那智の滝で大しめ縄張り替え (那智勝浦町 )
那智勝浦町の熊野那智大社(男成洋三宮司)で27日、世界遺産である那智の滝で恒例の大しめ縄の張り替えがあった。日本一の落差133㍍の滝口で神職たち5人が足元に注意を払いながら慎重に新しいしめ縄に取り換えた。
那智の滝は同大社の別宮・飛瀧(ひろう)神社のご神体。張り替え作業は7月14日の例大祭「那智の扇祭り(火祭)」の前と年末の毎年2回行われている。
しめ縄はサラシ製で長さ約26㍍、重さ約4㌔。大社本殿で安全祈願を行い、白装束に烏帽子(えぼし)姿の神職らが表参道約2㌔の道のりを運んだ。滝の流れに足をつけた神職らは声をかけ合いながら無事にしめ縄を設置した。
年2回の張り替えの様子を見物できたことを喜び、写真撮影を行う参拝客らの姿も見られた。
男成宮司は「今日はすす払いを行い、しめ縄の張り替えも済み、新年を迎える準備が整った。今年はコロナ禍に加え、ロシアによるウクライナ侵攻もあり、厳しい社会情勢だった。来年こそはコロナ終息や紛争の終結する年になれば。すがすがしい一年になることを祈っています」と語った。
同大社では新型コロナウイルス対策に取り組み、年末年始の参拝客を迎えるとしている。
なお、那智の滝は大みそかから元旦にかけて青岸渡寺の三重塔とともにライトアップされる。
(2022年12月28日付紙面より)
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串本町田原
串本町田原の荒船海岸では冬の風物詩、海霧が発生している=写真(20日撮影)。
霧は12月に入って、続く寒さでほぼ連日のように出ている。この日の串本の日の出は午前6時56分ごろだったが、水平線に雲があり、すこし遅れて顔を出した朝日に照らされて黄金色の海霧が浮かび上がった。
海霧は海面から発生する湿気を含んだ水蒸気が低温によって冷やされて蒸気霧となる現象で、気嵐(けあらし)といわれる。
シーズンはこれから本番を迎え、1月末ぐらいまで続く。
(2022年12月28日付紙面より)
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来年2月末ごろのロケット「カイロス」初号機打ち上げを目指すスペースワン株式会社=東京都港区=がこのほど、準備の大詰めを迎えている射場「スペースポート紀伊」を報道公開した。同社は、事業の背景と概要を説明し総合指令棟と射点一帯の外観を紹介した。
射点には「カイロス」より一回り大きい高さ約20㍍の移動式射点組立足場があり、隣接するロケット整備棟からパーツを運び込んで射点上に組み上げる。打ち上げ時に立ち入り禁止となる「カイロス」の半径1㌔圏外となる場所に管制室があり、遠隔操作で「カイロス」を打ち上げて人工衛星を軌道投入するまでを一括監視する。
「カイロス」のロケットシステムは宇宙へ到達するための1段目と第一宇宙速度(地球の引力と人工衛星の遠心力がつりあい地球に落下しない最低速度、秒速約8㌔)までの加速を担う2、3段目からなり、さらに軌道修正用液体エンジン(スラスター)を駆使し適切に軌道投入をする。とりわけ多くのニーズが見込まれる高度500㌔の太陽同期軌道(打ち上げる方向は南方)に投入する場合、「カイロス」は150㌔の打ち上げ能力を発揮する。
これら技術の集大成により同社が目指す事業コンセプトは▽信頼性▽即応性(契約から1年、衛星受領から4日で打ち上げ)▽柔軟性▽低コスト―の4本柱。他の射点の手法を参考にし、遅くとも打ち上げの1カ月半前までにその日時を公表し、直前の気象条件などを見て日時を調整する形を取るという。
2020年代半ばには年間20回の打ち上げ頻度を目指していて、その光景と音響が日常となる射場周辺地域に向け同社の川井孝之部長は「初号機を成功し、そして定期的に打ち上げられるようになること、できることで地域の皆さんと一緒に頑張っていくことが貢献になると思っている。宇宙産業が拡大する中、宇宙へ出ていくためにはその手段が必要。われわれのロケットにより世界中の宇宙産業が多くなり、また入りやすくするような貢献もしていければ」と語った。
(2022年12月28日付紙面より)
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市内小学生から120点の力作 (新宮市 )
新宮市野田の市福祉センターで20日、令和4年度赤い羽根絵はがきコンクール審査会があった。市共同募金委員会長の田岡実千年市長と社会福祉法人和歌山県共同募金会の髙瀨一郎常務理事、市社会福祉協議会の濵前泰弘会長らが審査員を務め、市内小学校の児童から寄せられた作品を審査。県共同募金会会長賞などに8作品を選んだ。
誰もが住み慣れた地域で安心して暮らすことができるよう、さまざまな地域福祉の課題解決に取り組む民間団体を応援する「じぶんの町を良くするしくみ」としての取り組みが展開されている「赤い羽根共同募金」。
10月からの運動期間に合わせ、市では市内の子どもたちに街頭募金への協力を呼びかけ運動を展開しているが、昨今の新型コロナウイルス感染状況を鑑み、募金活動は縮小傾向に。コンクールは「活動が制限される中でも子どもたちに広く運動および活動の趣旨を伝えることができれば」との思いから、市共同募金委員会の主催で昨年初めて開催。市社協職員らが市内各小学校で「赤い羽根共同募金」の授業を実施しつつ、児童らにコンクール参加への呼びかけを行っていた。
2回目となる今回は、市内5小学校から120点の作品が寄せられた。審査会では最終審査に残った83枚から田岡市長らが▽県共同募金会会長賞(1点)▽市共同募金委員会会長賞(同)▽市社会福祉協議会賞(同)▽審査員特別賞(5点)―を選定。「絵だけではなく優しい言葉が入っている」「言葉も良く、絵も遠近感もある」「福祉の精神をよく理解していると思う」などと講評した。
審査を終え、髙瀨常務理事は、福祉への意識高揚を図る市と市社協の取り組みに感謝。田岡市長は「力作が多く、選ぶのに苦労した」と話していた。
応募作品は1月10日(予定)からの約1カ月間、市福祉センターで展示予定。入賞作品は市社協広報紙「Assist(アシスト)」2月号に掲載する。なお、表彰式の開催は未定となっている。
(2022年12月28日付紙面より)
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新宮弓友会納射会
