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【検索ステータス】 
2021年11月27日
1   

2021年11月27日
2 地域防災のリーダー育成
 新宮高校で防災スクール  

 新宮市の県立新宮高校(東啓史校長)で24日、県教育委員会主催の「高校生防災スクール」が開かれた。1年生192人が講義や訓練を通じ、地震発生時の電車からの脱出方法や被災時に役立つ知識を学んだ。

 和歌山県教育委員会主催の「県高校生防災スクール」の一環。高校生の防災意識を高め、地域防災のリーダーとして災害時に活動できるような生徒の育成を目的に、毎年1年生を対象に実施している。この日は新宮消防本部、自衛隊和歌山地方協力本部新宮地域事務所、JR西日本が協力した。

 開校に当たり、新宮駅の坂本純一駅長は「電車の中で地震が起こったとき、『揺れが収まったから大丈夫』ではなく、次に何をしたらいいのかイメージを持ち、行動に移せるようになってほしい」とあいさつした。

 JR西日本による講義では、津波避難三原則(想定にとらわれない、最善を尽くす、率先避難者たれ)を確認し、電車内から緊急脱出するための非常用ドアコックの操作法や各ドア付近に設置されているはしごの使い方を解説。新型コロナウイルス感染拡大防止のため、本年度は車両からの脱出訓練は行わなかった。

 防災体験では、クラスごとに心肺蘇生法や傷病者の搬送法の講習、土のう積み、ロープワーク、起震車体験などを通じ、さまざまな災害時に役立つ知識を学んだ。

 自衛隊員によるライフハック講習を受けた宮上伯都(はくと)君は「災害発生後に数少ない物で明かりを作ったり、食器を何回も使えるようにしたりする方法を教わった。どれも簡単にできることで、とっさのときにも行動できそう」と話していた。

(2021年11月27日付紙面より)

真剣な表情で心肺蘇生法講習=24日、新宮市の県立新宮高校
土のうを作る生徒たち
2021年11月27日
3 悠以さんを迎えて考える
 文化セで本年度人権講演  (串本町 )

 串本町の本年度人権講演会「LGBTトーク&コンサート」が24日夜に文化センターであり、233人(主催者発表)がシンガー・ソングライターの悠以さんと共に人権意識を高める機会を持った。

 町人権委員会(西野政和会長)が人権を考える強調月間(11月11日~12月10日)などに合わせて趣旨の裾野を広げる場として例年計画している同講演会。新型コロナウイルスの影響で前年度は中止したため、今回は2年ぶりの実施となった。

 始めるに当たり西野会長は、国連が採択したSDGs(エスディージーズ=持続可能な開発目標)の概要と日本の取り組みの現状や今年の日本のジェンダーギャップ指数が156カ国中120位という状況などをこの機に課題提起。今回の講演から学びを得ることを求めて聴講を促し、講師の悠以さんを迎えた。

 悠以さんは「自分らしく生きる」という演題の下で登壇。社会の中にLGBTがいることと大半の人が生まれついた性別で生きていることの2点に目を向けて性の多様性を考えてほしいと希望し、性同一性障害と向き合う自身の自分らしさ実現の歩みや母など周囲の支えを語りつづった。

 終盤では歌唱も披露して来場者に自身の存在を印象付け。同委員会の山本ちづき副会長が音楽を交えて考える機会を来場者へ託してくれたことへの感謝を悠以さんに伝え、会を締めくくった。

(2021年11月27日付紙面より)

自身の歩みを交えて性の多様性を伝える悠以さん=24日、串本町文化センター
2021年11月27日
4 地域全体で町をきれいに
 新宮市で今年最後の清掃活動  (たばこ組合紀南支部 )

 和歌山県たばこ商業組合紀南支部(塩崎伸一支部長)は25日、新宮市役所周辺で今年最後となる清掃活動を実施した。会員16人が参加し、新型コロナウイルス感染対策を施しながらごみ拾いに取り組んだ。

 同組合女性部(大谷敏子部長)を中心に、たばこのポイ捨て禁止や未成年者の喫煙防止などの呼び掛けを目的に活動しており、清掃は1997年度から開始。今年で24年目を迎え、年間25回ほどのペースで行われている。

