経営者塾卒業生が100人会 (新宮信用金庫 )
新宮信用金庫(浦木睦雄理事長)が次世代の経営者育成のため取り組んできた「しんぐう信金TKC経営者塾」の卒業生でつくる「しんぐう信金経営塾100人会」の総会が14日、新宮市新宮のホテルニューパレスで開かれた。若手経営者らが集まり、昨年度の決算報告などを承認したほか、懇親会で親睦を深め合った。
TKC経営者塾は地域の再生を担う若手経営者らを対象にしたプログラムで、向山税務会計事務所の向山俊也所長を講師に2012(平成24)年にスタート。外部から日本総合研究所主席研究員で『里山資本主義』の著書でも知られる藻谷浩介さんら多彩な講師を迎え、幅広い経営の知識を学んできた。同会は卒業生が100人になったことから、17(平成29)年7月に発足した。
目的は▽卒業生100人が束となる力を結集し、地域社会の繁栄に貢献する▽経営者塾の活動を通じて経営者としての見識・視野を広げ、個々の事業にて結果を出す▽塾生同士のネットワークを広げ親睦を深め切磋琢磨(せっさたくま)し、経営者として成長する―など。
開会に当たり、浦木理事長が「原点回帰をベースに、3年後の新宮信用金庫設立100周年、さらなる100年を。地域のために必要とされる金融機関を目指していきたい」とあいさつ。総会では会長に就任した野中工務店の野中亮伸代表が「塾生として講義を受けていた時はワクワクした熱い気持ちが燃えていたと思う。その思いが再燃するような会に。さらに一歩踏み込んで、次の世代がワクワクするような会にしていけたら」と述べた。
新しい取り組みとして▽勉強会や講演会など学びの場を設ける▽会員同士の親睦を図る懇親会の開催▽企画事業―の3本の柱を掲げ、「足並みをそろえるのは難しいかもしれないが、個々の意見が反映される会にしていきたい」と協力を呼び掛けた。
(2019年6月16日付紙面より)
なんなんネットが研修会 (新宮市 )
東牟婁地方の精神医療、保健、福祉関係者で組織する南紀の心の医療・保健・福祉をなんとかしよらネットワーク(通称・なんなんネット、屋敷満雄代表)は14日、新宮市新宮の社会福祉法人熊野緑会・第二なぎの木園で専門的知識研修会を開催した。南紀医療福祉センターの精神科医、小崎有理さんが「発達障害、知的障害における精神状態」を題目に講演。両障害の特徴や詳細について、会員や職員らは知見を深めた。
小崎さんは「そもそも障害とはそれ自体が悪いわけではない。本人の生きてきた社会や文化の違いや生活水準からのずれ。私たちはそういうずれを診察している」と述べた。
発達障害は知的障害、自閉スペクトラム、学習障害が単独でなく、てんかんや睡眠障害など合併して現れることが多いと解説。さらに発達障害は二次障害である抑うつ障害群や強迫症などの精神障害を起こしやすいとした。
知的障害は軽度の場合は小・中学校以降に気付かれやすいが、知的な高さと生活の困難は比例しないとし、「知的障害の人の中にも二次的に精神症状や行動上の問題が起こることがある」。精神症状では幻覚、幻聴、心因性難聴などで、行動上では過食、ゲーム依存、ギャンブル依存などを挙げた。
発達障害と知的障害は環境の影響を受けやすいとし、さまざまな情報を吸収する力が弱いとしながらも「両障害は脳の機能障害だが、関わり方次第で成長する」と語った。
その後、症例や薬物治療を紹介。当事者の困り事を探ることが必要とした上で、▽見通しを立て、決まったスケジュールを過ごす▽本人にとって心地よい環境を探す▽頼ってよい人を探す▽正しい対処法を教える▽本人にとってリラックスできる楽しい活動を見つける―などが重要と話した。
小崎さんは貧困や孤独は福祉で、病気や不安などは医療で、本人の障害特性は保育教育社会で対応できると述べた。また、いつもと違うと感じた際は医師に相談することを勧めた。地域での支援については身近に支えてくれる家族や友人、同僚などを増やし、一人で抱え込まず、経済的支援や情報を増やすことを提案した。その後、質疑応答があった。
(2019年6月16日付紙面より)