新宮ロータリー杯ジュニアバド大会
ケンドリック旗争奪少年野球大会 (串本RC )
中日・野中投手が練習訪問 (新宮市出身 )
新宮市出身でプロ野球中日ドラゴンズに育成ドラフト2位で入団した野中天翔(てんと)投手(17)=秋田・ノースアジア大明桜高=が25日、市立光洋中学校グラウンドを訪れ、自身が育った少年野球チーム「みさきストロングス」(和田寛代表)の練習を見守った。
野中投手は最速146㌔のストレートをはじめスライダーやカーブ、カットボール、チェンジアップなど、多彩な変化球を武器に投げ込む左腕。光洋中卒業後、明桜高に進学。3年生ではエースとして活躍し、秋田県大会で春準優勝、夏ベスト4の成績を残した。
みさきストロングスは2001年10月1日に設立。野中投手は小学1年生で入部し野球人生をスタートさせ、6年生までプレーした。
この日、訪問した野中投手は指導者らと握手を交わして感謝と決意を伝え、入団や近況を報告。キャッチボールや守備などに取り組む後輩たちの練習に温かいまなざしを向けていた。
左東将吾主将(12)は「野中投手を間近で見て体が大きくかっこいいと思いました。チームの先輩がプロ野球選手というのは自慢でもあり夢がある。これからの活躍を応援し、自分も目標を持って野球を続けていきたい」。
野中投手は「選手たちの練習する姿に自分を重ねました。野球を始めチームで過ごした6年間は原点であり、技術や精神面でも大きく変えてくれた。子どもたちには夢に向かって全力で取り組み、諦めない気持ちを養ってもらえれば」と話していた。
26日には新宮市役所を訪れ、田岡実千年市長を表敬訪問。田岡市長から「私たちにとっても大きな誇り。一日も早い支配下登録を目指してもらい、1軍で活躍する姿を楽しみにしています」と激励を受けた。
(2022年12月27日付紙面より)
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冬休み特別イベント実施 (南紀熊野ジオパーク )
南紀熊野ジオパークセンターの冬休み特別イベント「宝石のガーネットを探してみよう」が24日にあり、小学生10人やその家族が挑戦した。
このイベントは、高池の虫喰岩(むしくいいわ)などを形作る岩(通称・宇津木石)を砕いて得た砂の中からガーネットを見つけ出す内容。今回は小中学生(小学生は保護者同伴が条件)を対象にし、新型コロナウイルスなど感染症対策として午前と午後の2回、定員を各6人として実施した。
当日は同センター研究員の本郷宙軌さんが講師を担当し、この砂が元々は宇津木石だったことやガーネット以外に水晶や黒雲母も含まれていることを紹介し、赤いガーネットの粒を見つけ出す方法を伝えて後押しした。
午前の部は小学生5人とその家族が一丸で挑戦。含まれているガーネットの粒は0・5㍉にも満たない大きさで、色の違いを頼りに赤い砂粒を探し出して本郷さんと一緒に虫眼鏡や顕微鏡で観察し、ガーネットと分かると歓喜して持ち帰り用の小さな容器に移し取った。
新宮市から参加した川嶋美羽さん(4年)は今回が初挑戦で三つ見つけることができたそうで「ずーっとじっくり見ていたら赤いので分かった。見つけたときはとてもうれしかった」と話した。
本郷さんは「とても小さいけれど私たちの身近な所にも宝石があることから地質への興味を広げ、その延長で南紀熊野ジオパークに関心を持ってもらえたら」と子どもや家族の今後に期待した。
(2022年12月27日付紙面より)
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韓国総領事館副領事らが県内を視察 (和歌山県 )
李昌熙(イ・チャンヒ)・駐大阪大韓民国総領事館副領事らは20日、那智勝浦町を訪れ、同町市野々の和歌山県土砂災害啓発センターなどを視察した。2011年の紀伊半島大水害や、防災に対する県・自治体の取り組みなどを確認した。
和歌山県在住の大韓民国民の保護のため、県内自治体との意見交換などを目的として来町。李副領事と曺容碩(チョ・ヨンソク)責任官、尹在吉(ユン・ジェギル)責任官の3人が2泊3日の日程で、同センターや那智勝浦町役場、那智山、串本町役場、南紀熊野ジオパークセンター、橋杭岩などを訪問した。
啓発センターでは、日本各地で発生した災害や、11年の紀伊半島大水害の概要や当時の様子、砂防えん堤などについて職員が解説。3人は真剣な表情で説明を聞き、質問するなどしていた。
現在、県内には1844人の韓国人が在住(22年6月末時点)しており、コロナ禍以前の2018年には、年間3万5820人が県内で宿泊している。
今回の視察を経て、訪問団は「紀伊半島大水害による和歌山県の被害状況を写真や映像を通して目の当たりにすることで、当時の深刻さを肌で感じることができた。 また、県土砂災害啓発センターをはじめ、各団体が実施している防災教育や防災訓練、避難設備の構築状況など、南海トラフ地震に備えたあらゆる対応体制を拝見しながら、住民の被害を最小限に押さえるために万全を期していると感じました」と感想。
領事館として、在住または旅行などで県内を訪れた韓国民の命を守るために、災害発生時に備えて毎年防災訓練を実施しており、また、韓国関連機関の緊急連絡網を構築するだけでなく、ホームページなどを利用したリアルタイムでの情報発信に努めているとし「今後災害が発生した際には『国家対国家』の観点ではなく、『救護者』の観点に立った迅速な救助活動が必要であるとの認識の下、今回訪問した和歌山県の災害対策機関と積極的に協力し合いながら韓国人の身元確認、親族への連絡、帰国支援などの活動を進めていきたい」と話していた。
(2022年12月27日付紙面より)
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飛鳥神社で奉納奉告祭営む (太地町 )
過疎地域神社活性化推進委員会、太地町赤十字奉仕団(和田千明委員長)、太地町地域連絡協議会(法花真左美会長)は24日、同町の飛鳥神社(髙橋正樹宮司)で、8月末に作成した来年の干支(えと)「兎(うさぎ)」とクジラ、イルカが元気いっぱい描かれた大絵馬の奉納奉告祭を営んだ。子どもたちや関係者など15人が参列し、絵馬の奉納と設置を祝った。髙橋宮司は「お子さまが一生懸命描いた絵馬。皆さんも1年間たくさんの方に見ていただけるように、お友達にも声をかけてあげてください。また、関係者の皆さまも、子どもたちの純真なパワーが頂けますように、お誘い合わせの上、ご参拝いただければありがたいです」と呼びかけた。
