新宮木材協同組合(植松浩理事長)、紀南木材新緑会(速水洋平会長)主催の「第39回児童生徒木工工作コンクール」の作品審査が19日に行われ、和歌山県知事賞、新宮市長賞、新宮木材協同組合理事長賞の3賞を含む全22賞が選ばれた。
同コンクールは毎年開催されており、今年は新宮市、東牟婁郡、三重県南牟婁郡、田辺市本宮町の小中学校から501点の応募があり、各市町村の代表者などが審査した。上位3賞は来年開催される全国コンクールに出品される。審査員らは会場内の一つ一つの作品をじっくりと見ながら選んでいった。
展示会は30日(土)、10月1日(日)の午前9時から午後5時(最終日は午後4時)まで、新宮市あけぼのの新宮木材会館2階で開かれる。来場者には粗品進呈。小学生以下の子どもにはヨーヨーつり、スーパーボールすくいがある。
(2017年9月21日付紙面より)
全国一斉社会奉仕の日の9月20日、新宮市のゆうゆうクラブ(老人クラブ連合会・上廣正幸会長)は市内各所で美化活動を実施した。37団体429人が早朝から清掃活動に汗を流した。
全クラブ参加で美化活動に取り組むことで、地域社会への感謝と地域の担い手としての活力を示し、次代に良い環境を残そうと毎年実施している。
各クラブ会員らはそれぞれ熊野速玉大社周辺や新宮高校前、新宮城跡付近、阿須賀神社などに分かれてごみ拾いや草むしりなどをした。長寿会は24日(日)に佐野駅周辺を清掃する予定。
阿須賀神社や宮井戸、不老閣周辺では第一蓬莱親睦クラブ、第二蓬莱クラブ、第三蓬莱クラブ、蓬莱春秋クラブの会員ら約50人が参加。黙々と作業する人や、顔を合わせ和気あいあいと話をしながら取り組む姿があった。
第一蓬莱親睦クラブの畑地泰明会長(72)は「朝早くからみんなよく来てくれました。地元の宮様、みんなの神社を大切にしなければという思いもあり、今年は世界遺産に登録されたので、よりきれいにしなければと感じます。祭りを前にちょうどいいですね」。
第二蓬莱クラブの福住昌子会長(83)は「20年ほど、毎年実施しています。だんだんと高齢化で参加する人も少なくなっています。平均年齢は80歳で、皆腰も足も悪くなっていますが頑張っています」と話していた。
(2017年9月21日付紙面より)
那智勝浦町天満の町民センターで16日、須崎区敬老大会が開かれた。楠本實区長のあいさつ、物故者への黙とうの後、わかば保育園の歌遊びや手遊びが始まった。
センターには「おにぎりさん」「マジカルメガネ」など楽しい歌声が響いた。園児たちは最後に全員で「おじいちゃんのお歳」を大合唱。来場者から「かわいいね」「元気やね」と大きな拍手が送られた。
その後は藤紀実美さんはじめ、藤紀孝子さん、永田壽美代さん、榎本惠美子さん、前地忠子さんによる日本舞踊の披露、マヒナ・ホホさんのフラ、北郡克至さんの鉄琴演奏などがあり、来場者らは和やかな時間を過ごした。
北郡さんの鉄琴演奏では「赤とんぼ」「紅葉」などの曲に合わせ、来場者も一緒に口ずさんだ。日本舞踊の「御陣乗太鼓」の子どもたち、藤紀彩愛さん、湯川心結さん、中住茉愛さんにも大きな拍手が送られた。参加者代表で永寿会の和田美津子会長は「今年もここに来ることができ、皆さんに会えてうれしい。今日のためにご尽力くださった皆さまありがとうございました」とお礼の言葉を述べた。
木戸浩二区長代理のあいさつがあり閉会。「また来年も皆さん元気で会いましょう」と司会進行の田中秀俊さんが呼び掛けた。
(2017年9月21日付紙面より)
JR古座駅でマナーキャンペーン (串本町 )
串本町西向にあるJR古座駅で19日早朝、きのくに・さわやかマナーアップキャンペーンがあり高校生を含む20人が啓発物資を配るなどして規範意識の向上を促した。
このキャンペーンは、少年の公共の場における規範意識の向上と健全育成を図るため、県警が関係機関団体と連携して適時実施している。串本警察署は串本駅と古座駅の2カ所で展開していて、主に通学中の高校生を対象にして働き掛けている。
本年度は春に串本駅で展開済みで、この日は古座駅の巡り。啓発員の内訳は同署生活安全刑事課、少年補導員、串本青少年センター職員、県立串本古座高校古座校舎の生徒や教員、JR西日本職員、串本町職員で、列車通学する高校生らにティッシュペーパーやファイルフォルダーなどの啓発物資を配って公共でのルールやマナーの順守を呼び掛けた。
併せて列車到着を待つ間、駐輪場の整理整頓や無施錠自転車への鍵かけ啓発エフ付けや同駅周辺の清掃活動などにも取り組み、安易に犯罪行為をさせない雰囲気づくりにも努めた。
同校舎生徒会執行部の出口怜奈副会長(2年)は同駅トイレの裏でたくさんの吸い殻を見つけて少しショックだったそうで、「目につく範囲で回収しましたがまだ残っているかもしれない。みんなが過ごしやすい社会をつくるため、マナーは守ってほしい」とコメント。
他方、駐輪場の自転車の約半数が無施錠か鍵自体がついていない状態。同署生活安全刑事課課員は「こういう状況から盗まれてしまうケースは実際に起こっている」とし、エフ付けした自転車所有者の状況改善を期待した。
