那智大社で献湯祭 (南紀勝浦温泉旅館組合 )
南紀勝浦温泉旅館組合(清水貞吾組合長、組合員10館)は29日、那智勝浦町の熊野那智大社(男成洋三宮司)で「献湯祭(けんとうさい)」を営んだ。組合員らが参列し、朝一番に源泉からくみ上げた温泉水を神前に奉納した。
おととし、昨年に引き続き、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から宿泊客の参列参加や餅投げを行わず、規模を縮小して実施した。
神事では各旅館の代表者らが15個のたるに入れた源泉の一番湯を順に神職に手渡し供えた。
清水組合長が組合員を代表して玉串をささげた。一同は自然の恵みに感謝し、業界の繁栄とコロナ終息を祈願した。
神事を終え、男成宮司は「コロナ禍の厳しい状況は続いているが、大神様のご神徳、ご加護を頂き、それぞれの旅館のご繁栄と組合の発展をお祈りしております」と話した。
清水組合長は「全国旅行支援が始まり、観光にとって追い風が吹いている。温泉は持続可能な資源。コロナ終息と、一人でも多くのお客さまに来ていただけるよう大神様に祈願いたしました」。
今後については「コロナ禍前と比較して宿泊客は減少している。しかし、行動制限や入国制限の緩和、県内での行事や道路の完成などもあり、国内外からの多くの来町に期待している。世界遺産と勝浦温泉、生マグロを全国的に広めて町の発展に努めたい」と抱負を述べた。
同組合によると、組合員10館の収容力は840室で、3400人だという。
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献湯祭を終えた一同は那智山青岸渡寺(髙木亮英住職)に向かい、物故者追善法要を営んだ。
45回目を迎えた法要は南紀勝浦温泉の礎を築き上げ故人となった経営者や従業員などの功績に感謝し、冥福を祈るもので髙木住職と髙木智英副住職らが読経を行った。
清水組合長が「礎を築かれた皆さまに感謝するとともに、組合員一同、創意工夫をもって業績の向上に励み、観光産業の発展に努力します」と追悼の言葉を述べた。
(2022年10月30日付紙面より)
マイナンバーカード (新宮市 )
新宮市、新宮税務署(河野武署長)、新宮納税協会(横手章郎会長)は合同で29日、新宮市橋本のイオン新宮店に、マイナンバーカード出張申請所を開設した。市民が多数訪れ、協力を得て申請を行った。
交付率向上を目指した取り組み。新宮市の交付率は9月30日現在で、42・3%となっている。同店の一角にブースが設けられ、新宮市の職員が申請に協力した。顔写真の無料撮影や、条件を満たす場合はカードを郵送で受け取れる手続きも行えるようになっていた。申請希望者が開設時間前から並ぶような状況だった。
新宮税務署と新宮納税協会は、買い物客に啓発物資を手渡して周知した。マイナンバーカードのほか、納税などのオンラインサービスであるe―Taxの案内も行った。「マイナンバーカードはお持ちですか。今、出張申請を行っています」などと呼びかけていた。
田岡実千年市長は「市としても、マイナンバーカードの普及に力を入れている。いろんな使い方ができるようになるので、早めの取得をお願いします」。河野署長は「今ならマイナポイントももらえるほか、取得すればe―Taxで、確定申告がスマートフォンなどで簡単に行えるようになる。この機会にぜひ」などと話した。
三輪崎から訪れて申請した山本八千代さんは「今ならポイントも付くし、保険証も兼ねるようになるというので来た。写真も撮ってくれるし、手続きも簡単だった」と語った。
新宮市は他にも、夜間や日曜の窓口開設、企業や団体向けの予約制出張申請所開設にも取り組んでいる。問い合わせは、新宮市市民窓口課(電話0735・23・3333)。
(2022年10月30日付紙面より)
リカ・ハマグチさんが講演 (太地町 )