大絵馬作りは「地域活性化」「子どもたちの思い出づくり」「郷土愛の育くみ」を目的に2020年から始まった。
大絵馬は縦120㌢、横150㌢のヒノキ製。今回も同町在住で日本画家の土長けいさんと共に町内の5歳から11歳までの子どもたち10人が自由な発想で描いた。
神事では髙橋宮司が祝詞を奏上し、子どもたちや関係者が玉串をささげた。最後は大絵馬の除幕が行われ、子どもたちには、自由帳やクーピーなどのお土産が配られた。
町立太地小学校5年の塩﨑心温(こはる)さんは「改めて見ると、とてもきれい。神社の前を通った際は、友達と一緒に大絵馬を見に来たいと思う。来年も参加したいです」と笑顔。
土長さんは「神社にあってこその大絵馬だと思う。神社からのパワーも頂くと同時に、子どもたちの絵馬のパワーも神社にお返しできているのでは。元気いっぱいの絵馬なので、飛躍の年としても良いのではなと思います」と述べた。
法花会長は「すてきな絵馬が完成して良かった。来年は素晴らしい一年になることを祈っております」と語った。
和田委員長は「今年で3回目になったが、コロナ禍も3年間続いた。そんな中、子どもたちの協力で絵馬の奉納ができたことをうれしく思う。コロナの影響に負けることなく、地域での活動や学校生活に躍進してほしい。子どもたちがふるさとを離れても、大絵馬によって、ふるさとを思い出すきっかけになっていただけたら」と話していた。
(2022年12月27日付紙面より)
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御坊市の市立体育館で18日、「きのくにロボットフェスティバル2022」(同実行委員会、和歌山県、県教委など主催)が開催され、前日17日に行われた全日本小中学生ロボット選手権予選会に新宮市の濱口裕大君(三輪崎小6)が出場。惜しくも本選出場はかなわなかったが、小学生部門で特別表彰を受けた。
同フェスティバルは、全日本小中学生ロボット選手権・きのくに高校生ロボットコンテストや、「高専ロボコン」招待チームのロボットや企業の最先端ロボットのデモンストレーションを総合的に実施する催し。
青少年のものづくりに対する理解を深め、日本のものづくりと科学技術の発展を目的として、毎年12月に御坊市で開催している。
県立新翔高校で行われたブロック予選を勝ち抜き、御坊市での予選会に挑んだ裕大君。小学生部門は「レッツ・フィッシング!」と題し、ロボットを使って魚に見立てた洗濯ばさみを陸エリアに釣り上げる内容で競技が進行。8リーグのトーナメント制で競われた。
裕大君のロボット「スクイード」は、全ての魚を釣り上げる「大漁」とはならなかったものの、磁石の力を利用して一気に魚を釣り上げるその姿はインパクトを与え「面白さや驚き、感動を伝えるパフォーマンスを披露したロボット」に贈られる「パフォーマンス大賞(川崎重工業賞)」を受賞するに至った。
賞を受け、裕大君は「(競技は)めっちゃ緊張した。思った通りの操縦ができなくて悔しかったけど(受賞は)うれしかった」と笑顔。「中学生になったら競技は難しくなると思うけど、できそうならまた挑戦したい」。
母の真理子さんは「本人にとってもいい経験になったと思う。競技で負けた時は悔し泣きをしていた。これからの人生に生かしてほしい」と裕大君をねぎらい「(同選手権は)面白い取り組みだと思う。当地域でももっと多くの人に興味を持ってもらい、ものづくりをする人が増えるきっかけにつながればいいですね」と話していた。
(2022年12月23日付紙面より)
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神倉小で御燈祭りの伝統学ぶ (新宮市 )
新宮市立神倉小学校(藪中秀樹校長)で19日、「おとう祭りの持ち物ってなんだろう?」の授業があった。3年生58人が、市内で草鞋(わらじ)や荒縄を製作する堅田裕見子さんらから文化を継承していくことの大切さを学び、御燈祭(おとうまつ)りで使用する草鞋作りに挑戦した。
同校運営協議会(下岡輝子会長)による「ヤタガラス子ども未来プロジェクト」の一環。子どもたちにまちの歴史などを学んでもらおうと、協議会メンバーを中心に有志ボランティアが協力し、さまざまなふるさと学習を展開している。
児童らに御燈祭りの伝統などについて興味を持ってもらい、草鞋や松明(たいまつ)製作などの後継者育成に結び付けることを目的に行う恒例授業。なお、御燈祭りは新型コロナウイルス感染防止の観点から、昨年、今年は上(あ)がり子の参加を中止し、関係者のみで神事が執り行われている。
堅田さんは、稲刈り、米とわらを外す作業、わら打ちなど、草鞋製作に至るまでの工程を写真で紹介し「草鞋を作る人は年々減っています。みんなには、自分で作った草鞋を履いて御燈祭りに参加してほしい」と呼びかけ。
児童からは「手は痛くならないの?」「機械では作れないの?」などの質問があり、堅田さんは「手作りだから値打ちがある」「わらにはいろいろな人の苦労が詰まっています」などと話した。
堅田さんの説明後、宮川裕大さんが草鞋作りを実演。見学後、児童らは堅田さんや宮川さん、北原潤希さんらに教わりながら▽草鞋作り▽わらを編む▽草鞋を履く―に分かれて体験。「楽しかった。ありがとうございました」と感謝を伝えた。
体験後には、堅田さんが運営協議会有志らと手作りしたしめ縄リースを全員にプレゼント。しめ縄は今後、授業で児童らが飾り付けを行うという。
(2022年12月23日付紙面より)
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中田、阪本さん招き平和学習 (井田小 )
紀宝町立井田小学校(竹本靖史校長)で15日、作家の中田重顕さん(80)、元有線放送アナウンサーの阪本浩子さん(80)を招いての平和学習会があり、5年生20人、6年生26人が、第2次世界大戦で苛烈を極めた沖縄戦の惨劇を学んだ。
講師の2人は熊野地方の中学校で長年、戦争の悲惨さ、平和の尊さを伝えており、中田さんは「君たちは、あと6年すれば選挙権がある。もう一度戦争する世の中にするのか、何より平和を大切にする国にするのか、君たちが決めるのです。しっかり歴史を学び、自分の頭で考える人になってください」と伝えた。
