新宮市は21日から24日まで、東京都の東京ビッグサイトで開催された世界最大級の旅の祭典「ツーリズムEXPOジャパン2017」の和歌山県ブースに参加した。観光関係者や一般客に熊野速玉大社、神倉神社、阿須賀神社の世界遺産三社参りや熊野川川舟下り、レンタサイクルでの周遊などをPRした。
日本観光振興協会、日本旅行業協会、日本政府観光局の共催イベント。今年4回目で、4日間の来場者は過去最高の19万1500人だった。
21日は旅行会社やメディアとの商談会、22日は業界やプレス向けの展示会と訪日商談会、23、24の両日は一般来場者向けの展示会だった。
新宮市は商談会で旅行関係者やメディアなどにツアーの造成や観光素材を提案。国内外の人に市に興味を持ってもらうため、テレビ、雑誌、ネット関係者とも商談した。
展示会では旅行相談や観光パンフレットを紹介。23日にはステージ上で、クイズ形式で新宮市をPRしたほか、熊野三山観光協会としての出展もあった。会場では仲氷店がユズ、ウメ、スイカのかき氷を振る舞い、新宮出身者など大勢の人が集まった。
(2017年9月29日付紙面より)
高齢ドライバー対象に教室 (那智勝浦町 )
那智勝浦町の那智勝浦自動車教習所で27日、参加体験型の交通安全教室「第3回シニアドライバーズコンテスト」が開かれた。交通事故をなくする県民運動推進協議会串本地区連合会、県交通安全協会串本支部、串本警察署が昨年9月から、春と秋の全国交通安全運動に合わせて開催している。
近年、高齢者が関係する交通事故の割合が増加していることから、加齢と共に低下する身体機能や運転能力について、高齢運転者に自身の状況を正しく認識してもらうことや交通ルールを再確認する機会にしてもらうのが目的。
串本町と古座川町から3人1組で2チームずつ、合計12人が出場し、交通ルールに関する30問の問題を解く学科部門と、指定されたコースを交通ルールに従って走行し、同乗の警察官が採点する実技部門の合計点数を競った。
同署交通課の東谷潤課長は今年管轄内で発生した交通事故の約4割に高齢者が関わっており、その内約7割が乗車中の事故であると参加者に説明。同連合会の東照久会長は「身体機能や運転能力など、今持っているものを自覚して、今後の交通安全に役立ててほしい」とあいさつした。
採点の合間には目と足を使って動作の俊敏性を測定する機器の体験や、高齢者が主人公のストーリー仕立ての交通安全DVDの視聴も行われた。
(2017年9月29日付紙面より)
光洋中2年生が日本舞踊学ぶ (新宮市 )
新宮市立光洋中学校(宮本雅史校長)の2年生60人は26、28の両日、総合的な学習の授業で日本舞踊を学んだ。若柳社中の8人を講師に迎え、生徒らは扇子を手に『もみじ』を踊った。
生徒らは浴衣に着替え、指導を受けながら一つ一つの動きをまねていった。2日目の28日には音楽に合わせて上手に踊れるようになり、講師の若柳吉左衛門師匠のアドバイスを受けながら熱心に練習に励んでいた。
水本七夕(なゆ)さん(14)は「足の動かし方が難しかったです。扇子の回し方も。でも、踊り方が分かるようになり良かったです。初めてでしたが、このような経験ができて良かったです」。
中島尚俊君(13)は「難しかったですが楽しかったです。扇子の動かし方や足の運び方などが難しかった。礼儀なども学べて良かったです」と感想。
若柳師匠は「今年は日本調の落ち着いた曲を選びました。生徒たちを見ていると日本の落ち着いた心が表れているようで感心しました。2日間で日本の良さに少しでも触れ、このときしか味わえないしきたりや作法、所作を少しでも忘れずにいてくれれば」と話していた。
授業は日本の伝統文化に親しんでもらおうと毎年実施しており、1年生は着装とマナー、3年生は茶道に取り組んでいる。
(2017年9月29日付紙面より)
潮岬中教諭が潮岬小で授業 (串本町 )
串本町立潮岬小学校(濵正和校長)で26日、同町立潮岬中学校(藤本弘子校長)の教諭による出前授業が行われた。5、6年生41人が英語科教諭の授業を受け、将来取り組むことになる英語学習の雰囲気に一足早く親しんだ。
両校間で小中連携の在り方を話し合う中から始まった新たな試み。児童に中学校の雰囲気を伝えて進学への期待感や意欲を高めることを狙いとし、今回は児童の外国語活動の成果を生かして英語科の授業を体験する形で実現を目指してきた。
潮岬中からは英語科の貴志円香教諭(24)が潮岬小へ赴き、潮岬小からは5年生と6年生の2クラスが出前授業に参加した。5年生のクラスでは、アルファベット26文字とその発音を歌やカードを使って紹介し、児童はカード2組を使った神経衰弱に挑戦しながら発音を反復練習。26文字のアルファベットを頭文字にする単語カードを使ったかるた様のミニゲームに挑戦し、関心の幅を広げる感覚も経験した。
6年生のクラスでは町内の主な建造物などの位置関係を確かめ、道案内する時に使える英語を紹介。対象が児童ということで、いずれも小学校の外国語活動と中学校の英語学習の中間的な内容で進められた。
