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2022年01月28日
1 コロナ撲滅願い鬼面札調製 熊野本宮大社で節分準備 (田辺市本宮町)

 2月3日(木)の節分を前に、田辺市本宮町の熊野本宮大社(九鬼家隆宮司)では福豆と鬼面札の調製がピークを迎えている。同大社における鬼面札の調製は今年が初。新型コロナウイルス感染症の撲滅を願い、節分祭・追儺(ついな)式参列者や厄払い祈祷(きとう)を受けた人に授与される。

 鬼面札は戦前から同大社に残る鬼面印を使用。版木は昨年に調製したもので、鬼面の左右には牛王(ごおう)宝印、そして災厄を払い、疫病を除いて福を招く神として信仰される蘇民将来にあやかり「七難即滅 本宮再生 蘇民将來子孫家」の印が押されている。

 調製は1週間ほど前に開始。27日には神職らが、奉書紙に八咫烏(やたがらす)神事で調製した宝印を押すなどして鬼面札を完成させていった。来月3日までに約300体を仕上げる予定となっている。

 節分祭・追儺式当日は、新型コロナウイルス感染拡大状況を鑑み、神事を縮小。撒豆は豆を奉書紙に納めて行うなど

の感染防止対策を講じる。

 例年なら神職や神社役員らが豆をまきながら拝殿の回廊を3周し鬼を追い払うが、今年は神職のみで斎行。最後の豆まきは神職と厄年の人のみで行う。

 福豆、鬼面札は当日に限り、参拝者と厄よけ・開運招福の祈祷を受けた人に授与する。また、鬼面札は2月28日(月)までに厄払い祈祷を受けた人にも授与される。

 同大社の節分祭・追儺式は午後4時から。九鬼宮司は「新型コロナウイルス、オミクロン株の1日も早い撲滅を祈る限り。多くの人が困難を乗り越えられるよう、思いを込めて神事を執り行いたい」と話している。

(2022年1月28日付紙面より)

神職らが宝印を押し、鬼面札を完成させていった=27日、田辺市本宮町の熊野本宮大社
コロナ撲滅を願い調製された鬼面札
2022年01月28日
2 賢く性の知識身に付けて
 太地中学校で思春期講座  

 太地町立太地中学校(山田貴也校長)でこのほど、3年生11人を対象とした思春期講座があった。かづこ助産院の本舘千子(もとだて・かづこ)院長が「『いのち』が大切より『あなたが』大切」と題して講話した。

 高校進学を控えた生徒に性に関する正しい知識を身に付けてもらうことが目的。本舘院長は串本町から紀宝町までのさまざまな教育現場に立ち、命の大切さや思春期に起こる体と心の変化、性の権利、科学的根拠に基づくさまざまな知識を学ぶ「包括的性教育」の必要性などについて伝えている。

 本館院長は生徒たちに「高校生になったら、好きな人ができたり、恋をしたりすることもあると思う。恋愛で自分を傷つけないため、相手を傷つけないためには学習が必要です」と語り、性的マイノリティー(LGBTQ)や妊娠が起こる仕組み、性感染症などについて改めて知識を伝えた。

 「紅茶と同意」の動画で性的同意について紹介し「デートDVやセクハラ、痴漢など、同意のないものは全て性暴力。水着で隠れるプライベートゾーンだけでなく、嫌な人には髪一本だって触れられたくない」と言及。

 「だまされないよう、助けてと言えるよう、嫌なことは嫌と言うことができるように、皆さんには賢くなってほしい」と語り、「今後心配なこと、困ったことができたら相談に乗ります」と呼び掛けていた。

(2022年1月28日付紙面より)

本舘千子院長が講話=太地町立太地中学校
2022年01月28日
3 スマホで「手軽」確定申告
 御浜町長が模擬体験  

 所得税の確定申告が2月16日(水)から始まるのを前に、尾鷲税務署(柳生憲吾署長)は25日、御浜町役場でスマートフォンを使った申告をPRした。大畑覚町長が模擬体験し「スマホは初めてだが、思ったより簡単で、短時間でできる」と手軽さを伝えた。

 国税庁では新型コロナウイルスの感染拡大防止対策として、会場の混雑を緩和するためスマホを使った確定申告書の作成、送信を呼び掛けている。今回からはスマホのカメラで源泉徴収票を撮影すれば、金額や支払者情報などが自動で入力されるようになった。

 この日は大畑町長が国税電子申告・納税システム「e―Tax」による申告書の作成を模擬体験した。国税庁ホームページからスマホ専用画面を開き「確定申告書等作成コーナー」に必要事項を入力し、還付の確定申告書を5分程度で作成した。

 2021(令和3)年分確定申告は、所得税・復興特別所得税・贈与税が3月15日(火)まで、消費税・地方消費税が同31日(木)まで。感染症対策のため、会場で申告する場合は、入場整理券が必要となり、各会場で当日先着順に配布、または、通信アプリ「LINE(ライン)」の国税庁公式アカウントから事前発行する。

 国税庁は動画による確定申告書の作成方法(「動画で見る確定申告」で検索)をホームページ上で紹介している。

(2022年1月28日付紙面より)

スマホによる確定申告模擬体験をする大畑覚町長=25日、御浜町役場
2022年01月28日
4 登録証とプレートを伝達
 物件「旧谷畑家住宅主屋」  (串本町 )

 串本町西向、岩渕地内にある登録有形文化財〈第30―0316号〉「旧谷畑家住宅(こざがわ)主屋(おもや)」で26日、その登録証とプレートの伝達があった。所有する社会福祉法人和歌山県福祉事業団の佐武寛子・古座あさかぜ園園長は「改めて貴重な建物だと受け止め、これからも大事に使わせていただきます」と語り、登録証とプレートを預かった。

 この物件は、1954年に材木商の谷畑家が建築した木造2階建て一部平屋建て家屋。良材を用い凝った造作に加え、2階の座敷が古座川の眺望に秀でる配置になっているなど立地を生かした設計も宿す近代和風建築の好例として国土の歴史的景観に寄与していると評価され、昨年6月24日付で国の文化財登録原簿に記載された。町内では「樫野埼灯台旧官舎」「旧神田家別邸(稲村(とうそん)亭)」に続き3件目、旧古座町域では初の登録有形文化財記載となっている。

 現在は同事業団が谷畑家から譲り受け、同園が就労訓練を目的とした事業所〈飲食店〉「うどんとうなぎの古座川」などで運用中。同日現在、職員5人と入所者1人の6人チームで火曜日以外の午前11時~午後2時に営業していて、その一般利用を通して物件の内外に親しむことができる。

 この日は町教育委員会教育課の鈴木一郎次長らが物件を訪ね、このほど文化庁から町教委へ届いた登録証と砲金製のプレートを佐武園長へ伝達した。併せて登録に伴う手続き事項の説明をし、今後の適切な管理と他の文化財登録制度より緩やかな制約下での鋭意活用を促した。