スライドに戦時中の写真を映し「戦争は人類が考え出した最悪の政策。いつでも弱い者を踏みにじっていく。最もひどい目に遭うのは子ども、お年寄り、障害者などである」と語った。
第2次世界大戦当時、学校も軍事訓練ばかりになり、沖縄では住民が戦闘に巻き込まれた。沖縄戦で戦った「第六二師団石部隊」は三重県の兵が中心で、熊野市出身者71人、御浜町出身者23人が戦死した。
中田さんは、10代の若者も多く戦死したことを伝え「戦争で怖いのは人の心が荒れ果てていくこと。戦争が始まってしまうと77年たった今でも悲しみ続ける人がたくさんいる」話し、阪本さんが軍国の母の物語、沖縄の女学生の手記などを朗読した。
(2022年12月23日付紙面より)
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来年1月末までに空き家撤去 (那智勝浦町 )
空家等対策の推進に関する特別措置法(空家特措法)に基づき、那智勝浦町は20日、同町宇久井の住宅街にある特定空き家に対し、初の行政代執行を行った。この空き家は来年1月31日(火)までに撤去される。
空家特措法は、全国で増え続ける空き家の問題解消を目指して定められたもの。市町村が「特定空き家」を指定し、「助言指導」「勧告」「命令」の手順を経て、「行政代執行」に至る。
指定されれば固定資産税の優遇特例(6分の1に減免)も解除される。行政代執行の場合、解体費用は後に所有者に請求されることになる。
同町によると、2018年に国が実施した住宅土地統計調査では、同町の特定空き家含む空き家は2710件あり、空き家率はその年から5年前と比較して3%上昇しているという。
19年には同じ宇久井地区において、略式代執行を1件、昨年は大勝浦地区で2件の略式代執行を実施している。
今回の空き家は十数年にわたって居住の形跡はなく、建物がほぼ崩れ落ちて危険であることや空き家敷地内の木々・雑草が生い茂っているため、近隣住民からは不安の声も上がっていたと担当職員は話す。
町ではこれまでに「危険家屋につき通行注意」の看板や飛散防止のためにネットを設置。所有者に対して指導、勧告を行ってきたが、撤去はされなかった。8月30日に撤去の命令を行うも、期限である11月30日を越えても状況は変わらず、今回の行政代執行(強制解体)に至った。
解体は同町宇久井の庵野組が行い、費用は約100万円。撤去後は更地に整備され、土地の所有者(空き家所有者とは別)が管理する。
この日、町建設課の楠本定建設課長が▽空き家の倒壊などにより周辺に悪影響を及ぼしている▽特別措置法に基づき、損壊家屋の撤去▽ごみの廃棄処分の行政代執行を行う―などが記された行政代執行開始の宣言を読み上げた。今後は業者が撤去作業に入るとしている。
楠本課長は「町としても近隣住民の安心安全が最優先。空き家対策を行う中で今回のようなやむを得ない対応が出てくるケースもある。今後も町としては空き家問題に取り組んでいきたい」と語った。
(2022年12月23日付紙面より)
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ふれスポ東牟婁・新宮グラウンドゴルフ大会
第20回くろしお剣道大会
和大生らがモデルコースなど考案 (熊野三山観光協会 )
熊野三山観光協会と和歌山大学観光学部の学生らは16日、同大学で会見を開き、熊野地域の若者向けの観光モデルを発表した。実際に現地調査を行った上でモデルコースや観光パンフレットを作成。「若者に魅力を発信していくためには、長期的な目線で観光戦略を考えることが必要」などと述べた。
熊野三山観光協会は、新宮市観光協会、那智勝浦観光機構、熊野本宮観光協会、東牟婁振興局企画産業課で構成。当地方への誘客を目的に、観光PRや情報発信などの事業を展開している。
観光客の年齢層が高い傾向にある当地方において若年層の誘客につなげようと、同協会は同大学観光学部と共同事業を実施。学生らは11月に現地調査を行い、約1カ月かけて観光資源や場所を選定。モデルコースやパンフレットデザインなどを考案するに至った。
発表したのは、同学部2年の中川汰智さん、野田和貴さん、北林光さんの3人。モデルコースは、本宮・新宮・那智勝浦の3エリアを2泊3日で巡る内容で、エリアごとに食、文化と歴史、自然、温泉などの観光要素を落とし込んだ。また、考案したモデルコースを基にA4三つ折りパンフレット「心も身体も癒される紀南にどっぷり浸かる旅」を作成した。
学生らは、モデルコース作成に当たって「従来のモデルコースとの差別化を図るため、若者向けに体験型アクティビティーや『SNS(交流サイト)映え』要素を多めに構成した」と説明。
㈱OKB総研の「若者の旅行に関する意識調査」における「国内旅行で何をしたいか」の項目では「温泉に入る」「自然の景色を見る、触れる」「食・グルメ」が上位であったとし「熊野三山エリアで満たすことができる」と主張した。
パンフレットについては「若い人でも手に取りやすいポップなデザインを心がけたが、神聖な場所というイメージも崩したくない。バランス良く共存させたいと意識した。パンフレットを通して、熊野三山には若者心をくすぐるコンテンツがあることを知ってもらいたい」。
課題として▽実際にどれくらいの人がパンフレットを手に取ってくれるか▽来ようと思うための仕掛けづくりが必要▽車がないと移動が厳しい状況。遠いイメージをどう払拭するか―を挙げ、「熊野三山にはエリアによって特色の違う魅力がある。現地調査を通して、熊野三山の魅力を存分に感じることができた」とまとめた。
発表に先立ち、同協会の小西秀彰事務局長は「学生の皆さんに考案いただいた観光モデルパンフレットを使って、県内外にPRし、若年層の誘客につなげていければ」とあいさつした。
(2022年12月20日付紙面より)
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徐福公園がライトアップ (新宮市 )
新宮市徐福の徐福公園の楼門が16日夜から、赤、青、紫などさまざまな色に変化し、幻想的な雰囲気を醸し出している=写真。ライトアップは来年1月31日(火)まで。
ライトアップは2014年度に第1回を実施。新宮市出身の空間デザイナー畑秀樹さんによる演出で、発光ダイオード(LED)の照明器具を使用している。
