大しめ縄の張り替え (那智勝浦町 )
那智勝浦町の熊野那智大社(男成洋三宮司)は27日、世界遺産である那智の滝で大しめ縄を張り替えた。日本一の落差133㍍の滝口で神職たちが足元に注意しながら慎重に新しいしめ縄に取り換えた。
那智の滝は同大社の別宮・飛瀧(ひろう)神社のご神体。張り替え作業は7月14日の例大祭「那智の扇祭り(火祭)」の前と年末の毎年2回行われている。
しめ縄はサラシ製で長さ約26㍍、重さ約4㌔。大社本殿で安全祈願を行い、白装束に烏帽子(えぼし)姿の神職ら5人が表参道約2㌔の道のりを運んだ。前日の雨の影響もなく、無事に設置された。
大阪府から参拝に訪れていた40代男性は「張り替えは見られなかったが良い時に来ることができた」と語った。
那智の滝は大みそかから元旦にかけて青岸渡寺の三重塔と共にライトアップされる。
(2018年12月28日付紙面より)
リキュール「紀州の一雫」
熊野市特産の香酸かんきつ「新姫(にいひめ)」を使用したリキュール「紀州の一雫(ひとしずく)」の販売が新宮市や熊野市を中心とした酒販店などで始まった。紀州の自然の恵みと果樹の持ち味を引き立たせようと、酒類食品卸売業の株式会社Yアルコ(加藤隆義代表取締役)が企画。和歌山県岩出市にある創業100年の造り酒屋「吉村秀雄商店」で製造した。
新姫は、かんきつ種のタチバナと何かが自然交配したものと推測され、昭和60年に熊野市新鹿町で発見された。市が平成9年に新しい香酸かんきつとして品種登録した。独特の爽やかな香りと程よい酸味が特徴。
紀州の一雫は720㍉㍑入り1600円(税抜き)。新姫の特徴を生かした甘みと酸味のバランスが良く、加藤代表取締役は「アルコールが苦手な方でもおいしく飲んでもらえる」と話している。
問い合わせは新宮市下田の株式会社Yアルコ(電話0735・21・2101)まで。
(2018年12月28日付紙面より)
伝統のこんにゃく作り始まる (熊野川町篠尾 )
新宮市熊野川町の篠尾(ささび)で正月に向けて伝統のこんにゃく作りが始まった。篠尾は日当たりが良く、霧が発生する土地でこんにゃく芋の栽培に適している。昔は多くの家で作られていたが、後継者が減り、一時は少なくなっていた。伝統の味を絶やしてはいけないと昭和61年に篠尾こんにゃくグループが発足した。11月に収穫した芋を1カ月ほど干し、12月中旬からこんにゃく作りを始める。
篠尾集会所内に設けられた作業所で、昔ながらのかまどにカシなどの天然木を燃料にして湯を沸かし、芋をゆでる。皮をむいた後、石臼でこねて木灰からとったにがりを混ぜ、木型に詰める。その後1時間ほど煮てあくを抜き、袋に詰めて殺菌のためにゆでて完成する。機械に頼らない昔ながらの製法で作られた篠尾のこんにゃくは特においしいという。
グループ代表の垣内金夫さんは「以前、京都のお寺さんから定期的に欲しいというありがたいお話をいただき、『篠尾のこんにゃくは12月から2月いっぱいまでなのです』と了解をいただいた」と語る。「正月に向けて年内に1000個を作る。正月明けから2月いっぱいまで続きます。1月中旬には体験こんにゃく作りもあるので、ぜひお越しください」と話していた。
(2018年12月28日付紙面より)
新宮ライオンズクラブ (新宮市 )
新宮ライオンズクラブ(新宮LC、山本俊英会長)は25日、児童養護施設の紀南学園(芝悦男園長)に自動体外式除細動器(AED)一式を寄贈した。芝園長は「設置したいと考えていたところ、お話をいただいた。職員一同大変ありがたく思っています」と話していた。
山本会長をはじめ、新宮LCの会員らが同学園を訪問。児童らに、用意したクリスマスプレゼントを配り、芝園長に目録を手渡した。
山本会長は、児童らに「クリスマスの良き日に、ライオンズクラブから贈り物を届けることができたことをわれわれもうれしく思います。元気に成長して、社会に出てからも頑張ってください。応援しています」とあいさつ。
