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2022年07月28日
1 クジラの町へようこそ!
 3年ぶり白馬北小と交流  (太地小学校 )

 太地町に26~28日の3日間、姉妹都市・長野県白馬村の白馬北小学校(松下設吉校長)の5、6年生104人が滞在している。27日には太地町立太地小学校(海野文宏校長)の5、6年生19人が町立くじらの博物館など案内し、3年ぶりの交流で友情を育んだ。

 白馬村と太地町は1984年に姉妹都市提携を結び、翌85年から両校の交流がスタート。これまでは太地小児童が4年生の冬に白馬村を、白馬北小児童が5年生の夏に太地町を訪れていたが、新型コロナウイルス感染拡大によってこの2年は訪問がかなっていなかった。

 交流は本年度で3年ぶり36回目。太地町公民館で開かれたセレモニーでは、宇佐川彰男教育長が「長旅お疲れさまでした。白馬村にはない景色に触れ、クジラと一緒に楽しい思い出をつくってください」と歓迎。太地小の6年生5人が綾踊りを披露し、絵付けをしたシャチ型のオカリナ「おるかりな」を手渡した。

 くじらの博物館では、太地小児童がガイド役になり、飼育されているクジラやイルカの種類や生態を解説。白馬北小児童は、巨大なオキゴンドウやハナゴンドウが水しぶきを上げてジャンプする姿に「かっこいい」「でっか!」「すごい」と身を乗り出して歓声を上げた。

 白馬北小の丸山千聖さん(6年)は「思っていたよりもずっと暑くてびっくり。クジラについていろいろ話してくれ、すごく分かりやすかった」。三ツ橋しずさん(同)は「海がきれいで、白馬よりももっと自然を感じる。白馬からは、本のしおりと山の自然保護についてのカードをお土産にした。オカリナをもらってうれしい」と笑顔。案内した太地小の山門咲紀さん(5年)は「腹びれのあるイルカの『はるか』や捕鯨について伝えた。好きなクジラの種類についてなど、いっぱい話したいな」と語った。

 この日の午後は、周囲に海のない白馬北小の児童に楽しんでもらうため、磯遊びを予定している。

(2022年7月28日付紙面より)

友情を育む太地小と白馬北小の児童たち=27日、太地町立くじらの博物館
ダイナミックなクジラショーに見入る
2022年07月28日
2 より充実した支援目指し
 訪問型家庭教育支援の専門講座  (那智勝浦町 )

 和歌山県教育委員会は26日、那智勝浦町の体育文化会館で「令和4年度訪問型家庭教育支援推進事業」の第2回専門講座を開催した。この日は同会館とオンラインでも実施され、家庭教育支援や学校、行政の関係者、学校運営協議会委員などが対象で約40人が参加。家庭教育支援に関する事例発表や講演が行われ、最後は参加者同士での協議もあった。

 同講座は、家庭教育支援に関する理解を深めるとともに、家庭教育支援が効果的に機能するチームの体制を確立し、関係機関が連携を図ることでより充実した支援へとつなげることが目的。

 開会に先立ち、県教育庁紀南教育事務所の大堀和美所長が「家庭環境が変化し、課題を抱えて地域から孤立するなど、支援が届きにくい家庭への対応が重要となっている。県内では保護者の学びの場や家庭教育に関する情報提供、相談の機会を設ける自治体も増えている。必要性を伝えていきたい」とあいさつ。

 同町青少年センターを中心に各関係機関で組織される同町家庭教育応援チーム「ほっとほーむ」の相談員である西田好孝さんらが「ほっとほーむ6年間の歩み」と題し、活動や事例を発表した。

 児童生徒や保護者、地域、関係機関とのつながりに重きを置く同チームは町内の▽不登校問題▽人とのつながりの変化▽家庭の孤立化―などの課題解決や家庭教育支援・児童生徒支援の効果的な連携の推進を目的に2016年10月に設立。

 家庭訪問(ベルト型中心)と教育支援センター「ほっこり」、相談活動、保護者同士のつながりをつくる「ほっとサロン」、部会活動の開始や開催回数を増やした「定例会」の五つを柱に活動しているとした。

 LINE(ライン)での相談受け付けを行い、保護者・子ども・関係機関とつながること、保護者同士のつながり、メンバー同士がつながれば良い支援につながると訴えた。

 西田さんは「相談件数増は成果とも取れるが、不安や悩みを抱えた保護者や子どもが増えていることも確か。関わることに重きを置き、安心して相談できる身近な存在となれるよう活動していきたい」と締めくくった。

 湯浅町家庭教育支援チーム「とらいあんぐる」代表の上田さとみさんが「今、なぜ家庭教育支援?!~つながることの大切さ~」を講演。

 上田さんは核家族化や単身家庭の増加、地域社会の希薄化、地方経済の衰退、家庭の孤立や児童虐待、DV、子どもの貧困などの問題や詳細を解説した。

 過去には子どもの問題行動は子ども自身の問題とされていたが、現在は環境が関係していることが多いと指摘。環境の変化が重要だと述べた。

 支援については「つながることも大切だが、つなげることが大切。さらにいつでも相談できる安心感が重要。支援自体は自立に向けて行うもの。親御さんや子どもさんも自立していただけるように進めていかなくてはならない」と話した。

 その後、参加者はグループに分かれ、「事例を通して問題を『見極める目と対応方法』を考える」と題し、協議を行った。

(2022年7月28日付紙面より)

参加者が訪問型家庭教育支援について学びを深めた=26日、那智勝浦町の体育文化会館
大堀和美所長
上田さとみさん
2022年07月28日
3 かつての風習、現在に
 瀞峡で神事「川伏せ」  

 和歌山、三重、奈良の3県にまたがる景勝地・瀞峡で17日、「川伏(かわふ)せ」神事が営まれた。北山川(瀞八丁)を主な活動拠点にしている事業者や観光客などが参加。神事を通して水難防止などを祈願した。

 筏(いかだ)流しやプロペラ船、三反帆(さんだんぼ)。川で漁をしたり、食糧や郵便物が船で運ばれたりと、瀞八丁周辺に住む人々にとって、北山川は暮らしの中心だった。

 日々の暮らしを豊かにしてくれる一方、川の周辺での暮らしは豪雨災害や洪水・水難事故による被害と隣り合わせ。そんな同地域では昭和の初めごろ、「スズキ追い」という雨乞い行事とともに水難防止を祈願する「川伏せ」という神事が行われていた。

 時代の変移とともに、いつしかなくなり、忘れ去られていた神事「川伏せ」。2011年の紀伊半島大水害などを機に、瀞峡地域活性化協議会メンバーらは、地域の活性化と改めて水による被害防止を祈願するために神事の復活を企画。

 新型コロナウイルス感染拡大状況を鑑み、ここ数年は自粛を余儀なくされていたが、このたび現代の解釈の下、1回目の神事を斎行するに至った。

 奈良県十津川村の「瀞ホテル」前では、玉置神社の舛谷武宮司が修祓(しゅばつ)の儀。前もって玉置神社で祈とうした白玉石を再度清め、川舟に乗った参列者らは上瀞から下瀞にかけて、それぞれが難所だと感じる場所に白玉石を投げ入れていった。

 発起人の一人、「川船観光かわせみ」の東福万(ふくかず)さんは「今日は天候にも恵まれた。連休の中日ということもあり、川船乗船客やカヌー、ラフティングなどで訪れた人にも参列いただいた。関係団体が一体となって川の産業を盛り上げていきたいという思いもある。これから毎年、やっていけたら」。

 「瀞ホテル」の東達也さんは「古い地方の風習などが書き記された文献があり、その中に『川伏せ』神事があり、年配の方からも川が荒れたときや水難事故があった年に神事をしていたと話を聞いた。文化を継承していくとともに、川開きのような意味合いも含めて復活させられたらと思った」と経緯を語り「他の事業者さんも好意的に受け取っていただいた。ジェット船がなくなり瀞峡を訪れる人も少なくなったけど、今日は多くの人に参列いただいた。今後も神事を継承するとともに、瀞峡を盛り上げていきたい」と話していた。

(2022年7月28日付紙面より)

水難防止を祈願し白玉石を川に投げ込んだ=17日、奈良県十津川村
神事に参加した皆さん
2022年07月28日
4 中学生約50人が資質培う 串本町で缶サット体験会 (県宇宙教育研究会)

