自転車マナーアップ推進リーダー (新宮警察署 )
新宮警察署(田原正士署長)は24日、新宮市佐野の県立新翔高校(藤田勝範校長)の新翔プロジェクトチームと吹奏楽部員ら47人に「自転車マナーアップ推進リーダー」を委嘱した。生徒を代表して吹奏楽部長の太田誇音君(3年)とプロジェクトチームリーダーの中村美優さん(同)が田原署長から委嘱状を受け取った。
2015年の道路交通法の改正による自転車運転者講習制度の施行を受け県内で初めて実施し、今年で8回目。校内での自転車の交通マナーの向上や「自転車安全利用五則」の周知、若者の交通安全活動への参画などを主導し事故防止を図る。
同署で開かれた委嘱式には、田原署長や同校の藤田校長らが出席。吹奏楽部33人、プロジェクトチーム14人が自転車マナーアップ推進リーダーに、プロジェクトチーム顧問の宮井貴浩教頭、吹奏楽部の西浦久博顧問がアドバイザーに委嘱された。なお、プロジェクトチームはさまざまな経験を通して成長につなげる活動を行うチームとして発足。今後、地域でボランティア活動などを展開していくという。
田原署長は、昨年県内では1419件の人身事故が発生し、248件が自転車に関する事故で、うち9件が旧新宮警察署管内での事故だったと説明。また、県内では不幸にも6人が自転車乗車中の交通事故により尊い命をなくしたと述べ「悲惨な交通事故を一つでも減少させるため、自転車の運転手に対する指導取り締まりを強化していくが警察の活動だけでは限界がある」と生徒らの活躍に期待。
「自らが正しい交通ルールを実践し、小学生や中学生など、周りの方々のお手本に。交通ルールを守ることの重要さを、家族や友人の方々に伝えていただくことにより、地域全体に交通ルールの周知やマナーの向上が図られることを期待しています」と伝えた。
藤田校長は「自転車は気軽さの中に命を奪ってしまう危険も含まれている。みんなが安全意識を持たないと事故はなくならない。自分だけではなく相手の気持ちを考えることが大事。コロナ禍だができる限り啓発を行い、いろいろな活動を展開していければ」と士気を高めた。
委嘱状を受け取った太田君は「率先して他の自転車利用学生の模範となるような運転を心がけ、自転車安全利用五則を順守し学校全体に浸透させます。悲惨な交通事故をなくすため、進んで交通安全活動に参画します」と宣言した。
(2022年5月26日付紙面より)
JR西日本職員に感謝状 (新宮警察署 )
新宮警察署(田原正士署長)は24日、行方不明者の発見と保護に尽力したとして、西日本旅客鉄道株式会社(JR西日本)和歌山支社串本駅勤務の宗和弘修(そわ・ひろみち)さん(31)に感謝状を贈呈した。
先月10日、串本町で高齢男性が行方不明となった。宗和さんは、男性の家族から「家族が行方不明になっている。自転車が串本駅に止まっているので電車に乗車しているかもしれない」といった申し出を受け、家族に警察署に相談を促すとともに和歌山司令所に連絡。
家族から聞いた行方不明者の特徴を基に、構内に設置された防犯カメラ映像から高齢男性が電車に乗車したことを確認した。
さらに他駅の防犯カメラ映像などにより追跡し、和歌山駅行きの電車に男性が乗車している可能性があることを突き止め、同電車の車掌や和歌山駅駅員と連携して男性を保護。男性は臨場した警察官に引き渡され、無事に家族の元に帰ることができたという。
感謝状は、宗和さんの迅速かつ的確な行動により、行方不明者を早期に保護できたことをたたえるもの。
感謝状を手渡した田原署長は「迅速に連携していただいたおかげで人命を守ることができた」と感謝。「与えられた持ち場で力を尽くしていただきありがたい」と伝えた。
