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2017年09月30日
1 30周年記念誌「箱舟」
 環境問題研究会が発行  (新宮市 )

 環境や人権、熊野地方の歴史などさまざまな分野の講師を招き学んでいる新宮市の市民団体「環境問題研究会」がこのほど、30周年記念誌『箱舟』を発行した。講師を務めた人など46人が論文やエッセーを寄せているほか、これまでの活動年表などを掲載している。

 カトリック新宮教会の故ベダ・クレアリ神父が1985年に創設。後を継ぎ事務局を務めている植松晴孝・喜美子夫妻=同市磐盾=(ともに82歳)は「人が人として生きる時、失ってはならないものをしっかり見据えて、奪われようとする時には『これはおかしい』と声を上げていく生き方をしたいと願う人々の善意と熱意に支えられ、発行することができました」と感謝している。

 各分野の講師を招き、同市の井の沢隣保館などで毎月例会を開いている。会に規約や会則はない。会員は50人で年会費1000円。有名大学の教授なども講師を務めているが、肩書や交通手段にかかわらず、謝礼は1000円分の図書カードと決めている。

 「最初の頃は講師を務めてくれる人を探すのに苦労しました」と喜美子さん。「宗教色を出さずに続けてきたのが良かったと思います。この30年間で人の輪が広がったことが大きな財産です」

 晴孝さんは「地球環境を守るために一人一人何ができるか、から始まった会ですが、今では人間に関わるあらゆることを学んでいます。会員は40~80代。今後の希望は新しい世代の人たちに会を引き継いでいってもらいたい」と話していた。

 30周年記念誌はA4サイズ、92㌻。新宮市井の沢のくまの茶房(電話0735・21・1761)で有料で配布している。

(2017年9月30日付紙面より)

記念誌『箱舟』を手にする植松晴孝・喜美子夫妻=28日、新宮市井の沢
2017年09月30日
2 早期発見、治療が大切
 結核週間で啓発活動  (和歌山県 )

 結核予防週間(24~30日)に伴い和歌山県と結核予防会和歌山県支部は28日、新宮市佐野のスーパーセンターオークワ南紀店で街頭啓発を実施した。県職員3人が買い物客に啓発用パンフレットなどを配布した。

 結核は全国で年間約2万人が発症する重大な感染症。1日に50人の新しい患者が発生し、5人が命を落としている。厚生労働省は毎年9月24日~30日を「結核予防週間」と定め、重点的に結核に関する正しい知識の普及啓発を図っている。

 結核はたんの中に結核菌が出る重症患者がせきやくしゃみをすることで感染が広がる。症状はせき、たん、発熱、血たん、胸痛など。昨年の県の結核の現状では、新登録結核患者数が131人(前年比19人減)で、うち70歳以上が74%、80歳以上が58%となっている。30代未満の若年者でも4人が発病している。

 県は受診や発見の遅れが依然として見られるとし、「2週間以上、せき、たん、微熱などが続いたら、早めに医療機関を受診しましょう。結核は確実に薬を服用すれば、ほとんどが治る病気です。早期発見、早期治療が大切です」と呼び掛けている。

 東牟婁振興局健康福祉部の花光宏樹さんは「高齢の方が発病される事が多く、風邪かと思ってもすぐに受診することが大切です」と話していた。

 結核に関する相談は国立病院機構和歌山病院内の結核相談支援センター(電話0738・32・7033)まで。祝日を除く月~金曜日。時間は午後1時~4時。

(2017年9月30日付紙面より)

物資を手渡し呼び掛ける県職員ら=28日、新宮市佐野のスーパーセンターオークワ南紀店
2017年09月30日
3 古民家の再生活用に向け連携
 紀陽銀行やノオトと協定結ぶ  (串本町 )

 串本町(田嶋勝正町長)は28日、株式会社紀陽銀行(松岡靖之頭取)や一般社団法人ノオト(金野幸雄代表理事)=京都府篠山市=と地域活性化に向けた包括連携協定を結んだ。稲村亭(とうそんてい)など町域にある古民家の再生と活用を進める上での協力関係で、今後は年内に事業体や仮称『串本町古民家活用協議会』を立ち上げて再生や活用の具体化を進めるという。

 稲村亭は1872年に建築された民家で、無量寺そばに位置。前所有者の神田家が飢饉(ききん)救済のお礼として旧有田村の住民から譲り受けた杉の巨木を建材の一部に使っているといった由緒を持つ。同町は昨年3月に同家から譲渡を受け、今年4月以降は同町地域おこし協力隊員が隣接する家屋に実際に住み込んで活用方法を模索している。

 他方、紀陽銀行とノオトは両輪で政府施策「古民家等の歴史的資源を活用した観光まちづくり」の趣旨に合致する地域経済活性化を目指している。県域全体を面でとらえた周遊観光を構築する上で本州最南端は外せないという観点で同町に取り組みを紹介し、三者の思いは積極的に合致。連携協議へと発展し、実現の第一歩として今回の協定締結に至った。

 調印式は串本町役場であり、田嶋町長、紀陽銀行の日野和彦取締役上席執行役員、ノオトの藤原岳史理事の代表署名により『和歌山県串本町の歴史的資源を活用した地域活性化に向けた包括連携協定』を締結した。県内の自治体では有田市、湯浅町に次いで三例目。紀陽銀行とノオトはJR西日本とも連携協定をすでに締結していて、同日現在で3自治体1企業とともに目的達成を目指す状況になっている。

 田嶋町長は「この機に持ち得た地域資源をもう一度掘り起こしてPRし、人に来ていただくことによる地方創生を進めたい」とあいさつ。日野執行役員は自治体と住民や事業所が一丸になることが大切だとし、藤原理事は今後の振興は地域が宿す生活そのものを資源として捉えて進めると方向性を示唆して協働の意思を掲げた。

 ノオトは同市丸山地区における振興の一環で2009(平成21)年に設立。以来8年間で約60軒の古民家再生を手がけた実績を持つ。活用の手法は宿泊施設、カフェ、レストラン、ミュージアムと多彩。その積み重ねで同市の城下町を対象にしたエリアマネジメントのノウハウも有する。

