スギやヒノキ次々と落札 (新宮市 )
新宮原木市場(谷口泰仁社長)は22日、新宮市あけぼのの同市場貯木場で「新春初市」を開いた。新宮周辺地域を中心に買い方が集まり、開始の合図とともにスギやヒノキが次々と競り落とされた。
同市で木材の市売(いちうり)販売が始まったのは1956(昭和31)年。当地の有力原木生産業者が共同事業体として「新宮電柱木材協同組合木材市売部」を創設した。その後、利用度の増大に伴い公共性が重視され、新宮木材協同組合が中核となり66(昭和41)年、現在の原木市場が設立した。
77(昭和52)年には全国植樹祭の一環行事として「第1回熊野木まつり」展示即売会を開催。以降、毎年4月の恒例記念行事となっており、熊野材のPRや需要開拓などに取り組むきっかけとしている。
今年の初市は、新宮紀宝道路事業に伴う道路拡幅工事のため昨年に引き続き上貯木場で開催。熊野川町や那智勝浦町、古座川町などから樹齢60年以上のスギやヒノキ約1200立方㍍(約7800本)が出荷された。
開催に当たり、谷口社長は「新型コロナウイルスの感染者数が毎日のように更新されており、あらゆる業種が大変厳しい状況に直面していると思う。皆さんも健康に留意し、この局面を乗り切ってほしい」とあいさつ。
「今年、新宮原木市場はお客さまに喜んでいただけるように基本に立ち返り、昨年以上に材の安定した出荷に努めてまいりたい。役職員一同、市場の運営にまい進していく所存」と誓いを新たにした。
(2022年1月23日付紙面より)
那智勝浦町立下里中学校(布引伸幸校長)で18日、薬物乱用防止講座があった。3年生32人が同町にある、なごみ薬局の薬剤師で産業カウンセラーの小林仁さんから薬物の危険性などを教わった。
小林さんは日本と国外の大麻所持などについて、合法な国でも日本国籍者には罰則になると述べ「国外でも大麻をみだりに輸出や栽培、譲渡、所持の行為を行った者は大麻取締法による処罰の対象となる」と説明。「覚醒剤」「コカイン」「大麻」「危険ドラッグ」の特徴や実害などもスライドを使用して紹介した。
違法薬物では中学生の逮捕事例を取り上げ「薬物は皆さんのすぐそばまで来ています。インターネットではあたかも大麻は害が少ないなど、日本の法律が遅れているかのように書かれているサイトがある。実際は依存症に苦しんでいる人がたくさんいます」と語った。
薬物の使用や再犯防止の方法として▽薬物を使わなくてもいられる社会▽再犯しない立ち直れる社会▽依存しなくても生きていける自信―を挙げ「誰にでも失敗はあります。いつでも何度でもやり直すことができる。周囲が差別や偏見を決して持たず、それを認めチャンスをあげることが大事」と伝えた。
山本華子さん(14)は「小学校の時に受けた授業では分からなかったけど、薬物に手を出すと抜け出すことが難しいという恐怖を改めて感じました。若い女性が想像以上に使用していたことにも驚いた。少しでも薬に手を出さないきっかけにするためにも自分自身はもちろん、他の人たちを孤立させないような環境を意識していければ」と話していた。
(2022年1月23日付紙面より)
新宮・東牟婁地域のトップを切って22日、新宮市の近畿大学附属新宮高校(池上博基校長)で令和3年度(第57回)卒業証書授与式が挙行された。卒業生108人が感謝を胸に学びやを巣立ち、それぞれの道へ一歩を踏み出した。
本年度は新型コロナウイルス感染対策のため保護者・在校生の出席は取りやめ、オンラインで式の様子を中継した。
池上校長が4クラスの代表者に卒業証書、各賞受賞者に表彰状を授与。式辞では「人に愛される人、人に信頼される人、人に尊敬される人になろう」の校訓の下で喜びを分かち合い、人間関係を築いてきた生徒たちの学校生活に触れ、「愛し愛される、信じ信じられる、敬い敬われる。この表裏一体の関係を大切にすることで、自らの充実した素晴らしい人生につながり、社会に貢献できる人に成長することができる」とはなむけの言葉を贈った。