宗和さんは「無事に見つかって良かった。関係者が最善と思える行動を取ったことがいい結果につながったと思っています」。贈呈式に同席した坂本純一・新宮駅長は「感謝状を頂けてありがたい。彼(宗和さん)にとっても正しい行いをしたことが人生の励みになったのでは」と話していた。
なお、同署は和歌山駅員の高橋和也さんにも感謝状を贈呈。JR職員を通じて高橋さんに届けられるという。
(2022年5月26日付紙面より)
地域リハビリ活動支援事業 (串本町 )
串本町が本年度も地域リハビリテーション活動支援事業を展開している。24日は姫ふれあいサロンと食生活改善推進協議会が同事業を利用。新型コロナウイルス感染拡大が落ち着く方向にある中、町はフレイル(虚弱)予防をキャッチフレーズにしてさらに利用の裾野を広げるべく周知に意気込んでいる。
町民の健康寿命を延ばす意識を家庭や身近な地域で高めるため、地域包括支援センターが軸となって前年度から取り組み始めた同事業。生涯元気を目指して月1回以上、町内を拠点にして自主活動する高齢者グループ(団体も含む)を対象にしたリハビリテーションの専門職派遣型の講座で、計2回の出張実施を基本の形としている。
1回目は体成分分析装置「InBody」や各種体力テストによる測定会を実施し、その結果を基にして2回目は健康寿命延伸のための個別提案やグループ提案をする内容。提案作成の都合で2回目の実施は約1カ月後となる点はあらかじめ了承してほしいという。利用を希望する場合は、専門職との日程調整のため
1回目の希望日の1カ月前までを目安にして同センターへ申し出をしてほしいとしている。
同サロンは新宮保健所管内の新型コロナウイルス感染状況を目安にして開けるときに開いていて、この日は運営ボランティアと利用者16人が同事業の1回目を利用。同協議会は2回目の利用で、事業を町民に紹介できる立場でもあり個別提案を受けた後は口腔(こうくう)衛生やフレイル予防の概論について説明を受けるなどした。グループ提案の内容はグループ向けの体操メニュー指導を基本としているが、利用する集団に応じて弾力的に内容を組むとしている。
この事業は、1グループにつき年1回まで利用できる。測定データは個人が特定されない形で町が統計的に活用するという側面があり、町の実態に即した介護予防施策展開のためより多くの高齢者にこの事業を利用してほしいというのが同センターの願うところ。利用の申し出や問い合わせは同センター(電話0735・62・6005)まで。
(2022年5月26日付紙面より)
勝浦四区福祉委員 (那智勝浦町 )
那智勝浦町の勝浦四区福祉委員(藤社和美班長)は21日、地区内の独居高齢者に対して弁当を配布した。
同委員は寝たきりや引きこもり防止、防災意識向上への声がけに努めている。例年は住民同士の交流を目的にサロンなどを開いていたが、現在は新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から活動が制限。「少しでも地区に住む高齢者に見守りを兼ねて何かできないか」との思いから提案した。
弁当は同町の飲食店「elcamino delpoeta(エルカミーノ・デルポエタ)」の佐藤由明さん、さゆりさん夫妻に相談し依頼。地域の人たちの役に立てるならと快諾し製作を引き受けた。配布は今後、月に1度のペースで行い、町内の飲食店にも協力を依頼していくという。
この日は、藤社班長ら3人が1人暮らしの高齢者宅10軒を回り「元気に過ごしやる?」「また、みんなで会いたいね」などと会話を交し弁当を手渡していった。
受け取った楠本由美子さんは「心遣いが大変ありがたいです。サロンで集まれる機会が少なくなり1人の時間が長くなる中、皆さんが弁当を届けて気にかけてくれることが心強い。これからも元気に過ごしていこうと、力をもらいました」と笑顔を見せた。
