新宮市と国土交通省近畿運輸局はこのたび、「地域連携サポートプラン」協定を締結した。26日に市役所で協定締結式が行われ、田岡実千年市長と辻野晃・和歌山運輸支局長が調印した協定書を交換。今後は地域公共交通の確保維持や利用促進に関する課題解決に向け連携を図っていく。
新宮市では人口減少や少子高齢化が急速に進行する中、2012(平成24)年12月に「新宮市都市計画マスタープラン」を、18(平成30)年に「第二次新宮市総合計画」を策定。公共交通機関を高齢者などの交通弱者にとって重要な交通手段としてだけでなく、市外・県外からの交流人口の増加や地域産業の振興においても必要不可欠なものと位置付けている。
そんな中、民間事業者の路線バスをはじめ行政バスの利用実績が少ないといった現状を鑑み、熊野川町でデマンドタクシーを導入。10月から運用を開始した。高田地区や三佐木地区、市街地などにおいても公共交通再編を求める声が多く、公共交通の維持や確保、利便性向上などの諸課題を抱えている。
「地域連携サポートプラン」は、自治体の公共交通に関する課題について近畿運輸局が現地に赴き、意見交換などを通じて解決策とその実施について提案などを行うもの。協議会への参画や支援制度の紹介などをもって市をサポートしていく。これまで20の自治体と協定を締結しており、県内では橋本市、紀の川市に続いて3例目となる。
田岡市長は締結に当たり「交通事情やニーズが異なる、地域に応じた公共交通の在り方を検討する中で、ご支援いただけて心強く思っている。交通施策から地域振興につなげていきたい」と協力を求めた。
辻野支局長は、人口減少に伴い地域の公共交通のさらなる減少が見込まれており、交通ネットワークの維持に限界がきていると説明。一方で地域公共交通の維持・改善・活性化はまちづくりや環境、健康、福祉などさまざまな分野に大きな効果をもたらすとし「課題解決を図り、市の取り組み推進の一助となるべく、これまで以上に連携協力していきたい」と述べた。
近畿運輸局は今後、21(令和3)年度中の提案書交付を目標に、現地調査やヒアリングなどを通して現状を把握し課題を整理、課題解決に向けた具体策の考案や参考事例を抽出していく。
(2020年11月28日付紙面より)
「県立高等学校の今後の在り方」懇談会 (新宮市PTA連絡協議会 )
新宮市立緑丘中学校で26日夜、「県立高等学校の今後の在り方」に関する個別懇談会があった。新宮市PTA連絡協議会(市P連、金田有史会長)が県教育庁の清水博行・教育企画監らに高校再編に関して集約した意見を示したほか、濱口太史県議も交えて質疑応答や意見交換を行った。
新宮、新翔の両校統合も視野に入れた和歌山県立高校の再編問題。市P連は17日、臨時役員会を開き、各校育友会の声を集結。県教委に提出するために意見の集約を行っていた。
市P連がまとめた意見は▽ICT教育(オンラインなどを含む)の充実▽生徒が地元に就職できるなどの専門的な学科(社会福祉系・土木・建設・商業・看護・農林・水産・観光・スポーツなど)の設置▽30人以下のクラス編成(学びの多様性や個に応じた学び、進学クラスや低学力生徒への対応、専門的な教員数の充実)▽クラブ活動が活性化できる再編▽高等学校再編だけの考えではなく、それに関わる新宮市の現状を大きく捉えながら、連携して取り組んでほしい―など。
金田会長は、特色が違う二つの学校が一緒になるのが不安であるといった意見もあるとし「地域の声を聞いていただき時間をかけて丁寧に。情報を開示しながら進めてほしい」と求めた。
清水教育企画監は「新宮高校と新翔高校を単純に足すのではなく、個々に変えていかなければならないと思っている。その上で新しい学校をつくることができれば」などと返答。理解を得るためには見える形で青写真を示すことが大事とした。
濱口県議は「消極的な話になりがちだが、積極的な話の中で皆さんの意見が聞けた。建設的な話し合いを重ねて、子どもたちが進学する高校に対して希望が持てるようなものにしていければ。意見や話し合いを続けることで理想的なものになると思う」。
