那智の滝で大しめ縄張り替え (那智勝浦町 )
那智勝浦町の熊野那智大社(男成洋三宮司)で27日、世界遺産である那智の滝で恒例の大しめ縄の張り替えがあった。日本一の落差133㍍の滝口で神職たち5人が足元に注意を払いながら慎重に新しいしめ縄に取り換えた。
那智の滝は同大社の別宮・飛瀧(ひろう)神社のご神体。張り替え作業は7月14日の例大祭「那智の扇祭り(火祭)」の前と年末の毎年2回行われている。
しめ縄はサラシ製で長さ約26㍍、重さ約4㌔。大社本殿で安全祈願を行い、白装束に烏帽子(えぼし)姿の神職らが表参道約2㌔の道のりを運んだ。滝の流れに足をつけた神職らは声をかけ合いながら無事にしめ縄を設置した。
年2回の張り替えの様子を見物できたことを喜び、写真撮影を行う参拝客らの姿も見られた。
男成宮司は「今日はすす払いを行い、しめ縄の張り替えも済み、新年を迎える準備が整った。今年はコロナ禍に加え、ロシアによるウクライナ侵攻もあり、厳しい社会情勢だった。来年こそはコロナ終息や紛争の終結する年になれば。すがすがしい一年になることを祈っています」と語った。
同大社では新型コロナウイルス対策に取り組み、年末年始の参拝客を迎えるとしている。
なお、那智の滝は大みそかから元旦にかけて青岸渡寺の三重塔とともにライトアップされる。
(2022年12月28日付紙面より)
串本町田原
串本町田原の荒船海岸では冬の風物詩、海霧が発生している=写真(20日撮影)。
霧は12月に入って、続く寒さでほぼ連日のように出ている。この日の串本の日の出は午前6時56分ごろだったが、水平線に雲があり、すこし遅れて顔を出した朝日に照らされて黄金色の海霧が浮かび上がった。
海霧は海面から発生する湿気を含んだ水蒸気が低温によって冷やされて蒸気霧となる現象で、気嵐(けあらし)といわれる。
シーズンはこれから本番を迎え、1月末ぐらいまで続く。
(2022年12月28日付紙面より)
来年2月末ごろのロケット「カイロス」初号機打ち上げを目指すスペースワン株式会社=東京都港区=がこのほど、準備の大詰めを迎えている射場「スペースポート紀伊」を報道公開した。同社は、事業の背景と概要を説明し総合指令棟と射点一帯の外観を紹介した。
射点には「カイロス」より一回り大きい高さ約20㍍の移動式射点組立足場があり、隣接するロケット整備棟からパーツを運び込んで射点上に組み上げる。打ち上げ時に立ち入り禁止となる「カイロス」の半径1㌔圏外となる場所に管制室があり、遠隔操作で「カイロス」を打ち上げて人工衛星を軌道投入するまでを一括監視する。
「カイロス」のロケットシステムは宇宙へ到達するための1段目と第一宇宙速度(地球の引力と人工衛星の遠心力がつりあい地球に落下しない最低速度、秒速約8㌔)までの加速を担う2、3段目からなり、さらに軌道修正用液体エンジン(スラスター)を駆使し適切に軌道投入をする。とりわけ多くのニーズが見込まれる高度500㌔の太陽同期軌道(打ち上げる方向は南方)に投入する場合、「カイロス」は150㌔の打ち上げ能力を発揮する。
これら技術の集大成により同社が目指す事業コンセプトは▽信頼性▽即応性(契約から1年、衛星受領から4日で打ち上げ)▽柔軟性▽低コスト―の4本柱。他の射点の手法を参考にし、遅くとも打ち上げの1カ月半前までにその日時を公表し、直前の気象条件などを見て日時を調整する形を取るという。
2020年代半ばには年間20回の打ち上げ頻度を目指していて、その光景と音響が日常となる射場周辺地域に向け同社の川井孝之部長は「初号機を成功し、そして定期的に打ち上げられるようになること、できることで地域の皆さんと一緒に頑張っていくことが貢献になると思っている。宇宙産業が拡大する中、宇宙へ出ていくためにはその手段が必要。われわれのロケットにより世界中の宇宙産業が多くなり、また入りやすくするような貢献もしていければ」と語った。
(2022年12月28日付紙面より)
市内小学生から120点の力作 (新宮市 )
新宮市野田の市福祉センターで20日、令和4年度赤い羽根絵はがきコンクール審査会があった。市共同募金委員会長の田岡実千年市長と社会福祉法人和歌山県共同募金会の髙瀨一郎常務理事、市社会福祉協議会の濵前泰弘会長らが審査員を務め、市内小学校の児童から寄せられた作品を審査。県共同募金会会長賞などに8作品を選んだ。
誰もが住み慣れた地域で安心して暮らすことができるよう、さまざまな地域福祉の課題解決に取り組む民間団体を応援する「じぶんの町を良くするしくみ」としての取り組みが展開されている「赤い羽根共同募金」。
10月からの運動期間に合わせ、市では市内の子どもたちに街頭募金への協力を呼びかけ運動を展開しているが、昨今の新型コロナウイルス感染状況を鑑み、募金活動は縮小傾向に。コンクールは「活動が制限される中でも子どもたちに広く運動および活動の趣旨を伝えることができれば」との思いから、市共同募金委員会の主催で昨年初めて開催。市社協職員らが市内各小学校で「赤い羽根共同募金」の授業を実施しつつ、児童らにコンクール参加への呼びかけを行っていた。
2回目となる今回は、市内5小学校から120点の作品が寄せられた。審査会では最終審査に残った83枚から田岡市長らが▽県共同募金会会長賞(1点)▽市共同募金委員会会長賞(同)▽市社会福祉協議会賞(同)▽審査員特別賞(5点)―を選定。「絵だけではなく優しい言葉が入っている」「言葉も良く、絵も遠近感もある」「福祉の精神をよく理解していると思う」などと講評した。
審査を終え、髙瀨常務理事は、福祉への意識高揚を図る市と市社協の取り組みに感謝。田岡市長は「力作が多く、選ぶのに苦労した」と話していた。
応募作品は1月10日(予定)からの約1カ月間、市福祉センターで展示予定。入賞作品は市社協広報紙「Assist(アシスト)」2月号に掲載する。なお、表彰式の開催は未定となっている。