 同事業団にとっては、御坊市にある物件「なかがわ(旧中川家住宅)主屋(しゅおく)」(現・事業所「そば&Cafeなかがわ」)に続き2件目となる登録有形文化財。佐武園長は、前例となるこの物件を参考にしつつ今後の管理に努めると話している。

(2022年1月28日付紙面より)

登録有形文化財プレートの伝達を受ける佐武寛子園長(左)=26日、串本町西向
旧谷畑家住宅(こざがわ)主屋。現在は飲食店「うどんとうなぎの古座川」などとして運用中
2022年01月28日
5 ペルーの暮らしに触れる  在外県人会とオンライン交流  (新宮高校 )
2022年01月28日
6 上手に回せるかな?  わかば保育園でこま作り  (那智勝浦町 )
2022年01月28日
7 子どもの成長を実感  くろしお児童館で手形・足形アート  (新宮市 )
2022年01月28日
8 827人が3回目接種を予約  まなびの郷での集団接種  (紀宝町 )
2022年01月28日
9 タブレット使い学び深める  明神小と花坂小、梁瀬小  (古座川町 )
2022年01月28日
10 3回目のワクチン接種  2日で345人が来場  (那智勝浦町 )
2022年01月26日
11 駆け込み需要にも期待
 プレミアム付商品券、使用期限迫る  (新宮市 )

 新宮市が発行する「市プレミアム付商品券」の販売終了および使用期限が1週間後の31日(月)と迫っている。現在の購入率は約66%で、当初見込んでいた7割に届く勢い。市では販売・使用終了直前に伴う駆け込み需要にも期待を寄せている。

 新型コロナウイルス感染症の影響による市民の生活支援を行うとともに、落ち込む地域経済の活性化を図ることを目的に発行。1冊7000円分(500円券×14枚つづり)が5000円で購入できる(プレミアム率40%。1人当たり2冊まで購入可能)。1冊に「地元店舗限定券」と「全店舗共通券」が3500円分(7枚ずつ)の仕様となっており、市内566店舗で使うことができる。

 現在の販売金額は約1億7000万円で発行金額は約2億4000万円。大型スーパー含む小売業店舗における使用が全体の約7割を占め、次に飲食業と続く。担当課である市商工観光課は「日用品で使用する人が多い印象。普段から使っている店舗で使いたい人が多いのでは」と見解。

 市内でサービス業を営む70代男性は「(商品券の)販売直後は使用されるお客さんがいたがしばらく落ち着いていた。今朝(24日)になって『使うのを忘れていた』と商品券による支払いを希望する人がいた」。

 40代男性は「(商品券を使って)一度家族で焼き肉を食べに行ったが、ほとんどを日用品で使った」。30代男性は「(商品券を)購入するのを忘れていた。まだ間に合うなら買いたい。少しぜいたくして普段食べないものを購入したい」と話していた。

 商品券を購入する場合は昨年6月下旬に市から郵送された購入引換券(はがき)と本人確認書類を持参し、市内郵便局13カ所(簡易郵便局を除く)で希望の冊数を代金と引き換える。なお、購入引換券を紛失した場合、1回に限り同課で再発行が可能。再発行を希望する人は印鑑を持参し同課窓口で申請を。

 取扱加盟店一覧表は市内郵便局、市役所、三輪崎支所、高田支所、熊野川行政局で配布。市ホームページにも掲載している。

(2022年1月26日付紙面より)

販売終了、使用期限が迫る新宮市プレミアム付商品券
2022年01月26日
12 身体健全や無病息災祈願
 加寿地蔵尊で初地蔵まつり  (那智勝浦町 )

 加寿(かす)地蔵尊世話人会(中田勝康代表)は23日、那智勝浦町の熊野古道駿田峠の加寿地蔵尊(同町湯川笹ノ子)で「初地蔵まつり」および鈴姫開眼供養祭を開いた。近隣から参拝者らが訪れ、身体健全や無病息災を祈願した。

 世話人会によれば、加寿地蔵尊は千年前に熊野詣での途中、駿田峠で命を落としたといわれる3人の姫を祭っており、婦人病や足腰の病に御利益がある。3人目の「鈴姫」の社が長年発見されていないことから、このたび新たに社を建て、開眼供養祭を営むこととした。

 この日は雨天のため、拝み社で中田代表と修験者の富岡秀清さんらが初地蔵の供養を営み、笛と舞が奉納された。鈴姫の社の前でも般若心経を唱えて開眼供養祭を営み、参拝者が手を合わせた。会場では「千本つき餅つき」や「加寿姫みくじ」などもあった

 修験者の富岡さんは「3人目の姫様のお地蔵さんはとてもかわいらしく、みなさんを守り、癒やしてくれる力を持っているはず」。中田代表は「崖崩れのためか長年三つ目の社が見つかっていなかったが、ようやくお祭りすることができてうれしい」と話していた。

(2022年1月26日付紙面より)

拝み社で供養を営む=23日、那智勝浦町
鈴姫の地蔵へ手を合わせる参拝者
2022年01月26日
13 八重咲きなど花弁に個体差も
 日本クマノザクラの会が学習会  

 クマノザクラの利活用や保全活動に取り組む「日本クマノザクラの会」(勝木俊雄会長、会員165人)は22日、オンライン学習会を開催。副会長の田尾友児さんがクマノザクラとの出会いや今後の活用などを語った。

 日本クマノザクラの会は昨年2月に発足。和歌山、三重、奈良の3県にまたがる自生地で広域的な活動に取り組み、リーフレットを作製し、ホームページも開設した。昨年9月から毎月、オンライン学習会を開催してきた。

 クマノザクラは、バラ科サクラ属の樹木で、2018年に新しく公表された野生種。紀伊半島南部の3県に分布し、ソメイヨシノより少し早い2月下旬から3月中下旬に開花する。勝木さんが発見し、命名した。

 学習会で田尾さんは自宅から配信し、「クマノザクラが発見されるまで地元では早咲きのヤマザクラだと思っていた。18年3月に約100年ぶりの新種として発見されたというニュースが飛び込んできた」と振り返った。

 新種発見後、紀宝町の山林で調査を開始したことやクマノザクラの苗木育成研究などを写真とともに紹介。濃いピンクやフレア状、八重咲きといった花弁の個体差なども解説し「今後、病気や寿命で枯れているソメイヨシノの代わりになると期待している」と伝えた。

(2022年1月26日付紙面より)

オンライン学習会でクマノザクラについて解説=22日、紀宝町神内
2022年01月26日
14 火災から国の宝を守れ
 文化財防火デー前に訓練  (熊野速玉大社 )

 文化財愛護思想の高揚を目的に制定された「文化財防火デー」(1月26日)を前に、新宮市の熊野速玉大社(上野顯宮司)で25日、防火訓練があった。同大社職員らが初期消火活動などを通じて、有事の際の連携体制を確認した。

 例年なら消防団や婦人防火クラブ会員らも参加して行われる防火訓練。今年は新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、同大社神職や巫女(みこ)からなる自衛消防団10人のみで実施。新宮消防署員立ち会いの下、訓練を展開した。

