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2022年10月30日
1 繁栄や終息祈願し一番湯奉納
 那智大社で献湯祭  (南紀勝浦温泉旅館組合 )

 南紀勝浦温泉旅館組合(清水貞吾組合長、組合員10館)は29日、那智勝浦町の熊野那智大社(男成洋三宮司)で「献湯祭(けんとうさい)」を営んだ。組合員らが参列し、朝一番に源泉からくみ上げた温泉水を神前に奉納した。

 おととし、昨年に引き続き、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から宿泊客の参列参加や餅投げを行わず、規模を縮小して実施した。

 神事では各旅館の代表者らが15個のたるに入れた源泉の一番湯を順に神職に手渡し供えた。

 清水組合長が組合員を代表して玉串をささげた。一同は自然の恵みに感謝し、業界の繁栄とコロナ終息を祈願した。

 神事を終え、男成宮司は「コロナ禍の厳しい状況は続いているが、大神様のご神徳、ご加護を頂き、それぞれの旅館のご繁栄と組合の発展をお祈りしております」と話した。

 清水組合長は「全国旅行支援が始まり、観光にとって追い風が吹いている。温泉は持続可能な資源。コロナ終息と、一人でも多くのお客さまに来ていただけるよう大神様に祈願いたしました」。

 今後については「コロナ禍前と比較して宿泊客は減少している。しかし、行動制限や入国制限の緩和、県内での行事や道路の完成などもあり、国内外からの多くの来町に期待している。世界遺産と勝浦温泉、生マグロを全国的に広めて町の発展に努めたい」と抱負を述べた。

 同組合によると、組合員10館の収容力は840室で、3400人だという。

  □     □

■青岸渡寺では追善法要



 献湯祭を終えた一同は那智山青岸渡寺(髙木亮英住職)に向かい、物故者追善法要を営んだ。

 45回目を迎えた法要は南紀勝浦温泉の礎を築き上げ故人となった経営者や従業員などの功績に感謝し、冥福を祈るもので髙木住職と髙木智英副住職らが読経を行った。

 清水組合長が「礎を築かれた皆さまに感謝するとともに、組合員一同、創意工夫をもって業績の向上に励み、観光産業の発展に努力します」と追悼の言葉を述べた。

(2022年10月30日付紙面より)

一番湯を奉納するため本殿に向かう南紀勝浦温泉旅館組合の皆さん=29日、那智勝浦町の熊野那智大社
追善法要で故人の冥福を祈った=同日、那智山青岸渡寺
2022年10月30日
2 イオンに出張申請所
 マイナンバーカード  (新宮市 )

 新宮市、新宮税務署(河野武署長)、新宮納税協会(横手章郎会長)は合同で29日、新宮市橋本のイオン新宮店に、マイナンバーカード出張申請所を開設した。市民が多数訪れ、協力を得て申請を行った。

 交付率向上を目指した取り組み。新宮市の交付率は9月30日現在で、42・3%となっている。同店の一角にブースが設けられ、新宮市の職員が申請に協力した。顔写真の無料撮影や、条件を満たす場合はカードを郵送で受け取れる手続きも行えるようになっていた。申請希望者が開設時間前から並ぶような状況だった。

 新宮税務署と新宮納税協会は、買い物客に啓発物資を手渡して周知した。マイナンバーカードのほか、納税などのオンラインサービスであるe―Taxの案内も行った。「マイナンバーカードはお持ちですか。今、出張申請を行っています」などと呼びかけていた。

 田岡実千年市長は「市としても、マイナンバーカードの普及に力を入れている。いろんな使い方ができるようになるので、早めの取得をお願いします」。河野署長は「今ならマイナポイントももらえるほか、取得すればe―Taxで、確定申告がスマートフォンなどで簡単に行えるようになる。この機会にぜひ」などと話した。

 三輪崎から訪れて申請した山本八千代さんは「今ならポイントも付くし、保険証も兼ねるようになるというので来た。写真も撮ってくれるし、手続きも簡単だった」と語った。

 新宮市は他にも、夜間や日曜の窓口開設、企業や団体向けの予約制出張申請所開設にも取り組んでいる。問い合わせは、新宮市市民窓口課(電話0735・23・3333)。

(2022年10月30日付紙面より)

多くの人が並ぶマイナンバーカード出張申請所=29日、新宮市橋本のイオン新宮店
2022年10月30日
3 祖父の思い出やブルーム語る
 リカ・ハマグチさんが講演  (太地町 )

 太地町公民館は26日、文化講演会「ブルームと紀南―現代アボリジニー舞踊表現について―」を開催した。同町と姉妹都市であるオーストラリア・ブルーム出身でダンサーとして活躍するリカ・ハマグチさん(29)が講師を務め、真珠漁業がつなぐブルームと紀南の関係やつながり、自身が取り組むアボリジニ文化を現代的な舞踊で表現するダンスパフォーマンスなどについて講演した。

 リカさんはオーストラリアを代表する現代舞踊グループ「バンガラ舞踊団」の主役ダンサーを務めたほか、今年の西オーストラリア州観光キャンペーン映像に出演するなど、幅広い活動を展開している。

 これまでにも舞踊グループとして日本を訪れたことはあるが、個人での来日や自身のルーツに当たる那智勝浦町下里出身の祖父、故・浜口博司さんの故郷を訪ねるのは初だという。