太地町公民館は26日、文化講演会「ブルームと紀南―現代アボリジニー舞踊表現について―」を開催した。同町と姉妹都市であるオーストラリア・ブルーム出身でダンサーとして活躍するリカ・ハマグチさん(29)が講師を務め、真珠漁業がつなぐブルームと紀南の関係やつながり、自身が取り組むアボリジニ文化を現代的な舞踊で表現するダンスパフォーマンスなどについて講演した。
リカさんはオーストラリアを代表する現代舞踊グループ「バンガラ舞踊団」の主役ダンサーを務めたほか、今年の西オーストラリア州観光キャンペーン映像に出演するなど、幅広い活動を展開している。
これまでにも舞踊グループとして日本を訪れたことはあるが、個人での来日や自身のルーツに当たる那智勝浦町下里出身の祖父、故・浜口博司さんの故郷を訪ねるのは初だという。
真珠漁業に参加するため、日本人を含むアジアやヨーロッパの多くの人々がブルームを訪れたことについてリカさんは「さまざまな民族が交じってブルームはユニークな場所になった。先住民のアボリジニやアジア、ヨーロッパの人々の子孫がたくさん住んでいる」と話した。
過酷な真珠漁において、長年ダイバーとして活躍していた寡黙な祖父に触れ、ダイバー引退後はアジア人初の真珠養殖業のオーナーになったことや、日本語を教えてくれたことなどを振り返った。
太地町とブルームの姉妹都市交流事業ではリカさんのいとこも同町を訪れ、ホストファミリーとして同町の子どもたちを迎え入れたことを挙げ、「私は参加していないが、交流事業が今も続いていることがうれしい」と笑顔を浮かべた。
今回、祖父の故郷や親族とも会ったリカさん。紀南の地や海に自身が生まれ育ったブルームを感じ、ふるさとのような感覚を持ったと話す。
家族や親戚らと過ごした様子や歴史ある舞踊グループの詳細、ダンサーとしての活動、ダンスについて、写真をスライドに映し出し解説。
毎年観光客でにぎわう祭りの様子やオーストラリアの自然、多くの文化が混じり合っているブルームにおいて、日本との共通点やアボリジニの文化の影響が非常に強いことなどを紹介した。
リカさんは「祖父の故郷を訪ね、親族にも会うことができた。皆さまに歓迎していただき、心が温まった。今後、交流の機会があれば、踊りの披露もしたい」と締めくくった。
26年前、実際に博司さんとも面識がある江﨑隆司公民館長は「リカさんのような若い方々が紀南とブルームの架け橋になってくれたらうれしい」と話していた。
(2022年10月30日付紙面より)
相野谷診療所に研修センター開設 (紀宝町 )
紀宝町が町立相野谷診療所に設置した紀宝町地域医療研修センター「KITCHEN(キッチン)」の開設式が28日、同町役場であった。「地域医療を学べるまち紀宝町」をスローガンに、医学生・研修医の受け入れ、地域医療講演会や研修会、町民への学びの普及を通して、町全体で地域医療と地域包括ケアシステムを充実させていく。
県地域医療研修センター(鈴木孝明センター長)と連携して、県内の総合診療医育成、町内事業所のスタッフ育成、町民教育・健康普及活動に貢献し▽安心できる▽実践できる▽継続できる▽成長できる▽共有できる―学びを提供する。
相野谷診療所の森本真之助所長がセンター長、くまのなる在宅診療所の濱口政也院長、町遠隔業務支援医(リモート医)で脳神経外科医・脳卒中専門医の角谷美帆医師が副センター長を務める。
開設式には協力連携事業所、町の関係者30人が出席し、西田健町長が「町の未来のため、皆さんと一緒に事業を進め『住んで良かった』と思ってもらえる町を目指していきたい」とあいさつ。
森本センター長は「紀宝町の地域医療は介護、教育にも貢献できる。教育環境の整備を皆さまへの感謝としたい。一緒に勉強する組織を目指していきたい」と述べ、「無限の〝楽しい〟を育む学びの台所」との意味を込めて「KITCHEN」と名付けたと伝えた。
今後、町が主体となってポストコロナ時代に求められる優秀な医療人材を育成し、研修センターを通して地域包括ケアシステムの発展と充実、在宅医療の推進などを目指していくという。
(2022年10月30日付紙面より)
周辺地域協の臨時総会で発表 (スペースワン株式会社 )
