熊野川流域対策連合会が臨時総会
熊野川流域対策連合会(会長=田岡実千年・新宮市長)は29日、同市井の沢の新宮商工会議所で臨時総会を開いた。池原発電所(奈良県下北山村)の水利権更新(期限は2020年3月末まで)を前に、濁水対策などを求める要望書を本年度中に国、県、電源開発へ提出することを確認した。
田岡市長は「熊野川流域は、紀伊半島大水害以降も毎年のように河川の氾濫、濁水被害が発生している。濁水の長期化、ダム湖内の堆砂、海岸浸食など、ダムに起因した環境被害は住民の生活を脅かすだけでなく、観光、上水道、製紙業、沿岸・内水面漁業など多方面に大きな影響を与え続けている。地域全体の課題として諸問題に取り組んでいきたい」と協力を呼び掛けた。
「川の参詣道」として世界遺産に登録され、今年7月で15周年を迎える熊野川。世界遺産にふさわしい文化的景観として後世に引き継ぐことが求められているが、2011(平成23)年9月の紀伊半島大水害に伴う河川の氾濫や大規模な山腹崩壊などで濁水が長期化し、漁業や観光に影響が出ている。
今回、国と県に提出する要望書では、人命を最優先としたダム運営、防災対策、環境対策、海岸侵食対策など8項目を訴える。事務局は、電源開発に対しては毎年要望書を提出しているが、定例的な回答に終始し動きが見えないとして、要望事項への対応可否や時期、理由を明確にするなどを求めるとともに、関係市町村との協議による解決に向けた適切な対応を強く要望するとした。
副会長の山口賢二・北山村長は「今日は熊野川も十津川も大変澄んでいた。これが本来の熊野川の姿だと感じた。県、国、電源開発に広く要望活動をしていきたい」と話した。
同会は和歌山、三重、奈良3県の熊野川流域14市町村の首長や議長ら60人で組織。熊野川水系の汚濁防止などを目的に活動している。
(2019年1月31日付紙面より)
日本カツオ学会がフォーラム開催
日本カツオ学会が主催する「平成30年度カツオフォーラムin南紀」が26日、那智勝浦町体育文化会館で開かれた。同学会の川島秀一会長ら5人が登壇し、カツオひき縄漁を中心に、さまざまな発表があった。同町の堀順一郎町長、新宮市の田岡実千年市長や町内外から漁業関係者ら約100人が来場した。
同会はカツオに縁のある地方で、資源問題を中心に毎年フォーラムを開いている。川島会長は冒頭で、「あらゆる漁法の発祥の地である紀伊半島での開催にあたり、今回は歴史的な広がりの中での地域間交流などテーマを広げようと考えた。昨年末の漁業法改正、日本のIWC(国際捕鯨委員会)脱退など、水産行政の動きは目まぐるしい。今回のフォーラムを、今後の学会の立ち位置や情報発信などの足掛かりとしたい」と話した。
基調講演では、新宮市議会議長・屋敷満雄さんが「新宮市と気仙沼市の地域間交流事業」をテーマに話した。研究発表では、川島会長が「ケンケン漁の始まりと伝播」と題し、ひき縄漁(=ケンケン漁)の発祥から漁法の伝承、同漁法の特徴でもある「疑似餌」の文化的側面について言及。ハワイや千葉などでのフィールドワークの結果を発表した。
続いて、50年以上にわたるカツオ漁の経験を持ち、カツオ資源問題に取り組む和歌山東漁業協同組合古座支所の杉本武雄支所長が、回復傾向の見えない日本沿岸のカツオの不漁について現状を訴えた。漁業法改正による沿岸漁業者の不利益も懸念した。
和歌山県水産試験場の資源海洋部でカツオを専門に研究する小林慧一さんが、カツオの移動回遊などの生態調査結果を報告し、資源の減少について裏付けとなる根拠を示した。茨城大学客員研究員で全国沿岸漁民連絡協議会(JCFU)の二平章事務局長は、太平洋クロマグロの資源や漁獲規制問題について国際的な背景をひもといた。
発表内容の詳細については後日掲載する。
(2019年1月31日付紙面より)
睡眠についての公開講座 (串本町 )
