保津川下り事故を受け (熊野川川舟センター )
京都「保津川下り」での事故発生を受け、同じく「熊野川舟下り」などを行う新宮市熊野川町田長(たなご)の「熊野川川舟センター」でも29日、安全装備の再確認が行われた。乗客用のライフジャケット(救命胴衣)に異常がないか点検するなどして、安全運航に向けて気を引き締めた。
保津川下り事故は28日、京都府亀岡市を流れる保津川(通称)で、乗客など29人を乗せた川舟が転覆したもの。乗客は全員救助されたが、船頭1人が死亡、1人が行方不明となっている(30日午前10時現在)。船頭の操船ミスが原因と発表されている。
熊野川舟下りは、(一財)熊野川町ふれあい公社(下阪殖保代表理事)が運営。同センターがある道の駅瀞峡街道熊野川から、熊野速玉大社横の権現川原までの約16㌔を、川舟で下る。船頭1人と語り部1人も乗船。1回の乗客は9人ほどとしており、川の状況によってはさらに減らしている。
同センター職員の大濵考之さんによると、まず保津川と熊野川では、同じ川舟下りでもコースの状況が違うという。保津川は急流なのに対し、熊野川は穏やか。三重県紀宝町浅里の飛雪の滝前辺りに1カ所だけ、流れが急な場所があるが、当然そこは最大限の注意を払い通過しているとのこと。
ライフジャケットは、全乗客に乗船前からの着用を義務付け、確認もしている。船頭と語り部も着用。また水位に関しては、相賀に観測地点があり、そこの基準から1・5㍍を超えたら運航を中止することを、国土交通省に届け出ている。実際にはそれ以前に、危険を感じたら中止するようにしているという。
また、川舟は同センターより下流の桧杖に停泊しており、川舟下りを行う際にさかのぼって回送している。その際に、流れの速さや風の強さ、コースの異常などを、船頭が体感で確認。不安があると判断したら中止と決めている。大濵さんは「お客さんの安全を確保できるよう、ますます気を引き締めて、運航に取り組みたい」と話した。
なお、川舟下りの予約は3月、4月、5月と多く、まだ実数比較で確認はしていないものの、コロナ禍前と同じくらいではないかと感じているという。特に外国人の予約件数が多い傾向があるとのこと。
(2023年3月31日付紙面より)
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小野道夫さんが記念講演 (太田地区老人クラブ連合会 )
那智勝浦町の太田地区老人クラブ連合会(石橋徹一会長)は27日、町立太田小学校体育館で、第1回記念講演「健康寿命を延ばす方法」を実施した。医学博士の小野道夫さんが講師を務め、平均寿命と健康寿命の違い、町の統計と現状分析、予防医学から終末期医療まで幸福な人生を目指すなどの内容で講演。来場した約80人は健康寿命について学びを深めた。
地域の課題である健康寿命について、会員の学びの場の創出を目的に、石橋会長が小野さんに依頼。今回の実施に至ったという。
来賓の堀順一郎町長が「貴重な講演になることを祈念しております」。
町老人クラブ連合会の峰武久会長が「培ってきた知識をどう地域に還元できるかが重要。講演が楽しみ」とあいさつ。
太田地区区長連合会の大江清一会長が「石橋会長を中心に、皆さまの協力で開催に至った。感謝している」と述べた。
小野さんは1976年に東京医科歯科大学卒業後、東京大学脳神経外科学教室へ入局し、博士号を取得。ブラジルやアルゼンチン、ザンビアで脳神経外科の診療や教育に取り組む。ボランティアで途上国医療支援にも尽力してきた。現在は、串本町の「からし種在宅クリニック」で認知症専門外来に従事している。
小野さんは▽私たちの人生はバラ色か?▽病気と治療の現状、そして私たちは?▽病気治療以外で健康寿命を延ばせるか?▽「健康寿命」と「幸福な人生」とは?▽「幸福な人生」を実現するには?―の五つをテーマに講演。
同町の65歳以上の人口が6100人を超え、要支援を含む要介護者数は1295人、生活自立者数は4886人と報告。全国的にも、自宅で最後まで生活できる人は少なく、病院で死亡している人が多いとした。
高齢で生活が変化することで、社会参加や外出などの機会が減少すると指摘。要介護の原因となる認知症や脳梗塞、心身が虚弱状態となるフレイルなどに触れ、食生活や運動などの生活習慣で予防できると訴えた。
認知症の種類や治療方法も解説。超高齢化や認知症治療の歴史が浅いため、医師教育も十分ではないことを明かした。
治療と介護の目標について「家族や周りが困っている症状を治す」「変化した人格を元に戻す」「居心地のいい家庭や町をつくる」を挙げた。
小野さんは「困り事を話し合い、解決することが大切。思いやりと笑顔のある家庭やご近所では、認知症は悪化しにくい」と締めくくった。
石橋会長は「講演を通して、健康寿命を延ばす糧にしてほしい。そうすることで、介護福祉の費用を、子育てやその支援に還元できると考えています」と話していた。
(2023年3月31日付紙面より)
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認知症予防活動を初実施 (くしもと町立病院 )
くしもと町立病院地域連携室が24日、同病院の中庭で認知症予防活動を初実施し、まだ認知症ではない対象者10人が意識を高める第一歩を踏み出すきっかけとした。
この活動は、県MCI高齢者居場所づくり支援事業の一環として実施。MCIは加齢に伴って起こる軽度認知障害の略称で、この段階から予防に努めて認知症への進行を抑えるために同室は社会参加と交流を図ることを考え、▽体操▽花植え▽茶話会―を組み合わせた内容を計画して参加を呼びかけた。
