城南中学校が初挑戦 (新宮市 )
新宮市立城南中学校(吉田元紀校長)で28日、政府が推進する「GIGAスクール構想」で導入したタブレット型パソコン(PC)を活用した、初のオンライン火災避難訓練が行われた。教職員による一次消火訓練や代表者による消火体験の様子を各クラスのモニターに中継し、全校生徒160人が視聴した。
同校では年1回、新宮消防本部の協力を得て火災避難訓練や消火・煙体験に取り組んでいる。本年度は新型コロナウイルス感染症の影響で、大人数が移動する訓練ができないことから、オンラインでの訓練を企画した。
この日は理科室からの出火を想定し、教職員が出火場所を特定して避難指示の校内放送を行い、一次消火へ向かう緊迫した現場の様子を中継した。訓練後、久安孝典教頭は生徒たちに「避難訓練の意義は何だと思いますか?」と問い掛け、その答えを▽火災が発生したときに向けて意識を高める▽災害に対する備えの大切さを学ぶ―の二つだと説明。校内地図の画像を共有しながら教室からの避難経路を確認した。
小林優月さん(3年)は「リモートでの避難訓練は初めてで新鮮だった。やる気がある人だけでなく、全員が同じ環境で参加できるのが良かったと思う」。山原優奈さん(同)は「普段使っている校舎の動画だったので分かりやすかったが、消火器の使い方など細かいところまでは動画では見えなかった」とそれぞれメリットやデメリットを語った。
吉田校長は「人間は初めてのことが起こるとパニックになってしまう。避難を経験しておくことが命を守ることにつながる。2学期は地震や津波を想定した避難訓練も実施したいと考えているので、真剣に取り組んでほしい」と呼び掛けていた。
(2021年6月30日付紙面より)
災害用備蓄水「なんたん水」 (串本町 )
串本町の災害用備蓄水「なんたん水」がこのほど、モンドセレクション2021で最高金賞を獲得した。3年前に続く評価で、同町は引き続き現行体制で製造を続ける考え。他方、製造10周年記念として、小型ロケットの打ち上げにちなんだ記念ボトル商品化の挑戦も始めている。
「なんたん水」は、東日本大震災以降に災害用備蓄水の必要性を強く感じ、日本とトルコの友好など町のPR要素も盛り込んだ形で11年度から製造を始めた。保存期間は県内でもトップクラスの5年間。津波緊急避難時の持ち出しやすさや常温下における安全消費の観点で、500㍉㍑ペットボトルの1商品のみを展開し、1本当たり100円で役場水道課や町内外の委託販売先で販売している。個人備蓄の裾野を広げるため、高齢者世帯へ24本入りケースの状態で無料配達する努力も重ねている。
日本清流百選・平成の名水百選の選定を受ける古座川から取水し、古田浄水場の膜ろ過装置で浄化し硬度1・2㍉㌘の軟水に仕上げている。この水を同浄水場系の上水道として配水しているが、なんたん水は浄化まもない水を災害用備蓄水として加工(カルキを除去するなど)し商品化している。
モンドセレクションは食材の国際的品評機関。味覚、衛生、成分表示の適正、原材料などの項目で審査し、最高金賞・金賞・銀賞・銅賞・賞外の各評価をしている。評価の有効期間は3年間。「なんたん水」は12年と15年に金賞、18年と21年は最高金賞の評価を獲得していて、同課の佐藤則夫課長は有収率向上により膜ろ過の速度が下がり、より磨きがかかるようになったことが評価向上の要因だと受け止めている。
今回の獲得は、向上した品質が変わらず保持できている証しともなった。前年度は製造量を若干上回る3万6980本を供給。56%が町備蓄、44%が販売となっていて、販売規模は新型コロナウイルス感染症に伴う県南部への教育旅行集中の影響も含め増加傾向にあるという。
□ □
安定供給を目指す一方で挑戦を始めた記念ボトルはアルミ容器で10年保存を目指す内容。同町独自のロケット振興の一端で連携する漫画「宇宙兄弟」のデザイン画を外装に取り入れる形で商品化を模索している。
災害用備蓄水としてはもちろん、ロケット見物客の土産需要など普段使いの頻度を上げたい考え。容量は490㍉㍑、売価は200円、初回製造数は4万本を想定していて、現在同課で外装のデザインを検討している段階だという。
最高金賞の継続獲得で品質を誇る「なんたん水」の安定供給と記念ボトル商品化の挑戦。田嶋勝正町長は記念ボトルの売れ行きがよければ次年度以降の製造も考えるとし、「地震や津波の発生時に水は大事なので、備蓄目的で作ってきた。高評価はもちろん、昨年は過去最高の売り上げとなり住民の意識も高まっているのかなと感じうれしく思う。新展開のアルミボトルは記念という思いで買っていただければ」とコメントした。
(2021年6月30日付紙面より)
住民が設備の使用方法学ぶ (那智勝浦町 )
今年3月30日に完成した那智勝浦町宇久井里地区の津波避難タワーで28日、現地説明会があった。地元住民約10人が参加し、町職員から設備の使用方法などを学んだ。
タワーは同地区の一部が津波避難困難区域であることから、住民の命を守るために一時避難場所として昨年11月に着工した。
鉄骨造で高さ9㍍、床面積が53・95平方㍍、収容人員は約100人。想定浸水深は三連動地震で約1・9㍍、巨大地震で約4・9㍍。事業費は地質調査や設計管理、工事費などを含め約5500万円で、主に緊急防災減災事業債を活用している。
町内に設置された避難タワーは今回の里地区で5基目。30日に現地説明会を行う天満地区の避難タワーで6基目となる。
町によると、海に隣接する築地地区には現在、避難設備がないため、避難タワーなどの設備設置について検討を重ねているという。
この日、堀順一郎町長も現場を訪れ「施設を使うということはできれば避けたいが、地震が発生した際は津波が来ることをいま一度お考えいただきたい。工事の際は住民の皆さまにご迷惑をお掛けしたが、命を守るためのタワーなのでご容赦いただきたい」とあいさつした。
職員は▽階段へと続く扉の解錠方法▽緊急時に点灯する照明▽USBやコンセントの差し込み口▽ビニールシートやトイレセットなどが完備されたボックス―などの詳細や使用方法について説明した。
住民からは「解錠方法の手順が記された看板を設置する方が良いと思う」「ボックス内に備蓄品の開封を行うためのカッターなどを入れておいてはどうか」「夜間に解錠して設備を使用する訓練を実施すべきでは」などの提案があった。
タワー近くに住む山本明さんは「周辺には高齢者もいるため、タワーが完成して安心している。ありがたい。訓練は必要だと思う」。
里一区の土井正治区長は「緊急的な避難を行うためのものだが、両側から津波の確認もできる。タワーができてありがたい」と語った。
(2021年6月30日付紙面より)
那智勝浦ゴルフ倶楽部理事長杯
バドミントン講習会 (串本町体育協会 )
なぎなた選手権和歌山県予選で活躍 (近大新宮高 )
第7回王子カップ2021
職員ら消火栓操作など学ぶ (新宮市 )
新宮市は24日、10月3日(日)のオープンに向けて工事が進む「丹鶴ホール」の開館準備作業の一環として、同市消防本部駐車場でホールに関わる市職員らを対象に、消火器や屋内消火栓の使用訓練を実施した。訓練はこの日と28日(月)の2回に分けて行われ、初日は文化振興課5人、市立図書館職員6人の計11人が参加し、初期消火の重要性などを学んだ。