 真珠漁業に参加するため、日本人を含むアジアやヨーロッパの多くの人々がブルームを訪れたことについてリカさんは「さまざまな民族が交じってブルームはユニークな場所になった。先住民のアボリジニやアジア、ヨーロッパの人々の子孫がたくさん住んでいる」と話した。

 過酷な真珠漁において、長年ダイバーとして活躍していた寡黙な祖父に触れ、ダイバー引退後はアジア人初の真珠養殖業のオーナーになったことや、日本語を教えてくれたことなどを振り返った。

 太地町とブルームの姉妹都市交流事業ではリカさんのいとこも同町を訪れ、ホストファミリーとして同町の子どもたちを迎え入れたことを挙げ、「私は参加していないが、交流事業が今も続いていることがうれしい」と笑顔を浮かべた。

 今回、祖父の故郷や親族とも会ったリカさん。紀南の地や海に自身が生まれ育ったブルームを感じ、ふるさとのような感覚を持ったと話す。

 家族や親戚らと過ごした様子や歴史ある舞踊グループの詳細、ダンサーとしての活動、ダンスについて、写真をスライドに映し出し解説。

 毎年観光客でにぎわう祭りの様子やオーストラリアの自然、多くの文化が混じり合っているブルームにおいて、日本との共通点やアボリジニの文化の影響が非常に強いことなどを紹介した。

 リカさんは「祖父の故郷を訪ね、親族にも会うことができた。皆さまに歓迎していただき、心が温まった。今後、交流の機会があれば、踊りの披露もしたい」と締めくくった。

 26年前、実際に博司さんとも面識がある江﨑隆司公民館長は「リカさんのような若い方々が紀南とブルームの架け橋になってくれたらうれしい」と話していた。

(2022年10月30日付紙面より)

ブルームや祖父との思い出などが語られた=26日、太地町公民館
ダンサーのみならず、さまざまな活動を展開するリカ・ハマグチさん
2022年10月30日
4 「地域医療を学べるまち」へ
 相野谷診療所に研修センター開設  (紀宝町 )

 紀宝町が町立相野谷診療所に設置した紀宝町地域医療研修センター「KITCHEN(キッチン)」の開設式が28日、同町役場であった。「地域医療を学べるまち紀宝町」をスローガンに、医学生・研修医の受け入れ、地域医療講演会や研修会、町民への学びの普及を通して、町全体で地域医療と地域包括ケアシステムを充実させていく。

 県地域医療研修センター(鈴木孝明センター長)と連携して、県内の総合診療医育成、町内事業所のスタッフ育成、町民教育・健康普及活動に貢献し▽安心できる▽実践できる▽継続できる▽成長できる▽共有できる―学びを提供する。

 相野谷診療所の森本真之助所長がセンター長、くまのなる在宅診療所の濱口政也院長、町遠隔業務支援医(リモート医)で脳神経外科医・脳卒中専門医の角谷美帆医師が副センター長を務める。

 開設式には協力連携事業所、町の関係者30人が出席し、西田健町長が「町の未来のため、皆さんと一緒に事業を進め『住んで良かった』と思ってもらえる町を目指していきたい」とあいさつ。

 森本センター長は「紀宝町の地域医療は介護、教育にも貢献できる。教育環境の整備を皆さまへの感謝としたい。一緒に勉強する組織を目指していきたい」と述べ、「無限の〝楽しい〟を育む学びの台所」との意味を込めて「KITCHEN」と名付けたと伝えた。

 今後、町が主体となってポストコロナ時代に求められる優秀な医療人材を育成し、研修センターを通して地域包括ケアシステムの発展と充実、在宅医療の推進などを目指していくという。

(2022年10月30日付紙面より)

町地域医療研修センター開設式に出席した皆さん=28日、紀宝町役場
2022年10月30日
5 夏山海岸で不思議発見!  自然探訪スクール開催  (太地町 )
2022年10月30日
6 秋空の下「クマノザクラ」開花  那智勝浦町  
2022年10月30日
7 近大新宮が新翔に勝利  全国高校サッカー和歌山大会  
2022年10月30日
8 漁港の護岸を補修  老朽化前の状態に  (那智勝浦町 )
2022年10月30日
9 アキチョウジの花  新宮市の山裾で見頃  
2022年10月30日
10 レスリング全国3位に  新宮高3年の髙塚恒輝さん  
2022年10月30日
11 大水害時の写真など  イオンで防災展示始まる  (新宮市 )
2022年10月30日
12 全力を出して楽しむ  勝浦小学校で運動会  
2022年10月30日
13 旅するチョウ  アサギマダラ  
2022年10月30日
14 「でっかいの見つけた」  サツマイモ掘り体験、盛んに  (紀宝町 )
2022年10月30日
15 「紀南高祭」が開幕  秋晴れの下、体育祭で白熱  
2022年10月30日
16 練習や学習の成果を披露  城南中で文化祭開幕  (新宮市 )
2022年10月30日
17 お悔やみ情報
  
2022年10月26日
18 大石誠之助の漫画を出版
 淨泉寺の山口副住職が制作  (新宮市 )

 新宮市大橋通にある淨泉寺(山口範之住職)の山口淨華(しずか)副住職がこのほど、「漫画で読む 大石誠之助」を制作、自費出版した。B5判124㌻で500部を制作。同寺で税込み1000円で販売している。

 同市出身の医師で市名誉市民の大石誠之助(1876~1911年)。インドで医学研究に従事、社会主義に関心を抱き、帰国後に新宮で貧民救済の地域活動を行った。幸徳秋水らと親交があったことから、同寺12代住職・高木顕明(けんみょう)師(1864~1914年)らと共に「大逆事件」に連座。刑場の露と消えた。