対象者は60歳以上で介護保険の利用がなく自立生活を続けていて定期的にこの活動をする意欲がある人。初の実施に当たり医師でもある竹村司・病院事業管理者は「少しのもの忘れや分からない状況は長く生きたことの勲章。その年齢以降は五感で好きなことを感じ楽しむで良いと思う」と語りかけて緊張をほぐし、同室と対象者の第一歩に明るい弾みをつけた。
体操は同病院の理学療法士・岸尾俊尚さんが担当。花植えは同室職員と対象者が2組に分かれて取り組み、幅約180㌢、奥行き約70㌢、深さ約30㌢の足付き木製プランターいっぱいに花の苗を寄せ植えするなどして仕上げた。以降は茶菓を交えて談笑するひとときを過ごした。
仕上がったプランターは中庭に据えたままにし、歩行訓練などで利用する患者らに春の花盛りとして楽しんでもらうという。全体進行を担当した同病院の認知症看護認定看護師・寺島真由美さんは「この教室の狙いは認知症予防、ただ一点」とぶれのない気持ちをコメント。「県の事業としての実施は今回限りだが、(参加対象の条件としている)定期的に取り組む意欲に応えるため次年度以降は町の事業としてこの活動を継続したい」と意気込みを語った。
(2023年3月31日付紙面より)
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令和4年度専修学校・各種学校優秀卒業生市長表彰式が29日、新宮市役所であった。2校の5人(うち2人は代理)が田岡実千年市長から表彰を受け、さらなる努力を誓った。
新宮市が毎年実施している。表彰されるのは、新宮市井の沢の萩原きもの総合学院(萩原真理学院長)の4人と、新宮市千穂の新宮料理学院(西嶋正彦学院長)の1人だった。萩原きもの総合学院の2人が代理出席だった。田岡市長が一人ずつ、表彰状を手渡した。
田岡市長はあいさつで、優秀卒業生を祝福。「習得した技能や資格は、これからの人生で必ず生かされ役立つことでしょう。これを契機にさらに研さんされ、素晴らしい人生を歩まれることを切望します」と語った。和歌山県専修学校・各種学校協会の坂本順一会長も祝辞を述べた。
これを受け、萩原きもの総合学院の前川まりいさんが謝辞。「表彰を賜ったことは身に余る光栄。認めていただけたのは、先生方や皆さんの指導と励ましのおかげ。受賞に恥じないよう、頑張る所存。皆さんのご指導をお願いします」と話した。
(2023年3月31日付紙面より)
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第188回職場対抗ボウリング大会
太地こども園の林内に
太地町立太地こども園(森尾扶佐子園長)の敷地にある林内に、子どもたちの「ひみつきち」が完成した。竹で造った小屋や樹木を利用したアスレチックが広がっており、27日には卒園を控えた5歳児17人の楽しげな声が響いた。
森尾園長は「自然の中でのびのびと遊んでほしいとの思いから、ずっと造りたいと思っており、木登りやどんぐり拾いで利用していた林に造ることに。子どもたちはツリーハウスのような高さのある囲まれた空間が大好き。集団で保育士が計画したことをやるのも大事だけれど、自然の中で自由に遊ぶことで、発想力や想像力を伸ばしてほしい」と思いを語る。
昨年から用務員の垣内司人さんの協力を得てアスレチックの整備を始め、竹太鼓や登りロープ、ブランコ、ネットなどを設置。今年の2月に小屋の製作に着手した。完成後も子どもからの「小屋が狭い」との声を受け、テントを設置するなどの改良を加えている。看板やテントの絵は、5歳児が描いたものだ。
27日の遊びでは、小屋の窓枠の竹に前日の雨水がたまっているのを発見して「お花屋さんごっこ」がスタート。パンジーや野菊を摘んでは小屋中に飾り「お花はいかが?」「配達のお花が届きましたよ」と元気な声が響いた。アスレチックでも、竹太鼓を打ち鳴らしたり、ネットに寝転がってサクラを見上げたりと思い思いに遊んでいた。
りょうのしおりちゃん(6)は「お花、きれいでしょ」とにこにこ。ながおはなちゃん(6)は「ネットで遊ぶのが一番好き」と話していた。
(2023年3月29日付紙面より)
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全国棚田サミット実行委 (那智勝浦町 )
全国棚田(千枚田)サミット那智勝浦町実行委員会(会長=堀順一郎町長)の第3回会議が27日、同町役場であった。委員16人中で14人が参加、11月に開催されるサミットのスケジュールなどを決めた。
同サミットは、11月の18日(土)と19日(日)に、同町での実施を予定している。同実行委は、町、町議会、県、同町棚田の関係者、有識者などで構成。この日はサミット当日と開催日前後のスケジュールや、それに必要となる予算案などを協議した。
開会に当たり、同実行委員会の堀会長があいさつ。「サミットの内容について、ほぼ固まったので、これを説明します。これから全国からお客さんを受け入れ、町の良さを知ってもらい、また棚田を守る会の取り組みを発信できるようにしていきたい。ご提案を頂き、より良いものをつくりたい。本日はよろしく」と呼びかけた。
同実行委員会の事務局が、当日のスケジュール案を説明した。18日に同町体育文化会館で基調講演、町内ホテルで分科会を実施。19日に同町小阪での現地見学会や、町内各所でのエクスカーション(体験型見学会)、同町体育文化会館での閉会式を行うとした。基調講演は、島根県中山間地域研究センター研究企画員による「次世代に引き継ぐための地域の体制づくり」の講話を提案した。