訓練は施設の来館者が安心安全に利用できるように、勤務する職員全員が消火設備の使用方法を習熟し、初期消火を適切に行うことが目的。
参加者ははじめにDVDで消火器や屋内消火栓の使用方法を確認。その後、二手に分かれて水消火器の使用訓練と屋内消火栓を実際に操作しての放水訓練に取り組んだ。
同消防本部予防課の温井太郎さんはホールに設置されている屋内消火栓について、広範囲型2号消火栓でホース長さは30㍍、有効放射は約7㍍と説明した。
「消火器で消せない火災は屋内消火栓で対応し、初期消火に努めていただけたら。ホールが使用可能になれば実際の設備で確認してもらいたい」と話した。
訓練に参加した図書館勤務の薮田喜子さんは「自分自身が火災を発見した際、しっかりと対応できるように日頃からの訓練が必要だと思う。今日学んだことの復習もやっていきたい」。
文化振興課の宮上圭巨(みやがみ・よしなお)課長補佐は「初期消火の重要性を改めて実感した。開館までに設備の習熟度を上げ、来館者の皆さまの安心につなげていきたい」と語った。
(2021年6月26日付紙面より)
「社明運動」メッセージを伝達 (那智勝浦町 )
7月1日(木)から始まる第71回「社会を明るくする運動」強調月間を前に24日、那智勝浦町役場町長室で菅義偉内閣総理大臣と仁坂吉伸和歌山県知事からのメッセージ伝達式があった。
牟婁保護司会那智勝浦町分会の山東寛分会長、理事の引地一夫さん、石井康夫さんが訪問し、山東分会長がそれぞれのメッセージを堀順一郎町長に伝えた。
社明運動は「犯罪や非行を防止し、立ち直りを支える地域のチカラ」をスローガンに犯罪や非行の防止、罪を犯した人たちの更生への理解を深め、力を合わせ明るい社会を築こうとする全国的な活動。
菅内閣総理大臣からは新型コロナウイルス感染症によるさまざまな困難克服には支え合う人の絆やコミュニティーの存在が大切とし、「犯罪のない明るい地域社会づくりに取り組む決意のしるしである「幸福(しあわせ)の黄色い羽根」の下、さまざまな分野から、若い世代を含め多くの方々が本運動にご参加いただきますようにご協力をお願いいたします」。
仁坂知事からは「運動の趣旨を十分ご理解いただき、人々が抱える『生きづらさ』を地域の皆で共有し、そして『生きづらさ』を和らげるコミュニティーの輪を大きく広げる運動となるよう一層のご協力をお願いいたします」とメッセージが送られた。
伝達を受けた堀町長は「県の刑法犯認知件数は減少しているが、再犯率が高いこともあり、町としてもさまざまな対策が必要だと感じた。町民の皆さまの安全が確保できる町にしたい。私も先頭に立って進めていきたい」と述べた。
山東分会長は「那智勝浦町さまに運動を知っていただけたことで町での啓発につながる。堀町長からも意見を頂き、今後の観察などに生かしていきたい」と話した。
例年は強調月間中に町内のJR各駅などで街頭啓発を行うが、コロナ感染防止の観点から昨年同様、中止となった。しかし、青少年の健全育成のために新宮警察署や保護司会、町青少年センターと共に町内のコンビニ8店を訪問し、啓発活動を行うという。
(2021年6月26日付紙面より)
星空案内人資格認定講座 (和歌山県熊野南紀連盟 )
一般社団法人和歌山県熊野南紀連盟(吉田俊久理事長)主催の星空案内人資格認定講座が24日、串本町サンゴ台にあるホテル&リゾーツ和歌山串本を初日の会場として始まった。4日間をかけて学び同資格認定制度運営機構の準案内人認定を目指す内容。主に県南部の観光関係者30人が受講登録し、知識の習得に励んでいる。
同連盟は、県域のリゾート化を見据え努力を惜しまず進む人材の連合体として昨年、旧・和歌山宙ツーリズム推進協議会からの発展団体として発足。実動の第一歩として県南部の「宙(そら)」を観光資源として活用する星空案内人の育成を位置づけていて、その具体化策がこの日始まった同講座となる。
実施に先だって3月26日に串本町と白浜町で事前説明会「星空案内人・中島修氏(株式会社日本旅行宇宙事業推進チーム)を迎える会」を開き、目指す実動への理解を県南部へ広げた。その上で18歳以上を対象に同講座への参加を呼び掛け、30人の受講登録を得て開講するに至った。
感染症予防対策を講じての実施で、開講日は同日と25日、28日(月)と29日(火)の4日間。会場は串本町(24、25日)、白浜町(28日)、すさみ町(29日)でそれぞれ得る形とし、30人は会場を巡りながら受講実績と認定に要する知識の習得に臨む流れとなっている。
講師陣は和歌山大学講師の佐藤祐介さんと富田晃彦さん、みさと天文台台長の山内千里さん、同社星空案内人の木原美智子さんと中島さん。中島さんは地域独自講座「宇宙開発の歴史と世界情勢」「ロケット・人工衛星の基礎知識」を担当し、スペースポート紀伊が打ち上げる小型ロケット「カイロス」への対応力を培うという。
受講生の一人、古座川町商工会の佃奈津代会長は同連盟の趣旨に感心し日頃の星空好きもあって受講登録したそうで、講義内容について「面白い」と興味津々のコメント。佃会長に受講を推奨した同連盟の北尾浩士事務局長は「このメンバーと一緒に同連盟の第一歩を踏み出してイベントを試み、今までに無い連携を構築できたら」と後の展開に意気込んでいる。
同社によると、県内での同講座実施は和歌山大学に続き2例目。同連盟は今回の受講登録を観光関係者に制限する一方で一般受講の問い合わせもあったそうで、北尾事務局長は「潜在的な盛り上がりを感じる」と手応えを語り、この取り組みを足掛かりにした今までに無い広域連携の構築にも思いを巡らせている。
(2021年6月26日付紙面より)
光洋中学校の前期生徒会 (新宮市 )
新宮市立光洋中学校の前期生徒会(貝岐優会長)によるJR紀伊佐野駅の清掃活動が25日朝、スタートした。生徒会メンバー4人とボランティア7人が参加し、駅周辺のたばこの吸い殻などのごみを拾った。
本年度から企画した取り組みで「市から全部のごみをなくす」ことが目標。生徒会メンバー以外の生徒や教職員にも校内放送で参加を呼び掛けて実施した。
生徒たちは午前7時20分に集合し、新翔高校や近畿大学附属新宮高校に通学する生徒たちとあいさつを交わしながら、火ばさみとバケツを持ってごみを拾った。一番多かったごみはたばこの吸い殻で、菓子の包装紙やおもちゃなどもあった。
貝岐会長は「みんなきれいに駅を使っているので、思ったよりもごみが少なかった」と振り返り、参加した生徒に「今日はありがとうございました。少しでも町をきれいにできるよう、頑張っていきましょう」と話した。
生徒会は今後も毎月最終金曜日に清掃活動を続けていく。
(2021年6月26日付紙面より)
【第36回】食育の目的を決めよう①
