スギやヒノキ次々と落札 (新宮市 )
新宮原木市場(谷口泰仁社長)は22日、新宮市あけぼのの同市場貯木場で「新春初市」を開いた。新宮周辺地域を中心に買い方が集まり、開始の合図とともにスギやヒノキが次々と競り落とされた。
同市で木材の市売(いちうり)販売が始まったのは1956(昭和31)年。当地の有力原木生産業者が共同事業体として「新宮電柱木材協同組合木材市売部」を創設した。その後、利用度の増大に伴い公共性が重視され、新宮木材協同組合が中核となり66(昭和41)年、現在の原木市場が設立した。
77(昭和52)年には全国植樹祭の一環行事として「第1回熊野木まつり」展示即売会を開催。以降、毎年4月の恒例記念行事となっており、熊野材のPRや需要開拓などに取り組むきっかけとしている。
今年の初市は、新宮紀宝道路事業に伴う道路拡幅工事のため昨年に引き続き上貯木場で開催。熊野川町や那智勝浦町、古座川町などから樹齢60年以上のスギやヒノキ約1200立方㍍(約7800本)が出荷された。
開催に当たり、谷口社長は「新型コロナウイルスの感染者数が毎日のように更新されており、あらゆる業種が大変厳しい状況に直面していると思う。皆さんも健康に留意し、この局面を乗り切ってほしい」とあいさつ。
「今年、新宮原木市場はお客さまに喜んでいただけるように基本に立ち返り、昨年以上に材の安定した出荷に努めてまいりたい。役職員一同、市場の運営にまい進していく所存」と誓いを新たにした。
(2022年1月23日付紙面より)
那智勝浦町立下里中学校(布引伸幸校長)で18日、薬物乱用防止講座があった。3年生32人が同町にある、なごみ薬局の薬剤師で産業カウンセラーの小林仁さんから薬物の危険性などを教わった。
小林さんは日本と国外の大麻所持などについて、合法な国でも日本国籍者には罰則になると述べ「国外でも大麻をみだりに輸出や栽培、譲渡、所持の行為を行った者は大麻取締法による処罰の対象となる」と説明。「覚醒剤」「コカイン」「大麻」「危険ドラッグ」の特徴や実害などもスライドを使用して紹介した。
違法薬物では中学生の逮捕事例を取り上げ「薬物は皆さんのすぐそばまで来ています。インターネットではあたかも大麻は害が少ないなど、日本の法律が遅れているかのように書かれているサイトがある。実際は依存症に苦しんでいる人がたくさんいます」と語った。
薬物の使用や再犯防止の方法として▽薬物を使わなくてもいられる社会▽再犯しない立ち直れる社会▽依存しなくても生きていける自信―を挙げ「誰にでも失敗はあります。いつでも何度でもやり直すことができる。周囲が差別や偏見を決して持たず、それを認めチャンスをあげることが大事」と伝えた。
山本華子さん(14)は「小学校の時に受けた授業では分からなかったけど、薬物に手を出すと抜け出すことが難しいという恐怖を改めて感じました。若い女性が想像以上に使用していたことにも驚いた。少しでも薬に手を出さないきっかけにするためにも自分自身はもちろん、他の人たちを孤立させないような環境を意識していければ」と話していた。
(2022年1月23日付紙面より)
新宮・東牟婁地域のトップを切って22日、新宮市の近畿大学附属新宮高校(池上博基校長)で令和3年度(第57回)卒業証書授与式が挙行された。卒業生108人が感謝を胸に学びやを巣立ち、それぞれの道へ一歩を踏み出した。
本年度は新型コロナウイルス感染対策のため保護者・在校生の出席は取りやめ、オンラインで式の様子を中継した。
池上校長が4クラスの代表者に卒業証書、各賞受賞者に表彰状を授与。式辞では「人に愛される人、人に信頼される人、人に尊敬される人になろう」の校訓の下で喜びを分かち合い、人間関係を築いてきた生徒たちの学校生活に触れ、「愛し愛される、信じ信じられる、敬い敬われる。この表裏一体の関係を大切にすることで、自らの充実した素晴らしい人生につながり、社会に貢献できる人に成長することができる」とはなむけの言葉を贈った。