 到着した会員はそろいのチョッキを身に着け、市役所から駅へとのぼりを掲げながら紙くずや吸い殻などのごみを拾い、汗を流した。

 大谷部長は「以前に比べるとたばこのポイ捨てやごみも少なく、地域の皆さんのマナーが良いことを実感しました。しかし、ゼロにすることは非常に難しい。来年も引き続き地道な活動を続けて周知し、地域全体で町をきれいにする意識を深めてもらえれば」と話していた。

 次回は来年1月20日(木)に、道の駅なち周辺で清掃活動を予定している。

(2021年11月27日付紙面より)

和歌山県たばこ商業組合紀南支部の皆さん=25日、新宮市役所周辺
清掃活動に取り組む会員たち
2021年11月27日
5 西垣戸農園Part2が優勝 第172回職場対抗ボウリング大会 
2021年11月27日
6 8組16人が熱戦展開
 新宮市民スポ祭硬式テニス  
2021年11月27日
7 新宮スポ少Aが優勝
 東牟婁スポ少交流大会バレーボール  
2021年11月27日
8 1位に西美晴さん  写連新宮支部11月例会  
2021年11月27日
9 「縁結びの神様」効果?  新宮で共演、菅田さんと小松さん結婚  
2021年11月27日
10 経済と文化つなぐツールに  紀南アートウィーク  (和歌山県 )
2021年11月27日
11 体操で健康寿命保つ  いきいきサロン三四朗  (那智勝浦町 )
2021年11月27日
12 ペンケースを作ろう  三輪崎公民分館がレザークラフト教室  (新宮市 )
2021年11月27日
13 体験通じ「福祉」学ぶ  太地小で車いす&高齢者体験  
2021年11月27日
14 プレーを通じ交流深める 公民館親善グラウンドゴルフ大会 (新宮市)
2021年11月27日
15 避難経路を確認し高台へ  城南中、王子ヶ浜小が合同訓練  (新宮市 )
2021年11月27日
16 願いつり上げ大きさ実感  「体験!ロケットの高さ」  (串本町 )
2021年11月27日
17 縦割りで話し合う力培う  西向小「つながりタイム」  (串本町 )
2021年11月27日
18 22年版の取り扱い開始  串本町観光カレンダー  (南紀串本観光協会 )
2021年11月27日
19 夜間態勢などで話し合い  警察署再編後を考える会  (串本警察署 )
2021年11月27日
20 学年発表で成長示す  高池小が学習発表会  (古座川町 )
2021年11月27日
21 保育所などで砂の入れ替え  建設業組合が地域貢献活動  (紀宝町 )
2021年11月27日
22 地域で子育て支えよう  ファミサポが会員講習会  (紀宝町 )
2021年11月27日
23 飲酒運転根絶など  年末の交通事故防止活動を協議  (南郡交通安全対策協 )
2021年11月27日
24 お悔やみ情報
  
2021年11月09日
25 虹を浴び、光り輝く年に 熊野本宮大社で絵馬完成 

 田辺市本宮町の熊野本宮大社(九鬼家隆宮司)で8日、来年のえと「壬寅(みずのえとら)」の大絵馬と小絵馬が完成した。大絵馬は12月2日(木)に、大しめ縄と共に大社神門に掲げられる。

 スギ材などで作った大絵馬は、横232㌢、縦117㌢。九鬼宮司が8月半ばごろから構想を練り、制作に着手した。太陽を背にした白虎が、先を清眼として見据える構図で、全体を包み込む形で虹を描いた。

 「人々が未来に向かって進み、皆にとって光指す一年であるように」と思いを込め、「一筋の道」と「光」の文字を揮毫(きごう)した。

 新宮、白浜、紀伊田辺、周参見のJR各駅に掲げる小絵馬には、同じく太陽を背に先を見据える虎の姿。それぞれのまちのキャッチフレーズから印象的な単語を抜粋し、そこから着想を得た色で「蘇」の文字を書き入れた。

 新宮駅には24日(水)、紀伊田辺、白浜、周参見駅には26日(金)に授与する。旅の安全を願い、南紀白浜空港にも大絵馬を贈る予定。

 九鬼宮司は「新型コロナウイルス感染症の影響で多くの人の生活が一変した。今年もコロナ禍の中で年を越すが、来年こそは自分の歩む道が定まり、虹を浴びながら光輝く一年であってほしい」と絵馬に込めた思いを語った。

(2021年11月9日付紙面より)