(2022年12月28日付紙面より)
新宮弓友会納射会
新宮ロータリー杯ジュニアバド大会
ケンドリック旗争奪少年野球大会 (串本RC )
再編に向け構想案、来年2月に説明会も (新宮高校・新翔高校 )
新宮市の県立新宮高校(東啓史校長)と県立新翔高校(藤田勝範校長)は19日、新宮高校で会見を開き、高校再編に向けた構想案を発表した。案は今後、小・中学校を通して保護者に配布する予定だ。
県教育委員会は2020年8月、第6期きのくに教育審議会の答申後、「県立高等学校の再編整備の基本的な考え方」と「各地域における今後の県立高等学校の在り方」を公表。住民説明会などで募った意見を基に今年3月、「県立高等学校教育の充実と再編整備に係る原則と指針」を作成した。
「原則と指針」では、新宮・新翔高校は「令和6年以降に生徒数の減少が予測されることから、新宮高校と新翔高校の再編整備により学校の活力を維持するとともに、地域の多様な教育ニーズに対応する拠点校としてその一翼を担う。当面は、施設等の有効活用のため校舎制をとる」「地域の教育ニーズに応える1校への再編整備を検討し、着手する」などと記されている。
また、「各地域で望ましい高等学校や高等学校教育について議論を深めていくことが重要」などと示されていることから、両校では今年4月下旬ごろから広く住民意見を募集。小・中学校の学校運営協議会や保護者会、スポーツ少年団などから意見や要望を聴取するなどし、このたびの構想案を作成するに至った。なお、再編のめどは、現在の6年生が高校に進学する26(令和8)年4月を予定している。
テーマを「生徒・地域社会の期待に応えるALL IN ONEの学校」とし、新しい学びとして▽地域社会で活躍する人材の育成▽大学や専門学校に進学し、より専門的な知識・技能・資格を取得▽高いレベルの大学進学に対応▽基礎・基本の習得を丁寧に支援―を柱に課程・学科を「総合学科」「普通科」「学際探究科(仮称)」「定時制・通信制・リカレント」に再構築。
スポーツ・文化活動に関しては、学校・地域が連携・共同した活動の展開や、強化種目の設定と全国募集、寮の活用や練習環境の整備、「eスポーツ」「ゆる部活」などの設置、定時制や通信制、特別支援学校の部活動との共同などを通して、学校の活力を高めていく。
また「複数の施設を有する一つの学校」として、校地や施設、設備を学習内容や活動に応じて効果的に活用し、地域交流や生涯学習など、世代を超えた学びの振興も視野に入れている。
両校では案を基に、来年2月11日(土・祝)午後1時から、新宮市下本町の市文化複合施設「丹鶴ホール」で説明会を開催する。事前申し込みは不要。両校では「今後もご意見、ご要望などを頂きながら、丁寧に進めていきたい。多くの方に説明会にお越しいただければ」と呼びかけている。
説明会に関する問い合わせは新宮高校(電話0735・22・8101)、新翔高校(電話0735・31・7087)。
(2022年12月21日付紙面より)
清野健太郎さん県代表に (串本古座高校 )
和歌山県立串本古座高校2年、清野健太郎さんが推奨する本「ロケットボーイズ」が18日実施の中高生読書まつり・ビブリオバトル和歌山県大会高校生の部でチャンプ本に選ばれた。中学時代も合わせると4年連続で選ばれ県代表となる快挙。過去3回権利を得るも新型コロナウイルスの情勢で実現できなかった全国進出も今回は形にするとし、「過去3回分の思いも込め、当初の思いを変えることなく臨みたい」と意気込んでいる。
幼少の頃から興味があり、ロケット「カイロス」がきっかけとなり大きく膨らんでいる宇宙への憧れに応える一冊として「ロケットボーイズ」を選び11月実施の串本町ビブリオバトル大会高校生の部に出場。参加者は1人で、中学生の部の参加者と共に発表に臨み町代表として県大会出場権を得た。
県大会は県立図書館であり、高校生の部は予選、決勝の2段階で行われた。清野さんは予選グループ4人の中でチャンプ本に選ばれ決勝へ進出。決勝では3人と競いチャンプ本に選ばれた。
競って評価を得る最初の機会となった県大会での挑戦について「年々発表の質が高まっていて予選の時点から不安を感じていたが、自分も思うことを十分に発揮して臨むことができ結果もついてきた。決勝の相手は2人とも本好きが伝わり、それぞれに発表の工夫もしていた。そのような中で自分の本をみんなに届けることができたかな、と手応えを感じられた点でうれしい」と語る。
全国大会(全国高等学校ビブリオバトル決勝大会)は来年1月22日(日)、大阪府茨木市の立命館大学大阪いばらきキャンパスで実施予定。清野さんは高校生として最終かつ会場が近距離という点で出場の気持ちを高めていて、「全国大会は推奨する本の変更ができるけれど、自分は変えずロケットボーイズで臨む。県大会の内容をもう一回見直し、さらに練り上げて挑戦したい。自分の本と思いを全国に届けることが一番の目標。それに結果がついてきたらいいなと思います」と来る本番を見据えている。
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串本町教育委員会教育課によると、中学生の部の町代表として出場した吉村咲良さん(串本中3年)も決勝進出したがチャンプ本には届かず。見届けた清野さんは「吉村さんの本が好きな気持ちがよく伝わる発表だったが、周りの子もさらにすごかった」と状況を語る。
古座川町教育委員会教育課によると、中学生の部の町代表として出場した中田蓮乃さん(明神中3年)は予選段階で今回の県代表となったかつらぎ町の発表者と競う形となり決勝進出はならなかったという。
(2022年12月21日付紙面より)
大みそかに向け試験点灯 (那智勝浦町那智山 )