見送る子どもたちから会員らにお礼の折り鶴が手渡され、芝園長は「今日は一日を通して多くの方々が園に贈り物を届けてくれました」と感謝していた。
(2018年12月28日付紙面より)
環境問題研究会例会 (新宮市 )
環境問題研究会(植松晴孝会長)の12月例会が19日夜、新宮市の井の沢隣保館であった。市生活環境課・ごみ減量係長の上野貴由さんが「プラスチックごみ問題について」をテーマに講話した。
上野さんは環境省の資料を基に海洋プラスチック問題について解説。海岸での漂着ごみの事例を挙げ、「海洋生物に影響を与えている。海洋プラスチックによる海洋汚染は地球規模で広がっている」とし、特にマイクロプラスチック(5㍉以下の微細なプラスチックごみ)が生態系に及ぼす影響が懸念されていると話した。
「陸上から海洋に流出したプラスチックごみ発生量ランキング」(2010年推計)によれば、中国が年間353万㌧で1位になっているが、プラスチックごみは近隣のアジア諸国から輸出されたものであると述べ、「必ずしも中国だけの問題とは言えない」とした。
国内ではプラスチックごみの中国への輸出を禁止したり、2030年までにプラスチック排出量を25%削減する目標を策定したりするなどの施策を進めており、海岸漂流物などを除去するために補助金による支援を行っていることも紹介。上野さんは「海洋プラスチックに固執することなくプラスチック全般の使用を減らし、プラスチックごみを国内で循環させる取り組みを推進していくべきでは」と持論を述べた。
質疑応答では「市田川の上流からビニール袋や発泡スチロールが流れてくるが、海へ流れないようにブロックする方法はあるのか」「マイクロプラスチックは実際にはどれほど人体に入っているのか、体にどのような影響を及ぼすのか」「市の水道水にも含まれている可能性があるのでは」などの質問があった。
「ビニール袋を有料化し、買い物袋を持参することによって万引が増えたという話も聞く。店舗側が抱える事情もあると思う」という声に対して「自治体と企業がセットになって考えていかなければならない課題」といった意見があった。
「一人一人の意識の向上が必要。有料でもレジ袋を配布しない自治体もある。環境や市民の健康のために当局も啓もうに励んでほしい」との意見もあり、参加者らは「環境問題を新宮市から発信していくことができれば」との見解を深め合った。
(2018年12月25日付紙面より)
小口おもしろプレイランド (新宮市 )
小口文化振興会議は22日、新宮市熊野川町上長井の小口自然の家広場で「第28回小口おもしろプレイランド」を開催した。イルミネーションで飾った高さ約50㍍の巨大ツリーの下、歌や踊りで盛り上がった。
巨大ツリーは水害の犠牲者の冥福を祈るとともに復興の支援者への感謝を込めて同会議が設置。催しは那智谷大水害遺族会の岩渕三千生さんや地元住民らが協力し、小口地域を活性化しようと毎年開催している。
特設ステージでは熊野川小学校音楽隊や地元のダンスチームなどがにぎやかにパフォーマンスを披露。特別ゲストの「Bitter&Sweet(ビタースウィート)」によるライブで盛り上がった後、関係者らがクリスマスプレゼントを配った。
会場では、しし鍋やうどん、アユの唐揚げ、焼きそばなど、さまざまな出店もあり、来場者が行列を作った。約2万球の電飾を取り付けている巨大ツリーの点灯は1月15日(火)までを予定している。時間は午後5時から9時30分まで。
(2018年12月25日付紙面より)
串本町足掛かりに全国へ (株式会社KCR )
県内へのトルコ経済マーケット創出を目指す株式会社KCR(本田景士代表取締役)=白浜町=が21日、串本町教育委員会に自社出版の絵本『タイヨウのくにとツキのふね』の教育寄贈を申し出た。小学校や幼稚園、認定こども園やへき地保育所、図書館に託す予定で、町教委は3学期に間に合わせる形で届けるとしている。
