自動車教習所でドライブコンテスト (新宮警察署 )
新宮警察署(山田守孝署長)は24日、那智勝浦町宇久井の那智勝浦自動車教習所で「シニアドライバーセーフティドライブコンテスト」を開催した。65歳以上の高齢ドライバー30人が参加。実車や学科試験などに挑み、安全運転の大切さを再認識する機会とした。
「秋の全国交通安全運動」(21~30日)の取り組みの一環として同署が企画。全国的に見ると65歳以上の高齢ドライバーの交通事故発生件数は減少傾向にあるものの、和歌山県では今年8月末現在で22件の死亡事故が発生しており、うち16件が高齢者が関係する事故となっている。
同コンテストは、さまざまな試験や測定を通して今後の安全運転につなげてもらう目的で実施。試験・計測結果は点数化され、上位3人には表彰状が贈られた。
開催に当たり、楠間慎也交通課長が管内の交通情勢などについて説明。「運転技量を確認し安全運転を。気楽に(試験に)臨んで」とあいさつした。
参加者らは3班に分かれ、実際の仮免許学科試験や実車試験、反応速度や俊敏性、動体視力などを計測。試験・測定後にはダミー人形を使用した衝突実験も行われ、交通課交通係の山元洋輔警部補は「40㌔で走っていた場合、急ブレーキを踏んでも止まるまで20㍍はかかる。40㌔で当たってしまうと相当のけがを負わせてしまう」などと説明した。
閉会に当たり、山田署長は「コンテストに参加いただいた時点で交通安全意識が高い。地域柄、運転免許証の自主返納も難しい実情がある。さらに意識を高めて運転を」と呼び掛けた。
コンテストで見事1位となった新家義久さん(73)は「いい賞を頂いてプレッシャー」としながらも「衝突実験を見て改めて交通事故の怖さを感じた。これを機に、より一層安全運転を心掛けたい」と話していた。
(2021年9月26日付紙面より)
新宮市文化複合施設「丹鶴ホール」
新宮市下本町の市文化複合施設「丹鶴ホール」が、10月3日(日)に開館する。午前中には関係者のみの記念式典が実施され、同日午後から図書館が一般開放される。
文化ホール・図書館・熊野学センター機能が一体となった、新宮市の文化交流の拠点「丹鶴ホール」。2008年の市第一次総合計画後期分の特進プロジェクトとして始まり、長きにわたって整備を進めてきた施設は今年7月に竣工(しゅんこう)。晴れて開館を迎える運びとなった。
オープン当日、1階文化ホールおよび2階熊野エリアは記念式典・記念公演の準備などで入場不可。図書館は午後1時から5時まで開放されるが、混雑時には入場制限を行う場合もある。
なお、当初予定していた開館記念商店街イベントは、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため中止となった。
翌4日(月)は休館日のため閉館。5日(火)から通常業務が開始となる。文化ホールについてはイベント開催時以外は安全管理上開放されない。
オープン後の「丹鶴ホール」の開館時間は午前9時~午後9時(窓口受付は午後6時まで)。毎週月曜(祝日の場合は翌平日)と年末年始(12月29日~1月3日)は休館。問い合わせは電話0735・29・7223、FAX0735・29・2450。
市立図書館は午前9時~午後6時(日・祝日は5時)開館。休館日は丹鶴ホール同様。月1回館内整理日と年1回特別整理期間も休館となる。問い合わせは電話0735・22・2284、FAX0735・22・2312となる。
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■8、9日に舞台開放
市は、8日(金)、9日(土)、舞台の一般開放を開催する。開催時間は▽午前10時~正午(最終入場11時30分)▽午後1時~4時30分(同4時)―の2回。マスク着用や手指消毒などの新型コロナ感染防止対策を徹底し、発熱などの症状がある場合は来場を控えること。図書館同様、混雑時には入場制限を行う。
市は「普段は見ることができない舞台側からの景色をお楽しみください」と呼び掛けている。
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新宮市の名誉市民・西村伊作が、1921(大正10)年に長女・アヤの卒業記念に制作、寄贈した旧丹鶴小学校正門に24日、「丹鶴小学校跡」と「丹鶴ホール」のプレート板がはめ込まれた。「丹鶴小学校跡」の文字は、旧小学校第24代校長で、現在市文化協会の名誉会長を務める小野俊二さんが揮毫(きごう)した。
かつて、「丹鶴小学校跡」には「丹鶴幼稚園」、「丹鶴ホール」には「丹鶴小学校」のプレートがはめ込まれていた。
(2021年9月26日付紙面より)