(2017年9月21日付紙面より)
佐渡裕さん指揮、復興祈念演奏 (那智勝浦町 )
那智勝浦町と同町教委は18日、兵庫県立芸術文化センター芸術監督で世界的指揮者の佐渡裕さんと同センターのスーパーキッズ・オーケストラを招いて「佐渡裕&スーパーキッズ・オーケストラ2017 紀伊半島大水害復興祈念演奏活動 こころのビタミンプロジェクト in なちかつうら」を開催した。
佐渡さんは午後の演奏会に先だち、同町市野々の県土砂災害啓発センター敷地内で鎮魂演奏会を催した。佐渡さんは新宮高校の生徒から「音楽で地元を元気づけたい」と手紙を受け取ったことを来町のきっかけと話し「手紙に感動しました。大水害から6年が経過してしまい、いつか来なければと思っていました」とあいさつ。コンサートマスターの前田妃奈さん(中3)がバッハの「バイオリンソナタ」よりソロを演奏後、会場の全員で黙とうをささげた。高い演奏技術と美しい響きに、約150人の鑑賞者は大きな拍手を送った。
佐渡さんは同町井関の紀伊半島大水害記念公園で慰霊碑に献花し、手を合わせ、「たくさんの命が自然災害で奪われるというのは本当に心が痛みます。自然豊かな所で生まれ育った私たちは、これからますますそうした災害に工夫しながら向き合っていかなければならない。手を合わせるということは、未来のことを決意するということだと思います。励まし合い手を取り合い生きていけるのは日本の素晴らしいところ。われわれには音楽を通してこころのビタミンを届けることしかできませんが、この美しい町がますます魅力的な町になっていくことを願っています」と話した。
(2017年9月20日付紙面より)
知的障害者の雇用など例に学ぶ (新宮市 )
新宮市婦人団体連絡協議会(仲富美子会長)は16日、新宮市福祉センターで、講師に新宮市人権尊重委員会の和田勝さんを迎え人権学習会を開催した。
和田さんは認知症の祖母と孫が題材の絵本「ばあばは、だいじょうぶ」を紹介し、神奈川県相模原市の知的障害者施設津久井やまゆり園で起こった「相模原障害者施設殺傷事件」も取り上げた。社員の7割が知的障害者のチョーク工場が日本で一番大切にしたい会社と呼ばれる理由が描かれた「虹色のチョーク」という本を題材にし、知的障害者との関係などについて講話した。
日本国憲法第14条第一項を読み上げ、「人権というのは、人間が人間らしく幸せに生きていくための権利。人間は生まれた場所、住んでいる場所によって値打ちが決まるものではない。差別はされる側ではなく、する側に問題がある。する人がいるから差別が起こる。いじめも同じ。差別などは人間がつくり出したものですから、人間の力でなくしていかなければならない」と話した。
和田さんの講話の前には、赤十字奉仕団和歌山県支部の講習に参加してきた川嶋みどりさんが、講習時に教わってきた、緊急時に役立つ牛乳パックを使った一人用非常食セットを紹介した。
(2017年9月20日付紙面より)
三輪崎八幡神社例大祭の奉納行事 (新宮市 )
新宮市の三輪崎八幡神社(上野顯宮司)例大祭の神輿渡御(みこしとぎょ)と奉納行事が18日、同神社と三輪崎漁港周辺で営まれた。奉納行事では晴天の下、三輪崎郷土芸能保存会が獅子神楽と日本遺産に登録された鯨踊りを披露。踊りや演奏があり大勢の来場者らでにぎわった。
三輪崎漁協前の御旅所では三輪崎郷土芸能保存会が七つの獅子神楽を奉納。『鯨踊り』では扇子を持って鯨を追い込む様子を表した『殿中踊り』と竹製で銛(もり)を模した「綾棒」で鯨を突く様子を表した『綾踊り』を勇壮に披露し「ヨイハ」の掛け声を響かせた。
三輪崎婦人会、台楽保存会、若吉会の女性たちが2曲ずつ踊り、熊野曼荼羅太鼓の演奏に合わせて『黒潮囃子』と『新宮節』も踊った。
三輪崎郷土芸能保存会の濱口仁史会長は「台風の影響で予定を変更しましたが、晴天に恵まれてよかった。懸命に練習した踊りをめいっぱい披露できうれしいです。満足のいく御旅所での披露になりました」。三輪崎八幡神社氏子総代会の中村武会長は「天気も良く無事にでき、ほっとしています。祝日で子どももたくさん出てきてくれた」。
夫が保存会のメンバーの吉村まき子さんは「体力勝負で大変だと思いますが、頑張っていると感じます」。葛平愛子さんは「今年は神輿を担ぐ人が少なく、にぎやかさが例年と違っているように思います。いろんな世代の人が参加しておりいい祭りですね」と話していた。
(2017年9月20日付紙面より)
勝浦八幡例大祭
那智勝浦町の勝浦八幡神社(髙橋正樹宮司)例大祭式典が18日、営まれた。17日の予定だったが、台風による荒天が予想されたため延期。内容を縮小して、境内で神事と奉納行事を執り行った。
式典は正午に始まり、祭典委員や氏子らが参列した。櫂(かい)伝馬のこぎ手が「餅つきうた」を歌い、山伏勝浦会(山路昇会長)は歌舞伎の演目「勧進帳」を演じ、勝浦獅子神楽保存会(沖和也会長)が獅子舞を奉納した。