市P連はこの日の懇談会を終えて「丁寧な説明で分かりやすく、納得がいくものだった。これからも意見や要望など挙げていけたら」と話していた。
県教委は各地域から寄せられた意見を基に12月末までにプログラム案を作成。パブリックコメントを募集し、来年3月末の完成を目指し再編整備実施プログラムを作成していくとしている。
(2020年11月28日付紙面より)
水中クリスマスツリー設置 (串本ダイビング事業組合 )
串本ダイビング事業組合(高岡誠会長)が26日、ダイビングポイント「備前」に水中クリスマスツリーを設置した。
より多くのダイバーに串本を認知してもらい、町全体を盛り上げ地域内外の活性化につながればという思いを込めて毎年取り組んでいるダイビングイベントで、今年でちょうど10回目となる。
前日に高さ3㍍のクリスマスツリーの組み立てと飾り付けを済ませ、当日はダイバー7人が備前の水深約18㍍の海底に固定した。ダイバー2人はサンタクロースの衣装を着て作業をし、終了後はアピール用の撮影もこなして締めくくった。
今回はコロナ禍の打撃を受けたレジャー産業の復活を願って「コロナに負けへんで!」と記したプレートを飾りの一つとして掲げ、総じて串本の海の話題として情報発信をしている。
設置期間は来月25日(金)までを予定。
(2020年11月28日付紙面より)
従業員対象にセミナー (ウミガメ公園 )
紀宝町井田の道の駅「紀宝町ウミガメ公園」で26日、新型コロナウイルスの感染拡大防止を目的としたセミナーがあり、従業員が対策や手指消毒などの重要性を再認識した。
ウミガメ公園では毎年、上半期と下半期に全館を休館し、機械点検や清掃作業に取り組んでいる。今回は休館日に合わせて全体会議とセミナーを実施した。
セミナーは町みらい健康課の保健師・新家春奈さんと工藤紀子さんを講師に招いた。新家さんは「新型コロナは鼻水、せき、発熱、喉の痛み、倦怠(けんたい)感、下痢・嘔吐(おうと)といった風邪に似た症状があるが、味覚・嗅覚障害が特有の症状」と説明した。
「重症化を引き起こしやすい」「軽症でも感染力が強い」といった特徴を挙げ、飛沫(ひまつ)、接触によって感染するとした。感染対策は▽3密を避ける▽手洗い▽マスク着用を含むせきエチケット―が基本とし、「店舗では徹底した換気を行い、多数の人が触れるドアノブやトイレなどを定期的に消毒する。従業員は健康チェックと個人の健康・衛生管理の徹底、各自が店舗にウイルスを持ち込まない」と伝えた。
工藤さんは「熱やせきなどの風邪症状が出た場合は仕事を休み、外出を控えて経過を見る」と話した上で、発熱などの症状があった場合は、かかりつけ医など医療機関に電話で相談するよう求めた。
この後、従業員が正しい手指消毒を実践。2人のアドバイスを受けながら、アルコール消毒液を手のひら、指先、爪、手の甲、手首に乾くまで擦り込んだ。
(2020年11月28日付紙面より)
新宮RFC交流会
【第25回】かむことは良いことばかり
「よくかんで食べなさい」と親からよく言われましたよね。実は「よくかむ」ことには驚くべきたくさんのメリットがあります。そのメリットを表した標語が「ひみこの歯がいーぜ」です。「ひ」は肥満の防止。「み」は味覚の発達。「こ」は言葉がはっきりする。「の」は脳の発達。「は」は歯の病気の予防。「が」はがんの予防。「い」は胃腸の健康。「ぜ」は全身を元気にする。こうやって聞くと、良いことずくめですよね。もちろんこれには、それぞれにエビデンスがあります。
「肥満の防止」は、よくかむことで満腹中枢が刺激されるだけでなく、副交感神経も刺激されるので、脂肪の分解が進むのです。しかも副交感神経の脂肪分解は内臓脂肪に効果的とされています。