 午前9時、境内の清掃をしていた巫女が、本殿の奥御前三神殿からの出火を確認。大声で「火事です」と伝え、各自が通報や消火器を用いた消火活動、文化財の運び出しなどを実施。「建物から離れて避難してください」と呼び掛け、参拝者を安全な場所に誘導した。

 訓練の様子を見守っていた、新宮消防署の榎本正昭消防係長は「大きな声で火事発生を知らせてくれていた。各担当も迅速、的確に行動していただいていた。設定時間内に終了し、日頃から訓練をしてくれていると感じた」と講評し「早期の発見と通報が重要。被害を最小限に抑えていただけるよう、今後も訓練に励んで」と呼び掛けた。

 上野潤権宮司は「突発的な災害に対しては常日頃からの備えが必要。年に1度振り返り、こうして訓練できる機会は重要」と述べ、「訓練では適時スムーズに動けていたと思う。訓練を通じて、防火の大切さが広く伝われば」と話していた。

 文化財防火デーの1月26日は1949(昭和24)年に法隆寺金堂壁画が焼損した日。55(昭和30)年からこの日を中心として全国的に防火運動が展開されている。

(2022年1月26日付紙面より)

文化財の運び出しを行う神職ら=25日、新宮市の熊野速玉大社
2022年01月26日
15 たばこは毒の缶詰  神倉小で防煙教室  (新宮市 )
2022年01月26日
16 最高の和歌山暮らし発信  「わかやま魅力Fes.」  
2022年01月26日
17 時代超え、闇を光へ紡ぐ㊦  「大逆事件」から111年  (新宮市 )
2022年01月26日
18 さまざまなゲームに挑戦  橋本児童館「みにみにチャレラン」  (新宮市 )
2022年01月26日
19 フキノトウが顔出す  ひと足早い春の訪れ  (紀宝町 )
2022年01月26日
20 自慢のたこ、大空に  井田小の1、2年生が作る  (紀宝町 )
2022年01月26日
21 串本町モデルにし課題探る  子育て支援検討成果報告会  
2022年01月26日
22 区の関係者らで信心つなぐ  添野川いくさ地蔵尊で例祭  (古座川町 )
2022年01月26日
23 お悔やみ情報
  
2022年01月21日
24 幸福を招く縁起物
 節分前に「吉兆」作り  (熊野速玉大社 )

 節分(2月3日)を前に、新宮市の熊野速玉大社(上野顯宮司)では、縁起物の「吉兆(きっちょう)」作りが大詰めを迎えている。上野宮司をはじめとした同大社職員や巫女(みこ)、敬神婦人会のメンバーらが今月10日ごろから制作に取り掛かっていた。大(約90㌢)200本、小(約50㌢)800本を20日から同社で販売しており、希望者には郵送する(送料別)。

 「吉兆」は「良いことの兆し」の意味があり、古い信仰では、「お正月様(年神)」が「今年は豊年、凶事・疫病の起こらぬ良い年」と祝福したことから、この福神を迎えた木のことを「吉兆」という。

 大社境内の山林で採ったヤナギの枝を上野宮司が剪定(せんてい)して束ね、大福帳、小判、お守り、タイなどの小物をくくり付け、仕上げに直径約2~3㌢の赤、白、青、紫などの「もち花」を付けた縁起物。

 ヤナギはその生命力の強さ、力強さなどから福神が宿るとされている。節分に飾ると商売繁盛、家内安全などの幸福が訪れると信じられている。

 吉兆は2月3日(木)の節分祭でも授与するが、人気があり午前中で売り切れてしまうことも。値段は大が3000円、小が1800円。郵送希望者は同大社に電話(0735・22・2533)で問い合わせを。

 同大社では「疫病退散、家内安全、商売繁盛、福徳招来の御祈願を込めて奉製いたしております。皆さまにとって実り多き年となりますようお祈り申し上げます」と話している。

 今年の節分祭は、新型コロナウイルス感染予防の観点から「お焚(た)き上げ」を午前10時から開始。時間を短縮し午後8時までとする。午後7時からは「追儺(ついな)式」が営まれるが、鬼の登場はなし。福豆やお菓子まきも実施しない。

 厄よけ祈とうは午前9時から午後8時まで。同大社では各所に消毒液を設置するなどして感染防止に努めるとともに、参拝者に対してマスク着用などの感染対策を呼び掛けている。

(2022年1月21日付紙面より)

大詰めを迎える「吉兆」作りの様子=20日、熊野速玉大社
鮮やかな彩りの「吉兆」
2022年01月21日
25 対象住民に理解求める
 用地幅杭打設など説明  (一般国道42号新宮道路 )

 国土交通省近畿地方整備局紀南河川国道事務所と和歌山県、新宮市は19日夜、新宮市王子町の市立総合体育館で「一般国道42号新宮道路」用地幅杭打設などに関する説明会を実施。地域住民に対し、事業を進めるに当たっての協力を求めた。

 2024年秋の開通を目指して工事が進む新宮紀宝道路と、開通している那智勝浦新宮道路を接続し、紀伊半島沿岸部における大阪府から三重県を結ぶネットワークの一部を構成する新宮道路。19年度に紀宝熊野道路とともに事業化。これをもって紀伊半島一周高速道路が全線事業化となった。

 同市あけぼのの「新宮北インターチェンジ(IC)」=仮=を起点とし、「新宮中央IC(仮)」を経て同市三輪崎の「新宮IC(仮)」を終点とする延長4・8㌔の道路で「南海トラフ巨大地震による津波や、大雨による浸水を回避することにより、災害時における安全性・信頼性を確保」「朝夕や休日に渋滞が発生する国道42号からの交通転換を図り交通渋滞を緩和」「広域的な周遊観光ルートの確保による観光客のさらなる増加」が主な整備効果として見込まれている。車線数は2車線となる見込み。

 この日の説明会は設計を基に事業を行う現地において用地幅杭の打設作業を進めるに当たり、当該土地所有者の理解と協力を求めることを目的に実施。当局はこれまでの経緯や作業の概要、用地補償の流れなどについて説明した。

 補償の種類や内容なども解説しつつ「十分にご理解いただけるよう説明を尽くし、誠意を持って話をうかがい進めていきたい」と理解を求めた。

 説明後には質疑応答の時間も設けられた。住民からは「4・8㌔間に三つのICが必要なのか」などの質問が上がり、当局は「三重県方面へのアクセス機能を確保するため」などと説明した。

 今後は物件調査や個別説明などを実施していく予定となっている。

(2022年1月21日付紙面より)

地域住民らが出席した説明会の様子=19日夜、新宮市立総合体育館
紀南河川国道事務所ホームページより
2022年01月21日
26 伊藤さんが総務大臣表彰受賞
 行政相談委員としての功績認められ  (那智勝浦町 )

 総務省和歌山行政監視行政相談センターは19日、那智勝浦町役場町長室で令和3年度行政相談委員総務大臣表彰の表彰式を開いた。長年の功績が認められた同町那智山在住の伊藤松枝さんが表彰を受け、堀順一郎町長らが祝福した。本年度の表彰者は全国で97人、和歌山県では伊藤さんのみの受賞となった。

