10月から熊野川町で導入 (新宮市地域公共交通会議 )
新宮市役所別館で26日、「令和元年度第1回新宮市地域公共交通会議」(会長・向井雅男副市長)が開かれた。市、和歌山県、国土交通省近畿運輸局和歌山運輸支局、バス・タクシー事業者、労働団体、地域住民ら約40人が出席し、熊野川町地域における公共交通の再編案について審議。全会一致で可決した。
同会議は、道路運送法施行規則(昭和26年運輸省令第75号)の規定に基づき、地域における住民の生活に必要なバスなどの旅客輸送の確保や、旅客の利便の増進を図り、地域の実情に即した輸送サービスの実現に必要となる事項を審議するためのもの。
コミュニティーバスや乗合タクシーなど、地域の実情に応じた乗合旅客運送の態様や運賃、料金などに関する事項などを議論する。交通事業者以外が有償運送を行う場合は、会議で審議・合意を得る必要がある。
高齢化率が高く、面積の広い同市熊野川町では、「運賃が高い」「便数が少ない」「バス停まで遠い」「車で移動できる」などの理由から、民間事業者の路線バス、行政バスのいずれも利用実績が少なくなっている。実情を鑑み、市は昨年住民アンケートを実施。住民ヒアリングや交通事業者など関係機関と協議を進めてきた。
再編案は、二つの路線バス(玉置口線、篠尾線)と行政バス、敷屋方面の診療所送迎車を統合し、デマンドタクシー(事前予約制乗り合いタクシー)を導入するというもの。小口線については、熊野古道を歩く観光客が多く訪れるため、ダイヤを調整した上で継
続して運行する。スクールバスに関しては、小口方面同様、敷屋・篠尾方面も登下校の運行となる。
デマンドタクシーの運行エリアは町内全域。出発時間の1時間前まで(早朝の便は前日まで)に予約があった場合、1日8便が運行する。熊野川行政局を出発し、「自宅または自宅周辺」と、町内の公的施設や医療機関、商業施設、バス停、各集会所などの「目的地」を送迎する。運賃は片道100円(保護者同乗の場合、未就学児は無料)。決まったルートはなく、予約者の状況により効率性や緊急性を考慮し毎回設定する。
敷屋、篠尾地区、嶋津地区住民の生活を考慮し、田辺市本宮町の高津橋バス停、熊野市紀和町の同市役所紀和庁舎といった町外にも運行する。また、福祉タクシー(タクシー券補助事業)の要件を緩和し、町内の移動を全て対象とする。
委員からは「住民に対する説明会では、パンフレットなどを利用し丁寧な説明を」「ヘルパーや福祉員に対して、高齢者の方にも予約方法を教えられるような説明を」などといった意見があった。事務局は「町内だけではなく、市街地でもポスターを掲示するなどして周知を図っていきたい」などと説明した。
幅員の狭い道における落石や、道の凍結などで運行が遅れた場合の対応を危惧する事業者に対しては「やむを得ず運行できない場合があることも併せて住民に説明していけたら」と回答した。
今後は住民説明会や運輸支局への事業申請、区長への再編内容の説明などを経て、10月1日から新交通体系での運行を開始する予定。
(2020年3月28日付紙面より)
新入学児らにランドセルカバー贈呈 (交通安全協会新宮支部 )
和歌山県交通安全協会新宮支部の田中肇支部長らは26日、新宮市役所を訪れ、市教育委員会の速水盛康教育長に新入学児童209人(小学校5校194人、支援学校1校15人)分の交通安全ランドセルカバーを、子育て推進課の辻本美恵課長に市内13の保育所や保育園(所)などの新入園児249人分の巾着袋を贈った。
毎年、春の全国交通安全運動期間を前に実施している事業で、新生活を迎える児童・園児や保護者、ドライバーの交通安全意識の高揚を図ることを目的としている。
田中支部長は「毎年贈らせていただいているが、ランドセルカバーは交通安全の意識付けに有効だと思う。ドライバーから見ても、登校に慣れていない新入学児ということが一目で分かる。より気を付けて運転していただけると思います」。
目録を受けた速水教育長は「毎年、子どもたちを地域で守り、育てていくということを、ランドセルカバーという見える形として頂いている。地域、保護者、学校の三者の交通安全意識の高揚を図るための重要な啓発グッズだと考えています」と感謝を示した。
(2020年3月28日付紙面より)