 現在では大逆罪に名を借りた社会主義者、無政府主義者への弾圧で、冤罪(えんざい)であったことが明らかとなっている。

 新宮高校時代には漫画研究会を創部し、漫画甲子園に出場。プロの漫画家のアシスタントを務めた経験もある山口副住職は、2015年に「漫画で読む 高木顕明」を自費出版。今回の第2弾は続編の位置付けで「前回では描き切れていない部分を描きたい」との思いから制作に着手した。

 誠之助の目線を通して当時の社会的背景や「大逆事件」などに言及しており、制作に当たっては市立図書館に足を運び、誠之助や「大逆事件」に関するさまざまな資料を渉猟。実際に誠之助を知る人物による文献を基にしたエピソードも散りばめられており、その人間的魅力を余すところなく紹介している。

 120年前の人物を身近に感じてもらおうと、現代に生きるいじめっ子の「松子」が明治時代にタイムスリップ。誠之助やその家族、顕明らとのふれあいを通して、誠之助をはじめとした当時の人々や歴史的背景を知り、人権意識を高めていくといった設定となっている。前回、ストーリーテラーの役割を担った「蓮華」も再登場する(「漫画・高木顕明」は現在、アマゾン電子書籍で入手可能)。なお、同漫画は6月に同寺で営まれた「遠松忌(えんしょうき)法要」に合わせて発行されたが、新型コロナウイルス感染症の影響で広く周知する機会を得られずにいた。

 「誠之助にはいろいろな面があるが、医師、料理人、そして平等な社会の実現を目指して力を注いだ人という三つの柱で描いた」と山口副住職。

 「家庭料理を振る舞ったり、さまざまな常識に対して革新者だったと思う。120年前、華やかなまちだった新宮に、こういう人がいたことを知ってほしい。文章だけでは伝わりきらない、人柄や人間性を感じていただければ」と話していた。

(2022年10月26日付紙面より)

淨泉寺の山口淨華副住職が大石誠之助の漫画を自費出版=24日、新宮市大橋通
2022年10月26日
19 生誕130年記念企画展 「わんぱく時代」の地から (佐藤春夫記念館)

 新宮市立佐藤春夫記念館(辻本雄一館長)で、企画展「佐藤春夫生誕130年記念『わんぱく時代』の地から―知られざる佐藤春夫の軌跡―」が始まった。展示は令和5年2月12日(日)まで。

 市名誉市民・佐藤春夫(1892~1964年)の生誕から今年で130年。節目の年を迎えるに当たり、同記念館は今年8月、互いの持つ資源を有効に活用し、相互の発展とともに文化振興に寄与することを目的に実践女子大学と包括的連携協定を締結。両者は包括連携協定締結記念と銘打ち、生誕130年事業を盛り上げるべく、協力体制の下各種事業を展開している。

 このたびの企画展では、同大学が所蔵するものや、佐藤家が同大学に寄託している資料などを初展示。春夫の少年時代の日記や文豪たち(谷崎潤一郎、芥川龍之介、太宰治、室生犀星など)の春夫宛ての書籍や原稿、春夫の弟の秋雄、夏樹の日記など、春夫旧邸から見つかった新発見・初公開・新出のものも多い。

 1904年、数え13歳当時の生活をつづった日記では、自然豊かなな野山を駆け回り、テニスやベースボールに興じたり、友達と鉱物を交換したりする明治の少年の日常生活が記されており、新宮を舞台に自身の幼少期を小説化した「わんぱく時代」の資料に使われた可能性もある。

 また、春夫の最後の手帳や、芥川賞を巡り、作家の太宰治(1909~48年)が春夫を怒らせたことに対するわび状、「わんぱく時代」に活用された昭和20年代ごろの舞台となる参考写真など、見どころ多数の企画展となっている。

  □     □

■11月2日、講演会・談話・公演

 同館は11月2日(水)午後1時30分から、市文化複合施設「丹鶴ホール」で講演会・談話・公演「『わんぱく時代』の地から」を開催する。参加無料。

 春夫友人令孫で歌手の東哲一郎氏による公演「春夫詩を歌う」、東京大学准教授の河野龍也氏の講演「春夫文学の今後」、春夫遺族の高橋百百子氏と河野氏の談話を予定。新型コロナウイルス感染拡大状況により中止とする場合がある。

(2022年10月26日付紙面より)

佐藤春夫少年時代の日記などを初展示=25日、新宮市立佐藤春夫記念館
昭和20年代ごろの新宮の写真も展示
2022年10月26日
20 砂遊びの楽しさなど伝える 橋杭ビーチで子育て行事 (串本町)

 串本町くじ野川にある橋杭ビーチで23日、子育て行事「すなはま親子広場」があり子ども35人とその家族が砂遊びなどを楽しんだ。

 このイベントは、コンソーシアム和歌山本年度大学等地域貢献促進事業の助成を受ける和歌山信愛大学地域連携フィールドゼミナールの一環。同町域を素材にして研究を進める森下順子准教授のゼミナール(以下森下ゼミ)と県立串本古座高校CGS部が地域課題の解消策として実施した。

 同部は過去に保育班を結成し、保育ボランティア活動を実践。その経験を通して地域における子育ての実態把握をしているのが森下ゼミで、同部が経験を伝え森下ゼミがその内容を検討し助言する関係で、互いの活動を充実している。感染症予防で要の同活動がし難い中、情報交換で公園はあるのに遊べる砂場がないことが話題となり、打開策として身近な砂浜で遊ぶ発想を広めることを見いだし実動としてこの行事をするに至ったという。