在校生を代表して濱田青葉君(2年)が送辞。卒業生を代表して岡地優希君が、個性豊かな同級生に囲まれた3年間の思い出を振り返り「この学校に入学して、みんなに出会えたことをうれしく思う」と語り、教職員、保護者、在校生へ感謝の気持ちを伝えた。
(2022年1月23日付紙面より)
なちかつGGCクラブ大会
近畿高校空手道大会で好成績
新宮高、近大新宮高生ら
大学入試シーズンの幕開けとなる令和4年度大学入学共通テストが、15日(土)と16日(日)にいよいよ実施される。14日には、新宮市内の県立新宮高校と近畿大学附属新宮高校の生徒たちが和歌山市の試験会場へ向けて出発した。
大学入試センターによると、本年度の志願者数は全国53万367人(前年比4878人減)。和歌山県内では和歌山市および紀の川市の4会場で3220人(同177人減)が受験する。初日の15日には地理歴史公民、国語、外国語、16日には理科と数学の試験がある。
県内でも新型コロナウイルス感染者数が急増する中での実施となる今年、会場では試験実施のガイドラインに沿い、▽席間距離の確保▽マスク着用の義務付け▽手指消毒▽換気▽机・椅子の消毒―などの対策が取られる。
体調が万全でない場合は29日(土)、30日(日)の追試験の機会が設けられている。また、文部科学省は新型コロナ感染などで本試験も追試験も受けられなかった受験生のため、個別入試のみで合否判定する救済措置を取るよう全国の大学に要請している。
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近畿大学附属新宮高校(池上博基校長)からは3年生108人中63人が受験。JR新宮駅前に集まった生徒たちは、見送りに来た教職員や保護者へ「行ってきます。頑張ります」と言い、バスに乗って出発した。
宮本俊子・進路指導部長は「今年は総合型選抜入試や学校推薦型入試で国公立10人、近畿大学54人合格と素晴らしい成果を収めている。共通テストを受験する生徒たちも年末年始の休みを返上して対策特別講習に励んできた。本番も実力を発揮してもらいたい」と語り、今後も予備校などと連携して万全のサポート体制を取っていくとした。
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新宮高校(東啓史校長)は3年生172人中70人が試験に挑む。今年は新型コロナ感染防止のため出発式を実施せず、学校から出発した3台のバスで各市町村の生徒たちを拾いつつ受験地へ向かった。
東校長は「コロナ禍という難しい状況の中、生徒たちは感染症とも闘いながら努力してきた。それを試験結果に反映できるよう頑張ってほしい。彼らなら逆境をはねのけられるはず」と語った。同校の控室には教職員一同から「頑張れ新高生‼希望の天地を開かんともに」との激励メッセージがつづられていた。
(2022年1月15日付紙面より)
高齢者接種3回目に向け (古座川町 )
古座川町が13日、七川総合センターふるさとで新型コロナワクチン高齢者対象集団接種の3回目開始に向けた会場運営訓練に取り組んだ。
この接種は2月1日(火)から明神会場(保健福祉センター・明神診療所)と七川会場(同ふるさと)を設けて進める。七川会場は1、2回目時に経過観察が良好でない場合に備えて棟続きではない七川診療所を接種場所とし車両送迎する形を取ったが、3回目はより円滑にワクチンを打てるよう同ふるさとのみで接種者の動線を完結する形に変更するとしている。
同訓練は、その変更後の円滑な接種体制を構築するのが目的。町健康福祉課、明神診療所、七川診療所の各職員が同ふるさとに集まって▽受け付け▽保健師問診▽医師予診▽接種▽経過観察―をワンフロアに収める配置を検討し、当日の流れを模擬的に当てはめて運営上の支障がないかを確かめて会場構成を決めた。
同課によると、この接種は①1日~3日(木)②16日(水)~18日(金)―の6日間で実施する。①は71歳の一部以上、②は65~71歳の一部と医療・福祉従事者で2回目から6カ月が経過した人が対象。高齢者は2回目から7カ月経過を目安として振り分けている。