串本町田原~那智勝浦町浦神にまたがる民間ロケット射場「スペースポート紀伊」を運営するスペースワン株式会社(豊田正和代表取締役社長)=東京都=が19日、ロケット「カイロス」初号機の打ち上げを来年2月末ごろに再延期することを公式発表した。
同日、串本町サンゴ台のホテル&リゾーツ和歌山串本で開催のスペースポート紀伊周辺地域協議会(会長=下宏・和歌山県副知事)臨時総会に出席した同社の阿部耕三取締役が事業の経緯や現時点での進捗(しんちょく)と併せて報告したもので、国際情勢に伴う物流の停滞が想定以上で期待する時期に必要な部品が届かないなどの諸課題に苦慮し、それらの対処をすると今年12月末ごろの打ち上げは厳しいとの判断に至ったとして理解を求めた。
同総会では初号機打ち上げ時の公式見学場の全体管理を担う株式会社JTBも報告に臨み、会場運営の概要や集客窓口とするホームページ「ロケット『カイロス』初号機打ち上げ応援サイト」の事前登録状況やオフィシャルツアーに伴う宿泊施設の配分などを伝えた。
今回の議事は2社の報告のみ。下副知事は「残念だが、現在の状況などを考えるとやむを得ないと思う。引き続き支援をし、ぜひとも初号機の打ち上げを成功させていただきたい」と総括した。
当初の2021年度内から今年12月末ごろ目標、さらに来年2月末ごろ目標と再延期したことについて阿部取締役は「楽しみにしていただいた地元の皆さまには大変申し訳ないと思っています。引き続きご支援ご声援をお願いしたい」とコメント。来年2月末ごろという期日は関係各者と話し合う中で総合的に判断し示した目標で、実現に向け全力で取り組むとしている。
発表を受け副会長の田嶋勝正・串本町長は「来年2月の閑散期にずれ、商売人は助かりファンも来やすい状況になると思う。渋滞対策などよりいっそう充実し、多くの方を迎える状況をつくっていきたい」。
副会長の堀順一郎・那智勝浦町長は「期間が少し延びたところをうまく活用し、もっと盛り上げて多くの方々に喜んでいただけるような地域振興につなげる期間として前向きに捉えたい」とそれぞれ語った。
(2022年10月21日付紙面より)
笑福亭鶴笑さんが講話 (新宮高校 )
新宮市の県立新宮高校(東啓史校長)で19日、全校生徒561人を対象に人権全体鑑賞会が開かれた。落語家でNPO法人「国境なき芸能団」代表の笑福亭鶴笑さんが、パペット落語などを通じて笑いを届け、難民キャンプで暮らす子どもたちや戦争、平和に対する思いを語った。
鶴笑さんは笑福亭一門の落語家で、世代や国境、言語の壁を超えて世界中の人々が楽しめる新型落語「パペット落語」を考案。戦争や内乱、災害、疫病によって生活を破壊された人々や、紛争地で生まれ育った子どもたちに励ましの「笑い」を届けるためNPO法人を設立し、アフガニスタンやイラク、カンボジアといった国々へ赴いている。
鶴笑さんは、枕として難民キャンプを訪れた経験を紹介し「最初は外国人への不信感からキャンプ内への立ち入りを拒否されたが、芸で子どもたちを笑わせたことがきっかけとなってコメディアンとして認めてもらえた」と語った。戦争の絶えない世界の現状を憂い「なぜ戦争が起きてしまうのか。いろんな人の意見を聞いて視野を広げて。人間らしさを取り戻すためにも笑いが大切。皆さんの家庭や学校生活に楽しい笑いがあふれるように」と語りかけた。
手作りのパペットで1人4役を演じるオリジナルの落語「立体西遊記」では、登場人物たちの軽妙な掛け合いに、生徒たちに笑いが広がった。
弟子の笑音(しょうと)さんも登場し、灯油シュポシュポやパイプ椅子、熊手、クレンザーボトルなど身近な素材を改造した手作りの笛を披露。塩ビパイプで作ったトロンボーンでは「ぞうさん」を演奏した。
山田倫加さん(3年)は「初めて落語を聞いたが、面白かった。大学で海外のことを学びたいという思いが強くなった」。松下穂乃果さん(同)は「難民キャンプの話を聞き、海外でも落語が受け入れられて、笑ってもらえること、人と仲良くなれることを聞いて感動した」と話していた。
(2022年10月21日付紙面より)