「味覚の発達」と「歯の病気の予防」「がんの予防」「胃腸の健康」の四つには、唾液の力が大きく関係しています。咀嚼(そしゃく)は唾液の分泌を促しますが、唾液には殺菌作用や酵素が含まれています。味物質が唾液に溶け出すことで、味の広がりが生まれ、おいしいと感じる味覚が広がるとされています。そして、唾液の自浄作用で口内を清潔に保ち、ペルオキシターゼと呼ばれる酵素が虫歯や歯周病の予防につながるのです。
がんの予防については、少し古い論文ですが、こんな記述を見つけました。「発がん物質としては、(中略)多数のものについて実験した。(中略) 唾液によってその毒性が完全に、またはほとんど消去された。この毒消し効果はほとんどの発がん物質に及んでいたのである」(日本咀嚼学会雑誌「咀嚼とがん予防」、1991年)。つまり発がん性物質の毒消しに唾液が有効であるということです。これもすごいですよね。唾液の酵素は消化の促進にも役立つので、胃腸の健康に役立ちます。とにかく唾液の力がすごいということが分かりますよね。
かむことは、口内やあごの筋肉を鍛え、言葉の発達を促すことにもつながります。実際に実験結果として、よくかまない子は言葉の発音が不明瞭だったとする論文もあります。また、ラットを使った実験で、咀嚼を必要とする餌を与えた方が、学習成績が優れていたという結果が出ています。他にも、運動能力を高めることや、集中力を高めることなど、「よくかむ」ことには驚くべきメリットが多数証明されているんです。
大人はもちろん、子どもにも1口30回かむというのを心掛けてみてください。丸のみしてしまう子どもには、スルメやグミなどでかむ練習をさせてみるのもおすすめです。あと「うさぎとかめ」の替え歌もおすすめです。私が作った歌は、「よくよくかめよよくかめよ、世界のうちでお前ほど、よくかむ賢い子はいない、どうしてそんなにかめるのか」というものです。この歌をゆっくり歌うと、その間にだいたい30回かむことができます。そしてこの歌をお子さんに覚えてもらって、かんでいる間、頭の中で歌ってもらいましょう。
楽しみながら、よくかんで健康に! かまない理由はありません。
(2020年11月28日付紙面より)
「飛鳥Ⅱ」1年ぶりに入港 (新宮市 )
約300人の乗客を乗せた大型客船「飛鳥Ⅱ」(総トン数5万444㌧、全長241㍍、郵船クルーズ株式会社)が15日、約1年ぶりに新宮市の新宮港に入港した。港に降り立った乗客らは、それぞれ観光バスやタクシーに乗車。熊野地方の観光を満喫した。
今年の上半期、新型コロナウイルス感染症の世界的流行に伴い、同港においても昨年11月10日の「飛鳥Ⅱ」の入港を最後に、クルーズ船の寄港が途絶えていた。この日の入港を機に、同港では来年1月前半までに4回(21日「飛鳥Ⅱ」、12月1日「にっぽん丸」、2日「飛鳥Ⅱ」、1月6日「ぱしふぃっくびいなす」)のクルーズ船の受け入れを予定している。
このたびのクルーズ名は「秋の熊野ウイークエンドクルーズ」で、行程は横浜~新宮~横浜。「Go To トラベル」事業の支援対象となっている。
同船は、寄港に当たり「ウイルスを船内に持ち込ませない、ウイルスを船内で拡散させないために、船内では万全な感染症対策を実施し、乗組員もトレーニングを重ねてまいりました。お客さまにも感染症予防対策をお願いし、新しいクルーズスタイルで新宮港に寄港します。生まれ変わった『飛鳥Ⅱ』を今後ともどうぞよろしくお願いいたします」とコメントを寄せている。
新型コロナ感染拡大防止のため入港セレモニーは実施されなかったが、平安衣装姿の女性や雅楽演奏が出迎える中、乗客らは次々と下船。スマートフォンで写真を撮るなどして、景色や熊野の空気を楽しんだ。
夕方の出港時には、田岡実千年市長が「蘇(よみがえり)りの地 熊野」への来訪に感謝を述べ「当面の間は感染症対策を実施した上でのお迎えとはなりますが、梛(なぎ)の木見送り隊をはじめ、地域を挙げて歓迎させていただきたいと思いますので、二度、三度と熊野・新宮へお越しください」と乗客らに呼び掛けた。