藤社班長は「以前は手作り弁当という形で訪問させてもらっていたが、コロナの影響により中断を余儀なくされていたので様子が見られてよかった。何より、地域の方々の協力のおかげ。加えて近い将来に発生するとされる南海・東南海地震などの災害や緊急時に備えて状況を把握しやすくするよう、今後も見守り活動を続けていければ」と話していた。
(2022年5月26日付紙面より)
和歌山陸協の第2回記録会
グラウンドゴルフかつうら大会 (県年金受給者協会 )
補陀洛山寺で春まつり (那智勝浦町 )
補陀落渡海の信仰で知られる那智勝浦町浜ノ宮の補陀洛山寺(髙木智英住職)で17日、年中行事の一つ「春まつり」があった。おととし、昨年は新型コロナウイルスの影響で僧侶のみの斎行となったが、今年は3年ぶりに信者らの参拝も可能となり、約20人が集まって法要が行われた。
補陀落渡海は、平安時代から江戸時代まで行われた宗教儀礼。観音の浄土、補陀落山に往生しようと多くの行者が渡海した。渡海上人が一度乗り込むと出入り口には板が打たれ、外に出られないようにした状態で、海のかなたへ出航したという。
この日、世界遺産に登録されている本堂では、国重要文化財の本尊「三貌十一面千手千眼観世音菩薩(ぼさつ)」を開帳した。
信者が手を合わせる中、髙木住職らが読経を行った。その後の大護摩祈祷では、熊野修験の山伏として修行を積む埼玉県在住の成田佳子さんも加わり、髙木住職らと共にコロナ終息や世界平和を祈った。
同寺裏山にある渡海上人の供養塔と歴代住職の墓地で追善供養も営まれた。
髙木住職は「補陀落渡海は強い思いがないとできる行ではない。渡海上人や歴代住職らの強い意志や背中を引き継いでいきたい」。
例年通り斎行された春まつりについては「お参りの方があっての寺。3年ぶりのご参列に、身が引き締まる思い。また、現在はコロナ禍やロシアによるウクライナへの軍事侵攻が行われている。われわれとしてできることは微々たるものだが、世界遺産の熊野から、終息と平和を祈っています」と語った。
(2022年5月19日付紙面より)
新宮市の高齢者向け福祉サービス
高齢化率(総人口に占める65歳以上人口の割合)が28・8%に及ぶ日本。2065年には約2・6人に1人が65歳以上、約3・9人に1人が75歳以上になるといわれており(内閣府「令和3年版高齢社会白書」より)、少子高齢化に歯止めがかからない状況の中、高齢者が住み慣れた地域で尊厳ある自立した生活を送るために質の高い医療・福祉サービスの確保は重要な課題の一つだ。
特に地方において顕著となっている高齢化の波。65歳以上の人口1万345人(総人口2万7132人、4月末現在)、高齢化率38・13%となっている新宮市が展開する、高齢者向け福祉サービスを調べた。
「人生100年時代」という言葉が叫ばれるようになった昨今、学びや趣味、就労、社会活動を通して「生涯現役」を体現する高齢者は多い。しかし、市では65歳以上人口1万345人のうち、70~74歳が2588人、75~79歳が1800人、80歳以上が3896人となっており、今後訪れるであろう超高齢化社会を見据え、さらなる福祉サービスの充実と既存のサービスの利用促進に向けた周知が求められる。
市が現在実施している高齢者向け福祉サービスは①生きがい対応型デイサロン②健康増進型デイサービス③ふれあいデイサービス④生きがいデイサービス⑤「食」の自立支援事業配食サービス⑥寝具乾燥消毒サービス⑦認知症高齢者等見守り事業⑧緊急通報システム⑨家族介護用品給付(おむつなど)⑩ねたきり高齢者等訪問理髪サービス⑪家族介護慰労金支給事業。