 超小型模擬人工衛星(缶サット)体験会が23日に串本町立体育館や同町文化センターを会場にしてあり、県内にある4中学校の生徒約50人が問題解決の過程を経験して資質を培うなどした。

 この体験会は、県宇宙教育研究会が主催、県と県教育委員会、串本町と同町教育委員会が共催。人工衛星への理解を深めつつ宇宙の魅力を知る足掛かりの一つとして前年度から始まり、2回目となる本年度もほぼ同じ内容を準備し県教育委員会を窓口にして県内の中学生に参加を呼びかけた。

 当日は県立桐蔭中学校、同向陽中学校、同田辺中学校、串本町立串本西中学校から10チームが参加。講師はこの体験の監修者でもある東京大学大学院の中須賀真一教授が務め、難解な電子工作要素を差し引き▽約9㍍の高さから放出し3・5秒後に着地▽着地後に機体が自立▽機体に仕込んだ風船を着地の衝撃で割る―の各課題を達成する缶サットを作るよう指示を出した。

 主催者が準備した材料を用い約3時間をかけて機体を製作し、終盤は実際に落下させて各課題をどこまで達成できるかを各チーム2回ずつ実験した。その後は機体の設計と結果を発表しあい、良い方の実験結果で総合順位を決めて表彰を実施。向陽中Bチームが優勝、同Aチームが準優勝、田辺中Bチームが3位の好成績を上げた。

 優勝した向陽中Bチームの機体は時間差0・29秒で着地し、自立と風船を割る課題も達成した。リーダーの上野佑一朗君(3年)は「1回目でうまくいかなかった原因をみんなで考えてすぐに機体を工夫し、2回目に臨んだ。ここまでうまくいくとは思っていなかったので驚いた。リーダーとしてみんなの力をうまく引き出せたかなと思う」とコメント。中須賀教授は「問題解決のプロセスを実際に考えさせる」と指導の狙いを語り、同チームはその狙いに沿う流れを示す結果を収めた。

(2022年7月28日付紙面より)

中須賀真一教授(左から4人目)の指示にかなう缶サット製作に挑戦=23日、串本町串本
課題をどこまで達成できるかを落下実験で確認
2022年07月28日
5 アベンジャーズ、クローバーAが優勝
 夏季ソフトバレー大会  
2022年07月28日
6 新宮が近畿大会出場へ
 県スポ少大会バレーボール競技  
2022年07月28日
7 総勢150人で溝掃除  継続に向けて課題検討  (新宮市 )
2022年07月28日
8 多種多様なトンボ観察  自然探訪スクールに21人  (新宮市 )
2022年07月28日
9 月野瀬の河原で釣り体験  古座川ふるさと親子教室  (古座川町 )
2022年07月28日
10 前年度に続き3人組で挑戦  缶サット甲子園地方大会に  (串本古座高校 )
2022年07月28日
11 安全な取り扱い習得  追い払い用花火の講習会  (御浜町 )
2022年07月28日
12 伊藤選手、莊司選手が全日本へ  柔道体重別選手権で活躍  (紀宝柔道会 )
2022年07月28日
13 演奏や舞、歌声で支援  熊野の想い届けよらい  (御浜町 )
2022年07月28日
14 「重層的支援体制整備事業」学ぶ  民児協の7月定例会  (紀宝町 )
2022年07月28日
15 髙木亮英氏の住職就任祝し  「青岸渡寺第九世住職晋山法要」  (那智勝浦町 )
2022年07月28日
16 夏の楽しい思い出を  丹鶴幼で「夏まつりごっこ」  (新宮市 )
2022年07月28日
17 お悔やみ情報
  
2022年07月27日
18 髙木亮英氏の住職就任祝う
 青岸渡寺第九世住職晋山法要  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町の那智山青岸渡寺で24日、「青岸渡寺第九世住職晋山法要(晋山式)」が営まれた。昨年7月に他界した前住職の髙木亮享氏に代わり、副住職だった弟の亮英氏が同年8月に住職を拝命。この日、正式に住職の任命を受けた。晋山式には天台宗務庁の阿部昌宏宗務総長や比叡山延暦寺の水尾寂芳執行、堀順一郎那智勝浦町長、田岡実千年新宮市長など、関係者ら約100人が参列し晋山を喜んだ。

 晋山式とは、新住職が正式に入寺(就任)してご本尊に報告する儀式。熊野修験の山伏のほら貝が鳴り響く中、僧侶らの行列が信徒会館から同寺へ参進した。本尊の如意輪観世音菩薩が開帳される中、法要が行われた。

 住職辞令を手渡した阿部宗務総長は、亮英氏が再興した熊野修験について後世に残る偉業と評し、「大僧正の住職就任は心強い。新住職を迎えた青岸渡寺のご本尊の偉光があまねく照らされ、参拝者の祈りで、平和と安寧を享受する世界が実現することを祈っている」と祝った。

 水尾執行、西国札所会の大樹玄承副会長(藤田浩哉会長代理)、堀町長が祝辞を、総代の坂野日出夫さんが謝辞を述べた。

 亮英氏の息子で同日、副住職の辞令を受けた智英氏は「住職を補佐し、復興された熊野修験を途絶えさせることなく、継承することが使命。精進していきたい」と話した。

 亮英氏は「西国三十三所の観音霊場の重さを感じている。霊場や寺を守ることは一人ではできない。皆さまのお力添えと御神仏の御神徳でなせること。今後も観音信仰を広めていきたい」。

 ウクライナ情勢などにも触れ、「罪のない方々が命をなくす世知辛い世の中。人に対する思いやりの心などを持ち、観音様にお参りして、平和で明るい社会の実現を目指したい」と語った。

 智英氏は龍谷大学に進み、2004年に延暦寺で得度受戒。05年に比叡山行院にて天台四度加行遂行。叡山学院を経て神峰山寺で修行。19年に青岸渡寺に入寺。昨年8月に補陀洛山寺の住職を、11月に青岸渡寺の副住職を拝命した。

 亮英氏は1965年に比叡山に入山し72年に龍谷大を卒業。那智勝浦町史の編さん委員も務め、74年に出家得度。住職を務めた父の故・亮孝氏と兄・亮享氏の背中を追い、今日に至る。

 諸国霊山、中国、インド、韓国の仏教聖地などを巡礼。84年に同寺の副住職を拝命し、88年には熊野大峰奥駈修行を復活させた。世界宗教サミットへの参加、那智四十八滝回峯再興、葛城二十八宿行も始めた。2017年には権大僧正に昇任した。

(2022年7月27日付紙面より)

髙木亮英氏(前列中央)の晋山を祝い多くの関係者が参列した=24日、那智勝浦町の那智山青岸渡寺
青岸渡寺第九世住職晋山法要の様子
2022年07月27日
19 災害時にドローンを活用
 アドホックと協定結ぶ  (新宮警察署 )

 新宮警察署(田原正士署長)で25日、新宮署と新宮市三輪崎の株式会社アドホック(喜多徳幸代表取締役社長)が「災害等発生時における無人航空機の運用に関する協定」を結ぶ調印式があった。災害発生時、新宮署の要請を受け同社は無償でドローンと操縦士を派遣し、情報収集や被害状況の把握などを行う。民間企業と協定を結ぶのは2018年以降、2例目。

 管内が山間部や沿岸部に多く面し、管内では11年9月に紀伊半島大水害が発生し甚大な被害を経験。そのため、今後発生が予想される南海トラフ巨大地震や大規模な火災、行方不明者の捜索など、災害時に警察官が人力で現場へ近づくことが難しいことから、機動性が高いドローンが有効であるとしている。

 同社は広告やデザイン作成、ドローン映像コンテンツの作成、ドローン販売、ドローンスクールの運営のほか、建設業においての赤外線非破壊検査などのドローン事業などを幅広く展開。

 今年4月には新宮市と、6月に那智勝浦町と「災害時におけるドローン運用に関する協定」を締結。今回の協定も地域貢献の一環として同社から申し出た。

 喜多代表取締役によると、災害時は4機(予備が1機)が実働する予定。その中の1機である高性能産業用ドローン「Matrice300RTK」は、操縦士から最大8㌔離れた場所まで航行でき、夜間や雨天に加え、風速22㍍までなら使用可能だという。また、普段は建物のクラックなどの検査ができるサーマルカメラで、人の体温の感知も容易にできることなどを説明した。

