話した。
松本副会長は「大変ありがたい。少子高齢化社会が進む世の中、企業や社協もそれぞれ悩みがある。われわれとしても地域の皆さまがご心配ないように取り組み、貢献できるように進めてまいりたい」と話した。
(2021年9月4日付紙面より)
市野々小で防災学習 (那智勝浦町 )
「防災の日」(9月1日)を中心とした1週間(8月30日~9月5日)は防災週間。那智勝浦町立市野々小学校(中西健校長)で期間中の2日、防災学習があった。児童らは真剣な表情で授業に取り組み、命を守る避難行動について学びを深める機会とした。
5、6年生12人を対象に行われた授業では、新型コロナウイルス感染防止の観点から、県土砂災害啓発センターとオンラインで中継をつなぎ、防災について考える時間とした。学習テーマを「私の避難方法を考えよう」とし、同センターの坂口隆紀所長がハザードマップや警戒レベルから読み解かれる避難場所や方法などについて説明した。
同センターによるオンラインを使用しての防災学習は初の取り組み。坂口所長は「『避難』とは命を守るために逃げること」と説明。「避難所では新型コロナの感染リスクも高くなる。でも避難しないこともいけない」と述べ、分散避難(ばらばら避難)の重要性を訴えた。
分散避難のためには、自分の住んでいる所で起こり得る自然災害を知り、安全な場所を確認することが必要とし、ハザードマップを用いた事前確認を促した。
また、天気予報などで耳にする「台風が発生」「梅雨前線・秋雨前線・線状降雨帯」「大気の状態が不安定」などの言葉や、気象情報における警戒レベルとその色分けにも注意が必要とし「赤(警戒レベル3)と紫(同4)を注意する色として覚えておいてください」と呼び掛けた。
その後、児童らはハザードマップなどを参考にし、災害時の自分や家族の役割について考えながら避難スケジュールの作成に取り組んだ。
(2021年9月4日付紙面より)
鯨類追い込み漁が解禁 (太地町 )
太地町で1日、イルカや小型クジラの追い込み漁が解禁され、太地いさな組合(田中清仁組合長、21人)の漁船12隻が午前5時ごろに太地漁港を出発した。初日から、バンドウイルカ約10頭を捕獲し、幸先良い漁のスタートを切った。
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国際捕鯨委員会(IWC)脱退や商業捕鯨の再開が注目されていることから、同町では反捕鯨活動家による抗議や違法行為などに対し例年、和歌山県警と海上保安庁が連携し、厳重な警備態勢を敷いている。
和歌山県警によると、現在は新型コロナウイルス感染症の影響で外国人活動家が入国できないが、国内の活動家が会員制交流サイト(SNS)などを通じて活発化しているという。
この日、県警職員らが待機する東の浜駐車場では、目立った混乱はなかった。近畿、関東、中部地方から集まった動物愛護の活動家ら数人は「イルカたちが恐ろしい目に遭うことは胸が痛む。食肉は伝統文化だと思うが、生体の販売は伝統文化ではないはず」と訴えていた。
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晴天に恵まれた初日、船団は4㍄(約7㌔)ほど沖へ向かった。出港から約1時間後の午前6時20分ごろ、バンドウイルカの群れを発見。海保のボートが警戒を行う同町の畠尻湾に約10頭を追い込んだ。いずれも体長は約2・7㍍ほど。
同漁協によると、捕獲されたイルカは水族館などに販売される予定で、それ以外の個体は海に逃がすという。
太地漁業協同組合の貝良文専務理事は「出初めで追い込めたので一安心。コロナ禍で鯨類の価格下落や海外輸出は苦戦しているが、今季も安全に大漁で終えられることを願っている」。
初日の操業を終えた田中組合長は「数は少ないが出初めで捕獲でき、うれしく思っている。鯨類の流通が早く元に戻ってほしい。幸先が良かったので今年も良い漁ができることを祈っています」と語った。
なお、漁期はゴンドウクジラ類が来年4月30日、イルカ類が来年2月末までとなっている。
(2021年9月2日付紙面より)
智弁和歌山・宮坂主将を表彰 (太地町 )
「第103回全国高校野球選手権大会」で主将としてチームをけん引し、智弁和歌山を優勝に導いた太地町出身の宮坂厚希君(3年)が8月31日、凱旋(がいせん)を果たし、同町役場を訪問。三軒一高町長から表彰状を受け取った。
宮坂君は保育園児から野球を始め、地元の少年野球チームの太地シータス、同町を拠点に活動する中学生硬式野球チーム・和歌山南紀ボーイズ(漁野尚登代表)で仲間とともに練習に励んだ。
昨年秋からは智弁和歌山の主将としてチームをまとめ、今大会では準決勝で5打数4安打、決勝で2安打1打点と活躍し、チームの勝利に貢献した。