①~④は65歳以上で介護保険の認定を受けていない人、または総合事業における事業対象者でない人が対象で、それ以外は各サービスごとに対象となる条件が異なる。
雲取温泉で自由に歓談などができ、健康チェックや入浴、給食サービスが受けられる「生きがい対応型デイサロン」には47人が登録しており、ピーアップシングウでインストラクターの指導による健康チェック、脳トレ、機能改善体操、ジム・プール・内風呂などの利用、給食サービスが受けられる「健康増進型デイサービス」には155人が登録している。
また、月~土曜日のうち、希望する曜日の昼食または夕食を定期的に配達し、利用者の安否を確認する「『食』の自立支援事業配食サービス」には225人が登録。新宮・東牟婁圏域の各市町村が取り組む、見守りシール交付による徘徊高齢者の早期発見と家族の安心に寄与するための「認知症高齢者等見守り事業」の市内における登録数は19となっている。
「サービスを受けられるけどまだ必要ない」「今の自分には関係ない」と感じている人も多い高齢者向け福祉サービス。しかし、自身や家族が当事者、対象者となったときを見据え、受けられるサービスを把握しておくことは肝要だ。市健康長寿課では「事業によって対象者は異なるが、積極的にサービスをご利用いただければ」と話している。高齢者向け福祉サービスに関する問い合わせは同課(電話0735・29・7193)まで。
(2022年5月19日付紙面より)
熊野川体感塾で県警ら点検 (紀宝町 )
北海道知床沖での観光船海難事故を受け、三重県警は17日、紀宝町北桧杖で河川観光船事業を行う熊野川体感塾(谷上嘉一塾長)に安全指導を行った。
船舶免許や運行書類、船上からの連絡方法などを確認した国土交通省中部運輸局三重運輸支局鳥羽海事事務所の定期点検と合同で実施。県警水上警察隊はライフジャケットの安全性を確かめたほか、運行の計画や基準、通信手段などをチェック。広報チラシを事務所に掲示するよう依頼し、乗船者に「船頭の指示に従いましょう」「ライフジャケットは必ず着用しましょう」などと求めるチラシの配布を呼びかけた。
事務所で書類などを確認した後、熊野川の乗船場に移動し、観光川下り船「三反帆(さんだんぼ)」の安全対策を点検。船で観光コースに向かい、運行の安全性も確かめた。
鳥羽海事事務所の岩崎雅樹所長は「点検の結果、よくできていると感じた。観光客の皆さんには、体感塾の説明をよく聞き、川下りを楽しんでほしい」と話していた。
熊野川体感塾は地域おこしを目的に、15年前から遊覧事業を続けている。川風を受けて進む三反帆に乗り、世界遺産「熊野川」の景観などを望むコースが人気だという。谷上塾長は「お客さんの安全を最優先に運行している。コロナ禍でおととしから利用者が激減しているが、これからも熊野川の歴史や自然を愛する人たちに利用していただきたい」と話していた。
(2022年5月19日付紙面より)
古城梅(ごじろうめ)奉納奉告祭が16日、田辺市本宮町の熊野本宮大社(九鬼家隆宮司)であった。同市長野の一般社団法人長野古城梅振興会(那須豊平会長)が、収穫したばかりの約3㌔の梅を奉納し、業界の発展を祈願した。
古城梅は、長野発祥の希少品種。実の色が美しく「青いダイヤ」とも呼ばれ、ほとんどが梅酒やジュースとして消費されている。収穫はこの日から始まり、今月末ごろまで続く。同大社への奉納は、「ごじろ」に語呂を合わせて2015年より毎年5月16日に行っており、今回で7回目となる。
同振興会から2人が訪れたほか、田辺市やJA紀南の職員、同大社の関係者など、合計で14人が参列した。古城梅を神前に供えて祈りをささげた。九鬼宮司(65)は「全国、全世界に、梅の素晴らしさ、特に紀州の梅を多くの人に知ってもらえるよう、発信していただければ」と呼びかけた。
