「人とまちが輝き、未来へつなぐまち」 (新宮市総計審 )
第2回新宮市総合計画審議会(会長・足立基浩和歌山大学経済学部教授、委員20人)が29日夜、市役所であった。将来目指すべき都市像を「~市民が元気で心豊かに暮らすために~人とまちが輝き、未来へつなぐまち 新宮市」とする基本構想の事務局案が示され、委員たちが意見を述べた。
現在の市の目指すべき都市像は「人輝き文化奏でる都市」としている。新しい都市像案について足立会長は「言葉が少し長いのではないか」。関康之委員(新宮商工会議所会頭)は「もっとシンプルで具体的な方がよい」と指摘した。
事務局が示した政策目標は▽安心・安全に暮らせるまち▽心豊かな人を育むまち▽共に支え合い幸せ感じるまち▽安定した雇用を生み出すまち▽魅力ある文化がつなぐにぎわいのまち▽持続可能な市政運営―の6点。平成39(2027)年度末の人口は2万6000人以上を目標とした。
関委員は、現在の総合計画の検証を要望。児玉征也委員(東牟婁振興局長)は空き家の利活用推進を計画に盛り込むことを提案した。
総合計画はまちづくりの最も上位に位置付けられる行政計画。市の将来目指すべき都市像を示す「基本構想」(長期10年)、具体的施策について体系化した「基本計画」(中期5年)、具体的な事業や規模などを示す「実施計画」で構成される。
市長の諮問機関である同審議会は8月上旬に「基本構想」、2月上旬に「基本計画」の答申を予定している。次回は7月24日(月)午後7時から市役所で開く。
(2017年5月31日付紙面より)
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市役所に応援の懸垂幕 (新宮市 )
サッカー日本代表に初選出された新宮市出身の加藤恒平選手(27)を応援しようと、市体育協会と同スポーツ少年団本部が30日、市役所庁舎に懸垂幕(縦11㍍×横0・92㍍)を掲示した。6月30日(金)まで。
加藤選手はブルガリアのPFCベロエ・スタラ・ザゴラ所属。現在はキリンチャレンジカップのシリア戦(6月7日、東京スタジアム)、ロシアワールドカップアジア最終予選のイラク戦(同13日、テヘラン)にむけ、千葉県内で合宿に励んでいる。
市体育協会会長でスポーツ少年団本部長でもある楠本秀一教育長は「夢を諦めずに続けていく姿勢が、子どもたちに勇気や希望を与えてくれている。ぜひピッチの上で活躍し、来年の本大会につなげてほしい。市民の多くも、活躍を期待していると思う」と話した。
(2017年5月31日付紙面より)
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サイネックスと協定締結 (串本町 )
串本町は25日、「暮らしの便利帳」発行に向け株式会社サイネックス=大阪市中央区=と官民連携協定を結んだ。
同町は合併当時の平成17年に「新町の手引き」、22年に改訂版となる「暮らしのページ」を全戸配布。後の転入者にも配布して、各種制度の周知に役立てている。改訂版発行から7年が過ぎ、内容と現状が合わない箇所が増えたため今回、新たに「暮らしの便利帳」を発行することを決めた。
同社は平成19年から官民協働で同便利帳の発行事業を始め、5月末で全国の自治体の4割強にあたる724自治体で発行している。新宮・東牟婁地方では新宮市や那智勝浦町で実績があり、串本町は3例目となる発行に着手する形となる。
この日は同社西日本営業本部長の雲林院英幸執行役員と同本部関西営業部の藤崎正敏部長代行次長、同社阪和支店の小林譲支店長の3人が来町し、田嶋勝正町長と雲林院執行役員が協定書に調印した。田嶋町長は「他市町の便利帳を拝見し、見やすくて町民のみなさんに喜んでいただけると感じた。いろいろな事業者の協力を得ることになるが、町も協力していいものを作り上げていきたい」とコメント。雲林院執行役員は「多くの自治体とご一緒させていただいていることは、この手法が評価いただいているものだと思っている。串本町においてもご指導ご鞭撻をいただき、町民の皆さまが使いやすく見やすい本を作りたい」と意気込んだ。
同便利帳はパブリック・プライベート・パートナーシップの手法により、従来の行政情報に加え医療機関などの地域情報や広告による事業者情報を提供して実用性の高さを目指す。行政の財政負担はなく、住民が保存活用する点で反復的、継続的な効果が期待できる広告の掲載収益で事業費をまかなう。
同町における発行規模は1万500部で、概算で数十㌻、事業費数百万円の規模を想定している。発行時期は11月予定で、7~8月に各事業者へ広告利用を呼び掛けるという。
(2017年5月31日付紙面より)
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田辺市本宮町の熊野本宮大社は30日、新宮市の東牟婁振興局で記者会見を開き、創建2050年の節目を迎える来年の例大祭に合わせて奉祝式年大祭(4月11日~15日)を営むと発表した。九鬼家隆宮司(60)は「地域や各種団体と一体となって、人と自然との共生を熊野から発信できるイベントにできれば」と各種団体に協力を呼び掛けている。
7月に実行委員会を立ち上げ、秋までに詳細なイベントの内容を決める。九鬼宮司は「熊野に新たな足跡を残せる心のこもったイベントにできれば」。本宮大社氏子総代会の榎本隆文会長(65)は「今年の例大祭にもたくさんの人が来てくれた。来年の例大祭は日曜日。海外や県外からもたくさん来てもらい、本宮の祭りの良さを知ってもらえれば」と話していた。