紀伊半島沖で採集の2種 (串本海中公園 )
紀伊半島西南沖で採集されたイバラスナヒトデとケムシヒトデが標本に基づく記録として国内2例目となることがこのほど判明し、その報告論文が先月20日発行の学術誌「Biogeography」24号に掲載された。
イバラスナヒトデは、串本海中公園センター水族館の平林勲係長が2019年12月30日に有田沖で展示生物の採集をしていた時に発見。見慣れないヒトデ類だったため水産研究・教育機構の木暮陽一主幹研究員に精査を求めたところ、沖縄県の1標本のみ記録されているイバラスナヒトデだと判明した。
木暮主幹研究員は生体調査に加え過去に採集され標本として収蔵されている未同定種も対象として研究をしている専門家。1975年にすさみ町沖で採集され大阪市立自然史博物館に未同定種として収蔵されていた標本を昨年に見つけ、形態観察をした末に小笠原諸島兄島でのみ記録されるケムシヒトデだと判断。紀伊半島西南沖で採集されたこれらヒトデ類は貴重な標本と感じ、平林係長と連名で論文を書き学術誌掲載で公表するに至った。
平林係長によるといずれも南方系に分布するヒトデ類で、公表により分布北限が紀伊半島へと更新される結果になったそう。木暮主幹研究員はこれら2種が採集される背景に越冬を含め生息可能な環境が紀伊半島沖で成り立っている状況を洞察し、いずれもこれまで本州には記録がなく貴重な標本だと評価している。
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以降、平林係長は今月3日に田並沖でのイセエビ刺し網漁で混獲された生物を調査中にケムシヒトデと思われる個体を見つけ、その場で交渉し譲り受けた。
後に確かめたところ間違いなく、希少なヒトデ類として17日から館内Aゾーンで生体展示を始めている。平林係長は「木暮さんが論文で公表した直後に生きた状態で見つかったのはまさに奇跡。国内ではほぼ目にすることがないケムシヒトデを生体展示でじかに知ってもらいつつ、生態の解明にもつなげていきたい」と意気込んでいる。
串本町沖での採集は初で、すさみ町沖で採集されて以来47年ぶりとなる標本記録。木暮主幹研究員は「生体展示をしているのは、自分が持つ情報の中では世界でも同館だけ。何を食べるかさえ分からないほど知見が乏しいが、餌が分かり飼育ストレスを小さくすれば長生きできると思う。ヒトデ類は脚光を浴びることが少ないが、海を描くとほぼ登場するほど意識されている生き物。うまく飼育できたら目玉の一つになると思う」と長期飼育の成功を期待して語った。
(2022年10月21日付紙面より)
新宮保健所による「薬物乱用防止等を目的とした校舎校門前早朝啓発活動」が19日、那智勝浦町立那智中学校であった。新宮保健所職員、新宮地区協議会所属の薬物乱用防止指導員、関係機関職員8人のほか、那智中生徒会の役員5人が参加。登校する生徒に啓発物資を手渡し、乱用防止を呼びかけた。
近年、青少年による薬物乱用、特に大麻乱用が増加しており、令和3年の全国における、大麻事犯の20歳未満の検挙人員が994人、うち高校生が159人、中学生が8人となっている。「大麻は安全で依存性がない」などの誤情報も流れている。
また、10月は「麻薬・覚醒剤・大麻乱用防止運動」および「薬と健康の週間」に関連する運動月となっている。これらのことから新宮保健所は昨年、下里中学校と新宮高校で啓発活動を実施、今回は2年目となる。那智中のほか、21日に新翔高校でも実施を予定している。
那智中では、薬物乱用防止の啓発標語が書かれたポケットティッシュやばんそうこうのほか、薬と健康の週間の啓発ボールペンなどを配布。登校する生徒に対して「薬物乱用防止の啓発です」と伝えながら、啓発物資を手渡していた。受け取った生徒は標語を眺めるなどしながら、校舎へと入っていった。
生徒会長を務める、2年生の小井谷美央さんは「麻薬を使ったり、犯罪に手を出したりしないよう、啓発活動を通して知ってほしい」と語った。新宮保健所衛生環境課の勝山亮さんは「薬物乱用は遠い世界、都会の出来事として捉えがちだが、インターネットなどで身近に危険があることを感じてもらえれば」と述べた。
