「コロナに負けるな」 (手作りマスクに込めた思い )
新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、マスク不足が叫ばれるようになってはや2カ月。いっときに比べマスク不足解消の兆しは見えつつあるものの、いまだ入手できない人が多いのが現状だ。
そんな中、マスク不足を払拭(ふっしょく)しようと、趣向を凝らしたマスクを手作りする人が増加。好みの布で作ったマスクを身に着ける人々が、春、そして間もなく初夏を迎えようとするまちなかに彩りを与えている。
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困難な状況にあっても女性のおしゃれ心は健在だ。「ガーゼが品薄」「耳に掛けるゴムが手に入りにくい」。そんな情報が流れるごとに誰かが代替案や代用品を提案し、手法などがアップデートされていく。今ではインターネットで「手作りマスク」と検索すると、無料型紙や彩り豊かな手作りマスクの画像などが日々更新されている。中には国が配布する布マスクの俗称「アベノマスク」を「ベツノマスク」「ウチノマスク」としてリメークしてしまうつわものも。
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100年前のパンデミック(世界的大流行)「スペイン風邪」では、当時の日本の総人口約5600万人に対し約2400万人が感染したとされ、終息には丸2年を費やした。スペイン風邪の大流行をきっかけに、当時、主に炭鉱などで働く人たちの粉じんよけとして使用されていたマスクが一般に普及したという。
しかし当時もマスクの供給が需要に追い付かず値段が高騰。さらに困難な状況に一山当てようと、マスクの「不正商人」が横行したという。
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いまだ終息のめどの立たない新型コロナウイルス禍。このたびもマスクなどの転売が社会問題となったが、いつの時代も暴利商法を用いて不正を働く者がいる一方、しなやかに、そしてたくましく困難に立ち向かう人々の姿もある。このコーナーでは、鮮やかなマスクを身に着けた人々の笑顔にスポットを当てたい。
「コロナに負けるな」。「手作りマスク」には、そんな人々の思いが込められているのではないだろうか。
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本紙では、自慢の「手作りマスク」を着用した写真を募集しています(マスク単体でも可)。あなたのすてきな「手作りマスク」の写真をお送りください。画像は「手作りマスク」コーナー宛てで、熊野新聞社フェイスブックもしくはメール(info@kumanoshimbun.com)でお送りください。
(2020年4月29日付紙面より)
中止事業の予算を活用し (古座川町老連 )
古座川町老人クラブ連合会(奥根公平会長)がこのほど、全会員に首掛け式の空間除菌剤1個を配ることを決めた。近々入荷予定で、単位老人クラブ会長経由で会員に届けるという。
24日にあった役員会で、新型コロナウイルス感染予防の観点から本年度前半の行事をすべて中止する判断をした同町老連。関係予算の新たな有効活用の方法を話し合う中で奥根会長(88)が身に着けている空間除菌剤が話題になり、それを全会員へ配って感染予防意識を喚起する方向へとまとまった。
その空間除菌剤は薬局を営む娘夫婦が感染予防に役立てばという思いで託した品で、薬剤師として近隣の病院に勤めた経験を持つ夫・尾鷲恭二さん(68)は医療従事者が身に着けている状況を見て自身も3年ほど前から使っているという。奥根会長は「手洗いや消毒、マスクなど基本の対策の上乗せとして、人が集まる場所へ行かなければならないときに使っている」と利用の状況を語り、ただ配るのではなく感染予防の説明をし日頃の心掛けを高めながら配るとしている。
同町老連事務局の同町社会福祉協議会によると、会下には12の単位老人クラブがあり総会員数は300人弱。今回は予備分も含めて320個を購入し、会員の感染予防に役立てるとしている。
(2020年4月29日付紙面より)
事業主らに応援金など支給 (紀宝町 )