在校生を代表して濱田青葉君(2年)が送辞。卒業生を代表して岡地優希君が、個性豊かな同級生に囲まれた3年間の思い出を振り返り「この学校に入学して、みんなに出会えたことをうれしく思う」と語り、教職員、保護者、在校生へ感謝の気持ちを伝えた。
(2022年1月23日付紙面より)
なちかつGGCクラブ大会
近畿高校空手道大会で好成績
節分前に「吉兆」作り (熊野速玉大社 )
節分(2月3日)を前に、新宮市の熊野速玉大社(上野顯宮司)では、縁起物の「吉兆(きっちょう)」作りが大詰めを迎えている。上野宮司をはじめとした同大社職員や巫女(みこ)、敬神婦人会のメンバーらが今月10日ごろから制作に取り掛かっていた。大(約90㌢)200本、小(約50㌢)800本を20日から同社で販売しており、希望者には郵送する(送料別)。
「吉兆」は「良いことの兆し」の意味があり、古い信仰では、「お正月様(年神)」が「今年は豊年、凶事・疫病の起こらぬ良い年」と祝福したことから、この福神を迎えた木のことを「吉兆」という。
大社境内の山林で採ったヤナギの枝を上野宮司が剪定(せんてい)して束ね、大福帳、小判、お守り、タイなどの小物をくくり付け、仕上げに直径約2~3㌢の赤、白、青、紫などの「もち花」を付けた縁起物。
ヤナギはその生命力の強さ、力強さなどから福神が宿るとされている。節分に飾ると商売繁盛、家内安全などの幸福が訪れると信じられている。
吉兆は2月3日(木)の節分祭でも授与するが、人気があり午前中で売り切れてしまうことも。値段は大が3000円、小が1800円。郵送希望者は同大社に電話(0735・22・2533)で問い合わせを。
同大社では「疫病退散、家内安全、商売繁盛、福徳招来の御祈願を込めて奉製いたしております。皆さまにとって実り多き年となりますようお祈り申し上げます」と話している。
今年の節分祭は、新型コロナウイルス感染予防の観点から「お焚(た)き上げ」を午前10時から開始。時間を短縮し午後8時までとする。午後7時からは「追儺(ついな)式」が営まれるが、鬼の登場はなし。福豆やお菓子まきも実施しない。
厄よけ祈とうは午前9時から午後8時まで。同大社では各所に消毒液を設置するなどして感染防止に努めるとともに、参拝者に対してマスク着用などの感染対策を呼び掛けている。
(2022年1月21日付紙面より)
用地幅杭打設など説明 (一般国道42号新宮道路 )
国土交通省近畿地方整備局紀南河川国道事務所と和歌山県、新宮市は19日夜、新宮市王子町の市立総合体育館で「一般国道42号新宮道路」用地幅杭打設などに関する説明会を実施。地域住民に対し、事業を進めるに当たっての協力を求めた。
2024年秋の開通を目指して工事が進む新宮紀宝道路と、開通している那智勝浦新宮道路を接続し、紀伊半島沿岸部における大阪府から三重県を結ぶネットワークの一部を構成する新宮道路。19年度に紀宝熊野道路とともに事業化。これをもって紀伊半島一周高速道路が全線事業化となった。
同市あけぼのの「新宮北インターチェンジ(IC)」=仮=を起点とし、「新宮中央IC(仮)」を経て同市三輪崎の「新宮IC(仮)」を終点とする延長4・8㌔の道路で「南海トラフ巨大地震による津波や、大雨による浸水を回避することにより、災害時における安全性・信頼性を確保」「朝夕や休日に渋滞が発生する国道42号からの交通転換を図り交通渋滞を緩和」「広域的な周遊観光ルートの確保による観光客のさらなる増加」が主な整備効果として見込まれている。車線数は2車線となる見込み。
この日の説明会は設計を基に事業を行う現地において用地幅杭の打設作業を進めるに当たり、当該土地所有者の理解と協力を求めることを目的に実施。当局はこれまでの経緯や作業の概要、用地補償の流れなどについて説明した。