串本町地域保健福祉センターで28日、睡眠についての公開講座があり、約50人が適度な睡眠の大切さなどを考える機会を得た。
この講座は、同町保健センターが主催。町民の健康増進を目的とし有識者を招く形で定期的に開いていて、今回は睡眠をテーマにし和歌山県立医科大学名誉教授でもある浅香山病院臨床研究研修センター長の篠崎和弘さんを講師に迎えた。
開講に当たり役場福祉課の吉村眞也課長は「健康な日常生活を送るためには食事や運動と並んで、睡眠による休養が大切。毎日の睡眠をより良いものにするため、睡眠の役割や睡眠不足、睡眠の異常を放置しない正しい知識を習得してほしい。篠崎先生の講演が皆さんや家族の睡眠の問題を見直す機会になることを祈念する」とあいさつ。篠崎さんは「睡眠の重要性と睡眠障害について」と題して登壇し、適度な睡眠を実践するための知識や日常生活における実践のポイントを紹介した。
睡眠をつかさどる仕組みには睡眠ホルモンと生物時計の二つがあり、前者の睡眠要求と後者の睡眠覚醒が重なったときに人は眠りにつく。円滑に眠りにつくための数あるポイントの中でも特に大切にしたいのが、起床時の日光浴と就寝前の十分な入浴。これらが睡眠ホルモンの分泌と就寝時の放熱を良好にする、として意識するよう促した。
睡眠不足がもたらすさまざまなリスクも生活習慣病や脳の衰えとの対比で紹介。アルツハイマー病原因物質(アミロイドβ)は睡眠時でないと減らせないことや、不足でも過剰でもない適度な睡眠時間を保てばうつ気分はそうそう出てこないことを伝えた。
睡眠薬に頼る前にまず生物時計を正すことを試み、加齢により中途覚醒や早期覚醒の傾向があるときは運動を取り入れるなど生活改善でアプローチする。生活改善で解決できない睡眠関係の病気(睡眠時無呼吸症候群など)もあり、治療を試みてなお睡眠障害が出る場合に睡眠薬の処方がある。篠崎さんはそのように睡眠障害の診療の流れを説明した。まとめとして①睡眠時間が短くても起床時間を守る②眠くなってから床に就き、寝付けなければ床を離れる③昼間は日光を十分に浴びる④30分程度の昼寝を15時までに取り、夕食後の居眠りは避ける⑤適度の運動(夕方)と入浴(就寝1~2時間前)⑥アルコール、カフェイン、ニコチンを避ける―を不眠対応時の生活習慣改善事項として掲げ、良い睡眠は健康の上にあり、健康は身体的・社会的・認知的活動の上にあるとして適度な睡眠がとれる日常生活の実践を求めた。
受講者は事前アンケートで現在の睡眠状況や悩みを報告し、その集計結果を篠崎さんが分析してアドバイスを寄せた他、質疑にも答えて睡眠障害の不安解消に努めた。
(2019年1月31日付紙面より)
ゆかし潟へ冬鳥の飛来少なく (那智勝浦町 )
那智勝浦町湯川の汽水湖「ゆかし潟」で昨年末から、ヒドリガモの群れが水草や藻をついばむ姿が観察されている。
ヒドリガモは全国に分布するカモ科の冬鳥。ゆかし潟には毎年11月中下旬に飛来し、越冬後の3月下旬には飛び立つそうで、おなじみの風景となっている。30~40羽の群れが毎日、平たく短いくちばしで、湖の浅瀬やここに流れ込む湯川川で緑の藻や水草を食べる様子が随時見られ、隣接の「喫茶&軽食きよもん」を訪れる客などの目を和ませている。
ゆかし潟にはマガモやカルガモが生息するほか、例年なら同じくカモ科のホシハジロなど、毎年数種類の冬鳥が越冬してにぎわうが、「きよもん」で尋ねると「今年は種類、数ともに非常に少ない」という。湖面では、褐色のヒドリガモが冬の風情を醸し出していた。
(2019年1月31日付紙面より)
JA杯少年サッカー大会
第7回卓球大会「ツナ・カップ」
風間杯全国高校選抜への出場決める (レスリング近畿B予選 )
大泰寺で「大般若法要」 (那智勝浦町 )
那智勝浦町下和田の古刹(こさつ)関南七薬師第一古道場として薬師尊像を祭る霊場、定光山大泰寺(西山十海住職)で13日、「大般若法要」が盛大に営まれた。