 喜多代表取締役は「地元への貢献がしたいと思った。ドローンがこのような形で、さまざまな現場や状況で役に立つことを多くの方々に知ってほしいです」と話した。

 田原署長は、大規模災害時は限られた人員で救出救助や行方不明者の捜索、災害に関連した犯罪被害の防止などの事案対応を行うことになるとし、さらに本部からの応援部隊到着までに時間を要することや災害救助現場の実態が把握できない状態での現場派遣は二次災害の恐れがあると懸念する点を挙げた。

 今回の協定について、「ドローンでの応援が頂けることで、救出救助活動や警察官の受傷事故防止に、有効に生かしていけるものと考えている。今後は互いに工夫を凝らした訓練を繰り返すことで連携強化を図り、災害発生時には迅速に対応していきたい」と語った。

(2022年7月27日付紙面より)

災害などの発生時に情報収集や被害状況の把握などを行う協定を結んだ=25日、新宮市の新宮警察署
喜多徳幸代表取締役社長からドローンの説明を受ける田原正士署長
2022年07月27日
20 神事や獅子舞奉納で礼尽くす
 河内神社例祭「河内祭」執行  (古座川河口域 )

 古座川河口域にある河内(こうち)神社の例祭「河内祭」が24日に本祭日を迎えた。新型コロナウイルスの情勢により、今年も規模を縮小して執行。関係5区の区長らが大前の儀を営み、古座青年会(西田有希会長)が幣の舞と乱獅子を奉納するなどして神体・河内様(こおったま)への礼を尽くした。

 この神社は河口から約3㌔上流にある川中の島・河内島を神体とし、現在は串本町の古田区と古座区、古座川町の下部区と宇津木区と月野瀬区が護持。例祭は近年、7月25日に近い日曜日を本祭日と定めて営んでいて、平年は祭船や獅子舞の奉仕、5区の直会(なおらい)や奉賛「熊野水軍古座河内祭の夕べ」など諸行事があり宵宮と後祭を含めた3日間にわたって活気づく。

 今年も続くコロナ禍の情勢により古座区が奉仕の中軸となっている御舟行事=国指定重要無形民俗文化財=の自粛を判断。5区で大前の儀のみ営むことを申し合わせた。神霊が古座神社にうつされているため、同神社は宵宮祭や渡御祭を執り行い神額に神霊をうつして陸送で古田側の河内島前河原へ渡御。他4区の区長らと合流し祭壇を組んで大前の儀に臨んだ。参列者は5区の区長、和歌山東漁業協同組合古座支所の支所長、古座勇進会の会長、古座青年会と古座獅子会の各会長、芳流館互盟社の社長、河内会の会長、同神社責任役員の12人。同神社の石田保宮司が出仕して神事を営み、一同で玉串をささげるなどして祈願した。例年は大前の儀で5区の奉幣神事を交えるが、今年は営まなかった。

 続いて技術保存のため感染症予防を考慮して稽古を再開した古座青年会が古座流獅子舞=同文化財=を奉納。以降は神額を古座神社へ戻し還御祭を営んだ。おととし、昨年に続いて規模を縮小しつつ礼をつないだ今年の奉仕。古座川河内祭保存会の杉本喜秋会長は「(新型コロナが感染拡大する)今を思えば、今年は御舟行事を取りやめて正解だった。来年こそは大丈夫だと期待し、出船も見据えて準備をしていきたい」と思いを語った。

(2022年7月27日付紙面より)

大前の儀を営んで神体・河内様への礼を尽くす関係5区の区長ら=24日、串本町古田
稽古再開の延長で3年ぶりに獅子舞を奉納する古座青年会の会員
2022年07月27日
21 育てた野菜を味わう
 正明保でカレークッキング  (新宮市 )

 新宮市の正明保育園(山田みつの園長)で25日、カレークッキングがあった。4、5歳児30人が園内で収穫した野菜を使いカレー作りに励んだ。

 食育の一環で、子どもたちが自分たちで育てた野菜を調理することにより、食の大切さや作物が成長するまでの過程を知ってもらおうと実施している。

 材料のピーマンとナスは、園児らが事前に収穫した。三角巾とエプロン、マスクを着けた子どもたちは作り方の説明を受けた後、作業を開始。職員と一緒に順番に野菜を食べやすい大きさに刻み、タマネギを扱った際には「目が痛くなってきた」との声が聞こえた。ニンジンは星や花、ハートなどの形に型抜きし「もう一回したい」「きれいにできた」と積極的に取り組んだ。

 完成したカレーはお昼の給食に振る舞われ「いただきます」と声をそろえた後、みんなで仲良く味わった。

 辻本幸子主任は「子どもたちの楽しそうに取り組む姿が見られました。自分たちで育てた野菜を調理することによって愛情が湧き、好き嫌いの隔たりが小さくなると思う。カレー作りを通して料理への興味と食の重要性を養ってもらえれば」と話していた。

(2022年7月27日付紙面より)

ニンジンの型抜き作業に取り組む園児=25日、新宮市の正明保育園
2022年07月27日
22 新宮なぎなた、近大新宮が活躍
 和歌山県なぎなた夏季大会  
2022年07月27日
23 畑中将真君が準優勝
 全国空手道選手権大会  (近大新宮 )
2022年07月27日
24 親子で楽しいひととき  木の川認定こども園で夏祭り  (新宮市 )
2022年07月27日
25 夏休みプログラムスタート  太田小児童が太田の郷で  (那智勝浦町 )
2022年07月27日
26 平年の形願い大前の儀  西向の稲荷神社で祭典  (串本町 )
2022年07月27日
27 稽古の成果を地域に示す  芳流館互盟社と古座青年会  (古座川河口域 )
2022年07月27日
28 和気あいあいと針仕事  新年度初の手芸教室  (紀宝町 )
2022年07月27日
29 700人が各種体験楽しむ  3年ぶりに「あいあい祭り」  (御浜町 )
2022年07月27日
30 坐禅組み、心身整える  東正寺で42年目の「夏季禅林」  (紀宝町 )
2022年07月27日
31 お悔やみ情報
  
2022年07月26日
32 ラジオ体操で健康促進
 夏期巡回体操会に400人  (新宮市 )

 新宮市佐野の市民運動競技場(やたがらすサッカー場)で24日早朝、株式会社かんぽ生命保険、NHK、NPO法人全国ラジオ体操連盟が主催、市、市教育委員会が共催する2022年度夏期巡回「ラジオ体操・みんなの体操会」があった。事前に申し込みした市民や近隣住民ら約400人が参加。ラジオ体操の模様はNHKラジオ第1で全国に生放送された。

 「ラジオ体操」は、かんぽ生命保険の起源である逓信省簡易保険局が1928年に「国民保健体操」として制定。日本放送協会(現NHK)のラジオ放送で広く普及した。

 体操の内容も51~52年に「ラジオ体操第一、第二」として再構成され、誰でも気軽に実践できる運動として、現在も多くの人に親しまれている。

 夏休みの早朝にラジオ体操を行う風景は日本の風物詩として広く浸透しており、7月20日~8月31日の期間、全国で行われる「夏期巡回ラジオ体操・みんなの体操会」は各会場で盛況を博している。

 毎朝、健康増進などを目的に11カ所の会場で約100人がラジオ体操に励む新宮市。ラジオ体操の普及奨励に寄与したとして、かんぽ生命保険、NHK、NPO法人全国ラジオ体操連盟から、2019年にラジオ体操優良団体等表彰の府県等表彰、20年に近畿地方表彰を受けている。

 午前6時30分からの生放送を前に、田岡実千年市長が「市では、市民の皆さまの健康づくりや介護予防の観点からラジオ体操を推進し、市内11カ所で誰でも参加できるラジオ体操会の取り組みを行っている。まだ参加していない人も、今日をきっかけにぜひ始めていただければ。皆さんの元気を全国に届けてください」。

 続いて、かんぽ生命保険の坂口徳道・和歌山支店長、和歌山県ラジオ体操連盟の古谷多市会長、NHK和歌山放送局の渡辺康子局長がそれぞれあいさつを述べた。

 本番では、ラジオ体操 ピアノ奏者の能條貴大さんの演奏が響く中、参加者らは体操指導者の多胡肇さんのかけ声と動きに合わせてラジオ体操を実施。約10分間にわたって爽やかな汗を流した。