紀宝町は27日、独自の新型コロナウイルス対策として、町に住民票または法人登記を有し県外に事業所、店舗などを構える中小企業・小規模事業者に支援金を、三重県の協力金交付対象外の全ての町内食事提供施設に応援金を支給すると発表した。
県では「緊急事態措置」として、対象施設に休業または営業時間を午後8時(アルコール提供午後7時)まで短縮するよう要請し、協力した県内中小企業・小規模事業者(個人事業主含む)に協力金を交付している。
同町は和歌山県と隣接し、県外で事業を展開する事業主などが多いことから、町では県外事業者向けの支援金として1事業者当たり最大25万円を交付する。29日から5月6日(水・振休)まで休業や営業時間の短縮といった三重県の要請に協力することなどが条件となる。
応援金は、町内で喫茶店や飲食店など食事提供施設を経営し、県の休業要請に当てはまらない事業者に10万円を交付する。
受け付けはいずれも5月18日(月)から6月5日(金)までで、郵送での申し込みとなる。申請書は町のホームページでダウンロードできるほか町産業振興課、町商工会でも入手できる。支援金、応援金ともに申請要件が異なるため、詳しくは町産業振興課(電話0735・33・0336)まで問い合わせを。
町では5月13日(水)の臨時議会に一般会計補正予算として計上し、可決されれば5月末から交付を開始する。
会見した西田健町長は「紀宝町に住民票を有しながらも県外で活躍する人が多い。厳しい状況にある施設の皆さんに町として応援金を交付し、持続・継続できるよう支援したいという強い思いを持って提案した」と述べた。
(2020年4月29日付紙面より)
グランドール紀の風 (新宮市 )
新宮市佐野のサービス付き高齢者住宅グランドール紀の風(鈴木幹啓代表取締役、中村光德施設長)は23日、職員らが手作りした紙製の桜を飾った同施設内のテラスで「テラスでお花見お茶会」を開いた。マスク着用や互いの距離を空けるなど新型コロナウイルス感染対策を取った利用者は笑顔で外の空気を味わい、花見を楽しんだ。
同施設では毎年、同市の黒潮公園で花見を行っているが、新型コロナの影響で実施できない状況となったため、今回の花見を計画した。
桜の花は柔らかい折り紙で作成。利用者も手伝い、竹と段ボールで木の幹や枝を再現した。準備は1カ月ほど要したという。
花見はグループごとに行われ、職員がシャボン玉を飛ばし、お茶やお菓子でもてなした。
利用者は晴天の下、日光浴をしながら手作りの桜を鑑賞。「本当にきれい」とうれしそうに目を細めていた。また、花見待ちの利用者はバルーンアートなどを楽しんでいた。
催しを企画した同施設管理者の森晶平さんは「新型コロナの影響で利用者の方が屋外へ出ることができないため、少しでも楽しんでもらおうと考えた。今回の催しが今後の良い思い出になってくれたら」と話した。
中村施設長は「新型コロナの影響で面会が禁止になっているため、入居者の方やご家族にはご不便をかけ心苦しく思う。こんな時だからこそ、感染拡大には細心の注意を払いながら、笑顔でいられる環境を提供したい。その様子を写真に収めてご家族に送らせていただきます」。
「来年こそは利用者の皆さまに屋外で思い切り空気を吸ってもらい、お花見を楽しんでもらいたい。そして最高の笑顔をつくっていきたいと思う」と語った。
(2020年4月29日付紙面より)
新型コロナ感染拡大防止のため
新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、8月11日(火)に予定されていた那智勝浦町花火大会の中止が決まった。町の夏の風物詩である花火大会が現在の形式になってからの中止は初。
同町によると、感染拡大防止のため、花火大会実行委員会の会議は設けず書面による決議で中止を決定した。賛成多数だったが、委員からは「延期での検討はできないか」「終息後に開催しては」などの意見も上がったという。
花火大会は、町民手作りの大会を基本理念に、これまで13回開催されてきた。那智湾を舞台に1万発の花火が大輪を咲かせ、昨年は海の章、追善供養、山の章、フィナーレの4部構成で多くの観客を魅了した。
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中止に当たり、堀順一郎町長と花火大会実行委員会の大江清一会長は連名で次の通りコメントを発表した。
令和2年8月11日に開催予定の那智勝浦町花火大会は、新型コロナウイルス感染拡大防止のために中止することを決定いたしました。