 伊藤さんは元町立図書館長で行政相談委員を務めていた故・小岩研作さんに勧められ、2011年4月に総務大臣の委嘱を受けた。月に1度、町役場で開設される行政相談所で多数の相談事案に対応するほか、広報活動に汗を流し行政相談制度の周知や啓発にも積極的に取り組んでいる。現在、10年9カ月目を迎えた。

 15年度には県内の行政相談委員で構成される和歌山行政相談委員協議会の理事に就任。県内のリーダー委員として協議会の発展に努めている。

 担当した主な事案には、「公園に設置のビン玉のオブジェに囲いがなく、子どもが割ってしまったこともあり危険。対策をしてほしい」との相談があったという。

 伊藤さんは公園管理者と連絡を取り、オブジェ周囲にアクリル製の柵および注意書きをした説明板の設置などの安全対策にも尽力した。

 最も印象深い事案として、数十年にわたって悩みを抱えた相談者の対応を挙げた。行政相談事案ではなかったが、親身になって話を聞き、解決に至った際には「とても感謝してくださった。残念ながらその後、亡くなられたが、ご存命の間に解決できて良かったです」と当時を振り返る。

 賞状伝達後は同じく行政相談委員の濱﨑美佐登さんから伊藤さんに花束が贈られたほか、金子恭之総務大臣から各受賞者に贈られたビデオメッセージが流された。

 同センターの新井芳隆所長は「関わりのない案件や日々の生活相談などにも親身になっていただき、ありがたい」。

 堀町長は「日々、最前線で町民の皆さまの安心安全のためにご活躍いただき、ありがとうございます。吸い上げた声は町政に反映させていきたい」と感謝した。

 伊藤さんは「過分な賞を頂けましたのも、小岩さんや濱﨑さん、町、センターの皆さまのサポートのおかげ。相談委員になり、多くを学ぶことができた。今後も勉強を重ね、一人でも多くの方の困り事や心配事に寄り添うことができれば」と語った。

 行政相談は毎月第1水曜日午後1時30分から午後3時30分まで、同町役場で実施。今年10月の行政相談週間では、宇久井地区と色川地域で出張相談所を開設するとした。

(2022年1月21日付紙面より)

行政相談委員総務大臣表彰を受賞した伊藤松枝さん=19日、那智勝浦町役場(一時的にマスクを外して撮影)
コロナ禍以前に相談事案に対応する伊藤さん(右)の様子(総務省和歌山行政監視行政相談センター提供)
2022年01月21日
27 防衛大臣など貢献に感謝
 自衛隊串本地区協力会に  (航空自衛隊串本分屯基地 )

 串本町須江にある航空自衛隊串本分屯基地(中津洋紀司令)で19日に感謝状伝達式があり、自衛隊串本地区協力会(堀周雄会長)が防衛大臣、同協力会の小森正剛顧問が同隊中部航空警戒管制団司令の感謝を受けた。

 いずれも防衛基盤の育成や隊員の士気高揚に対する長年かつ多大な協力に対する感謝。平年は贈呈式を開いてじかに感謝を示すが新型コロナウイルスの情勢により本年度は同式を中止とし、昨年12月1日付で感謝を示して対象者に最寄りの拠点から記念品を添えて適時伝達している。

 同協力会は同基地とのつながりを礎にして1980年に発足。以来42年にわたって会員らは自衛隊活動への理解を深め、同基地の安定的運営に資するさまざまな協力支援を重ねている。同大臣、同司令ともその貢献を大と認め感謝を示している。

 感謝状は中津司令から堀会長と小森顧問へ伝達。併せて岸信夫防衛大臣からのメッセージを代読し、中津司令は「安全保障に災害対応など多様化する自衛隊任務の遂行は、国民や地域の皆さまのご理解とご協力なくしてはできない。これからも分屯基地一丸で頑張るので、引き続きご支援ご協力をお願いしたい」と述べてそれぞれの貢献に感謝した。

 感謝状と記念品を受けて堀会長は「この協力会を立ち上げて支援を重ねてこられた先輩方のおかげで防衛大臣から感謝を頂くことができ、ただただ光栄です。できることは限られているが、これからもできる限りの協力をしていきたい」、小森顧問は「自衛隊員の皆さまは国のため、国民の安全安心のために努力をされている。少しでも応援させていただけたらという思いですし、これからもそうしていきたい」とそれぞれコメントした。

(2022年1月21日付紙面より)

感謝状を手にする堀周雄会長(中)、小森正剛顧問(左)と中津洋紀司令=19日、航空自衛隊串本分屯基地
2022年01月21日
28 44人が合格  近大新宮中前期入試  
2022年01月21日
29 近大新宮高2年・長井貴成君が優秀賞  情報モラル・セキュリティコンク標語部門  
2022年01月21日
30 伝統行事通して交流  下里保でこま回し大会  (那智勝浦町 )
2022年01月21日
31 思い込めキッズマスク寄贈  串本、古座川に各500セット  (株式会社はま建装 )
2022年01月21日
32 手作りのたこ揚げて大喜び  高池小1年、蔵土の広場で  (古座川町 )
2022年01月21日
33 認定の概念や概要学ぶ  町職員対象のジオ研修  (串本町 )
2022年01月21日
34 防火戸通り抜け避難  井田小で火災避難訓練  (紀宝町 )
2022年01月21日
35 深海世界へ理解深める  6年生が端末通じ受講  (鵜殿小 )
2022年01月21日
36 米、ミカンの豊作に期待  農作物の作柄占う試粥会  (御浜町 )
2022年01月21日
37 樹木28種を紹介  「宇久井半島の幼木」展  (那智勝浦町 )
2022年01月19日
38 西田健さん、無投票で5選
 紀宝町長選  

 任期満了に伴う紀宝町長選挙が18日告示され、現職の西田健さん(73)=無所属=以外に立候補の届け出がなく、西田さんが無投票で5回目の当選を果たした。


2022年01月19日
39 自分の身を守る行動を
 丹鶴幼で防災出前事業  (新宮市 )

 新宮市立丹鶴幼稚園(下岡容子園長)で17日、「ぼうさい出前事業~たんかくようちえん~」があった。市防災対策課の櫻井勇太さんと日浦規行さんが来園し「見て、考え、触って、身体(からだ)を動かす体験型」の防災授業を展開。44人の園児らが防災に対する心構えを身に付けた。

 6434人が亡くなった阪神・淡路大震災発生(1995年)から17日で27年。1月17日はボランティア活動への認識を深め、災害への備えの充実強化を図ることを目的として「防災とボランティアの日」に制定されている。

 出前授業は子どもたちに有事の際に自らの命を守る行動を身に付けてもらうことを目的に実施。

 櫻井さんは、園児らに、無彩色の人気のキャラクターを青(津波)、黄(土砂崩れ)、赤(火事)に色分けしてもらい「地震が起きたら津波や土砂崩れが起こり火事になります。色で覚えておいて」と呼び掛けた。

