6日間の休業に入る
官公庁で28日、仕事納め式があった。各首長らが職員たちの一年の労をねぎらい、新年からのさらなる活躍に期待の言葉を掛けた。ほとんどの官公庁は来年1月3日(水)まで6日間の休業となっている。
新宮市役所で行われた式には屋敷満雄市議会議長、濵田雅美副議長をはじめ職員約60人が出席。田岡実千年市長はあいさつで、新庁舎完成や10月の台風災害、市長選を振り返った。「市政は市民のために」は職員一人一人がしっかりと業務を達成することで必ず実現するとし、「人は何のために生きていかれるのか」に対する哲学者の故・森信三さんの答えを紹介。「自分なりに解釈すると『人はどうすれば幸せに生きていかれるのか』で、答えは『自分の仕事を通して人や社会のために役立つこと』だと確信している。しっかりと仕事をし、生き生きと幸せに暮らせる好循環な社会を新宮市役所から発していきたい」と呼び掛けた。
小谷充総務部長が今年一年に実施した主な事業などを紹介。向井雅男副市長は閉式の辞を述べ、最後は一本締めでお開きとなった。
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那智勝浦町では、役場2階の大会議室で仕事納め式が開かれた。
町歌斉唱後、町職員約80人を前に、寺本眞一町長が訓示した。職員にねぎらいの言葉を掛け、町長職2期8年間を振り返った。「いろいろな事業を駆け足で進めた中、可もなく不可もなくやってこられたのは皆さんのおかげだと思っている。今後も町を背負っていく立場として、他がより秀でて見えた時は本人が克服しなくてはならない。努力次第で職場も花開く。より信頼される役場になるように頑張って。退いた後は、町民として皆さんの活躍を期待しながら見守る」と話した。
植地篤延副町長は、閉庁中の諸注意として「年末年始は行事も多いかと思うが、気を緩めず町職員の職責をしっかり自覚して飲酒や事故のないように」と求めた。
(2017年12月30日付紙面より)
消防本部と消防団が年末警戒 (新宮市 )
市民たちが安心して新年を迎えることができるようにと新宮市消防本部(海野裕二消防長)と新宮市消防団(竹内由定団長)は28日から、年末警戒にあたっている。30日までの3日間、午後8時から午前0時まで市内を巡視する。
火を使用する機会の多いこの時季に毎年実施している。市消防本部は市全域、消防団は各分団の担当地区で巡視や防火広報に取り組んでいる。初日の28日には午後7時から市消防本部、同7時45分から熊野川消防出張所で出陣式があった。
市消防本部での出陣式には、旧市内七つの消防団から計50人が参加。整列した団員たちを前に田岡実千年市長は「火災の発生しやすい状況であると思うので3日間よろしくお願いします」と述べ、1年間の活動に感謝した。
屋敷満雄市議会議長が「警戒に当たっては体調管理に留意され、市民の皆さんが良き新年を迎えられるようよろしくお願いします」。濱口太史県議が「火事は気を付ければ防げる。新宮市民の安心安全のために、皆さんの活躍は必要なこと」。谷本克也新宮警察署長が「年末に火災が発生することのないよう、万が一発生した際は迅速、的確な対応で、警察と一緒になって活動していただきたい」と激励した。
式後、団員たちは消防車両に乗り込み、市長らに見送られる中、担当地域へ出発した。竹内団長は「各分団、地域の皆さまに防火意識を高めてもらいたい」と話していた。
(2017年12月30日付紙面より)
水族館Bゾーンで展示始まる (串本海中公園 )
串本町有田にある串本海中公園センター水族館(野村恵一館長)で28日、史上最大のウミガメ「アーケロン」の実物大彫刻模型の展示が始まった。新春から始まる企画展「アーケロン・プロジェクト」の象徴展示物で、野村館長は「予想以上の出来栄えで感激している。触れながら大きさを実感してほしい」と呼び掛けている。
「アーケロン」は今から約6000万年前、恐竜時代最終期(中生代白亜紀後期)に生息していた種。ウミガメ類の遠い祖先にあたり、すでに絶滅しているが化石の出土で存在が知られている。