新型コロナウイルス感染症は、当地域での感染例は報告されていないものの、収束が見通せない状況が続き、4月16日には緊急事態宣言の対象が全国に拡大されております。このような状況を鑑み、実行委員にもご意見を頂いたうえで、中止することとなりました。
「住民手づくりの花火大会」として本町の夏の恒例行事である花火大会を中止するのは断腸の思いでありますが、現時点で8月での収束を見込むことも難しく、最優先すべきは町民の生命、安全との考えからこのような判断に至りました。
例年の開催に当たりご支援、ご協力を賜っております企業や関係者の皆さま、何より花火大会を楽しみにしていただいている町民の皆さまには誠に申し訳ございませんが、ご理解賜りますようお願い申し上げます。
一日も早く事態が収束することを願うとともに、収束後には何らかの形で皆さまに楽しんでいただける花火大会が実施できないか検討してまいりますので、引き続き皆さまのご支援、ご協力をお願い申し上げます。
(2020年4月24日付紙面より)
教育民生委が市長に申し入れ (新宮市議会 )
新宮市議会の教育民生委員会(濵田雅美委員長、7人)は23日、田岡実千年市長に対し、新型コロナウイルス感染症対策に関する申し入れを行った。濵田委員長、屋敷満雄副委員長、前田賢一議長、東原伸也副議長が田岡市長を訪問。「市民の生命と生活を守るため、感染予防と感染拡大防止に向けた対策が急務」と申し入れ書を提出した。
同委員会は、市の新型コロナウイルス感染症対策に関する調査のため、同日に委員会の開催を予定していたが、国の緊急事態宣言の全国拡大を受け中止。代わりに、委員からの提言などを取りまとめ、申し入れ書の提出へと至った。
前田議長は田岡市長に対し「各自治体がさまざまな政策を取っているが、市独自でできることもある。申し入れ書の趣旨をご理解いただき、少しでも市民が希望を持てるような対応を」。濵田委員長は「危機感から恐怖感に変わってきた人もいる。一人でも感染者が出ると医療・介護崩壊を招く恐れもある。市民の命を守るために市長のリーダーシップが必要」と呼び掛けた。
東原副議長は、20日の防災行政放送を使った田岡市長の呼び掛けに対して「市長の声でメッセージを送ると重みが違う」。屋敷副委員長は「市長の声が一番市民には分かりやすい。1日1回でもメッセージを発信すべき。県から情報をいただき、市民の不安を払拭(ふっしょく)できるよう体制を整えて」などと求めた。
田岡市長は「市医療センターからは、保健所と連携を図り、たとえ数人の感染者が発生した場合でも対策を講じていると聞いている」と報告し、「貴重な意見、申し入れを踏まえてできる限りの施策を実行していきたい」と述べた。
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▽防災行政無線や広報車両等を活用して、保健センターからの感染予防対策や感染症の発生状況等の情報を頻回に広報し、市民への啓発を行うこと。またその内容は、市のホームページやSNS等でも発信すること。
▽本地域で感染が拡大した場合の医療体制や軽症者等に対する宿泊療養の受入体制を早急に確立し、市民の不安払拭に努めること。
▽医療・介護従事者へのマスク、防護服、ゴーグル等の医療資材を確保すること。
▽特定警戒都道府県からの帰省者や転勤者、外国からの帰国者に対し、県への登録と2週間の自宅待機の徹底を求めるとともに、保健所との連携を強化し、本市に関する情報の把握に努めること。
▽医療的ケアが必要な子ども、障害のある方、高齢者や支援を必要とする方、妊娠中の方等に十分配慮した感染症対策を講じること。
▽外出自粛等に伴う生活の変化やストレスによるDVの増加、ひとり親家庭における保護者の感染など、懸念される様々な問題に対する相談体制の強化を図り対策を講じること。また、家で一人で過ごす時間が増加し、不安やストレスを感じている子どもたちへのケアについても、十分な配慮を行うこと。
▽小中学校等における感染症対策の長期化に伴う子育て家庭の負担増に対し、市独自の支援策を講じること。
▽医療崩壊・介護崩壊という事態は絶対に招いてはならないという観点から、改めて市民への不要不急の外出自粛を徹底するとともに、事業者等には市独自の支援策を講じること。