古座川漁業協同組合(大屋敏治代表理事組合長)が27日、管内流域に海産の稚アユ1㌧を放流した。
県内水面漁業協同組合連合会の事業委託による取り組みで、資源増強が目的。古座川漁協は今年、同日現在で1・5㌧を2回に分けて放流するとしていて、この日はそのうちの3分の2を小川など支流域も含む複数の場所へ分散する形で放った。
仕入れ先の日高川漁協から届いた稚アユの1匹の平均重量は約8㌘。体長は5~10㌢幅でばらつきがあるという。古座川漁協の理事約10人が3組に分かれて運搬車両3台につき、理事会で申し合わせた場所へ移動し指定量を放つ作業を重ねた。中崎では大屋組合長が見守る中、理事の段取りで150㌔を放流し、川面で群れる稚アユの姿を見届けながら無事に育つことを願った。
昨今の新型コロナウイルスの感染予防対策次第だが、同日時点で残り500㌔分は例年通り子どもの手で4月中に放流する内容で町内の小学校に協力を求めるという。
古座川漁協は先月19日に支流池野山川でアユの天然遡上(そじょう)を初確認。始まりの時期は平年並みだったがその後の勢いが確認できておらず、「昨年ほどではないが、今年も(川面に見える群れの影が)薄い」と状況を語った。
(2020年3月28日付紙面より)
大勝浦で「弁天祭」 (那智勝浦町 )
那智勝浦町の大勝浦地区にある弁天島で26日、弁天祭が営まれ、参列者が商売繁盛や大漁、芸能の上達などを祈願した。祭りを守り継ぐ弁天島保存会(猪飼延(ひさし)会長)は「天気に恵まれ、無事に祭りができて良かった」と話した。
弁天島は古くから「勝浦三景」の一つに数えられる景勝地。島には「白蛇弁天」が祭られており、近年では金運アップなどのパワースポットとしても注目を集めている。
弁天祭は一年で最も潮が引く旧暦の3月3日に合わせて実施。干潮時には磯伝いに歩いて島へ渡ることができる。勝浦八幡神社の髙橋正樹宮司が神事を執り行い、にぎやかな餅まきもあった。磯遊びも兼ねて毎年参拝するという新宮市からの参加者もいた。
弁天島や周辺のお蛇浦(じゃうら)海岸は、大勝浦地区の住民や保存会のメンバー、町内の団体などが熱心に清掃活動を展開しており、町の景勝地の美観維持に努めている。
(2020年3月28日付紙面より)
新年度案を3月議会に上程 (那智勝浦町 )
那智勝浦町は2日、堀順一郎町長や幹部職員らが会見を開き、一般会計87億1900万円の令和2年度当初予算案を発表した。前年度より6億8720万円(8・6%)増となった。予算案は9日(月)開会の町議会に上程する。
現・消防本部の老朽化などに伴い、町内の駿田山に建設を予定する消防・防災センターの整備に向けた用地造成工事や同施設建設整備、町立勝浦小学校の第二グラウンドに高台造成を行うための測量設計業務委託、観光地域づくり法人(DMO)体制の推進、ロケット見学場整備基本計画の策定業務委託などに力を入れる。
堀町長は外国人向け情報サイト「ガイジンポット」で2020年に訪れるべき観光地として、同町含む熊野地域が東京を抑えて1位になったこと、「温泉総選挙2019」の歴史・文化部門で南紀勝浦温泉が1位となったことに触れ、「誘客に弾みがつくと考えていたが新型コロナウイルス感染症の終息時期によっては影響は避けられない」と懸念した。
本年度予算については「課題解決に主眼を置いた予算。より安心・安全なまちづくりを推進するため、今後の交通インフラの進捗(しんちょく)や人口の推移を見ながら、3年5年10年先を見据えて事業を実施し、『住んでよかった、住み続けたい、住んでみたい』と言っていただけるよう、事業を推進していく」と述べた。
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町税収入は336万円(0・2%)増の13億9223万円を計上。入湯税の増加と町民税、固定資産税の減少を見込んでいる。歳入の3分の1を占める地方交付税は1億4000万円(4・9%)増の30億円。国県支出金は6092万円(5・4%)増の11億8962万円。借り入れに当たる町債は2億8364万円(26・5%)増の13億5450万円となった。歳入の不足を補う基金繰入金では財政調整基金、減債基金合わせて6億円となった。
