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2019年07月27日
1 ようやく夏空広がる
 海水浴場、自然プールにぎわう  (熊野地方 )

 近畿地方が梅雨明けした翌日の25日、熊野地方では30度を超える真夏日となった。夏休み中の児童、生徒にとってようやく〝夏本番〟を迎えた。

 新宮市の高田自然プール、三輪崎海水浴場、那智勝浦町のブルービーチ那智、玉の浦海水浴場、湯川海水浴場、宇久井海水浴場、串本町の橋杭海水浴場、太地町のくじらに出会える海水浴場、熊野市の新鹿海水浴場、大泊海水浴場がオープンしている。

 今年の梅雨明けは昨年より15日遅かったため、夏休みが始まった19日以降も好天に恵まれる日は少なかった。27日は台風の影響で、夕方まで雨が降り、雷を伴い激しく降る所もある。その後は高気圧に覆われて晴れる見込み。最高気温、最低気温ともに、おおむね平年並だという。

 夏空が広がった25日、熊野川支流の高田川に設けた新宮市の高田第一自然プールと第二自然プールは、多くの子どもたちでにぎわいを見せた。

 紀宝町から母、祖母と訪れた藤田綾真(りょうま)君(7)と妹の結愛(ゆあ)ちゃん(6)は、「冷たいけど楽しい」「気持ち良い」と笑顔。自然の地形を利用した天然プールを満喫していた。

 太地町のくじらに出会える海水浴場は、くじら浜海水浴場で開かれる人気のイベント。2008年から始まり、今シーズンは8月19日(月)までクジラと一緒に泳ぐことができる。時間は午前11時からと午後1時からの1日2回、それぞれ15分程度。

 今年は6回目で雌のサツキ(体長291㌢、推定体重309㌔、推定10歳)と、デビューを迎える雄のネモ(262㌢、推定体重208㌔、推定4歳)のハナゴンドウ2頭が海水浴客をもてなす。

 25日はサツキが海水浴客と一緒に泳いだ。近距離でスマホ撮影したり、「かわいい」などと声を上げながらクジラとの触れ合いを楽しんだ。

 奈良県から家族5人で訪れた辻窪煌雅(おうが)君(9)と夢雅(ゆうが)君(7)兄弟は「近くで見たクジラは大きかった。めちゃくちゃ楽しかった」。母親のカナさんは「インターネットでこの海水浴場を知り、宿泊先の白浜町から車で2時間かけて来ました。良い思い出になったと思う」と話していた。

(2019年7月27日付紙面より)

クジラと一緒に泳ぐ海水浴客=25日、太地町のくじらに出会える海水浴場
川遊びを満喫する子どもたち=25日、新宮市の高田第一自然プール
2019年07月27日
2 看護への理解深める
 オープンキャンパスに80人  (なぎ看護学校 )

 新宮市蜂伏の県立なぎ看護学校(塩路喜英校長、生徒113人)で26日、オープンキャンパスがあった。市内や近隣市町村の高校生と社会人80人が参加し、学生との交流などを通して看護学校への理解を深め、進路決定の参考にした。

 オープンキャンパスは毎年同校2年生が中心に企画し、進行している。オリエンテーションで自治会長の笠置海斗さん(2年)は「この機会を通して本校の授業内容や学校生活などについてより良く知ってもらいたい。皆さんの進路選択に役立ててもらえればと思います」とあいさつ。峯本久美・教務主任は同校の理念や特色、看護師に求められていることなどを語り、「1995年に開校し今年で25年目を迎え、地域の方々に育ててもらっていることを感じている。看護を学ぶにあたり、頑張っておくこと、大変なことは何か、学校生活や学習の楽しさなどをしっかり聞いていってください」と呼び掛けた。

 看護学生たちは、写真や動画を使い学校名の由来、年間行事などを紹介。参加者は班に分かれ、体育館や図書館などの施設を見学し、手指消毒や脳疾患の授業、車いす、血圧測定、乳児のモデル人形を使った体験などに取り組んだ。

 将来、看護師を目指している新翔高校1年の田端詩月さんは「限りなく現場に近い雰囲気などを実感したい。実習全般が楽しみで、将来の進路に役立てたいです」と話していた。

(2019年7月27日付紙面より)

モデル人形を使い抱っこ体験に取り組む参加者=26日、新宮市蜂伏の県立なぎ看護学校
2019年07月27日
3 長年の功労たたえる
 柳本利文さんが栄誉金章受章  (新宮警察署 )

 新宮警察署少年補導員連絡会の柳本利文会長(69)は6月13日、東京都千代田区で開催された「令和元年度公益社団法人全国少年警察ボランティア協会少年補導功労者及び少年補導功労団体表彰式」で少年補導功労者栄誉金章を受章した。新宮警察署(髙砂(たかす)浩之署長)で26日、受章報告会があり、髙砂署長は「長年精力的に活動を続けてこられたたまもの。誇りに思います」と功労をたたえた。

 柳本会長は2002(平成14)年4月から同署少年補導員連絡会員として活動。04(平成16)年に少年指導委員として委嘱を受け、12(平成24)年からは同連絡会長として少年の健全育成や非行防止など啓発活動に取り組んでいる。

 徒歩や自転車で地域を見守る自主防犯団体「リンリンパトロール」や、青色回転灯を装備した青色パトカーで地域をパトロールする「自主防犯パトロール隊」を発足させるなど、活動は多岐にわたる。15(平成27)年には少年補導功労者栄誉銀章を受章しており、長年の実績を認められての受章となった。金章受章は全国で47人で県内では1人。