▽国が実施する全ての市民1人当たり10万円の給付(特別定額給付金〈仮称〉)については、5月中に給付できるよう早急に取り組むこと。
▽事業者から市が徴収している使用料(テナント料)等については、減免等の措置を講じること。減免等の措置を講じること。
▽妊娠中の女性職員や基礎疾患を有する職員に十分配慮した対策を講じること。
▽市長においてはリーダーシップを発揮し、危機感をもって情報やメッセージを市民に強く発信することで、感染拡大の防止と市民の不安払拭に努め、何よりも「市民の命を守る」ための政策に全力で取り組むこと。
(2020年4月24日付紙面より)
鵜殿、神内の福祉センター (紀宝町 )
紀宝町が昨年度から町福祉センターと神内福祉センターで進めてきた大規模改修工事がこのほど、完了した。両施設とも老朽化が進み、施設の長寿命化を目的に初めて大規模改修に着手。内装修繕や各設備の改修などにより、福祉施設の中核として利便性が向上した。
旧紀宝町と旧鵜殿村が合併した2006年以降、町社会福祉協議会が二つの福祉センターで機能を分担してきた。
築33年が経過した神内福祉センターは主にデイサービス機能の施設として活用。ボイラーの更新や施設の利用に合わせた空調設備の整備、大ホールの改修などを行った。町福祉センターは築26年がたち、雨漏りなどの防水対策を施したほか、照明をLED化して天井や壁を張り替えて明るい雰囲気になった。
西田健町長は「素晴らしい新築のような施設になった。新型コロナウイルスの影響で多くの町民の皆さんに見ていただけないのは残念だが、社協と力を合わせて福祉の増進を進めたい」と話していた。
(2020年4月24日付紙面より)
新型コロナウイルスの影響で (熊野市 )
全国で新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、熊野市の七里御浜海岸で8月17日に開催予定だった「熊野大花火大会」の中止が決まった。戦後初の中止で、17日に市文化交流センターで会見した花火実行委員会の中平孝之委員長は「協賛者や現場の学生ボランティアなど多くの方々に協力を頂き運営してきたが、全国に緊急事態宣言が出されたことを鑑み、つらい決断をした」と語り、苦渋の選択であったことを明かした。
政府が出した「緊急事態宣言」の対象地域が全国に拡大されるなど、新型コロナの終息が見通せないことから、近隣市町の状況や花火師の準備を踏まえ実行委員会で判断した。追善供養は例年通り8月17日に行う予定だという。
中平委員長は「市民からも多くの問い合わせがあったが、実行委員会で協議し、異論なく全会一致で決定した。こんな形で中止となり、市民の皆さんも残念だと思う」。一方で「来年は最高の花火大会にしたい」と語った。
大会本部長の河上敢二市長は「つらい決断をしてもらった。市としても今年の中止はやむを得ないと考え、実行委員会の判断を尊重している。ご理解とご協力をお願いしたい」と述べた。市ではホームページを含めて広報紙などで情報発信する。
熊野大花火は初盆供養として江戸時代から始まり、300年以上の歴史と伝統を誇る。全国屈指の花火大会として知られ、昨年は熊野古道世界遺産登録15周年と令和への改元を記念する打ち上げ花火や、呼び物の海上に直径600㍍の半円を描く「三尺玉海上自爆」、フィナーレの鬼ヶ城大仕掛けなど色とりどりに夜空を覆う花火が観衆を魅了した。
昨年は高波の影響で26日に延期となったが8万人(主催者発表)が来場した。例年、17万~18万人が訪れ、今年は20万人の観客を予想していた。
(2020年4月19日付紙面より)
たばこ組合新宮支部 (那智勝浦町 )
和歌山県たばこ商業組合新宮支部(塩崎伸一支部長)は16日、那智勝浦町の体育文化会館周辺で清掃活動に取り組んだ。
会員13人はマスクを身に着け、会員同士の距離を取るなどコロナ対策をしながらごみ拾いに汗を流した。
清掃活動は同組合女性部(大谷敏子部長)を中心にたばこのポイ捨て禁止や、未成年者の喫煙防止などの呼び掛けを目的に実施。寒さの厳しい2月と猛暑の8月を除き、年間25回ほどのペースで取り組んでいる。
会員らはオレンジ色のそろいのユニフォームを身に着け、のぼりを掲げながら同館敷地内やその周辺の歩道などでたばこの吸い殻やさまざまなごみを拾い、町内の美化に努めた。
大谷部長は「コロナの感染拡大を考慮し、参加者は予防対策をしています。体調が優れない方には休んでいただいた」。