那須会長(73)は「今年の出来は今のところ、並といったところ。梅を通じてヘルシーになるよう、体のケアに使ってもらえれば。梅酒などでもいただいてほしい。最近は若い人が古城梅を作らない傾向があるが、何とか伝承していきたい」と話した。
(2022年5月19日付紙面より)
和歌山県空手道選手権大会 (和道流空手道新宮支部 )
増田さん招き「ソフトテニス教室」 (那智勝浦町 )
「SMILE.E.T」 (進め!!青春 )
「磯のいきもの観察会」 (太地町立くじらの博物館 )
太地町立くじらの博物館(稲森大樹館長)は15日、森浦湾の磯で「磯のいきもの観察会」を開いた。同館水族館担当の荻原拓さんらの解説の下、町内外から参加した親子4組13人は磯や潮だまりに生息する生き物を観察し、生態などを学んだ。
観察会は魚類やヤドカリ、エビなどの無脊椎動物の観察、採集を通して種類や生態を学ぶとともに、海を利用する際の危険や注意の普及啓発を行う目的で昨年から実施している。
参加者は同館園内に集合し、徒歩で森浦湾の磯へ移動。荻原さんから、湾内に生息するウツボやハオコゼ、ガンガゼ、カツオノエボシなどの危険な生物の紹介や海での事故防止について説明があった。
参加者はライフジャケットや軍手を装着後、網とバケツを持って、磯や潮だまりで生き物の観察や採集に取り組んだ。
「ヤドカリ見つけた」「魚おった」「海草が柔らかい」と笑顔ではしゃぐ子どもたちの姿が見られた。その後、各自で採集した生き物約20種類を大きな水槽に移し、荻原さんが特徴や生態を解説した。
町内から参加した山下みつきさん(太地小5年)は「生き物を捕まえたり、観察ができてすごく楽しかった。いろいろなことを知れたので、家でも家族に話してあげたいです」と語った。
荻原さんは「当館はクジラを専門としている博物館。そのクジラやイルカが生息する豊かな海を支えている小さな生物たちにも目を向けていただきたかった。子どもさんたちには観察会を通して、水温を直接感じ、海草を踏む感触や生き物に触れることなどを体感して、楽しんでいただけたら幸いです」。
稲森館長は「皆さま方に、自然に直接触れて体験していただける機会として昨年から実施している。どのような頻度や形になるかは検討中だが、今後も観察会などの催しを拡充していく予定です」と話した。
(2022年5月18日付紙面より)
新宮ユネスコ協会が総会 (新宮市 )
新宮ユネスコ協会(個人60人、法人12社)は15日、新宮市福祉センターで令和4年度総会を開いた。会員約20人が出席する中、本年度事業や予算などを承認した。
日本では、民間ユネスコ活動から起こったユネスコ運動が、政府、国会などに波及し、ユネスコ加盟の機運が高まって
いったという経緯がある。1947年に宮城県で、世界で最初の民間ユネスコ運動団体「仙台ユネスコ協力会」が発足。新宮ユネスコ協会は2012年10月20日、和歌山県で7番目に立ち上げられた。
開会に当たり、中谷剛会長があいさつ。いまだ世界的に猛威を振るう新型コロナウイルス情勢、ロシアのウクライナ侵攻に言及し「日々、大変悲惨な状況が耳に入ってくる。国際社会や国連の無力さを感じるが私たちもなすすべなく見守っていくしかないのが現状。平和や戦争について考えていかなければならない。この総会が祈りの場となるような、実り多きものになれば」と思いを語った。
来賓の田岡実千年市長は、同協会の日頃の尽力と新型コロナ対策への協力に感謝を伝え「多くの皆さま方からの支持を受けられるようになったのは、設立メンバーの皆さま方がユネスコの理念の持つ素晴らしさと民間ユネスコ運動の意義の正当性を信じ、この世界に誇れる歴史と伝統と文化の地『新宮』を守るため、そしてより世界に開かれた地域とすべくため、熱意をもって呼びかけられた成果」と活動や取り組みをたたえた。
