国重要無形民俗文化財(重文)の熊野速玉大社(上野顯宮司)例大祭は16日、雨の中、神輿(みこし)渡御式と御船祭・早船競漕(きょうそう)が営まれた。
熊野夫須美大神(くまのふすみのおおかみ)の神霊が神馬に乗った「ヒトツモノ」に先導されて市内を巡り、熊野大橋上流の「神遷(うつ)し場」で朱塗神幸船に遷されると、旧丹鶴小学校裏河川敷の下札場から9隻の早船が一斉にスタート。上流にある御船島を3周回り、上札場を目指す約1・6㌔のコースで競い、阿須賀区が15分22秒の記録で昨年に続き優勝した。阿須賀区のとも取りを務めた栗栖達也さん(43)は「スタートが悪ければ焦ってしまうこともあっただろうが、スタートが上手に決まり先頭に立つことができたのはできすぎだった。そこで優勝を確信した。勝って当たり前みたいにいわれていたので、2連覇に関してはプレッシャーもあった」と話した。
熊野川河原の乙基(おとも)の御旅所では、前日同様に御旅所神事が営まれた。
■早船競漕の結果
【上り】
①阿須賀②王子③千穂④相筋⑤丹鶴⑥堤防⑦神倉⑧明神⑨春日
【下り】
①丹鶴②王子③堤防④阿須賀⑤春日⑥神倉⑦明神⑧相筋⑨千穂
(2017年10月18日付紙面より)
自転車鍵掛けコンテストで (新宮市 )
和歌山県警察本部が今年5月8日から9月30日に掛けて実施した「きしゅう君の自転車鍵掛けコンテスト」で、新宮市の近畿大学附属新宮高校(川合廣征校長)が特別賞を受賞した。16日には同校で表彰伝達式が行われ、高校生徒会の湯﨑翔貴副会長(2年)は「一人一人が意識を持ち、取り組んでくれてうれしい。努力が無駄にならなかった」と語った。
コンテストは生徒らによる啓発活動を通じ、校内の駐輪場での施錠率を競う高校対抗の催し。高校生の鍵掛け意識の向上を図り、自転車盗を減少させようと、昨年に続いて実施された。今回は県内22校23校舎がエントリー。施錠率と啓発活動などの取り組み状況を総合的に評価され優秀校が選ばれた。11日に和歌山県民文化会館で開催された「安全・安心まちづくり県民大会」で表彰式が行われたが、近大新宮高校は出席できなかったため、伝達式が開かれた。
同校は校内だけでなく、新宮警察署と協力しての街頭啓発活動も実施した。式には県警本部の生活安全企画課犯罪抑止総合対策室の﨑口忠室長が訪れ湯﨑君に賞状を手渡した。和歌山県内では9月末現在で738件の自転車盗が発生し、うち高校生の被害は262件で全体の35・5%を占める。﨑口室長は県内の状況を紹介し「引き続き施錠をし、被害に遭わないようにしてほしい」。
湯﨑君は「警察と合同や生徒のみの啓発があり、一人一人に声が通るよう意識しました。今後も活動が広がり、つながっていけば」。川合校長は「働きかけにより防犯意識が高まり、事件事故を未然に防ぐ意識の高揚につながれば」と話していた。
(2017年10月18日付紙面より)
熊野那智大社で奉祝記念行事 (那智勝浦町 )
那智勝浦町の熊野那智大社御創建1700年・那智山青岸渡寺西国三十三所草創1300年記念事業実行委員会は14日、同町那智山の熊野那智大社(男成洋三宮司)拝殿と別宮飛瀧神社で、「~甦りの旅は、祈りの熊野から~」をテーマに記念行事「熊野の祈り」を開いた。雨天のため内容は一部変更となったが、祈りの祭典やさまざまな奉納行事があった。
飛瀧神社では同町の川上邦子舞踊研究所が、『熊野に生きる・・・祈りの道』をテーマに、創作舞踊を奉納。滝をバックに川上代表と門下生が、華やかな迫力ある踊りで参拝客らを魅了した。
午後5時から大社拝殿に会場を移し、ピアニストの中野雅子さんによるオープニング演奏の後、花井啓州実行委員長(同町観光協会会長)が「本日の『熊野の祈り』を機に、日本はもとより、世界に向けて自然の恵みに感謝する心と祈りの姿をよみがえりの聖地、熊野那智山から発信したい」とあいさつ。来賓の寺本眞一町長が祝辞を述べた。
祈りの祭典として、同大社神職が祝詞を奏上し『浦安の舞』を奉納。代表で花井委員長が玉串をささげた。続いて那智山青岸渡寺(高木亮享住職)の高木亮英副住職ら熊野修験による山伏問答などの法要があった。
最後に、元NHKキャスターで語り部の平野啓子さんが、『熊野那智大滝と日本人の心の物語』と題して、古代日本の神話など、語りの世界を繰り広げた。物語はイザナギ、イザナミ両神の出会いの場面から始まり、ユーモアを交えながらの平野さんの語りに来場者が聞き入った。
祭り見学が趣味という三重県志摩市の大城美由紀さん(37)は「平安衣装を着てみたかった。雨で残念でしたが今日のような記念の日に来れてとてもうれしい。ご縁を感じます」と笑顔で話していた。
(2017年10月18日付紙面より)
古座川町消防団実働訓練
古座川町消防団(前田稔団長、団員112人)の実働訓練が15日に町民体育館であり、団員51人が出席して礼式や自動体外式除細動器(AED)操作を含む心肺蘇生法の実践に取り組んだ。
この訓練は、消防署員指導の下で技術向上を目指す全体訓練として年1回実施。断続的に行われていた分団単位での定例訓練がない今は、出初め式と並んで団員の士気を高める好機にもなっている。
例年、蔵土多目的広場を拠点にして午前に礼式、午後に放水の各訓練項目に取り組んでいるが、本年度は当日雨天のため屋内で開く形となった。
実施にあたり駆け付けた西前啓市町長は「緊急時の対応には難しい現状もあろうが、こういった訓練で技術を身につけ町民が安心して暮らせるよう尽力を願いたい」と述べて激励。前田団長は「天候が悪くいつもより短い時間での実施なので、頑張ってよく勉強してほしい」とし、鋭意実践を促した。
指導は団と連携関係にある串本町消防本部古座消防署や同七川分駐所の署員6人が担当。訓練時間は3時間とされ、団員は2組に分かれ入れ替わる形で礼式と心肺蘇生法を署員から教わり、実践して技術の習得に努めた。
同訓練の始終を見守った前田団長は「年1回なので一度に全部を身につけるというのは難しいだろうが、ちょっとずつでも知っていけばそれが現場で役に立つものだ。団員は火事ばかりでなく、時には人命救助が必要とされる場面に遭遇することもあり得る。今日はそういう面で一人でも多くの団員に学んだことを頭の片隅に留め置いてほしい」と団員に期待するところを語った。
(2017年10月18日付紙面より)
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