野村館長(59)は一昨年の夏ごろ、企画展の構想を練る中で田辺市龍神村に工房を構えるチェーンソーアーティスト・城所ケイジさん(48)とのタイアップを着想。「やるからには大作を」と希望した城所さんに対し、野村館長が「ならばアーケロンだ」と答えたことでこの模型の製作が動き始めた。
城所さんは今回、自身で調達した大ぶりの紀州杉4本から削り出した各パーツを組み合わせ、全長3・7㍍、全幅4・6㍍、全高1㍍の巨体を復元。最大のパーツとなる甲羅には古座川町産の紀州杉などを用いた。今年9月25日から各パーツの荒削りを始め、本制作前に野村館長と共に名古屋港水族館にある国内最大の骨格レプリカ標本を観察し、既存のフィギア模型を肉付けの参考にして高めた生体のイメージを11月24日以降の本制作で投影した。「生きたアーケロンの姿を木で再現するために全力を尽くし、今の自分なりにいいものが作れたと感じている」と出来栄えを語る。
着想から2年余りの月日を経て形になった模型を見て野村館長は「過酷な恐竜時代を生き抜いたカメだと実感できる重要な展示物で、お客様にも必ず感動してもらえると思う。骨格やそのレプリカは世界中で展示されているが、実物大で生体を復元した模型は少なくとも日本ではここだけだと思う。カメ好きや恐竜好きの方はぜひ見てほしい」と話した。
母体となる企画展は来年1月1日(月)から2019年12月29日(日)まで、同館Bゾーンで開かれる。「アーケロン」の生態と共に遠い子孫の現在のウミガメ類もまた絶滅の危機にひんしている状況を伝える内容で、野村館長は同模型をシンボルにしてウミガメの展示、繁殖、保全に力を入れる水族館としていっそうの保全活動に取り組みたいと意気込んでいる。
同館は年中無休で、営業時間は午前9時~午後4時30分(夏季は午後5時まで)。入館料は大人1800円、子ども800円、幼児200円となっている。問い合わせは同公園センター(電話0735・62・1122)まで。
(2017年12月30日付紙面より)
那智の滝で迎春準備 (那智勝浦町 )
那智勝浦町那智山の世界遺産・那智の滝で27日、大しめ縄の張り替えがあった。日本一の落差133㍍の滝口で、神職たちが足を滑らさないよう慎重に新しいしめ縄に取り換えた。
那智の滝は熊野那智大社の別宮・飛瀧(ひろう)神社のご神体。張り替え作業は7月14日の例大祭「那智の扇祭り(火祭)」の前と年末の毎年2回行われている。
しめ縄はサラシ製で、長さ26㍍、重さ約4㌔。大社本殿で安全祈願を行った後、白装束に烏帽子(えぼし)姿の神職5人が参道約2㌔を約30分かけて運んだ。
那智の滝は大みそかから元旦にかけて青岸渡寺の三重塔とともにライトアップされる。
(2017年12月28日付紙面より)
再来年夏の稼働を目指す (新宮市 )
フォレストエナジー株式会社(本社・東京都品川区、沼真吾社長)は26日、新宮市佐野3丁目で木質バイオマス発電事業を計画していると発表した。来年の春に着工、再来年夏の商業運転開始を目指している。計画通り進めば和歌山県内で最初に稼働するバイオマス発電事業所になる。
同社によると、発電所を設置するのは民間の土地で広さは約8500平方㍍。近隣地域の木材を使った木質チップを年間約2万㌧使用し、約1800㌔㍗の電気(約3900世帯分)と約2800㌔㍗の熱を供給する。熱の一部は乾燥機の熱源として使用し、伐採したばかりの木材を燃料として使うことができる。残りの熱の活用は今後協議していく。
同社は「燃料供給元で乾燥工程を負担することなく、間伐材・低質材の流通量が増えるため、地域の素材生産会社と林業者を通じて森林整備を促進するとともに、地域経済の活性化に役立つものと考えております」と話している。
同社は2015年4月10日の設立。未利用になっている木質資源を地産地消して電気や熱などのクリーンエネルギーを作る施設を開発、運営している。秋田県秋田市、宮崎県川南町ですでに木質バイオマス発電所を稼働している。佐野で事業を始めるため新たに新宮フォレストエナジー合同会社を設立した。
佐野の新宮港第2期工業用地でも株式会社エフオンが木質バイオマス発電所の建設を計画していて、2021(平成33)年中の稼働運転を目指している。敷地面積は約5万3000平方㍍。年間発電量は1万8000㌔㍗(3万世帯分)。近隣県から調達した木質チップを年間約18万㌧使用する予定。