■初めて稚児を募集
来年は例大祭の湯登神事に参加する稚児12人を初めて一般募集する。参加資格は2~3歳の男子と父親か祖父。問い合わせは、本宮大社(電話0735・42・0009)まで。
(2017年5月31日付紙面より)
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流祖・川上不白の故郷で (新宮市 )
茶道江戸千家の流祖、川上不白(1719~1807)の故郷、新宮市に江戸千家新宮同好会が設立された。市内のホテルで21日に開かれた設立記念親睦会に出席した10代家元、川上宗雪(そうせつ)さん(71)=東京都台東区=は「流祖が生まれて再来年は300年」と述べ、関係者らに感謝した。
「流祖の故郷を大切にしたい」と家元は新宮へ頻繁に足を運んでいた。戦後、新宮で江戸千家が途絶えていたことから、復活が念願だった。同好会の会員は10人。代表は元新宮商工会議所会頭の瀬古伸廣さん。
親睦会には江戸千家全国連合不白会の役員ら約50人が出席。田岡実千年市長、下宏・和歌山県副知事が祝辞。関康之・新宮商工会議所会頭が乾杯の音頭を取った。
一行は翌日、流祖の菩提(ぼだい)寺である本廣寺での法要、呈茶に出席した。
不白は、紀州藩新宮領主・水野家家臣の息子として新宮に誕生。16歳で京都に出て、表千家七代如心斎宗左に師事し、「宗雪」の茶名を授与された。25歳で茶の湯修練の式法「七事式(しちじしき)」の制定に参画。若くして茶人としての力量が認められ、32歳で江戸に出て千家流茶道を教授した。
上方発祥の茶の湯に江戸の感性を取り入れ、新しい茶風を興した。水野家下組屋敷に隠居した後も30年以上にわたって皇族から大名、旗本、町人まで階層にかかわらず指導したことで知られている。
(2017年5月23日付紙面より)
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津波からの「逃げ地図」作り (太地町 )
大地震による津波が発生した場合、安全な場所への避難経路と逃げるまでの時間を示す「逃げ地図」作りの講座が20日、太地町公民館で開かれた。周辺市町からの参加もあり、約30人が地図作りに取り組んだ。講座は同町在住の一級建築士森岡茂夫さんらがつくる和歌山県逃げ地図づくり促進実行委員会が計画した。講師は明治大学理工学部建築学科の山本俊哉教授、(一社)子ども安全まちづくりパートナーズ=東京都千代田区=研究員の森脇環帆さんらが務めた。
逃げ地図は東日本大震災の後、日建設計=東京都千代田区=の設計部長羽鳥達也さんが考案。白地図に地域の避難場所などを記入し、そこから3分かかる地域は緑、6分は黄緑など、道路に着色していく。住民が地図作りに取り組むことにより、防災に関するコミュニケーションを高めるなどの効果がある。
同町では1000分の1の縮尺の白地図を使った。避難場所に赤い印を付け、倒壊して道をふさぎそうな空き家などにも印を付けた。高齢者が3分間で歩ける距離を129㍍と想定し、この距離を1000分の1に縮小した12・9㌢のひもを使って地図に記入した。避難所からの時間が一目で分かり、時間がかかる場所には避難タワーの設置も必要など意見を出し合いながら作業した。
森脇さんは逃げ地図を活用した子ども向けの避難学習プログラムについて解説。子どもたちに伝えたい「まちの自慢」「過去の津波伝承」などを参加者から出してもらい、内容を書いたメモを逃げ地図に付けた。太地のオリジナルルールとして「逃げたくないというおばあちゃんを1人配置」という設問を追加し、話し合ってもらった。
山本教授は「この道は廃屋が倒壊して通れなくなるのでは。くじらの博物館を訪れた観光客にはどう知らせればいいのかなど、問題を可視化することができる。逃げ地図はそのための道具だ」と話した。和歌山大学システム工学部システム工学科の吉野孝教授と同大学の学院生らも参加し、逃げ地図が作製できるソフトを紹介した。
講座に参加した人と防災未来センター=神戸市中央区=の主任研究員、本塚智貴さんは「東北で伝えられている『つなみてんでんこ』でいいのか。太地ならではの方策があるのではないか。考えてほしい」と話した。森岡さんは「当時者の目線でやってみるということが大事。新宮、東牟婁地方で活用していただければ」と呼び掛けていた。
(2017年5月23日付紙面より)
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文複プレイベント考える (新宮市 )
新宮市教育委員会文化振興課は21日、市福祉センターで文化複合施設周知活動プレイベント実行委員会「第1回市民講座~導入編~」を開催した。計画策定を支援している株式会社シアターワークショップ代表取締役の伊東正示さんと川本優さんが参加者約20人を前に全国各地の事例などを紹介した。
伊東さんはプレイベントの目的として▽新しい施設ができることを広く知ってもらう▽開館してからのイベントにつなげる▽共に活動してくれる仲間を探す▽イベントの経験を重ねる―の4点を挙げ、仮囲いに子どもたちに絵を描いてもらう、工事現場見学会など全国各地の事例を紹介した。