法要は西山住職をはじめ太地、那智勝浦両町の寺から住職が出仕。大般若経典(600巻の大般若経典の一部)を左右に波打たせながら一気に読む転読が行われ、厄払い、家内安全、商売繁盛などを祈った。
その後、本堂や薬師堂の回廊などから西山住職や各寺住職、檀家役員、区長総代らが米約290㌔分の餅やいなほ作業所のパン150個を一斉に投げ、近隣から集まった大勢の善男善女らが境内で餅拾いを楽しんだ。
同寺は伝教大師により1200年前の平安時代初期に創建された桓武天皇勅願道場と伝えられている。薬師堂は関南七薬師の第一霊場として昔から近隣の人々の信仰を集めてきた。本尊の薬師如来像(国重要文化財)は1156(保元元)年の作。その優美な姿に引かれ、ご開帳の際は大阪や東京などからも参拝者が訪れる。堂内では、鎌倉時代に作られた毘沙門天・不動明王像および十二神将と共に祭られている。
(2019年1月17日付紙面より)
潮﨑本之宮神社祭礼「お的祭」 (串本町 )
串本町串本にある潮﨑本之宮神社(深美芳治宮司)の祭礼「お的祭」が14日にあり、弓頭2人らによる「お弓式」が注目を集めるなどした。
同神社の「お的祭」は、総代会(吉村健三総代長)の奉納行事「お弓式」を軸にした祭礼で、毎年1月第2月曜日(成人の日)を期日にして営んでいる。今年は南区の人選により吉村海君(18)が正弓頭、岡村龍之介君(18)が副弓頭を務めることになり、指南役の堀好之総代と共に4日から前日まで稽古に励んで所作を習得。当日は正弓頭に矢拾いの堀遥陽さん(9)と堀周雄総代、副弓頭に矢拾いの堀結陽さん(8)と深石遂総代がつく形で式に臨んだ。
弓頭2人は早朝の潮ごりで身を清め、深美宮司と共に神前奉告。吉村総代長の仕切りで境内に設けた的場へ入り、総代らが直径約2・7㍍のお的を据えて式を始めた。弓頭は1巡目に2本、2巡目は左右で入れ替わり2本。「おーまとー」の掛け声に合わせて計4本の矢をお的めがけて放ち、吉村君は4本、岡村君は2巡目の2本を的中させて見守る人々を歓喜させた。1巡ごとに矢拾いが矢を集めて弓頭に戻し、3巡目は境内の茂みを越える遠矢(とおや)を串本古座高校グラウンド方向へ放って締めくくった。
2巡目終了直後、お的は総代らにより細かくちぎられ、災いよけとして配られた。「お弓式」と並行して同神社は厄よけ祈祷(きとう)を営み、年の節目を迎えた12人が参列した。「お弓式」終了後は総代会から米1石分、併せて祈祷参列者が奉納した餅がまかれた。
「お弓式」を経て、弓頭の奉仕2回目の吉村君は「3年前は1本外したが、今回は全て的中できて良かった。自分は自衛隊に就職するので、国や串本を守れるよう願いたい」。奉仕は初めての岡村君は「最初の2本を外したけれど、3本目の的中でいい音が出せてよかった。自分は進学するがこれからも健康第一で過ごしたいし、地域の皆さんも健康に笑顔で暮らせるよう願いたい」。吉村総代長は「家内安全、大漁満足。うちは漁神様なので、毎年そのように願っている。カツオ(の漁場)がまだ遠いので、早く黒潮が接岸してくれたらなぁと思う」とそれぞれ話した。
(2019年1月17日付紙面より)
井田小学校で防災学習 (紀宝町 )
紀宝町立井田小学校(前田幸利校長、児童118人)は15日、防災学習を実施。全校児童が地震体験車で最大震度7の揺れを体験した。
いつ発生してもおかしくないといわれている南海トラフを震源とする巨大地震に備えることが目的。地震体験車を所有する三重県防災対策部の金城健二・防災啓発専門員らが出向いた。
各学年に分けて実施。1年生に対し、金城さんは「半年前に大阪で震度6弱の大きな地震が発生し、ブロック塀が倒れて女の子が犠牲になった。震度6弱はブロック塀や家の中のタンス、冷蔵庫などが倒れる大きな地震。南海トラフ地震はもっと大きいため、どれだけ揺れるのか体験してほしい」と話した。
