補陀洛山寺で立春大護摩供星祭 (那智勝浦町 )
那智勝浦町浜ノ宮の補陀洛山寺(髙木智英住職)で27日、立春大護摩供星祭(りっしゅんおおごまくほしまつり)があった。昨年に引き続き、今年も新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から僧侶や職員のみが参加。コロナ終息を願い、髙木住職らが「鬼は外、福は内」と掛け声を発し、一足早い豆まきが行われた。
同寺の国重要文化財の本尊「三貌(さんぼう)十一面千手千眼観世音菩薩(ぼさつ)」を開帳し、髙木住職らが法要を営んだ。
続いて本堂内の護摩壇で護摩木をたき上げ、家内安全、商売繁盛、身体健全などを祈願。その後、僧侶2人が本堂の回廊から境内に向けて豆をまいた。
例年は多くの参拝者が集まる中、かみしも姿の厄年の人たちが境内に設置したやぐらから豆まきや餅まきを行いにぎわっている。
昨年8月に同寺の住職を、11月に那智山青岸渡寺の副住職を拝命した髙木住職は「僧侶にできることは限られているが、天台宗には『一隅を照らす』という言葉がある。それぞれの場所で自らができることを懸命に努力して光り輝くことで、世の中や社会が明るくなる。その思いを持って、一日も早いコロナ終息と安穏を祈願させていただいた。また、コロナや厄、邪気である鬼を払って福が来るように豆まきも行いました」と語った。
なお、毎年多くの人々が参拝に訪れる那智山青岸渡寺(髙木亮英住職)の「節分会」はコロナの感染拡大防止のため、中止を発表している。
(2022年1月29日付紙面より)
動画「ころころ体操」公開 (串本町 )
串本町がこのほど、介護予防体操動画「ころころ体操」を作成した。昨年12月から町公式ホームページ(HP)上で公開していて、作成した町地域包括支援センターは「外出自粛を求められる今こそ健康づくりを意識してほしい」とし視聴を呼び掛けている。
この動画は、新型コロナウイルス感染拡大に伴う外出自粛で体力や認知が衰えるのを抑える目的で作成。前年度に同様の目的で実施した介護予防教室「ころころ教室」で参加者に紹介した家庭で取り組める体操を厳選収録し、所要時間約15分のレッスン動画として昨年夏に仕上げた。
同教室を指導した株式会社シグの理学療法士・高垣弘行さんが監修し、▽グーパー体操▽肩回し体操▽腹筋体操▽スクワット▽バランス体操▽ふくらはぎストレッチ▽ハムストリングスストレッチ―の内容とコツを紹介。同センターと町社会福祉協議会の生活支援コーディネーター2人が紹介に合わせて適切な動作を実践し、視聴しながら取り組めるよう工夫している。
視聴する方法は今月27日現在で2系統あり、昨年秋から取り組み始めた地域リハビリテーション活動支援事業の参加者には希望制で収録DVDを配布。町公式HPからはトップページ→暮らしの情報「高齢・介護」→新着情報「地域リハビリテーション活動支援事業(21・12・2)」とリンクをたどった先のページ中段にある再生画面から視聴できる。視聴自体は無料だが、スマートフォンなど通信端末を使う場合の通信料は各自負担となる。
外出自粛は日頃の社会活動参加がもたらす体力や認知への好刺激を少なからず減じる。その不足分を家庭の中で補える状況を作って外出自粛で不健康になってしまう町民を一人でも減らしたい、というのが同教室や同動画に込めている願い。同コーディネーターの中まどかさんは「新型コロナウイルスが感染拡大したときのために作った動画。町民の皆さまに親しんでもらえるよう、よく知ってもらっている生活支援コーディネーター2人も協力させていただきました。ぜひこの動画を役立ててもらえれば」と話している。
(2022年1月29日付紙面より)
CSマイスターミニ座談会 (和歌山県 )