(2017年12月28日付紙面より)
文化セで第13回町民音楽祭 (串本町 )
串本町文化センターで24日、「第13回町民音楽祭」が開かれた。大規模改修に伴い、例年より約3カ月前倒ししての実施。ジャンル多彩な15組が日頃の取り組みの成果を披露し、約300人(主催者発表)が鑑賞した。
このイベントは同町、同町教育委員会、串本音楽協会主催。1971(昭和46)年に旧串本町で始まり現串本町にも受け継がれている文化行事で、通算すると47回目の実施になる。
開会にあたり同協会の西野政和会長は「50年近く続く音楽祭は県内外を見てもほとんど例がなく、大いに自慢できるわが町の文化力だ」と誇り、会場変遷の経緯を来場者に紹介。例年より数は少ないが、新規出演もあるとして最後まで清聴してほしいとあいさつした。
音楽に関係があれば幅広く出演を受け入れるのが同町の音楽祭の特色。今回もコーラスや器楽はもちろん、琴・三味線・尺八・和太鼓といった和楽器、フラダンスや日本舞踊、詩吟詩舞や歌唱など多彩な演目が披露され、観客の喝采を浴びた。
新規参加の「こーらす“わ”」は和深を拠点にしたグループで、小道具で情感を演出しながら3曲を発表。終盤に出演した女声グループ「串本コーロびおれった」は前倒しのタイミングがクリスマスイブにあたったことにちなみサンタクロースの色彩や衣装で出演。混声グループ「串本うしおコーラスグループ」は団歌や演歌を披露後、「きよしこの夜」の斉唱を観客に呼び掛け、音楽で一体になるひとときで会を締めくくった。
(2017年12月28日付紙面より)
寿楽荘で萱野賛曈さんが指導 (新宮市 )
新宮市木ノ川の市立養護老人ホーム寿楽荘(田中道男荘長、入荘者30人)で26日、今年最後の生け花があった。希望者21人が安達流師匠の萱野賛曈さんに指導を受け、正月らしい花を生けた。
生け花は毎月1回、40年近く続く取り組み。この日は▽エダワカマツ▽シンビジウム▽ハボタン▽コギク▽ズバイ―を竹の筒に生けていった。
萱野さんは「お花を触っているだけで楽しいですからね」「力を入れて挿したり切ったりすることは筋力を補うためにもいい」「『年だから』と言わずに頑張ってほしい」などと呼び掛けながら教えた。出来上がると一人一人の作品を見て回り「上等です」「きれいに入りましたね」と笑顔で呼び掛けた。施設の玄関にもボランティアで花を生けた。
「正月やねえ」「昔母さんの手伝いをしていたことを思い出す」と話す利用者もおり、103歳の人も取り組んでいる。田中荘長は「皆さん毎月楽しみにしています。良い雰囲気で関わっていただき、うれしい。このような取り組みで変化を受けることはありがたく、いろいろな話もしていただける」と感謝した。
萱野さんは「お花に触れるだけでも利用者さんの顔がほころぶ。その様子がうれしく、私にとっても生きがいです」と話していた。
(2017年12月28日付紙面より)
新宮弓友会主催の納射会
新宮市スポーツ祭典バドミントン大会
女子ソフトボール部4チーム
和大のジオ支援システム (那智勝浦町 )
南紀熊野ジオパークのガイド養成講座をきっかけに結成されたガイドグループ「たいジオ」(久世滋子会長)は9日、那智勝浦町色川で「アルコラ色川」を開催した。和歌山大学が開発した、ジオツアー支援システム「ついジオ」を使い、学生らと参加者約20人が口色川から大野、赤畠谷えん堤などを散策した。
ついジオは、スマートフォンなどの端末上で動作するウェブアプリケーションで、あらかじめ登録されたジオの情報や、現場で撮影した画像、説明などを、ツアー参加者の端末へ簡単に配信ができる。「ツイッター」とも連携している。同大学システム工学部の吉野研究室(吉野孝教授)が開発した。
同研究室で開発に携わった同大学院2年の谷口翔吾さん(24)は、「和歌山でしかできない観光と情報の組み合わせを探して、インターネットでジオパークを見つけました。これなら局所的なアプローチができると開発に取り組んだのが4年前です。今後もネット環境を使ってジオツアーの知名度を上げていきたい」と話した。谷口さんらは、この日の参加者から意見や要望などを集め、「ついジオ」の改良を重ねる予定。