体験車は、過去に起こった地震や今後予想される地震パターンの震動を再現できる。この日は「南海トラフ地震」の揺れで訓練。最大の震度7の震動では、児童らからも驚きの声が上がった。
揺れを体験した児童に金城さんは「今日の体験を家族に話し、家具が倒れないようになっているか確認してください」と呼び掛けた。
全学年の児童は「防災ノート」を活用して、危険箇所を確認するなどした。防災ノートは、県教育委員会が南海トラフ地震や台風、集中豪雨などの自然災害から児童生徒の命を守るために作製し、県内各小中学校などに配布している。
(2019年1月17日付紙面より)
元鍛治町の堅田裕見子さん (御燈祭りに向け )
新宮市元鍛治町の堅田裕見子さんは自宅近くの作業所で、「御燈祭(おとうまつ)り」で上(あ)がり子たちが履く草鞋(わらじ)を作っている。本業である理容業の合間を縫って毎年50足ほど編んでいる。
近年、地下足袋を履く上がり子が目立っていたが、「石段で滑る」と正装である草鞋に戻る人が増えている。上がり子の数は2000人前後と、50年前の約3倍に増える一方、草鞋を作る人は高齢化で年々減っており、関係者らを悩ませている。
新宮で生まれ育った堅田さんは、草鞋の確保が難しくなっていることを知り、同市熊野川町や紀宝町鮒田の女性たちから直接学び、5年ほど前から本格的に作り始めた。作っているサイズは15~27㌢だが、大きなサイズのものも別注で受け付けている。
草鞋作りは力仕事。指や腰、腕などを痛めることもある。材料のわらが確保できるのが8月下旬以降ということもあり、秋から冬にかけての冷え込む中での作業となる。「作り手が一人、また一人といなくなり、材料の確保も難しい。わらを運搬する車も必要」と不安を口にする。「奉仕の気持ちで作っている。上がり子の皆さんには現状を理解し、大事に使ってほしい」。
草鞋一足を作る苦労を知ってもらうとともに将来、作り手を育てるための「草鞋作り体験教室」の開催や、観光客など一度しか使わない上がり子への荒縄の貸し出しなども提案していた。
(2019年1月17日付紙面より)
2019くまの駅伝大会
新宮市、成人式に258人
新宮市の成人式が4日、市蓬莱体育館であった。振り袖やはかま、スーツ姿の新成人258人(男144人、女114人)が出席し、大人への第一歩を踏み出した。新成人を代表して松本悠馬さんが「大人になったことを自覚し、新宮市に対する誇りや感謝の気持ちを忘れずに、困難を乗り越えることに前向きに取り組んでいく」と誓った。
国歌と市歌斉唱後、速水盛康教育長が開会の辞。田岡実千年市長は「人生の大きな節目となる記念すべき日に、両親や家族と共に生きてきた思い出、友人たちと一緒に学び遊んだ思い出に思いを巡らせてほしい。一人で生きてきたのではなく、いろんな人のお世話になったと思うのでは」と述べ、人生の第二幕が元気で生き生きとした輝かしいものになるよう祈願した。
来賓の屋敷満雄市議会議長、濱口太史県議会議員が祝辞を述べ、アコースティックユニット「ヤブシン」が歌で祝福。教育委員の中村八十八さんのあいさつで閉式した。
会場は久しぶりに会う同級生たちとの会話や記念撮影でにぎわっていた。奥舜太さん(20)は「成人式を無事に迎えられたのは、親を含めた皆さんのおかげ」と感謝の言葉を口にし、「就職して自立した立派な大人になりたい。親の面倒を見られる力を身に付けたい」と抱負を語っていた。
(2019年1月6日付紙面より)
那智勝浦町の勝浦地方卸売市場で初市があった4日、和歌山県漁業協同組合連合会副会長理事の片谷匡さんら4人は同町の熊野那智大社(男成洋三宮司)を参拝した。水揚げされたマグロを奉納し、海上安全や大漁などを祈願した。