複合施設は4年後の2021(平成33)年度開館予定。市教委は今年12月に同実行委員会を立ち上げる予定で、12月までに計7回ワークショップなどを開く。田岡実千年市長は「水害等で完成が遅れていますが、これ以上遅らすことはできないと思っています。施設は中心市街地の活性化に寄与する重要な施設で、将来の新宮市のためになくてはならない。ソフトの部分でもしっかりと準備していく必要がある」と協力を呼び掛けた。
次回は6月4日(日)午後1時30分から、新宮商工会議所で開く予定。テーマはワークショップ①「プレイベントをしよう!」。
問い合わせは同課(電話0735・23・3368)まで。
(2017年5月23日付紙面より)
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高野山旗学童軟式野球大会に出場
「生命の駅伝」出発式 (新宮市 )
がんと闘う人を励まし、研究を支援する目的で行われている「第23回生命(いのち)の駅伝」の出発式が19日、新宮市立光洋中学校(宮本雅史校長、生徒210人)であった。「EKIDEN for LIFEの会」(太田正隆会長)主催。生徒の中から希望者約150人が約1㌔を伴走した。
出発式で生徒会長の小谷颯志君(3年)が生徒らの募金への協力に感謝し「光洋中生徒会としては、これからも生命の駅伝に協力していきたい」とあいさつ。募金を生命の駅伝実行委員会の上村眞由さんに手渡した。
事務局の北出恭子さんは「私も胃がんで胃を摘出しました。早期発見で今またボランティアに参加させてもらっていることをすごくうれしく思います」と述べ、家族にも検診を勧めるよう呼び掛けた。
駅伝は、がん研究資金を募るためにカナダ人の義足ランナー、テリー・フォックスが「希望のマラソン」として143日かけて5373㌔走ったことにちなむ。95年に「テリーフォックスラン日本」として開始した。活動を通じ、三重県にがん医療センターを設立することを目標としている。
ランナーは中学校をスタートし、東牟婁振興局や新宮市役所など回りながら熊野市役所まで走った。
(2017年5月20日付紙面より)
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若者の政治参加意識の向上を目的に、新宮市神倉の県立新宮高校(畑伸憲校長)で18日、和歌山県議会議員と高校生との意見交換会が初めて開かれた。議員5人と高校生15人が参加し、議会に関する質問や「地域と高校生徒のふれあい」をテーマに話し合った。
公職選挙法の改正で選挙権年齢が18歳以上に引き下げられたことを受け、若者の率直な意見を聞き取る場をつくり、政治参加意識を高めようと開いた。今年3月に亡くなった故・浅井修一郎・県議会議長が発案。議会改革の一環として企画され、「議会改革検討委員会」で検討されてきた。
本年度は試行として同県等委員会メンバーを参加者とし、この日は服部一・県議会副議長、長坂隆司議員、山本茂博議員、多田純一議員、森礼子議員が参加。新宮高校からは生徒会を中心に1年生から3年生までの有志メンバーらが集まった。
服部副議長がコーディネーターを務め、意見交換では生徒らから議会への疑問や高速道路、県の理想像、議員を志したきっかけなどへの質問があった。「地域の子どもや高齢者と高校生が関わる機会をどのように持てばよいか」という問い掛けには、「ボランティアや個人活動、慰問活動など、自分から出掛けていき、得意なことを生かして自ら動く」「市や自治体が実施する避難訓練や祭りなどの行事に積極的に参加する。地域の行事では若い力が求められている」とアドバイスを送った。
議員からは高校生に「住んでいる所を将来どんなふるさとにしていきたいか」「選挙権を与えられた際の投票の基準」「自分自身、ここは人に負けないという自信があるものは」「反抗期はあったか」などの質問があり、生徒らは自分の率直な意見を伝えていた。
意見交換会で気付いたことを聞かれた生徒は「もう少し個別に話したり、自由な形で話せるようにしたらもっといいと思う」などと提案する場面もあった。
服部副議長は「意見を活発に出してくれ、反応も良かった。生徒が意見を出しやすいよう、今後の会の在り方をもう少し検討する必要を感じました。感じている、思っていることが伝わったと思う。関心を持ってくれてありがたい」。
生徒会長の藏本梨奈さん(3年)は「緊張しましたが、お互いの意見を話し、私たちのためにもなりました。今後、生徒会を通じ学校内の生徒の意見を出し合い、新宮のために何かできないかという働き掛けができればいいなと思いました」と感想を語り「政治を身近に感じました。話す場がもともと少なかったので、今回の場で距離が縮まり、自分たちの意見も反映してもらえるんだなと感じました。選挙にも行きます」と述べた。
畑校長は「生徒たちは少し緊張していましたが、議員たちから地域貢献の大切さなどを聞き、社会に接するいいきっかけになったと思います。社会で活躍する大人と話をすることで、自分の意見を話すいい機会になったと思います」と話していた。
(2017年5月20日付紙面より)
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ジオガイドら通夜島調査 (串本町 )
串本町須江沖にある通夜島で18日に地域資源調査があり、南紀熊野ジオパークガイドら18人が地質と植生の2面から島一帯の特色を探った。