和歌山県教育委員会は26日、オンラインを用いて「令和3年度県CS(コミュニティスクール)マイスターミニ座談会」を開いた。学校運営協議会や共育コミュニティ関係者、教育関係者ら21人が参加。県CSマイスターの対談などを通して学びを共有した。
県CSマイスター(※)と学校・家庭・地域など、各教育分野の参加者が互いに学び合い、交流を深めることにより、きのくにコミュニティスクールのさらなる推進の輪を広げることを目的に実施。交流センター太田の郷(那智勝浦町南大居)に会場を設けての開催を予定していたが、新型コロナウイルス感染拡大状況を鑑みオンライン開催に切り替えた。
県は▽「この地域で育ってよかった」と思える子ども▽地域社会を支えようとする意欲あふれる子ども▽ふるさとに愛着を持てる子ども▽ふるさとの未来を託せる子ども―を目指す子ども像としており、2008年に「きのくに共育コミュニティ」(国では学校支援地域本部事業)、17年に「きのくにコミュニティスクール」(同、コミュニティ・スクール)を開始した。
この日のテーマは「きのくにコミュニティスクールは宝の山~すべての子供が輝くCSをめざして~」。文部科学省CSマイスターの大谷裕美子さん(県CSマイスター)と串本町統括コーディネーターの森博司さん(同)による対談「CSマイスター裕美子の部屋~森CSマイスターとの対談より~」からスタートした。
森さんは自己紹介に加え、教育現場を通した自身のコミュニティ・スクールとの関わりなどについて説明し「コミュニティ・スクールは最終的には子どもたちの学力向上に返っていかなければならない」。
対し大谷さんは「いろんな事情のある学校もあり地域の特性もある。学力はあくまでも数字。社会教育は数字では表せない部分も多い」などと見解を示すとともに、県内の状況について情報交換をした。
対談後、参加者らは「コミスクの困りごと&私の町の宝もの」をテーマにグループ交流を通し、協働の大切さを再確認した。
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※CSマイスター=コミュニティ・スクールや地域学校協働活動などについて経験と知識が豊富であり、実践に携わった実績を有する者
(2022年1月29日付紙面より)
太田の郷で収穫体験 (那智勝浦町 )
那智勝浦町南大居の交流センター「太田の郷」は現在、施設の畑で、今が旬の高菜の収穫体験を実施している。26日には近隣の太田小学校に通う向山遙乃さん(6年)と宮井璃奈さん(5年)が体験に訪れ、コンテナいっぱいの高菜を収穫した。
畑では一般的なカラシナと辛味の少ない三池高菜の2種類を栽培している。新型コロナウイルス感染拡大の影響で「高菜の恵方巻作り&節分遊び」のイベントを中止したため、申し込みがあった参加者に随時収穫をしてもらう形に変更した。
収穫に訪れた2人は、太田の郷の石田一事務局長らに教わりながら、はさみや包丁で大きく育った外側の葉を収穫。慣れない姿勢に「腰が痛い」と笑いながら1畝の収穫を終え、おまけのダイコンも持ち帰った。
太田区周辺では浅漬けではなく、しょうゆやみりんで甘辛く炊いた高菜の葉で「めはり」を作る。太田区集落支援員の谷口真実さんは「豚肉と甘辛く炒めたり、じゃこと炒めてふりかけにしたりするのもおすすめ。地元の方は、同じく冬が旬のイルカと一緒に煮付けにすると聞きました」と語った。
石田事務局長は「暖かくなる前の今は虫食いもなく、いい状態で収穫できるのでは」と参加を呼び掛けている。収穫は1家族5㌔まで1㌔180円。申し込みは、2月10日(木)ごろまで随時募集している。問い合わせなどは、太田の郷(電話0735・30・0566)まで。
(2022年1月29日付紙面より)
プレミアム付商品券、使用期限迫る (新宮市 )