那智勝浦町那智山の熊野那智大社(男成洋三宮司)の別宮・飛瀧(ひろう)神社のご神体である那智の滝と、那智山青岸渡寺(髙木亮英住職)の三重塔で19日、試験点灯が行われた。
ライトアップは1987(昭和62)年、NHK「ゆく年くる年」の企画としてお滝に照明を当て、実況中継が行われ、全国に感銘を与えたことを受けて、89(平成元)年大みそかより90(平成2)年元旦にかけて行ったのが始まり。
午後4時30分から発光機の清掃の後、午後5時20分に点灯を行った。水銀灯3基と、5基のライトに照らされた三重塔と那智の滝が夕闇迫る那智山中に浮かび上がった。
ライトアップは31日(土)の日没から元日の明け方まで実施される。また熊野那智大社では27日(火)に滝の上に架かるしめ縄を張り替え、迎春に備える。
(2022年12月21日付紙面より)
くじらの博物館で迎春準備 (太地町 )
太地町立くじらの博物館(稲森大樹館長)で20日、大掃除が行われた。参加した職員はセミクジラ実物大模型などのほこりを落とすとともに、人気の海洋水族館(マリナリュウム)の潜水掃除などにも取り組み、新年を迎える準備を整えた。
昨年5年ぶりに大掃除を公開した同館。職員らは実物から型取りし造られた全長15・2㍍のセミクジラの模型に上り、モップで汚れをふき、通路から長い柄付きのはたきでほこりを落とした。その他の骨格標本や室内の清掃にも汗を流した。
水族館では、アルビノのバンドウイルカなどが優雅に泳ぐ中、ダイバーが大水槽に潜って内側から磨き掃除をした。
同館によると、今年は国・県の施策や教育旅行もあって、来館者数がコロナ禍以前に戻りつつあるという。令和3年度は11万3479人で、本年度は11月末時点で10万1904人と、昨年度を上回る見込みとしている。
中江環副館長は「あっという間の1年だった。気持ちも新たにし、来年は飛躍の年にしたい」。
稲森館長は「1年のほこりを落とすことができた。来館者さまには、きれいになった博物館を見ていただけたら」。
1年の振り返りや今後については「今年はコロナ対策など、多くのことがあった。今後は博物館のみならず、町の事業などにも柔軟に対応していきたい」と語った。
同館は年末・年始も休まずに営業しており、年始には豊富な催しも実施される。
(2022年12月21日付紙面より)
需要期に向け目慣らし会 (那智勝浦町 )
那智勝浦町苺(いちご)生産組合(桒野稔近〈くわの・としちか〉組合長)は、クリスマスや年末年始の需要期出荷に向け16日、同町南大居のJAみくまの太田営農センターで、和歌山県オリジナル品種のイチゴ「まりひめ」の目慣らし会を開いた。イチゴ生産農家や、みくまの農業協同組合らが参加し、イチゴの品質などについて意見を出し合った。
「まりひめ」は東牟婁地方を代表する特産品で、那智勝浦町の太田地区が主要産地。果実は大きめ、甘味が強く酸味もほどよい。
例年12月初旬から翌年の5月ごろにかけて出荷。公設市場を通して近隣のスーパーなどで販売される。昨年は4パック入り約1万6036ケースが出荷された。
目慣らし会はケース詰め基準の統一と等級の確認を目的に、イチゴの出荷が本格化し始める時季に開催している。
はじめに桒野組合長は「昨年は1週間早く目慣らし会を行ったが、今年は台風があったため定植が遅れ、出だしが遅い。寒波の影響も不安要素の一つ。年末にかけて忙しくなると思うので、皆さん頑張ってください」とあいさつし、感染症対策も呼びかけた。
その後、生産農家や職員らが真剣な表情で、同センターに集まった146ケースのイチゴを確認し合った。
桒野組合長は「寒い時期のイチゴは甘い。ぜひ、おいしい『まりひめ』を味わっていただけたら」と語った。
同組合は1971(昭和46)年に結成され、昨年設立50年を迎えた。現在、生産農家は10世帯約20人おり、今年も新規就農者が増えたという。
(2022年12月18日付紙面より)
クリスマスを前に、新宮市徐福のJR新宮駅前の広場で華やかなイルミネーションが点灯した。駅前の花壇を管理する美化里親ボランティア団体「はなはなきっさこ」(上廣正幸会長)が設置したもので、下校途中の高校生たちがベンチに並んで写真を撮るなど、にぎやかな雰囲気となっている。
市社会福祉協議会の「MACHI(まち)サポート募金」の助成金と新宮ロータリークラブ、JR新宮駅、新宮観光協会が寄付をして協力した。
設置期間は1月中旬まで。駅に到着する最終電車に合わせて午後5時~午前0時に点灯しており、同会は「毎年工夫しながら飾り付けをしており、クリスマスや年末年始に駅を利用する方々にも喜んでいただければ」としている。
「はなはなきっさこ」は現在、花壇の見守りや手入れの手伝いが可能な市内在住者を募集している。活動は週1回、1~2時間程度。向井美江副会長は「イルミネーションのときだけ学生さんにボランティアをお願いするなど、多くの方々の協力を得ながら活動を継続していく方法を考えている」と話していた。
(2022年12月18日付紙面より)
体文のイルミネーション (那智勝浦町 )
町内各種団体で構成する那智勝浦町イルミネーション実行委員会は16日、同町の体育文化会館で「第20回体育文化会館イルミネーション」の点灯を行った。各団体によって設置されたイルミネーションは、町の冬の夜を美しく彩っている。来年1月9日(月・祝)まで。点灯時間は午後5時~10時。今月24日(土)、25日(日)は午前0時まで。
例年は点灯式が開催され、出席した園児らが歌や演奏を披露して盛り上がる人気の催し。
おととし、昨年に引き続き今年も、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から点灯式は実施しなかった。点灯初日から見物や写真を撮影する家族連れなどの姿が見られた。
