コロナで縮小の「那智の扇祭り」 (熊野那智大社 )
那智勝浦町の世界遺産、熊野那智大社(男成洋三宮司)で14日、例大祭「那智の扇祭り(火祭)」(国重要無形民俗文化財)が営まれた。今年は新型コロナウイルス拡大防止のため、「扇みこし」や「大たいまつ」「那智の田楽」などの行事を中止し、規模を縮小。雨が降る中、神職や役員、祭り関係者のみで静かに神事が斎行された。
扇祭りは、大社にまつられている12柱の神々を12体の扇みこしにうつし、那智の滝前に里帰りさせて神霊、神力を奮い起こし、万物の生成発展を祈る神事。
今年はコロナ予防のため、参列や見物の呼び掛けも行っていないという。そのため、中止となった扇みこしの代わりに、サカキに紙垂(しで)を取り付けた御幣(ごへい)12本に御霊を移し、木製の辛櫃(からひつ)に納め、扇指が2人で担いだ。
同じく大たいまつも出せないことから、神役が小たいまつ2本を持ち、子の使いが火の付いた小たいまつを持った。本社大前の儀、渡御祭の後は子の使い、馬扇、辛櫃、小たいまつの順に列を作り、例年通りの順路で滝を目指した。飛瀧(ひろう)神社に到着後は雨のため、神事は滝前の建物屋内で執り行われた。
男成宮司は五穀豊穣(ほうじょう)や国の繁栄などを願うとともに、コロナの終息に祈りを込めて祝詞を奏上した。
(2020年7月15日付紙面より)
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国土交通省近畿地方整備局は13日、新宮市役所別館で「熊野川懇談会」を開いた。学識経験者や地元関係者らが出席し、新宮川水系熊野川の今後の河川整備などについて意見交換が行われた。規約の改定や委員長選出もあり、委員長に京都大学防災研究所の藤田正治教授が、委員長代理に熊野自然保護連絡協議会副会長の瀧野秀二さんが選ばれた。
同懇談会は、新宮川水系直轄管理区間(猿谷ダム周辺、熊野川河口周辺)の河川整備計画を策定するに当たり、学識経験者から意見を聞くために平成16年10月に設置。熊野川らしさや、あるべき姿を踏まえつつ、「熊野川河川整備計画」の原案について意見を述べるとともに、関係住民の意見の聴取や反映方法について提言し、河川整備計画の策定に寄与する目的がある。
「河川整備計画」は、今後20~30年間の具体的な河川整備の内容を示したもの。長期的な河川整備の基本となるべき方針を示したものが「河川整備基本方針」となる。河川整備計画については、平成9年に地域の意向を反映する手続きが法改正により導入された。
第10回を数える今回の懇談会は、平成21年以来約10年ぶりの開催。平成23年の紀伊半島大水害により甚大な浸水被害が発生したことから河川整備基本方針を見直す必要が生じたため、見直しに先立ち懇談会を再開するに至った。新型コロナウイルス感染予防の観点から、一部の委員はウェブでの参加となった。
懇談会開催に当たり、藤田委員長は「熊野川は日本一と言っても過言ではない川。しかし紀伊半島大水害や明治の十津川大水害などに代表されるように災害に関しても大規模である。懇談会を通して、熊野川の安全と環境、利活用などバランスの取れた熊野川のあり方について議論ができれば」とあいさつした。
事務局は、懇談会の役割と経緯、熊野川の概要、水害以降の整備状況や対策などについて紹介。また、気候変動を踏まえた水災害対策の方向性と具体策について取りまとめた、社会資本整備審議会の答申概要についても説明した。
今後は、8月ごろに現地視察会を実施する予定。第11回の懇談会へつなげていく。
(2020年7月15日付紙面より)
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ノルディックウオーキング教室 (那智勝浦町 )
那智勝浦町で12日、ノルディックフィットネスウオーキング教室が始まった。本年度の参加者は18人。初日は講師の湊谷洋子さん、竹原生さんが専用のポール(棒)の持ち方や歩き方の基礎を指導し、参加者たちと汗を流した。
町教育委員会主催で、今年4年目となる人気の教室。フィンランド生まれのウオーキングで、ポールを使うことによりひざに負担をかけず、美しい姿勢で歩くことができる。通常のウオーキングに比べてカロリー燃焼効率が高く、二の腕、おなか周りの筋肉を効果的に使うという。
第1回は太地町の旧グリーンピア南紀で予定していたが、天候不良のため那智勝浦町教育センター内(旧三川小学校)体育センターで実施。参加者は靴ひもの結び方や安全確保について学び、早速ポールを振って歩く練習に取り掛かった。
同町の久保田妙子さんは「友人に誘われて参加した。ポールを使うことで、自分の体がもっと上手に使えるようになるのではと感じた」と語った。