必要なワクチン確保のめどはついていて、②の最終日のみモデルナ社製を接種するとして希望者(71歳の一部以上も希望可)を受け付け、他はファイザー社製を接種する。実施に先だって昨年末に対象者へ案内などを送付していて、今月13日時点で約9割が返信し数人を除いて3回目の接種を希望しているという。
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一般(12~64歳)対象集団接種の開始時期は、2回目から8カ月経過の目安に基づき4月中旬と予定して検討中。国が目安の前倒しを示した場合は、呼応して早めるよう努めるとしている(今月13日現在)。
(2022年1月15日付紙面より)
大泰寺で大般若祈祷会 (那智勝浦町 )
那智勝浦町下和田の古刹(こさつ)、定光山大泰寺(西山十海住職)で13日、西山住職ほか、同町や太地町の7人の住職が出仕して「大般若祈祷会」を営んだ。昨年は恒例の餅まきが中止となったが、今年は新型コロナウイルス感染症対策を施した上で実施。境内や本堂は多くの参拝者でにぎわった。
法要ではマスク着用やアルコール消毒、換気など新型コロナウイルス対策を徹底。住職らは全600巻の大般若経典を左右に波打たせながら一気に読む転読を行い、厄払いや家内安全、商売繁盛などを祈願した。
同寺大総代の尾屋公一さんは「コロナの終息を願った。餅まきを楽しみにしてくれている住民の方も多いので今年、餅まきができることは総代、檀家(だんか)としてもうれしい限り」。
西山住職は「コロナ終息と皆さまの生活が日常に戻ることを祈願しました。また、ご依頼を受けた多くの企業や個人の方々からの願いがかなうように一生懸命、祈とういたしました」と語った。
餅まきは3密防止のため、本堂と薬師堂、境内に設置した舞台の3カ所で実施した。町内から訪れた60代男性は「たくさん餅を拾うことができて良かった。今年こそはコロナも収まってくれたらうれしい」と話していた。
同寺は伝教大師により1200年前の平安初期に創建された桓武天皇勅願道場と伝わる。薬師堂は関南薬師の第一霊場として昔から近隣の人々の信仰を集めてきた。
この日も開帳された本尊の薬師如来像(国重要文化財)は1156(保元元)年の作。その優美な姿に引かれ、例年の開帳の際は大阪や東京などからも参拝者が訪れている。
(2022年1月15日付紙面より)
井田保で「どむならん」が上演 (紀宝町 )
紀宝町立井田保育所(小田幸美所長)で13日、劇団「どむならん」による人形劇があり、3~5歳児が歓声や笑い声を上げながら、夢中になって鑑賞した。
どむならんは1994年9月に旗揚げ。メンバー3人が全国各地で年間約120ステージの公演活動を繰り広げている。町の依頼を受けて町内各保育所で巡回公演しており、同保育所では二つの演目を披露した。
3人が5歳にタイムスリップした演目「あそぼ!あそぼ!」では、子どもたちと一緒にかくれんぼを楽しんだ。
人形劇「ブヒブヒのおつかい ちゃ~んとできるかな?」は、子ブタのブヒブヒが「キノコを採ってきて」と頼まれて森へ出掛ける物語。どのキノコを採ればいいのか分からず、物知りのポンポコじいさんに教えてもらいながら、森の中を大冒険した。子どもたちは、かわいいブヒブヒにすっかり引き込まれて、夢中で劇に見入っていた。
(2022年1月15日付紙面より)
飛瀧神社で牛王神璽祭 (熊野那智大社 )
那智勝浦町那智山の熊野那智大社(男成洋三宮司)の別宮飛瀧(ひろう)神社で8日、牛王神璽(ごおうしんじ)祭が営まれた。「牛王杖(ごおうづえ)」と呼ばれるヤナギの枝でカシの板を打ち鳴らし魔をはらい、霊験を高めて「牛王神符」を仕上げた。
牛王神符は熊野三山に伝わる特有の神札で魔よけ、災難よけのお守り。熊野の神の使いとされる八咫烏(やたがらす)の絵文字が描かれており、同大社では72羽のカラスで「那智瀧宝印」と記されている。