楼門は普段からライトアップされているが、この時季限定で時間とともに色が変化するよう設定。通常時のライトアップよりグレードアップした鮮やかなライトで夜の中国風楼門を彩る。時間は午後5時30分から9時まで。
同公園の昨年の来園者は1万6392人。おととしは1万6763人で、新型コロナウイルス感染症の影響により減少傾向にある。今年は11月末現在で1万4141人が来園した。
市商工観光課では「地域の方や帰省された方、観光客の方に見ていただきたい。ライトアップが少しでも癒やしになれば」と話している。
(2022年12月20日付紙面より)
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二色で見学会やイベント (串本町 )
串本町二色にある旧錦富小学校で16日、建設用3Dプリンターによる土木構造物(集水桝〈ます〉・もたれ式擁壁)の試作見学会があり関係者約100人がメーカーの説明や試作実演を受けて技術への理解を深めるなどした。
この見学会は、国土交通省近畿地方整備局紀南河川国道事務所と県建設業協会が共催。同局の人手不足などの解消を目的としたインフラ分野のデジタルトランスフォーメーション(DX)促進の趣旨に基づき、目下施工中のすさみ串本道路で県内初施工される同構造物の技術紹介を目的として計画し、建設業界と報道機関に向け参加を呼びかけた。
関係者の内訳は建設業界や報道機関に加え、同省職員、県立和歌山工業高校の教員や和歌山工業高等専門学校の学生と教員など。共催者代表あいさつを経て、初施工に関わる国内唯一の同プリンタメーカー・株式会社Polyuse=本社・東京都港区=がインフラ維持工事の増加に対して担い手が減少する同業界の厳しい現況と打開策として同業界のスマート化を推進したいという思いを織り交ぜて自社技術を説明し、同プリンターによる集水桝の試作実演や試作したもたれ式擁壁の実物紹介をした。
これら構造物はモルタル製で、同プリンター用に研究開発する過程でコンクリートに勝る強度を発揮するよう調整。同プリンターは型枠を要さず成形ができ、従来手法では難しかった複雑な形状も造れるなどの長所がある。
その真価を見るべく、見学会後は同協会主催、同事務所後援で地域ふれあいイベント「建設用3Dプリンターで作る『みんなのベンチ』」も実施。見学会会場の最寄りにある錦富学童保育所や串本学童保育所の児童約60人を対象にし、文字「インフラDX」を内包した構造物を同プリンターで造る様子の見学やデザイナーと一緒に装飾をして仕上げる体験を提供した。
このベンチは硬化した後、会場最寄りにある木下建設株式会社設置の現場の駅へ置き実際に利用してもらうという(19日以降設置予定)。
見学会に立ち会った同事務所の本田明副所長は、技能者の高齢化や若手離れによる人手不足の課題解消策としての期待感を述べつつ「参加いただいた皆さまのこれからの進歩の一助になれば」とコメント。
同協会の栗山重信参与は「県内でもインフラ維持は必要で、その担い手は災害時の対応力にも結び付く。協会としては何とか人材に来てほしいという思いで、そのためには若手の3K(きつい・危険・汚い)のイメージを変える安心安全な技術が不可欠」と話し、その一助として今回紹介した技術の今後の普及を将来に思い描いた。
(2022年12月20日付紙面より)
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国際平和ポスター・コンテスト (勝浦LC )
ライオンズクラブ国際協会の第35回国際平和ポスター・コンテストで、那智勝浦町立宇久井小学校(芝﨑勝善校長)の西村和真君(6年)が最優秀賞を受賞した。16日には勝浦ライオンズクラブ(勝浦LC)の岡本英博会長と岡鼻崇奉仕委員長が同校を訪れ、賞状と記念品を手渡した。
同協会は子どもたちに平和について考えてもらおうと全世界のライオンズクラブを通じてコンテストを実施。地域社会の子どもたちと平和、寛容さ、国際理解を協調し、平和の大切さと意味を独創的に表現する機会を得ることを目的としている。
今年のテーマは「思いやりのあるリーダーになろう」。勝浦LCエリアでは町内と太地町の小学5、6年生を対象に募集。同校から4点の応募があり、「独創性があるか」「テーマが表現されているか」などの観点から審査された。
西村君は「昨年に続いて今年も応募に挑戦し、小学生の最後に賞をもらってうれしいです。世界が平和になってほしいという願いを込めて描いた。中学生になっても思いを忘れず過ごしていきたいです」。岡本会長は「どの作品もテーマに沿った素晴らしいものでしたが、中でも西村君の作品は絵の色彩がよく、強い気持ちを感じた。コンテストを通して将来の世界平和に役立つ大人に成長してもらえれば」と話していた。
(2022年12月20日付紙面より)
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需要期に向け目慣らし会 (那智勝浦町 )
那智勝浦町苺(いちご)生産組合(桒野稔近〈くわの・としちか〉組合長)は、クリスマスや年末年始の需要期出荷に向け16日、同町南大居のJAみくまの太田営農センターで、和歌山県オリジナル品種のイチゴ「まりひめ」の目慣らし会を開いた。イチゴ生産農家や、みくまの農業協同組合らが参加し、イチゴの品質などについて意見を出し合った。
「まりひめ」は東牟婁地方を代表する特産品で、那智勝浦町の太田地区が主要産地。果実は大きめ、甘味が強く酸味もほどよい。
例年12月初旬から翌年の5月ごろにかけて出荷。公設市場を通して近隣のスーパーなどで販売される。昨年は4パック入り約1万6036ケースが出荷された。
目慣らし会はケース詰め基準の統一と等級の確認を目的に、イチゴの出荷が本格化し始める時季に開催している。
はじめに桒野組合長は「昨年は1週間早く目慣らし会を行ったが、今年は台風があったため定植が遅れ、出だしが遅い。寒波の影響も不安要素の一つ。年末にかけて忙しくなると思うので、皆さん頑張ってください」とあいさつし、感染症対策も呼びかけた。
その後、生産農家や職員らが真剣な表情で、同センターに集まった146ケースのイチゴを確認し合った。
桒野組合長は「寒い時期のイチゴは甘い。ぜひ、おいしい『まりひめ』を味わっていただけたら」と語った。
同組合は1971(昭和46)年に結成され、昨年設立50年を迎えた。現在、生産農家は10世帯約20人おり、今年も新規就農者が増えたという。