 同町産業課の松原邦明主査によると、当面は稲村亭と現在交渉中の古民家1軒を集中的に再生、活用する予定。藤原理事は、古民家を当時の生活様式に沿って再生し希望すれば購入もできる形で活用を図るとし、まずは上記2軒を古民家の再生、活用モデルとして仕上げ、これらを交渉の材料にしてエリアマネジメントへの発展を目指す。実働を担う事業体は、地元雇用を視野に入れ民間主導で立ち上げるとしている。

(2017年9月30日付紙面より)

協定書に署名する連携3者の各代表者=28日、串本町役場
2017年09月30日
4 創立100周年の体育祭
 秋晴れの下、新翔高校  

 新宮市佐野の県立新翔高校(永石和校長)で29日、第11回体育祭が開かれた。テーマは「記念すべき、100回目の熱盛!」。

 生徒入場、校歌斉唱の後、小松莉那さん(3年)が聖火を聖火台に点火、永石校長が創立100周年に触れ「皆さんが引き継ぐ体育祭の伝統とは何だろうと考えたとき、真剣かつ元気はつらつにプレーすることだと思います」と述べ、「3年生にとっては、締めくくりの体育祭。しっかりとリーダーシップを取って、成功に導いてください」とあいさつ。

 実行委員長の南礼君(3年)が「とてもいい天気で神様が、頑張れと言っている気がする。3年生にとっては最後の体育祭。1、2年生も3年生に負けない元気で頑張りましょう」と呼び掛け、生徒代表の前田優さん(3年)、貝塚咲頼さん(3年)が「私たちを支えてくれる先生方、家族、新翔高校で出会ったかけがえのない友人に感謝の気持ちを込め、正々堂々と戦い抜くことを誓います」と宣誓し、競技に移った。

 競技は午前に各学年による団体種目や、クラス、クラブ対抗リレーなど、午後は応援コンクールやフォークダンスなどが行われた。

(2017年9月30日付紙面より)

2年生の競技スポーツ選択生による「熊野ハレヤ音頭」=29日、新宮市の県立新翔高校
2017年09月30日
5 おかはな農園Zが優勝 第124回職場対抗ボウリング大会 
2017年09月30日
6 月や土星の観察楽しむ  近大新宮でさいえんすプラス  (新宮市 )
2017年09月30日
7 公正かつ適正な選挙を 和歌山県警、衆院選に向け取締本部設置 
2017年09月30日
8 紙で作る飾り傘 新宮市、「かみくらサロン」で人気 
2017年09月30日
9 「風伝おろし」  本格的な秋の訪れ告げ  
2017年09月30日
10 お世話になった感謝を 熊野市、河上横町で追善供養 
2017年09月30日
11 美化奉仕などで意識高める 串本町、地磯の釣り愛好者ら30人 
2017年09月30日
12 400人超来場でにぎわう つばさ福祉会、古座川病院跡地でエコ祭り 
2017年09月30日
13 ヒメヤブラン  熊野古道高野坂で  
2017年09月30日
14 お悔やみ情報
  
2017年09月21日
15 県知事賞など決まる 第39回児童生徒木工工作コンク (30日、10月1日に展示会)

 新宮木材協同組合(植松浩理事長)、紀南木材新緑会(速水洋平会長)主催の「第39回児童生徒木工工作コンクール」の作品審査が19日に行われ、和歌山県知事賞、新宮市長賞、新宮木材協同組合理事長賞の3賞を含む全22賞が選ばれた。

 同コンクールは毎年開催されており、今年は新宮市、東牟婁郡、三重県南牟婁郡、田辺市本宮町の小中学校から501点の応募があり、各市町村の代表者などが審査した。上位3賞は来年開催される全国コンクールに出品される。審査員らは会場内の一つ一つの作品をじっくりと見ながら選んでいった。

 展示会は30日(土)、10月1日(日)の午前9時から午後5時(最終日は午後4時)まで、新宮市あけぼのの新宮木材会館2階で開かれる。来場者には粗品進呈。小学生以下の子どもにはヨーヨーつり、スーパーボールすくいがある。

(2017年9月21日付紙面より)

コンクールの審査の様子=19日、新宮市あけぼのの木材会館
2017年09月21日
16 清掃活動に汗流す 「社会奉仕の日」に会員ら (新宮市ゆうゆうクラブ)

 全国一斉社会奉仕の日の9月20日、新宮市のゆうゆうクラブ(老人クラブ連合会・上廣正幸会長)は市内各所で美化活動を実施した。37団体429人が早朝から清掃活動に汗を流した。

 全クラブ参加で美化活動に取り組むことで、地域社会への感謝と地域の担い手としての活力を示し、次代に良い環境を残そうと毎年実施している。

 各クラブ会員らはそれぞれ熊野速玉大社周辺や新宮高校前、新宮城跡付近、阿須賀神社などに分かれてごみ拾いや草むしりなどをした。長寿会は24日(日)に佐野駅周辺を清掃する予定。

 阿須賀神社や宮井戸、不老閣周辺では第一蓬莱親睦クラブ、第二蓬莱クラブ、第三蓬莱クラブ、蓬莱春秋クラブの会員ら約50人が参加。黙々と作業する人や、顔を合わせ和気あいあいと話をしながら取り組む姿があった。

 第一蓬莱親睦クラブの畑地泰明会長(72)は「朝早くからみんなよく来てくれました。地元の宮様、みんなの神社を大切にしなければという思いもあり、今年は世界遺産に登録されたので、よりきれいにしなければと感じます。祭りを前にちょうどいいですね」。

 第二蓬莱クラブの福住昌子会長(83)は「20年ほど、毎年実施しています。だんだんと高齢化で参加する人も少なくなっています。平均年齢は80歳で、皆腰も足も悪くなっていますが頑張っています」と話していた。

(2017年9月21日付紙面より)

草むしりなどをする会員ら=20日、新宮市の阿須賀神社周辺
2017年09月21日
17 園児の訪問に拍手 須崎区敬老大会 (那智勝浦町)