見守り隊が注意呼び掛ける (紀宝町 )
紀宝町内の家庭などに4月から今月にかけて「地方裁判所管理局」と名乗る機関から「特定消費料金未納に関する訴訟最終告知のお知らせ」と書かれたはがきが多数届いている。
はがきには「貴方の利用されていた契約会社、ないし運営会社から契約不履行による民事訴訟として、訴状が裁判所に提出されました事を御通知致します」「給料差押え及び動産、不動産の差押えを強制的に履行させて頂きます」などと記載されている。
「プライバシー保護の為、本人様からご連絡戴きますようお願い申し上げます」とし、ほかに相談せず本人から連絡するよう強調している。住所は東京都千代田区霞が関で、局番は東京の03から始まっている。
こういった特殊詐欺被害を防止しようと、町高齢者地域見守り隊(小田原徳子代表)は年金支給日に毎月1回、町内で啓発活動を実施している。
今月は14日に鵜殿郵便局、主婦の店、相野谷郵便局、JA伊勢紀宝支店、成川交番前で活動した。実際に届いたはがきや、架空請求に注意する内容のチラシを配布した。
チラシには▽地方裁判所がはがきで訴状を送ることはない▽訴状は特別送達と記載された封書で郵便職員が手渡しすることが原則で、ポストに投函された訴状はがきは架空請求―などと記し、注意を呼び掛けている。
小田原代表は「架空請求のはがきが多数、町内に届いている。だまされないように注意してほしい」と話していた。
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架空請求と思われるはがきや電話があった際の相談窓口は次の通り。
▽紀宝警察署(電話0735・33・0110)
▽紀宝町産業振興課(電話0735・33・0336)
▽同町地域包括支援センター(電話0735・33・0175)
▽消費者ホットライン(電話188)
(2019年6月16日付紙面より)
大たいまつ作り進む (「那智の扇祭り」を前に )
那智勝浦町那智山の熊野那智大社(男成洋三宮司)で7月14日(日)に営まれる例大祭「那智の扇祭り(火祭)」(国重要無形文化財)を前に、神事で使う大たいまつ作りが進んでいる。10日(水)までに12本を完成させる。
同大社・宮大工の嶌﨑(しまさき)和真さん(37)と技手(ぎて)の林能永(よしなが)さん(53)が、3月中旬から作業を進め、現在6本まで完成した。
大たいまつは直径3㌢ほどのヒノキの木材を束ねて作る。12本それぞれに大きさが異なり、一番大きなものは高さ70㌢、柄の部分を含めると140㌢。直径は50㌢で、重さは50㌔もある。
嶌﨑さんは「令和の時代が希望にあふれた新しい時代になってほしい。たいまつの火が希望の火種になるよう願いを込めて作っています」と話していた。
(2019年6月16日付紙面より)
「みなとフェスタ」で登録証授与式 (新宮港 )
国土交通省は2日、新宮市佐野の新宮港エリアを「みなとオアシス」として登録した。同日、同港で開催された「新宮港みなとフェスタ」記念式典で登録証授与式が行われ、国交省の菊地身智雄技監が田岡実千年市長に登録証を手渡した。登録により港湾の付加価値を高め、地域住民や観光客、クルーズ旅客などの交流と休憩、情報提供、災害時支援や商業機能などの役割を担っていく。
式典は三輪崎郷土芸能保存会の「三輪崎の鯨踊」で開幕した。新宮港40周年記念実行委員会委員長の垣内宏・新宮港振興会長が「登録に合わせて、次なるステップへとつながる機会を頂いた」と感謝を示した。新宮港港湾管理者の仁坂吉伸県知事が「クルーズ・オブ・ザ・イヤー2018特別賞を頂いたのも、このたびのみなとオアシスの登録も、新宮市の皆さんの努力が評価されたから」と述べた。
来賓として招かれた自民党の二階俊博幹事長が「親切な気持ちでお客さんを迎えることが大事だと思います。新しい時代の幕開けのために、皆さんと協力し合うことを誓いたい」とあいさつ。続いて鶴保庸介参議院議員、菊地技監、国立研究開発法人海洋研究開発機構(JAMSTEC)の平朝彦理事長がそれぞれ祝辞を述べた。