イルミネーションは▽勝浦手話サークル“ちゃお”▽那智勝浦町建設業組合▽勝浦金融協会▽南紀勝浦温泉旅館組合▽那智勝浦町職員互助会・職員組合―の5団体がそれぞれ、10日と13日に飾り付けた。
同町観光企画課の担当職員は関係団体の協力について「前向きな熱意を持って継続していただいている。本当にありがたい」。
来場者については「町では、体育文化会館を町民が集える場所にするために事業を進めており、イルミネーションもその趣旨にのっとった形となる。町内外の多くの皆さまにお楽しみいただければ幸いです」と話している。
(2022年12月18日付紙面より)
ゆうゆうクラブ女性部が音楽体操 (新宮市 )
新宮市ゆうゆうクラブ(老人クラブ連合会)女性部(石原千里部長)は16日、市役所別館で令和4年度健康づくり教室「予防のための楽しい音楽体操」を開催した。会員約90人が参加。講師の宇都宮惠美さんに教わりながら、音楽に合わせて体を動かした。
女性部が毎年実施している恒例の取り組み。夏ごろの開催を予定していたが、新型コロナウイルス感染拡大状況を鑑み、長らく延期となっていた。
この日は、感染予防のため1時間交代の2部制で実施。太地町を拠点にピアノやリトミック指導をしている宇都宮さんに講師を依頼した。音楽体操は簡単な手指体操で体の固まりをほぐすとともに、歌うことで脳の血行促進になり、感情の放出やストレス発散の効果も期待できるという。
宇都宮さんは「短い時間ですが皆さんと楽しいひとときを過ごせれば」とあいさつ。参加者らは「お嫁においで」「マイムマイム」「きよしのズンドコ節」などの楽曲に合わせながら、ボールを使った体操や歌唱を通した脳トレなどに挑戦。和気あいあいと体を温めていた。
参加者に「今日はストレスを発散するつもりで頑張って」と呼びかけた石原部長。「こんなときしか集まることができない。久しぶりの開催なので多くの人が参加してくれた。実施に当たっては副部長の河原良子さん、幹事の松尾由美子さん、田中ミチコさん、和田町子さんらが尽力してくれた。近況報告など、交流を深めるいい機会になったと思う」と話していた。
(2022年12月18日付紙面より)
青岸渡寺で大すす払い (那智勝浦町 )
那智勝浦町那智山の西国第一番札所である那智山青岸渡寺(髙木亮英住職)で14日早朝から昼ごろにかけて、1年間のほこりを払い清める年末の大すす払いが行われた。寒風吹きすさぶ中、髙木住職や髙木智英副住職、寺の職員が総出で世界遺産の本堂や鐘楼、山門などの清掃に取り組んだ。
職員らは協力してササの葉を先に付けた長いタケを使い、天井などにたまったほこりを落とした。
重さ450㌔、直径1・4㍍、大きさでは日本一といわれている本堂につり下げられた豊臣秀吉寄進の大鰐口(おおわにぐち)は職員がはしごに乗って、丁寧に清めた。
この日、寺が清められる様子を見物したり、写真に収めたりする参拝客の姿も多く見られた。
髙木住職は「今年もさまざまな災いや暗いこともあった。恒例となった大すす払いは1年のちりやほこりを払うもの。願わくは、皆さまの心のちりも合わせて落としたい」。
新年については「来年はうさぎ年。飛躍の年であるとともに、明るく朗らかで平和な1年であることを祈っております」と語った。
(2022年12月15日付紙面より)
個人ボランティアと初の交流会 (紀宝町 )
紀宝町ボランティア・市民活動センター「きぼらんせ」(神園敏昭運営委員長)は、町福祉センターで個人ボランティア(個人ボラ)との交流会を初開催した。
個人・団体のボランティア・市民活動の連携、発展を目指す組織で、本年度は88団体と個人合わせて3949人が所属している。
個人ボラは2011年の紀伊半島大水害のボランティア活動を契機に誕生し、矢渕中学校花壇の整備、キホッチョ農園の苗植え、収穫作業などに取り組んできた。
交流会は、個人ボラを招き、興味のある活動や参加しやすい取り組みなどを聞き、今後の運営に生かすことが狙い。
13人が参加し、個人ボラのこれまでの活動を紹介した後、4、5人1グループで「こんな活動してみたい! 興味がある!」などをテーマに意見交換した。
「新しいことは何でもやりたい」「知らない人には連れて行ってあげたい」「ボランティアはゆとりが必要。働いている人が多いので仲間を増やすことが大変」「継続した取り組みが必要」などの他、「バス停の時刻表が破れている。来訪者のためにも直す活動をしたい」「困っていても手を挙げられない高齢者が多い。そういった人を拾い上げる活動は」など具体的な意見もあった。
今回集まった意見は今後、きぼらんせの運営委員会で協議するという。
(2022年12月15日付紙面より)
中江美則さんが講演 (新宮市 )
新宮市下本町の市文化複合施設「丹鶴ホール」で11日、新宮警察署主催の「新宮ハートフルコンサート~交通事故防止の願いを込めて~」が行われ、特別講演では、犯罪更生保護団体ルミナ代表の中江美則さんが「亀岡集団登校交通事故から10年~深まる苦しみ…ひろがる傷口~」を演題に講話した。
2012年4月に京都府亀岡市で発生した、未成年者の無免許運転による集団登校児童死傷事故で妊娠中の娘・松村幸姫さん=当時(26)=を亡くした中江さん。
悲惨な被害者を生み出さないためには加害者を生み出さないことが大切との思いから「犯罪更生保護団体ルミナ」を設立。警察署や刑務所、保護司会などからの依頼を受け、講演活動に取り組んでいる。
講演に先立ち、紀南交通事故被害者の会の中岡貴恵代表が、中江さんと知り合うきっかけについて紹介。中岡さんは、2018年12月14日、紀宝町鵜殿の六反田交差点付近の県道で発生した交通事故で、母親の中尾叔子さん=当時(85)=を亡くしている。
中岡さんは「遺族自身、当時を振り返ることは苦しいことだが、伝えていくことで交通事故がもたらす苦しみの深さを知っていただき、被害者にも加害者にもならないための意識をより一層持っていただければ1件でも事故がなくなり、救える命があるのでは」と訴えた。