 毎朝、神倉小学校会場でのラジオ体操に参加していると話す勝田香代子さん(85)は「ラジオ体操にはずっと通っており骨密度測定結果も良好。ラジオ体操と毎日のウオーキングが元気の秘訣(ひけつ)ですね」と笑顔で話していた。

(2022年7月26日付紙面より)

約400人が参加した「ラジオ体操・みんなの体操会」の様子=24日朝、新宮市佐野
2022年07月26日
33 「ありがとう、また来てね」
 住民らが「にっぽん丸」お見送り  (新宮市 )

 225人の乗客を乗せ、クルーズ船「にっぽん丸」(総トン数2万2472㌧、全長166・65㍍、商船三井客船株式会社)が24日、新宮港に入港。夕方に同港を出港した。乗客らはそれぞれ観光バスやタクシーを利用し、1日かけて熊野地方の観光を楽しんだ。

 クルーズ名は「相馬港発着 夏の清水・新宮・青ヶ島周遊クルーズ」で行程は相馬(福島県)~清水~新宮~青ヶ島周遊~相馬。河北新報トラベルと日立ポートサービスがチャーターした。乗客全員に対して乗船の約1週間前と出発港(相馬港)で当日のPCR検査を実施。陰性を確認の上出港した。

 新型コロナウイルス感染拡大防止のため、入港セレモニーは実施せず、平安衣装姿の女性や雅楽演奏が乗客をお出迎え。出港時には田岡実千年市長が「蘇(よみがえ)りの地 熊野」への来訪に感謝を述べ「この地は1日では回り尽くせないほどたくさんの見どころがあります。地域を挙げて皆さまを歓迎させていただきますので、二度三度と熊野・新宮へお越しください」とあいさつした。

 見送りに集まった市民らは、熊野水軍太鼓の太鼓演奏が響く中「さようなら、ありがとう、また来てね」と手を振って送り出し。乗客らは「ありがとう、また来るね」と返し、次の寄港地に向けて出港した。

 8月17日(水)には「ぱしふぃっくびいなす」が入港する予定。

  □     □

■「梛の木見送り隊」会員募集

 新宮市では、新宮港から旅立つクルーズ客船を見送る「梛(なぎ)の木見送り隊」の会員を募集している。問い合わせは新宮港クルーズ客船受入協議会(電話0735・23・3333、FAX0735・21・7422、市企業立地推進課内)まで。

(2022年7月26日付紙面より)

住民らが手を振る中、「にっぽん丸」が出港=24日、新宮港
2022年07月26日
34 宇宙関係の最新情報発信
 宇宙シンポジウムin串本  (和歌山県 )

 串本町サンゴ台にあるホテル&リゾーツ和歌山串本で24日、イベント「第4回宇宙シンポジウムin串本」があり、民間ロケット発射場「スペースポート紀伊」や国内の衛星事業などの最新情報が発信された。

 県主催のイベントで、同発射場の射点がある串本町から宇宙関係の情報を発信する趣旨で年1回実施。今回も新型コロナウイルス感染症予防対策として会場聴講を上限200人とし、別途オンライン聴講〈ライブ配信〉の機会を準備して事前申し込みを受け付けた。

 主催者を代表して仁坂吉伸知事は今年中の打ち上げ開始に向けた取り組みや今回の趣向を報告しつつ「われわれは和歌山、串本を舞台に新しい時代の宇宙開発がこれから始まるという歴史的な出来事の体験者。スペースワンのロケットのことを考えるとワクワクするが、今日は皆さんと共にこのワクワクを高めていきたい」とあいさつ。以降、中盤までは基調講演や報告、休憩を挟んで終盤はパネルディスカッションを実施した。

 基調講演の登壇者は▽淺田正一郎さん(株式会社Synspective執行役員)▽岡島礼奈さん(株式会社ALE代表取締役CEO)▽深堀昂さん(avatarin株式会社代表取締役CEO)▽豊田正和さん(スペースワン株式会社代表取締役社長)―の4人で、取り組んでいる事業の現況と展望を15~30分の持ち時間で紹介。

 加えて県立串本古座高校の清野健太郎君と雑賀和さん(ともに2年)がCGS部における宇宙振興活動や缶サット甲子園への挑戦、県産業技術政策課の大原眞晴課長が打ち上げ時の地域対策や打ち上げ応援サイトの設置、串本古座高校普通科宇宙探究コース開設の3点で報告を交えた。

 パネルディスカッションは東京大学大学院教授の中須賀真一さんがモデレーターを務め、淺田さん、岡島さん、深堀さん、スペースワン株式会社最高顧問の遠藤守さん、大原課長の5人に▽今後の宇宙産業への興味▽宇宙に関わろうと思ったいきさつ▽宇宙産業に必要な人材▽ロケット「カイロス」打ち上げへの期待と提案―などを問いかけて考えを探った。会場からの質問も若干受け付け、宇宙少年団の分団立ち上げに必要な事柄で遠藤さん、宇宙産業におけるエンターテインメントの展望で岡島さんが応答。最後に5人それぞれに射点がある地域へのメッセージを寄せて締めくくった。

  □     □

年末打ち上げの姿勢崩さず



 会場地の関心が特に高いところで、豊田さんは「今年の年末(の打ち上げ開始)を目指し一丸で開発を進めている。何とかこのスピード感で作り上げたい」と発言。地域も含めた一丸で成功させて皆さまのお役に立ちたいとした。

(2022年7月26日付紙面より)

宇宙シンポジウムin串本パネルディスカッションの様子=24日、串本町サンゴ台
2022年07月26日
35 「飛び出しはしません!」
 井関保で交通安全教室  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町立井関保育所(山田有美所長)で22日、和歌山県警察本部交通部交通企画課安全教育係(通称・ひまわり)による交通安全教室が開かれ、園児たちが楽しく交通ルールを学んだ。

 今後自転車に乗ったり友達と一緒に出かけたりすることが増える園児たちに、一つしかない命を守ってもらおうと、各園を巡って開催している。

 園児たちは「アロハ~」のかけ声でニャン太郎や警察官と一緒に南の島へ出発。いたずらをしてサルの城に捕まってしまった「しんちゃん」を助けるため、町中に散らばった信号機や交通標識を集めながら、▽道や駐車場で遊ばない▽道路の右側の歩道を歩く▽車に乗るときはチャイルドシートに座る▽自転車に乗るときはヘルメットをかぶる―などを学び、最後に「飛び出しはしません!」と約束した。

 同町を含む東牟婁郡の小中学校は、21日から夏休みに入っており、日中に子どもたちが遊びに出かけることが増えるこれからの時季は、ドライバー側も十分注意が必要だ。

(2022年7月26日付紙面より)

自転車に乗るときはヘルメットを=22日、那智勝浦町立井関保育所
「アロハ~」のかけ声で南の島に出発
2022年07月26日
36 家族連れらでにぎわう  飛雪の滝キャンプ場で「夏祭り」  (紀宝町 )
2022年07月26日
37 休日に家族で健診へ  歯と口の健康に意識  (紀宝町 )
2022年07月26日
38 機能的な都市活動確保のため  13人を都市計画審議委員に任命  (新宮市 )
2022年07月26日
39 きれいな花で楽しくアレンジ  プリザーブドフラワー教室に9人  (新宮市 )
2022年07月26日
40 歌声と演奏で盛り上がる  七彩会が夏の感謝祭ライブ  (太地町 )
2022年07月26日
41 夏の楽しいひととき  高田小中が親子学習会  (新宮市 )
2022年07月26日
42 宇宙シンポ運営などに協力  1年生やCGS部の応援隊  (串本古座高校 )
2022年07月26日
43 お悔やみ情報
  
2022年07月23日
44 名物の催しでにぎわう
 くじらに出会える海水浴場  (太地町 )

 太地町の名物となっている催し「くじらに出会える海水浴場」が22日、同町のくじら浜海水浴場で始まった。前日には準備に向けて、町立くじらの博物館(稲森大樹館長)の職員がハナゴンドウ2頭の搬入作業を行った。展示期間は8月16日(火)まで。午前11時と午後1時の2回(約15分間)、12㍍四方の網いけすから開放される。