通夜島は神功皇后と応神天皇の一行が一夜を明かしたと伝えられ、その故事をなぞらえる水門(みなと)神社祭礼「水門祭」の旧御旅所だったことで知られる。旧大島村から旧串本町、現串本町へと公有地として受け継がれ、民間事業者に貸し出され熱帯植物の栽培地となっていた時期もあったが2003(平成15)年に明け渡され、現在は無人島になっている。
地域資源としては北岸区域13・7㌶が2005(平成17)年にラムサール条約登録湿地に認定されているが、この日の調査はジオパークの観点から魅力を発掘するのが狙い。和歌山東漁業協同組合須江支所の通夜島活用への期待も踏まえて南紀熊野ジオパークガイドの会南エリア(芝崎浩子代表)が計画し、当日はガイドや南紀熊野ジオパーク推進協議会学術専門委員の中屋志津男さん、県自然環境室や同町産業課、串本町観光協会や古座観光協会、リゾート大島や熊野新聞社の各関係者が参加した。
資料調査はしたが上陸は初めてという中屋さんは▽地質的に熊野カルデラ由来と考えらえる火砕流の造形(流紋岩質火砕岩層)が見られる▽地形的に島上部が平地「海岸段丘」になっている―といった二つの特色があると参加者に事前解説し、前半はその象徴となる場所を観察した。
先だって12日に大辺路刈開き隊や同町地域おこし協力隊、環境省やリゾート大島が刈り開いたルートに沿って移動し、その道中には往時の作業小屋や祠(ほこら)も複数点在。上陸地点で地質的な特色、その反対側の浜で地形的特色を観察し、後者では目の前に広がる波食棚や海食台といった平たい海岸が隆起して海岸段丘ができるという大地の営みを、各地形の実物を見ながら感じられるといった魅力の発見があった。
昼食休憩後は既存のスダジイや熱帯植物と栽培管理を離れて野生化したワシントンヤシなどさまざまなヤシ類などで覆われた島内を巡り、眺望に秀でた岩棚などを確かめた。
南紀熊野ジオパークガイドの会の上野一夫会長は「串本には平見と呼ばれる場所が多いが、これらは海岸段丘を意味する。陸繋(りくけい)島も含めてそのような地形がよくわかる岩棚も発見の一つだった。中屋先生が話された特色も含めた今日の収穫を生かし、通夜島を訪れるツアーを年に何回か計画していければと思う」とこの日の成果を振り返った。
(2017年5月20日付紙面より)
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地震から命守る減災セミナー (太地町 )
太地町の一級建築士事務所「熊野くらし工房」の森岡茂夫さんは17日、同町公民館で第2回減災セミナー「地震から命を守る」を開いた。日本建築家協会の災害対策委員として活動した森岡さんは、全国の被災地で得た知識と経験を町民の防災に役立ててもらおうとセミナーを企画し、今年3月にスタートさせた。2回目は「命を守る『倒さない・燃やさない・逃げ切る』」がテーマ。
南海トラフの巨大地震、東海・東南海・南海3連動地震の国の被害想定を挙げて講演を進めた。南海トラフ巨大地震の死者想定は32万3000人にも上り、「死者率」は南海トラフで74%、3連動地震で47%といずれも太地町が第1位となっている数字を示した。森岡さんは「この通りだと私のふるさとは消滅してしまう。対策を」と語り、家屋の倒壊、家具の転倒などを防ぐ「倒さない」、火災の発生を防ぐ「燃やさない」、津波から「逃げ切る」の三つのキーワードを掲げて防災対策を呼び掛けた。
電気が復旧し、倒壊家屋に通電した際に発生する「通電火災」の防止には建築家協会が考案した感電ブレーカーを紹介。ガスコンロは2008年に法制化された安全センサーを説明した。受講者に帰宅後に各家庭でセンサーが付いているかどうか確認を呼び掛け、古い家屋が多い同町では社会福祉協議会などと連携しての安全チェックを提案した。
森岡さんは「国の想定を最後まで読むと、しっかり対応すれば被害は5分の1になると書かれている。対策を積み重ねれば被害は小さくできる。みんなで知恵を合わせて未来を守ろう」と呼び掛けた。
20日は同会場で午後1時30分から同4時30分まで「津波からの逃げ地図づくりマスター講座」を開催する。問い合わせは同事務所(電話0735・29・7986)まで。
(2017年5月20日付紙面より)
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ミュージカルワークショップ (北山小・中学校 )
北山村立の小学校と中学校で15日、東京都の株式会社ヒューマンデザインが企画する音楽座ミュージカル『リトルプリンス』のワークショップが行われた。『リトルプリンス』はサン=テグジュペリの『星の王子さま』を原作とした作品で、北山小・中学校での本番は10月に公演の予定。
この音楽座ミュージカルは平成29年度文化芸術による子どもの育成事業(巡回公演事業)として文化庁に採択されたもので、特徴は舞台を使用せず、観客が出演者を360度から取り囲んで観劇する「ラボシアター形式」であり、観客を巻き込む体感型のミュージカル。ワークショップは、「体感型」を実現するために小中学生向けにあらすじや劇中歌を紹介するため行われている。
この日は、音楽座ミュージカルのメンバーである渡辺修也さん、飯田良太さん、尾関そらさんがインストラクターとして北山小・中学校を訪れた。
渡辺さんは、ミュージカルは芝居、歌、ダンスで構成されているなど基本を説明した後、「物語の舞台は地球の砂漠」とあらすじを話し始めた。「砂漠ってどんな所?」などと生徒らに質問し答えさせながら生徒の興味を物語の世界に引き込み、身ぶりやダンスを交えてあらすじを紹介しながら生徒らにも演じることを促した。指名された生徒らは、突然の配役に戸惑いながらも、きちんとせりふを言っていた。