「光輝く一年に」。絵馬を完成させた九鬼家隆宮司=8日、田辺市の熊野本宮大社瑞鳳殿
2021年11月09日
26 「佐藤春夫から中上健次へ」 コーナー開設記念し公開講座 (熊野大学)

 新宮市下本町の市文化複合施設「丹鶴ホール」で6日、市立図書館中上健次コーナー開設記念公開講座「佐藤春夫から中上健次へ―日本近代文学の百年」があった。熊野大学(松本巌理事長)主催。文芸評論家の高澤秀次さん、市立佐藤春夫記念館の辻本雄一館長、中上健次(1946~92年)の長女で作家の中上紀さんが、新宮が生んだ2人の文豪について講話した。

 「試験もない、校舎もない、校則もない。誰でもいつでも入学でき、卒業は死ぬ時」という熊野大学は1990年、中上によって設立。中上の逝去後は、遺志を受け継いだ有志たちが中心となって活動を続けている。

 中上が亡くなった月でもある8月のセミナーには例年、墓参りも兼ねて全国から多くの中上文学ファンが熊野地方を訪れるが、台風や新型コロナウイルスの影響で3年連続の中止に。

 このたびは市文化複合施設の完成に伴い新図書館に「中上健次コーナー」が新設されたことを記念し開催に至った。

 開催に当たり、松本理事長は生前の中上との交流や、熊野大学設立の経緯などを説明し「立派な施設と、立派な中上健次コーナーができた。健次のことを広く知ってもらえることをありがたく思っている」。

 紀さんは同コーナーの概要を紹介。「コーナーに近づくと生前最後の映像といわれるビデオが流しっぱなしとなっており、誰でも映像で健次の姿を見て声を聞くことができる。健次も喜んでくれていると思う。今日はセミナーではないが、3年ぶりの熊野大学の発信。短い時間だが皆さんと一緒にどっぷりと空気に浸りたい」とあいさつした。

 来年2022年は春夫(1892~1964年)が生誕して130年、中上が逝去して30年を迎える。辻本館長は「芥川賞を受賞する前、健次は『佐藤春夫のばい菌が満ちあふれている』と小説を書くきっかけについて話していた。文学的な風土がある、と。2人の文学は新宮と熊野の風土や歴史と深い関わりがあったのでは」と言及。

 「健次が亡くなった時、『近代文学は終わった』という言い方を報道などでよく目にした。春夫と健次の間の100年は近代文学の100年にぴったり重なるが、健次は近代文学そのものを批判して物語を展開していたと思う」と見解を述べた。

 高澤さんは「日本近代文学を2人に象徴させて語ることは決して奇抜な方法ではない」と述べ、日本近代文学の歴史について説明。中上の著書「枯木灘」について文学評論家の江藤淳(1932~99年)は「この作品によって自然主義文学の理想は達成された」と評価したと紹介した。

 また、主人公が被差別部落出身であることを告白したのちテキサスに渡るまでを描いた島崎藤村の「破戒」に関して「中上はカミングアウトして逃げていると、新宮の地で批判を展開した。そのことは日本近代文学に放った第一の矢だと思っている。物語と小説の関係性を問いただした作家であった」。

 春夫については「当時の日本文学の最前線だった。日本の自然主義文学から逸脱したモダンで実験的な小説を書いた」と評価。熊野地方から大石誠之助をはじめとする6人が連座した「大逆事件」(1911年)以降、日本文学は大きく方向転換したとし「(2人は)近代文学を問いただした作家であり、難関を突破し難関(『大逆事件』)を前にたじろいだ作家」であると述べた。

 また、中上が春夫に対し「『大逆事件』を回避している。熊野を真正面から書いていない」と批判したことに対し「佐藤春夫というターゲットがいなければ展開されなかった」と言及。

 対し辻本館長は、春夫の短編「砧(きぬた)」では直接「大逆事件」に触れてはいないものの、「大塩事件」(大塩平八郎の乱)の熊野に与えた影響が述べられているとし「『大逆事件』の後遺症の影が投影しているのでは」と話した。

(2021年11月9日付紙面より)

高澤秀次さん(右)と辻本雄一・市立佐藤春夫記念館長が2人の文豪を論じた=6日、新宮市の「丹鶴ホール」
熊野大学公開講座の様子
中上紀さん
2021年11月09日
27 平和な未来に歩み誓う
 コロナで延期の成人式に75人  (熊野市 )