同船は、熊野水軍太鼓による演奏が響く中、見送りに訪れた人たちの「また来てね」の声を受け横浜に向けて出港した。
(2020年11月17日付紙面より)
世界遺産・熊野古道「大辺路」活性協議会 (那智勝浦町 )
一般社団法人那智勝浦観光機構(NACKT)や那智勝浦町観光企画課、町内外のボランティア団体などで構成する世界遺産・熊野古道「大辺路」活性協議会(会長=堀順一郎町長)は13日、「駅近お散歩マップ(絵地図)」の作成のため、同町天満地区を散策した。同地区に詳しい同町浜ノ宮の榎本幸子さんが道案内し、三重県津市在住の絵地図作家・植野めぐみさんらが同行した。
同協議会は世界遺産・熊野古道「大辺路」の観光客受け入れのための基盤整備と機能強化に取り組み、都市と地域の交流活性を行うことを目的としている。現在は、「駅近お散歩マップ」と町内JRの各駅を拠点とした熊野古道大辺路の「各駅発着ルート案内マップ」の作成に取り組んでいる。
この日は、榎本さんをガイドに▽天満牧場▽天白酢醸造元曙商会▽汐竜金物店▽丸正酢醸造元▽汐竹商店▽天神社▽藤野醤油(しょうゆ)醸造元▽円心寺―など、歴史ある店舗や同町で有名な場所などを訪ね、町並みを歩いた。
天満牧場では同牧場の加味根佳美さんが乳牛や肉牛の数、名物の牛乳について詳しく解説。その後、牛乳やコーヒー牛乳を味わった。
一同は各店舗に足を運び、店主らとコミュニケーションを取り、榎本さんは過去に同地区が栄えていた頃の話や、町の状況を説明した。植野さんは各所で質問し、地図にメモを取りながら景色の撮影に汗を流した。
JR紀伊天満駅ではテスト版の「各駅発着ルート案内マップ」を開き、設置場所や地図の向きなどを思案し検討した。最後は熊野七薬師などが祭られる円心寺を訪ね、休憩した。
散策を終え、植野さんは「かつて栄えた街道や当時の活気、人々のエネルギーを感じました。昔からの伝統色が強い建物が多い。これを強調し、お寺などの厳かさなどを見る以上に表現したい」。
絵地図への思いについては「実際に町に来られた方々に、かつてのにぎわいなどを感じていただけるものにしたい。古道歩きだけでなく、駅の待ち時間も華やかなものになるような絵地図を作りたい」と語った。
同協議会のプロジェクトマネージャーを務め、NACKTでは観光資源の磨き上げを担当する齊藤滋さんは「地元の方々がご丁寧に町を案内してくださり、充実した内容をお聞かせいただくことができた。良い絵地図が完成すると思う」と話した。
なお、「駅近お散歩マップ(絵地図)」は来年1月20日、「各駅発着ルート案内マップ」は同年1月末の完成を予定しているという。
(2020年11月17日付紙面より)
「紀の宝みなと市」4カ月ぶりに再開 (紀宝町 )
「紀の宝みなと市」が14日、紀宝町の鵜殿港荷さばき場を会場として催され、4カ月ぶりの再開に、待ちわびた人たちでにぎわった。
みなと市は地域活性化を目的とし、町と町商工会で構成する紀の宝みなと市実行委員会(田尾友児実行委員長)が2013(平成25)年12月から月に1度、実施している。フリーマーケットや軽トラック市が並び、農林水産物など新鮮な地場産品の販売で人気が高い。今年は新型コロナの影響で4~6月は中止され、7月に再開したものの、8月から再び中止に。今回は12の出店があり、入場者には氏名と連絡先を記入してもらい、検温するなどコロナ感染予防にも配慮された。
7月に抽選券を配布し、8月の「紀の宝みなと市お盆まつり」で発表する予定だった当選番号も貼り出され、1等の電気圧力鍋から6等の青汁まで28人が景品と交換した。
毎回人気の鮮魚は水揚げがなく、ビンチョウマグロ切り身の販売だけとなったが、格安販売とあって開始前から客が並ぶ人気ぶりだった。毎回出店するミカン農家の前地敏久さんは「中止はこたえた。待ちかねた」と再開を歓迎し、弁当を買い求めた鵜殿の80代の女性は「友達の顔も見えるし、やっぱりにぎやかなほうがええ」と喜んでいた。
(2020年11月17日付紙面より)