 クジラの近くで泳ぐことができる人気の催しで2008年から始まり今年で14回目。20年は新型コロナウイルス感染症の影響で中止となった。今年も感染防止対策で網いけすに特設ステージは設置しない。

 前日の21日は早朝から搬入作業を開始。元々は19日に予定されていたが、天候不良のためこの日に延期となっていた。森浦湾で飼育する2頭の鯨類の体温測定や血液検査を行い、異常の有無を確認した。

 その後、ボートに固定して海水浴場へ向かい、網いけすに搬入。クジラがいけすに慣れた後に、餌をあげて体調や状態が安定しているかをチェックした。

 今回、搬入されたのは飼育展示7回目で雌のサツキ(体長292㌢、推定体重410㌔、推定13歳)と、4回目で雄のシロ(体長296㌢、推定体重390㌔、推定26歳)。

 搬入を終えて、同館主任飼育員の富田史明さんは「無事に搬入できて良かった。ここ数年はコロナ禍でお客さまの足が遠のいていたが、今年も海水浴場がオープンできた。クジラと泳げる海水浴場は全国的にも珍しいので、多くの方々にクジラを間近で見て、楽しんでいただけたら」と話していた。

 オープン初日の22日には、シーズン中の安全とにぎわいを祈る安全祈願祭が勝浦八幡神社の髙橋正樹宮司によって営まれた。その後、クジラの姿を一目見ようと、大勢の家族連れなどでにぎわった。

 大阪府堺市から家族で訪れていた40代男性は「インターネットで知って来た。本当にクジラが間近で見られて子どもたちも喜んでいる。来年もぜひ来たい」と笑顔で語った。

(2022年7月23日付紙面より)

今年も人気の催しが始まった=22日、太地町のくじら浜海水浴場
搬入作業の様子=21日、同所
2022年07月23日
45 命を守る土木建築の仕事
 キャリアアップ計画開始  (新翔高校 )

 新宮市の県立新翔高校(藤田勝範校長)で、夏休みを利用した2年生の総合的な探求活動「キャリアアップ計画」がスタートした。初日の21日には、生徒たちの職場見学や建設系の進路座談会が行われた。

 生徒自身で▽大学・専門学校のオープンキャンパス▽地元6企業の職場見学▽進路座談会▽新宮市役所の出前講座―から一つを選択し、自分の進路について考えを深めていく。

 進路座談会には、同校卒業生で夏山組土木分野の現場監督を務める前田建人さんが来校し、同校建設技術系列の生徒2人が今後の進路選択について相談した。

 前田さんは「災害時に『命の道』になるバイパス道路の橋台や橋脚など、大きな構造物を造ると達成感がある。就職して1年目は紀伊半島大水害のすぐ後で、河川の堤防修理の工事をしていた。その時に、地元の方々から『ありがとう』と声をかけてもらえ、しんどかったけれどやって良かった、自分たちの仕事が地元の方々の命を守ることにつながると実感した」と語り「高校の3年間は短いので、一日一日を大切に、勉強を頑張ってほしい」と話した。

 笠木舵希君は「小さい時から自然やものづくり、外でいることが大好きで、大工を目指している。漠然と○○組、○○建設という会社に就職するのかなと思っていたけれど、家を建てるには○○工務店や○○住宅という会社を目指す必要があることが分かった。資格についても知ることができ、大工になりたいという気持ちが強くなった」。立嶋矢真斗君は「父が建設系の仕事をしていて、興味があって建設技術系に進んだ。進路はまだ決めていないけれど、いろいろなことが知れて良かった」と話していた。

(2022年7月23日付紙面より)

建設系の進路座談会の様子=21日、新宮市の県立新翔高校
2022年07月23日
46 「八咫烏風鈴」音色響く コロナ終息、日本代表の健闘など願い (熊野本宮大社)

 田辺市本宮町の熊野本宮大社(九鬼家隆宮司)で21日、「八咫烏(やたがらす)風鈴」の取り付け作業があった。神職や巫女(みこ)らが、神門前に設置された「八咫烏風鈴台」や手水(ちょうず)舎、社務所など境内に約100個の風鈴をつるした。風鈴はお盆過ぎまで設置予定。

 風鈴はもともと邪気払いとして使われており、同社では参拝者らに涼を感じるとともに、邪気を払い疫病退散や開運厄よけにつなげてもらおうと、2006年から設置している。南部鉄製の風鈴には、熊野地方の伝説「三体月」の模様が入っていて、八咫烏の絵が入った赤、青、黄、ピンク、白の5色の短冊を下げている。

 神門近く、頂部に八咫烏の模型があしらわれている「八咫烏風鈴台」(高さ約3㍍)には88個の風鈴がつるされ、風がそよぐたびに涼しげな音を響かせていた。風鈴は同大社周辺の商店など、約70軒にも飾られた。

 今年は、静かな中で風鈴の音色を感じてもらおうと、例年より設置数を減らした。新型コロナウイルス感染症の早期終息を願うとともに、八咫烏は日本サッカー協会のシンボルマークでもあることから、今年11月21日から12月18日にかけて開催予定のサッカーワールドカップ(W杯)カタール大会に出場する日本代表チームの健闘も祈願した。

 風鈴設置に当たり、九鬼宮司は「新型コロナの一日も早い終息を願っています。熊野地方を訪れた時、熊野の香りや風とともに、風鈴の音色も感じてもらえれば」と話していた。

(2022年7月23日付紙面より)

「八咫烏風鈴台」に風鈴を取り付ける巫女=21日、田辺市本宮町の熊野本宮大社
2022年07月23日
47 区役員代表参列で礼尽くす
 池野山八坂神社で夏季祭典  (古座川町 )

 古座川町池野山にある八坂神社の夏季祭典が17日にあり、護持する上部区(橋本尚視区長)と池野山区(垣秀志区長)の役員が代表参列して礼を尽くした。

 区境付近に鎮座する同神社は両区が氏神社として護持していて年2回、上部区が主奉仕する夏季祭典と池野山区が主奉仕する秋季祭典(火焚祭)を営むなどして信仰を注いでいる。主祭神は素戔嗚尊(すさのおのみこと)。夏季祭典は例年であれば奉幣神事を営み上部区の獅子舞の奉納や道行きも伴う主たる例祭に位置づけられているが、おととしと昨年に続いて今年もこれら奉仕は自粛。役員の代表参列で大前の儀のみ営んで今後へ礼をつなぐこととした。

 前日の強雨も収まり真夏の日差しが降り注ぐ好天に恵まれた本祭日。上部区からは4人、池野山区からは3人が大前の儀に代表参列し、直前の準備に奉仕した両区十数人が境内などから見守った。古座神社の石田保宮司が出仕して祝詞を奏上し、橋本区長ら上部区の役員、次いで垣区長ら池野山区の役員が玉串や二礼二拍手一礼の所作をささげて祈願した。奉幣神事はしなかったが、祭壇に両区の幣を奉って今年の神気をあやかった。

 3年続いて神事のみとする形となり、橋本区長は「今年は獅子舞の稽古をしようと思っていたが、最近の新型コロナウイルス感染拡大で断念せざるを得なくなった。緩やかだが人口減が進む中での獅子舞の再興は大変だと思うが、獅子舞をまた絶やすことはしたくない。願うところは早くコロナが終息し、普通の生活を取り戻したいという一心」、垣区長は「思うところは皆さんと同じ。上野山区はこの祭りの次に盆行事があるが、今年も追善踊りは取りやめて灯籠焼きだけ営む。一堂に会することは、地域としてまとまる上で大事。これらが平常通りやれるようになれば」とそれぞれ向こう一年に願うところを語った。

(2022年7月23日付紙面より)