 熊野市は7日、成人式を催した。対象の新成人は154人。うち75人が参列した。りりしい背広姿や華やかな振り袖姿で会場の熊野市民会館=木本町=に集い、旧知の友人たちとの再会を喜び合いながら、成人として恥じない行動とこれからの活躍を誓い合った。

 紀北町から紀宝町までの2市3町の成人式は、コロナ禍の影響で全てが11月に延期。熊野市も例年なら1月3日に開催していたがこの日、感染拡大防止のために簡素化して東紀州地区トップの開催となった。中村天音(あまね)さん(21)=2015年、木本中卒=が司会を務め、倉本勝也教育長は式辞の中で、これまでとは違った形の式の開催に理解を求めながら、「自分や家族など大切な人や地域の人を守るため、コロナ感染防止の行動を」と注意を促した。

 河上敢二市長は高校生時代に何度か熊野を訪れ、大リーグ・エンゼルスでも投打二刀流の大活躍で人気沸騰の大谷翔平選手を例に、「夢に向かって努力を。夢はかなうものではなく、かなえるもの。努力すれば夢が近づく」と述べ、人生の大海原にこぎ出す若者たちを激励した。

 新成人を代表して濵中良輔さん(21)=15年、有馬中卒=が誓いの言葉。育ててくれた両親、家族、友人、先生方、地域の人々の温かい支えに感謝しながら、「将来は教師として、大好きな熊野市に恩返ししたい」と希望を語り、「新成人として感謝と思いやりの心を忘れず、平和な未来に向かって歩んでいく」と誓った。

 式後は校区別に記念写真の撮影。市民会館前でも友人同士が互いに写真を撮りながら、話に花を咲かせていた。無事に司会を終えた中村さんは「緊張した。仲の良い友達が来られなくて残念だった」と振り返った。

(2021年11月9日付紙面より)

国歌を斉唱する新成人=7日、熊野市木本町の市民会館
誓いの言葉を述べる濵中良輔さん
2021年11月09日
28 津波想定し高台へ避難
 那智勝浦町で統一津波避難訓練  

 那智勝浦町は6日、「令和3年度町内統一津波避難訓練」を町内各地で実施した。今回は町内19地区が参加。発生が懸念される南海トラフ巨大地震を想定し、住民らは津波から身を守るため高台などに避難した。

 2014年に和歌山県が発表した同町の被害想定の死者数は、南海トラフで1万1700人、三連動地震で5200人。さらに津波避難困難地域に指定される地区が多いことから町では避難路整備や津波避難タワーの建設などを進めてきた。

 訓練は発災時に「必ず避難行動を取る」「情報の伝達」「避難所運営」などの行動を住民が実行できるように取り組んでいるという。八反田地区では自主訓練のみ行った。

 訓練では南海トラフ巨大地震が発生し、震度6弱~7でマグニチュード9・1を想定。午前9時3分に訓練を告げるサイレンと放送が行われた。

 参加した勝浦四区の住民は、町立勝浦小学校敷地内に造成された高台へ避難した。この高台はかさ上げと造成によって4000平方㍍の平地が確保されており、災害時には多くの町民が避難できる。今年7月から着工し、同校が夏休み期間中に工事が進められた。訓練での使用は今回が初めて。

 この日は勝浦六区も同校敷地内で実施。町内3カ所に一時避難することになっている同区はその内の1カ所として避難を行った。

 四区では避難した区民の受け付け後、発電機の使用訓練や町災害対策本部への情報伝達訓練に取り組んだ。区民にはハザードマップや非常用持ち出し袋に備蓄する必要物のリスト、避難カードなどが配布された。

 同区防災部長を務める梶信隆さんは「災害はいつ発生するか分からないので心構えが必要。まずは避難することを念頭に置いてほしい」。

 楠本修一区長は「常に防災意識を持って日常生活を送ってほしい。そのための訓練」と語った。

 なお、この日は町民が964人、町職員6人、新宮警察署から3人が訓練に参加した。

(2021年11月9日付紙面より)