元日早朝に那智の滝からくみ上げた若水で墨を溶き、翌2日からの初刷りから毎日、本殿で祈とうが続けられてきた。満願を迎えたこの日は多くの参拝者が見守る中、神事が執り行われた。
男成宮司らが無病息災などを祈り、仕上がった100枚の神札をヤナギの枝に巻いて参列者に授与した。
男成宮司は「今年は寅(とら)年。虎にあやかり、力強く歩み進めることでおのずと穏やかな日々を迎えることができると思う。滝元で満願を迎えた霊験あらたかな守り札を多くの方々にお渡しして、新型コロナウイルス終息と今年一年の幸せを祈っています」と語った。
(2022年1月9日付紙面より)
今年最初の「紀の宝みなと市」 (紀宝町 )
今年最初の「紀の宝みなと市」が8日、紀宝町の鵜殿港で開かれた。町内外から多くの人が足を運び、活気にあふれた。
みなと市は2012年12月に初開催。毎月第2土曜日に開催してきたが、昨年は新型コロナウイルスの影響で中止が続き、12月11日の「9周年記念市」で1年ぶりに復活した。
今回は会場でのマスク着用、手指消毒を呼び掛け、近海で水揚げされた鮮魚や地元産の野菜などが販売されたほか雑貨店も並んだ。
訪れた人たちは、お目当ての品々を買い求め、出品者ら来場者同士の会話も弾んでいた。
(2022年1月9日付紙面より)
「木の薫る店」にぎわう (新宮市高田 )
新宮市高田の雲取温泉高田グリーンランド敷地内にある「木の薫る店」で8日、「野菜市」があった。8人の生産者によるダイコンやハクサイ、サトイモなどの新鮮な野菜が並び、多くの地域住民でにぎわった。
和歌山県のモデル整備事業として県の補助を受けて2002年度に紀州材を使用し建設された同所。これまで無人市場などとして開所していたこともあるが、地域ではさらなる建物の有効利用方法を模索していた。
そんな中、おととしに五十数年ぶりのUターンを果たした石田千代さん(73)が、建物の活用ならびに、これまで近隣住民らで分け合うなどしていた野菜などを地域に広く循環させようと野菜市の開催を提案。昨年12月に第1回を開催し、午前中で完売するほどの盛況を博した。
1回目の開催に当たり、チラシを全戸配布した石田さん。市場開催の際には店番と両替を担う。「よそに出て帰ってきて、本当に良い所だと感じる。田舎暮らしを満喫している。地域活性化のために若い人やIターンの人たちも頑張ってくれているが、私も少しでも協力できたら」と思いを語る。
「高齢者が外に出るきっかけにもなれば。品物の循環だけでなく、地域のコミュニティーの場になればいいですね」。訪れた住民らに対し「ゆっくり休憩していってよ」などと声を掛ける。1本50円のダイコン、1玉100円のハクサイ、1袋80円のジャガイモなどを前に、住民らは献立や調理方法を相談するなどして買い物を楽しんだ。
野菜市は季節や野菜の収穫量などにもよるが、月に1、2回の頻度で実施していくという。
(2022年1月9日付紙面より)
7日は「七草粥」
1月7日は「七草粥(ななくさがゆ)」。市内のスーパーマーケットなどでは「七草粥セット」を買い求める人の姿が多く見られた。
一年の無病息災を願って、一般的に人日の節句の朝に食べられる日本の行事食。新年の季語でもある。正月の祝膳や祝酒で弱った胃を休める目的もあるという。平安時代には行事として行われており、室町時代の汁物の原型ともされている。
地方によって食材や作り方、味付けが異なり、那智勝浦町の七草粥(ななくさがい)はダイコンやニンジンなどの野菜を入れるほか、田辺市中辺路町では餅とシャクシナを入れるという。
春の七草は、時代や地域によって異なっていたが、現在では一般的にセリ(競り勝つ)、ナズナ(なでて汚れを払う)、ゴギョウ(仏の体)、ハコベラ(繁栄がはびこる)、ホトケノザ(仏の座る場所)、スズナ(神を呼ぶ鈴)、スズシロ(汚れのない純白)で構成されている。
年明けから約1週間が過ぎ、「寝正月」「飲み正月」「正月太り」で体調を崩している人も多いのでは。七草粥を食べて無病息災を祈りつつ、胃腸を休めてみてはいかが。
(2022年1月8日付紙面より)
上野山こども園の年長児 (串本町 )