神輿(みこし)の渡御は中止となったが、午後3時からは櫂伝馬行事が営まれた。櫂伝馬愛友会(濱口泰至会長)、那智中学校の男子生徒が乗り込んだ3隻、南紀くろしお商工会の1隻の計5隻が勝浦湾内をこぎ回った。櫂伝馬を応援するギタリストの濱口祐自さんの演奏もあった。大阪府吹田市の浜田純さん(60)は、「毎年お祭りを楽しみにしています。台風で海中神事が見られず残念でしたが、櫂伝馬は見ごたえがありますね」と話していた。
(2017年9月20日付紙面より)
「ツール・ド・北海道」キナンチームレポート②
寺本千紗さん、潮﨑梨緒さん選出
秋晴れの中、神輿渡御や奉納行事 (三輪崎八幡神社例大祭 )
新宮市の三輪崎八幡神社(上野顯宮司)例大祭の神輿渡御(みこしとぎょ)と奉納行事が18日、同神社と三輪崎漁協周辺で営まれた。台風一過のさわやかな秋晴れの中、みこしや山車(だし)が区内を練り歩き、奉納行事は多くの人々でにぎわった。
漁労加護、五穀豊穣(ほうじょう)、商売繁盛など地域の繁栄を願い、現在の三輪崎漁協付近にあった元宮に神様が年に1度里帰りする祭り。本殿大前ノ儀では祭り関係者が参列し地域の平穏無事を願った。
神輿渡御では、同神社を出発したみこしに続いて、大勢の子どもや大人に引かれた恵比寿(えびす)、二十四孝(にじゅうしこう)、大黒天の山車が、三輪崎漁港前の御旅所まで豪快にぶつかり合いながらまちを練り歩いた。
三輪崎漁港前の御旅所では、三輪崎郷土芸能保存会(濱口仁史会長)が獅子神楽を奉納した。獅子舞の天狗(てんぐ)役は、屋敷朋希君(5)が務めた。三輪崎婦人会、台楽保存会、若吉会が華やかな手踊りを披露。同保存会の青年たちが掛け声とともに、日本遺産にも登録された勇壮な鯨踊りを奉納した。
(2017年9月19日付紙面より)
イスタンブール高校来校 (串本古座高校 )
県立串本古座高校(愛須貴志校長)は15日、トルコ共和国のイスタンブール高校(ヒキメット・コナル校長)と姉妹校提携を結んだ。アメリカのヘメット高校、カナダのバニア高校に続き3校目で、愛須校長(57)は「生徒が世界へといっそう視野を広げ、地域の歴史を見つめ直すいい機会にしたい」と今後の交流に意気込んでいる。
イスタンブール高校は国内でトップクラスの優秀校として有名で、生徒890人が学んでいる。コナル校長(38)によると、生徒が授業でトルコ軍艦エルトゥールル号の史実を学ぶ中で串本町に興味を持ち、どうやれば行けるのかなどを調べて筋道をつけた延長で今回の訪問を計画した。その勢いの背景には日本に関心を持つ学生の増加があり、次年度には日本語クラブも創設される予定。将士を救った地域に感謝を届けるとともに、できることは限られているが生徒間交流で両国の友好に協力できればと考えて今年7月、串本古座高校に姉妹校提携を申し入れたという。
串本古座高校は次年度から地域に貢献できる即戦力人材を育てるグローカルコースを実働させる計画。教材とする地域はトルコ共和国との友好が深く、この姉妹校提携は今後の新たな挑戦において有益だと考えて受け入れることにしたという。
調印式は串本古座高校で行うことになり、この日はコナル校長ら教員3人と訪問を希望した3年生(日本の高校2年生に相当)12人が来校。愛須校長ら教員と生徒会執行部やCGS部トルコ班の生徒が出迎えて歓迎した。両校長、生徒を代表して生徒会執行部の高田紅恋会長(2年)とイイットジャン・カヤ君があいさつを交わし合い、互いの高校を紹介しあった後に両校長名で調印書を交わした。
イスタンブール高校一行は式後、校舎やクラブ活動を見学。各部も体験を準備して生徒間交流に臨み「トルコ語は無理だけど英語で何となくコミュニケーションできた」と興奮していた。
提携はしたが両校とも半ば勢いで縁組をした状況で、今後の具体的な交流事業は白紙の状態。学校紹介時に両校ともパソコンを用いてプレゼンテーションをしたこともあり、インターネット経由での情報交流であればすぐにでも始められそうだと愛須校長は思い描いた。
イスタンブール高校の一行は翌16日、串本古座高校と共に同町樫野にあるエ号殉難将士慰霊碑へ献花し、トルコ記念館を見学。一帯の清掃に取り組んでいる大島小学校を訪問し、当事者である児童らに会って感謝した。
その後に田嶋勝正町長と将士を救助した当時の村民の一人・高埜友吉のひ孫にあたる堀口徳弘さん(65)を表敬訪問。自分たちにできることの一端で、沖日記をトルコ語に訳し日本とトルコが今後共同設置する大学に託す目的で電子データの提供を要請し、堀口さんから伝え聞いている当時の状況を聴取しトルコ共和国における尊敬の所作を堀口さんに注いでこの上ない感謝の証しとするなどした。
(2017年9月19日付紙面より)
新宮市橋本児童館で
新宮市の橋本隣保館・児童館(速水得史館長)で16日、「第29回ささやかな敬老会」があった。子どもたちが歌を披露し、お年寄りたちを喜ばせた。
開館の翌年から始まり、紀伊半島大水害の年を除いて毎年開催されている。地域住民たちが子どもたちへのプレゼントを作るなど、手作りイベントとして続いている。