樫野埼灯台で特別公開など (串本町 )
串本町樫野にある樫野埼灯台で15日、152周年灯台記念日・樫野埼灯台150周年記念の特別公開があり、地域内外から訪れた人々が普段は入れない灯台内部を見るなどして親しんだ。
この灯台は1870年に完成した日本初の石造洋式灯台。完成の約1カ月前から点灯を始めたことでも知られ、出入り口の上部にあるメモリアルプレートには1870年7月8日(旧暦明治3年6月10日)初灯と刻まれている。150周年は点灯・完成の年が起点。灯台記念日の152周年は改税約書(江戸条約)に基づく八つの灯台のうち最初に着手した観音埼灯台の起工日から数えていて、二つの周年は起点の捉え方が異なっている。
この日は例年取り組んでいる灯台記念日の諸行事に上乗せする形で樫野埼灯台150周年の祝いを実現。管轄する田辺海上保安部(上野春一郎部長)は上野部長や藤田圭造次長ら部員7人で運営にあたり、先着150人限定で同灯台点灯150周年記念ボールペンを配って節目を意識づけた。
感染症予防のため制服試着は中止となったが、マスコットキャラクター「うみまる」が来訪を歓迎し子どもらも興味津々。他の周年記念諸行事は計画通り実施し、日本機械学会の機械遺産認定を受ける光学系機械装置を駆動した状態でじかに見るなどの機会を提供した。
航空機によるローパスは今回、関西空港海上保安航空基地所属のヘリコプター「みみずく」が飛来。海上では串本海上保安署所属の巡視艇「むろづき」も待機し、空と海からの哨戒を繰り広げた。「みみずく」はゆっくりと灯台に接近する飛行も披露し、来訪者は間近に飛行する迫力に歓声を上げ、手を振って搭乗員とコミュニケーションを取るなどして親しんだ。
同灯台は後に中継ぎされたが、完成当時の構造が今も現存。自ら来訪歓迎をして歴史の節目を祝った上野部長は「樫野埼灯台は日本最初の洋式灯台の一つとして今日まで航行の安全を守り、日本とトルコの良好な関係にもつながっている。船舶の設備が発達しても灯台の明かりは船員が頼りにするところであり、これからもしっかりと守っていきたいと思う」と気持ち改まるところを語った。
この日は関西文化の日関係で旧官舎や最寄りのトルコ記念館、日米修交記念館も無料開放され、同灯台と併せて見学者でにぎわっていた。
(2020年11月17日付紙面より)
ガールズサッカーフェスティバル (和歌山県サッカー協会 )
近畿ブロックスポ少サッカー交流大会
新熊野少年野球大会など
新宮市の熊野速玉大社(上野顯宮司)の摂社、神倉神社で営まれる、熊野地方に春を呼ぶ「御燈祭(おとうまつ)り」(2月6日)。来年の斎行についてこのほど、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、上(あ)がり子の参加を中止し、関係者のみで神事を執り行うことが決定。5日に同大社、神倉奉賛会、神倉青年団が発表した。
熊野速玉大社例大祭「新宮の速玉祭(はやたまさい)」と合わせて国の重要無形民俗文化財(重文)の指定を受ける「御燈祭り」は、新年における「火の更新」を意味する勇壮な祭り。毎年、全国から大勢が祭りに参加し、御神火を移したたいまつを手に一斉に神倉神社を駆け下りる。
このたびの決定は、全国的にコロナ感染症のクラスター発生防止についてあらゆる取り組みが行われている中、2000人以上の上がり子が神倉神社山門内に集結することによって長時間の3密状態が避けられない状況であることを考慮。上がり子の安全と健康を最重要視する運びとなった。報道関係者や一般撮影者の入山も禁止となる。翌7日の御燈祭り奉祝祭、餅まきも中止。
斎行に関して、同大社、神倉奉賛会、神倉青年団、市観光協会で御燈祭り検討委員会を開催。新宮警察署や市消防本部、市消防団、新宮森林事務所、新宮少年相談センター、新宮小売酒販組合、御燈祭りを守る会など関係機関と協議を重ね、また、和歌山県危機管理局、県福祉健康部感染症対策班および県神社庁などの助言も得ながらこのたびの決定に至った。