夏季祭典の大前の儀に臨む上部区と池野山区の役員ら=17日、古座川町池野山
2022年07月23日
48 近大新宮、8強ならず
 高校野球和歌山大会  
2022年07月23日
49 東牟婁地方中学校総体(終)
 バスケットボール・バレーボール  
2022年07月23日
50 1位に野中誠一さん  写連紀南支部7月例会  
2022年07月23日
51 楽しい夏の思い出に  夏祭りや夕涼み会  (新宮市、那智勝浦町 )
2022年07月23日
52 最終日に安全運転呼びかける  汐入橋交差点などで夜間啓発  (那智勝浦町 )
2022年07月23日
53 昆虫は何を食べるの?  宇久井ビジターCで企画展  (那智勝浦町 )
2022年07月23日
54 友達と共同生活送る  新木保でお泊まり保育  (新宮市 )
2022年07月23日
55 橋杭園地での貢献たたえる  株式会社人見建設に感謝状  (串本町 )
2022年07月23日
56 近畿で優勝し全国初進出  詩舞講師の尾代きみさん  (哲泉流 )
2022年07月23日
57 丸太のベンチを設置  大里桜愛好会ら自然プールに  (紀宝町 )
2022年07月23日
58 顧客の財産を守るために  三十三銀行で特殊詐欺防止訓練  (熊野警察署 )
2022年07月23日
59 「安全な歩行呼びかけたい」  横断歩道ハンドサインキャンペーン  (紀宝署 )
2022年07月23日
60 感染急拡大で「アラート」発出  感染防止行動の徹底呼びかける  (三重県 )
2022年07月23日
61 刑法犯認知件数、大幅に減少  総会で山﨑、伊藤さんら表彰  (紀宝地区防犯協会 )
2022年07月23日
62 涼をもたらすハツユキソウ  新宮市のタウンガーデン  
2022年07月23日
63 お悔やみ情報
  
2022年07月23日
64 ママも子どもも笑顔になる「疲れない食育」
 【第51回】みそ汁パワーで夏を乗り切れ  

 梅雨も明けて、いよいよ夏がやってきました。子どもが夏休みに入ったり、何かと忙しくなるご家庭も多いのではないでしょうか?

 先日、面白い記事を読みました。島根県立益田高校のサッカー部が、「みそ汁プロジェクト」なるものを始めたという記事です。サッカーの練習後に、みんなで1杯のみそ汁を飲むというのを続けることで、腸内環境の改善を検証するというものです。1カ月後、部員の腸年齢は、全体の平均で1・16歳若くなったそうです。試合中、足をつる選手がいなくなったという話もあります。これら全てがみそ汁の効果か、というとそれは分かりませんが、みそ汁が健康にいいのは確かです。

 最近「腸活」というキーワードをよく耳にするようになりました。腸は第二の脳といわれるとも言いますね。腸内環境が良ければ、免疫力も高く、体の調子が良くなるというものです。腸活の基本は、「プロバイオティクス」という腸に有益な菌を摂取すること。つまり善玉菌と呼ばれるものです。皆さんご存じの乳酸菌やビフィズス菌です。食品ではヨーグルトやみそ、キムチ、納豆などがそれに当たります。そしてこの「プロバイオティクス」を働かせるためには、「プレバイオティクス」という善玉菌の餌も一緒に摂取する必要があるのです。「プレバイオティクス」とは、食物繊維やオリゴ糖を含む食品のこと。野菜や果物、豆類、きのこ類などがこれに挙げられます。

 もうお分かりでしょうか? みそ汁にはこの両方が含まれているのです。つまり腸にいい要素が一気に取れる料理ということになりますね。

 みそ汁は、一時期塩分過多だと敬遠されていた時期もありますが、今その健康効果が再び注目を集めています。厚生労働省の研究によると、みそ汁をたくさん飲んでいる人ほど乳がんの発生率が低いそうです。乳がんの発生率は「みそ汁1日1杯以下」の人よりも、「1日2杯」の人で26%、「1日3杯以上」の人で40%も減少しているという結果でした。胃がんの死亡率も、毎日みそ汁を飲む人と全く飲まない人では48%違うという研究結果もあります。さらに老化防止や血圧低下・睡眠の質向上など、さまざまな健康効果が発表されているのです。そして、みそにはナトリウムイオンが豊富に含まれているので、熱中症予防にも効果があります。

 みそ汁は、冷蔵庫で半端に余ったお肉や野菜を入れられるので、私はよく作ります。毎日食卓に出していると、ないとき娘に「あれ? おみそ汁は?」と言われることもあります。いりこやカツオ、昆布でだしを必ず取らなきゃいけないということはありません。野菜を入れて、コトコト煮れば、野菜のだしで十分おいしいおみそ汁ができます。キュウリとツナと豆腐で火を使わずに、冷汁にすることもあります。冷たいみそ汁もおいしいですよ! 腸にも、健康にもいいおみそ汁! ぜひ、毎日みそ汁を飲んで、これからの暑い夏を乗り切ってみてください。そして、お子さんにもみそ汁パワーを教えてあげてください。

(2022年7月23日付紙面より)

2022年07月17日
65 防災機能高めた新庁舎
 三輪崎支所で落成式  (新宮市 )

 新宮市三輪崎で16日、市役所三輪崎支所新庁舎落成式と施設見学会があった。田岡実千年市長や市議会議員、消防団関係者、地元自治会長、工事関係者らが出席。施設の完成を祝うとともに、19日(火)からの業務開始に向け士気高揚を図った。

 大規模災害発生時においても、地域の防災拠点施設としての役割を十分に果たすことをコンセプトの一つに、優れた耐震性を確保。1階に三輪崎支所、2階に市消防署三輪崎消防派出所と消防団三輪崎分団詰所を配置するとともに、非常用自家発電設備や600㍑の燃料タンクを設置。災害時には施設内の非常用電源接続機器に3日間の電源供給が可能となる。

 津波一時避難スペースも確保されており、2階屋上(海抜16㍍)に約140平方㍍、1階屋上(同12㍍)約80平方㍍の計約220平方㍍に約440人の避難者の受け入れが可能。駐車場北側には消防本部において、60立方㍍の耐震性貯水槽を埋設している。

 また、期日前投票や確定申告の会場としても使用予定の多目的スペースや、窓口には車いす対応のローカウンター、オストメイト対応の多目的トイレを配備している。

 敷地面積は1170・48平方㍍、建築面積249・34平方㍍、延床面積388・11平方㍍。鉄筋コンクリート造りで駐車台数は10台、株式會社中村一級建築士事務所が設計。株式会社海邊組が建築、共栄電設株式会社新宮支社が電気、株式会社仲西水道工事店が機械の施工を請け負った。

 なお、旧三輪崎支所庁舎は完成から55年、三輪崎消防吏員派出所は建築後69年が経過していた。

 式典では、田岡市長が市民と関係者の協力に感謝し「より一層市民の皆さまのご期待に添うべく、安全・安心のまちづくりに全力を傾注したい」とあいさつ。

 地元選出の濱口太史県議は、旧庁舎や派出所の思い出を振り返りつつ「施設の完成を機に、地域が盛り上がっていくことを期待している」と祝辞を述べた。

 施工業者への感謝状贈呈後には田岡市長、濱口県議、酒井清崇・東牟婁振興局長、榎本鉄也市議会議長、中谷健兒消防団長がテープカット。閉会に当たり、榎本議長が「市議会としても当局とともに、地域に愛される施設となるよう努めていきたい」と誓いを新たにした。

(2022年7月17日付紙面より)

テープカットなどで落成を祝った=16日、新宮市三輪崎
新庁舎全景(新宮市提供)
2022年07月17日
66 新宮港の危機管理
 関係機関が情報共有  

 田辺海上保安部(真部克彦部長)や新宮警察署(田原正士署長)などで組織する、新宮港港湾危機管理コアメンバーの会合が14日、和歌山県東牟婁振興局であった。19人が参加、新宮港におけるテロ対策強化について意見を交わした。

 田辺海保や新宮署のほか▽大阪税関和歌山税関支署新宮出張所▽大阪出入国在留管理局和歌山出張所▽近畿地方整備局和歌山港湾事務所▽近畿運輸局和歌山運輸支局勝浦海事事務所▽県東牟婁振興局新宮建設部▽新宮市企画政策部▽新宮市消防本部―の代表者で組織する。会合は何もなければ年1回、およそこの時期に実施している。

 開会に当たり、新宮港港湾危機管理担当官である、田辺海保の真部部長があいさつ。「今回は各機関から、新宮港港湾管理の取り組みを説明いただき、その内容を共有し、自由に議論いただき、今後に生かしていきたい。われわれ関係機関の連携もさらに深まるものと思う」と話した。

 コロナ禍に関して、日本では外国人観光客の受け入れが徐々に再開されており、今後は新宮港での外国客船の入港が再開すると思われること。世界各国でも大規模イベントが少しずつ再開していること。国内の観光地で客足が戻りつつあることなどを説明した。