会場には地域の高齢者たちが作った生け花、陶芸、手芸、プリザーブドフラワーなどを展示。松嶋亨さんのシルバー川柳、松嶋享さん、中田定弘さん、広野武子さんの歌のほか、マジックショーやビンゴゲームもあり、盛り上がった。
速水館長は「台風が近づいていたので心配しましたが、多くの人が来てくれて良かったです。本当に手作りの敬老会ですが、毎年皆さんが楽しみにしてくれています」と話していた。
(2017年9月19日付紙面より)
台風18号、近畿地方通過
大型の台風18号は17日午前、鹿児島県南九州市付近に上陸、九州南部、四国、近畿地方を通過し、18日には北日本を進んだ。和歌山県には17日夜に最も接近し、和歌山地方気象台によると午後8時35分に和歌山市の友ヶ島で44・7㍍の最大瞬間風速を記録。新宮市では熊野速玉大社の大鳥居手前で倒木があった。
熊野地方でも強風が吹き、大雨が降った。17日午後9時までに太地町太地で43㍉、那智勝浦町勝浦で38㍉、同町浦神西で37㍉の最大時間雨量を記録。累積雨量は同町勝浦で333㍉、太地町太地で328㍉、新宮市高田で318㍉に達した。和歌山県の調べによると県内の主要河川のはん濫は無かった。
各地で避難準備情報が出された。那智勝浦町では17日午後4時20分に市野々から天満中村にわたる地区と天満地区薬師谷付近に「避難準備・高齢者等早期避難」を発令した。新宮市は16日午後5時、21カ所の自主避難所を開設。20世帯24人が避難した。
県内では由良町白崎海洋公園道の駅で28歳の男性が転倒して骨折、田辺市消防団龍神支団中山路分団車庫のシャッターが破損するなどの被害が出た。
交通機関にも乱れが出た。JRきのくに線は新宮―和歌山間が運転を見合わせた。関西電力によると田辺市内で約3560軒が停電した。
(2017年9月19日付紙面より)
「ツール・ド・北海道」キナンチームレポート①
県大会目指し熱戦繰り広げる
神輿渡御は18日に催行 (三輪崎八幡神社 )
新宮市の三輪崎八幡神社(上野顯宮司)で15日、同社例大祭の本殿大前ノ儀が営まれた。中村武・氏子総代会長ら祭り関係者約30人が参列。神様をたたえて地域の平穏無事を願った。
例大祭は、漁労加護、五穀豊穣(ほうじょう)、商売繁盛など地域の繁栄を願い、現在の三輪崎漁協付近にあった元宮に神様が年に一度里帰りする祭り。
大前ノ儀では、厳かな雰囲気の中、中村総代会長らが金弊を納めた。金弊は神様の神徳をいただくより代で▽総代会▽三輪崎区▽漁業協同組合▽農業実行組合▽大黒講―の各団体が保管していたもの。上野宮司が祝詞、湊川大介区長が祭詞を奏上し、参列者らが玉串を供えた。
神輿渡御(みこしとぎょ)は台風の影響で18日(月・祝)に行うと決定した。当日は正午ごろに神社を出発し、続いて、恵比寿、二十四孝(にじゅうしこう)、大黒天の3台の山車がJR三輪崎駅前や東海岸沿いの道路を通って三輪崎漁港まで練り歩く。午後2時ごろから三輪崎郷土芸能保存会の「鯨踊り」と「獅子神楽」、三輪崎婦人会、台楽保存会、若吉会の踊りなどが披露される。
中村総代会長は「区民の安全を考えると神事であっても延期にしなければならない。協力的にやっていただき、無事に執り行われるよう祈っています」と話していた。
(2017年9月16日付紙面より)
瀬古伸一郎さんのコンテナ苗 (新宮市 )
新宮市新町、株式会社山一本店代表取締役の瀬古伸一郎さん(43)は15日、同市緑ヶ丘の東牟婁振興局を訪れ、児玉征也振興局長らに全国山林苗畑品評会で銀賞に当たる林野庁長官賞受賞を報告した。同品評会のコンテナ苗部門では和歌山県初の受賞。
コンテナ苗は、根の形状が保たれて植栽しやすく、時期を問わずに植えられるメリットがある。苗木の活着率もよいという。瀬古さんは同市あけぼのにある苗畑約0・5㌶で創意工夫を重ね、優良苗木を効率的で堅実に生産していることが評価された。瀬古さんは3年前から取り組み、積極的に先進地視察や研修会などに参加、試行錯誤を繰り返しながら現在の生産体制を確立。これまでに5万本を生産した。
児玉局長は「県代表としての受賞はわれわれの誇り。東牟婁地方の林業が盛んになってほしい」と喜んだ。瀬古さんは「工夫を重ね、広めていきたい。次は金賞の農林水産大臣賞を目指す」と意気込んでいた。
品評会は全国山林種苗協同組合連合会が全国の民営苗畑の育苗技術と経営の改善意欲の高揚などを目的に毎年開催している。都道府県単位の審査で選ばれた後、地区単位と全国単位の審査を経て各賞が選考される。瀬古さんのコンテナ苗は昨年11月に開かれた県の審査で知事賞を受け、今月7日福岡県福岡市で開催された全国品評会へ出品された。
(2017年9月16日付紙面より)
串本・勝浦・新宮の合同例会 (ライオンズクラブ )
大阪府と和歌山県全域が所属するライオンズクラブ(LC)335―B地区ガバナー柿原勝彦さん(高槻LC)を迎え13日、那智勝浦町の休暇村南紀勝浦レストラン「はまゆう」で串本・勝浦・新宮の合同例会が開かれた。