 那智勝浦町天満の町民センターで16日、須崎区敬老大会が開かれた。楠本實区長のあいさつ、物故者への黙とうの後、わかば保育園の歌遊びや手遊びが始まった。

 センターには「おにぎりさん」「マジカルメガネ」など楽しい歌声が響いた。園児たちは最後に全員で「おじいちゃんのお歳」を大合唱。来場者から「かわいいね」「元気やね」と大きな拍手が送られた。

 その後は藤紀実美さんはじめ、藤紀孝子さん、永田壽美代さん、榎本惠美子さん、前地忠子さんによる日本舞踊の披露、マヒナ・ホホさんのフラ、北郡克至さんの鉄琴演奏などがあり、来場者らは和やかな時間を過ごした。

 北郡さんの鉄琴演奏では「赤とんぼ」「紅葉」などの曲に合わせ、来場者も一緒に口ずさんだ。日本舞踊の「御陣乗太鼓」の子どもたち、藤紀彩愛さん、湯川心結さん、中住茉愛さんにも大きな拍手が送られた。参加者代表で永寿会の和田美津子会長は「今年もここに来ることができ、皆さんに会えてうれしい。今日のためにご尽力くださった皆さまありがとうございました」とお礼の言葉を述べた。

 木戸浩二区長代理のあいさつがあり閉会。「また来年も皆さん元気で会いましょう」と司会進行の田中秀俊さんが呼び掛けた。

(2017年9月21日付紙面より)

わかば保育園の園児たちが「おじいちゃんのお歳」を歌う=16日、那智勝浦町
北郡克至さんの鉄琴に合わせて歌を口ずさむ来場者
開会のあいさつをする楠本實区長
2017年09月21日
18 高校生らの規範意識促す
 JR古座駅でマナーキャンペーン  (串本町 )

 串本町西向にあるJR古座駅で19日早朝、きのくに・さわやかマナーアップキャンペーンがあり高校生を含む20人が啓発物資を配るなどして規範意識の向上を促した。

 このキャンペーンは、少年の公共の場における規範意識の向上と健全育成を図るため、県警が関係機関団体と連携して適時実施している。串本警察署は串本駅と古座駅の2カ所で展開していて、主に通学中の高校生を対象にして働き掛けている。

 本年度は春に串本駅で展開済みで、この日は古座駅の巡り。啓発員の内訳は同署生活安全刑事課、少年補導員、串本青少年センター職員、県立串本古座高校古座校舎の生徒や教員、JR西日本職員、串本町職員で、列車通学する高校生らにティッシュペーパーやファイルフォルダーなどの啓発物資を配って公共でのルールやマナーの順守を呼び掛けた。

 併せて列車到着を待つ間、駐輪場の整理整頓や無施錠自転車への鍵かけ啓発エフ付けや同駅周辺の清掃活動などにも取り組み、安易に犯罪行為をさせない雰囲気づくりにも努めた。

 同校舎生徒会執行部の出口怜奈副会長(2年)は同駅トイレの裏でたくさんの吸い殻を見つけて少しショックだったそうで、「目につく範囲で回収しましたがまだ残っているかもしれない。みんなが過ごしやすい社会をつくるため、マナーは守ってほしい」とコメント。

 他方、駐輪場の自転車の約半数が無施錠か鍵自体がついていない状態。同署生活安全刑事課課員は「こういう状況から盗まれてしまうケースは実際に起こっている」とし、エフ付けした自転車所有者の状況改善を期待した。

(2017年9月21日付紙面より)

物資を配り規範意識を促す啓発員ら=19日、JR古座駅
2017年09月21日
19 住宅・商業地ともに下落  高台は上昇、基準地価発表  
2017年09月21日
20 大人になったら何になる  三輪崎幼稚園で読み聞かせ  (新宮市 )
2017年09月21日
21 先人の労苦をたたえる  イオン熊野店前で頌功祭  (熊野市 )
2017年09月21日
22 秋晴れの空の下で  色川小、中、大野保が合同運動会  (那智勝浦町 )
2017年09月21日
23 のびのびと体動かす  近大新宮祭体育行事の部  (新宮市 )
2017年09月21日
24 子どもみこ6人稽古に励む 串本町、古座神社例祭奉納に向け 
2017年09月21日
25 9月定例会一般質問③  串本町議会  
2017年09月21日
26 秋晴れの下、熱気あふれる  三輪崎八幡神社例大祭  
2017年09月21日
27 ヒガンバナ咲く  熊野地方各地で  
2017年09月21日
28 文化複合施設配置で悩む 新宮市、1棟案、縮小も含め検討中 
2017年09月21日
29 お悔やみ情報
  
2017年09月16日
30 厳かに本殿大前ノ儀
 神輿渡御は18日に催行  (三輪崎八幡神社 )

 新宮市の三輪崎八幡神社(上野顯宮司)で15日、同社例大祭の本殿大前ノ儀が営まれた。中村武・氏子総代会長ら祭り関係者約30人が参列。神様をたたえて地域の平穏無事を願った。

 例大祭は、漁労加護、五穀豊穣(ほうじょう)、商売繁盛など地域の繁栄を願い、現在の三輪崎漁協付近にあった元宮に神様が年に一度里帰りする祭り。

 大前ノ儀では、厳かな雰囲気の中、中村総代会長らが金弊を納めた。金弊は神様の神徳をいただくより代で▽総代会▽三輪崎区▽漁業協同組合▽農業実行組合▽大黒講―の各団体が保管していたもの。上野宮司が祝詞、湊川大介区長が祭詞を奏上し、参列者らが玉串を供えた。

 神輿渡御(みこしとぎょ)は台風の影響で18日(月・祝)に行うと決定した。当日は正午ごろに神社を出発し、続いて、恵比寿、二十四孝(にじゅうしこう)、大黒天の3台の山車がJR三輪崎駅前や東海岸沿いの道路を通って三輪崎漁港まで練り歩く。午後2時ごろから三輪崎郷土芸能保存会の「鯨踊り」と「獅子神楽」、三輪崎婦人会、台楽保存会、若吉会の踊りなどが披露される。