役場玄関前では、町職員らの拍手で迎えられた。宇佐川彰男教育長が「コロナ禍において人々の気持ちが閉塞する中、このたびの活躍は社会と町民に勇気と感動を与えてくれた」と功績をたたえた。
三軒町長は「野球だけではなく礼節も素晴らしかった。町の誇り。体に気を付けて頑張ってほしい」。
宮坂君の祖父で、昨年に病のためにこの世を去った元同町議会議員の山下雅久さんの生前を振り返り「孫に対する思いが人一倍強かった。こんなにうれしいことはない。雅久さんに見せてあげたかったと、多くの人が涙したと思う」と話した。
幼い頃から宮坂君の野球人生を見守り続けてきた父・雅也さん、母・陽美さんも同席。雅也さんは「試合が終わった後、夢をかなえてくれてありがとう、と伝えた。正直、『とんでもないことをやってくれた』という思い。息子を誇らしく思う」。陽美さんは「よく頑張ってくれた。親孝行の息子です」と活躍をねぎらった。
宮坂君は「いろいろな方々に支えてもらったおかげで優勝できた。応援や温かい声に対し最高の形で応えることができた。本当にうれしい気持ちでいっぱいです」と笑顔。
祖父・雅久さんに対しては「天国から見てくれていたと思う。力も貸してくれた。『やったよ。ありがとう』と伝えたいです」。
今後は大学進学を視野に入れ「野球を続けて小さい頃からの夢だったプロの舞台で活躍できる選手になれたら。これから野球を始める子どもたちが目指したい選手になれるように頑張りたい」と展望を語った。
(2021年9月2日付紙面より)
町独自ロゴのポロシャツ (串本町 )
串本町串本にあるスポーツ用品店「K SPORTS」(猪村一樹代表)がこのほど、同町の独自ロゴ「スペースタウン串本ロゴ」を取り入れたポロシャツの取り扱いを始めた。町職員有志も購入し、機運醸成のため先月下旬から徐々に業務内で着用中。先んじてサンプル品を着てアピールをしてきた田嶋勝正町長は「町民の皆さまにも着ていただき、ロケットの打ち上げを一緒に盛り上げていただければ」とコメントを発表している。
このロゴは2月実施のイベント「宇宙ウイーク」で同町が発表し、町内などへ今後の活用を呼び掛けた独自ツール。旧古座分庁舎内にある役場企画課ロケット推進室で7月から条件付きで使用許諾申請の受け付けを始め、現在ロゴやデザイン、CG画像や衛星画像の計8種類が許諾により活用できる状況となっている。
同店は同発表後、過去に日本トルコ友好周年記念事業や紀の国わかやま国体、ねんりんピック紀の国わかやまの機運醸成を目的とした製品を受注したノウハウを生かし、田嶋町長に独自ロゴのポロシャツ製作を相談。同申請を経て同ロゴ〈カラー〉を胸元にあしらうデザインで製作を進めた。
仕上げた製品(税込み価格)は①ポロシャツ(3200円)②ボタンダウンポロシャツ(3900円)―の2系統。いずれもミズノ株式会社の製品にロゴを追加した、①は17色、②は白、黒、紺の3色といったカラーバリエーションが選べる。同店によると8月31日現在で受注対応のみだが、今後は町職員143人分などの注文から売れ筋の色をリサーチし基本のサイズ(L、M、S)を少量だが店頭に製品を並べるという。
猪村代表は「町長に話をしたところ、それなら町職員でそろえようかということになり製作が進んだ。取り扱いは8月中旬から始めているが、今は受注生産で2週間ほどお時間を頂く形になる」と話し、今後の店頭販売実現も含め田嶋町長がコメントで呼び掛けた一般の需要に応えたいとしている。
同店は日曜を除く午前9時30分~午後8時に営業。問い合わせは同店(電話0735・62・7705)まで。
(2021年9月2日付紙面より)
新宮・東牟婁の小中学校で始業式
新宮・東牟婁地方の小中学校で1日、始業式が行われた。児童生徒たちは夏休みを終えて登校し、校舎に元気なあいさつが響いた。
新宮市立三輪崎小学校(嶋田雅昭校長、児童381人)では新型コロナウイルス感染症防止対策のため、校内放送で式を実施。嶋田校長は「放送のため皆さんの顔を見ることはできませんが、日焼けした元気な顔がそろっていることでしょう。『少ししんどいな』という人も学校のリズムで生活できるよう、今日から体と心の調子を整えてください」と話した。
児童会代表の丸山千尋君(6年)は「コロナの影響でどこにも行けませんでしたが、お父さんやお母さんがトランプやいろんなことをしてくれ、楽しめました」と夏休みの思い出を紹介。▽体も心も元気でいられるように心掛ける▽健康的な生活を意識する▽1学期にできなかったことに挑戦する―を挙げ、2学期で頑張ってほしいことを呼び掛けていた。
この日、市内では17カ所で「さわやか朝の声かけ運動」もあり、教職員や市教育委員会、地域住民などが通学路に立ち、登校中の児童生徒に「新学期、頑張ってね」「車に気を付けて」と笑顔であいさつしていた。
(2021年9月2日付紙面より)