ホストを務める勝浦LC須川晴夫会長の開会宣言で始まり、新宮LC宮本昌幸会長が地区ガバナー、地区役員・委員を紹介。須川会長が「有意義で実りのある会を」とあいさつした。
柿原さんが国際会長方針と地区ガバナー運営方針を説明。「故郷を大事に、町づくりは人づくり、人づくりは町づくりを大きなスローガンにしている。100周年を過ぎたライオンズクラブを新しくしていく。昨年クラブ会員は260人減ってしまった。今後は会員1000人の増強をめざしPRしてもらいたい」と述べた。
勝浦LCは55周年にあたり、初の女性会員・樋口眞奈美さん(ホテルなぎさや・おかみ)を迎えた。勝浦LCの新会員は樋口さんを含め2人だった。新会員には地区ガバナーからバッジが手渡された。各クラブが報告を行った後、須川会長が閉会宣言をした。
(2017年9月16日付紙面より)
迅速適切な救助をたたえる (串本海上保安署 )
串本海上保安署(東浦博昭署長)は14日、串本町古座にある藤田渡船代表・藤田栄造さんに感謝状を贈り迅速かつ適切な人命救助行為をたたえた。
藤田さんは8月16日午後2時40分ごろ、箱島へ渡していた磯釣り客から「船が流れているので引っ張りに来てほしい」と連絡を受け渡船「第二静保丸」で急行。2時50分ごろ、瀬島の西約100㍍で転覆したダイビングボート「K」を見つけ、ボート上で助けを求めるダイバー10人を自船で保護した。
同ボートは箱島沖のダイビングポイントを目指して出港したが、台風7号のうねりと風が強く危険と判断し陸そばのポイントへと目的地を変更。移動中に船尾からうねりや風を受けて転覆し、船長とダイバーは船底にはい上がって約1時間漂流した。
転覆場所から岸までは最短距離で1500㍍。最大風速約12㍍の東風でボートは幸いにして陸方向に流され、箱島付近に達した時点で船長が磯釣り客のところまで泳いで助けを求めた。藤田さんは強風の中、箱島と九龍島の中間に流されたボートへ慎重に渡船を寄せてダイバーを乗り移らせ、ボートをえい航して動鳴気漁港へと運んだ。
船﨑輝康次長によると、連絡後わずか10分という迅速な対処開始と巧みな操船でダイバー客10人をけがなく救助した点が感謝状贈呈の理由だという。
(2017年9月16日付紙面より)
秋季紀南卓球大会
大水害記念公園で慰霊祭 (那智勝浦町 )
2011年9月の紀伊半島大水害から6年を迎えて那智勝浦町は4日、同町井関の紀伊半島大水害記念公園で慰霊祭を営んだ。遺族や住民、町関係者ら130人が参列し、死者・行方不明者29人をしのんで慰霊碑前で献花した。
午後1時30分に町内全域にサイレンを鳴らし、出席者らは黙とうをささげた後に一人ずつ白いカーネーションを献花した。寺本眞一町長は「犠牲となられた皆さまの気持ちを思うと今でも胸が張り裂けそうになる。ふるさと『那智勝浦』が安全で安心して暮らせる笑顔いっぱいの町になるよう、全身全霊で復旧復興し、防災に取り組んでいきたい」と記念碑の前で固く誓った。
中岩和子議長は「未曽有の被害から6年たつが、昨日のことのように思い出される。町と協力し、防災に取り組んでいきたい」と語った。那智谷大水害遺族会の岩渕三千生代表は「何年過ぎようと、当時の悲惨な光景を思い出し、いまだに心の傷は癒えない。灯籠供養で29個の灯籠に火をともし、その数の多さに改めて被害の大きさと尊い命の犠牲を痛感した。諸霊には安らかにお眠りいただき、住民が安心して住める那智谷になるよう見守ってください」と冥福を祈った。
水害で父母と妹2人弟1人を亡くした新宮市王子町に住む会社員・中平史都さん(29)は「笑顔が絶えない理想の家族だった。当時は東京に住んでいて帰ってくるのがつらかったが、祖父母らを守らなければという思いで戻った。地域のため何かしたいので消防団に入るつもり」と話した。
(2017年9月6日付紙面より)
福祉センターで避難訓練 (新宮市 )
新宮市社会福祉協議会は4日、同市福祉センターで火災を想定した避難訓練を実施した。同協議会職員とセンター利用者、児童館で遊んでいた子どもたちが参加し、屋内から玄関前に逃げた。
福祉センターでは年に2回、津波と火災を想定した避難訓練を各1回ずつ実施している。この日は1階の湯沸室からの出火を想定し、火災を発見した職員が大声で周りに知らせ、消火班が近くにある消火器を使って初期消火を試みた。
通報連絡班が消防署への通報と館内放送で火災発生を知らせるなど役割に沿って行動した。利用者らは職員の指示と誘導に従い、鼻や口をハンカチや手、服の袖などで覆い、速やかに避難した。
市消防本部職員は「火災を発見した際に初期消火をしてもらうが、煙などが充満するのを防ぎ、避難誘導をしやすくするため成功しても失敗しても扉を閉めてほしい」と話した。
消火器の使用訓練では、特徴や使い方の説明を受けた職員らが2人ずつ交代で練習した。消防職員は逃げ道を確保して消火器を使うことや天井まで燃えている場合は初期消火よりも避難誘導を優先するよう呼び掛けた。