6月は食育月間。ということで先日クックパッドが、食育に関する調査を行いました。すると、95%以上の人が食育に関心があるのに、実際は60%の人ができていないと答えています。私は、これはあくまでできていないと思っている人の数だと認識しています。できていない!と感じる理由は、1位が知識がない、2位が時間がない、3位がそもそものやり方が分からない、でした。「食育には関心があるけど、私にはできないな…」と考えている方が多いようです。
実は食育には知識も時間も必要ないのですが、そのやり方は、目的によって少し違ってきます。お子さんに食育を行いたいと思っている方は、何を目的にするかを、決めたほうがいいと思います。
「健康的な食生活を送ってほしい」「安全安心なものを食べさせたい」「健やかに育てたい」「食の知識を付けてほしい」「マナーを教えたい」「一流の味覚を育てたい」食育と一言に言っても、その考えは家庭の数だけあると思います。今回はその目的別の方法を簡単にお伝えしようと思います。
例えば、「健康的な食生活」を目標とする場合、日頃の食卓で「野菜もたくさん食べてね」「これは旬だから栄養があるよ」「今日は野菜が少なめだから、明日は野菜をたくさん取ろうね」こんな会話で十分養えます。知識をあれこれ話すより、何気ない日常の会話で伝えるだけで十分なのです。献立を考えたプロセスを教えてあげるのでもいいし、一緒に考えるのもいいと思います。こういった意識してほしいところを、日常的に伝えることで、子どもたちも将来気を付けるようになります。
「安心安全なものを」と考える方には、あまり神経質になりすぎないことをお勧めします。今市販に出回っているものは、添加物も厳重に管理されているので口にしても健康に害はありません。大切なのは、どんなものも取りすぎないようにすることです。それは添加物に限ったことではありません。脂質や糖分、塩分もそうです。その点だけを気を付けてあげれば、食育はできているんです! 揚げ物が続かないようにする。塩や砂糖を控えめにする。ジャンクフードばかり食べない。これだって、立派な食育です。
こういった食育をするとき、ただ、一点気を付けてほしいのは、そうして意識していることを、お子さんに伝えるということです。見えないキッチンで、親が勝手に配慮して実践するのではなく「昨日は揚げ物だったから、今日は煮物」「最近甘い味付けが多かったから、今日はあっさり味」などと、口にして説明してあげてほしいのです。そうすることで、子どもたちの中にその意識が育まれます。さらに、これらの食育には、食知識や食意識とは違う作用も生まれます。
今回は二つの目的に沿った食育法をご紹介しました。次回は、残り四つの目的についてお伝えしようと思います。
(2021年6月26日付紙面より)
那智の田楽保存会 (熊野那智大社 )
那智勝浦町那智山の熊野那智大社(男成洋三宮司)で20日から、「那智の田楽」の練習が始まった。今年は一度途絶えた田楽が復興してから100周年を迎える記念すべき年であり、7月14日(水)の例大祭「那智の扇祭り(火祭)」の宵宮(よいみや)祭で奉納される。
那智の田楽は五穀豊穣(ほうじょう)を祈り、笛と太鼓に合わせて踊る伝統芸能。室町時代の田楽踊りを伝える貴重な文化遺産として、「那智の田楽保存会」(男成洋三会長、会員28人)が古来の姿を伝えている。1976年に国の重要無形民俗文化財、2012年にユネスコの無形文化遺産に登録された。
昨年は新型コロナウイルス感染防止のため、大和舞とともに宵宮・本宮での奉納は中止となった。今年は田楽のみ宵宮で行われる。演者は編木(ササラ)4人、太鼓4人、鼓役(シテテン)2人。熟練会員の原敦夫さん、二見正信さん、松尾常生さんが指導し、10回の練習を重ねる予定。
同神社によると、老朽化していた田楽舞台を文化庁や和歌山県の補助金を活用し新調したという。古材も一部使用し、20日に設置。今後は舞台での練習に取り組む。
22日夜、会員は真剣な表情でそれぞれの動作に磨きをかけていた。最年少の鼓役の上地輝幸さん(37)は「仲間と田楽がやれることに喜びを感じている。例大祭も含め、披露する場が多いので気を引き締めていきたい」と意気込みを語った。
小川一義副会長は「復興100年という年に田楽ができてありがたい。コロナ対策をしっかりして取り組んでいく」。
同会の事務局長を務める伊藤士騎(しき)禰宜(ねぎ)は「コロナ禍の中、宵宮だけでもご奉仕したいという思いに神社として感謝している。お祭りは継続が重要。今年も規模を縮小した斎行となるが、来年は本来の形で営みたい」と語った。
保存会は10月24日(日)に和歌山県民文化会館で開催の「第16回和歌山民俗芸能祭」で、田楽の出張公演も予定している。
(2021年6月25日付紙面より)
熊野川の総合的な治水対策協議会
第21回「熊野川の総合的な治水対策協議会」が、10日から14日にかけて書面にて行われた。国や沿川の県および市町村、ダム管理者による対策の進捗(しんちょく)状況などについて意見交換を行った。
同協議会は、近畿地方整備局、和歌山県、三重県、新宮市、北山村、紀宝町、熊野市、関西電力㈱、電源開発㈱などで構成。熊野川の河川管理者と沿川自治体およびダム管理者が緊密な連携を図りながら、熊野川の一貫した総合的な治水対策を推進することを目的に2012年7月2日に設立した。
このたびの会議では、近畿地方整備局が▽新宮川水系河川整備基本方針・河川整備計画の策定に向けた取り組み▽新宮川水系流域治水プロジェクトの策定▽日足地区の河川整備の進捗状況―などについて報告。
河川改修と利水ダムの治水協力、濁水対策を含むダムの運用・管理、治山・砂防・河道閉塞(へいそく)対策(濁水の発生源対策を含む)などの各取り組みについて関係機関が報告した。
報告に対して、新宮市は「河川整備計画の策定については、内水対策や治山や砂防を含めた総合的な土砂管理と濁水対策の充実など、世界遺産熊野川の文化的・歴史的価値を高める観点からも検討を」「さらなる空き容量確保に向けたダム放流設備の整備などのハード対策、また、高精度化が進む気象予測などを活用することにより各ダムの貯水量のピークの重複を回避する『統合運用』をはじめとする、より効果的なダム操作・運用の精度向上などのソフト対策により、さらなる治水機能強化が図られるよう取り組みを」。
濁水対策について「治山・砂防など大元対策の推進に加え、これまで要望してきた河川維持流量の弾力的な運用や、先進事例の調査研究、効果の見込まれる対策の積極的な実施を」などと求めた。
(2021年6月25日付紙面より)
太地支所が新駅舎に移転 (南紀くろしお商工会 )
南紀くろしお商工会太地支所は6日、太地町老人憩いの家から5月末に竣工(しゅんこう)したJR太地駅の駅舎防災複合施設に移転した。旧駅舎の頃から施設内に事務所を構えていた太地支所。新駅舎を管理するとともに、小規模事業者の支援を行いながら、町や地域の発展、観光振興に寄与していく方針だ。
2007年に那智勝浦町商工会と太地町商工会が合併して「南紀くろしお商工会」が発足。本所を勝浦商工会館に、支所は太地町役場に置いて業務が開始された。
当時の太地駅は無人駅で、治安面が不安視されていたという。合併に伴い、周辺地域の商工業の振興と青少年の健全育成、地域社会の安全のために駅舎の管理業務についてJR西日本や町、町議会で検討し、商工会への無償委託が決定。10年6月に支所を移転した。