(2022年12月18日付紙面より)
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クリスマスを前に、新宮市徐福のJR新宮駅前の広場で華やかなイルミネーションが点灯した。駅前の花壇を管理する美化里親ボランティア団体「はなはなきっさこ」(上廣正幸会長)が設置したもので、下校途中の高校生たちがベンチに並んで写真を撮るなど、にぎやかな雰囲気となっている。
市社会福祉協議会の「MACHI(まち)サポート募金」の助成金と新宮ロータリークラブ、JR新宮駅、新宮観光協会が寄付をして協力した。
設置期間は1月中旬まで。駅に到着する最終電車に合わせて午後5時~午前0時に点灯しており、同会は「毎年工夫しながら飾り付けをしており、クリスマスや年末年始に駅を利用する方々にも喜んでいただければ」としている。
「はなはなきっさこ」は現在、花壇の見守りや手入れの手伝いが可能な市内在住者を募集している。活動は週1回、1~2時間程度。向井美江副会長は「イルミネーションのときだけ学生さんにボランティアをお願いするなど、多くの方々の協力を得ながら活動を継続していく方法を考えている」と話していた。
(2022年12月18日付紙面より)
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体文のイルミネーション (那智勝浦町 )
町内各種団体で構成する那智勝浦町イルミネーション実行委員会は16日、同町の体育文化会館で「第20回体育文化会館イルミネーション」の点灯を行った。各団体によって設置されたイルミネーションは、町の冬の夜を美しく彩っている。来年1月9日(月・祝)まで。点灯時間は午後5時~10時。今月24日(土)、25日(日)は午前0時まで。
例年は点灯式が開催され、出席した園児らが歌や演奏を披露して盛り上がる人気の催し。
おととし、昨年に引き続き今年も、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から点灯式は実施しなかった。点灯初日から見物や写真を撮影する家族連れなどの姿が見られた。
イルミネーションは▽勝浦手話サークル“ちゃお”▽那智勝浦町建設業組合▽勝浦金融協会▽南紀勝浦温泉旅館組合▽那智勝浦町職員互助会・職員組合―の5団体がそれぞれ、10日と13日に飾り付けた。
同町観光企画課の担当職員は関係団体の協力について「前向きな熱意を持って継続していただいている。本当にありがたい」。
来場者については「町では、体育文化会館を町民が集える場所にするために事業を進めており、イルミネーションもその趣旨にのっとった形となる。町内外の多くの皆さまにお楽しみいただければ幸いです」と話している。
(2022年12月18日付紙面より)
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ゆうゆうクラブ女性部が音楽体操 (新宮市 )
新宮市ゆうゆうクラブ(老人クラブ連合会)女性部(石原千里部長)は16日、市役所別館で令和4年度健康づくり教室「予防のための楽しい音楽体操」を開催した。会員約90人が参加。講師の宇都宮惠美さんに教わりながら、音楽に合わせて体を動かした。
女性部が毎年実施している恒例の取り組み。夏ごろの開催を予定していたが、新型コロナウイルス感染拡大状況を鑑み、長らく延期となっていた。
この日は、感染予防のため1時間交代の2部制で実施。太地町を拠点にピアノやリトミック指導をしている宇都宮さんに講師を依頼した。音楽体操は簡単な手指体操で体の固まりをほぐすとともに、歌うことで脳の血行促進になり、感情の放出やストレス発散の効果も期待できるという。
宇都宮さんは「短い時間ですが皆さんと楽しいひとときを過ごせれば」とあいさつ。参加者らは「お嫁においで」「マイムマイム」「きよしのズンドコ節」などの楽曲に合わせながら、ボールを使った体操や歌唱を通した脳トレなどに挑戦。和気あいあいと体を温めていた。
参加者に「今日はストレスを発散するつもりで頑張って」と呼びかけた石原部長。「こんなときしか集まることができない。久しぶりの開催なので多くの人が参加してくれた。実施に当たっては副部長の河原良子さん、幹事の松尾由美子さん、田中ミチコさん、和田町子さんらが尽力してくれた。近況報告など、交流を深めるいい機会になったと思う」と話していた。
(2022年12月18日付紙面より)
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「個々の力だけでなく、チーム力や総合力を持って、粘り強く力強く、皆さまと共に進んでいく年に」。田辺市本宮町の熊野本宮大社本殿で15日、恒例の一文字揮毫(きごう)があり、白装束にたすき姿の九鬼家隆宮司が渾身(こんしん)の「力」を書いた。
新年への願いを込め九鬼宮司が書き始めて15年目を迎える。今年は主祭神である家津美御子大神(けつみみこのおおかみ)(素戔嗚尊〈すさのおのみこと〉)を祭る証誠殿前で行われた。
縦横約3㍍の白い布を前に精神統一を図った九鬼宮司は、長さ1・3㍍の大筆で一気に書き上げた。「令和五年癸卯(みずのとう)」と記し、最後に朱印を押すと、見守っていた参拝者らから大きな拍手が起こった。
前日に字を決定したという九鬼宮司は「日本を閉塞(へいそく)感が覆い、新型コロナウイルス感染症も押し問答が続く中、ワールドカップで見た『チームの力』は多くの世代の人々に元気と力を与えてくれた。来年は世界遺産登録20周年の年でもあり、飲食業や観光業など地域が一体となり、地域力を持って進んでいきたい。癸卯はさまざまな準備が完了し、新たに動き出す年を意味する。参詣者の皆さまが力を受け取り、気持ちを新たにそれぞれの目標を達成されることを願っている」と祈念した。
大阪府から参拝した津田あゆこさんは「ちょうど仕事でチーム力を持って取り組んでいこうというタイミングだったこともあり、非常に感動した。背中を押され、勇気をもらった気持ち」と話す。
書は年内に神門前に掲げる。同大社では大しめ縄と大絵馬のかけ替えや干支(えと)色紙などの縁起物制作といった迎春準備が着々と進んでおり、年内の「幸先詣(さいさきもうで)」で訪れた参拝者らへの授与も始まっているという。
(2022年12月16日付紙面より)