終わりのあいさつで川口徹教頭は「殻を破るのは良い事だと思うから、本番はもっと楽しみましょう」と話した。川辺雄大君(中2)は「演じるのは恥ずかしかったけど、インストラクターの人は歌がうまくて迫力があって本番が楽しみ」と話し、杉浦琉空(りく)君(中2)は「歌詞は覚えやすかったのでいい感じで歌えるようになりたい」と話していた。
この巡回公演事業は、子どもたちに質の高い文化芸術を鑑賞・体験する機会を確保するとともに、芸術家による表現手法を用いた計画的・継続的なワークショップなどを実施する事業。『リトルプリンス』は本年度、滋賀県、三重県、和歌山県、大阪府などの24校で公演が予定されている。
(2017年5月17日付紙面より)
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宇久井海と森の自然塾が総会 (那智勝浦町 )
宇久井海と森の自然塾協議会(玉置之一会長)は14日、那智勝浦町の宇久井区民会館で第14回となる平成29年度総会を開き、前年度事業と収支決算を報告し、本年度事業案と予算案を協議した。
同塾は会員91人と家族会員の22人計113人で構成し、宇久井ビジターセンター=同町宇久井=を拠点に吉野熊野国立公園の情報発信や園地保全の活動を展開している。巡視や清掃など作業活動とともに畑作りや草花染めなど体験プログラムも実施している。28年度は86教室を開き、1128人が参加した。
総会には委任状を含め、82人が出席した。本年度も管理業務や自然資源調査、体験プログラム実施などに加え、修学旅行誘致事業にも取り組むことを協議し、満場一致で可決した。新事業の開発や新会員の募集などの提案もあった。来賓の金子朗自然保護官はビジターの来館者が来年3月には10万人に達する見込みと述べ、環境省自然保護管事務所として、自然塾にできるだけの協力を申し出た。
ビジターセンターは環境省が平成18年に開設した。玉置会長は当時を振り返って区民の協力に感謝。以降、自然塾の運営に環境省、町、休暇村南紀勝浦および各会員から多大な支援があったことにも重ねてお礼を述べた。
(2017年5月17日付紙面より)
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古座街道「ひだまり市」 (古座川町 )
古座川町高池下部地内の古座街道で14日、物産市「古座街道『ひだまり市』」が開かれた。昨秋に続いて2回目の実施で、今回は21店舗が出店。ミニライブや生け花の大作展示もあり、開場中は往来する人々で活気を見せた。
同地内にあるやまさき屋旅館駐車場で春秋の毎月1日に開かれていた月例市「ひだまり市」の派生企画。手作りにこだわる品を扱うという趣旨に賛同する出品者に広く参加を呼び掛け、街道筋の住民にも協力を求めて新たなにぎわいの形として昨年10月に初開場した。
今年は長らく続いた月例市を休止し、春秋2回の物産市の定着を目指すという。その第一歩ともなったこの日の市は前日の雨もやみ天候が回復に向かう中で始まった。出店者は民家の軒下やカーポート、空き地を借りてこだわりの品々の販売に努め、街道筋は品定めで巡る人々で大にぎわい。ミニライブはシンガーソングライターの藪下将人さんと藍田真一さんのユニット「ヤブシン」が出演。午前10時30分と正午の2回にわたって歌声を響かせ注目を集めた。出店のほか、宮本草豊社中が初夏の草花と流木を組み合わせた生け花の大作で一角を飾った。
世話役の同旅館のおかみ、山﨑美知子さんは「心配した雨も何とか上がり、大勢の皆さんに足を運んでもらえてうれしい。今日は流し宿(=木材運搬者のための宿泊所)があったころよりもにぎやか。これからも続けられるよう頑張りたい」と喜び、材料が尽きるまで同旅館謹製弁当を仕込み続けて来場に応えていた。
(2017年5月17日付紙面より)
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年間通じふるさとの自然に親しむ (新宮市 )
熊野学研究委員会自然部会と新宮市教育委員会、一般財団法人新熊野体験研修協会主催の第34回自然探訪スクール開講式と第1回講座が14日、あった。市役所東駐車場での開講式後、参加者ら約40人が奈良県十津川村の玉置山で自然観察などを楽しんだ。
開講式で楠本秀一教育長は「歴史と文化をつくってきた雄大な自然。しっかりと自然と触れ合い、肌で感じて、いい時間を過ごしていただければ」とあいさつ。玉置山では熊野学研究委員の高塚建さんが植物などの解説をし、参加者らは緑豊かな玉置山を散策した。
同スクールは美しいふるさとの自然に触れ、親しみながらその恵みに感謝し、大自然の営みを学び、それを愛護する精神を培う目的で開いており、年間を通じ9講座を予定している。次回は6月18日(日)午前9時30分から、新宮市高田の新高田会館で「顕微鏡で見るミクロの世界」をテーマに行う。1講座500円。申し込みは市教育委員会文化振興課(電話0735・23・3368)まで。締め切りは6月14日(水)。
(2017年5月17日付紙面より)
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全小バレー東牟婁地方予選