串本町津荷にある社会福祉法人杉の子会上野山こども園(前田紀代子理事長、上地奈奈園長)の年長児(5歳児、ひまわり組)が6日、第17回音読コンクール団体の部〈年長〉で最優秀賞を獲得したことを田嶋勝正町長に報告した。
このコンクールは、幼年国語教育会が成長の励みとして年1回主催している全国規模の審査会。個人と団体の2部門があり、団体の部は年長・年中・年少・年少未満の4区分でクラス単位の音読作品(=動画)を受け付けている。
同法人は前田理事長の「本が好きな子になってほしい」という思いを形にする活動の一端で第1回から応募していて、現在は3~5歳児が挑戦する形で定着している。本年度の年長児は▽月の兎▽方丈記より「ゆく河の流れ」―の音読に挑戦し同部〈年長〉に応募。審査の結果は第一席の最優秀賞で、同法人にとっては第4回で旧・上野山保育所の年中児(4歳児)が獲得して以来13年ぶりの好成績となった。上地園長によると、本年度の年長児はおととしに優良賞〈年少〉、昨年に第二席の読売新聞社賞〈年中〉を獲得。職員は応募のたびに成績が上がる成長ぶり、年長児は去年より大きな記念盾がもらえたことに喜んでいるという。
この日は年長児30人が同園の幼児バス(通称・ねこバス)で役場本庁を訪ね、上地園長ら職員と一緒に結果を報告。田嶋町長は「動画を見たがみんな足や背筋がピンとしていて、これなら取れるだろうと思った」とたたえ、園児一人一人にお祝いの品を贈ってこれからも頑張ってと励ました。
今回は年中児が優秀賞〈銅賞〉、年少児(3歳児)が優秀賞〈銀賞〉と、どのクラスも賞状と記念盾が贈られる成績を収めた。上地園長は「3年間の積み上げで年長児は、漢字と仮名が交ざる絵本も興味を持って読めるようになっています。本を嫌いにならないのはもちろん、みんなで声を合わせる挑戦で協調性も高めてくれたら」と活動に込める思いを語った。
(2022年1月8日付紙面より)
小学生が手話学ぶ (紀宝町 )
小学生対象の「やさしい初級手話教室」が5日、紀宝町鵜殿の町福祉センターで始まった。町内の小学1~5年生11人が参加し、手話でのあいさつや自己紹介をすることを目標に学ぶ。
同町社会福祉協議会では毎年、幅広い世代に向けた初級手話教室を開いており、小学生にも気軽に参加してもらおうと、昨年度に続いて冬休みに3日間の連続講座を計画した。
講師は同社協の名取雅博さんと時松有見子さんが務め、ボランティアとして県立木本高校2年の竹内悠真君と瀬古修平君、同3年の市川芹さんがサポートした。3人は昨年11~12月に中学生以上を対象に開かれた全6回の初級手話教室を修了している。
名取さんは「手話って知っていますか?」と問い掛けながら、耳が聞こえない人の言葉であることを説明。子どもたちは指文字の五十音表と名取さんや高校生たちの指の動きを見ながら、「あいうえお」から順に学習し、自分の名前を指文字で表現できるように練習した。
慣れてくると、名取さんの指文字を見て理解し、子どもたちで表現する学習にも取り組んだ。
(2022年1月8日付紙面より)
安全や向上願い手釿始式 (熊野那智大社 )
那智勝浦町の熊野那智大社(男成洋三宮司)で6日、一年間の作業の安全と技術の向上を願い、宮大工の仕事始めの儀式「手釿始式(ちょんなはじめしき)」が営まれた。
男成宮司が祝詞を奏上した後、烏帽子(えぼし)と直垂(ひたたれ)の伝統衣装を身に着けた宮大工と技手の4人が、古式にのっとり大工道具を使う所作などを奉納した。
棟梁(とうりょう)の嶌﨑和真さん(40)がちょんなを約2㍍のヒノキの角材に打ち込み、続いて南太一さんが墨付け、山口雄太さんがのこぎり、南智紀さんがかんなを使った。ちょんなとは古い大工道具で、丸太の皮を剝いだり、木を削ったりするのに使われるもの。
地元出身で同大社に勤める嶌﨑さんは神事を終え、「新型コロナウイルス感染症の影響は回復の兆しが見えていない。しかし、一日も早く生活が回復し、明るい年になることを祈念しました」と話した。