登録証を受け取った同実行委員会副委員長の田岡市長は「クルーズ船の見送りや港の清掃、管理をしてくださった皆さまのおかげ。登録を機に、さらに多くの方々にこの港に集っていただき、港が活性化し発展していくために官民一体となって頑張っていく所存」と決意を示した。
式典では、新宮港に多大な貢献をしたとして、JAMSTECの平理事長、和歌山県クルーズ振興協議会会長の浅見尚史・県県土整備部港湾空港局長、北越コーポレーション(株)の岸本晢夫・代表取締役社長、須川輝一さん、椋野玲史さんに、田岡市長から感謝状と記念品が贈られた。
(2019年6月4日付紙面より)
地元・キナンのガルシアが山岳賞 (第21回ツール・ド・熊野 )
熊野地方を舞台に5月30日から4日間の日程で開催された、国際自転車競技連合(UCI)公認の国際自転車ロードレース「第21回ツール・ド・熊野」が、2日に太地町で行われた第3ステージで全日程を終えた。
レースは逃げ切った5人でのゴール前スプリントを制したフェデリコ・ズルロ(ジョッティ・ヴィクトリア)が2時間38分28秒で優勝。2位に孫崎大樹(チームブリヂストンサイクリング)、3位に入部正太朗(シマノレーシング)が入った。
この日はスタートと同時に雨が降り始め、前日までとはうって変わって肌寒さを感じる中でのレースとなった。
序盤、マルコス・ガルシア(キナンサイクリングチーム)と入部がメイン集団と30秒差で先行するも、チーム右京勢の追走により5周目までに吸収された。
中盤6周目には入部、孫崎、中井唯晶(シマノレーシング)、鈴木龍(宇都宮ブリッツェン)、フェデリコ・ズルロ、トマ・ルバ(キナンサイクリングチーム)、ロビー・ハッカー(チーム右京)の7人が先行し、メイン集団との差を2分以上に広げた。
最終10周目を前に中井と鈴木が遅れ、残る5人での優勝争いに。メイン集団との差が縮まりながらも逃げ切り、ゴール前でのスプリント決着となった。
第3ステージが終了し、自転車競技(ステージレース)最大の名誉とされる個人総合優勝は、第1ステージを制し、第2、第3ステージと安定した走りを見せたオールイス・アウラール(マトリックスパワータグ)が7時間32分49秒で制し、併せてポイント総合賞も獲得した。
山岳総合賞はマルコス・ガルシア、U23個人総合は個人総合4位のコービン・ストロング(セントジョージコンチネンタルサイクリングチーム)、チーム総合はマトリックスパワータグが獲得した。
個人総合優勝のアウラールは「とてもうれしい。チームメートや応援してくれた皆さんに『ありがとう』と伝えたい」と喜びを語った。
大会終了後、角口賀敏(よしとし)実行委員長は「今年からUCIレース一本に絞り不安な部分もあったが、選手の頑張りのおかげで、中身が濃くレベルも高く、タイムも縮まるなど良い大会になったと思う。大会は、多くのボランティアの皆さんや地域の皆さんに支えてもらっている。交通規制で迷惑を掛けているが、ご理解いただいた上で応援もしていただいているので、われわれはそれを励みに、今後も続けていきたい」と話した。
また、キナンサイクリングチームについては「第1ステージがふがいない結果に終わってしまったが、選手は地元のチームとして『このまま終われない』と、第2、第3ステージはとても頑張ってくれた。来年に向けて個人総合を取れるように頑張っていきたい」と話した。
(2019年6月4日付紙面より)
二色地内で農事「虫送り」 (串本町 )
串本町二色地内で1日夜に農事「虫送り」があり、たいまつを掲げて各水田を巡りながら海を目指す一行が区民の注目を集めた。
「虫送り」は、乗っているウマが稲刈り後に残った株につまずいて倒れたところを敵に討たれた武将・斉藤実盛が稲虫になって稲を食い荒らす、という伝承にちなんだ慣習。夕暮れ時にたいまつの明かりで田畑の虫を引き寄せ、海まで引き連れていく形が定着している。