 子ども35人とその家族は事前申し込みによる参加。当日は両者の交流に接点を持つ愛知教育大学・厨子健一講師のゼミナール(以下厨子ゼミ)、見学の立場で和歌山大学、支援で町内の保育関係者も合流した。

 前半は遊び「宝探し」で、子どもは砂浜を掘って埋められたカプセルを見つけ砂遊びグッズに交換してもらう流れで砂遊びの楽しさを体験した。後半は自由遊びで、大学生や高校生と一緒に砂山や砂絵づくりを楽しみ、芝地で釣りやボウリング、行事を支援した保育関係者による木の実集めなどの遊びも実施。その間手すきになった保護者に向け、厨子ゼミの大学生が幼少期の経験から子育てのヒントを探り出す学内調査の結果を発表した。

 保育班のリーダー・久保文乃さん(3年)は「こういうイベントは初めてで戸惑いもあったけれど、久しぶりに子どもと直接接することができていい経験になりました」とコメント。主導した森下准教授は「保育体験が難しい中で実行したこのイベントを通して自己課題を見いだし、子どもの笑顔を引き出すことの大切さに気付いてもらえたら」と高校生や大学生の今後に期待した。

(2022年10月26日付紙面より)

森下ゼミとCGS部が準備した遊び「宝探し」に挑戦=23日、串本町くじ野川の橋杭ビーチ
挑戦の後は高校生や大学生と一緒に砂遊び
2022年10月26日
21 美しい調べを堪能
 バイオリンのコンサート  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町町民音楽祭特別記念コンサート「和洋折衷~世界最高峰のヴァイオリン~ストラディヴァリウスと日本の伝統楽器の饗宴」が23日、同町天満の福祉健康センターであった。バイオリン奏者の寺下真理子さんが、名器ストラディバリウスを使い、三味線、箏(こと)、ピアノの奏者と共演した。約170人が訪れ、美しい調べを堪能した。

 町民音楽祭実行委員会(山縣弘明会長)と那智勝浦町文化協会(後誠介会長)の主催。寺下さんは和歌山市出身で、第2回東京音楽コンクール弦楽器部門バイオリン最高位の受賞歴があり、東京フィルなどとも共演している。

 ストラディバリウスは、イタリアで17、18世紀に製作された、世界最高峰のバイオリンで、希少で高価。寺下さんは貸与を受けている。寺下さんのほか、三味線の尾上秀樹さん、箏の大川義秋さん、ピアノの北端祥人さんが出演した。

 コンサートで寺下さんは「那智勝浦町は去年に初めて訪れ、とても気に入ったところ。今回は機会をつくってくれて、うれしく思う。最後まで楽しんでいただければ」とあいさつ。ピアノとのほか、三味線や箏との合奏、さらに4者での合奏も披露した。参加者は、寺下さんの技術と、ストラディバリウスの音色に静かに耳を傾け、和楽器との旋律の調和も楽しみ、盛んな拍手で称賛していた。

(2022年10月26日付紙面より)

バイオリンと和楽器で旋律を奏でた=23日、那智勝浦町天満の福祉健康センター
2022年10月26日
22 西垣戸農園が優勝
 第183回職場対抗ボウリング大会  
2022年10月26日
23 日頃の練習の成果競う
 新宮市民スポ祭弓道競技の部  
2022年10月26日
24 塩崎莉乃亜さんが栄冠
 県小学生秋季陸上競技選手権大会  
2022年10月26日
25 4人が上位入賞と活躍
 北道院型試合選手権大会  
2022年10月26日
26 和菓子の魅力感じて  緑丘中2年生がキャリア教育授業  (新宮市 )
2022年10月26日
27 児童の手芸作品が並ぶ  佐野会館で家庭科作品展  (新宮市 )
2022年10月26日
28 20人が決意を新たに  准看護学院で戴帽式  (新宮市 )
2022年10月26日
29 真の勝者を決める戦い  第16回新翔高校体育祭  (新宮市 )
2022年10月26日
30 生き物愛する心を学ぶ  動物愛護フェスティバル  (那智勝浦町 )
2022年10月26日
31 水際での防止に協力を  強盗、特殊詐欺想定の訓練  (紀宝警察署 )
2022年10月26日
32 紀宝町の文化財を巡る  牛鼻神社、鵜殿城跡など訪れ  (熊野市民大学 )
2022年10月26日
33 中部・関東から観光客増  尾鷲北―南の開通から1年  (熊野尾鷲道路 )
2022年10月26日
34 テニスは男女で矢渕が優勝  熊野市南郡中体連新人大会  
2022年10月26日
35 愛好者交えて聞き取り  鉄道四方山ばなし会Ⅱ  (串本町 )
2022年10月26日
36 お悔やみ情報
  
2022年10月21日
37 ロケット打ち上げ来年2月末に
 周辺地域協の臨時総会で発表  (スペースワン株式会社 )

 串本町田原~那智勝浦町浦神にまたがる民間ロケット射場「スペースポート紀伊」を運営するスペースワン株式会社(豊田正和代表取締役社長)=東京都=が19日、ロケット「カイロス」初号機の打ち上げを来年2月末ごろに再延期することを公式発表した。