中江さんは、約10年前の事故当時について「想像できない痛みと恐怖で幸姫が苦しんでいる。医師に対して楽にしてあげてほしいとしか言えなかった」。加害者に対して「愛する家族を地獄に落とした。憎まずにはいられなかった」と回顧した。
幸姫さんが死去した翌日、幸姫さんの携帯電話に加害者の父親から電話がかかってきたこと、電話番号が漏えいしていたこと、自身が受けた誹謗(ひぼう)中傷や嫌がらせ、加害者に対する復讐(ふくしゅう)の思いが芽生えたこと、裁判の様子、無免許運転の厳罰化を求める活動などにも言及し「一般市民がこれだけの短時間で経験するのかと、自分の人生を疑うばかりだった。信じられないことが次々と家族に襲いかかった」などと振り返った。
「苦しみの毎日の中で周りの人たちに助けられたこともあった。元犯罪者たちとの出会いが自分を少しずつ変えてくれた」と述べ、犯罪更生保護団体を設立した経緯や受刑者らとの関わりについて紹介。「僕たちのような被害者をこれ以上増やしてほしくない一念でやっている。被害者遺族の苦しみを知ることで再犯者をつくらせない活動の取り組みが、犠牲者を生まないことにつながる」。
「幸姫はこの世で幸せになれなかったが弱い者たちを見守る姫にしてあげたい。生きた証しをつくってあげたい」と述べ「新宮市には被害者に寄り添ってくれる議員さんもいる。新宮署の方々の優しさにも触れさせていただいた。命のメッセージが、犯罪抑止のための実りとなることを願っています」と語った。
(2022年12月15日付紙面より)
宇久井小学校で巡回公演 (那智勝浦町 )
那智勝浦町立宇久井小学校(芝﨑勝善校長、児童178人)で13日、日本の伝統芸能である能楽のコンサート「囃子堂(はやしどう)」が開かれた。一般社団法人京都能楽囃子方(のうがくはやしかた)同明会の谷口正壽(まさとし)さんら5人が来校し、謡(うたい)、笛、小鼓、大鼓、太鼓による迫力の演奏で児童を圧倒した。
文化庁の「令和4年度文化芸術による子供総合育成事業」の巡回公演。能楽は日本で最初に登録された国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産。同会は能楽の学校公演や体験教室を通じて能楽の魅力や、あいさつ、道具を大切にする心を伝える活動を継続している。
開演に当たり谷口さんが「能楽は600年前に生まれた日本のミュージカルで、演劇や舞、音楽によって成り立つ総合芸術。江戸時代には武士の正式な芸術となったため、武士が大切にした価値観が反映されている。能楽ばやしには四つの楽器と謡しかないが、30人のオーケストラをしのぐ力がある」と語り、それぞれの楽器の特徴を解説した。
龍神が登場する場面で演奏される「早笛」や天狗が空高くを飛んでいる様子を表現した「大癋(おおべし)」などを披露すると、児童たちはじっと聞き入っていた。
五穀豊穣(ほうじょう)を祈る「三番三(さんばそう)」では、前日のワークショップで小鼓、大鼓を練習した4~6年生の中から18人が共演。掛け声に続けて、力強く小鼓と大鼓を打っていた。
(2022年12月15日付紙面より)
新宮山彦ぐるーぷが秩父宮記念山岳賞
自然保護団体「新宮山彦ぐるーぷ」(沖﨑𠮷信代表・世話人)の「大峰南奥駈道(おくがけみち)の再興と山小屋建設並びにその維持管理活動」がこのほど、秩父宮記念山岳賞(日本山岳会主催)を受賞した。
山について造詣の深かった、故秩父宮ご夫妻の事跡を永く記念するため、山に関連する顕著な活動や業績に対して表彰し、登山活動の奨励と山岳関連諸文化の高揚に資することを目的に、1998年に創設された栄えある賞。
なお、日本山岳会は05年に創立。現在東京の本部を中心に33の支部があり、全国に約4800人の会員が在籍している。会員には天皇陛下も名を連ねている。
新型コロナウイルス感染症の影響で3年ぶりとなった本年度、同団体は74年の発足以来、38年間にわたり熊野古道奥駈道の再興や登山道の維持管理などを行い、また小屋の建設・保守・運営を行っていることなどが評価され受賞に至った。
現在、会員約40人。毎週15人ほどで活動を行う同団体は、120年間やぶに埋もれていた大峰奥駈道(約45㌔)の再興に着手し、約3年間をかけて第1次刈り開きを完了。その後も第2次、第3次刈り開きと並行し、行仙宿の新築や平治宿の建て替え、持経宿の大規模改修など4カ所9棟の小屋などを整備し、84年の千日刈峰行着手から32年間を要して大峰南奥駈道の環境整備を行い、熊野修験の復興にもつなげた。
初代代表の玉岡憲明さん(97)は88歳まで、約40年間にわたり大峰奥駈道の再興に尽力。約2200回に及ぶ活動の様子を記録しているという。
3日に東京都新宿区の京王プラザホテルで年次晩さん会が開催され、沖﨑代表(74)が表彰を受けた。晩さん会前には記念講演も行われ、沖﨑代表らが「千日刈峰行とその展開」を題目に講話した。なお、晩さん会には毎回天皇陛下も臨席されるが、今回は諸事情により欠席となった。
このたびの受賞を受け、沖﨑代表は「40年にもわたり道を開いてくれた玉岡さんら先輩方のおかげ。受賞を報告すると本当に良かった、と喜んでくれた。受賞を励みにして、今まで通り地道にコツコツと活動していけたら」と話していた。
なお、同団体は地域のために行う地道な地域貢献活動が認められ「第13回あしたのなら表彰」(奈良県主催)の受賞も決定している。
同団体では現在、会員を募集中。行事予定や参加・入会に関しては、フェイスブックもしくは同団体ホームページ(http://syamabiko.web.fc2.com/)で確認を。
(2022年12月8日付紙面より)
環境美化に防災加えた初の活動 (紀宝町 )