昨年6月に、町が打ち出した30年計画の一つである町内の周辺整備によって新駅舎建築工事を実施。工事期間中は老人憩いの家で業務を行っていた。
支所には商工会の職員3人が勤務。旧駅舎時と同じく、町の観光情報発信や地図配布、レンタサイクルの貸し出しを行う町観光案内所も同事務所内に併設され、職員一人が対応している。
支所で責任者を務める商工会主査の峪道彦さんによると、新駅舎の事務所はセキュリティーシステムも完備されており、安全面にも期待できるという。
峪さんは「新しい駅舎施設での勤務は身が引き締まる思い。気軽にご相談いただける支所を目指して精進していきたい」と語った。
商工会の森川起安会長は新駅舎竣工式の際に「洋風でスマートな駅舎の内部は安心安全で衛生管理が行き届いた施設となっている。私が知る限り、全国の商工会を見てもこれほど素晴らしい商工会館はない」。
今後については「クジラの町『太地町』の玄関口である駅舎を中心として、町の歴史・文化を大切にしながら、地域の皆さまや諸団体の皆さまが力を合わせて新しいまちづくりや地域づくりをしていくことが肝要だと思う」と祝辞を述べていた。
事業支援などの問い合わせは太地支所(電話0735・59・4111)、観光については町観光案内所(電話0735・59・3131)。
(2021年6月25日付紙面より)
人見建設が橋杭園地で奉仕 (串本町 )
串本町の株式会社人見建設(人見健一社長)が22日、くじ野川にある橋杭園地でボランティア清掃に取り組んだ。今回は23日までの2日間で実施し、砂浜を海水浴場設置に適した状態に整えるとしている。
地域の中で仕事をさせていただいていることへのお返しとして、かねて地域貢献の思いを大切にしている同社。この清掃は感染症予防を徹底して海開きに臨む同町の姿勢に呼応し協力する形で前年度から奉仕で取り組むようになった。
その当時に継続の思いを掲げ、今年も海開きに先だって同町産業課へ協力を申し出た。期間中は日中の午前8時~午後5時に作業を実施。所有するバックホーなどの重機5台や車両を持ち込み、社員15人総出で手分けして漂着物の回収や雑草引き、一冬を越して陸側に寄った砂を重機で波打ち際へ戻してならすなどの作業を重ねて事前に思い描いた状態を目指した。
日課の散歩で橋杭園地を利用し、日々の状態を把握している人見社長(63)。昨年は海開きをすると聞く一方で浜の状態が整っていない状況に半ば驚き、この奉仕を申し出た。以降台風など荒天の影響があまり及んでおらず、今年の砂浜は冬に吹き抜けがちな風による砂の偏りはあるが比較的ごみが少ない印象だそう。人見社長は「(昨年に思いを掲げた通りに)継続して取り組めたことがうれしい。長引くコロナの影響で地域の観光業が疲弊する中、夏にこの浜へ泳ぎに来たときに『きれい』と思ってもらえたら(好印象による)応援になるかなと思い今年もボランティアを申し出た。それで少しでも地域に貢献できれば」とコメントし、総出の一人として作業に励んでいた。
橋杭園地は30日(水)に海水浴場諸資材を設置し、田原海水浴場とともに7月4日(日)に海開きを迎える予定。遊泳期間は8月31日(火)までの約2カ月間で、ビーチハウス・ラパン前の一角に遊泳区域を設けて一般開放する。期間中の同園地駐車場は有料(普通車1回1000円など)となる。両海水浴場の期間中の問い合わせは南紀串本観光協会(電話0735・62・3171)まで。
(2021年6月25日付紙面より)
紹介兼ね、使い方指導 (那智勝浦町 )
那智勝浦町天満の町体育文化会館にこのほど、津波避難タワー(階段)が完成した。20日には施設の紹介を兼ねた開錠指導などがあり、勝浦サッカースポーツ少年団の団員や保護者らが参加。避難方法を学びつつ施設の竣功を祝った。
和歌山県が示す津波浸水想定において、東海・東南海・南海3連動地震で約1・7㍍、南海トラフ巨大地震で約7㍍の浸水深が想定される同地域。
避難タワーは、同会館や併設の木戸浦グラウンドの津波避難対策として整備。鉄骨造で高さ8・5㍍、階段部分除く面積は400平方㍍(同会館屋上部分)で、約800人を収容できる。会館2階部分に階段につながるドアが設置されているため、屋内からの避難も可能だ。
昨年11月10日から着工し今年3月末に完成。事業費は約5450万円で国の緊急防災減災事業債を活用している。
新型コロナウイルスの感染状況を見定めつつ施設紹介の機会を得たこの日、堀順一郎町長は日頃から木戸浦グラウンドで練習をしている同少年団員らを前に「近い将来、大きい地震や津波が発生する恐れがあります。指導者の指示の下、高い所に逃げてください。遊んでいるときでもどこに逃げたらいいのかを考え、普段から家族の人とも話し合っておいてほしい」と呼び掛けた。
その後、町職員が参加者らに避難タワーの開門方法を指導。子どもらがそれに倣い、実践をもって開錠方法を学んだ。
嶋田太洋君(勝浦小4)は「カバーが少し固かったけど簡単に開けることができた。練習中に地震が起こってもすぐに逃げられそう」。
同少年団監督の藤社祐樹さんは「グラウンドは海に近く、これまでは那智中が避難場所だった。子どもたちを避難させるために少しでも近い場所にできたので安心」と話していた。
(2021年6月22日付紙面より)
合同で避難所設営訓練 (相野谷中 )
本年度最初の土曜授業があった19日、紀宝町立相野谷中学校(佐藤光一校長、生徒25人)は学校体育館で「人権・防災学習」を実施。全校生徒が相野谷小学校の5、6年生22人、地区自主防災会、地域住民、保護者らと避難所設営訓練に取り組んだ。
相野谷中は地域とのつながりや命の大切さを実感することを目的に、本年度は「災害と人権」をテーマに防災学習を推進。この日は、地域の一員としての自覚を持ってもらおうと合同で訓練した。
佐藤校長が「この地域にとって若い皆さんの行動は大きな役割を果たす。災害が発生した際、皆さんは地域の一員として活動してほしい」と呼び掛けた後、児童生徒らは5グループに分かれて訓練を開始した。
新型コロナウイルスの影響で、避難所では密を避ける、間仕切り板を設置するなど感染対策を講じる必要があるため、町が用意した簡易パーティションと木製ベッド、テントを組み立てた。
児童生徒が協力して組み立て手順を覚え、同中生徒会長の田中楓君(3年)は「最初は難しかったけど、慣れたら簡単にできた。災害が起こったら役に立てるよう、これからも努力したい」と話していた。
10年前の紀伊半島大水害では体育館が避難所になり約180人が避難。設営から運営まで地元の自主防災組織が協力した。災害を経験した地域だからこそ、今回の訓練を通して、地域の将来を担う児童生徒の心に「自分たちの地域は自分たちで守る」といった意識が芽生えたことだろう。
(2021年6月22日付紙面より)
教員など対象に優先接種 (古座川町 )
古座川町が18日、同町川口にある明神診療所を会場にして町内の教員や保育士などを対象にした新型コロナウイルスワクチンの優先接種を始めた。