この絵本は、エルトゥールル号遭難事件の様子を架空の人物「ヒノキチ」を主人公にして描き出した作品として3月に出版。史実に興味を持つきっかけとして親子で楽しむ内容を特色とする。
同社はこの絵本を全国に伝えたいという思いで4~6月にクラウドファンディングによる資金調達を試み、168人から154万6000円の支援を得て成立させた。その折に掲げたのが県内の小学校約240校、幼稚園約120園、図書館60館と、全国100カ所の図書館への寄贈(=150万円達成時の約束事項)で、11月に増刷したトルコ語訳併記の特別限定版(第2刷)を託す方向で段取りを進めている。
この日は本田代表取締役と妻で絵本作家の山口小百合(本名・本田小百合)さんが潮﨑伸彦教育長を訪ね、特別限定版の概要を説明して寄贈を申し出た。同町はエ号遭難事件の現地であることから小学校9校、幼稚園1園、図書館1館に認定こども園2園とへき地保育所2所(現地最至近の大島も含む)を加えた15カ所に託す方向で話がまとまり、近日中に必要数を届けるとした。
同日現在、他の県内各市町村分は県教育委員会に配布協力を求め、図書館は郵送する方向で調整中。同町への寄贈を足掛かりにし、来年1月中の発送完了を目指している。
山口さんと本田代表取締役はともに同町出身。来年3月には紬カフェに続くタイヨウのカフェを同町内に開いて拠点を移す予定だという。今回寄贈する絵本を手にする子どもらに向け、山口さんは「この絵本をきっかけにして地元で起きた出来事に興味を持ち、将来町外に出ても周囲に話して地元の誇りにしてほしい」と話し、本田代表取締役も同じ思いを掲げた。
この絵本は、同町内ではTSUTAYA WAY串本店や同社販売ルートのホテル売店など観光施設で取り扱っている。特別限定版は初回特典(=作中に登場するお守り)が付かない分、1冊1500円(税別)となっている。同版は11月にトルコ共和国の商工会や市役所など5カ所に寄贈して紹介したそうで、本田代表取締役は「串本では絵本が出るほど活発なのかと喜んでもらえた」という。問い合わせは同社(電話0739・33・7683)まで。
(2018年12月25日付紙面より)
熊野三山で「天長祭」
「天皇誕生日」の23日、熊野三山で天皇陛下の85歳の誕生日を祝うとともに、皇室の繁栄などを祈願する「天長祭」が営まれた。
新宮市の熊野速玉大社では、上野顯宮司が祝詞を読み上げ、みこたちが優雅に神楽「浦安の舞」を奉納。大社崇敬会の杉本義和会長ら参列者たちが玉串を供えた。
神事後、上野宮司があいさつし、天皇陛下の誕生日の記者会見の内容について触れ、「85年を振り返られて、皇后さまのことについて特に言及されていた。自分を支えてくれたことに対して感謝のお気持ちを述べられていた。子が親を慕い、親が子を慕う当たり前の姿が皇室にはある。感謝の心を大事にしなければならない」。
グローバル化の中で、日本人の持つ礼節や努力、研さん、謙虚な気持ちが隠れてきつつあると述べ、「天皇陛下は喜びも苦しみも憂いも、国民と共にあるのが象徴天皇の在り方であると結論付けて実践されてきた。私たちはそのお姿に感動を禁じ得ない。来るべき御代替わりの時には、元の素晴らしい心を取り戻し、新日本の命としてわれわれも尽くさなければならない」と話していた。
(2018年12月25日付紙面より)
新宮信用金庫理事長杯卓球大会
鳥羽市OPでは出場27人中9人が優勝 (新宮ジュニアレスリングクラブ )
小、中学校で終業式 (新宮・東牟婁地方 )
新宮・東牟婁地方の小中学校で21日、終業式があった。児童生徒らは約2週間の冬休みに入った。
新宮市立緑丘中学校(橋爪健校長)では、終業式前に全校集会があり、「第38回全国中学生人権作文コンテスト」和歌山県大会で最優秀賞、中央大会で奨励賞を受賞した小西柚さん(3年)や、運動部、文化部で成績を収めた生徒らに表彰状が送られた。