祭り当日は15人以内の神職と介釈(かいしゃく)のみで入山する。中止に関して、介釈を務める神倉青年団の中山忠吏団長は「新型コロナの情勢に敏感になる人が多い中、上がり子の健康を第一に考え中止に至った。当日は新型コロナの終息を願い、神職の指示に従って厳粛に滞りなく任務を遂行したい」。
上野宮司は「中止の決定に至るまで葛藤はあった。残念だが健康と安全を考えた結果。長い時代の中で同じような苦労はあったのでは。その中で祭りをどう伝えていくかを模索しながらこれまで続いてきたことと思う。今年は、家から神倉山を見て、手を合わせてほしい」と思いを語った。
□ □
■御燈祭り当日の日程
※当日(2月6日)夕刻以降、神倉神社付近への車の参入は避けること
▽午前10時 かがり御供(ごく)奉製
▽午後5時10分 介釈、神倉神社で修祓(しゅうばつ)の後、熊野速玉大社に向かう
▽午後5時50分 神職、介釈一行同大社を出発し、神倉神社に向かう
▽午後6時20分 神倉神社到着
▽午後7時10分 御神火をおこし、神事開始
▽午後7時30分ごろ 大たいまつを先頭に下山開始
▽午後7時35分ごろ 中ノ地蔵に到着、拝礼
▽午後7時40分 神倉神社社務所に到着。拝礼後、阿須賀神社へ出発
▽午後8時 阿須賀神社に御神火を奉安し奉幣を奉る
▽午後8時30分 熊野速玉大社に御神火を奉安し奉幣を奉る
(2020年11月7日付紙面より)
タウンガーデンで花の植え替え (新宮市 )
新宮市保健センター隣の花壇・タウンガーデンを管理するボランティアグループ「タウンガーデン」(平田裕子代表)は5日、同所で花の植え替えを行った。会員10人が、秋から冬に咲く花を植えた。
この日に植えた花はパンジー、ビオラ、ハボタンの3種類。今後も随時、ナデシコやカンパニュラ、クローバー、金魚草などさまざまな花を植えていく予定になっている。会員たちは花壇を囲み、協力しながら丁寧に作業を進めていった。
平田代表は「季節の変わり目に花を植え替え、大勢の方たちに見てもらい楽しんでほしい。まちの中で少しでも座って休むことのできる憩いの場にもなってもらいたいですね。コロナ禍で引きこもりがちになりそうな毎日ですが、まちのシンボルの一つになってもらえれば」と話していた。
(2020年11月7日付紙面より)
例年並み110㌧見込む (北山村 )
日本唯一の飛び地の村、北山村で6日から、特産品「じゃばら」の収穫が始まった。女性たちが色づいたものを枝切りばさみで丁寧に切り取り籠へと入れていった。今年の収穫量は例年並みの約110㌧の見込みで、作業は12月中旬まで続く予定となっている。
じゃばらは温暖多雨な気候で寒暖差が大きい同村の自然条件が生み出したかんきつ系の果実。ユズや紀州みかんの自然雑種とされており、江戸時代から村に分布したとされている。名前は「邪(じゃ)を払う」からきているという説がある。大きさはテニスボールほどで、疲労回復に良いとされるビタミンAとC、風邪予防に効果があるカロテンを含むなど栄養価に優れ、皮には抗アレルギー作用があるフラボノイド成分が多く含まれている。
じゃばらは株式会社じゃばらいず北山と村じゃばら生産協同組合に加盟している農家30戸の計8㌶ほどの畑で約5000本を栽培。生しぼりやジュース、ぽん酢、ジャム、シャーベットなどさまざまな商品があり、昨年度の売り上げは約4億7500万円だった。本年度は約6億円を見込んでいる。
北山振興株式会社じゃばら農園管理責任者の宇城公揮さん(44)は「夏場に雨が少なく木が枯れそうになるなどの心配がありましたが、みんなで手入れに力を入れて無事に成長させることができました。今年は実もしっかりしており、品質の良いものが育ちました」と話していた。
予約はインターネットや電話で受け付けている。問い合わせは村じゃばら村センター(電話0735・49・2037)まで。
(2020年11月7日付紙面より)