新宮市が発行する「市プレミアム付商品券」の販売終了および使用期限が1週間後の31日(月)と迫っている。現在の購入率は約66%で、当初見込んでいた7割に届く勢い。市では販売・使用終了直前に伴う駆け込み需要にも期待を寄せている。
新型コロナウイルス感染症の影響による市民の生活支援を行うとともに、落ち込む地域経済の活性化を図ることを目的に発行。1冊7000円分(500円券×14枚つづり)が5000円で購入できる(プレミアム率40%。1人当たり2冊まで購入可能)。1冊に「地元店舗限定券」と「全店舗共通券」が3500円分(7枚ずつ)の仕様となっており、市内566店舗で使うことができる。
現在の販売金額は約1億7000万円で発行金額は約2億4000万円。大型スーパー含む小売業店舗における使用が全体の約7割を占め、次に飲食業と続く。担当課である市商工観光課は「日用品で使用する人が多い印象。普段から使っている店舗で使いたい人が多いのでは」と見解。
市内でサービス業を営む70代男性は「(商品券の)販売直後は使用されるお客さんがいたがしばらく落ち着いていた。今朝(24日)になって『使うのを忘れていた』と商品券による支払いを希望する人がいた」。
40代男性は「(商品券を使って)一度家族で焼き肉を食べに行ったが、ほとんどを日用品で使った」。30代男性は「(商品券を)購入するのを忘れていた。まだ間に合うなら買いたい。少しぜいたくして普段食べないものを購入したい」と話していた。
商品券を購入する場合は昨年6月下旬に市から郵送された購入引換券(はがき)と本人確認書類を持参し、市内郵便局13カ所(簡易郵便局を除く)で希望の冊数を代金と引き換える。なお、購入引換券を紛失した場合、1回に限り同課で再発行が可能。再発行を希望する人は印鑑を持参し同課窓口で申請を。
取扱加盟店一覧表は市内郵便局、市役所、三輪崎支所、高田支所、熊野川行政局で配布。市ホームページにも掲載している。
(2022年1月26日付紙面より)
加寿地蔵尊で初地蔵まつり (那智勝浦町 )
加寿(かす)地蔵尊世話人会(中田勝康代表)は23日、那智勝浦町の熊野古道駿田峠の加寿地蔵尊(同町湯川笹ノ子)で「初地蔵まつり」および鈴姫開眼供養祭を開いた。近隣から参拝者らが訪れ、身体健全や無病息災を祈願した。
世話人会によれば、加寿地蔵尊は千年前に熊野詣での途中、駿田峠で命を落としたといわれる3人の姫を祭っており、婦人病や足腰の病に御利益がある。3人目の「鈴姫」の社が長年発見されていないことから、このたび新たに社を建て、開眼供養祭を営むこととした。
この日は雨天のため、拝み社で中田代表と修験者の富岡秀清さんらが初地蔵の供養を営み、笛と舞が奉納された。鈴姫の社の前でも般若心経を唱えて開眼供養祭を営み、参拝者が手を合わせた。会場では「千本つき餅つき」や「加寿姫みくじ」などもあった
修験者の富岡さんは「3人目の姫様のお地蔵さんはとてもかわいらしく、みなさんを守り、癒やしてくれる力を持っているはず」。中田代表は「崖崩れのためか長年三つ目の社が見つかっていなかったが、ようやくお祭りすることができてうれしい」と話していた。
(2022年1月26日付紙面より)
日本クマノザクラの会が学習会
クマノザクラの利活用や保全活動に取り組む「日本クマノザクラの会」(勝木俊雄会長、会員165人)は22日、オンライン学習会を開催。副会長の田尾友児さんがクマノザクラとの出会いや今後の活用などを語った。
日本クマノザクラの会は昨年2月に発足。和歌山、三重、奈良の3県にまたがる自生地で広域的な活動に取り組み、リーフレットを作製し、ホームページも開設した。昨年9月から毎月、オンライン学習会を開催してきた。