(2017年12月15日付紙面より)
地方自治法施行70周年記念大臣表彰 (紀宝町 )
地方自治法施行70周年記念総務大臣表彰を紀宝町が受賞した。趣旨は、地方自治の伸展および住民の福祉の増進に努めた団体および個人を表彰するもの。同町は紀伊半島大水害(2011年9月)での甚大な被害を教訓に、事前防災行動計画(タイムライン)を全国に先駆けて作成して災害対策強化に取り組むとともに、近隣市町と連携した医療サービスを提供するなど、自ら創意工夫した施策を実施。住民の安全・安心確保への努力が評価された。
表彰式は11月20日、天皇皇后両陛下のご臨席、内閣総理大臣らが参列して東京国際フォーラムであった。町を代表して表彰を受けた西田健町長は12日、「行政と町民が一体となって取り組んだ結果が評価された」と喜びを語った。三重県内では尾鷲市といなべ市も表彰されている。
(2017年12月15日付紙面より)
「ピアニッシモ」コンサート (三輪崎幼 )
新宮市立三輪崎幼稚園(尾﨑いづみ園長、園児6人)で13日、コーラスグループ「ピアニッシモ」(野澤宮子代表)のコンサートが開かれた。クリスマスにちなんだ曲や古くから親しまれている童謡など10曲以上を披露し、美しいハーモニーで園児や訪れた保護者らを楽しませた。
この日は佐野保育所(西浦ゆかり所長)と三輪崎保育園(中畑元太園長)の5歳児合わせて37人も一緒に楽しんだ。
1曲目の『きよしこの夜』で、キャンドルを手に持ち歌いながら入場。『シャボン玉』『赤とんぼ』『七つの子』など昔からある童謡や、季節にちなんだ『ジングルベル』などをピアノ伴奏に合わせて披露したほか、園児と一緒に『赤鼻のトナカイ』、『あわてんぼうのサンタクロース』を歌った。
尾﨑園長は「伝えたい歌を歌って教えてくれる」と感謝すれば、野澤代表は「園児の祖父母も懐かしんでくれたり、園児が家でも歌ってくれたりしている。今後も歌う機会の少なくなってきた歌など、いろいろと伝えていきたい」と話した。
ピアニッシモはNPO法人ハトぽっぽのボランティアや地域の母親が集まってつくるコーラスグループで、同園では12年ほど前から年に2回ほど実施されている。
(2017年12月15日付紙面より)
串本と古座川約1300人分 (トヨタレンタリース和歌山串本駅前店 )
和歌山トヨタ自動車株式会社(小川至弘代表取締役会長)のグループ会社・株式会社トヨタレンタリース和歌山串本駅前店(千田潤也店長)が11日、古座川町と串本町の小学生~高校生に向け未使用の教育年賀はがき約1300人分を贈った。
日本郵便株式会社が提案する、学校教育の一環ではがきを書く体験を地域のスポンサー協力を得て届ける施策「教育年賀」の一環。原点には小川会長と池田和則・串本郵便局局長の出会いがあり、手紙を書く楽しみや喜びを経験し、その良さを伝えたいという池田局長の思いに共感した小川会長が同店をスポンサーにし、教育委員会とスポンサーの名前が入ったはがきを一人あたり5枚が行き渡るよう届けている。同店を軸にした寄贈は、昨夏の「教育かもめ~る」に続いて2回目となる。
寄贈先は両町の教育委員会。古座川町教育委員会(和田充旦教育長)は同町立高池小学校(大畑眞校長)で小川会長ら一行を迎え、児童会の後口幸宏会長、奥村悠陽副会長、矢本隼暉副会長(以上6年)、畦智球斗委員、打越凌委員、尾崎遥音委員、久保了佑郎委員(以上5年)が小川会長からはがきを受け取った。7人を代表して後口会長は「手紙を書くのが好きでいつも年賀状を書くのを楽しみにしているので、こんなにたくさんもらえてうれしい。自分で書いた年賀状を家族や親戚にも送りたい」と述べ感謝した。
串本町教育委員会(潮﨑伸彦教育長)は同町立古座小学校(道本幸浩校長)で寄贈式を開き、全校児童70人が一行を歓迎する中で児童会の浅利大雅会長(6年)が小川会長からはがきを受け取った。浅利会長は夏休みに先生へ書いた暑中見舞い(教育かもめ~る)の実物を紹介し「今日もらった年賀はがきもこういうふうにして先生に送る」と述べて感謝した。