本年度の事業計画は▽熊野古道の実地学習と保全活動▽市町村行事、学校行事への団体参加▽ユネスコ協会連盟、連絡協議活動への参加▽書き損じはがきキャンペーンへの参加▽組織ならびに活動の活性化に向けての方策▽平和への取り組み▽会議の充実―などを予定している。新型コロナウイルス感染症の状況を見ながら、ユネスコ文化講演会の実施に向けて準備を進めていくという。
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総会後には、勢古啓子副会長による講話があった。勢古副会長は「ジェンダー平等について」をテーマに、日本におけるジェンダーバイアス(性的役割の固定的価値観)の現状について話した。
勢古副会長は、1975年に国連によって制定された「国際女性デー」(3月8日)に触れ「日本でも『女性の生き方を考える』として全国に拡大している。47都道府県中22県で開催されたが、和歌山県は不参加だった」。
また、ジェンダーギャップ指数は国連加盟156カ国中、日本は120位であるとし「日本は男女の賃金格差が大きく、役員や管理職、女性議員の割合が低く深刻な状況」と説明した。
▽管理職には男性の方が適している▽喪主は長男がすべきだ▽育児休業を男性が取るなんて考えられない―などの項目を挙げて意識チェックを促し「ジェンダーバイアスの影響を受けている人は少なくない。ジェンダー平等を実現するためには身の回りの当たり前に気付き、見直しと気付きを深めていくことで自分らしく生きられる社会が実現できるのでは」と締めくくった。
(2022年5月18日付紙面より)
星野さんの刺しゅう画展示 (補陀洛山寺 )
「東日本大震災から10年。東北の皆さまの心や思いなどを考えた際に千手観音菩薩(ぼさつ)の姿が浮かんだ」。そう話すのは刺しゅう作家として国内外で活躍する東京都在住の星野真弓さんだ。「慈愛」をテーマとし、一針一針に東北復興への思いなどを込めて作成した「レジリエンス~千手観音菩薩~」の特別展示会が16日から、那智勝浦町の補陀洛山寺(髙木智英住職)で始まった。
慈愛に満ちた表情を浮かべる千手観音菩薩が座した大作は約44万針刺し、およそ22万個のマスをクロスステッチで仕上げた。作成に使用した針も同じく展示されている。7月1日(金)まで観覧できる。
星野さんは国際平和芸術協会の特別会員や一般社団法人三月のひまわりの代表なども務め、日本代表団の一員として、スイス・ジュネーブ国連欧州本部で作品の展示も行われるほど。今年6月にはフランス・パリの国連教育科学文化機構(ユネスコ)本部において、桜をイメージした作品の展示も決まっている。
東日本の震災後、作品の寄贈や刺しゅう教室を開くなどして、10年にわたって東北地方の復興のために尽力してきた。
10年を機に癒やしや鎮魂の願いを込めた作品に取り組むことを決意。一針入魂の思いで作業に没頭し、約80色の糸を使い用いた針は1本。5㌢ほど短くなったが折れることはなかった。
作成期間中には最愛の父を亡くした。その悲しみにも耐えながら作品に力を注ぎ、1年3カ月をかけて仕上げた。サイズは縦124㌢、横106㌢、重さ16㌔(額含む)。
災害などの困難に負けないという思いも込めて、作品名には「回復力」「復元力」「しなやかな強さ」などの意味を持つレジリエンスを加えた。完成後は東北地方、千葉、佐賀県など各地で巡回展を実施してきた。
今年1月、母と共にクルーズ船の旅に出かけ、船が新宮港へ着岸。タクシーで周遊した際、偶然にも最初に立ち寄ったのが同寺だったとし、「補陀洛山寺のご本尊は十一面千手観音菩薩。ご縁を感じた。自身の作品や巡回展のお話をさせていただいた」と述べ、今回の展示に至ったと話した。