 中村総代会長は「区民の安全を考えると神事であっても延期にしなければならない。協力的にやっていただき、無事に執り行われるよう祈っています」と話していた。

(2017年9月16日付紙面より)

玉串をささげる氏子総代の皆さん=15日、新宮市の三輪崎八幡神社
2017年09月16日
31 林野庁長官賞を受賞
 瀬古伸一郎さんのコンテナ苗  (新宮市 )

 新宮市新町、株式会社山一本店代表取締役の瀬古伸一郎さん(43)は15日、同市緑ヶ丘の東牟婁振興局を訪れ、児玉征也振興局長らに全国山林苗畑品評会で銀賞に当たる林野庁長官賞受賞を報告した。同品評会のコンテナ苗部門では和歌山県初の受賞。

 コンテナ苗は、根の形状が保たれて植栽しやすく、時期を問わずに植えられるメリットがある。苗木の活着率もよいという。瀬古さんは同市あけぼのにある苗畑約0・5㌶で創意工夫を重ね、優良苗木を効率的で堅実に生産していることが評価された。瀬古さんは3年前から取り組み、積極的に先進地視察や研修会などに参加、試行錯誤を繰り返しながら現在の生産体制を確立。これまでに5万本を生産した。

 児玉局長は「県代表としての受賞はわれわれの誇り。東牟婁地方の林業が盛んになってほしい」と喜んだ。瀬古さんは「工夫を重ね、広めていきたい。次は金賞の農林水産大臣賞を目指す」と意気込んでいた。

 品評会は全国山林種苗協同組合連合会が全国の民営苗畑の育苗技術と経営の改善意欲の高揚などを目的に毎年開催している。都道府県単位の審査で選ばれた後、地区単位と全国単位の審査を経て各賞が選考される。瀬古さんのコンテナ苗は昨年11月に開かれた県の審査で知事賞を受け、今月7日福岡県福岡市で開催された全国品評会へ出品された。

(2017年9月16日付紙面より)

受賞を報告した瀬古伸一郎さん(左)と児玉征也・東牟婁振興局長。手前はスギのコンテナ苗=15日、新宮市緑ヶ丘の東牟婁振興局
2017年09月16日
32 柿原勝彦さん(高槻LC)迎え
 串本・勝浦・新宮の合同例会  (ライオンズクラブ )

 大阪府と和歌山県全域が所属するライオンズクラブ(LC)335―B地区ガバナー柿原勝彦さん(高槻LC)を迎え13日、那智勝浦町の休暇村南紀勝浦レストラン「はまゆう」で串本・勝浦・新宮の合同例会が開かれた。

 ホストを務める勝浦LC須川晴夫会長の開会宣言で始まり、新宮LC宮本昌幸会長が地区ガバナー、地区役員・委員を紹介。須川会長が「有意義で実りのある会を」とあいさつした。

 柿原さんが国際会長方針と地区ガバナー運営方針を説明。「故郷を大事に、町づくりは人づくり、人づくりは町づくりを大きなスローガンにしている。100周年を過ぎたライオンズクラブを新しくしていく。昨年クラブ会員は260人減ってしまった。今後は会員1000人の増強をめざしPRしてもらいたい」と述べた。

 勝浦LCは55周年にあたり、初の女性会員・樋口眞奈美さん(ホテルなぎさや・おかみ)を迎えた。勝浦LCの新会員は樋口さんを含め2人だった。新会員には地区ガバナーからバッジが手渡された。各クラブが報告を行った後、須川会長が閉会宣言をした。

(2017年9月16日付紙面より)

握手を交わす勝浦LC初の女性会員・樋口眞奈美さん(左)と地区ガバナーの柿原勝彦さん=13日、那智勝浦町宇久井の休暇村南紀勝浦
ライオンズヒムを斉唱する会員ら
2017年09月16日
33 藤田栄造さんに感謝状贈呈
 迅速適切な救助をたたえる  (串本海上保安署 )

 串本海上保安署(東浦博昭署長)は14日、串本町古座にある藤田渡船代表・藤田栄造さんに感謝状を贈り迅速かつ適切な人命救助行為をたたえた。

 藤田さんは8月16日午後2時40分ごろ、箱島へ渡していた磯釣り客から「船が流れているので引っ張りに来てほしい」と連絡を受け渡船「第二静保丸」で急行。2時50分ごろ、瀬島の西約100㍍で転覆したダイビングボート「K」を見つけ、ボート上で助けを求めるダイバー10人を自船で保護した。

 同ボートは箱島沖のダイビングポイントを目指して出港したが、台風7号のうねりと風が強く危険と判断し陸そばのポイントへと目的地を変更。移動中に船尾からうねりや風を受けて転覆し、船長とダイバーは船底にはい上がって約1時間漂流した。

 転覆場所から岸までは最短距離で1500㍍。最大風速約12㍍の東風でボートは幸いにして陸方向に流され、箱島付近に達した時点で船長が磯釣り客のところまで泳いで助けを求めた。藤田さんは強風の中、箱島と九龍島の中間に流されたボートへ慎重に渡船を寄せてダイバーを乗り移らせ、ボートをえい航して動鳴気漁港へと運んだ。

 船﨑輝康次長によると、連絡後わずか10分という迅速な対処開始と巧みな操船でダイバー客10人をけがなく救助した点が感謝状贈呈の理由だという。

(2017年9月16日付紙面より)

迅速適切な人命救助行為をたたえる感謝状を受けた藤田栄造さん(中)ら=14日、串本海上保安署(同署提供)
2017年09月16日
34 12部門に分かれて熱戦展開
 秋季紀南卓球大会  
2017年09月16日
35 久居高校が優勝 第97回紀南バレーボール連盟杯秋季大会 
2017年09月16日
36 17日午後に近畿接近か  台風18号  
2017年09月16日
37 人口問題や医療体制 新宮市議会、9月定例会一般質問3日目 
2017年09月16日
38 雅楽で315人迎える 新宮市、ぱしふぃっくびいなす入港 
2017年09月16日
39 赤い実鈴なり  浮島の森のイヌウメモドキ  
2017年09月16日
40 発表に温かい拍手 宇久井保育所「おじいちゃんおばあちゃんの集い」 
2017年09月16日
41 那智勝浦町出身・黒木かほさん2位入賞  世界最高峰のダンス大会で  
2017年09月16日
42 9月定例会一般質問②  串本町議会  
2017年09月16日
43 2年生7人勤労経験積む 串本西中の職業体験学習 
2017年09月16日
44 センナリホオズキ  能城山本の休耕田で  
2017年09月16日
45 「彩雲祭」が開幕 新宮高校、クラス発表やバザーは19日に延期 
2017年09月08日
46 子どもを守る白い犬
 来年の大絵馬が完成  (速玉大社 )