今後は月1回集まり、町内の風景を楽しみながら歩く。期間中は町がポールを貸し出し、いつでも練習することができる。講師の竹原さんは「外で歩くともっと楽しい。次回は晴れるといいですね」と話していた。
(2020年7月15日付紙面より)
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抗体検査の結論など公表 (串本町 )
くしもと町立病院(竹村司病院事業管理者、阪本繁院長)が13日、職員156人(=休職中の5人を除いた全職員)を対象にして新型コロナウイルスの抗体検査を実施し、ともに陰性だったことを公表した。
この検査は先月15日から30日までの間、職員の感染歴把握と実施している感染予防対策の適切さを推し量る目的で正職員103人と会計年度任用職員など53人を対象にして段階的に実施。7月初旬に全ての結果がそろい、「全員陰性」との結論を得た。
同病院は同ウイルスの感染拡大の影響で外来患者数が昨年同月比で2割ほど減っている実感を持っていて、その背景に通院による感染の不安を抱えていることをつかんでいる。他方で医療の前線に立つ職員が全員陰性という結果は不安から受診や救急を控えている患者が安心するきっかけになると考え、結論を公表することにしたという。
同町の現在の人口は約1万5600人で、職員が町内外に在住する実情はあるが今回の検査数は人口のおおむね1%に相当。少人数だが実施率で見れば都市圏に勝る実績で、検査対象が20~60代という限定的な年齢幅であることやさまざまな職歴、同ウイルスの抗体保有期間などを勘案して「抗体保有者0」という数字は十分とは言えないが「町内では感染者はほぼゼロ」と推察できる資料であると同病院はこの結論を考察している。
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同病院は感染症患者とその他患者の接触を避けるため、今年1月に独自手法で発熱外来を設置。以降も来院者のマスク着用徹底や面会制限、同ウイルス感染症患者受け入れのための病室隔離用パーティションの事前準備などの感染予防対策を重ねている。
竹村管理者は、職員が一丸になって「感染すれば他人にうつしてしまう」ことを重々心得て感染予防対策に努めていることが結論に現れた、と判断。この結論が受診や救急を控えた末の重症化を防ぐ安心材料となることを願いつつ、①最大限の感染対策を行いつつ②地域の実情「患者の多くが高齢者であること」を踏まえ③必要以上に恐れず(正しく恐れて)④感染症を理由に診療を拒むことなく診療に当たる―と今後の方針を掲げ、併せて保険適用の抗原検査を導入しスクリーニングを実施したい考えも明かした。
公表に立ち会った田嶋勝正町長は「病院スタッフは感染のリスクが高いが陽性が1人もでなかったという状況は、まちにとって安心につながる結果だと思う。これを機に町民の皆さまに感染予防の徹底を改めてお願いし、まちとしてもコロナ対策に一層の力を入れていきたい」とコメントした。
(2020年7月15日付紙面より)
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奉賛会らが敷砂利整備 (神倉神社 )
神倉神社奉賛会(猪飼三雄会長)は2日、新宮市の神倉神社で敷砂利の整備を実施した。同会メンバーと同市熊野川町東敷屋の株式会社河崎砂利(河崎禮造代表取締役社長)の社員約15人が境内に砂利をまくなどして、奉仕活動に汗を流した。
同神社の敷砂利が少なくなってきていることを知った同社が、景観を損なわないよう役に立ててもらいたいと14㌧の砂利を寄贈した。
社員がトラックで運び、下ろした敷砂利を参加者らは協力しながらスコップでならし、境内の地面を平らにするなどして作業を進めた。河崎社長は「神倉神社は由緒あるところ。立ち寄る参拝者の人たちが美しいと思い、再び訪れたくなるような場所であってほしいです」。
猪飼会長は「河崎社長のご厚意と協力に大変ありがたく思います。新型コロナウイルスの影響もありますが、緊急事態宣言が解除されてから参拝客も少しずつ戻りつつある。多くの人に訪れてもらえるよう、今後も景観を保っていければ」と話していた。
(2020年7月4日付紙面より)
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鵜殿3組自主防災会が建設中 (紀宝町 )
紀宝町鵜殿の鵜殿3組自主防災会(森倉賢一郎組長)は、同地区の津波一時避難場所近くの高台に防災備蓄倉庫の建設を進めている。住民が協力して建築作業に取り組み、秋ごろの完成を目指している。
同自主防災会には約330世帯が所属。地震津波、水害に備え、高台の3カ所に一時避難場所を整備しており、倉庫は矢渕中近くと町福祉センター近くの各一時避難場所の中間にあり、両避難場所から遊歩道を歩いて向かうことができる。