補償の種類や内容なども解説しつつ「十分にご理解いただけるよう説明を尽くし、誠意を持って話をうかがい進めていきたい」と理解を求めた。
説明後には質疑応答の時間も設けられた。住民からは「4・8㌔間に三つのICが必要なのか」などの質問が上がり、当局は「三重県方面へのアクセス機能を確保するため」などと説明した。
今後は物件調査や個別説明などを実施していく予定となっている。
(2022年1月21日付紙面より)
行政相談委員としての功績認められ (那智勝浦町 )
総務省和歌山行政監視行政相談センターは19日、那智勝浦町役場町長室で令和3年度行政相談委員総務大臣表彰の表彰式を開いた。長年の功績が認められた同町那智山在住の伊藤松枝さんが表彰を受け、堀順一郎町長らが祝福した。本年度の表彰者は全国で97人、和歌山県では伊藤さんのみの受賞となった。
伊藤さんは元町立図書館長で行政相談委員を務めていた故・小岩研作さんに勧められ、2011年4月に総務大臣の委嘱を受けた。月に1度、町役場で開設される行政相談所で多数の相談事案に対応するほか、広報活動に汗を流し行政相談制度の周知や啓発にも積極的に取り組んでいる。現在、10年9カ月目を迎えた。
15年度には県内の行政相談委員で構成される和歌山行政相談委員協議会の理事に就任。県内のリーダー委員として協議会の発展に努めている。
担当した主な事案には、「公園に設置のビン玉のオブジェに囲いがなく、子どもが割ってしまったこともあり危険。対策をしてほしい」との相談があったという。
伊藤さんは公園管理者と連絡を取り、オブジェ周囲にアクリル製の柵および注意書きをした説明板の設置などの安全対策にも尽力した。
最も印象深い事案として、数十年にわたって悩みを抱えた相談者の対応を挙げた。行政相談事案ではなかったが、親身になって話を聞き、解決に至った際には「とても感謝してくださった。残念ながらその後、亡くなられたが、ご存命の間に解決できて良かったです」と当時を振り返る。
賞状伝達後は同じく行政相談委員の濱﨑美佐登さんから伊藤さんに花束が贈られたほか、金子恭之総務大臣から各受賞者に贈られたビデオメッセージが流された。
同センターの新井芳隆所長は「関わりのない案件や日々の生活相談などにも親身になっていただき、ありがたい」。
堀町長は「日々、最前線で町民の皆さまの安心安全のためにご活躍いただき、ありがとうございます。吸い上げた声は町政に反映させていきたい」と感謝した。
伊藤さんは「過分な賞を頂けましたのも、小岩さんや濱﨑さん、町、センターの皆さまのサポートのおかげ。相談委員になり、多くを学ぶことができた。今後も勉強を重ね、一人でも多くの方の困り事や心配事に寄り添うことができれば」と語った。
行政相談は毎月第1水曜日午後1時30分から午後3時30分まで、同町役場で実施。今年10月の行政相談週間では、宇久井地区と色川地域で出張相談所を開設するとした。
(2022年1月21日付紙面より)
自衛隊串本地区協力会に (航空自衛隊串本分屯基地 )
串本町須江にある航空自衛隊串本分屯基地(中津洋紀司令)で19日に感謝状伝達式があり、自衛隊串本地区協力会(堀周雄会長)が防衛大臣、同協力会の小森正剛顧問が同隊中部航空警戒管制団司令の感謝を受けた。
いずれも防衛基盤の育成や隊員の士気高揚に対する長年かつ多大な協力に対する感謝。平年は贈呈式を開いてじかに感謝を示すが新型コロナウイルスの情勢により本年度は同式を中止とし、昨年12月1日付で感謝を示して対象者に最寄りの拠点から記念品を添えて適時伝達している。
同協力会は同基地とのつながりを礎にして1980年に発足。以来42年にわたって会員らは自衛隊活動への理解を深め、同基地の安定的運営に資するさまざまな協力支援を重ねている。同大臣、同司令ともその貢献を大と認め感謝を示している。