 柳本会長は「なぜ自分が、という思い。先輩諸氏がやってきたことを実行してきただけのこと。最高章とのことですが、最高の行いをしたという気持ちはない」と謙遜しながらも「これを機に原点に返り、精力的に青少年の健全育成、非行防止に努めていきたい」。

 昔に比べて素直な生徒が増えてきたと話し「見せる活動を心掛けたい。自転車盗や万引が増えていると聞くが、事務局と相談しながら対応していけたら。今後も全力を挙げて啓発活動をしていきます」と抱負を語った。

 髙砂署長は「素直な生徒が増えているというのは柳本会長をはじめとする会員の方々の活動が浸透している証拠では。警察だけでは限界があり、ボランティアの活動が必要不可欠。今後とも連携しながら青少年の非行防止に努めていけたら」と感謝を述べた。

(2019年7月27日付紙面より)

少年補導功労者栄誉金章を受章した柳本利文さん(左)と髙砂浩之署長
2019年07月27日
4 串本なんたんジオバウム
 有田市の専門店が販売へ  (串本町 )

 有田市に拠点を置く株式会社トータル・プランニング(富山晃至代表取締役)が展開するバウムクーヘン専門店「MAHALO(マハロ)」がこのほど、串本町特産のサツマイモ「なんたん蜜姫」を素材として取り入れた新商品「串本なんたんジオバウム」のレシピを開発した。近日中に串本町内にも販路を開いて、販売を始める予定。同社は先だって25日、田嶋勝正町長に試食を交えて報告をするなどした。

 この開発は、同町が串本らしい商品の登場を期待していることを職員経由で知ったことがきっかけ。27日に南紀熊野ジオパークセンターがオープンするなど地質への注目が高い地域性に着目し、層つながりで自社のバウムクーヘンに潮岬発祥のJA紀南ブランド品でもある「なんたん蜜姫」のペーストを取り入れることを思い付いた。

 同センターオープンまであと1カ月というタイミングで、「完成を間に合わせる」という意気込みを持ってレシピの開発に着手。同店がこだわるふわふわ感から若干しっとり感が増したが、甘くクリーミーで豊かな風味が感じられるレシピを完成させ「串本なんたんジオバウム」と命名した。

 田嶋町長への報告時には、専用の化粧箱と商品として想定する約350㌘の重さで切り分けた実物を持参。富山代表取締役(42)は開発の経緯などを伝えて試食を勧め、田嶋町長は「しっとりもっちりしていて甘さは控えめ。ご年配にも親しんでもらえそうなおいしさ」と応え、バウムクーヘン独特の層と地層をかけたコンセプトのユニークさも含めて商品化を喜んだ。

 このバウムクーヘンは、同センターのオープニングセレモニー出席者に配ることにもなっている。田嶋町長は話題に付随して経済につながる商品の第1弾として興味深いと注目し「今後も第2、第3の商品が登場して地元を味わうように親しんでもらえたら」と今後を期待。富山代表取締役はこれからもジオと特産品を絡めた開発をやっていきたいと意気込みを掲げた。

 報告時の形がほぼそのまま商品になるそうで、冷凍で90日保存できる形で土産物として販売する方向で町内事業者との交渉を進めているという。

(2019年7月27日付紙面より)

田嶋勝正町長(右)に開発を報告する富山晃至代表取締役=25日、串本町役場本庁
2019年07月27日
5 開催プログラム決まる  第13回那智勝浦町花火大会  
2019年07月27日
6 伯母峯峠道路を早期に  関係市町村長ら県と国交省に要望活動  (国道169号改良促進協 )
2019年07月27日
7 「車に気を付けて楽しい夏を」  成川保で交通安全教室  (紀宝町 )
2019年07月27日
8 子どもたちが夏休み満喫  各地で納涼する姿  (紀宝町 )
2019年07月27日
9 佐古さん、日浦さんが1位 写連紀南支部7月例会 
2019年07月27日
10 季節の花を生ける  生きがいと創造の事業で  (新宮市 )
2019年07月27日
11 ねんりんピックポロシャツ販売  新宮市内のスポーツ店で予約受け付け  
2019年07月27日
12 夜店に踊り、花火楽しむ  潮岬こども園の夕涼み会  (串本町 )
2019年07月27日
13 連夜の練習で獅子舞磨く  奉納3団体の稽古大詰め③  (河内祭に向け )
2019年07月27日
14 夏の「涼」を楽しむ  グランドール紀の風で流しそうめん  (新宮市 )
2019年07月23日
15 伝統の祭りを受け継いで 佐野柱松実行委が「こども柱松体験会」 (新宮市)

 新宮市の佐野柱松実行委員会(瀬古尊夫会長)は20日、同市佐野のくろしお児童館で「こども柱松体験会」を開いた。3~14歳の子どもたち28人が参加し、たいまつ作りや投げ方の練習をして楽しんだ。

 子どもたちに地元の伝統的な祭りを伝え体験を通じて興味を持ち、将来祭りに携わってもらえればと初めて実施した。佐野柱松は害虫駆除や五穀豊穣(ほうじょう)を願い行われてきた伝統の祭り。戦時中に一時中断し、1948年に佐野青年会が復活させたが資金、労力の不足から58年夏の開催以降再び中断。93年に同実行委員会が復活させた。

 この日は同会の瀬古正・相談役が祭りの由来やたいまつの作り方を説明。たいまつは同会が用意したスギやマツ、ヒノキを約20㌢に切り、割いて細かくしたものを使用。参加者は8本を直径約5㌢になるよう針金で束ねて約50~60㌢の縄を付けて完成させた。