 一方で、アメリカ独立記念日の銃乱射事件、安倍晋三元首相の銃撃事件、ロシアのウクライナ侵攻にも言及。「(これらが)われわれの港湾危機管理を含め、さまざまな活動にどのような影響が及ぶのかは知れないが、新宮港における危機管理は、関係機関と連携し、一丸となり、守り抜いていきたい」と語った。

(2022年7月17日付紙面より)

あいさつする真部克彦部長=14日、和歌山県東牟婁振興局
2022年07月17日
67 詐欺被害撲滅呼びかける
 見守り隊と紀南高生が街頭啓発  (紀宝、御浜町 )

 「特殊詐欺撲滅の日」の15日、紀宝町と御浜町で街頭啓発活動があった。両町のスーパーで啓発チラシを配布し、来店者に声かけするなどして地域ぐるみで詐欺被害撲滅を呼びかけた。

 紀宝町高齢者地域見守り隊(伊藤俊介代表)は、同町鵜殿の主婦の店で啓発活動を実施。「コロナの影響で売り上げが減り困っている」と電話勧誘で金額に見合わない商品を売りつけるトラブルが急増しているとして、注意するよう買い物客に求めた。

 国民生活センターによると「新型コロナウイルスの影響で商品が売れないので支援してほしい」、強引に「買ってもらわないと困る」などと勧誘され、海産物を購入したが、金額に見合わない商品が届いたという相談事例がある。代金引換で一方的に商品が届くこともあるという。

 トラブルに巻き込まれないポイントとして▽おかしいと感じたらはっきり断る▽クーリングオフ制度の利用▽一方的に届いても支払わず、受け取らない―などを挙げている。

 不審な電話や訪問に関する相談は紀宝警察署(電話0735・33・0110)、紀宝町地域包括支援センター(電話0735・33・0175)、消費者ホットライン(電話188)まで。

 御浜町では、防犯ボランティア団体として活動する紀南高校生徒会の役員7人、同町防犯委員、紀宝警察署の署員らが参加し、パーク七里御浜ピネで実施。生徒らは「特殊詐欺に気を付けてください」などと来店者に呼びかけ、還付金詐欺に注意するよう求めるチラシなどを配布した。

 同署によると、6月末現在、架空料金請求詐欺24件(被害額約9320万円)、オレオレ詐欺11件(同約1990万円)など59件(前年同期比9件増)の特殊詐欺が発生し、被害総額は約1億5080万円(同約6450万円増)に上った。

 管内では5月13日に架空請求詐欺があり、10万円の被害が発生した。

(2022年7月17日付紙面より)

買い物客に呼びかける隊員=15日、紀宝町鵜殿の主婦の店
啓発活動に参加した紀南高校生徒会の役員ら=同日、御浜町阿田和
2022年07月17日
68 期間中の安全や活気を祈願
 ブルービーチ那智が海開き  (那智勝浦町 )

 一般社団法人那智勝浦観光機構(NACKT)は16日、那智勝浦町浜ノ宮のブルービーチ那智で海開きに伴う安全祈願祭を営んだ。新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から来賓は招待せず、機構の清水貞吾理事長や堀順一郎町長、町職員らのみで神事が執り行われた。遊泳期間は8月16日(火)まで。

 雨の中、神事は熊野那智大社の出仕を得て、小賀真樹禰宜(ねぎ)らがシーズン中の安全と活気を祈念した。

 同町によると、感染症対策として、ウオータースライダーなどは設置しない。

 シャワーや更衣室は使用できるが、密を回避するためロッカーの間引きや屋外に簡易的なシャワーを準備し、消毒液も配備する。また、水難事故を防ぐために海上と陸上に監視員を配置するとしている。

 堀町長は「県内でも有数のビーチを活用していく。水難事故がないように協力いただきたい」。

 藤原健一事務局長は「イベントなどは実施できないが、ご家族で海や温泉を楽しんでいただけたら」と話した。

 清水理事長は「海開きとなって、町の繁忙期である夏が始まる。コロナの感染状況は不安だが、感染防止や水の事故に注意しながら、夏の思い出をつくていただけたら」と語った。

 遊泳時間は午前9時から午後4時30分まで。駐車場は西側(熊野体験博跡地)約150台、東側(JR那智駅側)約100台が駐車可能で有料1台500円。8月17日(水)以降は無料。同ビーチ以外では粉白地区の玉の浦海水浴場が遊泳できる。

(2022年7月17日付紙面より)

遊泳期間中の安全などを祈願した=16日、那智勝浦町のブルービーチ那智
2022年07月17日
69 近大新宮が初戦突破  新宮は日高中津に敗れる  (高校野球和歌山大会 )
2022年07月17日
70 学校をきれいに  三輪崎小学校で溝掃除  (新宮市 )
2022年07月17日
71 福井さんの水墨画集完成  個展も25日まで開催中  (那智勝浦町 )
2022年07月17日
72 夏のにぎわいを願う  円満地公園でプール開き  (那智勝浦町 )
2022年07月17日
73 妊娠・出産・育児を学ぶ  那智中学校で「命の授業」  (那智勝浦町 )
2022年07月17日
74 高垣光汰君が全国大会へ  陸上競技選手権に向け表敬訪問  (新宮市 )
2022年07月17日
75 3年ぶりに全ての諸祭儀斎行  那智の扇祭り(火祭)  (熊野那智大社 )
2022年07月17日
76 特殊詐欺を未然に防ぐ  百五銀行熊野支店と対応の職員に感謝状  (熊野警察署 )
2022年07月17日
77 「ピラティス」を体験  寺子屋広場でエクササイズ  (紀宝町 )
2022年07月17日
78 自分たちのまちをきれいに  相野谷中が清掃活動  (紀宝町 )
2022年07月17日
79 救急車到着までの措置を  1年生が救急救命法学ぶ  (矢渕中 )
2022年07月17日
80 お悔やみ情報
  
2022年07月09日
81 3年ぶりの出店にぎわう
 熊野川で七夕行事  (新宮市 )

 熊野地方の各地で7日、七夕行事が行われた。天候にも恵まれ、願い事を書いた短冊をつるした笹飾りを手にした子どもたちや家族連れの姿でにぎわいを見せた。

 新宮市の熊野速玉大社下河川敷では、感染症対策を講じた友人同士や家族連れが訪れ、「家族みんなが元気で暮らせますように」「ウクライナに日常が戻りますように」「アンパンマンになりたい」など、短冊に願い事を託した笹飾りを置き、「願いがかないますように」と手を合わせたりスマートフォンで写真を撮影したりする姿が見られた。

 また、同所ではコロナ禍以降初めて露店商が出店。フランクフルトやかき氷、唐揚げ、くじ引きなどの露店に、多くの人が列を作っていた。

 両親と3人で訪れた鈴木朝日(あさか)ちゃん(6)は「ふくいっぱいかえますように」と短冊に願いを託し「願いがかなうといいな。これからお父さんとお母さんに露店で何か買ってもらう」とはにかんだ。

 七夕は盆行事の一つ。笹に短冊をつるす風習は江戸時代に広まった日本独自のもので、七夕の伝説に登場する織り姫にあやかり、裁縫や手習い事の上達を願うものだったという。

(2022年7月9日付紙面より)

「願いがかないますように」短冊に願いを託した=7日、新宮市の熊野速玉大社下河川敷
2022年07月09日
82 あらゆる差別の撤廃に向け
 新宮市人権尊重委員会が総会  

 新宮市人権尊重委員会(会長・田岡実千年市長)は7日、市役所別館で本年度総会を開いた。約45人が出席し、本年度事業計画など3議案を承認。役員互選では谷口幸生・王子ヶ浜小学校長と中岸基英・市女性人権推進協議会長(再任)を選任した。開会に先立ち、田岡市長は「今なお残る差別の厳しい現実を十分に認識し、あらゆる手立てによって市民一人一人の尊厳と人権が尊重された、誰もが元気で心豊かに暮らすまちを実現していきたい」と誓いを新たにした。

 市人権尊重委員会は、市における部落差別をはじめとするあらゆる差別の解消を目指し、基本的人権を確立するための事業を推進。明るい平和な地域社会の建設を図ることを目的に設置された。市関係部課長や市議会議員、教育長、学校関係者、社会教育・人権啓発関係団体代表者などで構成される。