感謝状は中津司令から堀会長と小森顧問へ伝達。併せて岸信夫防衛大臣からのメッセージを代読し、中津司令は「安全保障に災害対応など多様化する自衛隊任務の遂行は、国民や地域の皆さまのご理解とご協力なくしてはできない。これからも分屯基地一丸で頑張るので、引き続きご支援ご協力をお願いしたい」と述べてそれぞれの貢献に感謝した。
感謝状と記念品を受けて堀会長は「この協力会を立ち上げて支援を重ねてこられた先輩方のおかげで防衛大臣から感謝を頂くことができ、ただただ光栄です。できることは限られているが、これからもできる限りの協力をしていきたい」、小森顧問は「自衛隊員の皆さまは国のため、国民の安全安心のために努力をされている。少しでも応援させていただけたらという思いですし、これからもそうしていきたい」とそれぞれコメントした。
(2022年1月21日付紙面より)
熊野那智大社で節分準備 (那智勝浦町 )
2月3日(木)の節分を前に那智勝浦町の熊野那智大社(男成洋三宮司)では9日から「鬼面札」や福升の準備が行われている。ピークを迎えた14日は神職や巫女(みこ)が真剣な表情で鬼面札作りの作業を進めていた。
災難よけのお札「鬼面札」と縁起の良い「福桝(ふくます)」を作っている。鬼面札はしめ縄の輪の中に赤鬼・青鬼を封じ込めた図柄で1969年に3代前となる篠原四郎元宮司が作成した木版画で翌70年から授与。独特の絵柄が人気で昨年末から予約が入るという。
神職が縦35㌢、横45㌢の画仙紙に那智の滝の水で溶いた墨を版木に付け1枚ずつ刷り出し、巫女が「那智宮印」を押して、2000枚を仕上げる。モミの木製の福升は5合升で1升の半分であることから「繁盛(半升)升」ともいわれ350個作るという。
𠮷田遥紀権禰宜(ごんねぎ)は「コロナ禍が続くと、多くの皆さまが気疲れしてしまい、これもまた厄災のきっかけとなってしまう。鬼面札は厄災よけ、家内安全の札。いま一度、用心していただき、新型コロナウイルス終息と皆さまが穏やかな一年をお過ごしいただけるように祈り、作成しております」と話した。
鬼面札はすでに社頭で授与されており、郵便授与の受け付けは15日から開始。鬼面札は1枚800円、福升は1500円、福豆が300円。郵送授与希望時は別に送料が必要で、申し込みはFAX(0735・55・0643)かメール(nachi@kumanonachitaisha.or.jp)で受け付けている。問い合わせは同大社(電話0735・55・0321)まで。
同社によると、来月3日の節分行事はコロナ対策を万全に施し、例年通り実施する予定だという。
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西国三十三所第一番札所である那智山青岸渡寺(髙木亮英住職)では例年多くの参拝者が訪れる「節分会」を新型コロナの感染拡大防止の観点から中止する。
同寺によると、節分で使用する祝升(いわいます)の作成や豆まき行事は実施せず、本尊の如意輪観世音菩薩の開帳と祈とうのみ執り行うという。
髙木住職は「節分の準備を進めていたが、コロナの感染拡大に伴い、急きょ中止といたしました。残念だが、来年こそは通常通りできることを祈願しております」と語った。
(2022年1月16日付紙面より)
那智勝浦町実行委員会が設立
那智勝浦町でこのほど、全国棚田(千枚田)サミット那智勝浦町実行委員会(会長=堀順一郎町長)が設立された。14日、同町天満の町体育文化会館で設立総会および第1回総会があり約20人が出席。規約制定や予算を承認したほか、役員選出では那智勝浦観光機構の清水貞吾理事長を副会長に、酒井清崇東牟婁振興局長とみくまの農業協同組合の漆畑繁生代表理事組合長を監事に選出した。
全国棚田サミットは、1次産業に対する意識の向上を図るとともに、棚田の魅力を再発見し、美しいふるさとの風景を次世代につなぐ契機とするために開催。令和5年度に同町で第28回サミットの開催が計画されており、全国から200~800人程度が参加する見込み。委員会は同サミットにおいて円滑な運営を図ることを目的に設立。サミットでは基調講演や交流会などを予定している。