(2022年10月21日付紙面より)
初の近畿大会に向け練習に励む (近大新宮 )
とちぎ国体レスリング競技 (新宮高校 )
新熊野少年野球大会など
王子区が上り優勝 (新宮の速玉祭 )
国の重要無形民俗文化財(重文)の指定を受ける熊野速玉大社(上野顯宮司)の例大祭「新宮の速玉祭(はやたまさい)」が執り行われ、16日には神輿渡御式(みこしとぎょしき)と御船祭(みふねまつり)・早船競漕(きょうそう)が営まれた。
神馬(しんめ)に乗った「ヒトツモノ」に先導されて、熊野夫須美大神(くまのふすみのおおかみ)の御神霊を移した神輿が「わっしょい」の掛け声とともに熊野川河川敷へ。
その後、熊野大橋上流の「神遷(うつ)し場」で、朱塗り神幸船(しんこうせん)に遷されると、旧丹鶴小学校裏の河川敷に設けられた下札場(しもふだば)から9隻の早船が一斉にスタート。上流にある御船島(みふねじま)を3周し、上札場(かみふだば)を目指す約1・6㌔のコースで競い合った。上りで王子区が15分50秒のタイムで、3年ぶりとなった早船競漕を制した。
とも取りを務めた西村雄作さんは「3年ぶりの早船競漕に優勝できて良かった。(前回の2019年は2位だったので)リベンジできた。気合いを入れて練習してきたのでうれしい。途中で他の区と櫂(かい)が当たったりしてやばいかもと思ったが、こぎ手がよくこいでくれた。来年も優勝して連覇できたら」と喜びを語った。
熊野川河原の乙基(おとも)の御旅所(おたびしょ)では、「神輿所(みこししょ)」に設けられた杉ノ仮宮で暗闇の中、御旅所神事が営まれ、静寂に包まれながら厳かに日程を終えた。
熊野地方はこれから、本格的な秋を迎える。
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■早船競漕の結果
【上り】
①王子②阿須賀③丹鶴④神倉⑤明神⑥堤防⑦千穂⑧相筋⑨春日
【下り】
①堤防②阿須賀③春日④明神⑤神倉⑥丹鶴⑦相筋⑧千穂⑨王子
(2022年10月18日付紙面より)
外国人講師による講演会 (那智勝浦町 )
外国人の目から見た那智勝浦町の魅力を伝える、本郷アリーさんによる『観光地から「感動地」へ』の講演が13日、那智勝浦町天満の体育文化会館であった。観光関係者や一般など15人が参加。コロナ禍で低迷した観光業の復活のヒントを探した。
串本町と那智勝浦町の主催による「宇宙ウィーク2022」のイベントの一つとして実施した。本郷さんはブルガリアの出身で、2001年に家族と日本へ移住。日本の優れた「感動地」を世界に伝える「Japan Travel Awards」の選考委員長を務めている。
本郷さんは、目指すべき観光を「外国人、日本人に関係なく、誰もが楽しめる場所に」と主張。「観光客には、小さな子や車椅子の人、ペットと来る人や年配者もいるが、やりたいこと、楽しみたいコンテンツは一緒。国籍もあまり関係がない」と話した。
2022年の同アワードに認定された、ふくしまバリアフリーツアーセンターを紹介。「(名所の一つの)花畑は、数年前までバリアフリーが整っておらず、車椅子では奥まで行けなかった。それを整え、車椅子を押してガイドが案内するようにし、それで観光客が増えた。まち全体のインフラが(バリアフリーに)変わってきている」と明かした。
那智勝浦町の観光課題を指摘。「魅力的な情報を知らせる発信が不足している。英語の情報発信が足らず、よってブランドの認知度も変わらない。これが充実すると観光客の増加につながる」と語った。
魅力的な情報について「日本と外国の観光客の両方とも、やりたいことは一緒。『外国人はこういうものを喜ぶ』ではなく、自分たちが喜ぶコンテンツを考えることが大事」と述べた。魅力的なコンテンツは「人それぞれ」とし「既存のコンテンツをさまざまなアングルから情報発信すれば、それが魅力的な観光コンテンツになる」と力を込めた。