鮒田の環境を守る会(東口高士会長)は4日、紀宝町鮒田の相野谷川下流で流木を撤去した。環境美化に防災を加えた初の取り組みで、35人が2時間作業し、軽トラック15台分の流木を回収した。
全国的に流木の処理に苦慮する自治体が多い中、鮒田地区では、自分たちで流木を集め、防災用の資源にしようと計画。河川を管理する紀南河川国道事務所の許可を得て実施した。
下流域には9月の台風で流れ着いた流木がたまっており、弁慶橋から鮒田水門付近まで、人の手や重機で集めた。
大きな流木は高台の一時避難場所に運び、ライフラインが寸断されるなどの災害時に備え、まきにして備蓄した。小枝などは、鮒田地区自主防災会による防災散歩時の料理などの燃料に活用する。
同地区の防災活動に関わってきた大阪工業大学工学部都市デザイン工学科の田中耕司・特任教授は「流木を防災や地域の活動に活用する取り組みを初めて見た。これまで鮒田地区の活動を学会で発表しているが、備蓄農園の取り組みは国も驚いていた。高齢化が進み、こういった集まりは地区の情報もみんなで共有できる。楽しく防災に取り組んでいる」と話していた。
作業後、東口会長は「自分たちの地域をきれいにするためにも、ごみにされていた流木を生かそうと考えた。この取り組みが全国に広がれば」と語っていた。
(2022年12月8日付紙面より)
福祉センターで地震・火災避難訓練 (新宮市 )
新宮市野田の市福祉センターで6日、地震と火災を対象にした避難訓練が行われた。新宮消防署の宮平陽介消防士長と林勇成消防士が訪れ、市社会福祉協議会職員や中央児童館で遊んでいた子どもたちが、災害発生時の避難経路や行動などを確認した。
同センターでは毎年度、地震津波と火災の訓練を実施している。この日は県内全域での強い地震に伴い1階の給湯室からの出火を想定。訓練開始の放送が流れると、居合わせた人たちは身の安全を確保しながらセンター前の駐車場へと逃げた。
訓練を見守った宮平消防士長は避難時に重要な「押さない、走らない、しゃべらない、戻らない、近づかない」を略した「おはしもち」を伝え「火災が発生してから迅速かつ安全に逃げることができていてよかったです。これからも一連の行動を忘れないでください」と講評した。
後半には消火器の使用訓練も行われ、林消防士が諸注意や操作方法などを説明。職員たちは「火事だ!」と叫びながら訓練用消火器で順番に実践した。
同協議会の東雄大さんは「学生時代に訓練は経験しましたが、忘れていた部分もあり勉強になりました。実際の場面に遭遇した場合、冷静さを失う可能性が大きいため今後も継続して訓練に取り組んでいければ」と話していた。
(2022年12月8日付紙面より)
「臨場感シアター(仮称)」完工 (串本町 )
串本町西向にある旧役場古座分庁舎内で改修整備が進められてきた上映室「臨場感シアター(仮称)」が11月末に完工した。今月6日は町議会議員や報道機関対象の見学会を実施。町は建物全体の用途変更に伴う工事完了後(期日未定)に一般公開を始めるとしている。
この上映室は宇宙振興拠点化をコンセプトとする同庁舎リニューアルの一環で、旧議場を改修整備する形で設置。議員席や当局席を取り払い天井と側壁の色を黒系統に変更。縦約3㍍、横約12㍍のパノラミック大型カーブドスクリーンを据え、4Kプロジェクター3台による連携投影(マルチプロジェクション)で8K映像コンテンツの上映を実現する。計10基のスピーカー(うち2基はサブウーハー)を配置して5・1ch相当のサラウンド音響も確保。前方左右中を上下2列としサブウーハーを左右2基とする配置により、最良の状態で音を楽しめる空間を立体的かつ力強くする工夫が注がれている。
旧来のまま残している傍聴席は現状で使用の前提はしておらず、議員席や当局席があったフロア内の同空間内にベンチを並べて通常使用で27人(前列9人掛け×3列)が座って同時鑑賞できる状態としている。
この上映室は、主に宇宙への憧れや新しい時代の始まりを感じさせるシアターとして運用する想定。町企画課ロケット推進室によるとこの整備はロケット「カイロス」の打ち上げを至近かつ相応の画質で捉えた映像コンテンツの上映が最終的な着地点で、一般公開の実質的な開始はそのタイミングになると受け止めてもらえればと話している。
(2022年12月8日付紙面より)
神倉小などで改修工事進む (新宮市 )
新宮市立神倉小学校(藪中秀樹校長)の体育館で現在、改修工事が行われている。10月1日から工事が始まっており、工期は来年2月20日(月)までを予定している。
同校の体育館は、1990年に完成。使用年数は32年を数える。外壁にはスギの板が使用されており木造の体育館は非常に珍しい。2016年には社員旅行で当地方を訪れ、同校の体育館を目にした世界的に有名なアニメ映画監督・宮崎駿さんから「どうかあの建物を大切にしてください。子供達に巨大な木造建築物をのこそうとした人々の努力を伝えてください」といった内容の手紙が学校に寄せられている。
このたびの改修では、老朽化により傷んだ外壁の修復や塗装、体育館内の傷んだ床の塗装、照明のLED化、トイレの洋式化、アクセスのバリアフリー化、一部外周工事などを計画しており、事業費は8910万円。
外壁には地元のスギを使って張り直しを行う予定で、年月をかけて工事前の重厚で趣のある黒ずんだ色合いに落ち着いていくという。
現在、外壁修復のために周辺には足場が組まれており、12月と来年1月には体育館内の工事に着手するため、体育館の使用は停止になるという。
市担当課では、神倉小体育館の改修について「大切な木造体育館。景観的配慮を行い、長く使用できる体育館に改修した上で後世に残していきたい」と話している。