塩崎支部長は「近年、マナーも良くなっているため、町もきれいになったと思う。今後も吸い殻だけじゃなく、ほかのごみもしっかり拾ってきれいにしていきたい」と語った。
次回の清掃は新宮市の黒潮公園を予定しているという。
(2020年4月19日付紙面より)
王子ヶ浜小で布マスク作り (新宮市 )
新宮市立王子ヶ浜小学校(山本眞也校長、児童342人)で16日、布マスク作りがあった。5、6年生が自分の好きな形や布を選んでマスクを縫った。
必要なマスク数を確保するため、2学期の内容を繰り上げて実施。家庭科の「生活を豊かにソーイング」の一環で、家庭科専科の亀井郁子教諭が教えた。
6年1組では5時間目に四角型、プリーツ型、立体型のマスクの形や特徴を学び、6時間目に作り始めた。
亀井教諭は「5年生は針を持つのが初めての子もおり、玉結びや波縫いからスタートした。6年生はミシンと手縫いの両方で作れたらと思っている。初めは苦手でできないと言っていた子も、縫い始めたら楽しいと言ってくれた。家族の分も縫ってほしい」と話していた。
(2020年4月19日付紙面より)
別館に経済対策室設置 (新宮市 )
国の緊急経済対策を踏まえ、新宮市は17日、市役所別館に「新型コロナウイルス感染症経済対策室」を設置した。市民に対して国などの緊急経済対策や市独自の経済対策に関する事務を行っていくほか、税金や各補助金などの相談を受け、関係機関や課につなぐ役割も担う。
国は7日に「新型コロナウイルス感染症緊急経済対策」を決定。それを受け、市では全庁的に迅速、的確な経済対策を講じていく必要性を鑑み、市新型コロナウイルス感染症対策本部のもとに対策室の設置を計画した。
対策室には、馬込克彦室長(選挙管理委員会事務局長兼監査事務局長)をはじめ職員7人を配置。設置場所は別館1階の第1会議室で開設時間は午前8時30分から午後5時15分(土・日・祝日含む)。電話相談(電話0735・29・7358/直通)のほか、窓口対応も行う。
開設に当たり、田岡実千年市長は「国などの緊急経済対策に加え、それを補完・補強するような市独自の経済対策についても早急に検討し取り組んでもらうことになる」などと訓示。
「対策室には市民の皆さんからいろいろな相談や問い合わせがあろうかと思いますが、大変な思いをされている市民の皆さんに寄り添って、きめ細やかな対応を」と呼び掛けた。
訓示を受け、馬込室長は「緊急事態宣言の全国拡大を受け、より身が引き締まる思い。市の経済施策も進めていけるように一丸となって取り組んでいく」。国が打ち出す経済対策の方向性を見守るとともに、申請に対して速やかに案内できる体制を整えていきたいと決意を述べた。
(2020年4月18日付紙面より)
動鳴気漁港の災害復旧工事 (串本町 )
串本町古座にある動鳴気(どめき)漁港の令和元年台風19号に伴う災害復旧工事が先月26日から着工した。東西両防波堤同時着手で、全体の復旧は今から2年後の令和3年度末になる見込みだという。
同漁港の東西両防波堤は昨年10月11日夜半から12日未明にかけて接近する台風に伴う波の影響を特に強く受け、各所で堤体にずれが生じた。とりわけ西防波堤の先端部約70㍍は、ずれが顕著で、国道42号沿いからでも痛々しく見て取れる状態になっている。
同町産業課は、西防波堤と東防波堤を3分割した計4つの災害復旧工事を計画。うち契約金額が5000万円を超える西防波堤と東防波堤〈その3〉の2工事について同町議会3月定例会最終日(先月25日)で、同町議会の議決に付すべき契約および財産の取得または処分に関する条例に基づく工事請負契約の締結に対する議決を求め、承認を得た。
承認を得た2工事は翌26日から着工となったが西防波堤の契約金額は6億8970万円、東防波堤〈その3〉の契約金額は1億9470万円と膨大で、いずれも工期が令和4年3月25日までとなっている。契約金額5000万円未満の東防波堤〈その1〉と同〈その2〉の工期は令和3年3月26日までだという。
同19号は紀伊半島南東部を通り昨年10月12日午後に最接近。その前の最大瞬間風速30㍍弱の東風にあおられた波が満潮に乗って同町東岸部に強く打ち付けた。同漁港一帯では越波も多発し国道42号古座信号交差点付近では道をまたいで居住区にまで被害をもたらした。