貴志教諭は「英語に苦手意識を持たず、楽しんで言葉として使ってもらえるようにしたいなあと思ってこの授業を計画した」とコメント。初の出前授業を濵校長と共に見守った藤本校長は「児童もやがては生徒になり、英語の授業を受けることになる。この出前授業はその先取り体験。参加した5、6年生が中学校の授業に期待を膨らませて進学する一助になれば」と成果を期待した。
両校は小中連携の一環で、すでに潮岬幼や潮岬地区自主防災会と共に合同津波避難訓練に取り組んでいる。出前授業の今後の実施は未定だが、小中間で難度差がある主要教科ではなく児童がストレスなく楽しく親しめる音楽や美術といった教科での実施を模索している。違った角度からの同様のアプローチとして、10月4日(水)に同校吹奏楽部が潮岬小へ出前公演に赴きクラブ活動の雰囲気を伝えるといった連携も計画している。
(2017年9月29日付紙面より)
新宮市観光振興計画策定等委員会(委員10人)が26日に発足した。市役所であった第1回目の会合で、委員長に選ばれた森本祐司さん(市観光協会専務理事)は交流人口を増やし、経済を活性化させるには世界遺産に登録されている熊野速玉大社、神倉神社、阿須賀神社の「三社巡り」が鍵を握ると述べ、委員たちに協力を呼び掛けた。
市は来年度から5年間の観光振興の方向性を示す計画を初めて策定する。委員会3回、市民ワークショップ3~4回を経て計画をまとめる。
第1回委員会では、コーディネーターを務める楽天トラベル事業地域振興部の高橋俊介さんが、8月に開かれた第1回ワークショップの参加者の意見を報告。▽新宮の観光の強みは多いが資源の状態であるのが多く「観光商品」として磨かれていない▽情報の打ち出し方が決まっていない▽情報の集積、発信拠点が強く望まれている―などとまとめた。
尾畑洋一副委員長(新宮商工会議所事務局長)は「新宮には日々観光客が来ているが、お金を落としてもらう仕組みができていない。人口が減り、少子高齢化が進む中、地域内だけで経済循環していくのは難しい」と指摘。西浦康代委員(市観光ガイドの会)は「滞在時間を延ばしてもらうために2泊、3泊と安くできないか。新宮のビジネスホテルに宿泊したら雲取温泉を使えるようできないか」などと提案した。
向井雅男委員(市企画政策部長)はクルーズ客船の入港を例に挙げ、「新宮市だけをセールすると頭打ちになる。広域でセールスしていかねばならない。情報を一つにまとめないと相手に伝わらない」。畑尻賢三委員(市商工観光課長)は「広域化の受け皿づくりが必要」。尾畑副委員長も「新宮だけで完結することは難しい」と述べた。
山本將人委員(新宮信用金庫地域サービス部課長代理)は「全国どこの自治体も観光客を誘致している。これまでのようでは、なかなか来てくれない」と指摘。
原洋三委員(熊野交通営業部長)は「新宮城跡のサクラが素晴らしい。ツアー企画を提案できないか」。日比野雅子委員(仲之町商店街・土佐屋)は「地元の人でも新宮の良さが分かっていないと思う。門前町をもう少しどうにかしてほしいという意見が多い」。西浦委員は「那智は『あげいん熊野詣』、本宮は『八咫(やた)の火祭り』と全国から観光客が来るイベントがある。新宮でも新宮城跡でタイムスリップできるようなイベントはできないか」と提案した。
森本委員長は「新宮市は圧倒的に本宮への通過点になっている。本宮が熊野神社と感じている人も多い。通過型から宿泊してもらい、三山へ行ってもらうようにしないといけない。宿泊施設など課題は多いが、詰めて考えたい」と述べた。
中村晃委員(駅前本通り商店街・ナカムラ電気)と上野潤委員(熊野速玉大社権宮司)はこの日、欠席した。第2回の委員会は11月に開かれる予定。
(2017年9月28日付紙面より)
那智中吹奏楽が定期演奏会
那智勝浦町立那智中学校の吹奏楽部は24日、町立勝浦小学校で第52回定期演奏会を催した。多くの町民が来場し、部員29人が織りなす演奏に聴き入った。
この演奏会は3年生部員が部活動の集大成を発表する場として設けられており、今年は3年部員7人がこの日をもって引退した。例年、那智中の体育館で開かれていたが、中学の体育館が工事中のため、勝浦小に会場を移した。
プログラムは3部構成で、那智中の校歌をはじめ、「風になりたい」や「アフリカン・シンフォニー」、「花は咲く」などを合奏した。一部楽曲は本番前日に世界的指揮者の佐渡裕さんから指導を受けた。
パーカッションを担当した本舘愛果部長(3年)は「『フェリスタス』は夏に3年生が中心となってコンクールで演奏した楽曲なので、思い出深いです。最後の部活動なので、悔いの残らないよう頑張りました。緊張しましたけど、楽しく演奏できました」と話した。
(2017年9月28日付紙面より)
10月から赤い羽根運動 (新宮市 )
10月1日(日)から全国一斉にスタートする「赤い羽根共同募金運動」を前に、新宮市共同募金委員会(会長・田岡実千年市長)は26日、市福祉センターで協力委員会を開いた。約50人が出席し、本年度共同募金目標額を450万円にすることなどを決めた。1日は市内のスーパーで街頭募金を予定している。
榎本義清副会長が議長を務め議事を進行した。事務局から昨年度実績額が目標額を11万8555円上回る462万3555円だったことなどが報告された。内訳は▽戸別募金200万218円▽法人(大口)募金137万9000円▽街頭募金39万6906円▽職域募金6万6135円▽募金箱19万4629円▽その他58万6667円。