ささげられたマグロは約20㌔のメバチマグロとビンチョウマグロの2本。神事やみこによる神楽「那智の滝舞」も行われた。
男成宮司は「漁の安全と大漁、漁協のご発展を祈念しております。漁業を取り巻く環境は厳しいが、勝浦はマグロが有名な町。皆さま方には、ご苦労も多いかと存じますが、一層の力を尽くしていただけましたらありがたいと思います」と語った。
県漁連勝浦市場部参与の吉村泰治さんは「今年一年の大漁祈願と操業の安全、勝浦地方卸売市場の関係者の皆さんの繁栄を祈願しました」と話した。
(2019年1月6日付紙面より)
新宮公設市場で初市
新宮市佐野の新宮広域圏公設地方卸売市場で5日、同市場協力会(小田三郎会長)主催の「平成31年初市」があった=写真。
生鮮食料品の円滑な流通と安定供給を図り、周辺広域住民の食生活の安定に貢献することを目的に、1985年5月に県下の公設市場第1号として設置された市場。初競り前の式典で小田会長は、昨年成立した改正市場法、今年10月の消費増税や軽減税率制度などへの対応、地元商店の利用を高めてほしいことなどに触れ、「この地域の食品流通の拠点としての機能をさらに磨き、市場に託された使命を誠心誠意果たしていきたい」とあいさつ。
市場管理者の田岡実千年市長は関係者たちの日頃の協力に感謝し、「皆さまには安心安全新鮮な食材の供給を続け、圏域の住民の台所を支えていただいていることに感謝したい」と一層の尽力を呼び掛けた。
多数の来賓が出席する中、万歳三唱し、午前7時30分から初競りが始まった。ダイコン、イチゴなどが次々と競り落とされた。くろしおいちご生産組合のマスコットキャラクター「まりりん」も来場した。
(2019年1月6日付紙面より)
官公庁で仕事始め式
和歌山県庁や各市町村など官公庁で4日、仕事始め式があった。6日間の休業を終えた職員たちは首長らの訓示の下、気を引き締めて新しい一年のスタートを切った。
新宮市の仕事始め式は市福祉センターであり、職員約100人が出席した。全員で市歌を斉唱した後、田岡実千年市長が「市政は市民のため」を基本理念に犠牲者ゼロのまちづくり、文化複合施設の平成32年度までの完成などに取り組むと述べ、「市民の誰もが元気で心豊かに暮らせるまちの実現のため今年も渾身(こんしん)の力を込めて頑張ってまいります」とあいさつした。
来賓として出席した屋敷満雄市議会議長が「課題は山積していますが、諦めず、縦と横の連携を密にして公務に励んでもらいたい」と祝辞。向井雅男副市長が「創意工夫による事業展開を実施し、市政発展のために取り組んでもらいたい」と乾杯の音頭を取り、速水盛康教育長が「猪突(ちょとつ)猛進、迷わず、ブレずに着実に市が発展し続けることを願って」と述べ、万歳三唱で閉式した。
□ □
那智勝浦町は4日、庁舎2階の大会議室で仕事始め式を開いた。出席した職員ら約70人は新たな気持ちで今年の業務に取り組むべく、気を引き締めた。
全員で町歌を斉唱後、堀順一郎町長が「職員の皆さまには今まで以上に奮起していただきたい」と訓示。「懸案・課題を早く解決できるように、私も先頭に立ち、那智勝浦町や役場が元気に明るくなったといわれるように皆さまと一緒にまちづくりをしていきたい。ご協力をお願いします」と呼び掛けた。
(2019年1月5日付紙面より)
新宮建築組合が釿始式 (熊野速玉大社 )
建築業界の発展を願い新宮建築組合(広里嘉一組合長)は4日、新宮市の熊野速玉大社(上野顯宮司)で鎌倉時代から伝わる「釿始式(ちょんなはじめしき)」を営んだ。
この神事はもともと同大社の宮大工、小野家に伝わる仕事始めの儀式で、現在は、同組合が継承している。
この日は組合員ら18人が参列。白装束にえぼし姿の森田稔さん(54)がヒノキの原木(樹齢約60~70年、長さ約4㍍、直径約20㌢)をお神酒で清め、西下悟さん(41)と清岡尚寿さん(39)が墨を打った後、森田さんが鎌倉時代から同大社に伝わるカギ型の大工道具「釿」を「エイ、エイ」と3カ所に打ち付けた。