田辺市本宮町の熊野本宮大社(九鬼家隆宮司)で25日、献湯祭が営まれた。熊野本宮温泉郷(川湯、湯の峰、渡瀬)の18軒の旅館・民宿などの代表者たちが一番湯をささげ、自然の恵みに感謝するとともに温泉郷の繁栄を祈った。
熊野本宮観光協会(名渕敬会長)が主催。今年で43回を数える。今年は新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から関係者のみで斎行。毎年恒例の温泉コーヒーの振る舞いも中止とした。
朱塗りのたるを手にした旅館のおかみらが、新型コロナウイルスの終息や温泉郷の繁栄などの願いを込めて、本殿前に置かれた大たるに一番湯を注ぎ込んだ。
本宮町の観光客数は、2011年は紀伊半島大水害の影響で100万人を割ったものの翌年以降回復。18年には台風20号により川湯地区の大塔川が氾濫し川湯温泉街では甚大な被害を受けたが、おととし3月に復興を遂げている。
しかし、新型コロナウイルスの影響を受け、昨年は宿泊客は7万7317人と、前年14万5778人の半数近くに。日帰り客に関しても126万300人と、前年173万4100人に対し大幅な落ち込みを見せた。
神事を終え、九鬼宮司は、箱根温泉の湯本熊野神社(ゆや権現)について紹介したほか、同大社旧社地・大斎原(おおゆのはら)について「斎という字には身を清めるといった意味があり、参拝に当たりお湯で身を清めたことから斎の字を当てたという説もある」と説明し「熊野はよみがえり・再生の地。多くの人が健康で健やかに新しい年を迎えられるよう願いたい」とあいさつした。
名渕会長は「温泉は生活の一部。今年も奉納できてありがたい」と感謝。「宿泊施設ではコロナ対策をしっかりと講じている。一人一人が注意をしながら、よみがえりの地で温泉につかっていただければ」と話していた。
(2021年9月26日付紙面より)
厳かに本殿大前ノ儀 (三輪崎八幡神社 )
新宮市の三輪崎八幡神社(上野顯宮司)で15日、同社例大祭の本殿大前ノ儀が営まれた。中村武・氏子総代会長ら祭り関係者約20人が参列し、神様をたたえて新型コロナウイルスの収束や地域の平穏無事などを願った。
例大祭は漁労加護、五穀豊穣(ほうじょう)、商売繁盛など地域の繁栄を願い、現在の三輪崎漁協付近にあった元宮に神様が年に1度里帰りする祭り。今年もコロナウイルス感染症拡大防止の観点から大幅に規模を縮小して実施。元宮を目指して八幡神社を出発し、恵比寿(えびす)、二十四孝(にじゅうしこう)、大黒天の山車が豪快にぶつかり合いながら町を練り歩く神輿渡御(みこしとぎょ)、その他の奉納行事は、昨年に続いて中止となった。
今年は雨天のため、同神社社務所で大前ノ儀を斎行。厳かな雰囲気の中、上野宮司が祝詞、仲西博光副区長が祭詞を奏上し、参列者が玉串を供えた。
中村氏子総代会長は「コロナウイルスの一日も早い収束と地域の健康、繁栄を願い、滞りなく営むことができました。2年連続の規模縮小については残念ですが、『来年こそは』という思いを忘れずに信じて過ごしていければ」と話していた。
(2021年9月16日付紙面より)
七里御浜海岸で2頭産卵
七里御浜海岸でのアカウミガメの上陸、産卵シーズンが終わり、今年は御浜町で6月21日と7月5日に2頭の産卵が確認された。紀宝町ウミガメ公園の飼育員・伊藤柊也さんによると、1頭目の卵は8月16日、2頭目は27日にふ化したと思われるという。紀宝町での産卵は3年連続でなかった。
1頭目の卵はふ化した形跡があったものの、子ガメの足跡が少なかったことから、環境省吉野熊野国立公園管理事務所の職員が産卵巣を掘り起こしたところ、10匹がふ化していた。7匹は海に向かったが、残る3匹は元気がなく、ウミガメ公園で保護した。
2頭目は産卵巣が台風などで浸水する恐れがあったため、127個の卵を安全な場所に移した。
保護した当初、3匹は甲長4㌢弱だったが、1カ月近くたった現在では5㌢ほどまでに成長した。伊藤さんは「アジやホタテなどの餌を1日2回、食べて元気に育っています。1年後に海へ返す予定にしています」と話している。
ウミガメ公園は「緊急事態宣言」により30日(木)まで休業中で、再開する10月1日(金)から、3匹を公開する。
(2021年9月16日付紙面より)
新宮高校教職員の声を聞く
和歌山県内の県立高校は今月1日から、各クラスの半分の生徒が登校し、残り半分はオンラインによる自宅学習を行う形で授業を再開した。本格的なオンライン授業が始まって約1週間、新宮市の県立新宮高校の教職員の声を聞いた。
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■前野孝光教諭(国語)