平成29年度の配分の内訳は広域福祉事業(県内の福祉施設など)へ171万4000円。地域福祉事業(3つの活動募金)へ290万9555円。市では赤い羽根共同募金を「ささえ愛募金」「MACHI(まち)サポート募金」「新宮いのちの募金」の「3つの活動募金」として呼び掛けている。
畑尻英雄・市民福祉部長は「赤い羽根共同募金の活動は町の人たちの優しい気持ちを集める活動。皆さまの優しさ、声掛け、行動が町を変えていく一歩となる。皆さま方から寄せられた募金は私たちの町のさまざまな福祉活動、その支援に役立てられており、災害時の被災地支援にも役立てられている」と田岡市長のあいさつを代読。和歌山県共同募金会の大谷和也副主査が来賓として出席した。
(2017年9月28日付紙面より)
家庭料理教室始まる (串本町トルコ文化協会 )
串本町トルコ文化協会(丸石恵子代表)主催の「トルコの家庭料理教室」が24日、同町文化センターで始まった。月1回の頻度で12月まで全4回開く予定。この日は定員いっぱいの16人が参加し、トルコのパンの作り方を教わり実践するなどした。
トルコ語講座と並行する形で本年度から取り組み始めた新規事業。『語学には抵抗があるが、日頃から慣れ親しんでいる料理なら』という人向けに考えたそうで、講師には地域おこし協力隊着任当時から語学と共に食文化を伝える機会も模索してきたトルコ人女性アイシェギュル・アルカンさんを起用している。
この日のテーマはパン『アイシェのアチュマ』。アチュマは移動式屋台で売られている身近なパン『シミット』の一種で、生地にヨーグルトを含んでいるのが特色だという。参加者は4組に分かれて、生地作りから焼き上げまで一連の調理工程をアルカンさんや会員と一緒に体験。併せてトルコの紅茶「チャイ」の本来の入れ方も教わり、焼き上がったアチュマ一個と一緒に試食した。
アルカンさんは各工程のほか、ヨーグルトはトルコ共和国が発祥地でマヨネーズやケチャップと同格で料理に多用しているなどトルコの食文化の特色も紹介。参加者はオリーブ入りとカマンベールチーズ入りの各アチュマ計5個を焼き上げ、試食後の残り4個をお土産として持ち帰った。
この教室は回ごとに先着16人で受講希望を受け付ける。地元の食文化の一端としてトルコ食の裾野拡大を図るという重要な目的があり、各回の告知は同町が発行する広報誌「広報くしもと」などで行うとしている。
初の教室開講を迎え、丸石代表は「トルコ料理には、同じ料理なのに地域や家庭によって味わいが異なるという特色がある。まずはアイシェが育った地域の食文化に親しみ、そこからほかの地域はどうかと興味を広げてもらえたら」とコメント。
今後について「特別な料理ではなく日々のメニューの一つとして取り入れられる料理を紹介する。トルコの方が来た時に『こんな料理知っているよ』とか『この料理を作って食べているよ』と町民から話題を持ち掛け、自然と交流が広がる状況を目指したい」と語った。
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■次回は10月22日実施
次回の同教室は10月22日(日)午前11時~午後2時ごろ、同センターで開く。テーマは「赤レンズ豆のスープとギョズレメ」。参加費は1500円。同月2日(月)~13日(金)に先着16人まで受け付けるという。申し込みや問い合わせは役場総務課のアルカンさん(電話0735・62・0555)まで。
(2017年9月28日付紙面より)
秋季近畿地区高校野球県二次予選
県の産業・文化を学ぶ (太地町 )
太地町立くじらの博物館に25日、「ABEイニシアティブ」でアフリカからきた留学生6人が訪れた。館内の展示やショーを見学し、捕鯨文化について学んだ。
「ABEイニシアティブ」とは2013年6月に開かれた第5回アフリカ開発会議(TICADV)で安倍晋三首相が打ち出した「アフリカの若者のための産業人材育成イニシアティブ」の略称。アフリカの若者に日本の大学教育や産業でのインターンシップの機会を提供し、日本の技術や産業の認知を深化させ、アフリカ大陸の開発に資する人脈形成などを目的としている。
和歌山県では、株式会社紀陽銀行が主導し、県と協力して受け入れた。留学生6人はウガンダ、エリトリア、ナイジェリア、ニジェール、南アフリカ出身。
博物館では、町歴史資料室の櫻井敬人学芸員が案内した。
国立京都工芸繊維大学の工芸科学研究科で学ぶ南アフリカ出身のマリレット・ファン・ヤルスフェルドゥさんは「捕鯨がいかに地域に貢献してきたか、クジラ肉をとることがいかに必要で世界的なことかを学べた。鯨類のショーを見て、触れたのも楽しかった。南アフリカでも陸上生物の保護が進められている。海の動物の保護を陸にも応用できそう」と語った。
(2017年9月27日付紙面より)
熊野那智大社で献湯祭 (南紀勝浦温泉旅館組合 )
那智勝浦町の熊野那智大社(男成洋三宮司)で24日、南紀勝浦温泉旅館組合(中定俊会長、組合員10社)が献湯祭を営んだ。各旅館の16源泉から一番湯が納められ、町の発展を願った。