嶌﨑さんにとって、7月に斎行される那智の扇祭り(火祭)のたいまつ作りや準備が最も重要な仕事になるという。この日は本番に向けて士気を高めていた。
(2022年1月8日付紙面より)
恒例のマグロ初市 (那智勝浦町 )
はえ縄漁による生鮮マグロの水揚げ量が日本一の那智勝浦町の勝浦地方卸売市場で4日、初市が行われた。この日は高知、徳島、沖縄、宮崎、千葉、和歌山県みなべ町のはえ縄漁船7隻がメバチ、キハダ、ビンチョウの各マグロなど約52㌧を水揚げした。初市においては近年にない水揚げとなり、市場は50社約70人の仲買人が集まり活気づいた。クロマグロの水揚げはなかった。
初市開始前の午前6時50分ごろには式典が開かれ、堀順一郎町長はマグロの水揚げや町の水産振興に寄与する関係者らに感謝を述べ、「クロマグロの漁獲枠も増えたことは明るい兆し。町としてもさまざまな環境整備などにも尽力していきたい」と話した。
続いて、和歌山県漁業協同組合連合会の額田浩事務局長と勝浦魚商協同組合の木下勝之組合長があいさつ。同町議会の荒尾典男議長の音頭で乾杯後、初市が開始された。
県漁連勝浦市場の太田直久市場長は「初競りでの約52㌧は最近ではない漁獲量なので、上々の滑り出し。漁師の方によると、近海の漁場でビンチョウも釣れだしていると聞いている」と喜んだ。
資源の回復などから昨年12月の国際会議でクロマグロの漁獲枠が15%増となったことについては「各船に割り当てがあり、漁獲量としても増えると思う。昨年はコロナ禍で値段が下がっていたため、今年は落ち着いてほしい。勝浦で良いクロマグロが取れ、良い値が付くことを期待しています」と語った。
初市の水揚げ量はメバチが約300本、キハダ約200本、ビンチョウが約3000本の約52㌧だった。近畿や関東、東海地方へ出荷される。
(2022年1月5日付紙面より)
官公庁で仕事始め式
和歌山県庁や各市町村など官公庁で4日、仕事始め式があった。6日間の休業を終えた職員たちは首長らの訓示の下、気を引き締めて新しい一年のスタートを切った。
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新宮市役所別館であった仕事始め式には、職員や来賓の榎本鉄也市議会議長や東原伸也副議長ら約70人が出席した。田岡実千年市長が「『市政は市民のために』を忘れることなく、公約の実行や諸課題の解決に向けた取り組みを誠心誠意進めていく」と所感表明。
新型コロナウイルス対策やワクチン追加接種、市内経済の回復、防災、エコ広場、子育て支援策、市文化複合施設「丹鶴ホール」を中心とした文化振興・事業展開などを掲げ「市民生活に密着したソフト事業を強く推進していく」。
また、福祉や教育、医療、医師確保などのさまざまな諸課題に対し「『市民の誰もが元気で心豊かに暮らせるまち』の実現を目指し、職員と共に渾身(こんしん)の力を込め取り組んでいく」と誓いを新たに。
職員に向け「コロナ禍3年目。今年はウィズコロナ、アフターコロナを見据えた準備も必要。市民のため、市のためにしっかりと職務に取り組んでほしい」と訓示した。
榎本議長は「行政の真価が問われる時代となってきた。まだまだコロナ禍ではあるが、一丸となりまちの活性化のために市政発展の期待に応えてほしい」とあいさつ。速水盛康教育長が「これから先の展望をしっかりと築いて見据えながら、市の発展にご協力を」と述べ、万歳三唱で士気を高めた。
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那智勝浦町では、庁舎大会議室で仕事始め式を開いた。約50人の管理職の職員が出席し、今年一年の業務に取り組むに当たり、気持ちを新たにした。
町歌を斉唱後、堀順一郎町長は新型コロナウイルスの感染防止対策強化を提言。現在進める感染症関連の経済対策に触れ、「アンテナを張り巡らしていただき、町内で本当にお困りの方々を支援できるようにしたい。全国で実施するさまざまな取り組みの情報収集にも力を注いでほしい」。