 同児童館の庭では投げ方の練習もあり、同会メンバーから教わりながら、作ったたいまつを籠に目掛けて投げた。「惜しい」「もう少し」などと声を上げ、にぎわった。

 並川綾花さん(11)は「たいまつを巻くときに針金が固かったけど、楽しかったです。思うように飛ばなくて難しかった。地元の祭りをもっと知りたいと思いました」。瀬古相談役は「参加者全員の楽しそうな姿が見られました。子どもたちに興味を持ってもらった上で、佐野の伝統の祭りを受け継いでもらえれば」と話していた。

(2019年7月23日付紙面より)

たいまつ作りを体験する子どもたち=20日、新宮市佐野のくろしお児童館
体験を終え記念撮影
2019年07月23日
16 蒲焼きやひつまぶしに列
 熊野なまず即売会が盛況  (新宮市 )

 新宮港埠頭株式会社(小池㬎二=けんじ=社長)は21日、新宮市三輪崎の新宮港湾会館前駐車場で「熊野なまず」の蒲(かば)焼きとひつまぶしの即売会を開いた。大勢の人が熊野なまずを求めて列を作った。

 熊野なまずは市の第三セクターである同社が不純物のない地下水を使用して同市木ノ川で卵から養殖している。現在は成魚3万匹を飼育しており、愛知県や大阪府、東京都などに出荷している。市内では5店舗が熊野なまずを使った料理を提供しているほか、新宮港に客船が入港した際、乗船客らに振る舞われている。

 今回の即売会は地元住民への周知を目的に開いた。蒲焼き、ひつまぶしは各約300食を用意。蒲焼きを購入した女性は「食べてみたいと思っていたところ、新聞で即売会を知りました」。試食した人たちは「おいしい」「昔食べたことがあり、買いにきました」などと話していた。

 小池社長は年に数回は即売会を開きたいと話し「今後は子どもたちに給食で提供したいとも考えています。うなぎと比べられますが違う味。比較すると淡白ですが、低脂質で高タンパク、コラーゲンも含まれています。皆さんに食べていただきたい」と話していた。

(2019年7月23日付紙面より)

大勢の人が熊野なまずを買い求めた=21日、新宮市三輪崎
2019年07月23日
17 涼しい環境で自主学習
 サマースクール始まる  (紀宝町 )

 紀宝町教育委員会(西章教育長)による「サマースクール」が22日、町内5小学校区の各施設で始まり、初日から児童が学習に取り組んだ。土曜、日曜などを除く8月30日(金)までの20日間続く。

 夏休み期間中に学習時間を設定し、町教委が派遣する講師が児童の個別指導に当たることで、学習に対する意欲喚起と学力向上を図ることが目的。

 自主学習の場として5年前からスタートし、2年目から学校単位で実施している。年々参加する児童が増えており、初年度は183人、一昨年度は198人、昨年度223人が登録。本年度は町内全小学校児童の44・5%に当たる233人が参加した。

 鵜殿小学校区の町生涯学習センターまなびの郷では1~6年生の61人が登録。涼しい環境の中でさっそく夏休みの宿題に取り掛かった。自学ノート、教科書、ドリルなどを広げ、1学期の復習をする姿も見られた。講師は児童の「学びに向かう姿勢」を育むよう学習をサポートした。

 開校式で西教育長は「自分がしなければいけないこと、したいことの計画を立て、やりきる行動力を身に付けてほしい。毎日元気に通ってくれることを願っています」と激励した。

(2019年7月23日付紙面より)

自主学習に取り組む児童たち=22日、紀宝町生涯学習センターまなびの郷
西章教育長
2019年07月23日
18 有意義な派遣願い送り出す 青少年団10人がメ市へ出発 (串本町)

 串本町姉妹都市交流事業〈派遣事業〉の青少年団10人が21日、トルコ共和国・メルシン市(以下メ市とする)へと出発した。29日(月)夕方に帰町する予定で、現地では市長表敬や現地観光、ホストファミリーとの生活やメ市側の受け入れ組織主催の交流、イスタンブール観光などに臨むという。

 同町樫野にあるトルコ軍艦エルトゥールル号の慰霊碑と同じ形の碑が建立されている縁で1994(平成6)年に姉妹都市関係を結んだメ市。姉妹都市交流事業における青少年派遣は現串本町では教育委員会が担当していて、両市町が隔年で送り合う形で取り組んでいる。同町は西暦奇数年に派遣する(同偶数年はメ市の青少年団の受入事業を実施)巡りにあるが、同国の治安事情により過去3回中止としたため、今回の派遣は8年ぶりとなる。

 青少年団の内訳は、町内在住の中学生7人と同町総務課に勤務するトルコ人国際交流員のドゥルナ・オズカヤさんら引率の成人3人。21日は同町文化センター前に集合し、同町教委の潮﨑伸彦教育長は「歴史と文化に触れて相手を理解し、友好を深めてほしい。長期の派遣となるのでくれぐれも健康に気を付け、元気に戻ってきてほしい」とあいさつし、参加する中学生が有意義な派遣とすることを願って家族らと共に送り出した。

(2019年7月23日付紙面より)