高台へ避難する住民ら=6日、那智勝浦町立勝浦小学校敷地内
避難した区民の受け付けなどを行った
2021年11月09日
29 野菜摂取など測定機会提供  道の駅で健康増進イベント  (串本町 )
2021年11月09日
30 選手27人の登録得て初動  ジュニア駅伝チーム結団  (古座川町 )
2021年11月09日
31 8校7組が演奏響かせる  串本で2年ぶりにつどい  (紀南地区吹奏楽連盟 )
2021年11月09日
32 新宮城跡を英語で案内しよう  英会話とガイドの知識吸収  (新宮市 )
2021年11月09日
33 こども食堂再開に向け寄贈  木原造林がクローバーの家に  (新宮市 )
2021年11月09日
34 元気いっぱい種目に挑戦  たづはら保で運動会  (新宮市 )
2021年11月09日
35 豊富な出店でにぎわう  太田の郷でフリーマーケット  (那智勝浦町 )
2021年11月09日
36 劇や落語で成長見せる  市小ふれあい祭り&秋祭り  (那智勝浦町 )
2021年11月09日
37 育てたサツマイモを収穫  秋空の下で芋掘り大会  (成川保 )
2021年11月09日
38 5カ月ぶりに集いの場再開  鵜殿地区で「かわりない会」  (紀宝町 )
2021年11月09日
39 お悔やみ情報
  
2021年11月03日
40 秋晴れの下、熱い声援
 第15回新翔高校体育祭  (新宮市 )

 雲一つ無い爽やかな秋晴れが広がった2日、新宮市の県立新翔高校(藤田勝範校長、生徒312人)で第15回体育祭(硲一静実行委員長)が開催された。今年のテーマは「とびだせ!新翔の森」。生徒たちは各種目で学年を超えて声援を送り合い、生き生きと青春の一ページを楽しんだ。

 新型コロナウイルス感染拡大による夏休みの延長や分散登校の影響を受け、例年よりも1カ月遅れての開催となった。

 開会式に当たり、硲実行委員長は「練習時間は限られていたが、今までの成果を発揮し、ルールを守れば、とてもいい体育祭になると思う。全力で楽しんでいきましょう」とあいさつ。藤田校長は「久しぶりの全校行事。新型コロナ対策、水分補給、けがに気を付け、頑張って」と激励した。

 聖火入場に続き、青、赤、黄、緑の4ブロックを代表して大野百虹(もこ)さん、大石翔稀君、中本嵐君、坂本拓斗君が「僕たち私たち選手一同は、体育祭という日のため、一生懸命努力し、頑張ってきました。諦めず、助け合い、体育祭を開催してくれたことに感謝し、最後までやり遂げることを誓います」と宣誓した。

 競技はクラス対抗リレー予選でスタートし、教師陣も加わって白熱したレースを繰り広げた。大縄跳びや応援コンクール、楽しすぎるリレー、フォークダンスなどもあり、学校全体で盛り上がりを見せていた。

(2021年11月3日付紙面より)

大野百虹さん、大石翔稀君、中本嵐君、坂本拓斗君が宣誓=2日、新宮市の県立新翔高校
2021年11月03日
41 聖地比較を試みる
 羽黒と熊野の共通点とは  (東大人文・熊野フォーラム )

 東京大学大学院人文社会系研究科は10月30日、オンラインで東大人文・熊野フォーラムin羽黒「羽黒と熊野 聖地比較のこころみ」を開催した。同大学大学院人文社会系研究科長の秋山聰さんや金沢美術工芸大学・東京家政学院大学客員教授の松﨑照明さん、国際熊野学会代表委員の山本殖生さん、東北大学名誉教授の佐藤弘夫さんがそれぞれ講演。さまざまな視点を通して、羽黒と熊野の比較を試みた。

 新宮市教育委員会、出羽三山神社共催。新宮市は今年3月、東京大学大学院人文社会系研究科・文学部と連携協定を締結。東京大学と共に人文学を応用しての地域振興や交流促進、地域連携活動などを図っており、同フォーラムはその一環として開催。フォーラムの様子は山形県鶴岡市羽黒町のいでは文化記念館から配信された。

 秋山さんは、自身と熊野地方との出会いや関わりなどを説明。秋山さんおよび同科がこれまで熊野地方で展開してきたフォーラムやシンポジウムなどを振り返り、同フォーラムの趣旨について「熊野に限定せず、いろいろな地域でやってみようという試み」と話した。

 松﨑さんは「熊野・大峰と羽黒の建築」と題して講話。能・狂言に登場する山伏から出羽と熊野・大峰の関わりを話し、羽黒山境内と大峰山寺境内の類似性について言及。「共通性が高く、大峰山で修験していた人たちの影響があったのでは」と述べた。