 新宮市の熊野速玉大社で7日、来年のえと「戊戌(つちのえいぬ)」の大絵馬が完成した。白い紀州犬と3匹の子犬を描いた上野顯宮司は「子どもを守り、しっかりと育ててもらいたいとの願いを込めました」と話した。12月から大社拝殿に掲げる。

 大絵馬はヒノキ製で、大きさは縦1・5㍍、横2・1㍍。毅然(きぜん)とした父犬が、無邪気な子犬たちを守っている姿が描かれている。父犬の首には、大社のご神木で平和の象徴であるナギの葉をあしらったしめ縄が巻かれている。

 上野宮司は2000(平成12)年から毎年大絵馬を描いている。今年は6色のアクリル絵の具を使い、約1カ月で完成させた。仕上げに「浄心愛徳」の文字を書き添えた上野宮司は「子どもが巻き込まれる事件が多く報道され、心を痛めています。清い心を持って、愛と徳を子どもたちに授けてほしいという思いを込めました」と話していた。犬のモデルはかつて自宅で飼っていた紀州犬で、親犬の慈愛に満ちた目を描くのに苦労したという。

 毎年、JR新宮駅に掲げている小絵馬(縦75㌢、横110㌢)も完成した。3匹の子犬を守る母犬が描かれている。

(2017年9月8日付紙面より)

絵馬について説明する上野顯宮司=7日、新宮市の熊野速玉大社
2017年09月08日
47 第五福竜丸の経緯学ぶ 下里中3年生が平和学習 (那智勝浦町)

 那智勝浦町立下里中学校(前正則校長)は5日、3年生21人を対象に平和学習を実施した。1954年にマーシャル諸島のビキニ環礁近くでアメリカの水爆実験により被爆したマグロ漁船「第五福竜丸」について、紀州語り部・仲江孝丸さんが講演した。

 3年生の修学旅行の行程に東京都立第五福竜丸展示館が含まれていることもあり、同船の歴史に詳しい仲江さんを招いた。生徒らはこれまでにも、NHKのドキュメンタリーや絵本の読み聞かせなどでビキニ事件について学んでいる。

 第五福竜丸はもともとカツオ漁船「第七事代丸」として旧古座町の造船所で作られた。4年間カツオの水揚げ日本一を誇り、51年にマグロ漁船として改造、53年に改名された。被災してからの福竜丸は56年に東京水産大学の練習船「はやぶさ丸」となり、67年に廃船となってからは東京都の夢の島に捨てられていた。

 やがて保存運動が始まり、76年6月、東京都の施設として展示館が開館。別の貨物船に移されていた福竜丸のエンジンが68年に三重県御浜町沖で貨物船と共に沈没し、96年に引き揚げられて福竜丸の横に展示された。

 仲江さんは、初めにサンゴでできた美しい島々の映像を紹介。この島々で46年から58年にかけて67回もの核実験が行われたと述べ、第五福竜丸が造られてから被ばくするまでの経緯、魚や環境への汚染などを語った。

 福竜丸が被ばくした水爆実験の名は「ブラボー」。実験当事者らの予想を上回る破壊力で、実験を行った島は消え去り深さ120㍍、直径1・8㌔のクレーターができたという。爆発によりサンゴ礁が蒸発、細かいちり(死の灰)となって降り、乗組員や近くの島の住人が被ばくした。

 ビキニ事件後、日本各地に水揚げされた魚は放射能汚染魚として次々と廃棄された。仲江さんは事件をきっかけに反核世論が高まり、55年、広島で第1回原水爆禁止世界大会が開かれたことを説明し、今年7月に核兵器禁止条約が国連で採択されたことも紹介した。

 授業の後、清原楓雅さん(14)は「ドキュメンタリーなどを見たが、今日は知らないことがたくさんあった。第五福竜丸のことを世界に知ってもらい核兵器をなくしてほしい」と話していた。

(2017年9月8日付紙面より)

映像に見入る生徒たち=5日、那智勝浦町立下里中学校
2017年09月08日
48 実践報告や講演受け研さん
 県内の母子保健推進員ら  (串本町 )

 串本町文化センターで6日、母子保健・健全育成住民会議があり県内の母子保健推進員や子育て支援関係者ら約400人が安心して生き生きと子育てできるまちづくりを目指して研さんした。

 この会議は、県母と子の健康づくり運動協議会(狭間歌子会長)が全体研修として年1回、県や母子保健推進会議と共に主催。会場は同協議会7支部で持ち回っていて、本年度は新宮・東牟婁支部(井野千代支部長)が主体になって計画した。

 同協議会のスローガン「社会が子育て、地域で子育て、環境づくり」を掲げ、同支部管内各市町村単位での活動状況紹介や実践発表、特別講演といった講演を準備。新宮市~三重県紀宝町で活動するユニット「ベリル」による演奏と管内の主な見どころの低空撮影映像上映といったオープニングを経て開会した。

 主催者を代表して井野支部長は母子保健推進員の意義や抱負を語り、「困っているお母さんや子どものために共に学びつながり、子育てを地域で応援しよう」、児玉征也東牟婁振興局長は県内の状況や取り組みを紹介し「地域のつながりが弱まった時代だからこそ、子育て支援包括支援センターで切れ目のない支援を行う必要があり、そのために地域に根付いたつながりが重要になる。常日頃から切れ目のない支援体制の充実を各市町村の皆さまと共に図りたい」とあいさつ。