委員からは「特定の分科会に参加者が集中するようなことがないように」との注意喚起があった。当日のスケジュール案は、全会一致で可決承認された。このほか委員からは「サミットで何人ぐらいの来町を見込んでいるのか」との質問があった。事務局は「参加者400人を想定」と応じた。
(2023年3月29日付紙面より)
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3季運用開始に向け関係者 (串本町 )
串本町くじ野川にある橋杭園地で27日、防砂ネットの撤去作業があった。間もなく始まる3季運用(4~10月)に向けた準備の一環で、南紀串本観光協会(島野利之会長)の会員や職員、町産業課の職員計13人が一丸で設置場所から回収した。
夏の海水浴に加えて春~秋のアウトドアレジャー機運を定着させ利用頻度を高める目的で、同協会は2017年度から同園地の3季運用をしている。遊泳区域に面する施設「ビーチハウス・ラパン」を拠点にし、カヤックやSUPなど各種マリンアクティビティーや飲食などを提供。イベントの主催や誘致も重ねて実績を積み上げている。
防砂ネットは冬場の強風による遊泳区域一帯の砂の目減りや近隣居住区への飛散を抑える目的で、3季運用のシーズンオフ中に設置。最近では昨年12月22日に樹脂ネット(長さ17㍍、幅1㍍)20枚を数㍍間隔で、波打ち際に対してほぼ垂直となるよう砂浜へ張り並べていた。撤去作業では手分けしてネット外しやその回収、支柱の引き抜きなどの作業を進め、設置物がない状態に戻した。
□ □
次のシーズンは4月1日(土)を浜開きとし、前述した施設の営業を始める。提供するサービスの詳細は「ビーチハウス・ラパン」公式ホームページを参照。イベント関係では9日(日)に誘致企画「第3回全日本カヤックフィッシングトーナメント」、23日(日)に主催企画「橋杭ビーチオープンフェスタ」が実施予定で、海開き(海水浴場開設)は7月1日(土)を予定しているという。
シーズンインに向けて島野会長(55)は「直近の同フェスタはまだ2類のタイミングなので従来に比べてこぢんまりと開くが、これを行動の弾みにして5類引き下げ以降は3年間の自粛や中止の影響を取り戻す気持ちで従来のイベントを積極的に開いていければと思う。新たな試みはないが、従来に輪をかけて頑張りたい」と思いを語った。
同アクティビティーの利用は事前予約制。問い合わせは「ビーチハウス・ラパン」(電話090・3356・8305)まで。
(2023年3月29日付紙面より)
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商工会女性部が救援金届ける (那智勝浦町 )
南紀くろしお商工会女性部の大林幸子部長らが27日、那智勝浦町役場を訪問し、「2023年トルコ・シリア地震救援金」に係る救援金20万円を堀順一郎町長に手渡した。救援金は日本赤十字社を通して寄付される。
長きにわたり、地域活性化のために尽力し、多くの活動を展開している女性部。ウクライナ人道支援に係る寄付金の支援なども行っている。
この日は、大林部長、辻本圭子副部長、中村美紀子副部長と同商工会の向井正樹事務局長らが訪問。救援金は、女性部が過去に「南の国の雪まつり」や「まぐろ祭り」で、マグロを用いた商品などを販売して得た収益や事業資金から捻出したという。
大林部長は「マスコミを通して、トルコ・シリアの悲惨な状況を目の当たりにしている。地震の被害に加え、厳しい寒さもあると聞く。何かしたい、お役に立ちたいと思った。本来ならば、カイロなどを届けたいが、それはかなわないため、救援金を持ってきた。微々たるものだが、役立ててほしい。今後も人の集まる機会を利用して、募金活動を行います」と語った。
受け取った堀町長は「トルコ・シリアの地震では、5万人以上が亡くなったと聞いている。国内でもいつ巨大地震が起きるか分からない。互いに助け合うことが大事。救援金、本当にありがとうございます。女性部の皆さまのお気持ちがトルコに伝わると思います」と感謝を述べた。
(2023年3月29日付紙面より)
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月例射会に35人が参加
新宮道場で体験会 (新宮剣友会 )
近畿大学体育会卓球部が合宿 (那智勝浦町 )
6社招き、FAMツアー (新宮市 )
新宮市は14、15の両日、市内各所でインバウンドFAM(ファム)ツアーを実施した。東京や大阪の旅行会社6社から6人が参加。ガイドらと共に名所を巡りアクティビティーを体験。観光資源やその魅力を発見する機会とした。
FAMツアー(トリップ)はモニターツアーの一種。国や自治体などが観光誘致を目的に、旅行会社やメディアなどに現地視察してもらい、観光客目線で実際に体験したツアーやサービスを発信してもらう狙いがある。
入国制限の緩和や、2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)を見据え、インバウンドの誘客に力を入れる同市ではこのたび、今後の旅行商品造成のきっかけづくりや、新たな観光コンテンツを体験してもらおうと、訪日外国人を取り扱う旅行会社を招待するに至った。
ツアーに参加したのは▽㈱リベルタ▽G Adventures▽INTO Japan▽ジャパンリンクストラベル▽㈱JTBグローバルマーケティング&トラベル▽㈱HIS―の6社。
1日目14日は、ガイドの福辻京子さんらの案内を受けながら、一行はEバイク(電動アシスト自転車)で熊野速玉大社や神倉神社、阿須賀神社へ。このほどリニューアルした熊野速玉大社神宝館見学や絵解きを通して、同市の文化的魅力に触れた。
15日は大雲取越や高野坂のトレッキング、熊野川川舟下り、スイーツ巡りなどを通して、自然や歴史などを楽しんだ。