同校生徒会長の﨑山翔太君(2年)が「一年間で最も長い2学期が今日で終わります。文化祭では一人一人が努力し素晴らしいものになりました。クリーン作戦では地域の方々と共に協力し合い、街がとてもきれいになりました」と述べ、スライドで2学期の思い出を振り返った。
終業式では校歌斉唱後、橋爪校長が「冬休みの間に年が替わります。何かが変わる時は一つの大きなきっかけとなる。今年できなかったことに取り組む良い節目になります」とあいさつ。「年末年始は帰省する人も多く、車も増えます。勉強や運動ももちろん大事ですが、第一に健康面と安全面に気を付けて過ごしてください」と呼び掛けていた。
(2018年12月22日付紙面より)
下露で動物駆逐用煙火講習 (古座川町 )
古座川町下露にある七川総合センターふるさとで15日、動物駆逐用煙火使用の講習会があり、22人が受講して同煙火を使用する要件を満たした。
この講習会は、同町地域振興課が主催。鳥獣被害防止対策として平成26年度から導入している同煙火「T―3」は、サルなどの有害鳥獣を追い払う用途で伊藤煙火工業株式会社=三重県亀山市=が生産していて、市販されている花火よりも火薬量が多いため同町は、不正使用や不正流通の防止も兼ねて同講習会の受講を使用の要件とし修了者に対して無償配布し対策の実践を求めている。
この日は同社の伊藤照雄代表取締役会長が「T―3」の開発経緯や仕組み、専用ホルダーを用いた使用方法や注意事項などを説明し、その後は屋外に出て実技指導もした。参加者も実際に試射して、同煙火がどういうものかを確かめた。
同課によると、この講習会はこの日を含めて計7回開いていて延べ427人(重複受講を含む)が受講している。無償配布は専用ホルダーも含めて役場本庁や各出張所を窓口にして実施していて、平成29年度中の配布本数は全体で933本だったという。同煙火による鳥獣被害防止対策の問い合わせは同課(電話0735・72・0180)まで。
(2018年12月22日付紙面より)
紀州勝浦漁協がイセエビ奉納 (熊野那智大社 )
那智勝浦町那智山の熊野那智大社(男成洋三宮司)で19日、紀州勝浦漁業協同組合(片谷匡組合長)によるイセエビの奉納があった。地元で捕れたイセエビ約30匹10㌔を神前にささげ、海上安全などを祈願した。
イセエビの奉納は毎年この時期の恒例となっている。拝殿
には、このほど公募により決まった地元産イセエビの愛称「南紀黒潮イセエビ」ののぼりが
掲げられ、地域の発展も祈った。神事を終え、組合員の吉村泰治さんは「海上の安全を第一に、大漁を願いました」と話した。
男成宮司は「日本の漁業を取り巻く環境は厳しいものがあり、ご苦労が多いかと思いますが漁業は大事な産業。那智勝浦町のためにもご精進くださいますように。豊漁を祈ります」とあいさつした。
(2018年12月22日付紙面より)
IWC脱退方針を歓迎 (太地町 )
日本政府がクジラの資源管理を担う国際捕鯨委員会(IWC)から脱退の方針を固めたとの報道を受け、日本小型捕鯨協会長で、太地漁業協同組合の貝良文(かい・よしふみ)参事は20日、「信じられない。われわれにとって商業捕鯨の再開は悲願だった」と喜んだ。
日本の国際機関脱退は戦後の例がほとんど無く異例なこと。クジラの食文化を守る立場の日本政府は、近年クジラの資源量は回復しているとして9月のIWC総会で、商業捕鯨の再開や改革を提案したが否決されていた。政府はIWCに加盟したままでは商業捕鯨の再開は困難と判断し、脱退の方針を固めた。来週にも表明する方針。
脱退すれば、商業捕鯨を再開できる見通しだが、南極海での調査捕鯨はできなくなる。従来の太地町での沿岸漁業に、たちまちの支障はないものの、反捕鯨国や団体からの反発は必至とみられている。
太地町は古式捕鯨の発祥地として知られている。IWCの捕獲制限により捕獲が禁止され、現在は主にIWC管理対象外の小型鯨類のツチクジラ、ゴンドウクジラなどを捕っている。貝参事は「政府からの正式発表はないが、これが事実ならばありがたい。良い風が吹いてきたように思う」と話している。