具体例として、愛知県の着物レンタル店を紹介。「女性がはかま、男性が振り袖でもいいと情報発信したら、外国人コミュニティーですぐ広がった。店がかけたお金はゼロ。見せ方だけで変わる」と話した。他の成功事例として、3歳から乗れるようにした川の急流下り体験や、車椅子のままでの人力車乗車体験なども挙げた。
車椅子への配慮やLGBTQへの理解など、写真による「見える化」の重要性にも触れた。外国人観光客に感想を聞く有効性も強調。「何が必要かと聞くとアイデアを出してくれる。失礼ではない」と述べた。
(2022年10月18日付紙面より)
アニメ監修者が講話 (那智勝浦町 )
NHK・Eテレで放映中のアニメ「宇宙なんちゃら こてつくん」の監修者が語る「宇宙兄さんズと楽しく宇宙を学ぼう!」が15日、那智勝浦町天満の体育文化会館であった。町内外の親子連れなど、約50人が参加。宇宙の魅力を楽しく学んだ。
串本町と那智勝浦町の共催による「宇宙ウィーク2022」の中のイベントの一つ。宇宙兄さんズは、公益財団法人日本宇宙少年団の小島俊介さん、小定弘和さんのコンビとなる。2人は、米航空宇宙局(NASA)や宇宙航空研究開発機構(JAXA)の宇宙センターでのスペースキャンプや、宇宙飛行士との交流イベントなどを企画、運営している。
2人は「世界の宇宙関連組織の人々が、宇宙をどう調べるかについて会議している」と紹介。「国際宇宙探査ロードマップには、いろんな国が協力し、地球から国際宇宙ステーション、月、火星の順で調べることを目指していることが書かれている」と明かした。月面基地や火星の有人探査のイメージ図を提示し、目指す将来を印象付けた。
会場で仮の宇宙飛行士選抜試験を行うとし「協力して最後まで諦めず頑張れるかが大事」と語った。宇宙飛行士に求められる資質を「いろんな国の人と仲良くして、地上スタッフと話しながら仕事を進める。チームで仲良く、外国人とも分かり合い、助け合い、コミュニケーションを取って仕事をうまくやることが求められる」と述べた。
宇宙飛行士は地上スタッフに対し、言葉だけで状況説明を行う必要があることに言及。その試験として、三角や四角、半円などを言葉だけで組み合わせ、指定の図形を作れるかを確かめた。1の目が上を向いたサイコロを指定された通りに転がして、その結果、1の目がどちら向きになったかも尋ねた。子どもらは頭をひねり、懸命に答えを考えていた。全問正解者は少なかったが「協力して最後まで諦めず頑張ったので、全員合格」と伝えた。
宇宙ステーションでの日本人宇宙飛行士の様子を、動画や画像で紹介。「水は貴重なので、おしっこは再び水に変えて飲んだりする。お風呂はなく、ウエットタオルで拭き、水のいらないシャンプーで体を洗う」などを明かした。
(2022年10月18日付紙面より)
和歌山ロケット応援団結団
串本町田原~那智勝浦町浦神にあるスペースポート紀伊のロケット「カイロス」打ち上げを盛り上げる有志団体「和歌山ロケット応援団」が15日、串本町潮岬にある望楼の芝で結団式を挙行した。
初夏ごろから先行して串本町、次いで那智勝浦町と有志のつながりが生まれ、応援の思いは共通という観点で一体となり発足を目指してきた団体。
同日現在の団員規模は約30人。うち6人が同日実施の「宇宙ウィーク2022」モデルロケット打ち上げ体験にゲスト参加し、同ロケット持参で結団式に臨んだ。
同体験の参加者やスタッフらが立会人となる中、結団に至るまでのいきさつや入団条件(打ち上げを心から応援する気持ちと地元を愛する気持ちを持つこと)、団員活動の方向性や交流サイト(SNS)やメールマガジンによる世界規模の情報発信、県立串本古座高校CGS部が目指している応援などを発表した。青木圭団長は「これからさらに団員が増えてどのようなアイデアが出てくるのかを考えるとわくわくする。打ち上げの成功や失敗によらず、どんなときでも応援していきたい」と思いを掲げ、記念として同体験の打ち上げ環境を借りて同ロケットを打ち上げて活動の第一歩を踏み出した。
