無償で自宅へ弁当配達 (太地町 )
太地町は21日、町独自の取り組みとして、新型コロナウイルスの影響で休校となった町立太地こども園、太地小・中学校の園児や児童、生徒らに弁当を配達するサービスを開始した。配布は5月1日(金)まで。休校期間中の平日に、子どもたちに手作りの昼食が届けられる。
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同町教育委員会によると、配達サービスは休校中の子どもたちに栄養のある昼食を提供するとともに、保護者らの負担軽減を目的としたもの。17日に関係者が集まり決定。その後、関係者らは期間中に弁当が不必要な日があるかや、自宅以外の待機場所などを確認した。
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調理は普段から子どもたちに給食を作っている調理員と栄養士が町地域福祉センター梛において実施。栄養バランスの取れた、慣れ親しんだ味の弁当をこども園、小・中学校の教職員が自宅まで届ける。弁当は子どもたちや教職員の分合わせておよそ200食作られるという。
配達の際はウイルスの感染拡大防止や食中毒予防の観点から「安全性の厳重チェック」「弁当をビニール袋で包む」「届け先では長居せず、必要最低限のコミュニケーションのみ」などを徹底するという。
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宇佐川彰男教育長は弁当配達について「無償での配達をすぐに実現できたのは町がこども園と小・中学校の給食を無償化にしていたからこそ。そして指導主事や協力してくれる教職員の皆さまのおかげ。感謝しています。町としては、子どもたちには賢くて丈夫で思いやりのある人物に育ってほしいと考えている」。
自宅待機する子どもたちについては「各校で出されている課題に取り組み、読書習慣をつけるなど有意義に過ごしてほしい。そのための援助として昼食を提供したい」と語った。
(2020年4月22日付紙面より)
体調管理の重要性鑑み (県立医科大学など有志一同 )
和歌山県立医科大学情報基盤センターや京都大学、㈱ヘルステック研究所などの有志一同がこのほど、新型コロナウイルス感染症の健康観察を記録できるアプリ「健康日記」を開発。無償提供を行っている。
このアプリは、発熱やせきなどの風邪症状や、新型コロナ流行地域や濃厚接触者、感染のリスクがある人の健康観察に活用されており、和歌山市保健所では市内で発生したクラスター(感染者集団)に対する健康観察に利用されているほか、複数の大学で活用が始まっている。
感染者の出ていない東牟婁、南牟婁地方においての利用実績はないが、登録されたデータは学校や会社、自治体にワンクリックでCSV形式でメール送信することができ、蓄積されたデータを個人で振り返ることも可能。記録可能項目は▽体温▽症状▽薬の服用▽検査の有無・結果―の4項目。
新型コロナに関わる学生や教職員、職員らの健康状態を一括管理することができ、個人単位では自身の日々の体温や症状などの健康状態を一元管理し、必要な相手先に必要な期間の情報を選択して共有することができる。
保健所での健康フォローアップで3月から継続的な利用実績があり、活用例としては「発熱・せきなどの風邪症状を生じた場合の健康管理(症状がなくなるまでの経過観察、公欠や公休管理への活用)」や「イベントなどへの参加後の健康管理(潜伏期間である14日間の観察)」など。
アプリ利用に当たっては、アプリストアで「健康日記」と検索してインストールする必要がある。また、管理者はヘルステック研究所の新型コロナの健康観察アプリページ(https://www.htech-lab.co.jp/covid19)を開き、連絡フォームから申し込んだ上で管理者パックをダウンロード。送信先メールアドレスを対象者に周知する流れとなる。
また、アプリでは日々の歩数や体重、血圧、血糖なども入力でき、自発的な健康状態の記録や把握にも活用可能。詳細は前述の健康観察アプリページで確認を。
(2020年4月22日付紙面より)
アマビエステッカー (熊野速玉大社 )