同例祭は、秋の行楽シーズンを迎えるにあたって朝一番で源泉からくみ上げた温泉水を奉納し、気持ちの一新を図るとともに自然の恵みに感謝をささげ、業界の発展を祈る。40回目を迎える。
例年11月に催されているが、熊野那智大社創建1700年、那智山青岸渡寺西国三十三所草創1300年のイベントで予定が埋まっており、9月に前倒しとなった。
神事では、裃(かみしも)姿の組合員と各旅館の代表者らが参列し、神前に一番湯を納めた。中組合長が祭文を読み上げて自然の恵みへの感謝と業界繁栄を祈願し、神事後には温泉水でつきあげた「温泉もち」とお菓子を居合わせた参拝者らにまいた。
中組合長は「旅館、民宿ともに頑張っている」とコメント。男成宮司は「長い年月が南紀の自然を作っている。祖先が大切にしてきた自然の恵みと神々への畏敬の念を大切にしていかなければならない」と熊野の歴史と自然の重みを改めてかみしめた。
(2017年9月27日付紙面より)
田並天満神社の御祭礼 (串本町 )
串本町田並にある天満神社(坂成正人宮司)の御祭礼が23日に宵宮、24日に本祭を迎えた。本祭日は主祭神・菅原道真公の神輿渡御(みこしとぎょ)があり、行く手を阻む5本の大幟(のぼり)との駆け引きなどが多くの拝観を集めた。
田並の坂成家鎮守として祭祀(さいし)されたのが始まりとされる同神社。江戸期に田並二カ村の氏神社、明治期に旧田並村の村社となり、周辺諸神社を合祀(ごうし)した形で現在に伝わる。
例大祭にあたる御祭礼は今日、上地、下地、前地、灰地、向地の5区と宮総代が結成する祭礼委員会(松原彰祭礼委員長)により9月25日に近い日曜日を本祭日として営んでいる。主祭神・菅原道真の大宰府流刑を阻む民の心意気を再現して当代の信仰とする神輿渡御や獅子舞奉納が受け継がれていて、今年は23日を宵宮、24日を本祭として諸奉仕を重ねた。
本祭日は式典後、5区の大幟と幟衆、神輿と旅装束の神輿衆、坂成宮司、獅子屋台と獅子連中が御旅所のある田並海岸を目指して順次出御。先頭を行く大幟は道中ところどころで立ちはだかり、神輿の進行を阻止した。同町公民館田並支館そばでは2時間にわたって阻止が続き、その間に獅子舞の余興や子ども向けの菓子まき、大幟を揺さぶり突いたりよじ登って勇を示す祭員も注目を集めた。
田並海岸へ到着した神輿は旅装束の神輿衆と共に海に入って潮垢離(しおごり)し、幟衆は最後の抵抗として神輿を荒々しく海へと押し返し、神輿が振り切って御旅所に入ったところで神事や獅子舞奉納を営み、餅まきやパンまきで民の活気もささげられた。
大幟の大きさは約10㍍。松下家の虎幟を加えた6本が伝わっているが、幟差し衆の人員不足で今年も虎幟は境内に残された。他方では若い奉仕者が中心になり、初めて御旅所周辺にちょうちんを飾り付け祭りを盛り上げた。今年就任した松原祭礼委員長(47)は「地元はもちろん、よその人も集まる祭りにしたい。そのような思いで今年は、若い者が特に頑張ってくれた。新たに飾り付けたちょうちんは、その挑戦の第一歩でもある。すでに引退された先輩方にももう一頑張りの参加をお願いし、地域を挙げて支える御祭礼にしていきたい」と意気込みを交えて今年の御祭礼を語った。
(2017年9月27日付紙面より)
落ちアユ狙い赤木川で
新宮市熊野川町の赤木川など熊野地方各地で落ちアユを狙ったセギ漁が始まっている。ササなどでせき止めた川で、地域住民たちが朝から夕方まで、アユの群れを目掛けて網を投げている。
水温が下がりアユが河口近くまで下り産卵する習性を利用した漁。漁期は9月1日から12月25日(月)まで。川の浅瀬に等間隔に木や竹でくいを打ち、そこにササなどを置いてアユの下降を一時的に止め、小鷹(こだか)と呼ばれる網を投げて捕まえる。網の投げ方はもちろん、網にかかったアユを取り外すのも技術がいる。
熊野川町能城山本の赤木川下流では25日午前8時から午後5時ごろまで、男性二人が出漁していた。一人は「今年はけっこう数はあるけど、まだ小さいのが多いね」と話していた。
(2017年9月27日付紙面より)
記録会兼県小学生秋季陸上競技選手権
近畿地区都市軟式野球大会(一部)県予選
マクドナルド杯サッカー2017
佐渡裕さん指揮、復興祈念演奏 (那智勝浦町 )
那智勝浦町と同町教委は18日、兵庫県立芸術文化センター芸術監督で世界的指揮者の佐渡裕さんと同センターのスーパーキッズ・オーケストラを招いて「佐渡裕&スーパーキッズ・オーケストラ2017 紀伊半島大水害復興祈念演奏活動 こころのビタミンプロジェクト in なちかつうら」を開催した。
佐渡さんは午後の演奏会に先だち、同町市野々の県土砂災害啓発センター敷地内で鎮魂演奏会を催した。佐渡さんは新宮高校の生徒から「音楽で地元を元気づけたい」と手紙を受け取ったことを来町のきっかけと話し「手紙に感動しました。大水害から6年が経過してしまい、いつか来なければと思っていました」とあいさつ。コンサートマスターの前田妃奈さん(中3)がバッハの「バイオリンソナタ」よりソロを演奏後、会場の全員で黙とうをささげた。高い演奏技術と美しい響きに、約150人の鑑賞者は大きな拍手を送った。