小川会長は「手紙を書くことで人と人がつながるのは、字が心を伝えるから。スマホなどがはやっているがひとまず置いて字を書いてほしい(高池小)」「人と人のつながりを生む大切な言葉は形にして残ることが大事。大切な人へのお礼の言葉などを残せるよう頑張ってほしい(古座小)」と児童の頑張りを期待した。
串本町教育委員会への寄贈分には県立串本古座高校の生徒の分も含まれ町教委経由で同校に伝達するという。
(2017年12月15日付紙面より)
櫻澤あんりさんが2週連続V
第11回新宮ジュニアレスリング大会
地元と健康にこだわり開発 (新宮港埠頭 )
新宮市三輪崎の新宮港埠頭株式会社食品部(シングウポートフーズ)はこのほど、地元にこだわった食材で作ったブリ商品を開発した=写真。今月9日(土)午前10時から正午まで、港内の株式会社食縁本社工場前で初めて地元販売する。
近畿大学技術の養殖プレミアムブリ「におわないブリ」を使用した商品。168時間かけて製造している薫製は、生ハム風と照り焼き風の2種類。切り身はプレーン、照り焼き、みそ漬け、酒かす漬けの4種類。刺身用ブロック、しゃぶしゃぶ用などもある。
安全、安心をモットーに、いずれの商品も化学調味料や食品添加物を一切使用しておらず、しょうゆは新宮醤油、酒かすは尾﨑酒造など、地元産を使用している。
同社は1978(昭和53)年9月30日に設立された新宮市の第三セクター。これまで新宮港を中心とした港湾運送、船舶代理店、貨物運送を主たる事業としてきたが、日本の「食」の多様性に注目し、食品部を設置。稚魚生産から加工販売までの「なまず養殖事業」もスタートしていて、来年の夏ごろの販売開始を予定している。
小池けん二社長は「私のモットーは、常に先を見据え新しい視点を持つこと。人口減少・少子高齢化の波がこの地方でも大きな社会問題となり、産業の衰退は地方都市の活力を疲弊させています。この地域の新たな活力と産業の振興を図り、雇用の場を作ることが必要。地域の特産を目指した事業を興し、全国展開を図りながら、さらに地域社会に貢献する会社を育てたいと考えています」と話している。
(2017年12月6日付紙面より)
※ 小池けん二社長の「けん」は、「濕」のさんずいを取り除いた字
新宮税務署が説明・相談会 (新宮市 )
新宮税務署は4日、新宮市の新宮商工会議所で「雑損控除等説明会」を開いた。台風21号などで被害を受けた人を対象とする説明会で、同市などで多くの被害があったことから開催した。被災した場合の所得税の減免制度や、住宅や家財の損失額の計算方法などについて説明した。
災害などで住宅や家財に被害があった場合、雑損控除か災害減免法によって所得税の軽減免除を受けられる場合がある。どちらか有利な方を選ぶことができ、確定申告の際に必要書類を添付して申請する。インターネットで申告書が作成できる国税庁ホームページの「確定申告書等作成コーナー」を使う際にも、被害のあった家財などの損失額を入力することで、条件に合わせて雑損控除か災害減免法の有利な方を選択できる。
説明会では全般的な説明の他に、個別相談の時間も設けられ、申告会場に持参できる損失額計算個票の用紙も配られた。確定申告の期間は2月16日(金)からとなるが、同署では被災者を対象に事前対応も予定している。
担当の同署個人課税部門の統括国税調査官・山田耕士さんは、「申告の時期には混雑も予想されます。まずは説明会にお越しください」と話した。
この説明会・個別相談会は今後、5日と7日(木)に同所で、14日(木)に那智勝浦町築地の南紀くろしお商工会で開かれる予定。時間は説明会が午後1時30分~2時30分、個別相談会が午後2時30分~5時。夜間の説明会が午後6時~7時。
(2017年12月6日付紙面より)
来年、創建2050年を迎える田辺市本宮町の熊野本宮大社(九鬼家隆宮司)の式年大祭を盛り上げようと組織された「熊野本宮大社御創建二千五十年奉祝式年大祭推進協議会」(榎本長治会長)は2日、大社瑞鳳殿で総会を開き、来年の主なイベントの事業計画案などを承認した。