当面はSNS(LINE)とメールマガジンの2系統で情報発信をし、「カイロス」と接点がある既存企画に連動して実動しつつ団員規模の拡大を図る。団名を和歌山としたのは2町にとどまらず広く仲間を集めたいという思いから。青木団長は「団員が増えれば団内のアイデアも充実し、それを形にする小隊(=分会)ができればやれることの幅が広がる。活動資金を得るための収益体制もしっかり構築し、打ち上げに関心がある大勢の皆さんをおもてなしできる団体にしていきたい」と展望を見据えて意気込んでいる。
メールマガジンは今後発信を始める予定。事務局は古座サテライトオフィス内にある株式会社USPジャパン和歌山オフィス(電話070・9050・4122)に置いている。問い合わせは同オフィスまで。
(2022年10月18日付紙面より)
「ロケット展」が開幕 (那智勝浦町 )
串本町と那智勝浦町の共催で開催中の「宇宙ウィーク2022」のイベントの一つである「宇宙と星とロケット展」のオープニングセレモニーが14日、那智勝浦町天満の体育文化会館であった。両町代表者などがテープカットを行い、開催を祝った。ロケット模型の展示などが、16日(日)まで続く。
「宇宙ウィーク2022」は、串本町田原のスペースポート紀伊でのスペースワンのロケット発射に向け、気運を高めるもの。12日から16日の期間中に両町で、展示や体験、講演など、さまざまなイベントが実施される。
「宇宙と星とロケット展」では同会館で、スペースポート紀伊から発射されるロケット「カイロス」の模型や、カイロス実物大の18㍍の垂れ幕、解体移動式の小型プラネタリウム、宇宙服、人工衛星模型などが展示される。予約不要で参加無料、開館時間は午前9時から午後6時、ただし16日のみ午後5時までとなっている。
オープニングセレモニーには、那智勝浦町の堀順一郎町長、串本町の平井治司副町長、勝浦こども園の5歳児14人、コニカミノルタプラネタリウムの藤掛曜平副社長などが参加した。
堀町長はあいさつで「ロケット発射による波及効果を高めたい。(イベントは)地域振興に役立てたり、子どもらに興味を持ってもらうことが目的。多くの子どもが宇宙に興味を持ち、よく知ってもらう機会になれば」と話した。
(2022年10月15日付紙面より)
新宮市観光協会(里中陽互会長)による、観光功労者表彰式が13日、新宮市徐福の熊野御坊南海バスであった。2団体と個人2人に対して表彰状を手渡し、観光振興に向けたさらなる協力を呼びかけた。
新宮市の観光振興に貢献した個人や団体を表彰することにより、観光の発展やサービスの向上を図ることを目的としたもので、毎年実施している。表彰式は例年であれば同協会の通常総会に先立って行われていたが、コロナ禍の影響で書面決議となったため、別に場を設けた。
今回は、団体の部で新宮信用金庫(浦木睦雄理事長)とくまの鐵道倶楽部(中瀬古友夫代表)、個人の部で下地正規さん(熊野観光開発)と山野上晶子さん(熊野御坊南海バス)が選ばれた。新宮信金の浦木理事長は所用のため、和平幸勝業務部長が代理で出席した。
表彰に先立ち、里中会長があいさつ。新型コロナの水際対策の緩和や「全国旅行支援」のスタートなどに言及。「観光の回復が期待される。新宮市でも外国人観光客などを見かけるようになり、戻り出していると感じている。一日も早く災禍を乗り越え、再興に努力したい」と力を込めた。受賞者に対しては「今後も培った知識、経験を発揮し、新宮市の観光振興に尽力をお願いします」と呼びかけた。
この後、里中会長が受賞者に対し、表彰状と記念品を手渡した。受賞者を代表して和平業務部長が、浦木理事長の謝辞を代読。「このような場で表彰していただき、ありがとうございます。受賞を励みに、今後も魅力ある新宮市のイメージアップのため、微力ながら業務に精進していきます」と述べた。
(2022年10月15日付紙面より)
防災学習で避難所運営 (鵜殿小 )
紀宝町立鵜殿小学校(前田幸利校長)で13日、県教育委員会の学校防災アドバイザーによる防災学習があり、6年生39人が災害時の避難所運営の中で自分たちにできることを考えた。