佐渡さんは同町井関の紀伊半島大水害記念公園で慰霊碑に献花し、手を合わせ、「たくさんの命が自然災害で奪われるというのは本当に心が痛みます。自然豊かな所で生まれ育った私たちは、これからますますそうした災害に工夫しながら向き合っていかなければならない。手を合わせるということは、未来のことを決意するということだと思います。励まし合い手を取り合い生きていけるのは日本の素晴らしいところ。われわれには音楽を通してこころのビタミンを届けることしかできませんが、この美しい町がますます魅力的な町になっていくことを願っています」と話した。
(2017年9月20日付紙面より)
知的障害者の雇用など例に学ぶ (新宮市 )
新宮市婦人団体連絡協議会(仲富美子会長)は16日、新宮市福祉センターで、講師に新宮市人権尊重委員会の和田勝さんを迎え人権学習会を開催した。
和田さんは認知症の祖母と孫が題材の絵本「ばあばは、だいじょうぶ」を紹介し、神奈川県相模原市の知的障害者施設津久井やまゆり園で起こった「相模原障害者施設殺傷事件」も取り上げた。社員の7割が知的障害者のチョーク工場が日本で一番大切にしたい会社と呼ばれる理由が描かれた「虹色のチョーク」という本を題材にし、知的障害者との関係などについて講話した。
日本国憲法第14条第一項を読み上げ、「人権というのは、人間が人間らしく幸せに生きていくための権利。人間は生まれた場所、住んでいる場所によって値打ちが決まるものではない。差別はされる側ではなく、する側に問題がある。する人がいるから差別が起こる。いじめも同じ。差別などは人間がつくり出したものですから、人間の力でなくしていかなければならない」と話した。
和田さんの講話の前には、赤十字奉仕団和歌山県支部の講習に参加してきた川嶋みどりさんが、講習時に教わってきた、緊急時に役立つ牛乳パックを使った一人用非常食セットを紹介した。
(2017年9月20日付紙面より)
三輪崎八幡神社例大祭の奉納行事 (新宮市 )
新宮市の三輪崎八幡神社(上野顯宮司)例大祭の神輿渡御(みこしとぎょ)と奉納行事が18日、同神社と三輪崎漁港周辺で営まれた。奉納行事では晴天の下、三輪崎郷土芸能保存会が獅子神楽と日本遺産に登録された鯨踊りを披露。踊りや演奏があり大勢の来場者らでにぎわった。
三輪崎漁協前の御旅所では三輪崎郷土芸能保存会が七つの獅子神楽を奉納。『鯨踊り』では扇子を持って鯨を追い込む様子を表した『殿中踊り』と竹製で銛(もり)を模した「綾棒」で鯨を突く様子を表した『綾踊り』を勇壮に披露し「ヨイハ」の掛け声を響かせた。
三輪崎婦人会、台楽保存会、若吉会の女性たちが2曲ずつ踊り、熊野曼荼羅太鼓の演奏に合わせて『黒潮囃子』と『新宮節』も踊った。
三輪崎郷土芸能保存会の濱口仁史会長は「台風の影響で予定を変更しましたが、晴天に恵まれてよかった。懸命に練習した踊りをめいっぱい披露できうれしいです。満足のいく御旅所での披露になりました」。三輪崎八幡神社氏子総代会の中村武会長は「天気も良く無事にでき、ほっとしています。祝日で子どももたくさん出てきてくれた」。
夫が保存会のメンバーの吉村まき子さんは「体力勝負で大変だと思いますが、頑張っていると感じます」。葛平愛子さんは「今年は神輿を担ぐ人が少なく、にぎやかさが例年と違っているように思います。いろんな世代の人が参加しておりいい祭りですね」と話していた。
(2017年9月20日付紙面より)
勝浦八幡例大祭
那智勝浦町の勝浦八幡神社(髙橋正樹宮司)例大祭式典が18日、営まれた。17日の予定だったが、台風による荒天が予想されたため延期。内容を縮小して、境内で神事と奉納行事を執り行った。
式典は正午に始まり、祭典委員や氏子らが参列した。櫂(かい)伝馬のこぎ手が「餅つきうた」を歌い、山伏勝浦会(山路昇会長)は歌舞伎の演目「勧進帳」を演じ、勝浦獅子神楽保存会(沖和也会長)が獅子舞を奉納した。
神輿(みこし)の渡御は中止となったが、午後3時からは櫂伝馬行事が営まれた。櫂伝馬愛友会(濱口泰至会長)、那智中学校の男子生徒が乗り込んだ3隻、南紀くろしお商工会の1隻の計5隻が勝浦湾内をこぎ回った。櫂伝馬を応援するギタリストの濱口祐自さんの演奏もあった。大阪府吹田市の浜田純さん(60)は、「毎年お祭りを楽しみにしています。台風で海中神事が見られず残念でしたが、櫂伝馬は見ごたえがありますね」と話していた。
(2017年9月20日付紙面より)
「ツール・ド・北海道」キナンチームレポート②
寺本千紗さん、潮﨑梨緒さん選出
秋晴れの中、神輿渡御や奉納行事 (三輪崎八幡神社例大祭 )
新宮市の三輪崎八幡神社(上野顯宮司)例大祭の神輿渡御(みこしとぎょ)と奉納行事が18日、同神社と三輪崎漁協周辺で営まれた。台風一過のさわやかな秋晴れの中、みこしや山車(だし)が区内を練り歩き、奉納行事は多くの人々でにぎわった。
漁労加護、五穀豊穣(ほうじょう)、商売繁盛など地域の繁栄を願い、現在の三輪崎漁協付近にあった元宮に神様が年に1度里帰りする祭り。本殿大前ノ儀では祭り関係者が参列し地域の平穏無事を願った。
神輿渡御では、同神社を出発したみこしに続いて、大勢の子どもや大人に引かれた恵比寿(えびす)、二十四孝(にじゅうしこう)、大黒天の山車が、三輪崎漁港前の御旅所まで豪快にぶつかり合いながらまちを練り歩いた。