家族らの送迎を背に出発する青少年団の中学生ら=21日、串本町文化センター
2019年07月23日
19 近大新宮が初戦突破
 一時は同点とされるも八回に勝ち越し  (全国高校野球選手権和歌山大会 )
2019年07月23日
20 年代や経験は関係なし
 ウオーキングサッカーで世代超え交流  
2019年07月23日
21 雨で順延も熱戦展開
 東牟婁地方中学校総体④  (ソフトテニス )
2019年07月23日
22 事例検討通し理解深める  ケアマネと相談支援専門員が合同研修  (介護支援専門員協紀南支部 )
2019年07月23日
23 市内名所で写真撮影  市長の子どもカメラ教室  (新宮市 )
2019年07月23日
24 「えいご」を通し交流  宇久井保へ年度初のALT訪問  (那智勝浦町 )
2019年07月23日
25 カルシウムたっぷりの4品  生涯骨太調理教室  (新宮市食生活改善推進協 )
2019年07月23日
26 山東師範大生が国際交流 新宮市や那智勝浦町で 
2019年07月23日
27 流しそうめんに向け準備  「ダンボ」が竹の切り出し  (紀宝町 )
2019年07月23日
28 休日労働協定書を承認  教育委員会が第7回会議  (紀宝町 )
2019年07月23日
29 団体8位、個人3位を報告  交通安全子ども自転車大会  (鵜殿小 )
2019年07月23日
30 下部の避難施設が着工へ  建物部分の契約案を承認  (古座川町議会 )
2019年07月23日
31 和歌山・三重とも現職が当選  投票率は前回を下回る  (参院選 )
2019年07月23日
32 お悔やみ情報
  
2019年07月17日
33 令和初の那智の扇祭り
 御火行事に多くの参拝者  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町の世界遺産、熊野那智大社(男成洋三宮司)で14日、令和初の例大祭「那智の扇祭り(火祭)」(国重要無形民俗文化財)が営まれた。祭り序盤は雨が降り、霧に包まれる場面も。神事の斎行を心配する声も聞かれたが天候は持ち直し、無事に全ての日程を終えることができた。祭りでは重さ約30~50㌔にもなる大たいまつ12体が勢いよく燃えさかり、昨年より1000人多い1万1000人(主催者発表)の参拝者を魅了した。

 熊野の神々が年に1度、那智の滝を表す12体の扇神輿(おうぎみこし=高さ約6㍍、幅約1㍍)にうつされ、本宮の那智の滝に里帰りする神事。12体の大たいまつの炎で扇神輿を清める場面が見どころであることから「火祭」とも呼ばれている。

 大たいまつに火が付けられると、白装束と烏帽子(えぼし)をまとった氏子が「ハリャ、ハリャ」と威勢の良い掛け声とともに参道を往復した。

 長野県飯田市在住の松島賢治さん(62)は今年10月に地元の熊野神社で営まれる秋季例大祭(扇祭り・火祭り)の実行委員長となったことから、祭りを学ぼうと同大社を訪れたという。「祭りの実物を本場で見たかった。古くからの文化が霊的であり、伝統的なものとして受け継がれているのが感じ取れた。本当に参考になりました」と語った。

 男成宮司は「雨は覚悟していたが多くの方々の心が天に通じ、渡御祭の奉仕を行うことができた。令和初めての例大祭で雨が降らなかったことがこれからの令和の御代を象徴している気がする。これからの御代の発展と日本が栄えていくことを願っております」と話した。

(2019年7月17日付紙面より)

燃えさかる清めの炎が参拝者を魅了=14日、那智勝浦町那智山
2019年07月17日
34 鉄道ファンや家族連れでにぎわう 紀勢本線全通60周年記念イベント (JR新宮駅)

 新宮市徐福のJR新宮駅で14日、紀勢本線全通60周年を祝い記念イベントが催された。JR西日本主催、JR東海、市観光協会など協力。60周年号到着時のお出迎えや「サロンカーなにわ」などの車両展示、ライブペインティング、地元店舗などによる「しんぐう駅マルシェ」などがあり、多くの家族連れや鉄道ファンでにぎわった。

 JR(旧国鉄)紀勢本線は長い海岸線を持つ紀伊半島の交通の大動脈として1959(昭和34)年に全通した。中でも新宮駅は半島の豊富な木材資源と熊野速玉大社参拝客輸送の主要駅として、駅を起点として市も発展してきた歴史がある。

 市観光協会は、24(大正13)年の民間鉄道敷設以来、鉄道を中心に経済的・文化的繁栄を享受し、特に紀勢本線全通は戦後の当地方の発展に大きく寄与したことを顕彰し、後世に伝える目的で記念企画「ライブペインティング」や「しんぐう駅マルシェ」などを主催。

 アフリカンペイントアーティストのSHOGENさんと小学生ペンキ画家のHARUKAさんによるペイントアート制作を通し、子どもたちが「地元に帰ってきたくなる」町づくりを企画した。ペイントアートには地元の子どもら延べ60人以上が参加。駅舎の壁や待合室をカラフルに彩った。

 60周年を記念し、同駅には83(昭和58)年に14系客車の改造により登場した欧風客車「サロンカーなにわ」が「サロンカーなにわで行く!紀勢本線全通60周年号の旅」ツアー客を乗せて到着。お召し列車として使用されたこともある列車の登場に、多くの鉄道ファンがカメラを手に歓迎した。

 同イベントの企画を担った同駅職員の安間美幸さん(23)は「準備段階で不安でしたが、地域の皆さんのご協力のもと、全員一体となって60周年を盛り上げられて良かった。鉄道ファンの方やお子さんだけでなく、地域の人全員に楽しんでもらえたのでは。JR東海さんと交流を図ることもでき、素晴らしいイベントになったと思います」。

 市観光協会の里中陽互会長は「にぎわっていてうれしく思います。ライブペインティングは取り組みとして斬新だったのでは。JRさんの理解なしではかなわなかったことで大変有意義だったと思います」と話していた。

(2019年7月17日付紙面より)

60周年号や「サロンカーなにわ」の到着を鉄道ファンらが歓迎=14日、JR新宮駅
子どもたちが駅舎の壁や待合室を彩った
2019年07月17日
35 倉庫から祭船を引き出す
 古座区の関係25人一丸で  (河内祭を前に )