サイクリング動画制作し公開 (東牟婁振興局 )
東牟婁振興局がこのほど、サイクリングPR動画「KINAN Cycling Team 山本大喜選手 熊野を走る」を制作し、動画サイトでの公開を始めた。
この動画は、サイクリングを通じて熊野地方の魅力を伝え県内外からの誘客につなげることを狙い、NPO法人「SPORTS PRODUCE 熊野」が擁する県内唯一の自転車競技チームの協力を得て制作。
県サイクリングコースの一ルート「本州最南端ジオパークコース」の魅力や地域柄を語りながら紹介する内容で、同局企画産業課の職員が「自転車で出会う熊野の魅力」をコンセプトにして企画、撮影、編集を担当した。
シーンとして橋杭岩や南紀熊野ジオパークセンター、一枚岩や虫喰岩なども収録。ドローンやウエアラブルカメラ、一眼レフカメラなど撮影手法の多彩さにもこだわっているという。
公開先は動画サイト「YouTube(ユーチューブ)」の熊野エリア観光ちゃんねる(サイト内検索で検索可)。同局や同チームの公式ホームページ、同課公式フェイスブック、熊野エリア観光推進実行委員会公式ホームページやフェイスブック、南紀熊野ジオパーク推進協議会公式ホームページにおいて、外部リンクをたどっての閲覧もできる。
山本選手は奈良県平群町出身、24歳。現在は同チームに所属し、新宮市に在住し主に同局管内でトレーニングを続けている。第38回アジア選手権ロードレース(U―23)優勝、2018年全日本選手権個人タイム・トライアル(U―23)優勝、第54回西日本ロードクラシック広島大会(Day―1)優勝、と実績を重ねている。
今回紹介するルートは串本駅を発着点にし、橋杭岩~虫喰岩~一枚岩~串本海中公園~潮岬灯台を巡る全長約65㌔の初・中級者向けコース。詳細は和歌山県サイクリング総合サイト「RIDE ON WAKAYAMA」を参照。
今回のルート以外にも管内にかかるルートが複数あり、現時点では未定だが同課は同チームと引き続き話をする中で第2、3弾に挑戦できればと話している。
(2020年11月7日付紙面より)
東牟婁地方中学校秋季陸上競技大会
新宮市民スポ祭硬式テニス
那智勝浦町総体グラウンドゴルフ大会
みんなで防災意識高める (丹鶴幼で地震津波避難訓練 )
「世界津波の日」(11月5日)前日の4日と5日、県内全域で地震・津波避難訓練が実施された。国や県、市町村、教育機関、自治会などが取り組み、適切な避難の定着を図った。
「世界津波の日」は2015(平成27)年12月に国連総会で制定。1854(安政元)年11月5日に、安政南海地震による津波が現在の和歌山県広川町を襲った際、濱口梧陵(ごりょう)が稲むらに火をつけ、津波から逃げ遅れた村人を高台へ導いて多くの人の命を救った「稲むらの火」の故事にちなんでいる。
□ □
新宮市立丹鶴幼稚園(下岡容子園長、園児56人)は5日、地震、津波の避難訓練を行った。園児たちは経路をたどり、落ち着いて避難した。
同園では子どもたちに防災や防犯意識を高めてもらおうと火災、地震、津波、不審者を想定した各訓練を定期的に実施している。この日は午前10時に地震発生を知らせるアナウンスが流れた。園庭で遊んでいた子どもたちはその場に座り、手で頭を覆って身を守った後、職員の指示に従って近隣にある市保健センター隣の花壇・タウンガーデンへと逃げた。
下岡園長は「今日は上手に逃げることができました」と講評。「部屋にいるときには丈夫な物の下にもぐり、外で遊んでいる場合は『ダンゴムシのポーズ』で体を守ってくださいね」と呼び掛けた。
「真剣に取り組むことが大切。そのために、しっかりと避難できるように訓練しています」と語り、「押さない」「走らない」「しゃべらない」「戻らない」「泣かない」の「お・は・し・も・な」を守るよう伝えた。
訓練後にはみんなで園に戻り、遊戯室で災害にまつわる紙芝居「稲むらの火」を見た。
(2020年11月6日付紙面より)