ツアーに参加した「INTO Japan」のツアーコンサルタントで英国人のダニエル・リッチーズさんは「神話や伝説、祭りなどローカルでユニークなカルチャーを通して日本の文化や自然に触れられて素晴らしいと感じた。和歌山県も新宮市も、海外の人にはあまり知られていないのでこの機会を利用して広めていきたい」と笑顔で語った。
なお、コロナ禍前の2018年には、9112人の訪日外国人が同市(熊野川町含む)を訪れた。22年は新型コロナウイルスの影響で1406人にまで落ち込んだが、入国制限の緩和に伴い、訪日外国人数は徐々に増加しているという。
(2023年3月16日付紙面より)
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下小防災伝え隊が発表 (那智勝浦町 )
那智勝浦町立下里小学校(泉一代校長)で14日、6年生9人による発表「下小防災伝え隊~みんなが助かるために、わたしたちにできることって?~」があった。全校児童や地域住民が参加し、防災について学んだ。
6年生は本年度、役場防災対策室の柴田通仁さんによる防災講話や修学旅行での「人と防災未来センター」(神戸市)訪問などを通じ、防災について学んできた。
発表では、児童や保護者を対象にしたアンケート結果を基に「ほとんどの人が地震発生時の避難場所を知っていたが、逃げる準備をしている人はあまりいない。南海トラフ地震が何年周期で起きているか知らない人が多かった」と問題提起。
海洋プレートの沈み込みによって起こる海溝型地震の仕組みを解説し「今後40年以内に90%の確率で南海トラフ地震が起こる。那智勝浦町では、東海・東南海・南海の3連動地震で死者5200人、家屋の全半壊6100棟、南海トラフ巨大地震で死者1万1700人、家屋の全半壊7800棟の被害がでると予想されている」と警鐘を鳴らした。
非常時に備える3ステップとして▽バッグやポケットに常に携帯しておくもの(0次)▽被災の1日を乗り切るコンパクトな非常持ち出し袋(1次)▽何日か自給自足してしのげる物品の備蓄(2次)―をそれぞれ用意しておくとの考え方を示した。
サイコロトークでは、地域住民と混合の3グループに分かれ、さまざまなテーマで話し合った。「家の中で危険だと思う場所」では「刃物や陶器があるキッチン」「大きなタンスや冷蔵庫の近く」、「下里校区内で安全な場所」では「津波のことを考えると、どこも安全とは言い難いのでは」との意見が聞かれていた。
(2023年3月16日付紙面より)
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城南中学校で食育講座 (新宮市 )
新宮市立城南中学校(吉田元紀校長)は14日、新宮市立神倉小学校の栄養教諭の大西勇也さんを講師に招き、食育講座「栄養のはなし」を開いた。1年生58人が受講、成長のためにカルシウムの摂取が重要であることを学んだ。
大西さんは、ある日の学校給食の栄養素のグラフと、メニューから牛乳を除いた場合のグラフを提示。あらゆる栄養素が大きく減少することを示し「牛乳は栄養バランスの良い食材です」と話した。
カルシウムは骨や歯に99%、血液や細胞に1%が含まれることを説明。「骨はカルシウムを貯蔵し、血液中のカルシウム濃度を調節、骨格を形成する」「血液や細胞では、神経伝導や筋肉収縮を調節し、血液を固める機能を活性化させる」などと述べた。
骨はカルシウムとコラーゲンで作られていることを解説。「カルシウムが少ないと折れる。10代から20代は一番骨に蓄えやすい」と語った。カルシウムが多い食材として▽牛乳・乳製品▽大豆製品▽小松菜などの野菜▽ワカサギなどの魚介類▽ひじきや昆布などの海藻―などを挙げた。カルシウムの多い給食のメニューも紹介した。
体内のカルシウムを増やすためには、規則正しい生活をして日光を浴びることも大切と強調。「カルシウムをたくさん取って、骨を豊かにしてください」とまとめた。
(2023年3月16日付紙面より)
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太地中生徒会が義援金届ける (太地町 )
太地町立太地中学校生徒会(山下創太郎会長)の5人は14日、同町役場を訪問し、自身らで集めたトルコ南東部地震災害義援金を宇佐川彰男教育長に手渡した。義援金は和歌山県を通じて、訪日トルコ大使館に届けられるという。
2月にトルコ南東部で発生した大地震やその被害を受け、生徒会で義援金を集めることを決定。同校玄関で実施するあいさつ運動の際に、義援金箱を持って、生徒らに寄付を呼びかけたという。
今月6日から10日の間で合計1万300円が集まった。14日は引率の教諭と共に、山下会長、宇佐川昊副会長、脊古陸駆副会長、由谷蓮太郎さん、竹田成さんが訪れた。
山下会長は「多くの方々が呼びかけに応えてくれて良かった。トルコとシリアの復興のために使ってください」と話した。
宇佐川教育長は「太地町や町教育委員会では、太地の子どもは賢く、思いやりのある子に育ってほしいという思いで、多くの施策に取り組んできた。生徒会の皆さんで集めていただき、本当にありがたい。義援金は、町から県を通してしっかりとトルコに届けていただきます」と語った。
(2023年3月16日付紙面より)
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新宮GG同好会「早春大会」
春季社会人学生卓球大会
グラウンドゴルフかつうら大会 (県年金受給者協会 )
宮戸伸之会長が剣道八段優勝大会に (新宮剣友会 )
公立中学校で卒業式 (新宮市・東牟婁郡 )