この接種は保育所職員、学校教職員、学童保育所職員、スクールバス運転手、子育て支援センター職員を対象とし、同日現在で約90人が希望。教育委員会教育課からその数の報告を受けた健康福祉課は18日組、25日(金)組、7月2日(金)組に各30人程度を割り振って順次進め、3週間後の2回目接種を7月26日(月)で完了する計画で日時を伝えているという。
18日組は午後3時30分から同町保健福祉センター2階で受け付けと予診をし、同診療所で岡地英紀医師による問診を受け承諾を得てその場で1回目の接種に臨んだ。以降15分程度の経過観察をして終了。三尾川(みとがわ)小学校の前田知香教諭(36)は「自分が子どもにうつしてしまい親や家族にまで広めてしまわないか、ずっと心配しながら今まで過ごしてきた。優先接種していただけて本当にありがたく、ほっとしています」と安堵(あんど)して語った。
この接種は、西前啓市町長が高齢者や子どもを守るためにかねて「優先」と思いを巡らせてきたそう。同課の巽寿久課長は「一般集団接種(12~64歳対象)のめどもつき、その前にと教育委員会に希望者の報告をいただき、保健所にも相談に乗ってもらいながら場を整えた」と話し、高齢者集団接種の第3組(今月23~25日に1回目接種)も残る多忙な中でも惜しまず協力を了解してくれた岡地医師に感謝した。
(2021年6月22日付紙面より)
自然探訪スクール開講 (新宮市 )
熊野学研究委員会自然部会(瀧野秀二部会長)と新宮市教育委員会主催の第38回自然探訪スクールが20日、開講した。20人が参加し、熊野川総合開発センターでの開校式の後、近くの「田んぼ水族館」でトンボの観察会を楽しんだ。
美しいふるさとの自然に触れ親しみながらその恵みに感謝し、大自然の営みを学び、それを愛護する精神を培う目的で毎年開催している。
瀧野部会長は「今年で38年目を迎える取り組み。今年もできるだけ野外で、いろんな生き物や自然、星空に触れ、観察や体験を楽しんでほしい」とあいさつした。
田んぼ水族館では、参加者たちが盛んに飛び回って縄張り争いをするトンボを捕まえ、講師の南敏行さんらが種類や雄雌を同定。ハラビロトンボやシオカラトンボが多数捕獲された他、和歌山県レッドデータリストで準絶滅危惧種になっているモートンイトトンボやオオイトトンボ、成虫の姿で越冬するホソミオツネントンボ、ホソミイトトンボなど貴重な種が発見された。
南さんは「和歌山県には約90種のトンボがおり、田んぼ水族館では1992年~2020年に45種が見つかっている。今回発見されたのは13種類でしたが、季節が変われば別のトンボも現れてくる」と語った。
次回は7月25日(日)午前9時30分~正午、「高田川のいきもの」をテーマに生物観察をする。参加費は1講座500円。申し込み、問い合わせは市教育委員会文化振興課(電話0735・23・3368)まで。締め切りは7月21日(水)。
(2021年6月22日付紙面より)
新宮弓友会主催の月例射会
全国高校野球選手権和歌山大会
近畿高校レスリング選手権大会 (新宮高校 )
時間と好機と愛着狙い命名 (スペースワン社 )
スペースワン株式会社(太田信一郎代表取締役社長)=東京都=が18日、串本町田原などで建設中の発射場「スペースポート紀伊」から打ち上げる小型ロケットの機体名称を「カイロス(KAIROS)」と命名したことを発表した。
このロケットは、同社が事業展開を目指している小型衛星に対する商業宇宙輸送サービスの要となる機体。本年度中に初号機、以降2020年代半ばに年20機の打ち上げを目指して取り組みを進めている。
その一端で機体名称を決定。「カイロス」は「Kii―based Advanced & Instant ROcket System」から頭文字などを頂いた略称で、ギリシャ神話に登場する時間神カイロスにあやかったという。
同社は契約から打ち上げまでの時間を世界最短とすることで、世界最高の打ち上げ頻度で同サービスを提供することを目指している。この「時間を味方につけ市場を制する」という強い意志を示すため、まずもってこの神名を頂くことにした。カイロスにはギリシャ語で好機という意味もあることから変化の激しい環境に即時対応して自ら好機をつかみ成功を導くという意志を込め、さらに射点がある地域・紀伊を正式名称の冒頭に位置付け地元に愛着を持ってほしいという期待も込めたとしている。
同社はキヤノン電子、IHIエアロスペース、清水建設、日本政策投資銀行の4社を株主として起業。現在は紀陽銀行が加わり5社が株主となっている。
(2021年6月20日付紙面より)
新宮市福祉センターで18日、乳幼児の命を守る会の研修会が開かれた。5人が集まり、災害で電気やガスなどのライフラインが途絶えたときに使える「ポータブルトイレ」の防災工作に取り組んだ。
2011年の紀伊半島大水害が契機となり、市内5団体の代表者が集まって発足。災害時に乳幼児のいる家庭をサポートするネットワークの構築を目的に、防災ピクニックや子ども用非常持ち出し袋の啓発などに取り組んできた。
現在は新型コロナウイルス感染症の影響により家で過ごす時間が増えていることを受け、「おうちでキャンプ」を推奨。電気やガス器具を使わずに1晩を過ごす活動で、避難生活に備えた疑似訓練ができ、各家庭の備蓄に足りない物を実感できる。
この日は段ボール・ビニール袋、新聞紙などを使ってトイレを自作。「色つきのガムテープを使うと見た目もきれいになる」「最近は和式トイレの使い方を知らない子どももおり、きちんと使えるか心配」と意見を出し合った。会員が作ってきた見本を基に、簡易椅子やペットボトルと懐中電灯を使ったランタンの作り方も学んだ。
勢古啓子さんは「キャンプは格好の防災訓練になる。お金もかからないので、子どもと一緒に楽しみながら取り組んでほしい」と語る。
□ □
■作ってみようポータブルトイレ
①段ボールを箱状に組み立て、上部分に丸く穴を開ける。
②上部と側面にガムテープを貼って補強する。段ボールの切れ端なども使うとより効果的。
③臭いが段ボールに移らないよう、ごみ袋を二重にかぶせる。
④吸水材の代わりに新聞紙をクシャクシャにして入れる。おむつやペットのトイレ用砂を入れると、より臭いを抑えられる。
⑤使用後はごみ袋を1枚残して取り出し、自治体の規則に従って捨てる。
(2021年6月20日付紙面より)
家庭ごみの約30%を占める (紀宝町 )
紀宝町独自の調査によると、町内の一般家庭から出されるごみのうち、生ごみの割合が約30%を占めている。生ごみの重量比は80%が水分といわれており、水分をしっかり取り除くことで、ごみの重量を減らし、悪臭や害虫発生の抑制につながるという。
町では昨年度の一般廃棄物処理に係る費用として、約2億1700万円が支出されており、そのうち約1億8200万円が燃料ごみの処理費用として支出された。
燃料ごみの排出量は約2000㌧あり、ごみ排出量全体の約62%を占めた。
埋め立てごみ(資源にならないごみ)は約210㌧、粗大ごみは約67㌧、資源ごみは約900㌧だった。
□ □
■生ごみ処理容器購入に補助