 「危険な場所を探そう」で園児らは地震発生時の教室内の危険な箇所を探索。ピアノや空調設備の下などに「危険マーク」を貼り「電灯が落ちてきたら危ないよ」「扇風機も落ちてくるかも」などと意見を出し合った。

 櫻井さんは「地震はいつ来るか分かりません。安全な所を自分で探して頭を守る『ダンゴムシのポーズ』を」。

 園児らは地震発生時に取る体勢を基にした「ぼうさいじゃんけん」や、「新聞紙座布団」「新聞紙ブランケット」「防災新聞紙スリッパの折り紙」など身近にある新聞紙の使い方も学習。「スリッパを作るのが難しかったけど楽しかった」などと感想を発表し、ゲームなどを交えた体験型の授業を通して身を守る行動を学んだ。

(2022年1月19日付紙面より)

「ぼうさいじゃんけん」で有事に取る体勢をおさらい=17日、新宮市立丹鶴幼稚園
新聞紙ブランケットで「暖かいね」
防災新聞紙スリッパの履き心地を確認
2022年01月19日
40 クラシックの世界を堪能
 新春コンサートで西謙二さんら  (新宮市 )

 「オペラとピアノの会」は16日、新宮市下本町の市文化複合施設「丹鶴ホール」で「新春コンサート オペラ・ピアノ・歌で誘(いざな)うクラシックの世界」を開催した。西謙二さんらによるピアノ演奏や歌声が会場内に響き渡り、約400人の来場者らがクラシックの世界を満喫した。

 西さん(ピアノ・テノール)、金野友美さん(ソプラノ)、石山優香さん(ピアノ)が出演。バリトンの二宮周平さん、メゾソプラノの滝口小夜子さんをゲストに迎えて開催した。

 コンサートは西さんによるシューマン作曲「『子供の情景より』見知らぬ国へ」のピアノ演奏で幕開け。「楽しいコンサートにしていければ。短い時間ですがごゆっくりお楽しみください」とあいさつした。

 新型コロナウイルスの影響で一部プログラムが変更となったが、主演者らはプッチーニの「トスカ」「トゥーランドット」、ロッシーニの「セビリアの理髪師」などで声楽とピアノを披露。

 「世界の名曲」と題し「ふるさとの」(平井康三郎作曲、石川啄木作詞)「サマータイム」(ガーシュイン)なども会場に響かせ、迫力ある演奏や歌声に来場者らは惜しみない拍手を送った。

 西さんは県立新宮高校、東京大学工学部卒。米国マサチューセッツ工科大学客員研究員や学術誌のエディター、日本政府関係の委員などを務めた経歴を持つ。ピアノを杉浦範さんらに、声楽を田邊清美さん、二宮さんに師事。テノールとして首都圏でのコンサートを中心に出演している。

(2022年1月19日付紙面より)

迫力ある歌声を響かせる西謙二さん(右)ら=16日、新宮市の「丹鶴ホール」
大勢の来場者がクラシックの世界を堪能
2022年01月19日
41 オリジナルの羽子板作る
 木材会館で第2回木育教室  (新宮市 )

 新宮市あけぼのの新宮木材会館で15日、新宮木材協同組合事務局主催の第2回木育教室が開かれた。親子3組10人がスギとヒノキの見分け方を学び、地元産のスギ材を使ったオリジナルの羽子板を作った。

 大人にも子どもにも、森林の役割や木の良さ、新宮市と林業の関わりなどを知ってもらおうとスタートした取り組み。森林についての座学と木工工作があり、同組合加入の製材所などが材料を提供している。

 この日は事務局員の山本盛都さんが、日本の人工林の多くを占めるスギとヒノキについて解説。タネ、花、苗、葉、樹皮、年輪の写真を見比べながら、その特徴や違いを示した。「木の節ってなんだろう?」「日本のような四季がない国の木材には年輪がある?」などのクイズもあった。

 木工工作では、地元産スギ材の羽子板にカーボン紙でトラや門松、ウメなどを描き、油性ペンや筆ペン、はんこなどで色を塗っていった。完成後は子どもたちが早速「カーン、コーン」と子気味の良い音を響かせて遊んでいた。

 今後も毎月1回、5組限定で開催していく予定。大人の参加も歓迎しており、イベントに関する情報は毎月1日にインスタグラムのアカウント(kinanmokuzai_shinryokukai)で発信している。

(2022年1月19日付紙面より)

スギとヒノキを見比べる参加者=15日、新宮市の新宮木材会館
オリジナル羽子板を持つ子どもたち
2022年01月19日
42 災害時に移動式ハウス提供
 木下建設と利用協定を締結  (串本町 )

 和歌山県有田市に本社を置く木下建設株式会社(木下英文代表取締役社長)が17日、串本町と災害時における避難場所の施設利用に関する協定を締結した。

 同社はかねて、国土交通省が推奨する「地域の守り手」として災害時の復旧活動に参加。その中で地域に安心を届ける方法はないかを考え、2020年度に環境省事業の採択を受けて平時は現場の仮設事務所や休憩所、災害時は拠点基地や避難場所として利用できる太陽光発電付き移動式ハウス「ソーラーシステムハウス」を株式会社ダイワテック、デザイン事務所「BLOOM*ROOM」と共に2種類製作し、計10棟を導入した。

 うち2棟は本社に配置し、残り8棟をすさみ串本道路関係工事請負のため同町内の現場などで運用中。その縁で災害時の利用を図るために同協定を町に申し出て締結するに至った。

 締結式は高富にある同社串本事業所であり、木下社長と田嶋勝正町長が協定書に署名した。災害時に同ハウスを配置場所もしくは町が希望する場所へ移動配置して貸与する内容で、町か同社のいずれかが解除を求めるまで有効となっている。

 署名を経て田嶋町長は「災害はいつ起こるか分からないことを頭に入れて取り組む中、この素晴らしいハウスを活用させていただけることをうれしく思う」と述べて今後の有効活用を視野に入れ、木下社長は「地元の皆さま方と共にこれからも防災対策に取り組んでまいりたいと考えている。本日の締結式はその一歩。社会に生きる者の務めとしての認識を思い、改めて身が引き締まる思い」と胸中を明かして同協定に基づく第一歩を踏み出した。

 同社は有田市とも同様の協定を締結済み。災害時はその状況に応じて両市町内に同ハウスを割り当てるという。

  □     □

1棟は「現場の駅」としてアピール開始



 同町内8棟のうち、1棟は同事務所横に配置し情報発信基地「現場の駅」として同式後から運用を始めた。日曜を除く午前8時30分~午後5時に開いていて、現場の魅力や工事の進捗状況、町の情報(同社と串本警察署が合同で取り組む野生動物接触注意の啓発など)や観光案内などの情報発信と併せて同ハウスも皆さんに知ってほしいとアピールしている。

 同ハウスは角形鋼管・軽量形鋼構造で、4坪サイズ、開放型とプライバシー確保型の2種類がある。太陽光パネルと大容量の蓄電池、エコ給湯器を備え、省エネ型の構造設計や設備採用により満充電・無給電状態で約3日間利用〈通常時〉できる能力を有する。