中央公民館で防災講演会 (古座川町 )
古座川町が3日、中央公民館で津波避難総合センター完成記念防災講演会を開いた。和歌山大学災害科学・レジリエンス共創センターの客員教授・後誠介さんを講師として迎え、約50人が聴講して防災意識を高めるなどした。
津波避難総合センターは下部区内で5月に完成したが、コロナ禍に伴い落成式を営めず。「何かをしたい」という思いは持ち続け、できることとしてこの講演会を思いついた。同日午後にあった同センターの内覧会と対の行事に位置づけ、町民対象で定員60人程度とするなど感染症予防対策を講じつつ参加を呼び掛けたという。
落成式だけでなく防災行事の機会もコロナ禍で減っている同町にとっては、久しぶりの意識喚起の機会。開会に当たり西前啓市町長は同センター設置の経緯を伝えつつ「(今後も町内の)防災力向上を図り、町民の皆さまが安全に安心してもらうためまい進していきたい」と意気込みを示して講師の登壇と聴講を歓迎した。
演題は「地震・津波災害に備える」。後さんは昭和19年東南海地震、昭和21年南海地震を振り返って地震や津波のイメージを組み立て、本質は地下で大きなずれが起こる点にある、と視点を誘導。紀伊半島付近の地下にある二つのプレートの固着域(破壊域)を震源とし、両プレートのずれが東に広がれば東南海、西に広がれば南海、それ以上に広がった先に国が想定する南海トラフ巨大地震があると印象づけた。
来る地震は単発か連動か巨大地震のいずれかで、マグニチュードが大きくなるほど被災地が広がり救援の手が遅れて長期(持久)戦が強いられる。その時は体力を温存しながら復興に臨む姿勢も必要になるなど規模相応に対処する発想の柔軟さを促しつつ、現在の予測状況を同町に当てはめて紹介した。
地震・津波対策の盲点として県内の耐震化や家具転倒防止の普及の鈍さを懸念し、これらは続く津波避難時に自身や助けてくれる周りの人に負担を掛けない点で大切だと推奨。まとめとして▽来る地震は3種類▽防災意識が高い地域は犠牲者が少ない▽耐震化の大切さ―を振り返って話を締めくくり、質問に答えるなどした。
(2020年11月6日付紙面より)
那智勝浦町立下里中学校(久保敏晴校長、生徒73人)では4日、南海トラフ巨大地震を想定した防災学習と裏山への避難訓練があった。
毎年実施している取り組みで、本年度は家庭での防災意識向上にも役立ててもらおうと、プリントや無料の連絡網サービス「マチコミ」を使った情報発信にも力を入れている。
生徒たちは防災学習で「想定にとらわれるな」「最善を尽くせ」「率先避難者たれ」の津波避難3原則を学習。家族分も含めた「避難カード」が配られ、分かる範囲で地震・津波時の避難場所や緊急連絡先を記入した。
1年生のクラスでは南隼太教諭が「皆さんが率先して避難することが、家族や友人など周囲の人の命を助けることにつながる。緊急時に家族の安否が確認できるよう、具体的な避難先や連絡先を家族と話し合い、一緒に『避難カード』を作成して」と呼び掛けていた。
(2020年11月6日付紙面より)
宇久井小・中・保が避難訓練
那智勝浦町立宇久井小学校(芝﨑勝善校長、児童155人)、中学校(坊信次校長、生徒62人)、保育所(山田有美所長、園児83人)は5日、合同避難訓練を実施した。
午前9時50分に地震を知らせる校内放送がかかると、児童、生徒、園児は机の下に避難。地震がやんだ後、児童・園児は救命胴衣を身に着け、生徒はヘルメットを着用して一次避難場所の中学校グラウンド(海抜約26・6㍍)に集合した。
芝﨑校長は「2011年の東日本大震災では多くの人が津波の被害に遭い、命を失った。その教訓を生かそうと今日の避難訓練がある。宇久井は海の近くなので、津波が来れば大きな被害が出る可能性がある。いざというときのため、今後もしっかりと訓練に取り組んで」と呼び掛けた。
なお、本年度は3密防止のため、二次避難場所である中学校校舎屋上への避難は実施しなかった。
(2020年11月6日付紙面より)