 同日、串本町サンゴ台のホテル&リゾーツ和歌山串本で開催のスペースポート紀伊周辺地域協議会(会長=下宏・和歌山県副知事)臨時総会に出席した同社の阿部耕三取締役が事業の経緯や現時点での進捗(しんちょく)と併せて報告したもので、国際情勢に伴う物流の停滞が想定以上で期待する時期に必要な部品が届かないなどの諸課題に苦慮し、それらの対処をすると今年12月末ごろの打ち上げは厳しいとの判断に至ったとして理解を求めた。

 同総会では初号機打ち上げ時の公式見学場の全体管理を担う株式会社JTBも報告に臨み、会場運営の概要や集客窓口とするホームページ「ロケット『カイロス』初号機打ち上げ応援サイト」の事前登録状況やオフィシャルツアーに伴う宿泊施設の配分などを伝えた。

 今回の議事は2社の報告のみ。下副知事は「残念だが、現在の状況などを考えるとやむを得ないと思う。引き続き支援をし、ぜひとも初号機の打ち上げを成功させていただきたい」と総括した。

 当初の2021年度内から今年12月末ごろ目標、さらに来年2月末ごろ目標と再延期したことについて阿部取締役は「楽しみにしていただいた地元の皆さまには大変申し訳ないと思っています。引き続きご支援ご声援をお願いしたい」とコメント。来年2月末ごろという期日は関係各者と話し合う中で総合的に判断し示した目標で、実現に向け全力で取り組むとしている。

 発表を受け副会長の田嶋勝正・串本町長は「来年2月の閑散期にずれ、商売人は助かりファンも来やすい状況になると思う。渋滞対策などよりいっそう充実し、多くの方を迎える状況をつくっていきたい」。

 副会長の堀順一郎・那智勝浦町長は「期間が少し延びたところをうまく活用し、もっと盛り上げて多くの方々に喜んでいただけるような地域振興につなげる期間として前向きに捉えたい」とそれぞれ語った。

(2022年10月21日付紙面より)

臨時総会を開くに当たりあいさつする会長の下宏副知事=19日、ホテル&リゾーツ和歌山串本
阿部耕三取締役
2022年10月21日
38 「笑いは世界の共通語」
 笑福亭鶴笑さんが講話  (新宮高校 )

 新宮市の県立新宮高校(東啓史校長)で19日、全校生徒561人を対象に人権全体鑑賞会が開かれた。落語家でNPO法人「国境なき芸能団」代表の笑福亭鶴笑さんが、パペット落語などを通じて笑いを届け、難民キャンプで暮らす子どもたちや戦争、平和に対する思いを語った。

 鶴笑さんは笑福亭一門の落語家で、世代や国境、言語の壁を超えて世界中の人々が楽しめる新型落語「パペット落語」を考案。戦争や内乱、災害、疫病によって生活を破壊された人々や、紛争地で生まれ育った子どもたちに励ましの「笑い」を届けるためNPO法人を設立し、アフガニスタンやイラク、カンボジアといった国々へ赴いている。

 鶴笑さんは、枕として難民キャンプを訪れた経験を紹介し「最初は外国人への不信感からキャンプ内への立ち入りを拒否されたが、芸で子どもたちを笑わせたことがきっかけとなってコメディアンとして認めてもらえた」と語った。戦争の絶えない世界の現状を憂い「なぜ戦争が起きてしまうのか。いろんな人の意見を聞いて視野を広げて。人間らしさを取り戻すためにも笑いが大切。皆さんの家庭や学校生活に楽しい笑いがあふれるように」と語りかけた。

 手作りのパペットで1人4役を演じるオリジナルの落語「立体西遊記」では、登場人物たちの軽妙な掛け合いに、生徒たちに笑いが広がった。

 弟子の笑音(しょうと)さんも登場し、灯油シュポシュポやパイプ椅子、熊手、クレンザーボトルなど身近な素材を改造した手作りの笛を披露。塩ビパイプで作ったトロンボーンでは「ぞうさん」を演奏した。

 山田倫加さん(3年)は「初めて落語を聞いたが、面白かった。大学で海外のことを学びたいという思いが強くなった」。松下穂乃果さん(同)は「難民キャンプの話を聞き、海外でも落語が受け入れられて、笑ってもらえること、人と仲良くなれることを聞いて感動した」と話していた。

(2022年10月21日付紙面より)

パペット落語「立体西遊記」を披露する笑福亭鶴笑さん=19日、新宮市の県立新宮高校
塩ビパイプのトロンボーン演奏
落語を聞く生徒たち
2022年10月21日
39 国内2例目のヒトデ標本
 紀伊半島沖で採集の2種  (串本海中公園 )

 紀伊半島西南沖で採集されたイバラスナヒトデとケムシヒトデが標本に基づく記録として国内2例目となることがこのほど判明し、その報告論文が先月20日発行の学術誌「Biogeography」24号に掲載された。

 イバラスナヒトデは、串本海中公園センター水族館の平林勲係長が2019年12月30日に有田沖で展示生物の採集をしていた時に発見。見慣れないヒトデ類だったため水産研究・教育機構の木暮陽一主幹研究員に精査を求めたところ、沖縄県の1標本のみ記録されているイバラスナヒトデだと判明した。

 木暮主幹研究員は生体調査に加え過去に採集され標本として収蔵されている未同定種も対象として研究をしている専門家。1975年にすさみ町沖で採集され大阪市立自然史博物館に未同定種として収蔵されていた標本を昨年に見つけ、形態観察をした末に小笠原諸島兄島でのみ記録されるケムシヒトデだと判断。紀伊半島西南沖で採集されたこれらヒトデ類は貴重な標本と感じ、平林係長と連名で論文を書き学術誌掲載で公表するに至った。