 会場地を代表して串本町福祉課の瓜田真理子副課長が町長メッセージを代読。「皆さまが母子保健向上のために活動されていることに敬意と感謝を申し上げる。今後も支援の輪を広げ、地域の中で気軽に相談できる存在として子育て世代に寄り添ってほしい」という期待を参加一同に寄せた。

 実践報告では那智勝浦町北浜にあるかづこ助産院の本舘千子院長が登壇。「子ども達のために」と題して同院設立の経緯や実践として取り組んでいる各ライフステージの世代に命の大切さを伝える地域活動の体系を説明し、「いい母ではなく幸せな母が幸せな子をもたらす。その世代循環を生むために今後も活動する」と目指すところを掲げた。

 特別講演では梅花女子大学心理こども学部の伊丹昌一教授が「発達障害の理解と親子への支援」と題して登壇。子どもが何に困っているかを見抜き、周囲はどのように関わればよいかといった点で持論を展開し、参加者はヒントとなる事柄を探りながら聴講した。

(2017年9月8日付紙面より)

開会にあたりあいさつする井野千代支部長=6日、串本町文化センター
参加した県内の母子保健推進員や子育て支援関係者ら
2017年09月08日
49 50年ぶりに復活
 女性たちが「三輪崎の鯨踊り」  (新宮市 )

 1960年代に三輪崎の女性たちが踊っていた『三輪崎の鯨踊り』が復活しようとしている。踊るのは三輪崎老人クラブ連合会(江川守会長)の女性部員たち。22日(金)の舞込芸能大会で披露する予定で、1日には11人が老人憩の家はまゆうで練習に励んだ。

 『三輪崎の鯨踊り』は鯨を捕る様子を踊りに仕立てており、三輪崎郷土芸能保存会(濱口仁史会長)が伝承している踊りは県の無形民俗文化財の指定を受けている。

 今回復活するのは手踊りで、江川会長は「僕が25歳くらいの頃、この地方を訪れた歌手が鯨踊りを『素晴らしい』と持ち帰ったと聞いた。その後、民謡集の中に手踊りとともに収められていたのを三輪崎青年会女子部が祭りの際に数年披露していました。波や網を投げる様子などが表現されています」と振り返る。

 当時踊っていたことのある、地域の70代の女性が教えており「先輩に教わったのを覚えていました。皆さん踊りたいという意欲があるのはいいこと」と話していた。

 江川会長は「当日は8人で踊る予定。踊りの復活は大変いいこと。協力も頂き、うれしく思う。懐かしく思う人もいるのではないでしょうか」と話していた。

(2017年9月8日付紙面より)

「ヨイハ」の掛け声に合わせて踊る女性たち=1日、新宮市三輪崎の老人憩の家はまゆう
2017年09月08日
50 県一次組み合わせ決まる
 選抜出場目指し、9日開幕  
2017年09月08日
51 佐藤春夫記念館だより 第22号1万7000部発行 
2017年09月08日
52 伊藤准一さんに委嘱状  新宮市民生委員児童委員  
2017年09月08日
53 100歳の長寿祝う 藏本せい子さんらを紀宝町長訪問 
2017年09月08日
54 感謝の気持ち伝え 那智勝浦町・寺本眞一町長が敬老訪問 
2017年09月08日
55 世界の海で生きる熊野人  櫻井敬人さん記念講演  (和歌山大学 )
2017年09月08日
56 陶芸に関心持って  新宮信金勝浦支店で二人展  
2017年09月08日
57 命を守る約束 那智勝浦町、園児が交通安全教室 
2017年09月08日
58 体験レッスンなど利用集める 串本町、Yoga in 橋杭 Beach 
2017年09月08日
59 6人が修了目指して受講 串本町消防本部、消防防災セで普通救命講習 
2017年09月08日
60 望楼の芝で大だこ揚げに挑戦 串本町、人の力のつながりを表現 
2017年09月07日
61 早船の櫂作り追い込み
 船大工の谷上嘉一さん宅  (「御船祭」に向け )

 新宮市の熊野速玉大社の例大祭「御船祭」(10月16日)を約1カ月後に控え、熊野川流域で唯一の船大工、谷上嘉一さん(75)宅=紀宝町北桧杖=の作業場では早船競漕(きょうそう)で使う櫂(かい)の製作が追い込み期を迎えている。今年は約100本作る予定で、半分完成している。

 シイの木で作る櫂の長さは約1・85~1・95㍍。“ヒナ”と呼ばれる水かき部分は幅約21㌢。練習で舟と接触する部分が傷み、折れてしまうこともあることから、祭り本番はほとんどのチームが新品で出場する。

 谷上さんは櫂を20年以上前から製作している。木によって堅さが違うことから、しなりが必要な“ヒナ”の厚さに一番気を使うという。

 神迎えの喜びを表している御船祭は昨年3月、国の重要無形民俗文化財に指定された「新宮の速玉祭(はやたまさい)・御燈祭(おとうまつ)り」に含まれている。「速玉祭」は神霊を載せた馬が大社や御旅所(おたびしょ)を巡る10月15日の神馬渡御式(しんめとぎょしき)と、神霊を神輿から御神幸船(ごしんこうせん)に遷(うつ)して熊野川を遡上(そじょう)し、早舟競漕とともに御船島を回る翌16日の神輿渡御式(みこしとぎょしき)からなる。

 早船競漕は、全長8・9㍍、幅1・4㍍の木造船9隻に各11人が乗り込み順位を競う。3回の優勝経験がある谷上さんは「輝かしい歴史と伝統のある祭りですが、昔に比べると観客がだいぶ減っている。祭り関係者と地域が一体となって盛り上げていくことができれば」と話していた。

(2017年9月7日付紙面より)

櫂を仕上げる谷上嘉一さん=5日、紀宝町北桧杖
2017年09月07日
62 全国大会に向けて特訓
 近大工学部空手部が合宿  (那智勝浦町 )

 広島県にキャンパスを構える近畿大学工学部の空手道部(有貞涼主将、20人)が3日、那智勝浦町体育文化会館へ合宿に訪れた。11月19日(日)に日本武道館で催される全日本大学選手権大会に向けて練習に励んだ。