二色地内は、地元の水利組合(坂本渡組合長)が二色区(高岡勲区長)の協力を得て世話役を務める形で同行事を続けている。今年も水利組合の坂本組合長ら世話役がタケを長さ約1㍍で切り出し一方の端に灯油を染み込ませた芯を詰めたたいまつを準備して子どもの協力を呼び掛けた。子ども23人がたいまつを手にし、「実盛殿は万代の虫をお供に連れてお通りなされ」と唱えあたりかねを2回、ほら貝を1回「カン、カン、プー」と鳴らす流れを繰り返しながら二色川の上流から各水田を巡り、河口まで歩いた。
河口そばにある浜へ着くと、たいまつを砂浜に立てて終了。ほどなくしてたいまつを浜で焼き、子どもはお礼として菓子をもらい奉仕を締めくくった。坂本組合長は「今年はいつもより大勢参加してくれて、それだけ(害虫を引き連れる)たいまつが増えてありがたかった。子どもが頑張ってくれたのだから豊作をと願うし、そうなるよう自分も頑張らなければと励みをいただけた」と子どもの協力を喜んだ。
(2019年6月4日付紙面より)
新宮市佐野の夏の風物詩、「佐野柱松」。8月16日(金)の開催に向けて、実行委員会(瀬古尊夫会長)のメンバーが、2日、寄付回りを開始した。佐野区民の他、企業を訪問して運営資金の寄付を募る。
佐野柱松は五穀豊穣(ほうじょう)などを願う同区の伝統行事。戦時中に一時中断、1948年に再開したが、資金、人手不足で59年に再び中断。93年に同実行委員会が復活させ、27年目となる。明治時代には木本の花火と並ぶ催しという記述もあったという。
瀬古会長は「柱松は皆さんの寄付で成り立っている。頂いたご厚意を無駄なく楽しいイベントとしてお返しする。思いを伝えるために頑張っていきたい」。
「元号が変わり、令和初の柱松の新たなスタートと、会員一同取り組んでいます。今年は役員改選もあり、新体制で初の柱松でもあり、手探りな部分もありますが、30回、40回と続けられるように頑張りたいので協力をお願いしたい」と話していた。
(2019年6月4日付紙面より)
地球深部探査船「ちきゅう」入港 (新宮港 )
新宮港40周年記念実行委員会は1日、新宮市三輪崎の新宮港で開港40周年と新宮港みなとオアシス登録を記念し「新宮港みなとフェスタ」を開催した。記念行事の一環として同港には地球深部探査船「ちきゅう」(国立研究開発法人海洋研究開発機構=JAMSTEC=所有)が入港。今回で約10年ぶり3回目となる船内一般公開には、親子連れなど多くの人が訪れた。
「おかえりなさい『ちきゅう』! 入港記念セレモニー」をもってイベントは幕開け。同実行委員会委員長の垣内宏・新宮港振興会長が「『ちきゅう』の活躍は南海トラフの地震発生メカニズムの研究やメタンハイドレートの資源開発研究など、まるで近しい友人の地球規模での活躍を見るがごとく心強く、私たち地球人のためにさらなる研究にまい進していただきたい」と歓迎した。
同実行委員会副委員長の田岡実千年市長は「ちきゅう」の寄港とJAMSTECの取り組みに感謝を述べ、「南海トラフ地震発生帯掘削計画が終了した今、研究成果が巨大地震発生のメカニズムを解明し、私たちの命を守る防災につながることを念願し、未知の領域へのさらなる勇敢な取り組みに期待します」とあいさつ。倉本真一・研究プラットホーム運用開発部門部門長と、小林猛将船長に歓迎の花束を手渡し、記念品を交換し合った。
倉本部門長は「10年前の一般公開時、10歳だった少年少女は成人している。その間、われわれも一生懸命やってきた。この2日間で研究の成果と船の中を見ていただけたら喜びもひとしおです」と感謝を示した。
イベント会場には新宮港関連啓発ブースが設けられたほか、フラダンスや歌などのステージイベントもあり、多くの来場者でにぎわった。
「ちきゅう」の一般公開は2日(日)の正午からも実施される。先着順、時間指定不可。午前10時からは新宮港エリア「みなとオアシス」登録記念セレモニーが開催されるほか、アンパンマンショーなどのステージイベント、ふれあい動物園、餅・菓子ほり、物産販売なども催される。
(2019年6月2日付紙面より)
スプリント決着制し (ツール・ド・熊野 )