鵜殿小では学年ごとにさまざまな防災学習に取り組んでおり、今回は県教委教育総務課学校防災・危機管理班の学校防災アドバイザー・大須賀由美子さんを講師に迎えた。避難所で起こるであろう問題を考え、小学生の自分たちに何ができるのかを考えてもらうのが狙い。
大きな災害が起こったときの避難所運営について、三重県では市町、施設管理者、住民の3者で運営することになっているが、「役場など行政の職員もけがをしているかもしれないし、やらなければいけない他の仕事がたくさんあり、避難所は自分たちで運営しなければいけません」と説明。
電気や水道、ガスが止まり、多くの人と共同生活を送る避難所では、乳幼児、高齢者、外国人、着替えや授乳をする女性など「気を付けてあげた方がいい人がたくさんいる」と伝え、「皆にできることはたくさんある。まず何に困っているか聞いてあげて。これまで大人に助けてもらうこともあったと思うけれど、人を助けられる人になってください」と呼びかけた。
児童らは4人ほどのグループになり、カードで避難所運営を考える「避難所なんナン?」に挑戦。トイレや食事をテーマに「あったらいいな」と思うものや場所をたくさんのカードの中から選び、友達と意見を交わした。これを踏まえて、自分たちにできることを具体的に話し合った。
食事については、乾パンなど似たメニューが続くため、「温かく栄養のある食事も大切」と結論付け、自分たちが取り組めることとして、材料を調理場に運んだり、調理を手伝ったり、料理を運んだり、後片付け用のごみ箱を用意したり、食事の時間を伝えたりすることができるなどと発表し、考えを巡らせていた。
(2022年10月15日付紙面より)
東牟婁議員連盟協議会設立 (南紀熊野ジオパーク )
東牟婁郡5町村の議会議長が13日、南紀熊野ジオパーク東牟婁議員連盟協議会を設立した。互選により串本町議会の鈴木幸夫議長が会長に着任。各議会と同パーク推進協議会の情報交換や連絡調整を図り、相互連携の推進と各地域の持続的な発展、加えてジオパークの理念の普及拡大を目指すという。
同議員連盟協議会は、昨年秋ごろに必要性を感じた串本町議会が同パーク内にある他の市町村議会へ働きかけて設立を目指してきた団体。結果、まずは東牟婁郡内で立ち上げて実績を積み、その成果をもってさらなる裾野の拡大を目指す方向で動き出す形となった。
この日は串本町潮岬にある南紀熊野ジオパークセンターで設立総会を開き、規約や本年度の事業計画と予算を定め互選で鈴木会長以下、古座川町議会の谷久司議長と太地町議会の水谷育生議長が副会長、那智勝浦町議会の荒尾典男議長と北山村議会の久保學議長が監事と役員体制を固めて設立へとこぎ着けた。
引き続き設立報告会を開き、東牟婁郡町村議会議長会主催の全議員研修会参加のため同センターへ集まった各町村議会の議長を除く議員40人と来賓の谷洋一県議会議員、串本町の田嶋勝正町長、東牟婁振興局の酒井清崇局長、県環境政策局の田堀国浩局長が出席。来賓からの期待を受けつつ役員体制を報告し、代表して監事の久保議長が設立を宣言した。
会長の鈴木議長は南紀熊野ジオパークと同協議会設立の経緯を報告しつつ「本協議会の勉強会や意見交換会を通じて東牟婁郡内各議会の緻密な連携を図り、さらなる盛り上げを構築していきたい」と思いを掲げ、同協議会を軸とした今後の結束を求めた。
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全議員研修会は同協議会事業を取り入れる形で実施。同センターの福村成哉副主査研究員が「ジオパークの魅力と活用~大地と人々の関わり~」を演題に掲げて登壇し、ジオパークの概念や経緯、南紀熊野ジオパークの成り立ちや人々の暮らしとの関わり、目下展開中のさまざまなジオパーク活動などを伝えて議長も含めた出席議員の理解を深めたという。
(2022年10月15日付紙面より)
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