大谷康央事務局長は「児童館の子どもたちがいるので慎重に素早く行動する必要がある。毎年訓練を実施しなければならないと感じます。火事になった場合、手順を踏んでできるか分からないので毎年していかなければならないと思います」と話していた。
(2017年9月6日付紙面より)
橋杭海水浴場遊泳期間終了 (串本町 )
串本町くじ野川の橋杭海水浴場で4日、遊泳期間(7月1日~8月31日)終了に伴う海上遊具など資材の撤収作業があった。役場産業課調べによる期間中の利用者数は8525人で、台風など天候不順で昨年に比べ約1割減。他方、駐車場やビーチハウス・ラパンの収益は向上していて、利用の勢いは増したという見方をしている。
同浴場は環境省「快水浴場百選」の一つに数えられ、橋杭岩や紀伊大島などに囲まれたロケーションの良さときめ細やかな砂浜などを特色とする。今季は春~秋3シーズン活用の本格化により各種マリンアクティビティーレンタル事業や海上遊具(滑り台)の増設など、魅力を増した状況で海開きを迎えてひと夏の利用を集めた。
期間中は台風5号が迷走した8月上旬や天候不順の盆以降で利用が伸び悩み、全体実績を下げる要因となった。昨年の利用者数は9436人で、今年は911人減。その状況下で利用増となった有料駐車場、ビーチハウス・ラパンや同レンタル事業は、数字以上に利用の勢いが増しているとの見方もしている。来年は旧浦島ハーバーホテル施設が大江戸温泉物語グループの一つとして営業再開している見込みで、その動線をいかに利用に結び付けるかが関心事となっている。
撤収作業は同町観光協会(島野利之会長)が観光関係者に呼び掛けて実施。16人が参加し、中村洋介副会長から安全留意の呼び掛けを受け海上遊具や遊泳区域指定ブイを陸へ引き揚げ、有料駐車場資材を片付けるなどした。
同課調べによる串本町田原にある田原海水浴場の遊泳期間(7月1日~8月31日)の利用者数は2229人で、昨年に比べ25・55%(765人)減。天候不順に加え、相次ぎ打ち上がった流木の処理が追い付かなかった点も要因と見ている。
(2017年9月6日付紙面より)
熊野速玉大社(上野顯宮司)の例大祭=10月15日(日)、16日(月)=に向けた事故防止協議会が4日、同大社双鶴殿で開かれた。関係者らが集まり、けがや事故なく安全に例大祭が執り行われるようにと注意事項の確認や当日までの準備の日程などを話し合った。早船競漕(そう)の審判委員の交代があり、審判委員長を下地昌宏さん、副審判委員長を野尻政典さんが務めることになった。
例大祭は同大社の主神、速玉大神(はやたまのおおかみ)のご神霊が神馬で阿須賀神社へ渡御し、熊野川河原の乙基(おとも)のお旅所へ渡る「神馬渡御式」と、夫須美大神(ふすみのおおかみ)のご神霊が神輿(みこし)で街を練り、神幸船で御船島を回る「神輿渡御式」からなる祭り。
会議では各渡御式のコースや行列順序を確認。事故防止のために供奉員による自主警備を行うことや、飲酒厳禁、交通法規の厳守などを話し合った。早船の上り競漕スタート後に下札場から上札場を目指し自家用車で移動する人たちのマナーの悪さを問題視する声も上がり、事故が起きる前に対策が必要との意見が出た。
御船祭に関しては当日までの日程を話し合い、本番船の蔵出し・点検は10月5日(木)午前6時、御船島清掃、市内のぼり立てを8日(日)、各地区への早船引き渡しは8日と9日(月・祝)に、旗番抽選と来年度以降の本番船の抽選を11日(水)に行うことが決まった。
上野宮司は「国の重要無形民俗文化財に指定されて2年目を迎えます。皆さんにも伝統神事を担っておられることをさらに再認識していただきながら、事故なく、けがなく、にぎにぎしく喜びの祭りとしてご奉仕いただけるようにお願いしたい」とあいさつ。昨年審判委員長に就任後に急逝した山塚公晴さんを紹介し、「心の痛いこともございますけども、それを心に船をこいでほしい」と呼び掛けた。上り競漕の優勝区が優勝旗を持って御船島を周回する前に、山塚さんの功績をたたえ、特例で丹鶴区が遺影を掲げて御船島を1周することが満場一致で快諾された。
(2017年9月6日付紙面より)
那智勝浦町総体陸上兼陸協記録会
スパセン南紀・熊野防災イベント (新宮市 )
「スパセン南紀・熊野防災イベント」が2日、新宮市佐野のスーパーセンターオークワ南紀店を会場に始まった。同店テナント会主催。来場者や買い物客らが訪れ、ダンスステージや展示されている車両を見学し、起震車や煙の体験などをした。
同会では5年前にも防災イベントを開き、集まった義援金を市などに寄付している。オープニングで下向栄一会長は「全国、いつどこで起こってもおかしくない災害。私たち南紀店内のテナント会で何かしていこうとイベントを開いた。防災のいろんな体験とフラのショー、明日はプロ歌手のライブもあり楽しんでもらいたい」とあいさつ。
来賓の田岡実千年市長は「今日は災害などに活躍する車両の展示、体験、イベントがあると聞いている。多くの方々に体験してもらいたい」。県議会の濱口太史議員は「防災イベントを民間で立ち上げて行っていただくことは大変有意義。民間、一般の皆さまに防災意識を高めていただくことが一人の犠牲者も出さない方向に向かっていくことだと思う」。泉正徳議員は「防災意識を高めてくれるイベントを開いてくれた各位に感謝したい。6年前の大変な災害から、いつ来るか分からないものに備え、気を引き締めていかなければならない」と述べた。