太地町では国の方針を歓迎する声が多く聞かれ、新屋敷に住む元マグロ漁師の坂口高男さん(85)は「太地はクジラで栄えてきた町。昔は多くの漁師や人でにぎやかだった。商業捕鯨の再開は町としていいことだと思う。今後の活気につながるのでは」と話した。
(2018年12月22日付紙面より)
クルーズ・オブ・ザ・イヤー特別賞 (新宮港 )
新宮港のクルーズ振興の取り組みが評価され、新宮市と和歌山県が「クルーズ・オブ・ザ・イヤー2018特別賞」を受賞した。田岡実千年市長は「新宮港が来年40周年という節目を迎える中で、このような栄えある賞を賜り、大変うれしい。クルーズ客船の入港にご尽力いただいている関係者の皆さまに感謝申し上げますとともに、今後も一層、おもてなしに磨きをかけ、クルーズ乗船客の皆さま方をお迎えさせていただきたい」とコメントしている。
市は県と共に地域振興や経済の活性化を図るため、新宮港へのクルーズ船誘致などに取り組んできた。本年度は18隻の入港予定があり、11月24日現在では13隻が入港。台風の影響で中止が3隻だった。
一般社団法人日本外航客船協会が主催、国交省や観光庁、一般社団法人日本旅行業協会が後援している「クルーズ・オブ・ザ・イヤー」。旅行業界の健全な発展に寄与したクルーズ旅行商品を顕彰するもの。モチベーションの向上、一般消費者への良質な商品とサービスの提供を目的にしている。
特別賞はその年に特にクルーズ振興や客船誘致活動に顕著に寄与したと認められる企業や自治体、団体、人物などを表彰するもの。新宮港は外防波堤の整備や波浪観測データのリアルタイム提供などハードとソフトを組み合わせた波への対策を積極的に行い、客船の入港実績を向上させ「世界遺産・熊野―海の玄関口」の定着に努めたことが認められた。
県境を越えた3市6町1村と和歌山、三重の両県からなる「新宮港クルーズ振興広域協議会」と、観光・交通・港湾などの関係者を集めた「新宮港クルーズ客船受入協議会」を組織し、広域での誘致活動や寄港地観光の開発、おもてなしの向上など積極的な活動も高く評価された。13日には東京都で表彰式があった。
(2018年12月15日付紙面より)
岐阜県の山本久和さん (太地町へ )
那智勝浦町二河出身で岐阜県在住の山本久和さんは12日、太地町に岐阜県東濃産のスギで作った長椅子4脚を寄贈した。三軒一高町長は「高齢者にとって座れる場所は重要です。公共施設からの要望もあるので非常にありがたい」と感謝した。
山本さんは東日本大震災、紀伊半島大水害発生以後、全国の被災地のためにと長椅子を贈る活動を続けている。原木の山からの運び出しや製材など、地元の仲間の協力が活動の支えだと話す。届ける椅子の裏には『絆』『共生』『和』『支え』の文字が書かれ、山本さんらの思いが込められている。長椅子のパーツを山本さん自らが太地町公民館に運び入れ、現地で組み立てた。
長椅子は岐阜県の東濃地域で産出されるヒノキやスギを材料に、これまで80脚以上作った。長さ約2㍍の一枚板でできており、熊野那智大社や那智山青岸渡寺、紀伊勝浦駅、勝浦漁港のにぎわい市場などにも贈っている。
(2018年12月15日付紙面より)
大鰐口などを清掃 (那智勝浦町 )
那智勝浦町那智山の西国第一番札所、那智山青岸渡寺(髙木亮享住職)で14日早朝から、1年間のほこりを払い清める年末の大すす払いが行われた。
髙木亮英副住職ら寺の職員が総出で世界遺産の本堂や鐘楼、山門などを清掃。天井はササの葉を先につけた長いタケを使い、たまったほこりを落とした。本堂につり下げられた豊臣秀吉寄進の大鰐口(おおわにぐち)を職員がはしごに乗って、丁寧に清めた。大鰐口は重さ450㌔、直径1・4㍍もの大きさで日本一といわれている。
髙木副住職は「本堂屋根の修繕も無事に終え、新しい年を迎えるため、職員一同心を込めて清掃しています」と話していた。
(2018年12月15日付紙面より)