新宮市の熊野速玉大社(上野顯宮司)の境内授与所で疫病退散祈願の「アマビエ」ステッカー=写真②=が販売されている。同大社が依頼し、熊野川町の芸術家・平野薫禮(ひらの・ぐれ)さんが作成したもの。新型コロナウイルスの災禍が去り、平穏な暮らしが戻るよう祈りを込めた。
アマビエとは江戸時代の肥後国(現在の熊本県)に現れたとされる伝説上の生き物。夜ごと海中に光る物が現れ、正体を確かめに行くと「我は海中深く住むアマビエと申す。当年より六年は諸国で豊作が続くが、疫病もまたはやるゆえ、我の姿を描き早々人々に見せよ」との予言を残し、海に帰って行ったという。
新型コロナの感染拡大に伴い会員制交流サイト(SNS)でイラストが投稿されるようになり、話題を呼んでいる。
上野宮司は「熊本県も熊野神社の多い所。姿は諸説あるが、海から来たというところから魚の姿で、光り輝くという記述から優美なソデフリウオをモデルにした。新型コロナの終息を祈っています」と語った。
(2020年4月22日付紙面より)
山の光工房で鳥獣などを供養 (古座川町 )
古座川町月野瀬にある同町鳥獣食肉処理加工施設「KOZAGAWA GIBIER 山の光工房」で20日、供養祭があり関係者14人が生活に供した動物の冥福を祈るなどした。
同施設が開所した平成27年2月、自然から頂く生命の尊さを忘れないため、敷地の南側に町内で供した諸々の動物を弔う鳥獣類・畜類・魚類供養塔を建立。以来年1回の頻度で法要を営み、供した生命への感謝を交えてその尊さを胸に刻む節目をつけている。
前年度は諸事情で機を逸して営めなかったため、今回は約2年ぶりの実施となる。高池にある龍谷山霊巌寺の小原征雄住職を迎え、西前啓市町長を筆頭に関係者14人が新型コロナウイルス対策を取りながら参列。小原住職が般若心経を唱えた後、順次手にした線香を同碑に手向けて合掌し、感謝と冥福の祈りを注いだ。
役場地域振興課の集計による前年度の有害駆除報告匹数は▽シカ1160匹▽イノシシ78匹▽サル126匹▽タヌキ21匹▽アライグマ17匹▽アナグマ8匹▽ハクビシン3匹。うちシカ375匹とイノシシ37匹を同施設で引き受けた。同施設は一定の条件を定めて町外近隣からも引き受けていて、前年度はシカ492匹、イノシシ120匹、計612匹を処理加工した。
同施設は現在、通称を前面に押し出し持ち味を生かした販路開拓を進めていて、精肉「古座川ジビエ」や企業・法人限定の最高ランク精肉「古座川清流鹿 金もみじ」、加工肉「こころうたれるシリーズ」(ステーキ〈鹿肉〉、コロッケ〈イノシシ肉〉、ハンバーグ〈同〉、焼き肉〈同〉)やサラダジビエ「ビュートミートシリーズ」(スタンダードとプレミアムの2種)といった商材を提供。本年度から地域おこし協力隊としてドイツ公認の食肉マイスター資格を持つ森田裕三さん(34)が職員に加わり、さらなる開発に取り組む状況にあるという。
(2020年4月22日付紙面より)
那智勝浦剣友会に所属 (伝達式 )
仲買人ら新鮮な鯨肉を入札 (太地町 )
太地町漁業協同組合(脊古輝人組合長)の捕鯨船「第7勝丸」(32㌧、竹内隆士船長、乗組員5人)が商業捕鯨で漁獲したミンククジラの鯨肉の入札が14日、太地漁協地方卸売市場で行われた。地域の仲買人7業者が参加し、3業者が入札した。
勝丸は5日から操業が開始された商業捕鯨に合わせ、3日夜に太地漁港を出発。天候の関係もあり、7日から漁を開始した。勝丸は宮城県や千葉県などほかの3隻と協力し、宮城県沖でこれまで3頭を漁獲している。
そのうち1頭は11日に勝丸が単独で漁獲したもので、全長約5㍍の雄のミンククジラ。鯨肉は同町以外では仙台や鮎川、四国の市場などに運ばれた。
太地漁協地方卸売市場では新鮮な赤身や畝須(うねす)、皮など約30㌔の鯨肉が競りにかけられ、入札された肉の一部は那智勝浦町のスーパーなどに並ぶという。
同漁協は「新型コロナウイルスの影響を受けて鯨肉の価格が良くないが、地元売りは値段が良いと思う」と期待を込めた。東欣哉同漁協総務課長は「良い値段がついてよかった。商業捕鯨なので調査捕鯨の時と比較して肉質が良くなっている。全国発送する形にしているため、これでクジラの食文化が広がってくれたらうれしい。勝丸には今後もたくさん捕っていただき、より良い肉を提供していけたら」と語った。
(2020年4月16日付紙面より)
酒類のテークアウト販売可能に (国税庁 )