紀宝町では、町内の家庭から排出される生ごみの減量化およびその堆肥としての再利用を図るため、「生ごみ処理容器」を購入した際、予算の範囲内で補助金を交付している。
町内在住者(3カ月以上居住しているか、転入後引き続き3カ月以上居住する予定者に限る)が対象で、周辺住民に迷惑を掛けないように維持管理できる人。
購入価格の2分の1を補助し、容器式(コンポスト)の場合は4000円、電気式の場合は3万円が上限。容器式は1世帯2基まで、電気式の場合は1世帯1基まで。
申請者の印鑑、振込先の分かるもの、領収書の写し、生ごみ処理容器の規格の分かるもの(取扱説明書など)を用意する。問い合わせは、環境衛生課(電話0735・33・0338)まで。
(2021年6月20日付紙面より)
非戦、平和願い遠松忌 (新宮市 )
新宮市大橋通の淨泉寺(山口範之住職)で19日、真宗大谷派主催の「遠松忌法要」が営まれた。参列した関係者らが雨の中、非戦・平和を唱え、差別と闘った同寺12代住職・高木顕明師(1864~1914年)の遺徳をしのんだ。
「前(さき)を訪(とぶら)う 今、この時代に聞く非戦・平等の願い」をテーマに毎年営まれている法要。1998(平成10)年に滋賀県大津市の本證寺で有志らが第1回を営み、翌年から新宮市で開かれている。今年24回目で、2000(平成12)年から同派が主催している。今年は新型コロナウイルス感染症拡大防止のため昨年に引き続き内勤めとなった。
関係者らは、市内の南谷墓地にある顕明師顕彰碑での勤行後、淨泉寺本堂での法要に参列。法要の様子は、動画投稿サイト「ユーチューブ」でライブ配信された。
顕明師は新宮出身の医師・大石誠之助(1867~1911年)らと共に非戦、平和を唱えて活動していたが、明治天皇暗殺を企てたとして1910(明治43)年に連座(「大逆事件」)。死刑判決に処されたが後に無期懲役となった。
事件を受け、同派から除籍の処分を付された顕明師は、無念の中、14(大正3)年6月24日に秋田監獄で自ら命を絶った。96(平成8)年に同派から処分が取り消され、名誉が回復されている。
山口住職は「コロナ禍で昨年同様内勤めという形となったが、できる限り継続していくことが大切」と参列者らに感謝を示した。
同所の顕彰碑には顕明師の著作「余が社会主義」の一節「南無阿弥陀仏は真に御仏の救済の声である。闇夜の光明である。絶対的平等の保護である」が刻まれている。
(2021年6月20日付紙面より)
新宮高校OB会「第8回百射会」
那智勝浦町体育協会
新宮港で10機関が訓練 (港湾保安委員会 )
新宮港港湾保安委員会(委員長=鈴木伸幸・東牟婁振興局新宮建設部長)は17日、同港三輪崎第4号岸壁で令和3年度新宮港テロ対策訓練を実施した。田辺海上保安部、新宮警察署、那智勝浦町、新宮市・那智勝浦町の両消防本部、大阪税関和歌山税関支署新宮出張所など10機関から約70人が参加。テロの水際対策における連携体制を強化した。
テロ訓練は、今後増えると予想される客船の入港や、来月に開幕する東京オリンピック・パラリンピックを見越し、テロ事案に対する関係機関の対応の相互確認や、連携強化により的確に対応するための取り組み。国際船舶・港湾保安法の施行(2004年)を受け、06年から毎年実施されている。
▽巡視艇による不審小型ボートの発見と追跡、逮捕▽入国審査における不審旅客の発見と逮捕▽手荷物検査における旅客の所持品内からの拳銃発見と逮捕▽船内不審旅客の捜索と逮捕▽時限発火装置による火災発生、負傷者の救助と消火―の5項目を想定した。
海上での訓練では、海保のボートが追跡し、追い詰められた不審小型ボートから発砲があり、海保巡視船が威嚇射撃して不審者を逮捕した。入国審査や手荷物検査では、追い詰められた不審旅客がナイフを振り回す場面があるなど、実践さながらを想定し行われた。
鈴木委員長は、新宮港は地方港湾ではあるが「国際航海船及び国際港湾施設の保安の確保等に関する法律」に基づく対応が必要な港湾であるとし、外航船や貨物船、クルーズ船などが多数入港しており取り扱い貨物量も多いと説明。
東京オリ・パラは国際的な注目が集まることで、さらに厳重な保安対策と危機意識が大切となるとし「訓練がテロ対策の重要性と必要性を再認識するとともに組織のつながりを強化し、より安心安全な港となることを期待している」とあいさつ。
新宮港公安危機管理担当官の上野春一郎・田辺海上保安部長は「コロナ禍で新宮港も国際船舶の入港隻数は低調に推移しているが、中東地域、アフリカ、東南アジアでは自爆テロが頻発している。今年は9・11同時多発テロから20年を迎えるが、依然として無差別テロの驚異はなくなっていない」。港湾における水際危機管理はテロ対策の要であり、関係機関の連携が重要と述べた。
訓練後には、副担当官の山田守孝・新宮警察署長が「実践さながらの力のこもった訓練だった。各機関の連携も確認できる内容であり非常に心強く感じた」と講評。
東京オリ・パラに加え、県においても国民文化祭・総合文化祭の開催を控えているとし「当地方は都心からは離れているが新宮港には外国船籍が寄港し、テロリストに利用される可能性も十分に考えられる。コアメンバーが連携を密にし、『新宮港からテロを敢行しようとする者、テロに利用される物品を絶対に入れさせない』という強い信念で挑む必要がある」と呼び掛けた。
(2021年6月19日付紙面より)
橋杭小6年が租税教室で (串本町 )
串本町立橋杭小学校(溝内聡子校長)の6年生が18日、租税教室に参加し税金の種類や使われ方を教わるなどした。
この教室は、新宮・東牟婁租税教育推進協議会が次代を担う子どもたちの租税教育充実を目的として実施。管内の学校に参加を呼び掛け、希望校へ税務関係者を講師派遣して開いている。
この日は新宮納税協会青年部会の瀬古伸一郎部会長が講師を担当。児童にも身近な消費税の印象を考え、他にも所得税(住民税)や法人税などいろいろな税金があることを紹介した。税金がどのように使われているかは映像教材「マリンとヤマト 不思議な日曜日」を鑑賞して学習。さまざまな公共サービスを支えていることを知り、金額の実感を得るため1億円の見本を確かめるなどした。
最後に「税金はみんなから集める会費」という印象を託して同教室を終了。瀬古さんは「税金は取られるではなく納めるもの。その気付きを得てくれれば」と児童の今後を期待した。
(2021年6月19日付紙面より)
紀宝町民児協が人権問題学ぶ
紀宝町民生委員児童委員協議会(濵口啓会長)の6月定例会が15日、町福祉センターであった。委員約30人が参加し、新型コロナウイルスに関連した人権問題を学んだ。
県環境生活部人権課の櫛田誠さんが津市の県庁からリモートで講演した。「人権が尊重される三重をつくるために」と題し、新型コロナによる偏見や差別をなくすために「正しく知る」「自分も感染するかもしれない」「差別に同調しない」といった啓発・教育が必要と示した。
国の「偏見・差別とプライバシーに関するワーキンググループ」の調査結果を基に「感染後の入院を機に会社から雇い止めを受け、退職した」「退院した患者にSNS上で自殺したとデマを流された」など全国の事例を挙げた。