 採択条件外の独自の仕組みとして、デジタル看板と災害時の情報入手や安否確認に欠かせない携帯端末の充電を想定とした「虹色コンセント」(同社命名、2口コンセント×7個)も備えることで、災害時の安心提供の度合いを強めている。

 この日は同社の招待で高富区の中野實区長ら近隣住民が「現場の駅」として開放している同ハウスを内覧し、特色の説明を受けて概要を確かめた。同ハウス周囲のウッドデッキやウッドフェンスは社員の手作り。同社は同事務所がある限り「現場の駅」の配置も続けると意気込んでいて、地域の皆さんに適時利用してもらえればとしている。

(2022年1月19日付紙面より)

協定を締結した田嶋勝正町長と木下建設株式会社の皆さん=17日、串本町高富の同社串本事務所
内覧者にソーラーシステムハウスの特色を紹介する木下英文代表取締役社長(右)
2022年01月19日
43 学び合う児童の姿を見学  井田小で公開授業研究会  (紀宝町 )
2022年01月19日
44 家族でのんびり自然を満喫  飛雪の滝キャンプ場で体験会  (紀宝町 )
2022年01月19日
45 西村伊作らの草稿を展示 3月21日まで、佐藤春夫記念館 (新宮市)
2022年01月19日
46 練習の成果を披露  神倉小で「手話歌」  (新宮市 )
2022年01月19日
47 「日々の生活が先生だった」  寺岡さん著書「ど根性貧乏!」  (那智勝浦町 )
2022年01月19日
48 県大会結果など町長に報告  ビブリオバトル町代表2人  (串本町 )
2022年01月19日
49 テリハノイバラの実  那智勝浦町の弁天島近く  
2022年01月19日
50 現職・西田候補のみが届け出  無投票の公算大きく  (紀宝町長選 )
2022年01月19日
51 お悔やみ情報
  
2022年01月16日
52 終息願い鬼面札づくり
 熊野那智大社で節分準備  (那智勝浦町 )

 2月3日(木)の節分を前に那智勝浦町の熊野那智大社(男成洋三宮司)では9日から「鬼面札」や福升の準備が行われている。ピークを迎えた14日は神職や巫女(みこ)が真剣な表情で鬼面札作りの作業を進めていた。

 災難よけのお札「鬼面札」と縁起の良い「福桝(ふくます)」を作っている。鬼面札はしめ縄の輪の中に赤鬼・青鬼を封じ込めた図柄で1969年に3代前となる篠原四郎元宮司が作成した木版画で翌70年から授与。独特の絵柄が人気で昨年末から予約が入るという。

 神職が縦35㌢、横45㌢の画仙紙に那智の滝の水で溶いた墨を版木に付け1枚ずつ刷り出し、巫女が「那智宮印」を押して、2000枚を仕上げる。モミの木製の福升は5合升で1升の半分であることから「繁盛(半升)升」ともいわれ350個作るという。

 𠮷田遥紀権禰宜(ごんねぎ)は「コロナ禍が続くと、多くの皆さまが気疲れしてしまい、これもまた厄災のきっかけとなってしまう。鬼面札は厄災よけ、家内安全の札。いま一度、用心していただき、新型コロナウイルス終息と皆さまが穏やかな一年をお過ごしいただけるように祈り、作成しております」と話した。

 鬼面札はすでに社頭で授与されており、郵便授与の受け付けは15日から開始。鬼面札は1枚800円、福升は1500円、福豆が300円。郵送授与希望時は別に送料が必要で、申し込みはFAX(0735・55・0643)かメール(nachi@kumanonachitaisha.or.jp)で受け付けている。問い合わせは同大社(電話0735・55・0321)まで。

 同社によると、来月3日の節分行事はコロナ対策を万全に施し、例年通り実施する予定だという。

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■那智山青岸渡寺では



 西国三十三所第一番札所である那智山青岸渡寺(髙木亮英住職)では例年多くの参拝者が訪れる「節分会」を新型コロナの感染拡大防止の観点から中止する。

 同寺によると、節分で使用する祝升(いわいます)の作成や豆まき行事は実施せず、本尊の如意輪観世音菩薩の開帳と祈とうのみ執り行うという。

 髙木住職は「節分の準備を進めていたが、コロナの感染拡大に伴い、急きょ中止といたしました。残念だが、来年こそは通常通りできることを祈願しております」と語った。

(2022年1月16日付紙面より)

新型コロナウイルス終息の願いを込めながら節分準備が進められた=14日、那智勝浦町の熊野那智大社
2022年01月16日
53 全国棚田サミットに向け
 那智勝浦町実行委員会が設立  

 那智勝浦町でこのほど、全国棚田(千枚田)サミット那智勝浦町実行委員会(会長=堀順一郎町長)が設立された。14日、同町天満の町体育文化会館で設立総会および第1回総会があり約20人が出席。規約制定や予算を承認したほか、役員選出では那智勝浦観光機構の清水貞吾理事長を副会長に、酒井清崇東牟婁振興局長とみくまの農業協同組合の漆畑繁生代表理事組合長を監事に選出した。

 全国棚田サミットは、1次産業に対する意識の向上を図るとともに、棚田の魅力を再発見し、美しいふるさとの風景を次世代につなぐ契機とするために開催。令和5年度に同町で第28回サミットの開催が計画されており、全国から200~800人程度が参加する見込み。委員会は同サミットにおいて円滑な運営を図ることを目的に設立。サミットでは基調講演や交流会などを予定している。

 同町では色川が指定棚田地域に指定されており、中でも小阪の棚田は「棚田を守ろう会」が30年以上休耕していた田を復活させ保全に取り組んでいる。また、県が指定する美しい棚田・段々畑として認定している色川南平野の棚田も存在。その他の区でも山間部の厳しい環境で耕作をしていたことが分かる。

 なお、高津気地区に棚田の広がる地域はあるものの、2011年の紀伊半島大水害により農業用施設が被災され耕作できない状態が続いているが、しし垣といわれる施設もあり、獣害対策とともに棚田地域を有する里山の暮らしを残している。

 19年12月に旧色川村地域が指定棚田地域に指定。20年6月に色川棚田地域振興協議会が設立。同年8月に活動計画が認定されており、同地区における棚田を活用した地域振興活動が展開されている。

 開会に当たり、堀町長は「新型コロナウイルス感染症の影響もあるが、収束に向かうのではという気持ちを持ちつつサミットに備えたい」と成功に向けて協力を呼び掛け。

 「町には素晴らしい棚田がある。しかし全国的には耕作放棄された棚田も多い。棚田を復活し伝統文化を残すために頑張っていきたい」とあいさつした。

 委員会会議では▽規約の制定および改廃▽町棚田サミットの基本事項▽予算および決算▽その他町棚田サミットにおける重要事項―に関することを審議決定する。

(2022年1月16日付紙面より)

設立に当たりあいさつする堀順一郎町長=14日、那智勝浦町の体育文化会館
2022年01月16日
54 大漁や家内安全など願い
 飛鳥神社でお弓神事  (太地町 )