大門坂の元旅館を開放 (那智勝浦町 )
那智勝浦町の熊野古道・大門坂沿いの築130年と伝わる元旅館「東屋」縁側で4日、世界的な博物学者・南方熊楠について語り合う「くまだん・熊楠縁側談議」が開かれた。田辺市の南方熊楠顕彰館が用意した肖像写真(A4サイズ15枚)が縁側に並び、熊楠が好物だったという「あんぱん」や「熊野釜煎(い)り茶」が振る舞われた。
熊楠は35歳から3年間、大門坂にあった宿「大阪屋」を拠点に那智山で調査研究をしている。生誕150年を迎えた今年、同町宇久井の芝先隆さんが熊楠に親しみ、大阪屋の存在を広めようと縁側談議を企画。大阪屋の建物は現存していないため、隣接する松本治さん所有の古民家を借りた。
参加者らはそれぞれ熊楠に関係のある逸話や品物などを用意した。熊楠が昭和天皇に粘菌の標本を献上する時に使った「森永キャラメルの箱」とほぼ同等の古い空き箱と1990年ごろの未公開映画「熊楠KUMAGUSU」(山本政志監督)の台本などが持ち寄られ、盛り上がった。
キャラメル箱を自宅で見つけたという同町高津気の坂口秩臣さんは、「明治25年生まれの祖母が残したもの。パンフレットなどを見て確認した」と話し、参加者らは「見ることができて感激。これほど大きいものだと思っていなかった」と驚いていた。
映画で旅館の女中「いなえ」役だったという和歌真喜子さんは、海南市在住。台本には熊楠との対話シーンもある。「映画は、ほぼ完成していたがバブルがはじけて制作費が不足したようだ。今日のイベントを知って、皆さんに見てもらおうと持ってきた。熊楠の若い頃を演じた町田町蔵さんが、そっくりでとても良かった。上映されず残念」と話した。
芝先さんは、会場を提供した松本さんに感謝しながら、「かつて、この縁側に熊楠が座ったかもしれない。今日は、皆さんの熊楠への思いが伝わってきた。この大門坂があるのは、那智の原生林を大切にした熊楠のおかげ。今後、古道を行きかう人々と交流の場が広がればと思う」と話していた。
この日は、東屋に残るふすま絵と那智参詣曼荼羅(まんだら)の解説などもあった。
(2017年5月9日付紙面より)
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「とくし丸2号」が出発 (JAみくまの )
JAみくまの(村上幸弘組合長)は8日、那智勝浦町のAコープなち店で移動購買事業「移動スーパーとくし丸」2号車の出発式を開いた。
同事業は、徳島県の株式会社「とくし丸」(住友達也代表取締役)が買い物難民対策に地域スーパーと提携して全国展開している。運営の際には地域の自治体や警察などと地域見守り活動の協定も結んでいる。JAみくまのとは県内で4番目の提携となり、2月6日に同町と地域見守り活動協定を結んだ。
みくまの管内では、1号車が2月21日に同町の下里、太田地区と太地町方面の訪問契約者約70人に販売を開始した。2号車は毎週月曜日から金曜日に稼働し、色川方面や浜の宮などに住む契約者約50人を3ルートに分けて巡回する。
出発式で村上組合長は「本年度中に3号車も走らせるよう進めている。管内には買い物弱者が多い。見守り隊も兼ねて、地域に愛されるよう努力したい」と話し、ドライバーにキーを手渡した。
2号車は式出席者に見送られて、那智の郷に向けて出発した。
(2017年5月9日付紙面より)
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望楼の芝キャンプ場盛況 (串本町 )
串本町潮岬にある潮岬望楼の芝キャンプ場のゴールデンウイーク(GW)有料期間が7日に終了した。今季は3日に繁忙のピークを迎え、過去最多の795人が利用を申し出。4月29日~5月7日の期間の合計は1488人で、対前年比47%増の伸びとなった。
この期間は既設のキャンプ場では収容しきれない数の利用があり、テントの場外設営やごみの置き去りなどの課題を回避するため潮岬望楼の芝管理運営委員会(田仲康慧会長)が設定している。利用者から一人一泊600円の清掃協力金を預かり、普段は行っていないキャンプごみの分別回収を実施。併せて期間前に望楼の芝を刈りこみ、環境省の許可を得て望楼の芝の東側一帯をテント設営場所として提供する形で、繁忙を過ぎても元の環境が保たれる状況を作り出している。
今季はGWの後半が土、日曜日を含めて5連休となり、その初日となる3日が繁忙の山場となった。過去のピーク時よりも約100張多いテント数249張で広大な設営場所が不足し、急きょ範囲を広げて受け入れた。その後の利用申し出数の推移は4日が212人、5日が105人、6日は25人、7日は4人と徐々に小康。田仲会長は8日、繁忙を喜ぶ一方で駐車場所やトイレの量的増強が必要だと考え、今後の対応を模索しながら期間を締めくくった。
4月29日~5月7日の潮岬観光タワーの利用者数は2422人、潮風の休憩所の来館者数は5710人で、GW後半の3~5日に繁忙の山場を迎えた。道の駅くしもと橋杭岩も似た傾向を示したそうで、高速延伸に伴い伸びを見せている売り上げは前年と比べて前半は例年並み、後半は微増だったという。
(2017年5月9日付紙面より)
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新宮市の熊野速玉大社(上野顯宮司)敬神婦人会(久保あや子会長)は7日、設立40周年を祝う式典と講演会を同大社で開催した。式典には和歌山県敬神婦人連合会の川口寛子会長、県神社庁の温井敬忠副庁長、同市の田岡実千年市長らが来賓として招かれ、婦人会の長年の奉仕活動をたたえた。