同寺の管理人である南善文さんは「素晴らしい作品の展示、ありがとうございます。ぜひ、多くの皆さまに見に来ていただけましたら」。
星野さんは「糸には思いが宿る。多くの方々のさまざまな思いと一緒に全国を回っている。現在、コロナ禍で世の中が沈んでいるが、暗闇の中にも必ず光がある。この作品が皆さまの光となり、心の豊かさにつながれば」と語った。
刺しゅう画の観覧は午前8時30分から午後4時まで。年中無休。問い合わせは補陀洛山寺(電話0735・52・2523)まで。
(2022年5月18日付紙面より)
南紀串本観光協会協力し (日本釣振興会 )
串本町くじ野川にある橋杭ビーチで16日、ヒラメの稚魚放流があった。公益財団法人日本釣振興会和歌山県支部による釣りを楽しむ環境づくりの一環で、会員の南紀串本観光協会(島野利之会長)が協力し稚魚約1200匹を串本の海へ送り出した。
同協会がフィッシングタウンとしての地域振興に打ち込む一環で同振興会の団体会員となったことで始まった取り組みで、同支部はまず4年ほど定点実施し放流効果のデータを得る方向で同協会に協力を求めている。
2回目となる今回も、県南部栽培漁業センターからふ化後約3カ月、体長8・5㌢前後まで育った稚魚を入荷。同協会の職員や会員、西向出身のアングラーズアイドル・そらなさゆりさんら関係者計8人が協力し、同ビーチ駐車場から波打ち際まで急ぎ稚魚を運び入れ、今回は沖へ出やすいよう引き波へ乗せることを意識して放った。
稚魚が同振興会の見据える大きさになるまでには3~4年ほどかかるとされ、このことが定点放流を続ける期間の一目安となっている。
2回目の実施を経て同協会の宇井晋介事務局長は「フィッシングタウンとして振興を目指す中、資源が増えてほしいなぁという思いで協力しています。稚魚は来年の今ごろには30㌢ぐらいになる予定。橋杭ビーチの活用ということでいろいろ使っていますが、(その中でレンタル提供している)フィッシングカヤックなどいろいろな形でヒラメの釣りを楽しんでいただければ」と話した。
(2022年5月18日付紙面より)
スポ少野球東牟婁予選
県サッカーU―12選手権東牟婁予選
貴重な「奏聞書」劔持家に (新宮市 )
新宮市下本町の劔持さん宅に伝わる「慶喜奏聞書」がこのほど、徳川慶喜から新宮藩最後の藩主・水野忠幹に送られたものであることが分かった。文書は慶喜の家臣が書いたと思われるが、大政奉還後の苦悩がつづられており慶喜の心情を現在に伝える貴重なものとなっている。
江戸幕府かつ日本史上最後の征夷(せいい)大将軍、徳川慶喜。江戸末期、「薩長同盟」が成立し倒幕への動きが加速する中、慶喜は1867年10月に政権を朝廷に返上。大政奉還により、鎌倉幕府が開かれてから約700年続いた武士による政治は終わりを告げた。
文書の鑑定には和歌山県立博物館や和歌山城郭調査研究会の水島大二顧問、同研究会会員の小渕伸二さんらが協力した。
和歌山信愛大学非常勤講師の小山譽城・歴史学博士によると「徳川慶喜が将軍職を辞退し、天下の公議を尽くして政権を運営するようにと朝廷に政権を返上したにもかかわらず、列藩の衆議もなく、薩摩・長州の藩士らが幼い明治天皇の近くにいて勝手な振る舞いに及んでいることは嘆かわしいこと」などと苦悩がつづられており、天皇と万民の安心できる国にしたいという慶喜の願いが奏聞されているという。
文書は大政奉還から約2カ月後の同年12月に江戸城において幕府の老中から紀州藩の家老に渡されたもの。一方、劔持家は1619年に水野家が新宮城領主として入部した際に、側用人として浜松から入国したという家系で、水野家に送られた文書を所有していることから、水野家から絶大な信用を得ていたことがうかがわれる。なお、文書は田辺の安藤家にも届けられた可能性があるが、県内では確認はされていない。