 平林係長によるといずれも南方系に分布するヒトデ類で、公表により分布北限が紀伊半島へと更新される結果になったそう。木暮主幹研究員はこれら2種が採集される背景に越冬を含め生息可能な環境が紀伊半島沖で成り立っている状況を洞察し、いずれもこれまで本州には記録がなく貴重な標本だと評価している。

  □     □

ケムシヒトデの生体展示中



 以降、平林係長は今月3日に田並沖でのイセエビ刺し網漁で混獲された生物を調査中にケムシヒトデと思われる個体を見つけ、その場で交渉し譲り受けた。

 後に確かめたところ間違いなく、希少なヒトデ類として17日から館内Aゾーンで生体展示を始めている。平林係長は「木暮さんが論文で公表した直後に生きた状態で見つかったのはまさに奇跡。国内ではほぼ目にすることがないケムシヒトデを生体展示でじかに知ってもらいつつ、生態の解明にもつなげていきたい」と意気込んでいる。

 串本町沖での採集は初で、すさみ町沖で採集されて以来47年ぶりとなる標本記録。木暮主幹研究員は「生体展示をしているのは、自分が持つ情報の中では世界でも同館だけ。何を食べるかさえ分からないほど知見が乏しいが、餌が分かり飼育ストレスを小さくすれば長生きできると思う。ヒトデ類は脚光を浴びることが少ないが、海を描くとほぼ登場するほど意識されている生き物。うまく飼育できたら目玉の一つになると思う」と長期飼育の成功を期待して語った。

(2022年10月21日付紙面より)

串本町沖で採集されたイバラスナヒトデ(上)とケムシヒトデ(串本海中公園センター水族館提供)
生体展示中のケムシヒトデと観察する平林勲係長=18日、串本海中公園センター水族館
2022年10月21日
40 薬物乱用は駄目 那智中学校の生徒に啓発 

 新宮保健所による「薬物乱用防止等を目的とした校舎校門前早朝啓発活動」が19日、那智勝浦町立那智中学校であった。新宮保健所職員、新宮地区協議会所属の薬物乱用防止指導員、関係機関職員8人のほか、那智中生徒会の役員5人が参加。登校する生徒に啓発物資を手渡し、乱用防止を呼びかけた。

 近年、青少年による薬物乱用、特に大麻乱用が増加しており、令和3年の全国における、大麻事犯の20歳未満の検挙人員が994人、うち高校生が159人、中学生が8人となっている。「大麻は安全で依存性がない」などの誤情報も流れている。

 また、10月は「麻薬・覚醒剤・大麻乱用防止運動」および「薬と健康の週間」に関連する運動月となっている。これらのことから新宮保健所は昨年、下里中学校と新宮高校で啓発活動を実施、今回は2年目となる。那智中のほか、21日に新翔高校でも実施を予定している。

 那智中では、薬物乱用防止の啓発標語が書かれたポケットティッシュやばんそうこうのほか、薬と健康の週間の啓発ボールペンなどを配布。登校する生徒に対して「薬物乱用防止の啓発です」と伝えながら、啓発物資を手渡していた。受け取った生徒は標語を眺めるなどしながら、校舎へと入っていった。

 生徒会長を務める、2年生の小井谷美央さんは「麻薬を使ったり、犯罪に手を出したりしないよう、啓発活動を通して知ってほしい」と語った。新宮保健所衛生環境課の勝山亮さんは「薬物乱用は遠い世界、都会の出来事として捉えがちだが、インターネットなどで身近に危険があることを感じてもらえれば」と述べた。

(2022年10月21日付紙面より)

啓発物資を手渡す生徒会の役員ら=19日、那智勝浦町立那智中学校
2022年10月21日
41 挑戦者として全力で挑む
 初の近畿大会に向け練習に励む  (近大新宮 )
2022年10月21日
42 髙塚恒輝さんが全国3位
 とちぎ国体レスリング競技  (新宮高校 )
2022年10月21日
43 那智勝浦少年野球クラブが制す
 新熊野少年野球大会など  
2022年10月21日
44 新入団員らに辞令交付  令和4年第2回消防団員任命式  (新宮市 )
2022年10月21日
45 道路脇にツユクサ  極小の青花が鮮やか  
2022年10月21日
46 今年もアサギマダラ飛来  高津気の「休憩所」に数羽  (那智勝浦町 )
2022年10月21日
47 卒業生らに働く意義教わる  行事「ジョブコレクション」  (串本古座高校 )
2022年10月21日
48 貴重な野鳥の群れに笑顔  秋のバードウオッチング  (御浜町 )
2022年10月21日
49 各学年の授業を見学  人権教育推進協議会  (紀南高校 )
2022年10月21日
50 会場周辺で清掃に取り組む  紀宝わくわくフェスを前に  (紀宝町 )
2022年10月21日
51 褒める、叱るの心理学を学ぶ  紀宝町で子育て支援講演会  
2022年10月21日
52 お悔やみ情報
  
2022年10月16日
53 本殿大前ノ儀で幕開け 厳かに「新宮の速玉祭」 (熊野速玉大社)

 国の重要無形民俗文化財(重文)の指定を受ける新宮市の熊野速玉大社(上野顯宮司)の例大祭「新宮の速玉祭(はやたまさい)」が15日午前、秋晴れの空の下で約170人の参列者に見守られながら「本殿大前ノ儀」で厳かに幕を開けた。