同大社敬神婦人会は昭和52年に設立。毎月の境内の清掃奉仕、国の無形民俗文化財である例大祭はじめ、数々の祭典行事に奉仕してきた。紀伊半島大水害後の復興支援、熊本地震への募金活動なども実施している。
参加者らは拝殿で正式参拝をした後、同大社大禮殿での式典に出席した。久保会長は開会のあいさつで40年を迎えられたのは関係者の協力と感謝し、「新しく世界遺産の指定を受けた阿須賀神社も加え、これまでにもまして世界の耳、目が熊野に向けられています。全国各地からお見えになる人や世界各地から訪れる人たちに喜んでいただけるように心新たに奉仕活動を続けてまいりたい」と述べた。同婦人会の平美津子さんが司会を務めた。
上野宮司は男神の熊野速玉大神と寄り添うように祭られる女神の熊野夫須美大神(結大神)について説明し、「女神様が光り輝くように寄り沿っています。敬神婦人会の皆さまには大社の由緒にも添うような活動をしていただいてくれていることは大変ありがたい」と感謝した。
県敬神婦人連合会の川口会長、県神社庁の温井副庁長が来賓を代表してあいさつ。田岡市長は「本市の象徴ともいえる熊野速玉大社の奉仕活動に40年にわたり、取り組まれていることに深く敬意を表します」と述べた。午後はチベット出身のバイマーヤンジンさんによる記念講演が開かれた。
(2017年5月9日付紙面より)
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新宮弓友会主催月例射会
県スポ少東牟婁予選バレーボール
新宮市出身の文豪で、望郷詩人とも呼ばれる佐藤春夫(1892~1964年)の命日の6日、市内の佐藤春夫記念館前庭でお供茶式(くちゃしき)が営まれた。関係者ら約60人が参列し、遺徳をしのんだ。
茶道裏千家淡交会が長年、大社烏集庵や望郷五月歌碑前で営んできた式で、記念館がオープンした翌年の1990(平成2)年から佐藤春夫記念会とともに記念館庭園で開いている。
田岡実千年市長、楠本秀一教育長、濱口太史県議らも出席。茶道裏千家淡交会南紀支部の西宗友さんがお点前、半東は山野宗景さんで、関宗重さんが春夫の遺影前にお茶を供えた。式典後に淡交会員たちが参列者たちにお菓子とお茶を配った。
田岡市長は「豊かなふるさとの自然を表現した『望郷五月歌』は没後なお、多くの人に愛され、一層輝きを増すように思う。先生がこよなく愛された古里新宮の悠久の歴史文化と豊かな自然の成熟のため、さらなる努力を傾注しなければならない」。辻本雄一館長は小説『初恋びと』や童話『うちのうたちゃん』と未発表詩『なつかしき山々』の草稿が発見されたことなどに触れてあいさつ。「まもなく記念館が開館して30年。関係各位の皆さんのおかげでお応えできている。今後ともご支援ご協力を」と呼び掛けた。
(2017年5月7日付紙面より)
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千穂できっちん・クローバー (新宮市 )
新宮市千穂のファミリーホーム「クローバーの家」(荒木博和理事長)で4月30日、毎月恒例の「きっちん・クローバー」が開かれた。地域住民や子どもたちが訪れ、親子丼と若竹汁を味わった。5月は運動会などの関係で行わない。
この取り組みは、地域の子どもと大人の信頼できる居場所づくりや、地域交流などを目的に「こども食堂」として毎月最終日曜日の午前11時30分から実施している。
ファミリーホームは児童相談所などの関係機関と連携し、家族と離れて生活しなければならない子どもを迎え育てる施設で、県内には5カ所ある。クローバーの家は昨年4月に開設した。
訪れた人たちは「おいしい」と話しながらこの日のメニューを味わった。荒木理事長は地域住民などの協力に感謝していた。
(2017年5月7日付紙面より)
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天然多く6月解禁に期待 (高田川 )
新宮市相賀―高田の高田川で稚アユの遡上(そじょう)が始まっている=写真。100匹ほどが群をつくり、時折飛び跳ねながら上流を目指して泳いでいる。高田川を含む熊野川水系のアユ漁は6月1日(木)から解禁。熊野川漁業協同組合の堀切金二理事(80)=同市高田=は「3月下旬に各河川で天然遡上が多かったので今年は期待しています」と話している。
高田川への稚アユの遡上は年々減り、2011年9月の紀伊半島大水害で川底が激変し、追い打ちをかけた。組合は対応策として昨年10月、相賀の高田川内に初めてアユの産卵場を設置。卵を持ったメスとオスの成魚合わせて約4000匹を放流し、産卵、ふ化を確認した。今年の天然遡上の増加について堀切理事は「産卵場の成果かどうかは分からないが、可能性はある」と話す。
組合は毎年、高田川へ約700㌔の稚アユを放流している。今年の放流もすでに終えている。
堀切理事は「いつもなら今ごろは相賀から高田へもっと多くの稚アユが上がってきていますが、今年は水温の関係か、相賀でとまっているようです」と話していた。
(2017年5月7日付紙面より)
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新宮市緑ヶ丘の東牟婁振興局で1日、民生委員・児童委員に対する厚生労働大臣特別表彰の伝達式があった。管内対象者12人のうち4人が出席し、児玉征也・東牟婁振興局長から表彰状と記念品を受け取った。