会場では国土交通省紀南河川国道事務所の排水ポンプ車、照明車、対策本部車をはじめ、自衛隊の軽装甲機動車などの車両展示があり、来場者らが実際に乗り込み記念撮影するなどした。起震車や煙の体験では子ども連れの家族らの姿もあった。店内では家具固定の講習会防災グッズ展示、アドバイスコーナーなどがあり、屋外ステージでは5組のフラチームが青空の下で踊りを披露した。
3日は午前11時から小芝陽子さん、午後3時から丸石輝正さんのライブを予定している。車両展示は午前9時30分~午後4時。
(2017年9月3日付紙面より)
丹鶴幼稚園で地震津波避難訓練 (新宮市 )
新宮市立丹鶴幼稚園(下岡容子園長、園児67人)は1日、地震と津波を想定した避難訓練をした。園児らは防災頭巾をかぶり、市保健センター横のタウンガーデンまで逃げた。
同園では年に6、7回ほど避難訓練を行い、防災意識を高めている。この日は午前10時に地震発生を知らせる放送が流れ、園児らは職員の指示に従って机などの下に身を隠した。揺れが収まると、園児らは防災頭巾をかぶって園庭へ。そこから歩いてタウンガーデンに避難した。
下岡園長は「地震で揺れたときには丈夫なものの下にもぐらなければいけません。今日は上手に避難できました」と話し、逃げる際にはしゃべらないよう呼び掛けた。
「おうちでいるときは家の人が守ってくれます。幼稚園では先生が守ってくれますが、自分の体、命は自分で守らなければいけません。そのためにちゃんと逃げられるように訓練をしています」と述べ、「押さない」「走らない」「しゃべらない」「戻らない」の「お・は・し・も」を守るよう伝えた。
園に戻った園児らは遊戯室で「防災の日」の話を聞き『稲むらの火』の紙芝居を見た。
(2017年9月3日付紙面より)
熊野那智大社が義援金 (那智勝浦町 )
九州北部で7月にあった豪雨災害の被災者を支援するため那智勝浦町の熊野那智大社(男成洋三宮司)は、今年の「那智の扇祭り」前後に同大社と飛龍神社に募金箱を設置した。男成宮司が8月31日、集まった募金と同大社からの義援金を合わせた50万円を日本赤十字社へ送ろうと、同社和歌山県支部那智勝浦町分区長である寺本眞一町長に届けた。
義援金の名称は「平成29年7月5日からの大雨災害義援金」で、町でも12月20日(水)まで募集している。
男成宮司は「ご参拝の方が多く、日数の割に思ったよりも多く集まった。人的なボランティアはなかなか難しいが、少しでも役立ててもらえれば」と述べ、寺本町長は「募金を預かるたびに23年の災害を思い返す。こうした形で恩返しできることはありがたい」と振り返り感謝した。
2人は紀伊半島大水害当時の町の様子や、災害についても話し合い、那智の原生林と滝の水量保全についても熱心に意見を交わしていた。
(2017年9月3日付紙面より)
古道歩きや外来植物除去 (新宮市 )
東京大学の学生たちが8月31日から、「聖地熊野の歴史文化と自然を体験しつつ新宮市の文化行政を学ぶ」をテーマに新宮市内の熊野古道などを巡っている。9月3日(日)までに大峰奥駈道、小雲取越などを歩く予定。
東大の濱田純一前総長が提唱した「よりタフによりグローバルに」を元に2012年度から始まったプログラムの一つ。新しい考え方や生活様式を学び、新しいアイデアを生み出す力を身に付けることが狙いで、社会貢献活動、国際交流、自然体験、地域体験など全76種類ある。
参加者は学生9人、大学院生2人のほか、企画責任者の秋山聰・東大人文社会系研究科教授、鐸木道剛・東北学院大学キリスト教文化研究所長、建築家のマヌエル・タルディッツさん、濱田東大前総長ら計27人。
一行は8月31日、新宮市文化財保護審議会の瀧野秀二副委員長(71)の案内で市内の世界遺産熊野古道「高野坂」を歩き、外来植物ノハカタカラクサをゴミ袋9袋分除去した。その後、市役所で「熊野地方の自然」をテーマにした瀧野副委員長の話を聴いた。
秋山教授(54)は13年9月、台風の中、熊野古道「大雲取越」を歩いた際、「円座石(わろうだいし)」から見上げた丸い空に感動したことがきっかけで熊野に興味を持つようになった。昨年5月に市内で講演し、楠本秀一教育長との話し合いの中で同プログラムを企画した。「初めての取り組みですが、できれば来年からも続けていきたい」と話していた。
初めて熊野を訪れた薬学部3年の伊藤慶さん(20)は「寺社巡りが趣味で熊野へ行きたいと思っていました。高野坂を歩いて海岸がとてもきれいだと思いました」と感動していた。
(2017年9月2日付紙面より)
京都橘大学インターンシップ報告会 (那智勝浦町 )
那智勝浦町と地域活性化に関する連携協定を結ぶ京都橘大学のインターンシップ(企業実習)終了報告会が8月31日、町体育文化会館であった。2年生10人が関係者約20人の前で、11日間の就業体験とフィールドワークのまとめを発表した。