新宮市・東牟婁郡の公立中学校で7日、卒業式が行われた。新宮市の215人、那智勝浦町の96人、太地町の15人、北山村の3人、串本町の89人、古座川町の32人が義務教育を終え、次の道へと歩み始めた。
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新宮市立城南中学校(吉田元紀校長)では43人が、吉田校長より卒業証書を受け取った。
吉田校長は式辞で「あなたたちの人生はこれから。可能性は無限。希望を持ち、夢を描き、命を輝かせて。城南中で学んだ全てを糧に、諦めず、へこたれず、前を向いて歩いて」と呼びかけた。
卒業生を代表し、山中伶威さんが答辞した。学校生活での思い出を回想したほか、先生や家族への感謝を述べた。
「仲間と別れ、それぞれの道を歩むが、絆はなくならない。いつか集まれることを楽しみに頑張る」と強調。周囲の支えに「ありがとう」を伝えて締めくくった。
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那智勝浦町立那智中学校(岡史博校長)では岡校長が卒業生47人に卒業証書を手渡した。
卒業生代表の松岡木葉さんが答辞。新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けつつも、平和の尊さや地元の魅力を学び、たくさんの挑戦を経て可能性を広げてきた中学校生活を振り返り、卒業生たちに「みんなと過ごした3年間は最高の宝物」。家族や教職員、在校生にもメッセージを贈り「次に会うときはマスクを取って、みんなで笑い合いましょう」と呼びかけた。
卒業生たちは「3月9日」を合唱し、在校生から花束を受け取って会場を後にした。温かな拍手に包まれ、目を潤ませる様子も見られた。
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太地町立太地中学校(山田貴也校長)からは、15人が卒業した。
山田校長は式辞で、小説「握手」に登場する「困難は分割せよ」の言葉を述べ「人生山あり谷あり。高校生や社会人になって壁にぶつかっても、一つ一つ焦らずに乗り越えていって」と語った。
来賓の宇佐川彰男教育長は祝辞で、卒業生たちが中学生議会で要望を出した▽高校への通学定期券費用の全額補助▽町内の公共交通機関の運賃無料化―といった施策が実現に向けて動いていることに言及。「地域学習、国際理解教育、主権者教育をしっかりとやり遂げた。大波や小波が押し寄せても、誇りを持って前進して」と激励した。
(2023年3月8日付紙面より)
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県内唯一、防災まちづくり大賞 (津本地区自主防災会 )
紀宝町の津本地区自主防災会(産屋敷誠会長)が2022年度の「第27回防災まちづくり大賞」で日本防火・防災協会長賞を受賞した。三重県で唯一の受賞で、紀伊半島大水害を教訓に立ち上がり、11年間の取り組みが評価された。
防災まちづくり大賞は、阪神・淡路大震災を契機に1996年度に創設。地域に根差した防災の取り組みなどを進める団体・組織を表彰するもので、本年度は総務大臣賞、消防庁長官賞、日本防火・防災協会長賞で計17団体が受賞した。
津本地区自主防災会は、紀伊半島大水害後の2012年に発足。防災訓練や炊き出し訓練、幅広い世代を対象にした防災訓練、避難所運営訓練などを継続して開催し、地域の防災力向上に努めてきた。子どもから高齢者までが楽しく防災を学ぶ「防災チャレンジ大運動会」も開いてきた。これまで、みえの防災大賞、みえの防災奨励賞などを受賞している。
6日には産屋敷会長、谷口昌宏前会長、防災士の大峪やす子さんが紀宝町役場を訪れ、西田健町長らに受賞報告した。東京で開催された表彰式に出席した大峪さんは、これまでの取り組みを振り返り「11年目にして防災まちづくり大賞を受賞するとは夢にも思わなかった。これからも自分、家族、隣近所の大切な命を守る防災活動を続けたい」と話した。
西田町長は「受賞おめでとうございます」とたたえ、「楽しみを持って防災に当たるユニークな取り組みが町内に浸透し、防災に強い町づくりにつながれば町の防災文化につながる。これからも先駆的な取り組みをアピールし協力したい」と伝えた。
(2023年3月8日付紙面より)
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第16回しんぐう元気フェスタ (新宮市 )
新宮市ボランティア・市民活動センター(岡鼻崇会長)は5日、市福祉センターで「第16回しんぐう元気フェスタ'23」を開催した。ボランティア・市民活動センターに登録する団体らが、ステージや展示を通してお互いの活動に対する理解を深めた。
「楽しんで! 知って、見て、感じて! ボランティア」と銘打ち、企業とボランティアなどが協働で取り組んでいる毎年恒例のイベント。新型コロナウイルスの影響で3年ぶりの開催となった今回は「みんなの活動を見て、知って、楽しもう」と題し、規模や時間を縮小する形で実施にこぎ着けた。
開催に当たり、岡鼻会長は「時間に限りがあるが、お互いのブースに足を運んでいただき、団体同士の交流の場になれば。これからも、皆さんの活動が持続可能なものとなることを祈念しています」。
来賓の田岡実千年市長は「いろいろな方々が活動を発表できる貴重な機会。絆や、人と人が助け合い支え合うことの大切さを気付かせてくれるイベントだと感じます」とあいさつした。
ステージ発表は、Team雅龍によるよさこい踊りで幕開け。マジックサークル青い鳥によるショーや、南紀手話サークル虹による手話歌が披露され、会場からは大きな拍手が送られた。