 出羽三山神社の特殊神事「松例祭」における「国分神事」は「東三十三カ国を羽黒権現の土地に、西二十四カ国を熊野権現領に、九州九カ国は英彦山権現領」とする内容であると紹介。吹越籠堂(羽黒山中)と新宮礼殿の類似点や、神仏混淆(こんこう)の時代には虚空蔵山、熊野長峰を含めた三山を熊野三所権現とした修験道場であった金峯山と羽黒山の関係についても話した。

 山本さんは「聖地熊野三山の成立と伝播―出羽三山との比較を視野に―」を演題に講話した。熊野の祭神と三山の成立について話し「牟須美(結)・速玉神は新宮で勢力を誇った豪族夫婦の祖霊神では」と述べ、熊野速玉大社の「家津御子大神坐像」は「熊野速玉大神坐像」「夫須美大神坐像」に比べて制作時期も新しく、「一遍聖絵」(1299年)では牟須美(結)・速玉神が回廊に囲まれて特別扱いされているとし「本宮が新宮の豪族の影響を受け、夫婦神を祭らざるを得なかったのでは」と持論を語った。

 出羽三山と熊野三山の類似点について「どちらも他界信仰の聖地であり温泉信仰の霊場であり、出羽三山は火山性、熊野三山は熊野カルデラに基づく自然崇拝の聖地」。

 羽黒山を開山した能除上人を八尺の霊烏が導いたといった故事と熊野の八咫烏(やたがらす)についても言及。「聖地成立の要因の究明や霊場形成の展開の解明、信仰伝播の実相探求は課題。これからも山岳霊場の調査を通して交流を推進していければ」と締めくくった。

 佐藤さんは「熊野信仰と羽黒山―聖地誕生のメカニズム―」と題し、「中世では、この世にいるのは不幸な死者であると考えられ、別世界のイメージは膨脹した。人々を浄土に導く垂迹(すいじゃく=他界の仏の化現)や、垂迹の所在地としての霊場などを求めた」と解説。垂迹のいる場所(霊場)は山などの景勝地に造られたなどと話した。

 講演後には、出羽三山神社の阿部良一権宮司、東京大学大学院人文社会系研究科教授の唐沢かおりさんも加わり、総合討議が行われた。

(2021年11月3日付紙面より)

東京大学大学院人文社会系研究科長の秋山聰さんが熊野との関わりなどについて話した=10月30日(オンライン画面より)
2021年11月03日
42 伝統文化通して手話を身近に
 「丹鶴ホール」で手話狂言  (新宮市・北山村手話狂言実行委 )

 新宮市・北山村手話狂言実行委員会(森常夫会長)は10月31日、新宮市下本町の市文化複合施設「丹鶴ホール」で「聞こえる人も聞こえない人も一緒に楽しめる手話狂言」を開催した。来場者らは狂言やワークショップを通し、手話や演劇について理解を深めた。

 30日に開幕した「紀の国わかやま文化祭2021」障害者交流事業の一つ。日本の伝統芸能である狂言を手話と音声双方で表現し、聞こえる人も聞こえない人も共に楽しむことができる演劇を通じ、手話や演劇について理解を深め普及を図ることを目的としている。

 開催に当たり、森会長は「障害者差別解消法が施行されたが、当地域の手話通訳者は不足していることは緊急の課題となっている。手話言語条例も圏域市町村で次々と制定されている。地域の中で手話が広がりを見せている今、手話狂言は時期を得たと思い計画した。障害のある人もない人も共に楽しんでほしい」とあいさつ。

 田岡実千年新宮市長は「障害への理解を深めるとともに、障害あるなしに関わらず地域の方の文化活動が一層広がり、活躍の場が増えることを期待している」。山口賢二北山村長は「北山村においても9月本議会で手話言語条例を制定した。今日はこの貴重な機会にぜひお楽しみいただきたい」とそれぞれあいさつした。

 演目は日本ろう者劇団による「附子(ぶす)」。和泉流狂言師三宅右近師が指導した。同劇団は1980年に「東京ろう演劇サークル」として発足。社会福祉法人トット基金理事長の黒柳徹子さんと出会い、同基金の付帯劇団となり劇団名を改称。手話狂言や創作劇など独自のレパートリーを持って全国各地で公演している。