本廣寺で法要献茶式 (新宮市 )
江戸千家流祖、茶聖・川上不白(1719~1807年)をしのぶ茶会が2日、新宮市新宮の本廣寺で営まれた。約30人が参列し、遺徳をしのんだ。
茶道表千家流音無会(築紫充代会長)が主催し、今年で12回目。清水文雅住職の読経の中、松本美弥子さんが献炭、桝田ゆうさんが献茶。江戸千家宗家の川上紹雪(じょうせつ)副家元、表千家同門会和歌山県支部役員の森本光子さん、田岡実千年市長らが焼香した。式の後には茶会が催された。
森本さんは「立派なお寺で、すがすがしい献茶式でした。1回目から参列させていただいてますが、新宮の皆さんと親しくお話しさせていただくいい機会と思っております」。築紫会長は「献茶式、茶会は川上不白を知っていただくいい機会。町の活性化につながっていけば」と話していた。
不白は、紀州藩新宮領主・水野家の家臣川上五郎作の次男。16歳で京都に出て表千家七代如心斉宗左に師事し「宗雪」の茶名を受けた。25歳で茶の式法「七事式」の制定に参画。江戸で表千家流茶道の普及に尽力し、茶の湯を皇族や大名、豪商、町人まで幅広い層に教授した。本廣寺は水野家の菩提寺(ぼだいじ)であり、不白が1797年に先祖供養のために建立した「書写妙法蓮華経印塔」(和歌山県指定文化財)がある。
(2018年12月4日付紙面より)
「光の祭典in紀宝」始まる
紀宝町の冬の夜空をイルミネーションで彩る「光の祭典in紀宝」が1日、同町大里のふるさと資料館前広場で始まった。20万個の発光ダイオード(LED)電飾で飾り、10色以上の色鮮やかな光が訪れた人たちを楽しませている。
開催期間は来年1月6日(日)までで、点灯時間は午後6時から10時まで。12月31日(月)および1月1日(火・祝)の2夜はオールナイト点灯する。
初日の点灯式ではカウントダウンが行われ、一斉にさまざまなイルミネーションが輝きを放つと、広場に詰め掛けた人たちから歓声が上がった。
かわいいキャラクターのオブジェや20㍍ツリー、光のトンネルが暗闇に浮かび上がると、来場者がきらびやかな光のショーに見入っていた。2人同時にスイッチを踏むとハートが点灯するイルミネーションでは、カップルや友達同士で楽しむ姿が見受けられた。
今年は新たに、子どもが楽しめる「アトラクションロード」が登場した。
イルミネーションデザインコンテストの入賞作品も飾られ、数々の光のオブジェが冬の山あいを幻想的に映し出した。シャボン玉も舞い、子どもたちも喜んだ。16日(日)まで毎週土、日曜日にシャボン玉イルミネーションを実施する。
町ににぎわいを創出しようと、光の祭典in紀宝実行委員会(西村喜久男会長)が毎年点灯。22日(土)午後5時からは、イルミネーションをバックに演奏や踊りを繰り広げる「キラフェス」を開催する。雨天時は23日(日・祝)に延期。
母親と一緒に訪れた新宮市立王子ヶ浜小学校3年の加莉美紗さんは「去年も見に来た。とてもきれいで、すごい。キラフェスも見に来ます」と笑顔を見せていた。
(2018年12月4日付紙面より)
木葉神社「祢んねこ祭り」 (串本町 )
串本町田原にある木葉神社(井谷正守宮司)の例祭「祢(ね)んねこ祭り」=県指定無形民俗文化財=が2日に本祭を迎えた。比較的温暖な好天の下、朝日遥拝行列や本殿大前の儀、子守り神事といった祭典奉仕や田原獅子保存会(井本悟会長)の獅子舞奉納が営まれ、今年も地区内外からの多数拝観で活気を見せた。
木葉神社は木花咲耶姫(このはなさくやひめ)を主祭神とし、神功皇后の養育の故事に基づく授かり・安産・子安の宮として信仰されるとともに田原区の氏神社として護持されている。例祭は近年、12月第1日曜日を本祭日として営んでいて、とりわけ朝日遥拝行列と子守り神事は同神社独特の奉仕として例年注目を集めている。