 串本町古座にある祭船倉庫で13日、祭礼「河内祭(こうちまつり)」で用いる御船、小伝馬、当船を引き出す作業があった。

 今年の祭礼は27日(土)に宵宮、28日(日)に本祭を迎える計画で奉仕する古座区、古田区、下部区、宇津木区、月野瀬区がそれぞれ準備を進めている。これら祭船は古座区が用いる船で、御船は先んじて宵宮午後、小伝馬と当船は本祭早朝に古座川河口から約3㌔上流にある河内神社の神体「河内様(こおったま)」を目指す。

 御船は海に命を懸けた旧古座浦~古座区の諸霊を「河内様」へ誘う意味合いも持ったスギの木造船。全長約11㍍、幅約2㍍あり、鯨船に屋形を載せ軍船風の装飾を施した外観を特色とする。小伝馬は水上交通が活発だった時代の木造通船で、櫂伝馬(かいでんま)より一回り小さい全長約7・4㍍、幅約1・5㍍。現在は古座中男子生徒が乗組員として奉仕している。

 当船は古座神社の生き神「ショウロウ」と神職、区長が乗る屋形船で全長約9㍍、幅約1・8㍍。本祭早朝の船団の先頭を行く。御船、小伝馬とも古座区の分区(上、中、下)が建造した3隻が伝わるが、奉仕者減により今年も各2隻で奉仕するという。

 作業には御船を操船する勇進会(坂井信夫会長)や河内祭保存会(杉本喜秋会長)の関係者25人が参加。60~70代が中心のため、フォークリフトの力も借りながら小伝馬3隻(うち1隻は他船を引き出すため仮出し)、御船2隻、当船を順に倉庫から引き出し、以降は台車に載せ人力で動鳴気漁港のスロープまで運んだ。

 坂井会長は参加者の高齢に細心を払いつつ作業。無事に6隻の引き出しを終え、「奉仕する人間の数が減ってもなくせないのがこれらの祭船だが、この作業自体があと何年続けられるかという厳しい状況で早く何とかしないといけないと思っている。勇進会もなかなか若い者を集められず申し訳ないが、今年も先輩方のおかげで無事引き出せた。祭りを続けたいというみんなの思いを受け継ぎ、後は祭りに向けできる限り奉仕を尽くすのみ」と話した。

 祭礼ではこれら祭船に加え、古座青年会と芳流館互盟社の各獅子伝馬も出船する。陸上交通未発達で水上交通が主流だった時代は当船に多くの船が連なって「河内様」を目指したそう。その当時の華々しさから、この祭礼は「御船祭」と呼ばれることもある。

(2019年7月17日付紙面より)

祭船倉庫から御船を引き出す古座区の関係者ら=13日、串本町古座
2019年07月17日
36 華やかに扇立祭
 ミス扇に柏木未有さん  (熊野速玉大社 )

 新宮市の熊野速玉大社(上野顯宮司)で14日、「扇立祭(おうぎたてまつり)」があった。拝殿で神事を営み、檜扇(ひおうぎ)を開帳。特設舞台では扇立祭奉賛会による「ミス扇コンテスト」などの行事も華やかに繰り広げられ、大勢の人でにぎわった。

 神事では、神職が各殿で檜扇を開帳。参列した奉賛会役員らが無病息災、家内安全などを願って神前に玉串をささげた。

 今年で41回目の「ミス扇コンテスト」には18人が出場。審査の結果、大賞のミス扇に柏木未有さん(17)、ミス速玉に平野裕り花さん(23)、ミス梛(なぎ)の木賞に日浦琳香さん(18)、顧問特別賞に南らなさん(16)が選ばれた。ミスに選ばれた3人は1年間、市のPR活動などに参加する。

 柏木さんは「信じられないくらい驚いています。名前を呼ばれたときは手が震えていました。新宮市を盛り上げるために、しっかりPRしていきたい。祖父母に早く伝えたいです」。平野さんは「自信がなかったので選ばれたときは固まりましたが、うれしいです。1年間、積極的に活動していきたい」。日浦さんは「応援に来てくれたたくさんの人のおかげ。最初は申し訳ないくらい自信がありませんでしたが、うれしさでいっぱいです」と喜びを語った。

(2019年7月17日付紙面より)

開帳される本殿の檜扇=14日、新宮市の熊野速玉大社
(左から)平野裕り花さん、柏木未有さん、日浦琳香さん
2019年07月17日
37 大久保直美さんが優勝
 第43回和歌山県なぎなた夏季大会  
2019年07月17日
38 創部3年目初の全国へ
 新宮黒潮BBCが無失点で大会制す  (全少軟式クラブ選抜予選 )
2019年07月17日
39 串本古座が初戦で敗れる  安打数で桐蔭と並ぶも好機生かせず  (全国高校野球選手権和歌山大会 )
2019年07月17日
40 有権者に投票呼び掛ける  21日の投票日に向け県選管が  (参院選 )
2019年07月17日
41 県南部初の略式代執行  宇久井地区の特定空き家で解体工事  (那智勝浦町 )
2019年07月17日
42 今シーズンの無事故祈る  新宮市内で安全祈願祭  
2019年07月17日
43 住民と観光客の接点化期す  道の駅虫喰岩に事務所開設  (古座川町観光協会 )
2019年07月17日
44 木本は27点奪い快勝  全国高校野球選手権三重大会  
2019年07月17日
45 県大会出場校決まる  中学校総合体育大会  (熊野市・南郡 )
2019年07月17日
46 多くの人でにぎわう  「御浜ビアガーデン」20周年  (御浜町 )
2019年07月17日
47 行楽シーズンは交通量増加  啓発活動で安全運転呼び掛ける  
2019年07月17日
48 お悔やみ情報
  