 例大祭は同大社の主神、熊野速玉大神(くまのはやたまのおおかみ)の御神霊が神馬(しんめ)で阿須賀神社へ渡御(とぎょ)し、熊野川河原の乙基(おとも)の御旅所(おたびしょ)へ渡る「神馬渡御式」と、熊野夫須美大神(くまのふすみのおおかみ)の御神霊が神輿(みこし)でまちを練り、神幸船(しんこうせん)で御船島(みふねじま)を廻(まわ)る「神輿渡御式」からなる。

 おととし、昨年は新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、一般参列を呼びかけず神職と神社関係者のみで執り行った大前ノ儀だが、今年は3年ぶりに広く参列を呼びかけ。感染対策に万全を期した状態で斎行された。

 上野宮司の祝詞奏上の後、2人の巫女(みこ)が世界遺産登録記念御神楽の「神なぎの舞」を奉奏。参列者が玉串を奉奠(ほうてん)した。午後からは神馬渡御式が営まれ、神馬と一行が阿須賀神社までの道のりを渡御した。

 大前ノ儀を終えた上野宮司は「苦しく、厳しい世の中ではあるが、秋晴れの下でこうして例大祭を斎行できることに感謝したい」などとあいさつ。参列者に感謝を伝えた。

 16日の神輿渡御出立は午後3時30分から。4時30分ごろから、神幸用船(しんこうようせん)、諸手船(もろとぶね)、斎主船がゆかしく御船島を廻る御船祭(みふねまつり)を斎行。9地区による勇壮な早船競漕(きょうそう)も3年ぶりに行われる。

(2022年10月16日付紙面より)

玉串を奉奠する上野顯宮司=15日、新宮市の熊野速玉大社
「神なぎの舞」を奉奏する巫女たち
2022年10月16日
54 例会で米山奨学生が卓話
 那智勝浦ロータリークラブ  (那智勝浦町 )

 那智勝浦ロータリークラブ(那智勝浦RC、庵野了嗣会長)は13日、那智勝浦町天満のホテルサンライズ勝浦で第2921回例会を開催。韓国出身で米山奨学生のイ・チャングンさん(30)が卓話し、「自分の道」と題して自身の現況やロータリークラブとの出会いなどを語った。

 この日は、那智勝浦RCの会員に加え、新宮ロータリークラブ(新宮RC)から福田一郎会長と幹事の瀬古伸一郎さん、イさん、堺おおいずみロータリークラブで米山学友小委員会委員長などを務める新本憲一さんら16人が出席した。

 米山奨学生は日本のロータリアン(会員)の寄付金を財源に国内の大学・大学院で学ぶ私費外国人留学生に対して奨学金を支給する制度。本年度は全国で898人、累計で2万2878人を受け入れているという。

 庵野会長が「本来ならこれまでと同様、米山奨学生のイさんには学校で講話をしていただきたかったが、コロナ禍のため、会員のみの卓話となった」とし、出席者に感謝を述べた。

 現在、大阪芸術大学工芸学科に通うイさんは、自身が生まれ育った韓国を紹介し、拾った光学ガラスを通した光に感動したことがガラスへの興味の始まりだったと説明。

 その後、長崎県の平和公園にある母子像に感銘を受け、日本の美を学びたいと思ったことが来日のきっかけだと話した。

 世界最高峰のガラス工芸大賞「ラコウ賞」を受賞するガラス工芸作家の山野浩さんを尊敬するイさんは「山野さんもアメリカで学び、日本のアイデンティティーを大切にし作品を作っている。私も韓国的なアイデンティティーと日本の美を合わせたいと思った」と作品づくりへの思いを述べた。

 大学で学ぶ焼き物や加工、接着などの用法や自身の作品について解説。自らの仮面(ペルソナ)を脱いで、日本と完全に融合できていなかったことに苦しんだこともあったと告白した。

 イさんはロータリークラブとの出会いによって、時間や心のゆとりができたとし、多くの先入観も次第になくなっていったと振り返った。

 その後、原点であるガラスや光、影などに改めて立ち返り、作品づくりに没頭したとし「ガラスという素材の魅力を生かし、皆さんにポジティブな影響を与えることのできるパブリックアートを作っていきたい」と意気込みを語った。

 最後は福田会長のあいさつで締めくくった。

(2022年10月16日付紙面より)

那智勝浦ロータリークラブの例会が開かれた=13日、那智勝浦町のホテルサンライズ勝浦
庵野了嗣会長
イ・チャングンさん
2022年10月16日
55 路線維持に向けて課題共有
 「新宮白浜区間部会」を設置  (紀勢本線活性化促進協議会 )

 新宮市役所別館で「鉄道の日」の14日、紀勢本線活性化促進協議会「新宮白浜区間部会」の設置および第1回部会が開催された。新宮市~白浜町の沿線自治体や和歌山県、JR西日本和歌山支社などから約20人が出席。沿線の活性化に向けて課題を共有するなどした。

 JR西日本は今年4月、1日の輸送密度2000人未満の区間として、紀勢本線新宮―白浜間の収支状況などを公表。同区間の輸送密度は1日当たり1085人(令和元年度)、平均収支率は19・0%(平成29年度~令和元年度)と、コロナ禍前においても厳しい利用状況であったことが明らかになった。

 さらに将来的にもさらなる厳しい状況が見込まれる中、路線の維持に向けて沿線市町村、県、JR西日本が課題を共有し、地域全体の移動特性やニーズを踏まえた、沿線地域や駅周辺の活性化、利用促進などを行うため、9月22日に部会を設置するに至った。