 本年度は「新宮市部落差別をはじめあらゆる差別の撤廃に関する条例」の理念に基づき、市民一人一人の参加による人権尊重都市の確立、差別のない新宮市の実現に向け、あらゆる機会を捉えた啓発活動を展開していく。

 事業では▽部落差別を人権問題の重要な柱として捉え、多種多様化する人権課題について正しい理解と認識を深める啓発活動の積極的な推進▽あらゆる差別をなくすため、関係機関などとの連携を図り、推進体制の充実に努め人権尊重の精神に則り、人権課題解決に向け取り組む▽「人権に関する市民意識アンケート」の調査結果の分析を基に、効果的な人権教育・啓発などを推進▽部落差別事件が連続して発生する状況、また新型コロナウイルス感染症による社会様式の変化を踏まえ、新たな啓発活動の在り方について調査・研究する―などを予定している。なお、昨年度は市内の企業や人権推進協議会、機関、団体で人権問題学習会や研修会などが開かれ、2000人以上が参加した。

 議案審議後には研修もあり、市人権教育指導員の谷嗣弘さんが「性の多様性とパートナーシップ制度」をテーマに講話。

 先進7カ国で同性婚を認めていないのは日本だけであるとし「パートナーに対する医療行為に『同意』できない」「葬儀に参列できない」「配偶者控除制度が適用されない」など、性的マイノリティー(少数者)が抱える悩みや問題を解説。

 自治体が独自にLGBTQカップルに対して「結婚に相当する関係」とする証明書を発行し、さまざまなサービスや社会的配慮を受けやすくする「パートナーシップ制度」について「法的効力はないが、4月1日現在で209自治体が導入しており、人口カバー率は52・1%で今なお増加している。県内でも橋本市が今年10月より導入することが決まっている」などと制度の現状を紹介した。

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■全国水平社結成から100年



 今年は、1922年には大正デモクラシー期の日本において、部落差別の地位向上と人間の尊厳の確立を目的に全国水平社が結成されてから100年となる。

 100年前の創立大会では「人の世に熱あれ、人間に光あれ」と宣言が結ばれ、人間の尊厳と平等がうたわれた。

 新宮市では「部落差別解消推進法」(部落差別の解消の推進に関する法律、2016年)に先立ち、15年に「市部落差別をはじめあらゆる差別の撤廃に関する条例」を制定。あらゆる差別をなくし市民全ての人権意識の高揚を図り、差別のない新宮市の実現を目指して各種取り組みが推進されているが、昨今においても部落差別事件など多くの人権問題が発生している。

(2022年7月9日付紙面より)

約45人が出席した人権尊重委員会総会の様子=7日、新宮市役所別館
2022年07月09日
83 自身の将来を考える一助得る JAL職員迎えキャリア教育 (串本町)

 串本町立串本西中学校(平松聡校長、生徒31人)で7日に日本航空株式会社(JAL)のキャリア教育出前講座があり、全校生徒が自身の将来を考える一助を得た。

 この講座は、発案者でもある同社業務企画職の丸島拓郎さんが希望する学校へ届けている学びの機会。前年度に招致した古座川町教育委員会から紹介を受けた串本町教育委員会が同町青少年育成町民会議(生熊和道会長)へ事業提案し、その承認を受けて町立中学校に参加を呼びかけたところ串本西中、潮岬中、串本中が希望し順次実施するに至ったという。

 串本西中では来校した丸島さんと共にデジタルイノベーション推進部の三輪祥子さんがオンラインで登壇。丸島さんは学生時代の経験が働くことに生きることを伝えつつ将来を考えるきっかけをつくるためにこの講座をしていると生徒に趣旨を伝えて話を切り出した。

 前半はJALグループが131社3万6000人規模の集まりであることの紹介で、丸島さんは多様な業務が互いを認め合いチームとして仕事をするからみんなが得意を発揮して頑張れる点を強調した。

 後半は羽田空港で実現している非接触型発券環境のアイデアを出して社長表彰を受けた三輪さんがその成果を紹介。丸島さんはアイデアを出したのは三輪さんだがこれもチームで動いてこその形、と補足して個々の得意がチームとして動くときの力強さを印象づけた。

 半ばと終盤で生徒の自由質問も受け付け。仕事でつらかったことを問われた三輪さんは海外の人と一緒に仕事をするときの英会話に苦労したと明かし、「人に喜んでもらえるなら」という思いで克服に頑張っていると仕事の本質を伝えるなどした。

 講座を経て清野直人君(3年)は自分のしたいことを続けることで思いがけない仕事に就きやりがいも得られるという筋道が印象的だったとコメント。丸島さんは「大人になるって楽しそうと思ってもらえることが一番。そのために学生の間はまず、目の前のこと(=興味)に頑張ってほしい」と生徒の今後を期待した。

 潮岬中は翌8日に参加。串本中は秋に参加予定という。

(2022年7月9日付紙面より)

JAL職員から将来に向け大切にしてほしい事柄を教わる生徒=7日、串本町立串本西中学校
2022年07月09日
84 海と船の絵画コンクール
 9、10日、「勝浦展」開催  

 那智勝浦町教育センターで8日、近畿運輸局勝浦海事事務所、紀南海運協会、公益社団法人近畿海事広報協会、東牟婁地方美育協会が共催する「海と船の絵画コンクール」の審査会があった。9日(土)と10日(日)には、同所で3年ぶりとなる「勝浦展」を開催する。

 海の恩恵に感謝するとともに、海洋国家日本の繁栄を願う日として制定された祝日「海の日」(7月18日)、および「海の月間」(7月1~31日)の協賛行事。

 本年度は新宮・東牟婁地方の小学校から534点(特別支援51点含む)、中学校62点、合計596点の応募があった。水辺の生き物や海を泳ぐクジラ、マグロが並ぶ市場など、海と関わりの深い熊野地方の自然や文化をモチーフとした作品が寄せられ、特選120点が決定。各学年から1点が勝浦海事事務所長賞に輝いた。

 審査に加わった勝浦海事事務所の中川洋所長は「絵を描いた子どもたちの姿を想像しながら審査した。海や船に注目し、興味を持っていただければうれしい。感染対策を取りつつ、ぜひお子さんたちの作品を見てほしい」と語る。

 「勝浦展」の開場時間は9日午前9時~午後5時、10日午前9時~午後4時。30日(土)と31日(日)には、太地町立くじらの博物館で「くじら館展」も開催予定にしている。

(2022年7月9日付紙面より)

子どもたちの作品を審査=8日、那智勝浦町教育センター
2022年07月09日
85 海景に映える赤い花  アメリカノウゼンカズラ  (那智勝浦町 )
2022年07月09日
86 新しい施設で研修会など  県内図書館職員ら来新  (和歌山県公共図書館協会 )
2022年07月09日
87 海開きを前に清掃活動  ブルービーチ、16日から  (那智勝浦町 )
2022年07月09日
88 夏の大会に向け士気高める  市内3高校で壮行会  (新宮市 )
2022年07月09日
89 夏キャンプに向け資質磨く  ジュニアリーダーの中高生  (県青少年育成協会 )
2022年07月09日
90 仕組み知り在り方考える  串本中3年対象租税教室  (串本町 )
2022年07月09日
91 雨にひるまず約200人が競う グラウンドゴルフ競技会「認定コース大会」 (県立潮岬青少年の家)
2022年07月09日
92 聞こえない人への理解深める  潮岬中2年生が手話講座で  (串本町 )
2022年07月09日
93 フレイル意識する機会提供  60歳以上町民対象に講座  (串本町 )
2022年07月09日
94 悔いなく精いっぱいの挑戦を  硬式野球部と吹奏楽部を壮行  (串本古座高校 )
2022年07月09日
95 親子で笹飾り持ち寄る  新宮の2区で「七夕祭り」  
2022年07月09日
96 短冊に悩みや願い込めて  「七夕願いよ 届け」  (那智勝浦町 )
2022年07月09日
97 ヨガで心身リラックス  紀宝町の子育てサロン  
2022年07月09日
98 安全と安心確保に功績  優良工事の事業所と若手技術者ら顕彰  (熊野建設事務所 )
2022年07月09日
99 「願い」込めた笹飾り持ち寄る  恒例の「七夕祭り」会場に  (紀宝町成川 )
2022年07月09日
100 交通事故防止へ向け協議  11日から夏の交安運動