2019年07月09日
49 夜の勝浦湾彩る
 世界遺産15周年祝いメッセージ花火  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町観光協会(矢熊義人会長)は7日、世界遺産の「紀伊山地の霊場と参詣道」登録15周年記念メッセージ花火大会を勝浦湾内の人工埠頭(ふとう)渡ノ島(わたのしま)で開催した。

 堀順一郎町長は「ぜひ、一つ一つのメッセージに耳を傾けてください」と呼び掛け、大輪の花火が夜空に広がった。打ち上げごとに一つずつメッセーが読み上げられ、約30分の間に1000発以上の花火が次々と打ち上がった。

 かつての地域の風物詩、勝浦湾での花火打ち上げは2017年に那智山奉祝記念事業として復活。住民らの好評を博し、昨年の「熊野那智大社創建1700年・那智山青岸渡寺西国三十三所草創1300年記念事業」に続き、世界遺産登録15周年の節目を迎えたことから3年連続の実施となった。

 同町築地の「勝浦漁港にぎわい市場」は花火大会に合わせて海側のテラスを解放。営業時間を午後9時まで延長した。開催前には西川流友華会「舞踊団 華」の子どもたちが、唱歌『たなばたさま』で日本舞踊を披露した。

(2019年7月9日付紙面より)

メッセージに続き鮮やかな花火が打ち上がった=7日、那智勝浦町の勝浦湾
2019年07月09日
50 熊野檜扇7握を蔵出し
 扇立祭に備えて虫干し  (熊野速玉大社 )

 熊野地方の夏の風物詩として1000年以上の伝統を持つ「扇立祭(おうぎたてまつり)」が14日(日)に開かれるのを前に、新宮市の熊野速玉大社(上野顯宮司)で8日、祭り当日に各殿で開帳する檜扇(ひおうぎ)7握を虫干しのため蔵から出した。

 扇立祭は、神前に立てられた檜扇に神が降臨し、氏子が病気にかからないよう、また五穀につく虫を追い払って豊作を願い始まった。

 室町時代の作品と伝わる檜扇は大社を代表する宝物で、現在、日本に18握ある国宝のうち11握が大社に伝わっている。ヒノキの薄い板の木目の美しさを生かしながら彩色、金箔(きんぱく)、銀箔(ぎんぱく)が施されていて「熊野檜扇」と呼ばれている。

 祭りで使用されている檜扇7握は、1964(昭和39)年に模写されたもので、本殿用(高さ1・5㍍、幅1・65㍍)は大社先々代の故上野殖宮司、残り6握の各殿用(高さ0・8㍍、幅1・3㍍)は故杉本義夫さんが模写し、故鮒田和往さんが奉製したものとなっている。

  □     □

■祭り当日の行事

 祭り当日は午後5時30分から神事があり、神職が各殿の檜扇を開帳する。

 奉賛行事として境内特設舞台で午後6時15分から9時ごろまで、ミス扇コンテストと歌手・大下香奈さんと紀の川良子さんの歌謡ショーを行う。

 大禮殿入り口付近では午後5時30分から高校生以下無料の福引大会、6時30分から尾﨑酒造提供の地酒祭り、参集殿前では5時30分から熊野速玉敬神婦人会による呈茶会が行われる予定。小雨決行。荒天延期。

(2019年7月9日付紙面より)

檜扇のほこりを払うみこ=8日、新宮市の熊野速玉大社
2019年07月09日
51 短冊に思い託す 熊野本宮大社で奉告祭 (田辺市本宮町)

 田辺市本宮町の熊野本宮大社(九鬼家隆宮司)で7日、「紀伊山地の霊場と参詣道」世界遺産登録15周年を祝う奉告祭が営まれた。七夕でもあるこの日には境内にメッセージの記帳所も設けられ、参拝客らは短冊に熊野への思いや1年後の自分への抱負などを書き込んだ。

 参拝客や関係者にメッセージの記入を促した九鬼宮司は自ら短冊に思いを託した。「多くの人が熊野の地を訪れてくれている中、熊野の在り方を、古いものを守りながらも新しい光を入れられるよう、形を変えながら示していくことができたら」とメッセージに込めた思いを語り、1年後も災害がなくこの日を迎えることができれば、と話していた。メッセージ記入者には九鬼宮司揮毫(きごう)の「刻」を刻印したキーホルダーが授与された。短冊は封筒に入れ、同大社で1年間保管される。

 奉告祭には同大社氏子総代会や敬神婦人会ら関係者約20人が参列。九鬼宮司に続き、玉串をささげて節目を祝った。九鬼宮司は、今年の8月は1889(明治22)年の十津川大水害から130年の節目を迎えると述べ、慰霊祭への参列を呼び掛けた。

(2019年7月9日付紙面より)

多くの参拝者らが短冊に思いを書き込んだ=7日、田辺市本宮町の熊野本宮大社
2019年07月09日
52 「よみがえりの力感じた」
 熊野速玉大社でMay J.さんコンサート  (新宮市 )

 和歌山県は6日、新宮市の熊野速玉大社(上野顯宮司)でJ―POP・R&BシンガーのMay J.(メイ・ジェイ)さんを招いて世界遺産登録15周年記念「世界遺産『高野・熊野夢舞台』コンサート」を開催した。May J.さんは境内に設けられた特設ステージで『アナと雪の女王』のテーマソング「レット・イット・ゴー」などを歌った。時折天候が崩れたが、幻想的な雰囲気の中、全国から訪れた500人のファンが歌声を楽しんだ。