授業を担当している3年生は、昨年タブレット型パソコン(PC)が導入されて以来、日常的に授業でPCを使ってきました。1、2年生のクラスに比べると比較的スムーズに授業ができていると思います。
授業は黒板への板書とパワーポイントの画面共有を併用して実施しています。もともと古文や漢文では板書の時間を短縮するため、パワーポイントを使っていました。タッチペンで画面に書き込みをすれば、教室/自宅学習の生徒両方にリアルタイムで同じ画面を見せることができます。普段から情報通信技術(ICT)を使った授業づくりをしていてよかったと感じます。
板書もしますが、黒板の3分の1しか使用できず、カメラに映らない場所に書いてしまったり、広角にすると文字がぼやけてしまったりします。教室とPCのカメラのどちらを見たらいいのかは、今も悩みます。
気をつけなければいけないのは提出物の管理。木曜日に登校した子が次に学校に来るのは月曜ですから、特に締め切りがあるものが多い3年生は気を使います。
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■岩倉真希教諭(数学)
8月末からの準備期間はバタバタでしたが、授業を開始して1週間でようやく流れができてきたと感じます。
全員登校のときは板書中心の授業をしていましたが、現在はタブレットPCに生徒に配ったのと同じプリントを表示し、タッチペンで書き込む形を取っています。教室の生徒はスクリーン、自宅学習の生徒はPCで同じ画面を見ることができます。数式を表示するのはパワーポイントでは難しいですね。
最初は生徒全員にビデオ機能をオンにして顔を見せるよう言っていたのですが、そうすると通信容量の問題か、こちらから共有する映像の画質が下がってしまいます。現在は、生徒は顔出しなしで授業をしています。
授業ではランダムで生徒を当て、自宅学習の子にも問題に答えてもらいます。生徒によってはオンライン授業の方がいいという子もいます。
課題と感じているのは生徒の手元のプリントが見えないところ。数学ではどうしてもつまずく子がいるのですが、それをリアルタイムでサポートするのが難しい。登校したときに質問できるようにしていきたいです。
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教職員の声を聞く中で、課題はあるものの▽普段からICTを活用した授業をしている方がスムーズに移行できる▽共有した画面に書き込みをする方式がいい―などの共通意見が見られた。
県教委によれば全員登校再開のめどは立っておらず、分散登校・オンライン授業の長期化を見据え、今後も動向を追っていく。
(2021年9月16日付紙面より)
串本町立西向中学校(山下哲治校長、生徒12人)が14日、役場総務課防災・防犯グループの職員を迎えて防災学習に取り組んだ。
将来の発生が指摘されている南海トラフを震源域とする地震や伴う津波について地域性を踏まえて理解し、命の危険から逃げ切ることを考える内容で、前半は職員による解説を聞き後半は県独自の防災学習ツール「きいちゃんの災害避難ゲーム」に挑戦して理解や考えを深めた。
解説を担当した同グループの岡田真一主任はまず町の人口規模や高齢化率、地理的特徴を伝え、それら状況との対比で南海トラフを震源域とする大地震や中央構造線付近を震源域とする大地震を注視しているとしそれぞれの予想最大規模や周期性など特色を解説した。
南海トラフを震源域とする大地震は津波を伴うことを、県が作成した映像資料や津波ハザードマップを交えて印象づけ。この状況から命を守るために町は避難路や防災施設を整備し、公共施設の高台移転や同マップの作成、津波避難困難地域対策や訓練・啓発・補助事業による住民への意識付けや自主防災組織との協働、災害用備蓄水「なんたん水」の製造などさまざまな対策を積み上げているとした。
それでも命を守るための避難は不可欠。岡田主任は津波が最短2分で町境に到達することを踏まえ、大きく揺れたら情報を待たず津波避難三原則に沿って行動し命を守ってほしいと呼び掛けた。
質疑応答を経て後半は行動時の状況を疑似体験。用いた同ツールは小学生高学年以上を対象としゲーム1「津波から逃げ切ろう!」とゲーム2「避難所運営しよう!」の各体験ができるが、今回はゲーム1を2組に分かれてそれぞれ挑戦し起こる状況や求められる判断を考えて行動力を培った。
持ち出し品や日頃の備えが全くない状況とある状況で2回取り組み、ある状況の方が行動しやすいことも実感した。
同グループによると、同ツールを使った学習は串本西中に続き2校目でいずれもゲーム1を経験した状況。串本西中は後日ゲーム2にも挑戦する予定で西向中も同様に挑戦の機会を持ってほしいと希望して締めくくった。
(2021年9月16日付紙面より)