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ロケット土産商談会始まる (串本町 )
串本町西向にある旧役場古座分庁舎で14日、「ロケット土産展示商談会(お土産品展示・受注・相談会)」が始まった。16日までの実施で、午前10時~午後4時に随時来場を受け付ける。
この商談会は、串本町商工会と南紀串本観光協会主催、南紀くろしお商工会と那智勝浦観光機構後援。民間ロケット射場「スペースポート紀伊」からの打ち上げに向け開発や販売が進む商材やその足掛かりとなっている串本町や那智勝浦町のロケットロゴなどとの接点をつくる場として、串本ライセンス管理事務局(株式会社USPジャパン内)が主管となり計画した。
今回は28社計56点の出展があり、ロケットロゴをあしらった菓子類の土産物からご当地グッズ、ロケットにちなんで開発した独自商材などがそろう。土産物関係の事業者やそのバイヤーが同事務局のスタッフや開発者の説明を受け、受注可能な商材については商談も進んでいるという。初日終盤には串本町議会の議員団9人も会場を視察。同事務局の新津研一さん(株式会社USPジャパン代表取締役)から現在の商材体制について説明を受け、「こんなに商品がそろっているとは知らなかった」と目を見張りながら一品一品を確かめるなどした。
ロケットロゴを活用するなどして打ち上げの見物客との接点を自らつかみにかかる気持ちを高め、その裾野をさらに広げることがこの商談会実施の狙い。どのように開発を進めればよいかといった相談にも応じていて、きっかけとなるロケット「カイロス」の紹介や那智勝浦町側の公式見学場からの眺望に似たロケット「イプシロン」打ち上げの動画上映もして意欲を後押ししている。
この商談会は参加無料。問い合わせは同事務局(電話0735・70・1352)まで。
(2022年12月16日付紙面より)
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平野英之さん「6年後の七段目標」
真剣を一振り。空気を切り裂く鋭い刃鳴りが辺りを包む。「振り方が悪いと音が出ない」、80歳にして居合道六段に合格した平野英之さん=御浜町阿田和=はそう話す。
足立区民体育館(東京都)で11月27日、全日本剣道連盟居合道部が主催する居合道の昇段審査に挑んだ。約230人が受験し、合格率37%ほどの狭き門を突破して三重県で唯一の合格者となった。
六段は五段合格から5年後以降に受験資格が与えられ、12の形のうち、六つを審査直前に言い渡される。「6月に審査があったが、手術のため断念した。10㌔ほど痩せて大変だった」と振り返る。
木本高校時代は剣道に青春をささげ、故奥川金十郎範士から学んだ。居合道は知り合いに誘われて62歳で出会った。
現在は、紀南剣道連盟居合道部に所属。阿田和公民館で週2回、居合道と向き合っている。メンバーは熊野市、御浜町の40~80代4人で、全員が有段者。審査に向けて9月から毎週2回、津市や四日市市まで出向いて稽古に励んできた。
「稽古から真剣を用いている。居合道は仮想の敵と戦うもので人格、人間性が問われる武道。人間形成の基本」
その一振りから、これまでの鍛錬が伝わる。「七段は6年間の修行が必要で、86歳で審査を受けることが目標。同年代の励みになると思う」と笑顔も見せた。
(2022年12月16日付紙面より)
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3年生39人が人権学習 (近大新宮 )
新宮市の近畿大学附属新宮中学校(池上博基校長)で12日、人権学習があった。3年生39人が耳の聞こえない人々の日常生活や「障害」の捉え方について学んだ。
新宮市聴覚障害者協会の須川陽一会長が来校し、社会福祉法人美熊野福祉会の大代聖子さんの通訳を交えて講話。須川会長は最初に「皆さんも大きくなってから事故で耳が聞こえなくなったり、耳が不自由な人と出会ったりするかもしれない。『自分には関係ない』ではなく、みんな同じ人間で、自分も関係あることと思って聞いてほしい」と呼びかけ、和歌山ろう学校での経験や自身の思いを語った。
日常生活について▽電車が遅延したときに車内放送では理由が分からない▽宅配便の不在票に電話番号しか書かれていない▽防災無線が聞こえない―などさまざまな困難がある一方、聴覚障害者でも医師や看護師、薬剤師の資格が取れるようになるなど社会の変化が進んでいる現状を述べた。
大代さんは障害の捉え方について「個人の身体機能に障害があると捉える『医療モデル』から、障害は社会の仕組みの不備によるという『社会モデル』の考え方に変わってきている。耳が聞こえなくても、手話通訳などの合理的配慮があれば、聞こえる人と同じ生活が送れる」と語った。
打越一羽さんは「学童クラブで体の不自由な方と接したことがあるけれど、障害があっても関係なく生活できる社会になってきていると思う。ドラマ『silent(サイレント)』の影響もあり、手話に興味を持っていたので、南紀手話サークル虹に行ってみたい」と話していた。
(2022年12月16日付紙面より)
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神倉小などで改修工事進む (新宮市 )
新宮市立神倉小学校(藪中秀樹校長)の体育館で現在、改修工事が行われている。10月1日から工事が始まっており、工期は来年2月20日(月)までを予定している。
同校の体育館は、1990年に完成。使用年数は32年を数える。外壁にはスギの板が使用されており木造の体育館は非常に珍しい。2016年には社員旅行で当地方を訪れ、同校の体育館を目にした世界的に有名なアニメ映画監督・宮崎駿さんから「どうかあの建物を大切にしてください。子供達に巨大な木造建築物をのこそうとした人々の努力を伝えてください」といった内容の手紙が学校に寄せられている。
このたびの改修では、老朽化により傷んだ外壁の修復や塗装、体育館内の傷んだ床の塗装、照明のLED化、トイレの洋式化、アクセスのバリアフリー化、一部外周工事などを計画しており、事業費は8910万円。
外壁には地元のスギを使って張り直しを行う予定で、年月をかけて工事前の重厚で趣のある黒ずんだ色合いに落ち着いていくという。
現在、外壁修復のために周辺には足場が組まれており、12月と来年1月には体育館内の工事に着手するため、体育館の使用は停止になるという。