 高野・熊野夢舞台は2012年にスタート。世界遺産の雄大な景観を舞台に野外コンサートを開催することで「高野・熊野」地域の持つ魅力を全国にアピールするのが狙い。世界遺産登録15周年の今年は、神倉山に降臨した熊野の神々を最初に迎えたとされる熊野速玉大社を会場に選んだ。

 コンサートに先駆け、三輪崎郷土芸能保存会による「三輪崎の鯨踊」が披露された。仁坂吉伸知事が「他県から来られている人も多くいるが、このご神域で歌を聞いて、神様に思いを届ける役割を担っている方々だと思います」。上野宮司は「癒やしの歌声を聞いて、平和の心と新たな力をいただく日になれば」とあいさつ。田岡実千年市長が「夢のような空間で夢のような歌声を聞けることを楽しみにしています」と祝辞を述べた。

 コンサート後には上野宮司とMay J.さんによるトークショーもあった。上野宮司は「いろんな人がこの日が来るのを待ち遠しくしていた。あなたの素晴らしさが神様に伝わったと思う」とたたえた。May J.さんは「毎回ライブをするたびによみがえりたいという思いで歌っている。今日は特にパワーを感じた。これをばねに頑張っていきたい」と話していた。

(2019年7月9日付紙面より)

2019年07月09日
53 精いっぱい頑張って
 選手権での健闘願い現役部員を激励  (新高硬式野球部OB会 )
2019年07月09日
54 久生屋卓球クラブが準優勝
 紀南バタフライチームカップ  
2019年07月09日
55 新宮女子2年連続近畿へ 県高校総体ハンドボール競技 
2019年07月09日
56 貴重なフィルムを上映  開館10周年イベントで世界遺産セミナー  (田辺市本宮町 )
2019年07月09日
57 住み慣れた地域で暮らすために  支え合いのまちづくりフォーラム  (那智勝浦町 )
2019年07月09日
58 熊野川の魅力再発見  河川敷で「水辺で乾杯」  (新宮市 )
2019年07月09日
59 家族連れらでにぎわう  熊野地方で七夕  
2019年07月09日
60 精神文化の周知目指し  開館10周年祝いイベント  (熊野本宮館 )
2019年07月09日
61 踊りで親睦深める  「まなびの郷」でレクダンスフェス  (紀宝町 )
2019年07月09日
62 「高齢者の食事」テーマに調理  てまりの会が研修会  (紀宝町 )
2019年07月09日
63 短冊に「願い」込めて  成川で毎年恒例の「七夕祭り」  (紀宝町 )
2019年07月09日
64 海中のササに願い事結ぶ  住崎で串本水中七夕祭り  (串本ダイビング事業組合 )
2019年07月09日
65 ひこ星様と織り姫様が会えますように  三尾川保育所で七夕会  (古座川町 )
2019年07月09日
66 河内祭ガイドブック改訂  観光協会古座などで配布  (串本町 )
2019年07月09日
67 願い事満載の御船風模型  七夕ササで河内祭盛り上げ  (古座小 )
2019年07月09日
68 お悔やみ情報
  
2019年07月02日
69 開催に向け2頭を搬入
 くじらに出会える海水浴場  (太地町 )

 太地町の名物の催しである「くじらに出会える海水浴場」の準備に向けて町立くじらの博物館(林克紀館長)は6月30日、くじら浜海水浴場でハナゴンドウ2頭の搬入作業を実施した。28日に搬入予定だったが低気圧接近に伴い、延期となっていた。この日も雨天での海上移送となったが、職員ら8人が協力しスムーズに作業を進めた。

 展示期間は7月8日(月)から8月19日(月)まで。午前11時と午後1時の2回(約15分間)、いけすから開放される。

 クジラの近くで泳ぐことができる人気の催しは2008年から始まり12回目となる。

 搬入されたのは飼育展示6回目の参加となる雌のサツキ(体長291㌢、推定体重309㌔、推定10歳)と初参加で雄のネモ(262㌢、推定体重208㌔、推定4歳)。午前6時30分に2頭を担架に乗せ、ボートにくくり付けて同館を出発した。森浦湾を経由し午前7時15分ごろに海水浴場に到着。網いけすに搬入した。その後、職員から餌をもらった2頭はいけす内を泳ぎ回り、ジャンプするなど元気な姿を見せた。

 同館学芸員で飼育員の稲森大樹さん(34)は「海水浴場内の網いけすでの飼育展示は来場者がクジラと一緒に泳げ、同じ空間を共有できる非常に珍しい催しとなっている。隣接するくじらの博物館もあり、あちらでもクジラをたくさん見ることができるので合わせてご利用いただければ」と語った。

(2019年7月2日付紙面より)

搬入作業の様子=6月30日、太地町のくじら浜海水浴場
いけすで元気な姿を見せる
2019年07月02日
70 水害忘れないために
 井関クラブで追悼キャンドル作り  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町井関の那智谷大水害遺族会の追悼式でともすキャンドル作りが6月29日、同地区の井関クラブであった。地元の町立市野々小学校の児童や町内外から、約40人が参加した。

 キャンドル作りは、2011年9月の紀伊半島大水害で中学校の同級生を亡くした井上絵里香さん(22)が中心となり続けている。今年も井上さんと有志らの「水害のことを忘れないために、思いを込めてキャンドルを作りませんか」との呼び掛けに、親子連れらが集まった。

 子どもたちは卵の殻や紙コップに溶かしたろうを入れ、色とりどりに着色。均一に注ぎ口をくり抜いた卵の殻は、同町朝日のお菓子工房エストが用意した。地域住民からはたこ焼きや焼きそばが振る舞われた。

 作業前には防災士の久保榮子さんが、ウサギの着ぐるみを着て子どもたちに「逃げ足の速いウサギのように早めの避難を」と強調し、手作りの紙芝居などで自身の被災経験を話した。