この日は午前7時に朝日遥拝行列が拝殿前から出発した。朝日にささげる米櫃(こめびつ)を頭に乗せたご飯持ちみこは宮本凛さん(7)が務め、同みこを先頭にして祭員や田原獅子保存会、ねんねこ祭り保存会長を兼務する西脇正吾区長らが続いた。井谷宮司(64)が振り鳴らす鈴の音を合図に一歩ずつ進み、約40㍍先にある遥拝所に着くと一同で朝日に礼を尽くした。
引き続き本殿前で大前の儀があり、古式の修祓(しゅうばつ)「湯立ての儀」や祝詞奏上に続き、子どもみこの荒木野乃子さん(10)と応援で奉仕する姉・奈菜子さん(19)が神楽「浦安の舞〈鈴〉」を舞い、一同で玉串をささげて主祭神に礼を尽くした。
子守り神事は拝殿であり、井谷宮司によるお弓の儀、井谷宮司と童子の海士侑哉君(9)によるみかん問答に続いて、井谷宮司と大幣差しの森沢清次さん(70)、御幣差しの後藤初子さん(81)、井本一也さん(41)、垣下斗輝君(15)、荒木琥太郎君(11)、西脇大貴君(10)、童子の海士君がござ、枕、乳房(を模した布袋)を担ぎ「ねんねこねんねこおろろんよ」と声を上げて子守りの所作をささげた。拝観者から合いの手が入り盛り上がる中、子どもみこが再び神楽をささげ拝観者に鈴を振り鳴らして清め払いをし、井谷宮司と共に神前にささげた稲穂を授与するなどした。
餅まきを経て、田原獅子保存会が境内で受け継ぐ7種類の舞を奉納し本祭の活気を締めくくった。
この日は最寄りの旧田原中学校体育館で公民館田原支館主催の農産物品評会と作品展示会もあった。農産物品評会は第101回となる伝統の地域行事で、今年も例祭の諸行事の合間や例祭後に随時鑑賞を集めた。
御幣差しを務めた後藤さんは田原出身で18歳の時に渡米。現在はロサンゼルスに住んでいるが、妹が奉仕の当番を受けた機に一念発起して一時帰京し、宮掃除など事前準備も含めてできる限りの奉仕を尽くした。同神社では例祭に先立って、歌手の小芝陽子さんが賛歌『ねんねこ祭り』を奉納し、餅つきなど事前準備の時に地域にも試聴を交えて紹介された。
子どもみこの数が物語るように少子化の影響が色濃さを増す中でも祭礼を支える地域の思いや周囲の期待は大きく、井谷宮司はできる限り例祭を続ける思いを胸にしながら今年の奉仕に努めた。
(2018年12月4日付紙面より)
那智勝浦町で交通安全啓発
「わかやま冬の交通安全運動」が1日から始まった。10日(月)までの10日間、県内各地で街頭啓発などが行われる。那智勝浦町では3日、同町天満のAコープ前や汐入橋交差点付近で早朝街頭啓発があった。
堀順一郎町長や町交通指導員協議会(塩﨑一男会長)などの交通ボランティア、町、県交通安全協会新宮支部、新宮警察署の署員ら約30人が集まった。
参加者らは横断幕を掲げ、ドライバーたちに運動の重点を掲載したチラシや啓発物資を配布し、安全運転を呼び掛けた。
県内では11月29日現在、2083件の事故が発生しており、前年比299件減。新宮署管内では、人身事故、物損事故のいずれも減少していたが、1日未明と2日午前9時ごろに死亡事故が発生している。
同町では期間中、4日(火)午後4時からAコープ駐車場で自転車街頭啓発、6日(木)午後5時30分から甫子浦交差点で夜間街頭啓発を予定している。堀町長は「年末のせわしい中ですが、事故の無いように気を引き締め、より一層の注意を」と呼び掛けている。
(2018年12月4日付紙面より)
南郡・熊野市スポ少地域交歓競技大会 (紀宝柔道会 )
東牟婁中学校相撲大会
和歌山県高校空手道新人大会 (近大新宮高空手道部 )
来年の大絵馬に掛け替え (速玉大社 )
新宮市の熊野速玉大社(上野顯宮司)で1日から迎春準備が始まった。拝殿の「戊戌(つちのえ・いぬ)」の大絵馬が来年のえと「己亥(つちのと・い)」の大絵馬に掛け替えられた。
大絵馬はヒノキ製で、大きさは縦1・5㍍、横2・1㍍。2匹のうり坊を愛情深く見守る父イノシシの姿が描かれている。父イノシシは平和の象徴である梛の御幣をくわえ、白で描き清らかさを表現。瑞雲と瑞光で新しい年に光を与え、年の幕開けを祝う気持ちを表した。