クマノザクラは、バラ科サクラ属の樹木で、2018年に新しく公表された野生種。紀伊半島南部の3県に分布し、ソメイヨシノより少し早い2月下旬から3月中下旬に開花する。勝木さんが発見し、命名した。
学習会で田尾さんは自宅から配信し、「クマノザクラが発見されるまで地元では早咲きのヤマザクラだと思っていた。18年3月に約100年ぶりの新種として発見されたというニュースが飛び込んできた」と振り返った。
新種発見後、紀宝町の山林で調査を開始したことやクマノザクラの苗木育成研究などを写真とともに紹介。濃いピンクやフレア状、八重咲きといった花弁の個体差なども解説し「今後、病気や寿命で枯れているソメイヨシノの代わりになると期待している」と伝えた。
(2022年1月26日付紙面より)
文化財防火デー前に訓練 (熊野速玉大社 )
文化財愛護思想の高揚を目的に制定された「文化財防火デー」(1月26日)を前に、新宮市の熊野速玉大社(上野顯宮司)で25日、防火訓練があった。同大社職員らが初期消火活動などを通じて、有事の際の連携体制を確認した。
例年なら消防団や婦人防火クラブ会員らも参加して行われる防火訓練。今年は新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、同大社神職や巫女(みこ)からなる自衛消防団10人のみで実施。新宮消防署員立ち会いの下、訓練を展開した。
午前9時、境内の清掃をしていた巫女が、本殿の奥御前三神殿からの出火を確認。大声で「火事です」と伝え、各自が通報や消火器を用いた消火活動、文化財の運び出しなどを実施。「建物から離れて避難してください」と呼び掛け、参拝者を安全な場所に誘導した。
訓練の様子を見守っていた、新宮消防署の榎本正昭消防係長は「大きな声で火事発生を知らせてくれていた。各担当も迅速、的確に行動していただいていた。設定時間内に終了し、日頃から訓練をしてくれていると感じた」と講評し「早期の発見と通報が重要。被害を最小限に抑えていただけるよう、今後も訓練に励んで」と呼び掛けた。
上野潤権宮司は「突発的な災害に対しては常日頃からの備えが必要。年に1度振り返り、こうして訓練できる機会は重要」と述べ、「訓練では適時スムーズに動けていたと思う。訓練を通じて、防火の大切さが広く伝われば」と話していた。
文化財防火デーの1月26日は1949(昭和24)年に法隆寺金堂壁画が焼損した日。55(昭和30)年からこの日を中心として全国的に防火運動が展開されている。
(2022年1月26日付紙面より)
新宮高、近大新宮高生ら
大学入試シーズンの幕開けとなる令和4年度大学入学共通テストが、15日(土)と16日(日)にいよいよ実施される。14日には、新宮市内の県立新宮高校と近畿大学附属新宮高校の生徒たちが和歌山市の試験会場へ向けて出発した。
大学入試センターによると、本年度の志願者数は全国53万367人(前年比4878人減)。和歌山県内では和歌山市および紀の川市の4会場で3220人(同177人減)が受験する。初日の15日には地理歴史公民、国語、外国語、16日には理科と数学の試験がある。
県内でも新型コロナウイルス感染者数が急増する中での実施となる今年、会場では試験実施のガイドラインに沿い、▽席間距離の確保▽マスク着用の義務付け▽手指消毒▽換気▽机・椅子の消毒―などの対策が取られる。
体調が万全でない場合は29日(土)、30日(日)の追試験の機会が設けられている。また、文部科学省は新型コロナ感染などで本試験も追試験も受けられなかった受験生のため、個別入試のみで合否判定する救済措置を取るよう全国の大学に要請している。