会場内には7団体によるパネルや作品展示、5団体による体験ブースも設けられ、来場者らは各コーナーを回って交流を深め、活動内容を学ぶ機会とした。
最後には「川柳で新宮を元気に」の表彰式も行われた。岡鼻会長は閉会に当たり「自分たちの勇気や元気に変わるかもしれない、そういう活動が地域や団体を守ってくれていると思う。これからも皆さまと共に、当イベントを続けていくことができれば」と思いを語った。
(2023年3月8日付紙面より)
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熊野修験が山々で修行 (那智勝浦町 )
那智勝浦町那智山から奈良県吉野までの険しい山道を歩く「熊野修験大峰奥駈(おくが)け」が4日、始まった。熊野の山々の霊気を感じられるコースで、コロナ禍前は修験者だけでなく、全国から一般の参加も増加していた。今年は例年のように広く募らず、修験者と一般合わせ約50人が集まった。修験者を先頭に列をなして山道を歩き、山中にほら貝の音と「懺悔(さんげ)、懺悔、六根清浄(ろっこんしょうじょう)」の声が響いた。
1872(明治5)年に修験道が廃止されていたが、約120年を経た1988年に那智山青岸渡寺住職の髙木亮英正大先達(しょうだいせんだつ)らが再興させた。今年で36回目を迎える。
大峰奥駈けは那智山から奈良県吉野までの約200㌔の山道を4回に分けて歩く。この日は「春峰(はるみね)入り」と呼ばれ、髙木智英副住職を中心に青岸渡寺から熊野本宮大社までの約30㌔を丸1日かけて踏破した。
出発前、髙木正大先達は「副住職が代表して皆さまと共に本日の目的地である熊野本宮大社へと向かう。道中、くれぐれもけがなどには注意して、修行に励んでください」とあいさつ。
智英副住職は「この数年は新型コロナウイルスのため、行者のみで行ってきた。今回は普段ほどではないが、一般の皆さまにもご参加いただけた。今年は念願であった修験者のための行者堂の完成の年、身を引き締めて修行に取り組みたい。世界平和とコロナ退散、無事に満行できることを願っています」と話していた。
次回は4月ごろに本宮大社から玉置山まで歩くとしている。
(2023年3月8日付紙面より)
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那智勝浦町体協グラウンドゴルフ部春季大会
トルベリーノかつおカップ
4年ぶり「春よこい」盛況 (新宮市 )
新宮市と市内の3商店街(駅前本通り商店街振興組合、丹鶴商店街振興組合、仲之町商店街振興組合)でつくる「はいから実行委員会」は4日、商店街活性化イベント「春よこい」を開催した。各商店街で趣向を凝らした催しがあり、多くの家族連れらでにぎわった。
市中心地の活性化を目的として始まり、10年以上続いている恒例催事。新型コロナウイルス感染症の影響で、実に4年ぶりの開催となった。
駅前本通り商店街では射的やヨーヨーつり、飲食ブースなどが並んだほか、抽選会も行われた。太平洋食堂のカレーなどの販売には、開始前から多くの人が列を作った。丹鶴商店街ではバルーンすべり台やお絵かきロード、イタ車展示などのほかじゃんけん大会や○×クイズ、ダンスのステージも盛り上がった。
仲之町商店街でも踊りや、県立新翔高校によるバンド演奏、ミニ電車、お菓子つかみどり、風船パフォーマンスなどが行われ、各商店街には子どもたちの笑い声が響き渡っていた。
また、連携事業として同市下本町の市文化複合施設「丹鶴ホール」ではチムチムサーカスによる大道芸パフォーマンスも開催。メンバーの3人が息の合ったドタバタコメディーを披露し、多くの人が拍手を送った。午後からは各商店街で回遊パフォーマンスも行った。
下地昌宏実行委員長は「天候にも恵まれ、4年ぶりに開催できて良かった。多くの人が楽しみにしてくれたと思う。来年も開催することができれば」と話していた。
(2023年3月7日付紙面より)
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JR西日本が運行する長距離列車「WEST EXPRESS 銀河」の8日(水)の運行終了に先立ち、新宮市徐福のJR新宮駅で5日、最終運行おもてなしイベントがあった。子ども連れの家族やカメラを手にした鉄道愛好家ら約350人が、駅を出発する列車に「またね」「ありがとう」などと声をかけて見送った。
観光を中心とした西日本エリアの活性化のためにJR西日本が運行する同列車。2年目となる紀南コースは、昨年10月3日に運行を開始し、約5カ月にわたり京都―新宮間を往復。延べ約3000人の観光客を当地方に運んだ。
この日の最終運行おもてなしイベントでは、参加した子どもたちにはプレゼントの配布もあった。参加者らは、田岡実千年市長や里中陽互・観光協会長、市ツイッターキャラクターめはりさんらと共に、手旗を振って列車を見送った。
田岡市長は「今日は見送りに多くの人が来てくれてありがたい。『銀河』は今年も都会から多くの人を新宮・熊野に運んでいただいた。今後も当地域に定期的に運行いただけるように要望していきたい」と話していた。
同列車のラストランは8日の午前9時50分新宮発。乗客への特産品の配布や、市内保育園・幼稚園児らによる見送りを予定している。
(2023年3月7日付紙面より)
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田原で地域支えあい勉強会 (串本町 )