国税庁は9日、新型コロナウイルスの感染拡大で大きな影響を受けている飲食店に対し、在庫酒類を料理と一緒にテークアウトできるように、期限付きの酒類小売業免許を付与すると発表した。
酒税法では、酒場、料理店その他酒類を自己の営業場で飲用に供する業を行う場合には販売業免許は必要ないが、テークアウト用など営業場以外の場所で飲用に供されるための酒類を販売する場合には、販売場ごとにその販売場の所在地の所轄税務署長から販売業免許を受ける必要がある。
コロナウイルスの感染拡大と外出自粛を受け、客数や売り上げの大幅な減少が起きている飲食店では、テークアウトの強化などで売り上げ確保を図っている。
これに起因し、国税庁は飲食店などが酒類小売業免許を取得しようとする場合、申請手続きの簡素化、免許処理の迅速化を図る観点から、一般の酒類小売業免許とは別に、新たに「期限付酒類小売業免許」を設け対応。飲食店のテークアウト用の酒類販売が可能となった。
期限付酒類小売業免許は6月30日(火)までに提出のあった免許申請書に限る免許で、免許は付与されてから6カ月が期限。自治体などから各種の要請などがある場合、これに従うことが条件。また、期限付酒類小売業免許で販売できる酒類は、既存の在庫をはじめ既存の取引先からの仕入れの販売に限る。
申請方法は国税庁ホームページ(https://www.nta.go.jp)から申請用紙をダウンロードし、住民票か登記事項証明書(法人の場合)とともに所轄の税務署へ提出する。
(2020年4月16日付紙面より)
津波避難総合センター (古座川町 )
古座川町高池の下部区内で建設中の津波避難総合センターの建物工事が完了間近となり、外観が見て取れるようになった。新型コロナウイルスの影響で工期が若干押しているが、外構工事も4月中に発注予定。同町総務課は新型コロナウイルスの影響でめどがつかない状況となっているが、一日も早い完成に努めるとしている。
このセンターは同町複合センターそばに立地を得て昨年7月20日に建物部分の工事が着工。大地震に伴う津波の到達を前提にし、平成23年紀伊半島大水害時の浸水位も加味して2階部分を260人対応の避難場所とする形で設計されている。
鉄筋コンクリート2階建て。13人乗りエレベーターや自家発電設備(20㌔㌾㌂、72時間想定)を備えるため屋上の一部が塔屋となっていて、残りは屋外階段と屋内階段の2系統で接続する避難フロアとしても利用できるようになっている。
1階は洋室と調理室、2階は和室〈18畳〉2室と会議室とシステムキッチンなどがあり、延べ床面積は約548平方㍍。1階部分は複合センターの更新施設として建物工事と外構工事が完了次第常用を始めるとし、需要があれば2階の会議室も含めるとしている。
建物部分の工期は当初今年3月25日までだったが、新型コロナウイルスの影響の一端で全国的に課題となっている便器不足に巻き込まれるなどし、やむなく工期を繰り越し延長して入荷を待つなどしている。
3月下旬まで建物を覆っていた足場などが外され、現在は建物の外観が見られる状態。間もなく発注する外構工事の工期も影響の予測がつかずいつ完成とは言い難いという。
(2020年4月16日付紙面より)
婦人団体連絡協が寿楽荘に (新宮市 )
新宮市婦人団体連絡協議会(仲富美子会長)と新宮市新宮赤十字奉仕団(同委員長)の仲会長らは14日、同市木ノ川の市立養護老人ホーム「寿楽荘」(松畑理荘長)を訪れ「少しでも役に立てていただければ」と会員らが制作した手作りマスク80枚を寄付した。
マスクは会員4人が2日間かけて制作したもの。ゴムひもやガーゼが品薄となっている中、自らのハンカチなどを使用し創意工夫を凝らして作り上げた。会員らは、やはり材料集めに苦労したとしながらも「少しでも喜んでいただけると作ったかいがあります」と笑顔で話す。
「作っているとカラフルなマスクが増えていきうれしくなります」と会員。その言葉通り、贈られた中にはチェック柄や和柄、水玉柄など彩り豊かなマスクが並ぶ。
仲会長は「こんな時だからこそ、せめて口元だけでも明るくなれば。そして、手作りマスクの輪が広がればいいですね」。
松畑荘長は「ありがたい。なかなかマスクが購入できず困っていたところ大変助かりました」と感謝を示した。
(2020年4月16日付紙面より)