 地元のサポートを受けて練習に集中できることから、約5年前から同町で合宿を行っている。基礎体力や攻撃の強化を目的とした7泊8日の行程で、8月30日にみなべ町清川の本誓寺ふるさと道場で稽古を積み、3日午前に那智勝浦町入り。5日午後に白浜へ向かった。

 合宿に参加した選手20人のうち10人は10月7日(土)から9日(月・祝)まで愛媛県四国中央市の伊予三島運動公園体育館で開かれる「えひめ国体」の空手道の部に出場する。中には、スペイン・テネリフェで10月末に開かれる「第10回世界ジュニア&カデット、21アンダー空手道選手権大会」に出場する選手もいる。

 4日、寺本眞一町長が選手らと面会し「この合宿が皆さんにとって実りあるものになり、全国で頑張っていただけたら」と激励し、スポーツドリンクを差し入れた。

 同部情報学科4年の有貞主将(22)は「1~3年で同じ大学に負けているので、4年の最後の大会で勢いづけて、優勝まで駆け抜けたい」と意気込みを語った。

(2017年9月7日付紙面より)

選手らに激励の言葉を掛ける寺本眞一町長=4日、那智勝浦町体育文化会館
練習に汗を流す
2017年09月07日
63 総合災害警備訓練を実施
 消防や警察航空隊と連携も  (串本警察署 )

 串本警察署(津田健治署長)は5日、南海トラフ巨大地震の発生を想定した総合災害警備訓練に取り組んだ。終盤では和歌山県警察航空隊や串本町消防本部と連携し警察ヘリ「きのくに」による負傷者搬送訓練も実施。ドクターヘリ以外の空路搬送の手法を探るなどした。

 同署が毎月5日に取り組んでいる災害に備える日訓練の一環。今月は防災週間(9月1~7日)中の実施となることから特に規模を大きくし、①初動対応訓練(災害警備本部立ち上げ訓練など)②信号機滅灯対策訓練③警察ヘリによる負傷者搬送訓練―の各訓練を計画した。

 ①は署員が必要な資機材などを持って串本町サンゴ台にある代替指揮所へ車両移動し、速やかに災害警備本部を立ち上げる内容。6月に配備された捜索用ドローンで撮影した映像データをモニターに表示する段取りも合わせて実践した。

 ②は国道42号潮岬東信号交差点の電源を落とし、手信号で車両誘導をしながら発電機を信号機の電源付加装置につないで復旧させる内容。同装置は限りある人員を捜索や情報収集に充てるために導入されていて、署員全員が手信号と復旧操作をこなせる状況を見据えて実践した。

 ③は同署初の取り組みで、同本部が陸路搬送した重傷者を警察ヘリが引き継いで空路搬送する内容。今回は倒壊家屋から救出した重傷者を想定し、バックボードに固定した状態で救急隊員が警察ヘリへ運び込む流れを実践して手法を探った。

 捜索用ドローン運用を除く①と②の訓練は過去にも取り組んだ内容で、練度向上が目的。③はドクターヘリのような救命装置はないが警察ヘリも空路搬送ができ、特に広域災害発生時には警察ヘリによる負傷者搬送の必要性も十分考えられることから、その手法を探ったという。

 同訓練について津田署長は「こういった訓練の目的は、実際に起こった時にいかに動けるかにある。訓練を通して互いを理解すれば自分が取るべき行動をイメージできるようになる。問題点があれば解消して次の訓練をする。そうやって徐々に自分のやるべきことを理解し、いざという時に連携して動ける状況につながっていけば」と効果を期待した。

(2017年9月7日付紙面より)

同署初の警察ヘリによる負傷者搬送訓練の様子=5日、串本町サンゴ台
2017年09月07日
64 秋の味覚モクズガニ
 赤木川などで漁始まる  

 新宮市熊野川町の熊野川支流赤木川など各地で秋の味覚、モクズガニ(藻屑蟹、別名ズガニ)漁が始まっている。熊野川上流域では10月ごろまで漁が続く。

 海で産卵し一時期を過ごしてから川に遡上(そじょう)して育つカニで、産卵のため川を下る秋ごろから本格的な漁が行われている。一般的な漁は、川底に魚のあらなどを入れた籠を沈めておき、朝に引き上げる。捕れたカニは塩ゆでやみそ汁に入れて食べる人が多い。お酒が好きな人はカニみそが入った甲羅に日本酒を入れて飲む。

 同町西の民宿業、中澤秀昭さん(72)は自宅近くの川で毎年漁をしている。今季は8月20日ごろから漁を始めた。

 6年前の紀伊半島大水害の影響で一時は捕獲量が減っていたが、大きさも量も水害前と同じくらいに回復してきているという。

 「8月は全然だめでしたが、9月に入ってから入り出しました。多い時で一籠に15匹ぐらい入ります。捕ったカニは自分ではほとんど食べず、友人らにあげています」と話していた。

 モクズガニは甲幅7~8㌢、重さ180㌘ほどに成長する川では大型のカニ。はさみに濃い毛が生えているのが特徴で、日本全国のほか、朝鮮半島東岸、台湾などの川、水田、用水路、河口などで生息している。淡水域にいる時は基本的に夜行性で、カワニナなどの貝類、小魚、水生昆虫を食べる。

(2017年9月7日付紙面より)

仕掛けた籠からモクズガニを取り出す中澤秀昭さん=5日、新宮市熊野川町
2017年09月07日
65 優勝は尾鷲中 熊野ベースボールフェスタ中学軟式野球 (木本・阿田和中合同チーム準優勝)
2017年09月07日
66 72人が昇級・昇段 県弓道連盟主催の段級審査 
2017年09月07日
67 蓬莱フレンズが2連覇
 JAみくまの旗学童軟式野球大会  
2017年09月07日
68 水害体験を紙芝居で 市野々小で防災士・久保榮子さん講話 
2017年09月07日
69 少しでも力になりたい 那智勝浦町、交通指導員に松本忠子さんら 
2017年09月07日
70 1位に濵口恵美さん  熊野ネイチャーフォトクラブ8月例会  
2017年09月07日
71 ゆったり体をほぐす 新宮市王子地区で恒例のゆる体操 
2017年09月07日
72 地域から4人が入選  第102回二科展  
2017年09月07日
73 収穫の苦労と喜びを体験  高池小と三尾川小が稲刈り  (古座川町 )
2017年09月07日
74 決算案含む42案件を審議  串本町議会9月定例会始まる  
2017年09月07日
75 10周年の集大成響かせる 串本町、「はいからーず」コンサート 
2017年09月07日
76 クズの花  高野坂沿いで  
2017年09月07日
77 お悔やみ情報
  