 「附子」は、主人が太郎冠者と次郎冠者に、おけに入った附子(毒薬の名)に気を付けるよう言い聞かして外出するが、怖い物見たさに附子に近づいた2人はおけの中身が砂糖であることに気付き、食べてしまったことに対する主人への言い訳を考えるといった内容。

 太郎冠者と次郎冠者のしぐさや対話、息の合った演技に、客席からは拍手と笑いが巻き起こった。

 演目後には狂言方和泉流の三宅近成さんと、和歌山県出身で太郎冠者を演じた數見陽子(かずみ・あきこ)さんによるワークショップもあった。

 三宅さんは、会話としての手話と手話狂言で用いる手話との違いなどについて解説し「254ある狂言のうち70番が手話狂言として制作されている。両手に物を持つものや謡(うた)が主なものもあることから、手話狂言に作られていない演目もあるがどうにかしてレパートリーを増やしている」と説明。

 来場者らは三宅さんと數見さんから狂言の「カマエ」や手話狂言による「名乗り」などを学び、伝統文化と手話に親しむ機会とした。

(2021年11月3日付紙面より)

手話狂言による「附子」の一幕=10月31日、新宮市の「丹鶴ホール」(「附子」和泉流狂言師三宅右近師指導、日本ろう者劇団)
ワークショップでは狂言の「カマエ」や、手話で名乗りなどを体験
2021年11月03日
43 那智駅に掃除道具の作品
 メランカオリさんが展示  (紀の国トレイナート )

 JRきのくに線の各所を舞台にJR西日本や地域の有志、アーティストが共に立ち上げたアートプロジェクト「紀の国トレイナート」が10月31日から11月21日(日)まで開催されている。これまで本紙エリア内の作品と作成したアーティストを紹介してきた。今回はJR那智駅の駅舎内に力作「紀伊半島を巡る掃除道具とコンフェッティ・タロット」を展示しているメランカオリさんを取材した。

 学生時代から、熊野地方に興味があり度々、足を運んでいたというメランカオリさん。東京芸術大学大学院先端芸術表現専攻修了後、古文講師や地球儀加工員を務める傍ら、「土星プロレス」と称した独自の占いによる作品を展開している。

 2017年に初めてトレイナートに参加。ラストランを迎える今回は、学生当時から制作し続けている掃除道具に焦点を絞る。作品は熊野古道で拾った枝と竹ぼうき、那智の浜に打ち捨てられた端切れと雑巾などの素材を用いて作成。

 床掃除で使用する水切り用具の先端部分を加工した那智黒石で演出し、クジラのヒゲを使ったブラシなどさまざまな道具が集まり、一つの作品を形成している。

 メランカオリさんは「人や物の交流が長年続くトレイナートはすごい。節目の年に参加できて良かった。作品は最初から掃除道具の形にすると決めていた。地域にあった物や土産物などが掃除道具に生まれ変わった様や、近寄って直視した際に類似性の発見、胸を打つ瞬間を感じ取っていただけたらうれしいです」と語った。

 なお、臨時アート列車「紀の国トレイナート号」走行日は11月6日(土)。御坊―新宮間を巡る。期間中は各地で関連イベントや沿線のまちへのローカルダイブも行われる。問い合わせは同実行委員会事務局(電話080・5786・2652、0739・22・5064)まで。

(2021年11月3日付紙面より)

メランカオリさんの作品が展示=JR那智駅
2021年11月03日
44 秋を鮮やかに彩る  「御所の地」のコスモス  (那智勝浦町狗子ノ川 )
2021年11月03日
45 練習や学習の成果を披露  緑丘中で文化祭  (新宮市 )
2021年11月03日
46 和歌山東漁協に長官感謝  航行援助業務への協力で  (海上保安庁 )
2021年11月03日
47 ハロウィーン気分満喫  串本・古座川の園児ら楽しむ  
2021年11月03日
48 中高の町代表各1人選出  第4回ビブリオバトル大会  (串本町 )
2021年11月03日
49 ランウェイでポーズ決め  仮装ファッションショー  (井田保 )
2021年11月03日
50 ホットプレートでパン作り  親子5組が和気あいあいと  (紀宝町 )
2021年11月03日
51 避難道路としての役割も  町道上野3線が完成  (紀宝町鵜殿 )
2021年11月03日
52 テーブル囲み笑顔あふれる  4カ月ぶり「子ども食堂」  (紀宝町 )
2021年11月03日
53 お悔やみ情報