このインターンシップは、連携協定の一環として、積み上げ方式の3カ年計画で今年から始められた。就業体験に地域の課題解決に向けたフィールドワークを組み合わせることで、教育効果が高まるという。
学生一行は21日に来町し、22~26日まで宿泊施設や関係各団体で研修を受け、28日に中間報告を行った。
29、30日のフィールドワークでは、歴史や文化への関心が高い欧米人観光客と町に漁師町文化と歴史ある寺社が多いことから、「欧米人観光客と受け入れ調査」をテーマにし、2班に分かれて商店街の22店舗で聞き込み調査を行った。
調査の結果、「外国人観光客に駅やコンビニ、銀行の場所がすぐ分かるようにしてほしい」、「外国人観光客を案内する指さし表を実際に使用した店舗がほとんど無かった。日本人と欧米人でイラストの認識に相違がある」などの意見があった。アンケートも実施し▽「英語のメニューあり」53%▽「指さし表あり」39%▽「英語でのコミュニケーションが可能」58%▽「外国人が来ることはいいと思う」100%―という結果だった。
学生代表の現代ビジネス学部経営学科2年、海東拓実さんは「那智勝浦町が大好きになりました。研修先の中の島でも、社員や先輩たちにかわいがってもらい、親身に話も聞いてくれました。別れるのがとてもさみしい。次こそはお世話になった人たちに恩返しできるよう、成長したいです」と涙ながらに思い出を語り、感謝を述べた。
浦島観光ホテル株式会社取締役・総合企画担当の西川正修さんは「よそから来た若い人の視点で調査してくれた。町に住む者が今日の報告を生かしていけたら」と話した。
(2017年9月2日付紙面より)
養生期間を経て一面緑に (串本町 )
串本町立潮岬中学校(藤本弘子校長)は1日、芝生化した校庭の利用を再開した。来る中体連新人戦に向けてサッカー部などが練習を始めたほか、同町立潮岬幼稚園(南君子園長)の園児も訪れてさっそく駆け初め。晩秋に冬芝のタネをまいて再度養生期間を設けるが、それまでの間は社会教育利用も含めて活用を図るとしている。
同校校庭の芝生化は、旧来の芝が減り近隣に舞い上がるようになった砂の飛散抑止が主目的。日本サッカー協会(JFA)事業「グリーンプロジェクト」の支援が得られることになり6月下旬、地域の協力も得ながら無償提供された苗2万株弱を植え込んだ。
苗は国立競技場でも採用されているティフトン芝で、旺盛な生育力が特徴。JFAから「2カ月ほどで一面を覆う」と紹介を受けた同校は、夏休みの終わりまでを養生期間とし、本来の養生期間(約1カ月)以降は暑さが厳しい中で毎朝の散水に加え、同町教育委員会が配備した乗用芝刈り機による週3回の芝刈りや手押し式による月2回の追肥―と手間をかけて着実な根付きを図ってきた。
当初は50㌢間隔でまばらだった500円玉大のポット苗の成長は驚異的で、8月31日現在で外縁を除く校庭全面をほぼ覆い尽くした状況。厚みが増すのはこれからといった段階だが、ティフトン芝は踏むなどの刺激を与えた方が育ちがいいため予定通り今月1日から利用を再開した。
授業やクラブ活動のほか、社会教育関係で少年サッカーやシニア野球、ソフトボールなどの団体利用、幼稚園のチャレンジランキングに向けた練習や住民の利用もあり、関係各者には利用再開を事前に伝えている。
藤本校長は「皆さまの協力と先生方の尽力のおかげで、無事に芝生化が進んだ。特にサッカー部には10月の新人戦に向け、今まで使えなかった分も含めてこれから練習に頑張ってほしい。地域の皆さまにもこれまで通り活用していただければ」とコメント。
井口英夫教頭によると、この夏は着実な根付きを図るという狙いもあり教員のみで管理にあたったが、教員だけでは大変な労力規模で今後は省力化や労力の分散も考えたいとした。
(2017年9月2日付紙面より)
台風の影響、初日は漁獲なし (太地町 )
太地町で1日、イルカや小型クジラの追い込み漁が解禁された。午前5時すぎ、町漁業協同組合所属の太地いさな組合(小畑充規組合長)の12隻が太地漁港を出港した。反捕鯨団体の目立った活動はなく、静かな出漁となった。この日は台風の影響で波が高く、すぐに引き返し漁獲はなかった。
国際捕鯨委員会(IWC)の規制対象外の漁で和歌山県知事の許可を得て来年春まで漁獲制限を設けて行われる。今年からカズハゴンドウとシワイルカ2種が捕獲対象になった。漁をめぐっては反捕鯨団体の活動家とのトラブルが絶えず、漁期中は県警本部が町内に臨時交番を設け、第5管区海上保安本部も職員を派遣して妨害活動を監視している。この日は、外国人2人が東の浜でスマートフォンを使って出港風景を撮影していた。
小畑組合長は「初日なので、できるだけ状況を見てみたかった。9月は最初の月で今年一年を占える。この月がよければ安心感が持てる。いい漁ができればいいなと思っている」と話した。
(2017年9月2日付紙面より)
全日本ジュニアバド和歌山県予選