三輪崎漁港前の御旅所では、三輪崎郷土芸能保存会(濱口仁史会長)が獅子神楽を奉納した。獅子舞の天狗(てんぐ)役は、屋敷朋希君(5)が務めた。三輪崎婦人会、台楽保存会、若吉会が華やかな手踊りを披露。同保存会の青年たちが掛け声とともに、日本遺産にも登録された勇壮な鯨踊りを奉納した。
(2017年9月19日付紙面より)
イスタンブール高校来校 (串本古座高校 )
県立串本古座高校(愛須貴志校長)は15日、トルコ共和国のイスタンブール高校(ヒキメット・コナル校長)と姉妹校提携を結んだ。アメリカのヘメット高校、カナダのバニア高校に続き3校目で、愛須校長(57)は「生徒が世界へといっそう視野を広げ、地域の歴史を見つめ直すいい機会にしたい」と今後の交流に意気込んでいる。
イスタンブール高校は国内でトップクラスの優秀校として有名で、生徒890人が学んでいる。コナル校長(38)によると、生徒が授業でトルコ軍艦エルトゥールル号の史実を学ぶ中で串本町に興味を持ち、どうやれば行けるのかなどを調べて筋道をつけた延長で今回の訪問を計画した。その勢いの背景には日本に関心を持つ学生の増加があり、次年度には日本語クラブも創設される予定。将士を救った地域に感謝を届けるとともに、できることは限られているが生徒間交流で両国の友好に協力できればと考えて今年7月、串本古座高校に姉妹校提携を申し入れたという。
串本古座高校は次年度から地域に貢献できる即戦力人材を育てるグローカルコースを実働させる計画。教材とする地域はトルコ共和国との友好が深く、この姉妹校提携は今後の新たな挑戦において有益だと考えて受け入れることにしたという。
調印式は串本古座高校で行うことになり、この日はコナル校長ら教員3人と訪問を希望した3年生(日本の高校2年生に相当)12人が来校。愛須校長ら教員と生徒会執行部やCGS部トルコ班の生徒が出迎えて歓迎した。両校長、生徒を代表して生徒会執行部の高田紅恋会長(2年)とイイットジャン・カヤ君があいさつを交わし合い、互いの高校を紹介しあった後に両校長名で調印書を交わした。
イスタンブール高校一行は式後、校舎やクラブ活動を見学。各部も体験を準備して生徒間交流に臨み「トルコ語は無理だけど英語で何となくコミュニケーションできた」と興奮していた。
提携はしたが両校とも半ば勢いで縁組をした状況で、今後の具体的な交流事業は白紙の状態。学校紹介時に両校ともパソコンを用いてプレゼンテーションをしたこともあり、インターネット経由での情報交流であればすぐにでも始められそうだと愛須校長は思い描いた。
イスタンブール高校の一行は翌16日、串本古座高校と共に同町樫野にあるエ号殉難将士慰霊碑へ献花し、トルコ記念館を見学。一帯の清掃に取り組んでいる大島小学校を訪問し、当事者である児童らに会って感謝した。
その後に田嶋勝正町長と将士を救助した当時の村民の一人・高埜友吉のひ孫にあたる堀口徳弘さん(65)を表敬訪問。自分たちにできることの一端で、沖日記をトルコ語に訳し日本とトルコが今後共同設置する大学に託す目的で電子データの提供を要請し、堀口さんから伝え聞いている当時の状況を聴取しトルコ共和国における尊敬の所作を堀口さんに注いでこの上ない感謝の証しとするなどした。
(2017年9月19日付紙面より)
新宮市橋本児童館で
新宮市の橋本隣保館・児童館(速水得史館長)で16日、「第29回ささやかな敬老会」があった。子どもたちが歌を披露し、お年寄りたちを喜ばせた。
開館の翌年から始まり、紀伊半島大水害の年を除いて毎年開催されている。地域住民たちが子どもたちへのプレゼントを作るなど、手作りイベントとして続いている。
会場には地域の高齢者たちが作った生け花、陶芸、手芸、プリザーブドフラワーなどを展示。松嶋亨さんのシルバー川柳、松嶋享さん、中田定弘さん、広野武子さんの歌のほか、マジックショーやビンゴゲームもあり、盛り上がった。
速水館長は「台風が近づいていたので心配しましたが、多くの人が来てくれて良かったです。本当に手作りの敬老会ですが、毎年皆さんが楽しみにしてくれています」と話していた。
(2017年9月19日付紙面より)
台風18号、近畿地方通過
大型の台風18号は17日午前、鹿児島県南九州市付近に上陸、九州南部、四国、近畿地方を通過し、18日には北日本を進んだ。和歌山県には17日夜に最も接近し、和歌山地方気象台によると午後8時35分に和歌山市の友ヶ島で44・7㍍の最大瞬間風速を記録。新宮市では熊野速玉大社の大鳥居手前で倒木があった。
熊野地方でも強風が吹き、大雨が降った。17日午後9時までに太地町太地で43㍉、那智勝浦町勝浦で38㍉、同町浦神西で37㍉の最大時間雨量を記録。累積雨量は同町勝浦で333㍉、太地町太地で328㍉、新宮市高田で318㍉に達した。和歌山県の調べによると県内の主要河川のはん濫は無かった。
各地で避難準備情報が出された。那智勝浦町では17日午後4時20分に市野々から天満中村にわたる地区と天満地区薬師谷付近に「避難準備・高齢者等早期避難」を発令した。新宮市は16日午後5時、21カ所の自主避難所を開設。20世帯24人が避難した。
県内では由良町白崎海洋公園道の駅で28歳の男性が転倒して骨折、田辺市消防団龍神支団中山路分団車庫のシャッターが破損するなどの被害が出た。