なお、同校のほかに1972年に建築された城南中学校、77年建築の光洋中学校の体育館でも改修工事が行われており、城南中体育館は今月から使用を停止、光洋中は12月から使用を停止する。いずれも安全に運動ができる環境を整えるために床面の改修を行っており、事業費は城南中1750万円、光洋中1160万円。市では、今後も計画的に老朽化した学校の校舎や体育館の改修に努めていくとしている。
(2022年12月6日付紙面より)
大門坂観光案内所を設置 (那智勝浦町 )
一般社団法人那智勝浦観光機構(NACKT)は2日、那智勝浦町市野々の大門坂駐車場付近で「大門坂観光案内所」の開所安全祈願祭を実施した。熊野那智大社(男成洋三宮司)から出仕した神職らが神事を執り行い、参列した堀順一郎町長やNACKTの清水貞吾理事長、熊野・那智ガイドの会の汐﨑眞次会長、吉中秀郎町観光企画課長らが新設された観光案内所の発展や無事などを祈った。
観光案内所は、同駐車場付近にあった休憩施設の一部を改修し設置したもので、那智山エリアの観光案内強化を行うとともに、町中への周遊促進を目的としている。
官民で構成される町観光地魅力アップ推進委員会が主体となって案内所を整備し、運営を機構が行うもの。壁やサッシを設置する簡易的な工事で、10月末から着工し、先月25日に完成した。
JR紀伊勝浦駅前にある観光案内所と同じく、室内には町の観光に関するパンフレットなどが多数並んでいる。ガイドの待合としても利用するとしている。
機構によると、実証的に運営を進めるとし、成果に結び付き次第、継続や設備の充実も視野に入れているという。
この日は、伊藤士騎(しき)禰宜(ねぎ)と𠮷田遥紀権禰宜(ごんねぎ)が神事を斎行し、堀町長らが玉串をささげた。
堀町長は「機構で観光戦略を練るために、動態調査を行った。観光客は町中から那智山方面には向かうが、那智山から町中へは足を運ばないというデータが出ている。そのため、町中への周遊と町全体の観光PRをするための拠点が必要だった。町の魅力を十分に伝えることのできる案内所になることを祈念しています」。
清水理事長は「かねて、観光案内所設置の構想はあったが、コロナ禍もあり至っていなかった。念願の案内所が完成したので、那智山に訪れたお客さまをしっかりともてなすとともに、町中への周遊につなげたい」と語った。
なお、営業時間などは正式に決定していないため、現在は午前10時~午後4時を予定しているという。問い合わせやガイドの予約などは年中無休のJR紀伊勝浦駅前の観光案内所(電話0735・52・5311)まで。
(2022年12月6日付紙面より)
地域の人に教わり制作 (紀宝町 )
紀宝町内の小学生を対象にした「2022こどもゆめまつり」(同実行委員会主催)が4日、同町鵜殿の町福祉センターであった。3年ぶりの開催に児童71人が参加し、地域の人たちに教わりながらさまざまな制作を楽しんだ。
ボランティアら地域の人と交流し、成長する機会になればと同町ボランティア・市民活動センター「きぼらんせ」共催で企画した。新型コロナウイルス感染拡大の影響で昨年、おととしと中止にしたが、今年は午前午後で低学年、高学年の2部制にし、制作とゲーム遊びを交代制にするなど密にならない対策を取った。
制作は牛乳パックの飛行機、端布を使ったシュシュ、アイロンビーズ、フォトフレームの四つで、高学年はフォトフレームの代わりに己書(おのれしょ)体験を取り入れた。
講師や運営には地域のボランティアが協力し、アイロンビーズ作りは町立矢渕中学校の生活文化部と美術部が担当した。
開会式では町社会福祉協議会の木下起査央会長があいさつし、「今日はボランティアさんたちと色々な遊びができるので元気に楽しんでくださいね」と呼びかけた。社協職員は児童らに「こんにちは」と「ありがとう」を手話で教え、「今日はキホッチョ隊に手話をすると参加賞をもらえますよ。(全員に配った)手話の本で勉強し、いろんな人とお話をできるようになってください」と呼びかけた。児童らはあらかじめ希望した制作に挑戦し、講師の人たちと交流しながら楽しんでいた。
(2022年12月6日付紙面より)
町職員ら手作り横断幕掲げ (串本町 )
串本町職員有志が役場本庁舎1階、玄関から入ってすぐの位置にサッカーワールドカップカタール2022日本代表チームや所属する久保建英選手の活躍を期待する横断幕を掲げている。
久保選手は神奈川県川崎市生まれだが、父が同町出身(串本高校卒)でその祖父母も町内在住。祖父が体育教諭として町内におけるサッカー振興に努め串本中サッカー部を全国大会へ導くなどの実績を上げた経緯もあって、そのつながりで盛り上がりの輪が広まっている。
横断幕を掲げているのは町総務課の有志数人。95㌢×620㌢の横断幕に文字を貼って手作りし、11月30日午後から掲げている。当初は活躍を祈る内容だったが、日本時間12月2日未明の対スペイン戦で同チームが勝利し決勝トーナメント進出が決まるや「祈」を朱書きの「祝」に貼り直すなど、手作りならではの迅速さで同チームの戦況相応に内容を切り替えている。
対ドイツ戦勝利以降、町民か町にゆかりがある選手の応援をしないのかと声があり職員の間でも関心が高まっている点で検討。当初は外注も考えたが教育委員会教育課由来のノウハウで今回のように機転を利かせやすい掲げ方があると知り、さっそくその方向で動いた。込める思いは「頑張ってほしい」の一心。横断幕は今後も同チームの戦況に即応して手直しを加えつつ掲げ続けるという。
同チームの次の試合は日本時間6日(火)午前0時から始まる対クロアチア戦。初となるベスト8入りを懸けて臨む。
(2022年12月6日付紙面より)
県下少年剣道親善大会
県新人卓球大会で活躍 (新宮高校 )
少年サッカー新人戦が開幕
3年ぶりとなる新宮市農林産物品評会(同品評会実行委員会主催)と一般公開(即売)が3日、蓬莱体育館であった。市内の生産者から野菜、果物、加工品など201点の出品があり多くの来場者でにぎわった。