協議会は今年9月に組織。熊野本宮観光協会、田辺市熊野ツリーズムビューローなどさまざまな団体、企業など30を超える団体で組織。奉祝期間を誘客の絶好の機会として捉え、さまざまなイベントを展開し、熊野の魅力を発信しようと事業に取り組んでいる。
本宮大社の例大祭は例年4月13日から15日に行われているが、来年は11日(水)から15日(日)までを日程として奉祝式年大祭として営む。期間中には歌手の山川豊さんや水森かおりさんらの歌唱奉納などがある。
例年8月に行われる「八咫(やた)の火祭り」は10月13日(土)に日程を変更し、式年大祭とは別に公募した稚児による湯登神事を行う。
3月には博物学者、小説家の荒俣宏さん、5月には演出家の宮本亜門さん、秋には作詩家の及川眠子さんの講演を計画。宝物殿の特別拝観なども予定している。
協議会では大祭記念ロゴを製作し、ピンバッジやのぼり、記念ポロシャツの製作も進めており、さまざまなPR活動を展開していく。
総会で協議会顧問の九鬼宮司は「地元の高校生も祭りに参加したいという声もあり、うれしい。皆さんと新たな祭りができればと考えている。何かが生まれてくると確信している」とあいさつ。榎本会長は「2050年のお祝いだけでなく、熊野の良さを発信する大きな機会と捉え、地域の観光振興につなげられたらと思う」と話し、「参加していただける団体、企業を募集している。本宮大社へ問い合わせてほしい。いろいろな方々に参加してもらい、一緒に盛り上げていきたい」と呼び掛けた。
(2017年12月6日付紙面より)
町長らに感謝届け親交深める (串本町 )
駐日トルコ共和国大使館のハサン・ムラット・メルジャン特命全権大使(58)一行が4日、串本町の田嶋勝正町長や同町立大島小学校(山本隆介校長、児童36人)を表敬訪問し、トルコ軍艦エルトゥールル号殉難将士慰霊碑に献花するなどした。
メルジャン大使は先月17日に着任した新任の特命全権大使。今回の訪問は公務に就くにあたって慣例になっているあいさつ回りを兼ねた視察の一環で、インジ・メルジャン夫人と通訳者としてボアチ・ウリケル専門官を連れ3人で来町した。
南紀白浜空港で役場総務課職員と合流し、公用車で同町入り。役場本庁で表敬を受けた田嶋町長は「町民を代表して歓迎する。エ号の遭難は悲しい事故だったが、当時の救難活動が今の日本とトルコの友好を築いた柱と言ってもらえることを私たちはうれしく、誇りに思っている。今も清掃や献花をしながら587人の殉難将士をお守りしているので安心してほしい。これからいいお付き合いをさせていただきたい」と述べ、メルジャン大使は「何よりもまず将士を大切にしてくれていることに感謝する。われわれも祖先への思いを胸に友好を作る努力をし、町長ともよい機会を作りたい」と応えた。
「次の来町時には町長と一緒にダイビングに挑戦したい」など後の懇談も弾む中、田嶋町長は歓迎の一端で記念楯や日本トルコ友好マスコットキャラクター「まぐトル」のぬいぐるみ、町独自の友好のあかしとしている同碑レリーフをかたどったピンバッジなどを贈って親交を深めた。
同町立大島小学校では、山本校長と6年生の造隼瑠菜さんがあいさつし、6年生の伊勢谷連さんと中西基樹君が花束を贈って来校を歓迎。一同で同碑とともに受け継がれる追悼歌を披露した。
メルジャン大使は「皆さんや役場の方々が両国の国旗を振って迎えてくれたことが、串本に来て何より感動していることだ」と歓喜。同碑の清掃などを通して殉難将士を大切に守ってくれている児童を『もっとも美しい花で飾られたような友好の架け橋』とたたえて感謝し、交流の記念にと文具を贈るなどした。
表敬後は樫野崎を訪ね、田嶋町長夫妻や樫野区の岩谷知道区長の代理で高山カヤ子さんとともに同碑に献花。メルジャン大使夫妻は樫野崎園地にある建国の父・アタテュルク像への献花を来町にあたって希望したそうで、同町も応えて段取りし実現した。併せて樫野埼灯台やトルコ記念館、遭難地点とされる岩礁(通称・船甲羅)を視察し現地説明を受けるなどした。
夜は田嶋町長主催の歓迎夕食会に出席。町内に宿泊し翌5日に串本海中公園センターを視察するなどして同大使館がある東京へ戻った。
(2017年12月6日付紙面より)