交通機関にも乱れが出た。JRきのくに線は新宮―和歌山間が運転を見合わせた。関西電力によると田辺市内で約3560軒が停電した。
(2017年9月19日付紙面より)
「ツール・ド・北海道」キナンチームレポート①
県大会目指し熱戦繰り広げる
322人に銀杯など伝達 (和歌山県 )
和歌山県東牟婁振興局は13日、本年度中に100歳を迎える管内の高齢者18人を訪問し、安倍晋三・内閣総理大臣からの祝状と銀杯を伝達した。「百歳高齢者表彰」の対象者は8月8日現在、県内で322人。
国は社会の発展に寄与してきた100歳を迎える高齢者に感謝するとともに、広く国民に高齢者福祉に対する理解を深めてもらおうと1963年から記念品を贈っている。管内対象者の内訳は新宮市12人、那智勝浦町5人、太地町1人となっている。
新宮市仲之町で娘の泰子さん(76)らと暮らす廣田千代子さん(99)を訪問した児玉征也・東牟婁振興局長は「おめでとうございます」と祝状を手渡した。喜の国いきいき長寿月間(1~30日)に合わせ和歌山県が贈呈している仁坂吉伸県知事からの記念品も一緒に渡した。
千代子さんは1918(大正7年)年2月3日生まれ。戦後は自身の店「マカランヤ」を切り盛りしながら4人の子どもたちを育てた。「子どもは宝」と語り、伝達を受けると「こんな賞を頂くなんて夢のよう。ありがたいことです」と笑顔を見せた。
長寿の秘訣(ひけつ)は規則正しい生活。早寝早起きで好き嫌いはなく何でも食べる。日頃心掛けていることとして「身の丈に 生きて曾孫(ひまご)の 毛糸編む」と、40年以上続けている趣味の俳句に詠んだ。
「無理をせず、気付いたことは自分からさっさとすることを心掛けるといつの間にか年をとっている。争い事を起こさないよう、時に聞き流すことも大事。でも、自分自身の芯、気持ちを譲らずに生活していくことも大事」とほほ笑む。
受賞に際し「ありがとう 頂上の春 穏やかに」と書いた色紙を児玉局長に贈った。感謝の気持ち、100歳という「頂上」を迎えた自身の気持ちを表した句で「俳句はいいですね。全身の汗をぬぐいながら頂上(100歳)にたどり着いた感じです。俳句を作ることも一つの力になっています」。
児玉局長は「穏やかに 頂上の上 実る秋」と返歌を詠み、「100歳を迎え、今後ますますの実りを祈ります」と呼び掛けた。
県は養護老人ホーム寿楽荘(新宮市)と養護老人ホーム南紀園(太地町)へ祝品としてタオルセットを贈った。
(2017年9月15日付紙面より)
第37回卒業生同窓会が寄付 (新宮市 )
和歌山県立新宮高校(畑伸憲校長)の第37回卒業生は13日、今年1月2日に開催した同窓会の会費の一部を寄付金として同校へ贈った。同窓会の西哉素史さんが来校し、畑校長へ金一封を手渡した。
1984年度卒業生の学年単位の同窓会は今回が初めて。50歳の節目に開いており、準備では毎回約20人が集まり所在確認や参加の呼び掛けなどをした。同窓会は那智勝浦町のホテル浦島で開かれた。卒業生約500人中207人と恩師4人が参加。亡くなった友人や恩師への黙とうの後、校歌斉唱、恩師のスピーチ、歓談があり、旧交を温めた。次回は還暦の年に開催する予定。
西さんは「子どもたちのために有効に使ってほしい」。畑校長は「大変ありがたい。子どもたちのため、教育充実のために使わせてもらう」と感謝していた。
(2017年9月15日付紙面より)
宇久井神社例大祭の御船
那智勝浦町の宇久井神社(男成洋三宮司)例大祭で神輿(みこし)海上渡御を先導する御船の練習が13日、宇久井港で始まった。
軽快な太鼓と「よーえんやー」「えーらんえー、えんやさのさ」の掛け声とともに、1そうの船が港外にこぎ出した。主役は宇久井中学校(田中信幸校長、生徒91人)の生徒有志たち20人。船先に立って踊る「櫂(かい)踊り」、両手に扇を持ち船尾に立つ「扇舞い」、太鼓、こぎ手という分担で乗り込んだ。12日から始まるはずだったが天候の都合で1日延期され、この日が今年最初の練習日となった。本番前日まで4日間練習する。
1年生で初めて扇舞いに挑戦する西村悠羽君は「扇を振る動作が難しかった。本番までにもっとできるようになりたい」と少し緊張した表情。一方、太鼓役で3年生の畑下真輝君は今年で3年目。「リズムを間違えないように、いつも通りにやりたい」と余裕がある。櫂踊り役の亀井拓海君は「3年生でもう最後なので、できるだけ楽しみたい。かっこいい踊りなので、そこを見てほしい」と意気込みも充分だ。
指導の東信義さん(65)は「3年生はじめ経験者が多く、見ていて安心できる。本番ではうまくやってくれるはずだ」と期待を込め、ベテランの坂本明夫さん(81)も「中学生たちは一生懸命頑張ってくれている。祭りが楽しみ」と話していた。
練習行程を終えて戻ってきた船は、本番でも歌われる「御舟キヤリ」の歌とともに引き上げられた。周囲には様子を見に来た近隣住民や中学生の家族の姿もあった。
本番の17日(日)は湊蛭子神社地から午後1時30分ごろ、神輿を乗せた船を宇久井漁協広場まで先導する。
(2017年9月15日付紙面より)
町教研の夏期総合作品展 (串本町 )