 太地町の飛鳥神社(髙橋正樹宮司)で13日、航海安全や大漁などを祈願する「お弓祭り(お弓神事)」が営まれた。漁業関係者などの参列者が境内の的を目掛けて全力疾走し、「セミ」を取り合った。

 髙橋宮司によると、以前は多くの漁師が祭りに参加していたため、漁から戻って作業を終える夕方に行われていたという。

 セミクジラを模した木製のセミは毎年、手作りの縁起物で直径約1・2㍍の的に三つ取り付けられる。本来は的を松に固定する留め具として用いられていた。セミを手にした人は大漁と航海の安全に恵まれるといわれており、持ち帰って家の神棚や床の間、船などに祭られる。

 髙橋宮司が矢を放つのと同時に参列者らが一斉に的まで駆け寄り、セミを奪い合った。「今年は取れた」「よし、取れた」とセミを手にした3人は笑顔で喜んだ。

 その後、鬼と見立てた的は参列者らが手で破り、切り分けた。松や竹の枝と共に的を玄関に飾ると破魔矢同様に魔よけになるとされ、参列者がうれしそうに持ち帰る姿が見られた。

 祭りを終え、髙橋宮司は「昔は町の大半が捕鯨に関わっていたため、海の安全や大漁を祈ったが、時代とともに働き方も変わっている。現在はそれらに加え、家内安全や商売繁盛の意味も込められている。一年の邪気を払うとともに、皆さまにとって良い一年であることを祈っています」と話した。

(2022年1月16日付紙面より)

セミを取り合う参列者ら=13日、太地町の飛鳥神社
髙橋正樹宮司が弓を構える
2022年01月16日
55 児童46人が受験
 近大新宮中で前期入試  (新宮市 )

 新宮市の近畿大学附属新宮中学校(池上博基校長)は15日、中高一貫コースの前期入学試験を実施した。児童46人(男子17、女子29)が受験し、国語と算数の筆記試験や面接に臨んだ。

 試験実施に当たり同校は▽試験室の机・椅子の消毒▽受け付けでの手指消毒と検温▽換気▽付き添いの保護者を1人に制限―などの新型コロナウイルス感染対策を取った。

 緊張した表情で入室した児童たちは、教職員から受験に関する諸注意を受け、気を引き締めて試験の問題に向かった。合格発表は19日(水)に、本人宛てに試験結果通知書が郵送される。

 後期入学試験の出願期間は2月2日(水)~7日(月)必着。試験日は12日(土)、合格発表は16日(水)を予定している。

  □     □

■高校前期入試日程

 近畿大学附属新宮高校の前期AO入学試験および一般入学試験の出願期間は1月19日(水)~25日(火)必着。試験日は29日(土)、合格発表は2月2日(水)に試験結果通知書を本人と出身中学校長宛てに発送する。

 問い合わせは近畿大学附属新宮高校・中学校(電話0735・22・2005)まで。

(2022年1月16日付紙面より)

試験に臨む児童たち=15日、新宮市の近畿大学附属新宮中学校
2022年01月16日
56 「感染予防に協力を」  見守り兼ねコロナ対策物品配布  (新宮市梅の木・広角町内会 )
2022年01月16日
57 西川流友華会新年に舞う  おさらい会と伝統文化親子教室発表会  (新宮市 )
2022年01月16日
58 お正月気分を満喫  丹鶴幼で新春お楽しみ会  (新宮市 )
2022年01月16日
59 自転車道PRを目的に  紀南高と道の駅協議会のコラボ企画始まる  (熊野市 )
2022年01月16日
60 新年の干支登山を楽しむ  山歩き部会が虎ケ峰へ  
2022年01月16日
61 町関連施設を休館、閉所に  独自の新型コロナタイムライン  (紀宝町 )
2022年01月05日
62 近年ない水揚げに活気
 恒例のマグロ初市  (那智勝浦町 )

 はえ縄漁による生鮮マグロの水揚げ量が日本一の那智勝浦町の勝浦地方卸売市場で4日、初市が行われた。この日は高知、徳島、沖縄、宮崎、千葉、和歌山県みなべ町のはえ縄漁船7隻がメバチ、キハダ、ビンチョウの各マグロなど約52㌧を水揚げした。初市においては近年にない水揚げとなり、市場は50社約70人の仲買人が集まり活気づいた。クロマグロの水揚げはなかった。

 初市開始前の午前6時50分ごろには式典が開かれ、堀順一郎町長はマグロの水揚げや町の水産振興に寄与する関係者らに感謝を述べ、「クロマグロの漁獲枠も増えたことは明るい兆し。町としてもさまざまな環境整備などにも尽力していきたい」と話した。

 続いて、和歌山県漁業協同組合連合会の額田浩事務局長と勝浦魚商協同組合の木下勝之組合長があいさつ。同町議会の荒尾典男議長の音頭で乾杯後、初市が開始された。

 県漁連勝浦市場の太田直久市場長は「初競りでの約52㌧は最近ではない漁獲量なので、上々の滑り出し。漁師の方によると、近海の漁場でビンチョウも釣れだしていると聞いている」と喜んだ。

 資源の回復などから昨年12月の国際会議でクロマグロの漁獲枠が15%増となったことについては「各船に割り当てがあり、漁獲量としても増えると思う。昨年はコロナ禍で値段が下がっていたため、今年は落ち着いてほしい。勝浦で良いクロマグロが取れ、良い値が付くことを期待しています」と語った。

 初市の水揚げ量はメバチが約300本、キハダ約200本、ビンチョウが約3000本の約52㌧だった。近畿や関東、東海地方へ出荷される。

(2022年1月5日付紙面より)

滑り出しが上々となった初市の様子=4日早朝、那智勝浦町の勝浦地方卸売市場
2022年01月05日
63 新たな一年がスタート
 官公庁で仕事始め式  

 和歌山県庁や各市町村など官公庁で4日、仕事始め式があった。6日間の休業を終えた職員たちは首長らの訓示の下、気を引き締めて新しい一年のスタートを切った。

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■新宮市



 新宮市役所別館であった仕事始め式には、職員や来賓の榎本鉄也市議会議長や東原伸也副議長ら約70人が出席した。田岡実千年市長が「『市政は市民のために』を忘れることなく、公約の実行や諸課題の解決に向けた取り組みを誠心誠意進めていく」と所感表明。

 新型コロナウイルス対策やワクチン追加接種、市内経済の回復、防災、エコ広場、子育て支援策、市文化複合施設「丹鶴ホール」を中心とした文化振興・事業展開などを掲げ「市民生活に密着したソフト事業を強く推進していく」。

 また、福祉や教育、医療、医師確保などのさまざまな諸課題に対し「『市民の誰もが元気で心豊かに暮らせるまち』の実現を目指し、職員と共に渾身(こんしん)の力を込め取り組んでいく」と誓いを新たに。