神事のあと上野宮司が参列した組合員らを前に釿始めの歴史を紹介し、「どうか今年一年も皆さんお元気で、新宮のみならず熊野地域の業界の発展のために尽力いただきたい。本当に今日は素晴らしい釿始めをありがとうございました」とあいさつ。広里組合長は「昨年は材料が入りにくかったり、自然災害が発生したりと、いろいろなことでお客さまにも迷惑をかけてしまったが、皆さん頑張っていたと思う。いま、釿始式を終え、今年一年頑張ろうという気持ちが湧いてきました」と話した。
(2019年1月5日付紙面より)
有田神社祭礼「お的祭り」 (串本町 )
串本町有田上にある有田神社(深美芳治宮司)の祭礼「お的祭り」が3日にあり、弓頭3人が同神社近くの的場で思いを込めて矢を放った。
この祭礼は氏子区域である有田、有田上、吐生の新春に弾みをつける例祭で、今年の弓頭は昨年に引き続いて有田~有田上区域の寒川広夢さん(19)、吐生区域の水本小夏さん(16)と長谷川莉杏さん(16)が務めた。
午前9時に本殿前で式典が営まれ、弓頭3人は中山眞作区長や世話役の神社総代と共に神前奉告。鳥居そばで古式の修祓(しゅばつ)「湯立ての儀」で身を清めた後に同神社前の耕地に設けた的場へ入り、深美宮司の仕切りによる弓行事に臨んだ。
弓頭は1人につき1巡目と2巡目に6本を放ち、3巡目は3本を放った後に一度同神社へ戻って白衣から黒衣へと着替え、魚の切り身を口にして的場へ入り残り3本を放った。その様子は家族ら住民も見守り、的中するたびに拍手を注いで喜んだ。
湯立ての儀の釜湯の上にサンマなど28匹をかざし、弓頭は魚の切り身を口にして素人(白衣)から玄人(黒衣)に変わるなど、独特の慣習を宿す同神社の「お的祭り」。弓頭を務めた水本さんと長谷川さんは学力の向上、寒川さんは仕事の上達を個々の願いとして奉仕に込めたそうで、区域の代表として寒川さんは「自分は地元で就職したが、そうしたいほど有田はいい環境。同じように若い皆さんにも興味を持ってほしい」、水本さんは「このような行事を通して有田は素晴らしいところだということを、地元だけでなく観光客の皆さんにも見てもらえるようになれば」、長谷川さんは「有田は自然も豊かなところだということを、このお祭りをきっかけにしていろんな人に見てもらいたい」、深美宮司は「昨年の台風で有田地区も被害を受けた。人災、天災(=台風や豪雨の災害)、自然災(=地震や津波の災害)。今年は諸々の災いが氏子に降りかからないことを願いたい」と思うところを語った。
(2019年1月5日付紙面より)
勝浦市場で初競り (那智勝浦町 )
はえ縄漁法による生鮮マグロ水揚げ高で日本一を誇る那智勝浦町築地の勝浦地方卸売市場で4日に初市があった。近海で操業していた高知の漁船3隻がメバチ、キハダ、ビンチョウなど約20㌧、2257万円を水揚げ。前年に比べると水揚げ量は7割近く減ったものの、平均単価は1112円とほぼ倍増。4月からの年度集計では平均価格に上昇が見られている。
勝浦漁協によると昨年の1月1日から12月31日までの水揚げは約922㌧・1億7911万円の減。4月1日から12月31日では約6749㌧(前年比476㌧減)、金額は49億3568万円(同約1億4816万円増)となっている。
勝浦魚商協同組合の木下勝之組合長は「漁獲高の減少、漁価の上昇はわれわれにとって厳しくはあるが、組合で協力し合い販路を広げていく。外来船が安心して入港できる港に」とあいさつし、3月完成予定の冷凍冷蔵施設の整備に感謝の言葉を述べた。県漁連勝浦市場の太田直久参事は「年末はビンチョウマグロが少なかったが、今日は多く揚がった。近海のシーズンはスタートしたばかり。これからに期待したい」と話した。
(2019年1月5日付紙面より)