同町では色川が指定棚田地域に指定されており、中でも小阪の棚田は「棚田を守ろう会」が30年以上休耕していた田を復活させ保全に取り組んでいる。また、県が指定する美しい棚田・段々畑として認定している色川南平野の棚田も存在。その他の区でも山間部の厳しい環境で耕作をしていたことが分かる。
なお、高津気地区に棚田の広がる地域はあるものの、2011年の紀伊半島大水害により農業用施設が被災され耕作できない状態が続いているが、しし垣といわれる施設もあり、獣害対策とともに棚田地域を有する里山の暮らしを残している。
19年12月に旧色川村地域が指定棚田地域に指定。20年6月に色川棚田地域振興協議会が設立。同年8月に活動計画が認定されており、同地区における棚田を活用した地域振興活動が展開されている。
開会に当たり、堀町長は「新型コロナウイルス感染症の影響もあるが、収束に向かうのではという気持ちを持ちつつサミットに備えたい」と成功に向けて協力を呼び掛け。
「町には素晴らしい棚田がある。しかし全国的には耕作放棄された棚田も多い。棚田を復活し伝統文化を残すために頑張っていきたい」とあいさつした。
委員会会議では▽規約の制定および改廃▽町棚田サミットの基本事項▽予算および決算▽その他町棚田サミットにおける重要事項―に関することを審議決定する。
(2022年1月16日付紙面より)
飛鳥神社でお弓神事 (太地町 )
太地町の飛鳥神社(髙橋正樹宮司)で13日、航海安全や大漁などを祈願する「お弓祭り(お弓神事)」が営まれた。漁業関係者などの参列者が境内の的を目掛けて全力疾走し、「セミ」を取り合った。
髙橋宮司によると、以前は多くの漁師が祭りに参加していたため、漁から戻って作業を終える夕方に行われていたという。
セミクジラを模した木製のセミは毎年、手作りの縁起物で直径約1・2㍍の的に三つ取り付けられる。本来は的を松に固定する留め具として用いられていた。セミを手にした人は大漁と航海の安全に恵まれるといわれており、持ち帰って家の神棚や床の間、船などに祭られる。
髙橋宮司が矢を放つのと同時に参列者らが一斉に的まで駆け寄り、セミを奪い合った。「今年は取れた」「よし、取れた」とセミを手にした3人は笑顔で喜んだ。
その後、鬼と見立てた的は参列者らが手で破り、切り分けた。松や竹の枝と共に的を玄関に飾ると破魔矢同様に魔よけになるとされ、参列者がうれしそうに持ち帰る姿が見られた。
祭りを終え、髙橋宮司は「昔は町の大半が捕鯨に関わっていたため、海の安全や大漁を祈ったが、時代とともに働き方も変わっている。現在はそれらに加え、家内安全や商売繁盛の意味も込められている。一年の邪気を払うとともに、皆さまにとって良い一年であることを祈っています」と話した。
(2022年1月16日付紙面より)
近大新宮中で前期入試 (新宮市 )
新宮市の近畿大学附属新宮中学校(池上博基校長)は15日、中高一貫コースの前期入学試験を実施した。児童46人(男子17、女子29)が受験し、国語と算数の筆記試験や面接に臨んだ。
試験実施に当たり同校は▽試験室の机・椅子の消毒▽受け付けでの手指消毒と検温▽換気▽付き添いの保護者を1人に制限―などの新型コロナウイルス感染対策を取った。
緊張した表情で入室した児童たちは、教職員から受験に関する諸注意を受け、気を引き締めて試験の問題に向かった。合格発表は19日(水)に、本人宛てに試験結果通知書が郵送される。
後期入学試験の出願期間は2月2日(水)~7日(月)必着。試験日は12日(土)、合格発表は16日(水)を予定している。
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■高校前期入試日程