表彰は長年、民生委員・児童委員として職務に精励し、功績が顕著であると認められる人に贈られる。県内57人のうち、新宮市5人、那智勝浦町4人、古座川町3人が表彰を受けた。
出席したのは久司博嗣さん、山﨑守雄さん、木戸浩二さん、倉本和明さん。児玉局長は「長年、常に住民の立場に立って相談に応じ、援助を行い、地道に使命感を忘れることなく、地域住民本意の活動に専心されてこられた。今日の地域活動の礎は皆さま方のたゆみのないご尽力があったからこそ」と感謝を述べた。
受賞者を代表し、山﨑さんが「県と町行政の先生方や地域住民のおかげ。今後とも、微力ながらも、健康で明るく、住みよい街づくりのため、ボランティア活動を進めていければ」と喜んだ。
(2017年5月3日付紙面より)
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護国神社例祭前に住民ら清掃 (那智勝浦町 )
那智勝浦町勝浦の勝浦八幡神社(髙橋正樹宮司)境内にある勝浦護国神社と神明地区の忠魂碑前で1日、3日(水・祝)に営まれる例祭を前に勝浦各区の区長や区民ら約20人が草刈りやごみ拾いなどの清掃に汗を流した。
同神社は日露戦争以降の戦没者と殉職消防団員を祭っている。忠魂碑前では秋の祭りや夏の供養盆踊りなどの前に区民らが奉仕して清掃活動をするが、今回は髙橋宮司が広く地域に協力を呼び掛けた。大戦から70年以上が過ぎ、直接の遺族も次第に少なくなっている。髙橋宮司は清掃に参加した人たちに感謝し、「大戦で多くの若い方々が亡くなった。平和を享受するわれわれが、尊い命をささげられた英霊をお祭りする義務があると思います。護国神社のお祭りを地域のお祭りとしたい」と語った。
3日の例祭は午前9時から忠魂碑式典、同10時から勝浦八幡神社内で護国神社例祭式典が営まれる。勝浦獅子神楽保存会が神楽を奉納した後、同11時に直会が開かれる。
(2017年5月3日付紙面より)
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防災教育兼ねて遠足 (勝浦小学校 )
那智勝浦町立勝浦小学校(上浦一剛校長)の遠足が4月28日に催された。6年生54人と1年生46人は防災遠足として、小坂山など校区内の避難所を巡った。
新入生に津波発生時の避難場所を知ってもらうため、防災教育の一環として例年実施している。1年生と6年生の交流や地域の自然に触れてもらう狙いもある。
小坂山は通学路になっており、津波発生時の避難場所に指定されている。遠足では同山のほか、若者広場や校舎裏山の避難場所も巡る。
6年生は1年生の手を引いてリードし、移動中も会話を楽しんだ。児童らは目的地に着くと季節の動植物を探し、手に取ってじっくり観察していた。
(2017年5月3日付紙面より)
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地域おこし協力隊員起用 (古座川町 )
古座川町は1日、小山陽平さん(35)を地域おこし協力隊員として起用した。同町では6人目となる委嘱で、住民団体「七川ふるさとづくり協議会」(下山隆正会長)の一会員として七川地域活性化を支援する。
小山さんは紀の川市出身。進学を機に関東に出て長らく大学の講師や助手を務めていたが、いつかふるさとの和歌山に戻って貢献したいという思いがあり、それを実現する道として同町の隊員募集に志願したという。
この日は妻・菜保さん(35)と共に役場町長室を訪ねて委嘱状の交付を受け、「古座川町を選んだのは、以前に妻と旅行をした時に『いいまち。いつか住んでみたい』という思いを持ったから。2人で住んでみたいと思った町の力になりたい」と意気込みを掲げた。その後は交付に立ち会った同協議会の下山会長や羽山勤副会長と共に役場各課や町内の主要団体へのあいさつ回りを重ねた。
同協議会は、七川地域の住民が生きがいを持って明るく健康的な生活を送る環境を築き、次の世代に持続可能な地域として継承する目的で昨秋、住民発起で設立された。事務局を古座川ゆず平井の里内に置き、▽地場産業の創造▽伝統文化の保存と継承のための定期研修実施▽空き家や耕作放棄地の活用推進▽独居老人や高齢者世帯を対象にした配食サービスや見回り・声掛け運動の実施―を活動項目として規約上に掲げ、実践の道を模索するさなかにある。
下山会長は「高齢化や過疎化が進んでこの先どうなるのかという心配がある中、先輩方が築き上げた村を次の世代に受け継いでいくためにこの協議会を立ち上げた。まずは先輩方がどのような思いや悩みを持っているのか。それを聞き取るメンバーとして小山さんを迎えたい」とコメント。
小山さんは西川の民家を借りて移住。区民へのあいさつ回りや同協議会総会に同席するなどして、地域の思いに触れている。今の自分にできる挑戦してみたい事柄として▽SNSで自分とつながっている人々への地域アピール▽教育経験を生かした愛郷心を形にできる次世代の育成―を掲げつつ、隊員としての任務に着手した。
(2017年5月3日付紙面より)
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下津空手スポーツ少年団錬成大会
県中学校バスケット紀南地区予選
少年フットサル県大会地区予選