第21回ツール・ド・熊野の第1ステージ「赤木川清流コース」が5月31日、新宮市熊野川町で行われ、オールイス・アウラール選手(マトリックスパワータグ)が2時間12分23秒のタイムで優勝した。2位には岡篤志選手(宇都宮ブリッツェン)、3位には中井唯晶選手(シマノレーシング)が入った。
今年はコースが一部変更になった。山岳賞の懸かる登りを新たに設定し、1周17・2㌔と約1㌔延長した。レースは17・2㌔を4周と変則2周(15・4㌔+16・2㌔)の100・4㌔になった。
市役所前からのパレード走行を経てスタート地点に着いた選手らは、隊列を組み直し、下宏和歌山県副知事の合図でスタートした。
レースは、スタート直後に抜け出した4人の先頭集団に3周目で後続集団が追い付き約20人の先頭集団を形成。その後メイン集団との差が3分に広がった。終盤には8人の追走集団が飛び出すものの、先頭集団に追い付くことができず、メイン集団と先頭集団との差はさらに広がり6分を超えた。
最終回に入っても先頭集団の19人からは誰も抜け出せないまま、勝負はゴール前のスプリント勝負に持ち込まれ、アウラール選手がフィニッシュラインを通過する前にガッツポーズを決めるほどに後続を引き離してゴール。
地元キナンサイクリングチーム勢では、山本大喜(まさき)選手の11位がトップだった。
(2019年6月2日付紙面より)
29日に検討会の発足式 (紀宝町 )
紀宝町は地震津波発生後の行動を事前に決めておく「地震津波タイムライン」を本年度内に策定する。全国初の取り組みで、7月下旬に検討会を立ち上げる。29日(土)には町生涯学習センターまなびの郷で検討会に向けた発足式を開催する。午後2時開会、入場無料。
各団体が連携して被害を最小化すること、可能な限り安心・安全な避難生活を考えることを目的に、地震津波発生後の各段階で何をすべきかを整理し、タイムライン(事前防災行動計画)にそれぞれの行動を盛り込む。
町民防災会議の四つのブロック会議で意見を聞き、それぞれの地域の考えを反映させる。発足式までに各会議で説明会を開催する。5月31日に町保健センターで開かれた井田・神内地区の第1ブロック会議では、NPO法人環境防災総合政策研究機構の草野富二雄さんが内容を説明した。
計画への理解を求め、「地震津波発生後に安心で安全な生活を送るためには、地域との連携や支援を計画に盛り込むことが重要。皆さまの考えを役場の行動計画に反映させることを目的としたタイムライン検討会にご協力を」と呼び掛けた。
検討会は町、自主防災組織、国土交通省、津地方気象台、三重県などで組織し、来年1月までに4回の会議を開く。
6月29日の発足式では検討会について説明し、南海トラフ地震対策、地震津波タイムラインの必要性などをテーマにした講演会を行う。
役場総務課防災対策室では「多くの皆さまに参加してもらいたい」と話している。問い合わせは同室(電話0735・33・0335)まで。
(2019年6月2日付紙面より)
高田川などで太公望
熊野地方の熊野川や古座川、太田川流域で1日、アユ漁が解禁された。この日を待ちわびていた太公望たちが夜明けとともに釣り糸を垂らした。
熊野川漁業協同組合は今年、赤木川1080㌔、大塔川770㌔、四村川720㌔など熊野川各支流に稚魚を計3・7㌧放流した。組合は「今年の天然遡上(そじょう)は平均並みのようです」と話している。
新宮市の高田川ではアユの遡上が年々減少。2011年9月の紀伊半島大水害で川底が激変し、追い打ちをかけた。アユは生まれた川へ帰ってくる習性があることから、組合は対応策として2016年から川内に産卵場を設置している。昨年10月には卵を持った雄と雌の成魚合わせて3000~4000匹を放流した。
高田川に釣り仲間4人と訪れ、午前5時から約3時間で15~17㌢のアユを約20匹釣り上げていた山下孝一さん(61)=那智勝浦町宇久井=は「前日の午後から場所を取って待っていました。この時期になると、毎年季節感を感じ『いよいよか』と楽しくなります」と話していた。
(2019年6月2日付紙面より)