 構成団体は▽新宮市▽白浜町▽すさみ町▽那智勝浦町▽太地町▽古座川町▽北山村▽串本町▽和歌山県▽JR西日本和歌山支社▽和歌山大学紀伊半島価値共創基幹―で、事務局は白浜町総務課内。

 ①鉄道の利用実態の推移と今後の環境変化の共有②地域全体の移動特性やニーズの把握③鉄道の必要性・持続性の確認・合意④路線維持のための地域や駅周辺の活性化、利用促進などの具体的方策⑤県、各市町村の法定協議会などへの報告―を協議していく。

 この日は現状と課題の共有や部会の運営方法、事業計画などが議題となった。開会に当たり、開催地となった新宮市の向井雅男副市長が、部会設立は沿線自治体にとって意義深いことであるとし「沿線人口の減少、少子高齢化、道路整備の進展、コロナ禍の影響など、公共交通機関を取り巻く環境は大変厳しいものがある。地域住民の生活道路として、また他に類を見ない豊富な観光地への誘客促進について課題を共有し、幅広い議論と検討を行っていければ」とあいさつした。

 続いて、JR西日本和歌山支社の松田彰久副支社長が、平均通過人員(輸送密度)、乗車人員、列車本数の推移やこれまでの取り組みなどを説明。「自動車に比べてきめ細かな移動ニーズにお応えできていない。大量輸送という観点で鉄道の特性が十分に発揮できていないことから地域のお役に十分に立てていない」などと課題に触れ「今よりも利用しやすい最適な地域交通を地域の皆さまと共に創りあげていきたい」と話した。

 事務局は、利用促進に向けた各市町村や県の取り組みなどを紹介。和歌山大学紀伊半島価値共創基幹の西川一弘准教授が「地方のローカル鉄道を考えるために」と題して、現状や鉄道の目的、役割などについて話し「大ピンチを大チャンスに変えるためには目的指向の議論と実践を丁寧にかつ急いでやらなければならない」と提起した。

 同部会は今後、より詳細な利用状況などのデータを基にニーズの確認や分析などを行い、協議や取り組みを進めていく。

(2022年10月16日付紙面より)

紀勢本線新宮白浜区間沿線自治体などが出席した部会の様子=14日、新宮市役所別館
2022年10月16日
56 特殊詐欺の被害防止呼びかけ
 見守り隊と紀南高生が街頭啓発  (紀宝、御浜町 )

 「全国地域安全運動」(11~20日)期間中の14日、紀宝町と御浜町で街頭啓発活動があった。両町のスーパーなどで啓発チラシを配布し、来店者に声かけするなどして地域ぐるみで詐欺被害撲滅を呼びかけた。

 運動は、安心して暮らせる地域社会の実現を図ることが目的で、「特殊詐欺の被害防止」など三つを重点に掲げている。

 紀宝町高齢者地域見守り隊(伊藤俊介代表)は、13人が鵜殿郵便局や主婦の店など町内4カ所に分かれて啓発活動した。

 高齢者を被害から守る取り組みで、毎月15日に実施。偶数月の15日に年金が振り込まれるため、特に注意を促す狙いがある。この日は、強引な勧誘や内容を確認してから契約することなどを記したチラシを配った。

 御浜町では、防犯ボランティア団体の紀南高校生徒会(東涼会長)の役員7人、紀宝警察署の署員が参加し、パーク七里御浜ピネで実施した。

 生徒たちは「特殊詐欺に気を付けてください」などと来店者に呼びかけ、全国地域安全運動、特殊詐欺の手口などを記したチラシと啓発物品を配布した。

 同署によると、9月末現在、県内で87件(前年同期比3件減)の特殊詐欺が発生、被害総額は約2億8990万円(同1億6150万円増)に上った。このうち、架空請求詐欺が36件で最も多く、被害総額は約2億1610万円となった。管内では5月13日に架空請求詐欺が1件あり、被害額は10万円だった。

(2022年10月16日付紙面より)

鵜殿郵便局を訪れた人にチラシを配布=14日、紀宝町鵜殿
啓発活動に取り組んだ紀南高校生徒会役員ら=同日、御浜町阿田和
2022年10月16日
57 親子で触れ合い楽しむ  ベビーマッサージに6組  (新宮市 )
2022年10月16日
58 錦色に輝く美しい生物  脇地さんが神倉神社で発見  (新宮市 )
2022年10月16日
59 迫力あるサウンド響く  「丹鶴ホール」で「桃源郷」  (新宮市 )
2022年10月16日
60 シルバー事業の周知図る  人材セ会員らが奉仕活動  (新宮市 )
2022年10月16日
61 おなか元気でいいウンチ  ヤクルトが宇久井小で授業  (那智勝浦町 )
2022年10月16日
62 木材業界の発展を祈る  第63回木霊塔建立供養式と移転竣工式  (新宮木協 )
2022年10月16日
63 特産品「新姫」の収穫始まる  11月までに26㌧見込む  (熊野市 )
2022年10月16日
64 秋空の下、遊具で遊び  秋の遠足でさつき公園へ  (井田保育所 )
2022年10月16日
65 上野さん、山口君が県代表に  選抜チームで全国に挑む  (矢渕中 )
2022年10月16日
66 心を一つに完全燃焼!  下里小・こども園合同運動会  (那智勝浦町 )
2022年10月16日
67 お悔やみ情報