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近畿大学附属新宮高校(池上博基校長)からは3年生108人中63人が受験。JR新宮駅前に集まった生徒たちは、見送りに来た教職員や保護者へ「行ってきます。頑張ります」と言い、バスに乗って出発した。
宮本俊子・進路指導部長は「今年は総合型選抜入試や学校推薦型入試で国公立10人、近畿大学54人合格と素晴らしい成果を収めている。共通テストを受験する生徒たちも年末年始の休みを返上して対策特別講習に励んできた。本番も実力を発揮してもらいたい」と語り、今後も予備校などと連携して万全のサポート体制を取っていくとした。
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新宮高校(東啓史校長)は3年生172人中70人が試験に挑む。今年は新型コロナ感染防止のため出発式を実施せず、学校から出発した3台のバスで各市町村の生徒たちを拾いつつ受験地へ向かった。
東校長は「コロナ禍という難しい状況の中、生徒たちは感染症とも闘いながら努力してきた。それを試験結果に反映できるよう頑張ってほしい。彼らなら逆境をはねのけられるはず」と語った。同校の控室には教職員一同から「頑張れ新高生‼希望の天地を開かんともに」との激励メッセージがつづられていた。
(2022年1月15日付紙面より)
高齢者接種3回目に向け (古座川町 )
古座川町が13日、七川総合センターふるさとで新型コロナワクチン高齢者対象集団接種の3回目開始に向けた会場運営訓練に取り組んだ。
この接種は2月1日(火)から明神会場(保健福祉センター・明神診療所)と七川会場(同ふるさと)を設けて進める。七川会場は1、2回目時に経過観察が良好でない場合に備えて棟続きではない七川診療所を接種場所とし車両送迎する形を取ったが、3回目はより円滑にワクチンを打てるよう同ふるさとのみで接種者の動線を完結する形に変更するとしている。
同訓練は、その変更後の円滑な接種体制を構築するのが目的。町健康福祉課、明神診療所、七川診療所の各職員が同ふるさとに集まって▽受け付け▽保健師問診▽医師予診▽接種▽経過観察―をワンフロアに収める配置を検討し、当日の流れを模擬的に当てはめて運営上の支障がないかを確かめて会場構成を決めた。
同課によると、この接種は①1日~3日(木)②16日(水)~18日(金)―の6日間で実施する。①は71歳の一部以上、②は65~71歳の一部と医療・福祉従事者で2回目から6カ月が経過した人が対象。高齢者は2回目から7カ月経過を目安として振り分けている。
必要なワクチン確保のめどはついていて、②の最終日のみモデルナ社製を接種するとして希望者(71歳の一部以上も希望可)を受け付け、他はファイザー社製を接種する。実施に先だって昨年末に対象者へ案内などを送付していて、今月13日時点で約9割が返信し数人を除いて3回目の接種を希望しているという。
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一般(12~64歳)対象集団接種の開始時期は、2回目から8カ月経過の目安に基づき4月中旬と予定して検討中。国が目安の前倒しを示した場合は、呼応して早めるよう努めるとしている(今月13日現在)。
(2022年1月15日付紙面より)
大泰寺で大般若祈祷会 (那智勝浦町 )
那智勝浦町下和田の古刹(こさつ)、定光山大泰寺(西山十海住職)で13日、西山住職ほか、同町や太地町の7人の住職が出仕して「大般若祈祷会」を営んだ。昨年は恒例の餅まきが中止となったが、今年は新型コロナウイルス感染症対策を施した上で実施。境内や本堂は多くの参拝者でにぎわった。
法要ではマスク着用やアルコール消毒、換気など新型コロナウイルス対策を徹底。住職らは全600巻の大般若経典を左右に波打たせながら一気に読む転読を行い、厄払いや家内安全、商売繁盛などを祈願した。