近畿大学附属新宮高校の前期AO入学試験および一般入学試験の出願期間は1月19日(水)~25日(火)必着。試験日は29日(土)、合格発表は2月2日(水)に試験結果通知書を本人と出身中学校長宛てに発送する。
問い合わせは近畿大学附属新宮高校・中学校(電話0735・22・2005)まで。
(2022年1月16日付紙面より)
飛瀧神社で牛王神璽祭 (熊野那智大社 )
那智勝浦町那智山の熊野那智大社(男成洋三宮司)の別宮飛瀧(ひろう)神社で8日、牛王神璽(ごおうしんじ)祭が営まれた。「牛王杖(ごおうづえ)」と呼ばれるヤナギの枝でカシの板を打ち鳴らし魔をはらい、霊験を高めて「牛王神符」を仕上げた。
牛王神符は熊野三山に伝わる特有の神札で魔よけ、災難よけのお守り。熊野の神の使いとされる八咫烏(やたがらす)の絵文字が描かれており、同大社では72羽のカラスで「那智瀧宝印」と記されている。
元日早朝に那智の滝からくみ上げた若水で墨を溶き、翌2日からの初刷りから毎日、本殿で祈とうが続けられてきた。満願を迎えたこの日は多くの参拝者が見守る中、神事が執り行われた。
男成宮司らが無病息災などを祈り、仕上がった100枚の神札をヤナギの枝に巻いて参列者に授与した。
男成宮司は「今年は寅(とら)年。虎にあやかり、力強く歩み進めることでおのずと穏やかな日々を迎えることができると思う。滝元で満願を迎えた霊験あらたかな守り札を多くの方々にお渡しして、新型コロナウイルス終息と今年一年の幸せを祈っています」と語った。
(2022年1月9日付紙面より)
今年最初の「紀の宝みなと市」 (紀宝町 )
今年最初の「紀の宝みなと市」が8日、紀宝町の鵜殿港で開かれた。町内外から多くの人が足を運び、活気にあふれた。
みなと市は2012年12月に初開催。毎月第2土曜日に開催してきたが、昨年は新型コロナウイルスの影響で中止が続き、12月11日の「9周年記念市」で1年ぶりに復活した。
今回は会場でのマスク着用、手指消毒を呼び掛け、近海で水揚げされた鮮魚や地元産の野菜などが販売されたほか雑貨店も並んだ。
訪れた人たちは、お目当ての品々を買い求め、出品者ら来場者同士の会話も弾んでいた。
(2022年1月9日付紙面より)
「木の薫る店」にぎわう (新宮市高田 )
新宮市高田の雲取温泉高田グリーンランド敷地内にある「木の薫る店」で8日、「野菜市」があった。8人の生産者によるダイコンやハクサイ、サトイモなどの新鮮な野菜が並び、多くの地域住民でにぎわった。
和歌山県のモデル整備事業として県の補助を受けて2002年度に紀州材を使用し建設された同所。これまで無人市場などとして開所していたこともあるが、地域ではさらなる建物の有効利用方法を模索していた。
そんな中、おととしに五十数年ぶりのUターンを果たした石田千代さん(73)が、建物の活用ならびに、これまで近隣住民らで分け合うなどしていた野菜などを地域に広く循環させようと野菜市の開催を提案。昨年12月に第1回を開催し、午前中で完売するほどの盛況を博した。
1回目の開催に当たり、チラシを全戸配布した石田さん。市場開催の際には店番と両替を担う。「よそに出て帰ってきて、本当に良い所だと感じる。田舎暮らしを満喫している。地域活性化のために若い人やIターンの人たちも頑張ってくれているが、私も少しでも協力できたら」と思いを語る。
「高齢者が外に出るきっかけにもなれば。品物の循環だけでなく、地域のコミュニティーの場になればいいですね」。訪れた住民らに対し「ゆっくり休憩していってよ」などと声を掛ける。1本50円のダイコン、1玉100円のハクサイ、1袋80円のジャガイモなどを前に、住民らは献立や調理方法を相談するなどして買い物を楽しんだ。
野菜市は季節や野菜の収穫量などにもよるが、月に1、2回の頻度で実施していくという。
(2022年1月9日付紙面より)