 友達数人と一緒に新宮市から参加した北美空ちゃん(6)は初めてのキャンドル作りに挑戦。同伴した保護者らは「参加する前に子どもたちに水害のことを話しました。追悼の気持ちを込めたいと思います」と話した。

 大分県から駆け付けた井上さんは「毎年の皆さんの参加がうれしいです」と感謝していた。

(2019年7月2日付紙面より)

井上絵里香さんの指導でキャンドルを作る子どもたち=6月29日、那智勝浦町井関
ウサギの着ぐるみを着て「早期避難」をアピールする防災士の久保榮子さん
2019年07月02日
71 国内初の策定目指し
 地震津波タイムライン検討会  (紀宝町 )

 紀宝町は6月29日、町生涯学習センターまなびの郷で「地震津波タイムライン」検討会の発足式を開催。地震津波を想定した国内初の事前行動計画「タイムライン」の作成に向けた取り組みが動き出した。

 町では、2014年2月に風水害を対象としたタイムラインを国内で初めて策定し、これまで25回発動した。今回は地震津波に対応するタイムラインで、近い将来、発生が危惧される南海トラフ地震への対策として本年度末の策定を目指す。

 地震津波発生後の各段階で「いつ」「誰が」「何を」するのか事前行動を定めるもので、今後、4回の検討会を計画。町民防災会議の各ブロック会議で地域の対策や対応などを抽出し、タイムラインに盛り込む。

 策定後は訓練などでタイムラインを活用し、絶えず見直して改善を図ることで地震津波発生時の人的、物的被害の最小化、迅速な復旧・復興を目指す。

 発足式には約230人が出席。西田健町長が「災害時は町だけで皆さんの命を守ることはできない。地域の皆さんが一緒になって災害への備えに取り組まないといけない。全国的にタイムライン活用の動きがあり、紀宝町がモデル的なシステムとなり、各自治体で活用していただきたい」とあいさつした。

 南海トラフ地震の発生確率は30年以内に70~80%といわれ、町内では震度5以上が想定されている。津波は10㍍を超え、到達時間は30分以内と想定されている。

 これらの被害に備え、町ではハード面として高台や貯水施設の整備などに取り組んでいる。ソフト面の観点からタイムラインを策定する。

(2019年7月2日付紙面より)

発足式に出席した関係者や住民ら=6月29日、紀宝町のまなびの郷
西田健町長
2019年07月02日
72 夏の健康を祈る
 熊野三山で茅の輪くぐり  

 熊野三山で6月30日、「夏越大祓式(なごしおおはらえしき)」が営まれ、大勢の参拝者たちが「茅(ち)の輪くぐり」で半年間のけがれをはらい清め、夏を元気に過ごせるようにと祈った。

 新宮市の熊野速玉大社(上野顯宮司)では、老若男女100人以上が参列。手渡された人形(ひとかた)と呼ばれる人の姿をかたどった紙に息を3回吹きかけてけがれを移し、神職に全国から寄せられた人形と一緒に唐櫃(からひつ)に納めてもらいおはらいを受けた。

 続いて参拝者たちは、唐櫃を担いだ神職やみこの後に続いて境内に設けられた茅の輪(直径約2㍍)を八の字に3回くぐった。上野宮司は「梅雨のさなかだが雨もやみ、神事を執り行うことができた。こうやって古来からの神事に参加していただくことは大事なこと」とあいさつ。最先端な時代においてはおろそかにされがちだが、日本の文化を伝えていくことは大切と述べ「残りの半年も元気で過ごされますよう」と願いを込めた。

 この儀式は12月31日(大晦日=おおみそか=の大祓)と年2回営まれている。「水無月(みなづき)の夏越のはらいする人は 千歳の命のぶというなり」という古歌がある。3歳で母を亡くした俳諧師、小林一茶(1763~1828年)は「母のぶん も一つくゞる 茅の輪かな」と詠んでいる。

(2019年7月2日付紙面より)

茅の輪をくぐる参拝者たち=6月30日、新宮市の熊野速玉大社
2019年07月02日
73 6月度月例杯の結果
 那智勝浦ゴルフ倶楽部  
2019年07月02日
74 山口酒店が優勝  第144回職場対抗ボウリング大会  
2019年07月02日
75 中川さん出場権、速水君シード権獲得
 近畿高校選手権  (新宮高校レスリング部 )
2019年07月02日
76 手足口病が基準値超え  感染防止を呼び掛ける  (和歌山県 )
2019年07月02日
77 基調講演や寸劇で学ぶ  地域支え合いフォーラムに140人  (新宮市 )
2019年07月02日
78 犯罪や非行のないまちに  社会を明るくする運動で啓発  (新宮市 )
2019年07月02日
79 急流にもまれ技を競う  カヌー大会「じゃばらカップ」  (北山村 )
2019年07月02日
80 町民の協力に感謝  更生保護女性会が「愛のバザー」  (太地町 )
2019年07月02日
81 心機一転で保育所生活  高田保が新高田会館に移転  (新宮市 )
2019年07月02日
82 「熊野なまず」をPR  特定地域振興重要港湾活性化協議会  (新宮市 )
2019年07月02日
83 福島原発事故を語る  おしどりマコ&ケン トークショー  (那智勝浦町 )
2019年07月02日
84 「復権史」から犠牲者語る  遠松忌で田中伸尚さんが法話  (新宮市 )
2019年07月02日
85 俳句を地域との学びに!  小中学生コンクール応募始まる  (紀南高校 )
2019年07月02日
86 串西Aと潮岬が県大会へ 串本で親睦交流スポ大会 (東子連)
2019年07月02日
87 お悔やみ情報