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民生費が9117万3000円増の25億9946万円で全体の29・8%を占め、続いて消防費が5億6496万円増の13億9382万円となった。消防費の主な増加要因は消防・防災センター整備に係る用地造成や防災行政無線デジタル化整備工事の費用によるもの。大きく減少したのは教育費で、1億3810万円減となった。中学校給食整備事業に係る費用が減少したことが主な要因。
(2020年3月4日付紙面より)
早大地域連携ワークショップ最終報告 (串本町 )
早稲田大学地域連携ワークショップ(WS)の最終報告会が2月28日に串本町文化センターであり、取り組んだ学生12人が集大成となるワーケーションプランを地域に示すなどした。
同大学教育連携課が地域活性化事業の一環で自治体と連携し展開する同WS。同町との連携は2年目で、今回は「地域活性化策の一環として串本町での3泊4日のワーケーションのプログラムを提案」をテーマに掲げて学生の参加を募り活動を進めてきた。
12人はA、Bの2班に分かれて事前調査に取り組み、そのプログラム案に基づいて2月24~27日に現地フィールドワークを実施した。その集大成を提案するため、地域の関係者らに参加を求めてこの報告会を開くに至った。
提案の主題はA班が「『食』を通じた社員研修」、B班が「親孝行ワーケーション」。事前調査で前提した事項とフィールドワークの概要を示し、それらから導き出したワーケーションプランを発表。学生の活動を支援した役場産業課職員を含め地域からの出席者10人余りが受け止めた。
A班は企業研修を想定した内容で行政と企業の両視点から見た期待効果、B班は社会人の子どもと退職した親を想定した内容で他地域に勝る要素を体感する視点をそれぞれ織り交ぜてアピール。それら内容への質疑応答を経て、同課の枠谷德彦副課長が講評。開会のあいさつをした同大学教務部の大前研二マネジャーが総括をして締めくくった。
(2020年3月4日付紙面より)
各種催し繰り広げる (紀宝町 )
3月3日は「ひなまつり」。桃の節句として古くから伝わる伝統行事で、ひな人形を飾ったり、行事を楽しむ姿が各地で見受けられる。
紀宝町鵜殿の老人憩の家讃寿(さんじゅ)荘で活動する「かわりない会」(牧戸光彦会長)は2日、利用者と世話人約30人がひなまつりの催しを楽しんだ。
新型コロナウイルス対策として全員がマスクを着用し、童謡「うれしいひなまつり」を歌い、お内裏さまとおひなさまのイラストにクレヨンで色を塗った。
塗り絵の最中、「孫やひ孫に見せてあげてね」「髪は今どきの色にしよう」などと会話も弾んだ。昼食時には全員で弁当とデザートの紅白桜餅を食べた。
かわりない会は毎週月曜日に開催しているが、新型コロナの措置として9日(月)から30日(月)まで活動自粛を決めた。牧戸会長は「利用者の皆さんに相談して、休止を決めた。4月以降は状況を見ながら判断したい。毎週、楽しみにしている利用者も多く、『早く再開してほしい』との声もあった」と話していた。
町内の各保育所では3日にひなまつりの集いがあり、鵜殿保育所(福島智子所長、園児93人)では、全園児が教職員によるブラックシアターを鑑賞した。園児の歌に合わせ光るひな人形が登場。ひし餅やサクラとタチバナの飾りも貼り付けた。
(2020年3月4日付紙面より)
丹鶴幼で「ひなまつり会」 (新宮市 )
新宮市立丹鶴幼稚園(下岡容子園長、園児66人)で3日、「ひなまつり会」があった。園児らは歌やクイズなどで楽しいひとときを過ごした。
子どもたちに日本の伝統文化を知り、季節感などを味わってもらおうと毎年開いている。園児は音楽に合わせて手遊びをした後、「うれしいひなまつり」を合唱。クイズでは職員から「誰の祭りですか?」「食べるお菓子は何ですか?」などひな祭りにちなんだ問題が出され、子どもたちは元気よく答えていた。
ひな祭りの由来などを表した「おひなさまになったにんぎょう」の紙芝居もあり、園児たちは物語の世界に夢中で耳を傾けた。
下岡園長は「新型コロナウイルスの対策として、時間を短縮せざるを得なかったですが、子どもたちの楽しそうな姿が見られて良かったです。催しを通して日本に伝わる文化や由来などを少しでも知ってもらえれば」と話していた。
(2020年3月4日付紙面より)