2017年09月03日
78 体験やステージにぎわう
 スパセン南紀・熊野防災イベント  (新宮市 )

 「スパセン南紀・熊野防災イベント」が2日、新宮市佐野のスーパーセンターオークワ南紀店を会場に始まった。同店テナント会主催。来場者や買い物客らが訪れ、ダンスステージや展示されている車両を見学し、起震車や煙の体験などをした。

 同会では5年前にも防災イベントを開き、集まった義援金を市などに寄付している。オープニングで下向栄一会長は「全国、いつどこで起こってもおかしくない災害。私たち南紀店内のテナント会で何かしていこうとイベントを開いた。防災のいろんな体験とフラのショー、明日はプロ歌手のライブもあり楽しんでもらいたい」とあいさつ。

 来賓の田岡実千年市長は「今日は災害などに活躍する車両の展示、体験、イベントがあると聞いている。多くの方々に体験してもらいたい」。県議会の濱口太史議員は「防災イベントを民間で立ち上げて行っていただくことは大変有意義。民間、一般の皆さまに防災意識を高めていただくことが一人の犠牲者も出さない方向に向かっていくことだと思う」。泉正徳議員は「防災意識を高めてくれるイベントを開いてくれた各位に感謝したい。6年前の大変な災害から、いつ来るか分からないものに備え、気を引き締めていかなければならない」と述べた。

 会場では国土交通省紀南河川国道事務所の排水ポンプ車、照明車、対策本部車をはじめ、自衛隊の軽装甲機動車などの車両展示があり、来場者らが実際に乗り込み記念撮影するなどした。起震車や煙の体験では子ども連れの家族らの姿もあった。店内では家具固定の講習会防災グッズ展示、アドバイスコーナーなどがあり、屋外ステージでは5組のフラチームが青空の下で踊りを披露した。

 3日は午前11時から小芝陽子さん、午後3時から丸石輝正さんのライブを予定している。車両展示は午前9時30分~午後4時。

(2017年9月3日付紙面より)

ステージではフラの披露があった=2日、新宮市佐野のスーパーセンターオークワ南紀店
2017年09月03日
79 「おはしも」を守って
 丹鶴幼稚園で地震津波避難訓練  (新宮市 )

 新宮市立丹鶴幼稚園(下岡容子園長、園児67人)は1日、地震と津波を想定した避難訓練をした。園児らは防災頭巾をかぶり、市保健センター横のタウンガーデンまで逃げた。

 同園では年に6、7回ほど避難訓練を行い、防災意識を高めている。この日は午前10時に地震発生を知らせる放送が流れ、園児らは職員の指示に従って机などの下に身を隠した。揺れが収まると、園児らは防災頭巾をかぶって園庭へ。そこから歩いてタウンガーデンに避難した。

 下岡園長は「地震で揺れたときには丈夫なものの下にもぐらなければいけません。今日は上手に避難できました」と話し、逃げる際にはしゃべらないよう呼び掛けた。

 「おうちでいるときは家の人が守ってくれます。幼稚園では先生が守ってくれますが、自分の体、命は自分で守らなければいけません。そのためにちゃんと逃げられるように訓練をしています」と述べ、「押さない」「走らない」「しゃべらない」「戻らない」の「お・は・し・も」を守るよう伝えた。

 園に戻った園児らは遊戯室で「防災の日」の話を聞き『稲むらの火』の紙芝居を見た。

(2017年9月3日付紙面より)

机の下に隠れる園児ら=1日、新宮市立丹鶴幼稚園
防災頭巾をかぶり避難
2017年09月03日
80 九州北部の豪雨被災地へ
 熊野那智大社が義援金  (那智勝浦町 )

 九州北部で7月にあった豪雨災害の被災者を支援するため那智勝浦町の熊野那智大社(男成洋三宮司)は、今年の「那智の扇祭り」前後に同大社と飛龍神社に募金箱を設置した。男成宮司が8月31日、集まった募金と同大社からの義援金を合わせた50万円を日本赤十字社へ送ろうと、同社和歌山県支部那智勝浦町分区長である寺本眞一町長に届けた。

 義援金の名称は「平成29年7月5日からの大雨災害義援金」で、町でも12月20日(水)まで募集している。

 男成宮司は「ご参拝の方が多く、日数の割に思ったよりも多く集まった。人的なボランティアはなかなか難しいが、少しでも役立ててもらえれば」と述べ、寺本町長は「募金を預かるたびに23年の災害を思い返す。こうした形で恩返しできることはありがたい」と振り返り感謝した。

 2人は紀伊半島大水害当時の町の様子や、災害についても話し合い、那智の原生林と滝の水量保全についても熱心に意見を交わしていた。

(2017年9月3日付紙面より)

寺本眞一町長に募金を託した男成洋三宮司(右)=8月31日、那智勝浦町役場
2017年09月03日
81 日焼け顔で元気に 紀宝町、小中学校・幼稚園で始業式 
2017年09月03日
82 プールで交流楽しむ  下里と南大居の保育園児たち  (那智勝浦町 )
2017年09月03日
83 安心安全な園舎望む  天満保育園父兄らが町の協力を要望  (那智勝浦町 )
2017年09月03日
84 鮮やかサフィニア  新宮市佐野の引土光夫さん宅  
2017年09月03日
85 熊野の大自然に感動  宇久井ビジターセンターを観光  (那智勝浦町 )
2017年09月03日
86 日本の勝利を信じて 新宮市谷王子町でサッカー観戦 
2017年09月03日
87 「夏フェス」盛り上がる  開校5周年の王子ヶ浜小学校