少し離れた同町姫地内では護岸崩壊に伴い国道42号が約70㍍にわたり陥没などの影響を受ける被害があり、先月16日から解除日なしの終日片側交互通行規制をしながらの本復旧工事が始まった。工事期間は暫定で9月30日(水)までとし、発注者の国土交通省紀南河川国道事務所は諸事情で期間変更する場合があるとしている。
(2020年4月18日付紙面より)
20日から職員の分散勤務も (紀宝町 )
新型コロナウイルスの感染防止対策として、紀宝町役場の窓口に透明のビニールカーテンが設置された。
窓口への来庁者と職員の飛沫(ひまつ)感染防止を目的にしたもので、役場1階の福祉課地域包括支援センターや2階の教育委員会など全課窓口に順次設置し、カウンターには透明のアクリルボードも設ける。
また、感染した場合に備え町民生活を維持するため20日(月)から6月19日(金)まで、職員の分散勤務を行う。庁舎内の正規職員80人のうち、理事と課長を除く各課2人程度(約20人)を防災拠点施設5階の研修室とフロアに移す。各班とも2週間のローテーションとし、必要に応じて延長も検討するという。
同町では「窓口対応などを行う職員が平常時より少なくなる場合があります。町民の皆さまにご不便をおかけする場合がありますが、感染拡大防止のため、ご理解、ご協力をお願いします。引き続き、町民の皆さまにおかれましては不要不急の外出を控えてください」と呼び掛けている。
(2020年4月18日付紙面より)
【第10回】偏食改善のヒント
お子さんがいらっしゃるご家庭からのご相談で一番多いのが「偏食を治したい」というものです。無理やり食べさせるべきなのかどうか、悩む方も多いと思います。偏食は、3歳前後から現れるといわれています。でも、成長とともにほとんどの好き嫌いは改善されるともいわれているんです。栄養が偏るという心配も分かりますが、今は食料の種類がとっても豊富ですし、代替えはとっても簡単です。野菜が苦手であれば、ミネラルやビタミンは果物で摂取することができますし、魚が苦手でもタンパク質はお肉で取ることができます。しかしそうはいっても、栄養の面だけでなくいろんな食材の味を楽しめる子になってほしいですよね。今回はこの偏食改善のヒントをお伝えしようと思います。
まず一つ目は「一緒に子どもと話をしながら食べよう!」です。いわゆる共食ですね。食事の問題は、その根本に「食事が楽しいかどうか」ということが大きく関わっています。まず最初の第一歩は「食事は楽しい!」と思わせてあげることだと思います。子どもの話をできるだけ聞いてあげて、楽しい雰囲気で食事をしてあげてください。子どもの偏食を研究した論文には「食事中の会話が大人中心の場合には嫌いなものが多くなる傾向にあった」と報告しているものもあります(東海女子短期大学紀要「偏食を生み出す要因に関する研究」、2000年)。「いただきます」などのあいさつをきちんとすることや、お箸の持ち方をきちんと教えることも、偏食を防ぐ要因になりうることが分かっています。
二つ目は「声掛けをしましょう!」です。もちろん、皆さん声掛けをされていると思いますが、使うキーワードを意識していただきたいのです。声掛けについて研究した論文があります。この研究によると、最も偏食が少ないのは「感謝」の声掛けが多い家庭でした。「食べ物に感謝して食べようね」「食べ物にも命があるんだよ」などの食べ物への感謝です! しかも「食べないと大きくなれないよ」や「嫌いだったら食べなくていいよ」などの声掛けは、逆に偏食を促進するという結果になっているんです(京都女子大学発達教育学部紀要「食卓の雰囲気と母親の言葉かけの特徴が児童の偏食に及ぼす影響」、2012年)。
子どもたちは、強制されたり叱られたりすることを苦痛に感じているのかもしれません。給食で食べ残しが許されず、食事という行為そのものが嫌いになってしまう子もいます。でも、「嫌いならいいよ」と簡単に許すのは、なんの解決にもなりません。ヒステリックに叱ったり、感情的にならず、優しく促してあげることが一番なんだと思うのです。とにかくポジティブに促すことを心掛けてください。そして、苦手なものを食べられたらたくさん褒めてあげてください。その食卓の雰囲気こそが、きっと子どもたちを前向きで明るい子に育ててくれるのだと思います。実は偏食改善のヒントは、思いがけないところに、まだまだたくさんあります。続きは次回にしたいと思います。まずは、「諦めない、叱らない」ことから意識してみてください。
(2020年4月18日付紙面より)