市担当課では、神倉小体育館の改修について「大切な木造体育館。景観的配慮を行い、長く使用できる体育館に改修した上で後世に残していきたい」と話している。
なお、同校のほかに1972年に建築された城南中学校、77年建築の光洋中学校の体育館でも改修工事が行われており、城南中体育館は今月から使用を停止、光洋中は12月から使用を停止する。いずれも安全に運動ができる環境を整えるために床面の改修を行っており、事業費は城南中1750万円、光洋中1160万円。市では、今後も計画的に老朽化した学校の校舎や体育館の改修に努めていくとしている。
(2022年12月6日付紙面より)
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大門坂観光案内所を設置 (那智勝浦町 )
一般社団法人那智勝浦観光機構(NACKT)は2日、那智勝浦町市野々の大門坂駐車場付近で「大門坂観光案内所」の開所安全祈願祭を実施した。熊野那智大社(男成洋三宮司)から出仕した神職らが神事を執り行い、参列した堀順一郎町長やNACKTの清水貞吾理事長、熊野・那智ガイドの会の汐﨑眞次会長、吉中秀郎町観光企画課長らが新設された観光案内所の発展や無事などを祈った。
観光案内所は、同駐車場付近にあった休憩施設の一部を改修し設置したもので、那智山エリアの観光案内強化を行うとともに、町中への周遊促進を目的としている。
官民で構成される町観光地魅力アップ推進委員会が主体となって案内所を整備し、運営を機構が行うもの。壁やサッシを設置する簡易的な工事で、10月末から着工し、先月25日に完成した。
JR紀伊勝浦駅前にある観光案内所と同じく、室内には町の観光に関するパンフレットなどが多数並んでいる。ガイドの待合としても利用するとしている。
機構によると、実証的に運営を進めるとし、成果に結び付き次第、継続や設備の充実も視野に入れているという。
この日は、伊藤士騎(しき)禰宜(ねぎ)と𠮷田遥紀権禰宜(ごんねぎ)が神事を斎行し、堀町長らが玉串をささげた。
堀町長は「機構で観光戦略を練るために、動態調査を行った。観光客は町中から那智山方面には向かうが、那智山から町中へは足を運ばないというデータが出ている。そのため、町中への周遊と町全体の観光PRをするための拠点が必要だった。町の魅力を十分に伝えることのできる案内所になることを祈念しています」。
清水理事長は「かねて、観光案内所設置の構想はあったが、コロナ禍もあり至っていなかった。念願の案内所が完成したので、那智山に訪れたお客さまをしっかりともてなすとともに、町中への周遊につなげたい」と語った。
なお、営業時間などは正式に決定していないため、現在は午前10時~午後4時を予定しているという。問い合わせやガイドの予約などは年中無休のJR紀伊勝浦駅前の観光案内所(電話0735・52・5311)まで。
(2022年12月6日付紙面より)
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地域の人に教わり制作 (紀宝町 )
紀宝町内の小学生を対象にした「2022こどもゆめまつり」(同実行委員会主催)が4日、同町鵜殿の町福祉センターであった。3年ぶりの開催に児童71人が参加し、地域の人たちに教わりながらさまざまな制作を楽しんだ。
ボランティアら地域の人と交流し、成長する機会になればと同町ボランティア・市民活動センター「きぼらんせ」共催で企画した。新型コロナウイルス感染拡大の影響で昨年、おととしと中止にしたが、今年は午前午後で低学年、高学年の2部制にし、制作とゲーム遊びを交代制にするなど密にならない対策を取った。
制作は牛乳パックの飛行機、端布を使ったシュシュ、アイロンビーズ、フォトフレームの四つで、高学年はフォトフレームの代わりに己書(おのれしょ)体験を取り入れた。
講師や運営には地域のボランティアが協力し、アイロンビーズ作りは町立矢渕中学校の生活文化部と美術部が担当した。
開会式では町社会福祉協議会の木下起査央会長があいさつし、「今日はボランティアさんたちと色々な遊びができるので元気に楽しんでくださいね」と呼びかけた。社協職員は児童らに「こんにちは」と「ありがとう」を手話で教え、「今日はキホッチョ隊に手話をすると参加賞をもらえますよ。(全員に配った)手話の本で勉強し、いろんな人とお話をできるようになってください」と呼びかけた。児童らはあらかじめ希望した制作に挑戦し、講師の人たちと交流しながら楽しんでいた。
(2022年12月6日付紙面より)
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町職員ら手作り横断幕掲げ (串本町 )
串本町職員有志が役場本庁舎1階、玄関から入ってすぐの位置にサッカーワールドカップカタール2022日本代表チームや所属する久保建英選手の活躍を期待する横断幕を掲げている。
久保選手は神奈川県川崎市生まれだが、父が同町出身(串本高校卒)でその祖父母も町内在住。祖父が体育教諭として町内におけるサッカー振興に努め串本中サッカー部を全国大会へ導くなどの実績を上げた経緯もあって、そのつながりで盛り上がりの輪が広まっている。
横断幕を掲げているのは町総務課の有志数人。95㌢×620㌢の横断幕に文字を貼って手作りし、11月30日午後から掲げている。当初は活躍を祈る内容だったが、日本時間12月2日未明の対スペイン戦で同チームが勝利し決勝トーナメント進出が決まるや「祈」を朱書きの「祝」に貼り直すなど、手作りならではの迅速さで同チームの戦況相応に内容を切り替えている。
対ドイツ戦勝利以降、町民か町にゆかりがある選手の応援をしないのかと声があり職員の間でも関心が高まっている点で検討。当初は外注も考えたが教育委員会教育課由来のノウハウで今回のように機転を利かせやすい掲げ方があると知り、さっそくその方向で動いた。込める思いは「頑張ってほしい」の一心。横断幕は今後も同チームの戦況に即応して手直しを加えつつ掲げ続けるという。
同チームの次の試合は日本時間6日(火)午前0時から始まる対クロアチア戦。初となるベスト8入りを懸けて臨む。
(2022年12月6日付紙面より)
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県下少年剣道親善大会
県新人卓球大会で活躍 (新宮高校 )
少年サッカー新人戦が開幕