 職員に向け「コロナ禍3年目。今年はウィズコロナ、アフターコロナを見据えた準備も必要。市民のため、市のためにしっかりと職務に取り組んでほしい」と訓示した。

 榎本議長は「行政の真価が問われる時代となってきた。まだまだコロナ禍ではあるが、一丸となりまちの活性化のために市政発展の期待に応えてほしい」とあいさつ。速水盛康教育長が「これから先の展望をしっかりと築いて見据えながら、市の発展にご協力を」と述べ、万歳三唱で士気を高めた。

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■那智勝浦町



 那智勝浦町では、庁舎大会議室で仕事始め式を開いた。約50人の管理職の職員が出席し、今年一年の業務に取り組むに当たり、気持ちを新たにした。

 町歌を斉唱後、堀順一郎町長は新型コロナウイルスの感染防止対策強化を提言。現在進める感染症関連の経済対策に触れ、「アンテナを張り巡らしていただき、町内で本当にお困りの方々を支援できるようにしたい。全国で実施するさまざまな取り組みの情報収集にも力を注いでほしい」。

 新年度予算や若い職員への指導については「予算策定は何のために、誰のために行うのかを改めて考えてほしい。そして自分たちの仕事の意義についても考え、率先して若い職員の方々にも周知してほしい。今年も大変な一年になるかと思うが、奮起して取り組んでください」と呼び掛けた。

(2022年1月5日付紙面より)

万歳三唱で士気を高めた=4日、新宮市役所別館
堀順一郎町長の訓示に気持ちを新たにする職員たち=同日、那智勝浦町役場
2022年01月05日
64 皇室や国家の安寧祈る 熊野三山で元始祭 

 新宮市の熊野速玉大社(上野顯宮司)、那智勝浦町の熊野那智大社(男成洋三宮司)、田辺市本宮町の熊野本宮大社(九鬼家隆宮司)の熊野三山で3日、皇室の弥栄(いやさか)や国家安泰、氏子、崇敬者の願望成就などを祈願する元始祭が厳かに執り行われた。

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■熊野速玉大社



 熊野速玉大社では、斎主を務めた上野潤権宮司が祝詞を奏上。巫女(みこ)たちが国の平穏無事を願い「浦安の舞」を奉納し神職らが玉串をささげた。

 神事を終え、上野権宮司は1940(昭和15)年に皇紀2600年を祝って作られた神楽「浦安の舞」の歌詞「天地(あめつち)の神にぞ祈る朝なぎの海のごとくに波たたぬ世を」に言及。「波風が立たず平和であってほしいとの祈りが込められている。今年は皇紀2682年。新型コロナや自然災害など、避けることのできない災いもあるが戦争は人間が生んだ災い。一人一人が地球環境や世の中のことを真剣に考えて手を携えていかなければ。個々の幸せとともに平和な世の中のために祈る一年になれば」と思いを語った。

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■熊野那智大社



 熊野那智大社では、本社と別宮・飛瀧(ひろう)神社で天皇の御位の大元始めをことほぎ、皇室の悠久と国運の隆昌(りゅうしょう)を祈った。

 飛瀧神社では、那智の滝に向かい男成宮司が祝詞を奏上。巫女が「那智の瀧舞」を舞う姿を、参拝客がカメラや動画に収めるなどし見物した。

 男成宮司は昨年と比較し年末年始の参拝客が増加したとし、「多くの方々にご参拝いただきありがたい。皇室の弥栄とともに皆さまの幸せや地域の繁栄をお祈りした。国民の一番の願いである新型コロナウイルスの終息も祈願いたしました」と語った。

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■熊野本宮大社



 熊野本宮大社では、関係者ら13人が参列。九鬼宮司が祝詞を奏上した後、参列者が玉串をささげていった。

 神事を終えた九鬼宮司は参列者に対し「この約2年間、新型コロナウイルスや変異株などにより厳しい状況が続いている。『今』という時間を大切にし、前へと進んでいただきたい」とあいさつ。

 毎年、元始祭に合わせて参拝を行っているという「まなご充敏後援会『真清会』」の竹中伸会長は「今年も滞りなく終えることができ安心した。今後の市の発展などを祈願した」と話していた。

(2022年1月5日付紙面より)

上野潤権宮司ら神職が玉串を供えた=3日、新宮市の熊野速玉大社
那智の滝を前に神事が営まれた=同日、那智勝浦町那智山の飛瀧神社
九鬼家隆宮司が祝詞を奏上=同日、田辺市本宮町の熊野本宮大社
2022年01月05日
65 建築業界の発展を願い
 新宮建築組合が釿始式  (熊野速玉大社 )

 新宮建築組合(廣田昌弘組合長)は4日、新宮市の熊野速玉大社(上野顯宮司)で鎌倉時代から伝わる「釿始式(ちょんなはじめしき)」を営んだ。

 釿始式は同大社の宮大工、小野家に伝わる仕事始めの儀式で、建築業界の発展を願い現在は同組合が継承している。

 この日は組合員約20人が参列。白装束に烏帽子(えぼし)姿の東友一郎さん(51)がヒノキの原木(樹齢約100年超、長さ約4・2㍍、直径約23㌢)をお神酒で清め、伊勢田宣延さん(48)と柚木芳文さん(48)が墨を打った後、東さんが鎌倉時代から同大社に伝わるカギ型の大工道具「釿」を「エイ、エイ」と3カ所に打ち付けていった。

 神事後、上野宮司は参列者に釿始めの歴史を紹介し「自然の中にある温かみや慈しみ、素晴らしい聖なるものを大切にするのが日本の民族。今年も一年、建築業界の発展を願っています」と奉仕に対して感謝を述べた。

 廣田組合長(60)は「コロナの影響もあり、厳しい状況ではありますが、例年通り斎行することができて安心しました。気持ちを新たに頑張り、伝統を絶やさないよう若い人たちに継承していければ」と話していた。

(2022年1月5日付紙面より)

原木に「釿」を打ち付ける東友一郎さん=4日、熊野速玉大社
釿始式に参列した皆さん(一時的にマスクを外して撮影)
2022年01月05日
66 町民目線の姿勢求める  役場本庁で仕事始め式  (古座川町 )
2022年01月05日
67 103人出席して心新たに  文化センターで成人式  (串本町 )
2022年01月05日
68 国家安泰やコロナ終息願う  王子神社で歳旦祭  (新宮市 )
2022年01月05日
69 2022年がスタート  熊野地方でも初日の出参り  
2022年01月05日
70 自覚持って新たな門出  成人式に106人  (那智勝浦町 )
2022年01月05日
71 良い一年になるよう願い  東仙寺で「除夜の鐘」  (新宮市 )
2022年01月05日
72 一年の平安など祈願  新年知らせる初太鼓  (熊野速玉大社 )
2022年01月05日
73 熊野水軍太鼓が奉納演奏  烏止野神社で初詣客を前に  (紀宝町 )
2022年01月05日
74 平穏な新年を祈る  元日の夜空彩る「新春花火大会」  (熊野市 )
2022年01月05日
75 「今の時代を生きていきたい」  成人式でそれぞれの思い胸に  (紀宝町、御浜町 )
2022年01月05日
76 お悔やみ情報