同寺大総代の尾屋公一さんは「コロナの終息を願った。餅まきを楽しみにしてくれている住民の方も多いので今年、餅まきができることは総代、檀家(だんか)としてもうれしい限り」。
西山住職は「コロナ終息と皆さまの生活が日常に戻ることを祈願しました。また、ご依頼を受けた多くの企業や個人の方々からの願いがかなうように一生懸命、祈とういたしました」と語った。
餅まきは3密防止のため、本堂と薬師堂、境内に設置した舞台の3カ所で実施した。町内から訪れた60代男性は「たくさん餅を拾うことができて良かった。今年こそはコロナも収まってくれたらうれしい」と話していた。
同寺は伝教大師により1200年前の平安初期に創建された桓武天皇勅願道場と伝わる。薬師堂は関南薬師の第一霊場として昔から近隣の人々の信仰を集めてきた。
この日も開帳された本尊の薬師如来像(国重要文化財)は1156(保元元)年の作。その優美な姿に引かれ、例年の開帳の際は大阪や東京などからも参拝者が訪れている。
(2022年1月15日付紙面より)
井田保で「どむならん」が上演 (紀宝町 )
紀宝町立井田保育所(小田幸美所長)で13日、劇団「どむならん」による人形劇があり、3~5歳児が歓声や笑い声を上げながら、夢中になって鑑賞した。
どむならんは1994年9月に旗揚げ。メンバー3人が全国各地で年間約120ステージの公演活動を繰り広げている。町の依頼を受けて町内各保育所で巡回公演しており、同保育所では二つの演目を披露した。
3人が5歳にタイムスリップした演目「あそぼ!あそぼ!」では、子どもたちと一緒にかくれんぼを楽しんだ。
人形劇「ブヒブヒのおつかい ちゃ~んとできるかな?」は、子ブタのブヒブヒが「キノコを採ってきて」と頼まれて森へ出掛ける物語。どのキノコを採ればいいのか分からず、物知りのポンポコじいさんに教えてもらいながら、森の中を大冒険した。子どもたちは、かわいいブヒブヒにすっかり引き込まれて、夢中で劇に見入っていた。
(2022年1月15日付紙面より)
7日は「七草粥」
1月7日は「七草粥(ななくさがゆ)」。市内のスーパーマーケットなどでは「七草粥セット」を買い求める人の姿が多く見られた。
一年の無病息災を願って、一般的に人日の節句の朝に食べられる日本の行事食。新年の季語でもある。正月の祝膳や祝酒で弱った胃を休める目的もあるという。平安時代には行事として行われており、室町時代の汁物の原型ともされている。
地方によって食材や作り方、味付けが異なり、那智勝浦町の七草粥(ななくさがい)はダイコンやニンジンなどの野菜を入れるほか、田辺市中辺路町では餅とシャクシナを入れるという。
春の七草は、時代や地域によって異なっていたが、現在では一般的にセリ(競り勝つ)、ナズナ(なでて汚れを払う)、ゴギョウ(仏の体)、ハコベラ(繁栄がはびこる)、ホトケノザ(仏の座る場所)、スズナ(神を呼ぶ鈴)、スズシロ(汚れのない純白)で構成されている。
年明けから約1週間が過ぎ、「寝正月」「飲み正月」「正月太り」で体調を崩している人も多いのでは。七草粥を食べて無病息災を祈りつつ、胃腸を休めてみてはいかが。
(2022年1月8日付紙面より)
上野山こども園の年長児 (串本町 )
串本町津荷にある社会福祉法人杉の子会上野山こども園(前田紀代子理事長、上地奈奈園長)の年長児(5歳児、ひまわり組)が6日、第17回音読コンクール団体の部〈年長〉で最優秀賞を獲得したことを田嶋勝正町長に報告した。
このコンクールは、幼年国語教育会が成長の励みとして年1回主催している全国規模の審査会。個人と団体の2部門があり、団体の部は年長・年中・年少・年少未満の4区分でクラス単位の音読作品(=動画)を受け付けている。