その上で「民生児童委員の皆さんは、さまざまな相談を受けている。新型コロナウイルスに係る人権相談など、どこに問い合わせすれば良いか分からない場合は、新型コロナウイルス感染症に係る人権相談プラットフォーム会議に相談してください」と伝えた。
新型コロナによる負のスパイラルとして▽未知のウイルスで、分からないことが多いため不安が生まれる▽人間の生き延びようとする本能によりウイルス感染に関わる人を遠ざける▽差別を受けるのが怖くて熱やせきがあっても受診をためらい、結果として病気の拡散を招く―と解説。「この感染症の怖さは病気が不安を呼び、不安が差別を生み、差別がさらなる病気の拡散につながる」と危惧した。
コロナ差別や同和問題などの人権課題について▽教育、啓発など息の長い対策▽相談体制構築のため関係機関との連携強化と偏見・差別の相談支援▽実効性のある法整備―が必要とし、「偏見や差別のない、みんなで思いやりのある優しい社会をつくりましょう」と呼び掛けた。
(2021年6月19日付紙面より)
勝浦小2年生が稚魚放流
那智勝浦町は18日、那智湾に面した「海のホテル一の滝」近くの砂浜でヒラメ稚魚の放流会を開いた。町立勝浦小学校(山下真司校長)の2年生44人が協力し、約1000匹を海に放した。
栽培漁業の拡大を図るため、同町が紀州勝浦漁業協同組合に委託し20年以上続く取り組みで、本年度は那智湾に計5万匹を放流する予定。例年なら同小の1年生が協力するが、昨年は新型コロナウイルスの感染状況を鑑み中止に。今年は取り組みに参加できなかった2年生を対象に事業を実施した。
放流した稚魚は、串本町の県南部栽培漁業センターで2月10日にふ化し、同漁協が体長12㌢前後まで中間育成したもの。放流後しばらくは水深20㍍より浅い砂浜域で生活し、成魚になると水深200㍍までの岩礁域に分布する。2年で40㌢程度に成長し、3年以降に産卵する。
この日は、勝浦小学校の体験学習も兼ねており、児童たちは県職員からヒラメの生態やヒラメとカレイの違いなどについて学んだ後「ヒラメも病気になるの?」「魚の目はどこを見ているの?」などと質問した。
ペットボトルで作った容器に入れた稚魚を観察し、その後放流。全員で「ヒラメさん大きくなってね」と声を合わせ稚魚を見送った。
片原結乃さん(7)は「(ヒラメは)初めて触った。ヌルヌルしていて不思議な感触だった。目が青色でかわいかった」と感想を述べ「海に放つ時は、元気に育ってねって願いました」と話していた。
(2021年6月19日付紙面より)
近畿高校レスリング選手権大会開幕
新型コロナワクチン接種 (太地町 )
各自治体で新型コロナウイルスのワクチン接種が進む中、太地町では15日、65歳以上の在宅高齢者8割強の接種が完了した。6月中には59~64歳の2回目の接種が終わる予定。8月の盆時期までには希望する対象者全ての接種を終える見込みだ。
町住民福祉課によると、在宅の65歳以上1168人のうち、1回目を終えたのは1052人(90・1%)で、2回目は15日現在で1001人(85・7%)。町内に住所を有し、施設に入所する65歳以上の高齢者を含むと対象者が1354人で、1回目の接種を済ませた人は1197人(88・4%)で2回目の接種を完了した人は963人(71・1%)だという。
接種は検診室やエレベーターなどが完備される同町多目的センターで4月24日から始まった。医療従事者を筆頭に、町職員や健康作り推進員、ボランティアが協力し円滑な接種のために会場運営に努めた。
さらに同課では対象者が接種日を忘れないようにと前日に電話連絡を行ったほか、バスに乗車できない対象者の個別送迎も実施している。
2回目の接種を終えた70代男性は「1回目は少し痛かったが2回目は痛くなかった。こういう小さな町ではコロナに感染すると大変なことになるので接種が終わり安心している」と話した。
同課担当者は「皆さまのご協力のおかげでスムーズに進んでいる。国からのワクチンが届くまで期間は空いてしまうが、届き次第迅速に進めていきたい。お盆前までの終了を目指している」と述べた。
三軒一高町長は「迅速に進んでいるのは職員が随分前から周到な準備をしてくれたおかげ。人材が少ない中、看護師や医師などを集めていただき感謝している。町民の皆さまが本当に喜んでくれているのでありがたい」と語った。
(2021年6月17日付紙面より)
吹奏楽部がコンサート (新宮高校 )
新宮市の県立新宮高校吹奏楽部(亀谷覚史顧問、山本紗椰部長、部員29人)は15日、同校の中庭でランチタイムコンサートを開催した。生徒たちが弁当を広げながら音楽に耳を傾け、タンバリンやダンスで演奏に参加して盛り上がった。
昼食時に音楽を楽しみ、吹奏楽部の活動を知ってもらうため、年3~4回開催している。1年生の新入部員にとっては初舞台、3年生にとっては同校の生徒や教職員向けに演奏を披露する最後のランチタイムコンサートとなる。
この日は天候にも恵まれ、「YMCA」「ムーンライト伝説」「ラブ・ピース・アンダー・ザ・グルーヴ」の3曲を演奏。アンコールには星野源の「恋」で応え、仮装した部員によるダンスに笑顔が広がった。
山本部長は「最後のランチタイムコンサートということもあり、同級生もたくさん見に来てくれて良かった。現在は8月9日のコンクールに向けて練習をしています」。生徒会長で副部長の岡本華凜さんは「MCをしたのですが『盛り上がっていますか?』と呼び掛けると『イェーイ』と返事が返ってきてうれしかった。コンクールでは近畿大会出場、そして近畿大会での金賞受賞を目指します」と話していた。
(2021年6月17日付紙面より)
高齢者見守り隊が啓発活動 (紀宝町 )
紀宝町の高齢者地域見守り隊(小田原徳子代表)は15日、同町鵜殿の主婦の店などで啓発活動を実施し、特殊詐欺防止のチラシやウエットティッシュを配布した。
特殊詐欺から高齢者を守ろうと毎月1回、啓発活動を展開。奇数月は紀宝警察署と合同で取り組んでいる。今月は主婦の店と鵜殿郵便局、相野谷郵便局、JA伊勢紀宝支店、成川交番前で活動した。
配布したチラシは「またまた増えてきています!還付金詐欺!」と題し、詐欺の事例や注意点などを記載した。還付金詐欺は、役所職員などを名乗る者から「介護保険料の払戻金がある」などと電話があり、現金自動預払機(ATM)を操作させ、被害者の口座から犯人の口座に送金させる手口。
還付金の受け取りには、書類での手続きが必須で、ATMで返還することはなく「ATMへ誘導された場合は詐欺です。相手にしないで電話を切りましょう」と呼び掛けた。
最近では「振り込むために必要だ」「そのカードは古いので新しい物に変更しないといけない」などと、キャッシュカードを取りに来る手口も増えているという。
町内では紀宝警察署(電話0735・33・0110)、役場産業振興課(電話0735・33・0336)、町地域包括支援センター(電話0735・33・0175)で相談を受け付けている。
(2021年6月17日付紙面より)
神倉小学校で木工授業 (新宮市 )