串本町教育研究会(山本隆介会長)主催の夏期総合作品展が9、10の両日、橋杭小学校体育館であり、選抜217点が児童生徒やその家族、教育関係者らの鑑賞を集めた。
町立14小中学校の児童生徒が夏休みの課題の一環で取り組んだ自由研究作品の中から校内選抜された作品が一挙披露される同展。児童生徒の創作意欲をいっそう高める目的で毎年9月第2土、日曜日に開いている。
本年度は初日午後と2日目の日中に開場した。小学校低、中学年は各種工作が大半で、高学年以上になってくると工作以外に画用紙大のレポートにまとめた自由研究作品もちらほら。本年度は創作度の高さで親しまれる紙粘土造形やアートキャンドル、シーグラスクラフトが数多く、自動販売機や公衆電話、獅子屋台など実物を模した作品も目立った。
中学生ではラジオやFMトランスミッターといった電子工作やボトルに入れた切り絵など緻密さを増し、サッカーボール台や浴衣など実用志向の大作も関心を集めていた。
近年にないジャンルではストップモーション動画や本格的な変形菌標本もあり、作品によっては触れてよいものもあり出来栄えを試す子どもらの姿も目立った。
(2017年9月15日付紙面より)
スパセン南紀・熊野防災イベント (新宮市 )
「スパセン南紀・熊野防災イベント」が2日、新宮市佐野のスーパーセンターオークワ南紀店を会場に始まった。同店テナント会主催。来場者や買い物客らが訪れ、ダンスステージや展示されている車両を見学し、起震車や煙の体験などをした。
同会では5年前にも防災イベントを開き、集まった義援金を市などに寄付している。オープニングで下向栄一会長は「全国、いつどこで起こってもおかしくない災害。私たち南紀店内のテナント会で何かしていこうとイベントを開いた。防災のいろんな体験とフラのショー、明日はプロ歌手のライブもあり楽しんでもらいたい」とあいさつ。
来賓の田岡実千年市長は「今日は災害などに活躍する車両の展示、体験、イベントがあると聞いている。多くの方々に体験してもらいたい」。県議会の濱口太史議員は「防災イベントを民間で立ち上げて行っていただくことは大変有意義。民間、一般の皆さまに防災意識を高めていただくことが一人の犠牲者も出さない方向に向かっていくことだと思う」。泉正徳議員は「防災意識を高めてくれるイベントを開いてくれた各位に感謝したい。6年前の大変な災害から、いつ来るか分からないものに備え、気を引き締めていかなければならない」と述べた。
会場では国土交通省紀南河川国道事務所の排水ポンプ車、照明車、対策本部車をはじめ、自衛隊の軽装甲機動車などの車両展示があり、来場者らが実際に乗り込み記念撮影するなどした。起震車や煙の体験では子ども連れの家族らの姿もあった。店内では家具固定の講習会防災グッズ展示、アドバイスコーナーなどがあり、屋外ステージでは5組のフラチームが青空の下で踊りを披露した。
3日は午前11時から小芝陽子さん、午後3時から丸石輝正さんのライブを予定している。車両展示は午前9時30分~午後4時。
(2017年9月3日付紙面より)
丹鶴幼稚園で地震津波避難訓練 (新宮市 )
新宮市立丹鶴幼稚園(下岡容子園長、園児67人)は1日、地震と津波を想定した避難訓練をした。園児らは防災頭巾をかぶり、市保健センター横のタウンガーデンまで逃げた。
同園では年に6、7回ほど避難訓練を行い、防災意識を高めている。この日は午前10時に地震発生を知らせる放送が流れ、園児らは職員の指示に従って机などの下に身を隠した。揺れが収まると、園児らは防災頭巾をかぶって園庭へ。そこから歩いてタウンガーデンに避難した。
下岡園長は「地震で揺れたときには丈夫なものの下にもぐらなければいけません。今日は上手に避難できました」と話し、逃げる際にはしゃべらないよう呼び掛けた。
「おうちでいるときは家の人が守ってくれます。幼稚園では先生が守ってくれますが、自分の体、命は自分で守らなければいけません。そのためにちゃんと逃げられるように訓練をしています」と述べ、「押さない」「走らない」「しゃべらない」「戻らない」の「お・は・し・も」を守るよう伝えた。
園に戻った園児らは遊戯室で「防災の日」の話を聞き『稲むらの火』の紙芝居を見た。
(2017年9月3日付紙面より)
熊野那智大社が義援金 (那智勝浦町 )
九州北部で7月にあった豪雨災害の被災者を支援するため那智勝浦町の熊野那智大社(男成洋三宮司)は、今年の「那智の扇祭り」前後に同大社と飛龍神社に募金箱を設置した。男成宮司が8月31日、集まった募金と同大社からの義援金を合わせた50万円を日本赤十字社へ送ろうと、同社和歌山県支部那智勝浦町分区長である寺本眞一町長に届けた。
義援金の名称は「平成29年7月5日からの大雨災害義援金」で、町でも12月20日(水)まで募集している。
男成宮司は「ご参拝の方が多く、日数の割に思ったよりも多く集まった。人的なボランティアはなかなか難しいが、少しでも役立ててもらえれば」と述べ、寺本町長は「募金を預かるたびに23年の災害を思い返す。こうした形で恩返しできることはありがたい」と振り返り感謝した。
2人は紀伊半島大水害当時の町の様子や、災害についても話し合い、那智の原生林と滝の水量保全についても熱心に意見を交わしていた。
(2017年9月3日付紙面より)