同法人は前田理事長の「本が好きな子になってほしい」という思いを形にする活動の一端で第1回から応募していて、現在は3~5歳児が挑戦する形で定着している。本年度の年長児は▽月の兎▽方丈記より「ゆく河の流れ」―の音読に挑戦し同部〈年長〉に応募。審査の結果は第一席の最優秀賞で、同法人にとっては第4回で旧・上野山保育所の年中児(4歳児)が獲得して以来13年ぶりの好成績となった。上地園長によると、本年度の年長児はおととしに優良賞〈年少〉、昨年に第二席の読売新聞社賞〈年中〉を獲得。職員は応募のたびに成績が上がる成長ぶり、年長児は去年より大きな記念盾がもらえたことに喜んでいるという。
この日は年長児30人が同園の幼児バス(通称・ねこバス)で役場本庁を訪ね、上地園長ら職員と一緒に結果を報告。田嶋町長は「動画を見たがみんな足や背筋がピンとしていて、これなら取れるだろうと思った」とたたえ、園児一人一人にお祝いの品を贈ってこれからも頑張ってと励ました。
今回は年中児が優秀賞〈銅賞〉、年少児(3歳児)が優秀賞〈銀賞〉と、どのクラスも賞状と記念盾が贈られる成績を収めた。上地園長は「3年間の積み上げで年長児は、漢字と仮名が交ざる絵本も興味を持って読めるようになっています。本を嫌いにならないのはもちろん、みんなで声を合わせる挑戦で協調性も高めてくれたら」と活動に込める思いを語った。
(2022年1月8日付紙面より)
小学生が手話学ぶ (紀宝町 )
小学生対象の「やさしい初級手話教室」が5日、紀宝町鵜殿の町福祉センターで始まった。町内の小学1~5年生11人が参加し、手話でのあいさつや自己紹介をすることを目標に学ぶ。
同町社会福祉協議会では毎年、幅広い世代に向けた初級手話教室を開いており、小学生にも気軽に参加してもらおうと、昨年度に続いて冬休みに3日間の連続講座を計画した。
講師は同社協の名取雅博さんと時松有見子さんが務め、ボランティアとして県立木本高校2年の竹内悠真君と瀬古修平君、同3年の市川芹さんがサポートした。3人は昨年11~12月に中学生以上を対象に開かれた全6回の初級手話教室を修了している。
名取さんは「手話って知っていますか?」と問い掛けながら、耳が聞こえない人の言葉であることを説明。子どもたちは指文字の五十音表と名取さんや高校生たちの指の動きを見ながら、「あいうえお」から順に学習し、自分の名前を指文字で表現できるように練習した。
慣れてくると、名取さんの指文字を見て理解し、子どもたちで表現する学習にも取り組んだ。
(2022年1月8日付紙面より)
安全や向上願い手釿始式 (熊野那智大社 )
那智勝浦町の熊野那智大社(男成洋三宮司)で6日、一年間の作業の安全と技術の向上を願い、宮大工の仕事始めの儀式「手釿始式(ちょんなはじめしき)」が営まれた。
男成宮司が祝詞を奏上した後、烏帽子(えぼし)と直垂(ひたたれ)の伝統衣装を身に着けた宮大工と技手の4人が、古式にのっとり大工道具を使う所作などを奉納した。
棟梁(とうりょう)の嶌﨑和真さん(40)がちょんなを約2㍍のヒノキの角材に打ち込み、続いて南太一さんが墨付け、山口雄太さんがのこぎり、南智紀さんがかんなを使った。ちょんなとは古い大工道具で、丸太の皮を剝いだり、木を削ったりするのに使われるもの。
地元出身で同大社に勤める嶌﨑さんは神事を終え、「新型コロナウイルス感染症の影響は回復の兆しが見えていない。しかし、一日も早く生活が回復し、明るい年になることを祈念しました」と話した。
嶌﨑さんにとって、7月に斎行される那智の扇祭り(火祭)のたいまつ作りや準備が最も重要な仕事になるという。この日は本番に向けて士気を高めていた。
(2022年1月8日付紙面より)