新宮市立神倉小学校(藪中秀樹校長、児童426人)の6年生72人は15日、図画工作の授業でロッカーを整理整頓するための木製棚を手作りした。地域住民の有志も協力し、体育館にカンカンと威勢のいい金づちの音を響かせた。
高学年がランドセルを収納するロッカーには内側に棚がなく、中が乱雑になりがちだったことから教職員が企画。木に触れ、物作りを体験する図画工作の一環として実施した。
材料の板とくぎ、金づち、くぎ抜きなどを受け取った児童は、コの字型に組まれた見本を基に、それぞれに手順を考えながら製作を開始。くぎが側面から飛び出したり、角がずれたりする失敗をしながらも、地域住民有志から「くぎの根元を打つイメージで金づちを振り下ろして」「横板の間に渡して上の板を安定させるといい」などとアドバイスを受けて全員が無事に完成させた。
ヤスリで角を整えた後に早速教室のロッカーに設置し、教科書やノート、手提げかばんをきれいに収納した。
高野湖葵(みずき)君は「くぎを打つのは簡単だったけれど、板の横側をヤスリで整えるのがちょっと大変だった」と話していた。
(2021年6月17日付紙面より)
高田川などに太公望
熊野地方の熊野川や古座川流域などで1日、アユ漁が解禁された。この日を待ちわびていた太公望が夜明けとともに釣り糸を垂らした。昨年に続き、新型コロナウイルスの影響で解禁日の延期や中止が心配されたが、例年通り実施された。
熊野川漁業協同組合は4月に大塔川450㌔、四村川450㌔、赤木川上流200㌔、高田川150㌔、三越川100㌔など、熊野川の各支流にアユの稚魚計1350㌔放流した。組合は「今年の天然遡上(そじょう)は平均並みのようです」と話している。
新宮市の高田川に釣り仲間3人と訪れた大石光二さん(35)=同市三輪崎=は「この日が来るのを楽しみにしていました。午前5時半ごろから2時間で17~18㌢のアユが約20匹釣れた。予想以上に釣果が良く、驚いています。しっかり新型コロナの対策を取った上で、アユ釣りを満喫したいと思います」と話していた。
(2021年6月2日付紙面より)
ボランティア有志が清掃活動 (環境ファースト連合会 )
環境ファースト連合会(椋野玲史会長)は5月30日、新宮市の王子ヶ浜海岸で清掃活動を実施した。連合会に所属する「紀伊半島の海亀を守る会」(榎本晴光会長)を中心に、会員ら約30人が海岸約2㌔の範囲にわたって、流木やプラスチックごみなどの撤去作業に汗を流した。
5月30日は「ご(5)み(3)ゼロ(0)の日」。1982年に関東地方知事会関東地方環境対策推進本部空き缶等問題推進委員会が提唱した「関東地方環境美化運動の日」に由来する。93年には、厚生省(当時)が制定した「ごみ減量化推進週間」の初日に設定され、近年でもこの日に合わせ、全国的に清掃活動が展開されている。
数あるごみ問題の中でも「海洋ごみ」は深刻化する問題であり世界的な課題だ。絶滅危惧種・アカウミガメが上陸する数少ない海岸の一つである王子ヶ浜においても、降雨後には膨大な数の流木やプラスチックなどが海岸に流れ着き、ウミガメの上陸や産卵に大きな影響を与えている。
アカウミガメと卵を保護し、海に帰すボランティア活動を展開する同守る会は、本格的なアカウミガメの出産シーズンを前に、毎年この時季に大規模清掃を実施している。
清掃には連合会(新宮市王子ヶ浜を守る会、紀伊半島環境保護推進協議会、鮒田の環境を守る会、さかさ川をきれいにする会、相野谷川水辺の環境を守る会、山地地区と六部海岸の環境を守る会)の有志らが参加。重機4台も出動し、約3時間の撤去作業を実施した。
今季、同浜では20日にアカウミガメの初上陸と98個の産卵を確認。以降も上陸はあったものの、産卵には至らなかったという。
榎本会長は「ごみゼロの日でお日柄もよく、天候にも恵まれた」を汗を拭いつつ「ごみが多いとウミガメの上陸・産卵に影響が出る。大きな流木などは人間にとっても危ない。清掃は必要で大事なこと。行政にも協力してもらえれば」と話していた。
(2021年6月2日付紙面より)
串本町や古座川町を進行 (国民平和大行進 )
串本町や古座川町で5月31日、原水爆禁止国民平和大行進2021の宣伝カーが進行した。感染症予防のため昨年に続き今年も集会や行進は休止。自治体懇談と宣伝カーによるアピールがあり、串本町では町職員や原水爆禁止串本町協議会(藤田勝彦会長)の会員らが集まり同カーを送り出した。
核兵器廃絶を訴えながら原水爆禁止世界大会が開かれる広島県や長崎県を目指して進行する同行進。11幹線コースのうち、和歌山―広島コースは同月7日に橋本市を出発し31日に東牟婁入りした状況となっている。
この日は直前に自治体懇談をして両町長から署名入りの賛同ペナントを預かり午後3時に古座川町役場前、午後5時に串本町役場本庁前を出発した。串本町では宣伝カー前面に掲げたコース横断幕とともに進行する原水爆禁止和歌山県協議会の里﨑正事務局長があいさつし、同町は第五福竜丸建造の地であり県内で先駆けて核兵器に関する意見書を町議会が提出するなど平和への関心が高い地域とたたえつつ、送り出しに感謝した。
同カーは行進を先導しないことで得た機動力を生かして例年より広範にアピールを届けるなどした。以降は太地町・那智勝浦町方面へ進行。コース横断幕を三重県へ引き継ぎ、8日から紀宝町を起点にして県内進行が始まるという。
(2021年6月2日付紙面より)
コロナ対策講じ、10日まで (太地町立くじらの博物館 )
太地町の町立くじらの博物館は、飼育するクジラの歯磨きを1日から一般公開した。「歯と口の健康週間」にちなんだイベントで10日(木)まで実施している。
催しはクジラの歯磨きによって歯と口の衛生の普及啓発を行うことと、食性の違いから種類によって数や大きさなどクジラの歯の特徴が異なることを知ってもらうことが目的。
昨年は新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から町立太地こども園の園児の招待を中止したが、今年は対策を万全に行い招待した。
クジラショー後にオキゴンドウとハナゴンドウ、コビレゴンドウの3頭の歯磨きを行った。職員のサポートを受ける中、代表園児がクジラの歯磨きに取り組んだ。
同園くじら組の小出勝太君は「クジラの口は大きかったし、歯が白かった。僕は一日3回歯磨きしています。これからも歯磨き頑張ります」と元気いっぱいコメントした。
稲森大樹副館長(36)は「歯と口の健康を考えていただき、毎日の歯磨きを呼び掛けるとともに、同じクジラでも食性によって歯の生え方が違うなどの特徴も知っていただけたら」。
来場者に対しては「これまでと同様に感染症対策を講じながらお客さまには安全にご利用いただけるように運営に取り組んでいきたい」と語った。
同館は先日、新型コロナウイルス感染予防対策を行う施設などに対し、和歌山県が認証マークを交付する「感染症予防対策認証施設」に認められたという。
歯磨きはクジラショー後の午前10時30分、午後0時30分、午後2時30分の1日3回、10分程度を予定。問い合わせは同館(電話0735・59・2400)まで。
(2021年6月2日付紙面より)