完成後は住民が避難生活に必要な物資をまとめた衣装ケースを保管する。建物は木造平屋建ての約26坪。収納スペースや土間、仮設トイレ、物置を整備し、維持費削減のため電気、ガス、水道は設置しないという。
「大災害時の死者ゼロ」を目指そうと、2年前に計画が持ち上がった。海抜約30㍍にある町有地を借り、材料費はみえ森と緑の県民税の助成を受けた。町の前向きな協力も得て建設に踏み切った。
住民自らが立ち上がり、自主防災会で整備することを決めた。昨年6月から作業を開始し、伐採や草刈りなどに取り組み、1年がかりで土地を整備した。地盤改良や基礎工事などは専門業者に依頼し、先月21日の棟上げ後は住民が集まり作業に汗を流している。
森倉組長は「みんなで手作りすることで防災に関心を持ってほしい。避難所で生活するための物資を保管することで、避難時に重いリュックを持って逃げる必要がなくなる。災害後の災害関連死の減少にも役立つと思う。この取り組みによって町内や近隣市町の自主防災がより活発化するきっかけになれば」と話していた。
(2020年7月4日付紙面より)
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水産土木建設技術セと協定締結 (串本町 )
串本町は2日、一般社団法人水産土木建設技術センター(吉塚靖浩理事長)=東京都中央区=と漁港等の施設の災害復旧支援に関する協定を結んだ。
この協定は、同法人が内陸や道路に比べて施工頻度が低く技術の継承がしづらい点で水産関係施設の被災後の早期復旧が困難となっている現状を支援するため、自治体を対象にして締結の希望を受け付けている。平成30年8月の島根県松江市との締結を皮切りとし、同日までに全国15市町村(松江市は漁業集落排水施設と漁協等施設の2協定、他は漁協等施設の協定のみ)と締結。串本町は専門的な技術や業務の蓄積がある同法人の支援により迅速な復旧を図る目的で締結を希望したそうで、全国で17例目、県内では由良町、日高町に続き3例目になるという。
この日は串本町役場本庁で締結式があり、田嶋勝正町長は「大小21の漁港がこの町には存在する。最近の台風や高潮で本当に大きな被害がもたらされていて、今回の協定で専門的な技術を持つ水産土木建設技術センターと協定を結ばせていただけることを心強く思う」、吉塚理事長は「こういった活動を通して技術者が不足している自治体のご支援になればと思っているので、今後とも串本町さんとは災害時に手を携えながら円滑な復旧がなされるよう努力していきたい」と思いを交わしつつ、協定書への署名に臨んだ。
締結には同センターの松嵜哲夫調査役と吉田多真己調査役、役場産業課の南和夫課長ら担当職員も同席。南課長が平成30年度以降の同町における台風被害の状況を報告し、改めて思いを交わしあって歩み寄りを深めた。
この協定は各市町村が管理する漁港や漁場等の施設を対象とし、支援として▽災害の状況を確認するために行う現地調査業務▽災害報告に必要な資料の作成業務▽災害査定に必要な設計図書その他関係資料の作成▽災害査定への対応業務▽災害復旧支援に附帯する業務―を規定している。
(2020年7月4日付紙面より)
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たばこ組合新宮支部 (那智勝浦町 )
和歌山県たばこ商業組合新宮支部(塩崎伸一支部長)は2日、那智勝浦町役場とJR紀伊勝浦駅周辺で清掃活動に取り組んだ。参加した会員18人は新型コロナウイルスの感染予防に努めながら、ごみ拾いに汗を流した。
清掃活動は同組合女性部(大谷敏子部長)を中心にたばこのポイ捨て禁止や、未成年者の喫煙防止などの呼び掛けを目的に実施。寒さの厳しい2月と猛暑の8月を除き、活動している。
同支部は毎年7月初めに、同駅とJR新宮駅の2カ所で未成年者の喫煙防止を促す啓発を行っているが、本年は新型コロナの影響で中止となった。啓発の代わりとして、先月18日に新宮市役所から新宮駅までの清掃を実施。加えてこの日の活動となった。
大谷部長は「喫煙する人が減ったため、最近は吸い殻などのごみが少なくなった。しかし、組合としては少しでも町をきれいにしたいと思うので清掃を続けたい」。
未成年者の喫煙防止については「未成年の方も昔と比べてたばこを吸う人が減った。私たちもたばこを購入に来た方に対して年齢が分かる身分証の提示もお願いしている。たばこは20歳になってからお願いします」と語った。
次回は9日(木)に太地町の道の駅たいじで清掃を行うという。
(2020年7月4日付紙面より)
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軟式野球部「第4回大会」 (那智勝浦町体育協会 )