串本町田原にある田原山村交流センターで3日、地域支えあい勉強会「田原の未来をみんなでつくろう!!支えあいの地域を」があり、田原地区の高齢者20人らが地域の支えあいを実感しながら教わる機会を得た。
この勉強会は、同町社会福祉協議会と同町が主催。町は2019年度から町社協へ生活支援体制整備事業を委託していて目下、生活支援コーディネーターなどによる地域支えあい推進活動が展開されている。コロナ禍で大きく動けない中でも同コーディネーターは町域へ出向いてじかに支えあってほしい高齢者層の声を聞き、目指すべき形を模索。その延長で今回、同事業のモデル地区となっている田原地区で地域への啓発企画となるこの勉強会を初計画し参加を呼びかけた。
当日は町福祉課の鈴木一郎課長が同事業の趣旨を伝えて推進への協力を希望。公益財団法人さわやか福祉財団の生活支援アドバイザー・高林稔さんが講師となり、前半は健康寿命と平均寿命の間にある健康とは言い難い期間をどうするかに着目し、フレイル(虚弱状態)の予防と地域の支えあいの必要性を共に考え実践に向け気持ちを切り替えることを促した。
後半は近隣助け合い【時間通貨】体験ゲームキットの一部を使って、地域の支えあいが具体的にはどういったものかを実感。高齢者らは3グループに分かれ、さまざまな生活の困り事が書かれたカードの中から洗濯や買い物、草引きや掃除など先々困り事になるであろう事柄三つを選び、順々に具体的にどのように困っているかを説明しつつそのカードを出し、みんなでどう助けられるかを考えるなどした。
高林さんはこれら支えあいをお互いさまで定着させるには地域の中に困り事を話せる相手や解決できる相手が必要で、そのために日頃から関係性を豊かに保っておくことが大事だと呼びかけ。関係性が深まれば人となりが分かり助けあいの心が分かると筋道を説き、今回の経験を一人でも多くに伝えその域を目指して考えてほしいと求めた。
最後にこの勉強会を見届けた町社協役員を代表して堀登世会長は、お互いの支えあいが安心できる地域の実現につながることを願い締めくくった。
(2023年3月7日付紙面より)
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毎年恒例のクリーン作戦 (なちかつ古道を守る会 )
那智勝浦町の「なちかつ古道を守る会」(地庵晋司会長)は5日、同町湯川で「ゆかし潟周辺クリーン作戦」を開いた。約40人が参加、ゆかし潟周辺や夏山(なっさ)トンネル付近に散乱するごみを拾い集めた。
同会、地域住民、那智勝浦観光機構、南紀くろしお商工会西部支部、同町、和歌山県などから参加。新聞告知を見た新宮市民の姿もあった。ゆかし潟周辺は熊野古道大辺路が通り、野鳥や魚などさまざまな生物が生息している。美しい景観を保つため同会は、毎年この時期にクリーン作戦を実施、15年ほど続いている。
参加者は、同町湯川にある喫茶きよもんの駐車場に集合。地庵会長はあいさつで「ゆかし潟周辺をきれいにすることで、全国から観光客が来てもきれいな姿を見てもらっている。最初の頃に比べてきれいになったのは、皆さんのおかげ。今日はけがをしないようにお願いします」と呼びかけた。
この後、参加者が分散して清掃を実施。火ばさみや回収袋を手にゆかし潟周辺や夏山トンネル付近を歩き、空き缶やプラスチックごみ、ペットボトルなどを拾い集めた。参加者は協力して、熱心に作業を進めていた。
(2023年3月7日付紙面より)
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スポーツ文化ツーリズム賞
那智勝浦町を舞台にした100㌔マラソンの大会「奥熊野いだ天ウルトラマラソン」(同実行委員会主催・関康之委員長)がこのほど、「スポーツ文化ツーリズムアワード2022」の「スポーツ文化ツーリズム賞」を受賞した。関委員長は「うれしい。今後も継続していきたい」とほほ笑む。
スポーツ文化ツーリズムアワードは、スポーツや文化、またその両方を融合して観光を活性化させる、国内の優秀な取り組みを表彰する賞。スポーツ庁、文化庁、観光庁が毎年行っている。那智勝浦観光機構が応募して選ばれた。
同大会は、那智の滝前をスタート、補陀洛山寺をゴールとする。地域住民がボランティアとして多数参加し、給水所で地域特産品を提供することも特色の一つ。「世界遺産の熊野を舞台に地域性が高く、地域を巻き込みながら組み立てられている」との評価を受け、アワードの受賞に至った。
大会が始まったのは、20年以上前。関委員長は「初めての時は、警察の許可をもらうのがかなり苦しかった」と話す。運営に関しても、スタートが早朝のため、前日は準備で徹夜となることもあるなど、苦労を明かす。
運営ボランティアに助けられている部分も大きい。「みんなフレンドリーで、そのホスピタリティーのおかげで、参加者が増えてきた部分もある」と感謝する。スタートやゴール地点として、境内の使用を許してくれる、熊野那智大社や補陀洛山寺の存在も大きいと力を込める。
今後について関委員長は「引き続き、関係機関のご協力をお願いしたい。今後はランナーだけでなく、ボランティアも楽しめる大会にしたい」と語った。
なお、奥熊野いだ天ウルトラマラソンは、コロナ禍の影響で20~22年は中止だったが、今年は4年ぶりとなる第23回大会の開催を、4月23日(日)に予定している。
(2023年3月4日付紙面より)
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2月の南紀白浜―東京間 (南紀白浜エアポート )
㈱南紀白浜エアポート(岡田信一郎代表取締役社長)と和歌山県港湾空港振興課は1日、今年2月の南紀白浜―東京(羽田)線臨時便の運航結果(速報値)を発表した。搭乗者数は2万人を超え、2月としては過去最多となった。