農業者の生産意欲の高揚と地場産物への理解を深め、地域の活性化、地域住民の触れ合いの場づくりを目的とした恒例行事で1948(昭和23)年に始まって以降、今年で71回を数える。
表彰式では、市長賞、市議会議長賞、東牟婁振興局長賞など特等賞のほか、1・2・3等、努力賞受賞者を表彰した。
同実行委員会(道阪耕一会長)の下阪殖保さんが「9、10月の雨の影響が懸念されたが、皆さま方の努力で多くの農作物を出品いただいた。今後も農業を営む人の目標として実施していければ」とあいさつ。
田岡実千年市長は「今年は台風の影響や、野生鳥獣被害などにより決して良い条件とは言えない中で多くの素晴らしい農林産物を出品いただいた。これまで携わってこられた皆さまや、生産者のご尽力のたまもの」と敬意を表した。
東牟婁振興局農林水産振興部の上門洋也さんが「長雨の影響などでご苦労されたと思うが、多くの農林産物を出品いただいた。品質も良く皆さま方の努力がうかがえる」と講評した。
一般公開では開始時刻前から大勢の人が列を作り、開場と同時にほぼ売り切れるほど盛況だった。広角のサツマイモを使用した焼き芋の振る舞いや、新宮市熊野川町の「かあちゃんの店」の商品販売もあり、好評を博した。
(2022年12月4日付紙面より)
新宮市役所で応援展示
熊野三山協議会(会長・田岡実千年新宮市長)は、FIFAワールドカップ(W杯)カタール大会決勝トーナメントでの日本代表のさらなる躍動を願い、新宮市役所1階玄関ロビーで日本代表応援展示を行っている=写真。
熊野は日本サッカー協会のシンボルマークである「ヤタガラス(八咫烏)」と日本近代サッカーの始祖といわれる那智勝浦町名誉町民の中村覚之助の古里。その縁で、協会は2002年W杯日韓大会から熊野三山一寺で必勝を祈願している。
熊野速玉大社、熊野本宮大社、熊野那智大社、那智山青岸渡寺と関係自治体などで組織する熊野三山協議会は1984年に発足。熊野地方の文化財の保護、保全、調査研究などを進めているほか、上記の理由を基に「熊野とサッカー」をテーマに各種取り組みを遂行している。
今W杯においても、10月下旬、(公財)日本サッカー協会の田嶋幸三会長らが当地方を訪れ必勝を祈願。以降も各大社では日本代表選手らの健闘を願い、地元のサッカー愛好家たちが参列して必勝祈願祭が行われている。
「死の組」と称された1次リーグのグループEにおいて、日本代表は優勝経験国のドイツとスペインに勝利し首位で決勝トーナメントへ。ベスト8進出に向けて6日午前0時(日本時間)、クロアチアと対戦する。
(2022年12月4日付紙面より)
わがらの町の在宅医療 (紀宝町 )
厚生労働省が定めた「人生会議の日」の11月30日、紀宝町の井田公民館で講演会「わがらの町の在宅医療」が開かれた。「住み慣れた自宅で医療や介護を受けながら過ごしたい」といった、在宅医療のニーズが高まる中、演劇を通して「人生会議」の必要性を紹介した。
紀南医師会、町地域包括支援センターが共催。くまのなる在宅診療所の濱口政也医師と看護師の三上淳さんが講師を務めた。
人生会議は、もしものときのために、自分が望む医療やケアを前もって考え、家族や医療・ケアチームと繰り返し話し合い、共有する取り組み。
演劇「紀宝リベンジャーズ」は、倒れた高齢男性が過去に戻り、人生会議に取り組み、自身が望むケアを改めて計画する物語。最後は「医療や介護が必要になったとき、どこで過ごすのか、どこで最後を迎えるのか、それが自宅であれ、施設であれ、病院であれ、そこに優劣はありません。本人の意向が尊重されることです。『もしも』のときに備え、受けたい医療やケアについて、大切な人と話し合ってみてはどうでしょうか」と伝えた。
劇後の質問で「夫婦で暮らしている。私だけで夫をみとることができない」との意見に、濱口医師は「1人で全部やるのではなく、ヘルパーさんやデイサービスなど組み合わせを考えることが大切。子どもが近くにいなくてもケアマネジャーと相談しながら生活している人も多い。私たちの在宅医療は、家で過ごしたい人のお手伝いをしている。1人で支える必要はない」と答えた。
参加した地区住民らは、地域の現状、課題を踏まえ、どのような医療を受けることができるのかを考える機会とした。
(2022年12月4日付紙面より)
第56回町展に多くの来場 (那智勝浦町 )
那智勝浦町体育文化会館で3、4日の両日、第56回「那智勝浦町展」が開催されている。会場には町民らの力作が並び、多くの来場者が多彩な作品を楽しんでいる。
56回目を迎える町展には町内の園児100点、児童・生徒1092点、福祉施設や一般から357点の合計1549点(出展者は計1205人)の力作が並んだ。
作品は▽絵画▽水墨画▽書▽写真▽生け花▽盆栽▽編み物▽洋裁▽陶芸▽アートフラワー▽ちぎり絵▽手芸▽工芸など▽押し花▽絵手紙▽ペーパークイリング▽友好都市の長野県上松町から絵画―が展示。来場者たちは検温や手指消毒などの感染症対策を行い、作品を観覧していた。
今年は、これまでコロナ禍で中止となっていた「消防のつどい」「農産物品評会」などの各種イベントも実施された。同館敷地内では、福祉団体らによる日用品や農産物、菓子などのバザーも盛況で、最新ドローンの展示もあった。
また、那智勝浦町日本赤十字奉仕団がNHK海外たすけあいへの寄付を呼びかけたほか、同町の行政相談委員が行政相談への啓発を行った。
新宮市から訪れた60代女性は「素晴らしい作品がたくさんあり、元気をもらえました」と笑顔。
岡田秀洋教育長は「作品には、出展者の皆さまの日々の学びや気付きが込められていて、素晴らしい。来場者さまには作品を見て、明日を生きるエネルギーとしていただけたら」と話した。
なお、4日(日)の展示時間は午前9時から午後4時までとなっている。
(2022年12月4日付紙面より)