新年度予算や若い職員への指導については「予算策定は何のために、誰のために行うのかを改めて考えてほしい。そして自分たちの仕事の意義についても考え、率先して若い職員の方々にも周知してほしい。今年も大変な一年になるかと思うが、奮起して取り組んでください」と呼び掛けた。
(2022年1月5日付紙面より)
新宮市の熊野速玉大社(上野顯宮司)、那智勝浦町の熊野那智大社(男成洋三宮司)、田辺市本宮町の熊野本宮大社(九鬼家隆宮司)の熊野三山で3日、皇室の弥栄(いやさか)や国家安泰、氏子、崇敬者の願望成就などを祈願する元始祭が厳かに執り行われた。
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熊野速玉大社では、斎主を務めた上野潤権宮司が祝詞を奏上。巫女(みこ)たちが国の平穏無事を願い「浦安の舞」を奉納し神職らが玉串をささげた。
神事を終え、上野権宮司は1940(昭和15)年に皇紀2600年を祝って作られた神楽「浦安の舞」の歌詞「天地(あめつち)の神にぞ祈る朝なぎの海のごとくに波たたぬ世を」に言及。「波風が立たず平和であってほしいとの祈りが込められている。今年は皇紀2682年。新型コロナや自然災害など、避けることのできない災いもあるが戦争は人間が生んだ災い。一人一人が地球環境や世の中のことを真剣に考えて手を携えていかなければ。個々の幸せとともに平和な世の中のために祈る一年になれば」と思いを語った。
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熊野那智大社では、本社と別宮・飛瀧(ひろう)神社で天皇の御位の大元始めをことほぎ、皇室の悠久と国運の隆昌(りゅうしょう)を祈った。
飛瀧神社では、那智の滝に向かい男成宮司が祝詞を奏上。巫女が「那智の瀧舞」を舞う姿を、参拝客がカメラや動画に収めるなどし見物した。
男成宮司は昨年と比較し年末年始の参拝客が増加したとし、「多くの方々にご参拝いただきありがたい。皇室の弥栄とともに皆さまの幸せや地域の繁栄をお祈りした。国民の一番の願いである新型コロナウイルスの終息も祈願いたしました」と語った。
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熊野本宮大社では、関係者ら13人が参列。九鬼宮司が祝詞を奏上した後、参列者が玉串をささげていった。
神事を終えた九鬼宮司は参列者に対し「この約2年間、新型コロナウイルスや変異株などにより厳しい状況が続いている。『今』という時間を大切にし、前へと進んでいただきたい」とあいさつ。
毎年、元始祭に合わせて参拝を行っているという「まなご充敏後援会『真清会』」の竹中伸会長は「今年も滞りなく終えることができ安心した。今後の市の発展などを祈願した」と話していた。
(2022年1月5日付紙面より)
新宮建築組合が釿始式 (熊野速玉大社 )
新宮建築組合(廣田昌弘組合長)は4日、新宮市の熊野速玉大社(上野顯宮司)で鎌倉時代から伝わる「釿始式(ちょんなはじめしき)」を営んだ。
釿始式は同大社の宮大工、小野家に伝わる仕事始めの儀式で、建築業界の発展を願い現在は同組合が継承している。
この日は組合員約20人が参列。白装束に烏帽子(えぼし)姿の東友一郎さん(51)がヒノキの原木(樹齢約100年超、長さ約4・2㍍、直径約23㌢)をお神酒で清め、伊勢田宣延さん(48)と柚木芳文さん(48)が墨を打った後、東さんが鎌倉時代から同大社に伝わるカギ型の大工道具「釿」を「エイ、エイ」と3カ所に打ち付けていった。
神事後、上野宮司は参列者に釿始めの歴史を紹介し「自然の中にある温かみや慈しみ、素晴らしい聖なるものを大切にするのが日本の民族。今年も一年、建築業界の発展を願っています」と奉仕に対して感謝を述べた。
廣田組合長(60)は「コロナの影響もあり、厳しい状況ではありますが、例年通り斎行することができて安心しました。気持ちを新たに頑張り、伝統を絶やさないよう若い人たちに継承していければ」と話していた。
(2022年1月5日付紙面より)