書き添えた「新日本の國(くに)造り」の文字は御代替わりに際し、日本国民としてどうあるべきかを考え、豊かな国造りのために頑張っていかなければならないとの思いを込めている。
上野宮司は「来年には天皇陛下が生前のご譲位をされる。日本国民の統合の象徴で、我々が国を思う気持ちが反映される。きちんとした国民の姿を表さなければならない」と語った。
迎春準備に触れ「年末にお参りを済ませる人にも一足早い新年を感じてもらいたい。今年は川合組さんにご奉仕いただき、臨時駐車場の台風で流れてしまったところを一から整地してくれています」と感謝していた。
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同大社はこの日、JR新宮駅に小絵馬(縦75㌢、横110㌢)を授与した。小絵馬にはうり坊を見守る母イノシシが描かれている。
新宮駅改札付近の駅ホームには12月中旬から、速玉、本宮、那智の熊野三山の小絵馬が並ぶ。角野敦彦副駅長は「来年もお客さまに安全に利用していただけるようにという思いで頑張りたい」と話していた。
(2018年12月2日付紙面より)
JA共済連和歌山と和歌山県警は11月30日、事故現場を再現することで恐怖を実感し、交通ルールを順守することを学ぶ「スケアード・ストレート自転車交通安全教室」を那智勝浦町立那智中学校(船井洋二校長)で開いた。生徒らはプロのスタントマンによる実際の事故さながらの光景を目の当たりにし、交通安全の重要性について理解を深めた。
同教室はJA共催による地域貢献の一環として、交通事故の未然防止を目的に県警本部らと協力して実施している。
船井校長は「今から勉強することは自分のことと捉えて加害者、被害者にならないように学習してください」と話し、JAみくまのの石田守代表理事専務は「事故の疑似体験を通し、改めて事故のない安全な学校生活を送ってください」とあいさつした。新宮署の樋口勇作交通課長や同共催連の古谷和久副本部長も出席した。
スタントを行うのは映画などでアクションを担当する倉田プロモーションのメンバー。実際にあった死亡事故や危険な事例を迫力あるスタントで再現した。
メンバーは交通事故発生時の平均時速とされる約40㌔で車を加速し、人形が乗った自転車に衝突させ、速度や破壊力を示した。
マナー違反した自転車の運転が大きな事故につながると説明し、「自転車は被害者のイメージが強いが、大きなけがを与えてしまう場合もあるので注意が必要」と述べ、「ルールを守ればルールが皆さんを守ってくれます」と呼び掛けた。
生徒らはトラックの内輪差による事故や死角についても学び、メンバーに感謝の拍手を送った。
生徒会長の扇田彩帆さん(2年)は「スタントは迫力があった。実際の事故だとすると怖い。きちんとルールを守って気を付けていきたい」と語った。
(2018年12月2日付紙面より)
2日まで、町展と生涯学習フェス (那智勝浦町 )
那智勝浦町教育委員会、町公民館は1日、第53回那智勝浦町展と生涯学習フェスティバルを同町体育文化会館で開催した。2日(日)は午前9時から午後4時まで。
53回目を迎える町展では町内の園児129点、児童・生徒960点、福祉施設7点、一般550点の合計1646点の絵や書、生け花、陶芸作品などが展示され、多くの来場者が訪れた。
屋外では町消防本部や消防団による放水や地震などが体験できる「消防のつどい」が行われた。館内では福祉関係団体による販売コーナーや町立温泉病院の健康体操も盛況だった。日本舞踊や太極拳の演武、コーラスなどの披露や編み物や手話の体験コーナーもにぎわった。
午後からは同町農産物品評会の表彰式やニュースポーツの「ボッチャ」の大会も実施された。
2日は午後1時から「第24回那智勝浦町民音楽祭」が開催されるほか、午前11時と午後1時から不思議科学実験ショー、手描き年賀状作りや手芸体験なども開かれる。
(2018年12月2日付紙面より)