同社は2018年に、和歌山県から引き継ぎ南紀白浜空港を運営。県はその後も、利便性向上に向けた取り組みを行っている。
通常1日3往復6便である南紀白浜と東京(羽田)の空港を結ぶ航空便が、今年2月の1カ月間、1日4往復8便に増便された。
期間中における搭乗者数は2万271人で搭乗率は58・5%だった。月の過去最多に加え、11カ月連続過去最多を更新した。過去4番目に多い搭乗者数で、冬場の閑散期では初めて月間2万人を超えた。日平均搭乗者数では令和4年8月に次いで過去2番目だった。
結果を受け、両者は、これまで過去最多だった令和元年度と令和4年度との比較では、4月~1月の増加率の平均が約1・2倍であるのに対し、2月は約1・4倍と、臨時便の効果が表れたと分析。東京―南紀白浜の夕便、南紀白浜―東京の朝便の全体に占める割合が増加しており、臨時便によって需要が喚起されたとしている。
また、搭乗者へのアンケートも実施しており、4往復8便化の効果などについて今後分析を行う予定としている。
このたびの臨時便運航に対し、岸本周平知事は「好調な利用となったことは大変喜ばしい限りで、地元の皆さまをはじめ多くの方々に南紀白浜空港を応援いただいたたまもの」と感謝。
「南紀白浜空港は紀南地域の核となるインフラであり、特に人口・産業が集積する東京(羽田)便の輸送力強化は、和歌山の観光や経済の活性化にとって大変重要。本格的な4往復8便化の実現などの空港活性化に向け、県を挙げて推進していく」とコメントしている。
岡田代表取締役社長は「ワーケーションやITなど、ビジネス関係のお客さまが着実に増えており、観光魅力度ランキングで上位に入るなど和歌山の認知度が上がったことによる観光需要が増加したことも大きい。利用者増加の大きな推進力として引き続き伸ばしていく」。
一方で、地元からの需要が東京方面からの需要と比べて少ないことが課題として浮き彫りになったとし「地元需要喚起の策を粘り強く講じることで、双方向の需要を創出し、4往復化の実現を目指していきたい」としている。
(2023年3月4日付紙面より)
没後50年節目に「山本紀山文庫より」 (新宮市立図書館 )
新宮市下本町の市立図書館の中上健次コーナー横で、特別展示「没後50年 山本紀山(きざん)文庫より」が始まった=写真。5月9日(火)まで。
新宮市の名誉市民・山本秋広(号:紀山、1893~1973年)は在野の水戸史研究家として高く評価されている。
新宮市に生まれ、東京帝大に進学。大学卒業後は官僚として貴族院書記官や、熊本県、愛知県の学務部長を歴任した。
任地の茨城県で退官した後は、地元の日立製作所に請われて要職に。社業に励む傍ら、水戸史の研究に没頭し、二十数巻に及ぶ著作を執筆。水戸にいながらも郷里を忘れなかった秋広は、収集した史料の中から、新宮に関する史料や「大日本史」など水戸史に関する貴重な書画を新宮市に寄贈した。「紀山文庫」と名付けられたこれらの史料は、市立図書館に保管されている。
このたびは没後50年の節目として、寄贈資料の中から井伊直弼や徳川慶喜の和歌など、紀州藩付家老水野忠央と関わりのある人物の資料など約10点を展示。また、書架34「熊野ゆかりの人々」コーナーにおいて、著書の展示・貸し出しも行っている。
(2023年3月4日付紙面より)
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消防職員が設置促進啓発活動 (新宮市 )
春の全国火災予防運動(1~7日)期間中の3日、新宮市消防本部は新宮市佐野の「コメリパワー新宮店」で住宅用火災警報器設置促進啓発活動を展開した。同本部予防課の4人が買い物客に啓発物資を配布。住宅用火災警報器の交換や点検を呼びかけた。
煙や熱に反応して大きな音で鳴動し、住民に素早く異常を知らせることで火災による被害を軽減する役割を果たす住宅用火災警報器。新宮市においては、2011(平成23)年に全ての住宅に「住宅用火災警報器」の設置が義務化されてから10年以上が経過していることを受け、同消防本部では設置時期の確認や交換を呼びかける広報活動を展開している。
設置から10年以上経過した火災警報器は、電池切れや機器の故障にもつながり、火災を感知しなくなることもあるため、設置した時に記入した設置年や本体に記載されている製造年などを確認するとともに定期的な動作確認が必要となる。また、新しい機器に交換したときは、本体の側面などに設置年月を記入することも大切だ。
なお、住宅用火災警報器の設置率は全国82・6%に対し、和歌山県は78・9%、新宮市では72・9%となっている。予防課の後岡賢係長は「住宅用火災警報器は命を守る大切な防災機器。火災警報器で助かる命があります。この機会に設置や交換、定期点検を考えていただければ」と呼びかけている。
同消防本部は6日(月)に同市三輪崎のAコープランティス店、7日(火)に橋本のイオン新宮店で、婦人防火クラブや消防団員らと共に啓発活動を展開する予定としている。
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住宅用火災警報器は市町村条例によって設置時期・設置場所が決められている。新宮市では寝室や階段などへの取り付けが義務付けられているほか、台所や居室などへの設置が義務または推奨されている。住宅用火災警報器に関する相談や問い合わせは市消防本部予防課(電話0735・21・0119)まで。
(2023年3月4日付紙面より)
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