文書を所有する劔持幸代さんは「新宮市で出てきたもの。ちゃんと扱っていただけるのなら市に寄贈したい」と胸中を明かし「大政奉還に苦悩した慶喜さんの心情が伝わってくるように思う。どこかに展示していただけるのなら、新宮市の方々に見てもらいたい」と話している。
(2022年5月15日付紙面より)
タイムライン防災・全国ネットワーク国民会議
台風や大雨などの災害が起こる前に行政、住民、関係機関が取るべき行動をあらかじめ定めておく事前行動計画「タイムライン防災」の普及を目指す「タイムライン防災・全国ネットワーク国民会議」の設立総会が10日、東京都千代田区であった。全国34市区町村の首長らで組織し、全国で初めてタイムラインを策定した紀宝町の西田健町長が初代議長に就任した。
紀宝町は2011年の紀伊半島大水害を教訓に、15年にタイムラインを策定し、これまで約40回運用してきた。今では全国137市区町村が導入している。
同会議は、タイムラインをより多くの市区町村や地域住民に広めていくことで、災害から命を守る防災意識社会の構築を目指す。人材育成の推進や全国の防災機関への普及啓発なども展開する。
内閣府政策統括官、消防庁次長、国土交通省水管理・国土保全局長、気象庁気象防災監らがアドバイザー、河田惠昭・関西大学社会安全学部特別任命教授、タイムライン防災を提唱した松尾一郎・東京大学大学院情報学環客員教授らが技術顧問、太田昭宏・元国土交通大臣、足立敏之・参院議員が特別顧問を務める。
総会では内閣府、消防庁、総務省、国土交通省、気象庁への支援などを盛り込んだ決議文を採択。タイムラインを活用した防災対策の推進を図り、政府の防災基本計画に位置付けること、地域防災の担い手確保への財政支援などを要請し、山口那津男・公明党代表らに要望した。
議長の西田町長は「正しい避難が可能な地域防災社会の形成と国民一人一人のタイムライン防災の徹底が急務となっている中、タイムライン防災の一層の充実と日本の文化となるよう、まい進していく」とコメントした。
(2022年5月15日付紙面より)
朝日・築地公園で芝生養生中 (那智勝浦町 )
那智勝浦町役場横の築地公園と同町朝日の朝日公園の一部区画でこのほど、芝張りが行われた。現在は養生中の芝生部分に立ち入りできないようにロープを設置しており、芝の根がしっかりと張る6月初旬に開放を予定している。
町建設課によると、公園を利用する子どもの安全対策や緑化のために本年度事業で実施。費用は約40万円で、どちらも4月中旬に芝張りを行ったという。
担当者は「芝生化は景観面を良くすることはもちろんだが、公園で遊ぶ子どもさんが転倒した際の危険防止にもつながると思う」と話していた。
(2022年5月15日付紙面より)
斎藤佑樹さん迎え選手と触れ合い (新宮RC )
新宮市佐野のくろしおスタジアムで3~5日、和歌山県軟式野球連盟東牟婁支部学童部が主催する「第5回新宮ロータリークラブ旗学童軟式野球大会」が開催され、ゲストで訪れた元プロ野球選手の斎藤佑樹さん(33)が競技を通じて選手たちと触れ合った。
青少年育成事業の一環として、新宮ロータリークラブ(新宮RC、床浦勝昭会長)が2017年の第1回大会から特別協賛の形で協力。子どもたちに夢を持ってもらい、コロナ禍で沈んだ地域社会の活性化を図りたいとの思いから実現した。
開会式で床浦会長は関係者をはじめ、多くの人たちの応援と協力に感謝し「子どもたちの夢を膨らませ、野球の未来につながればと願っています。選手の皆さん、優勝を目指して頑張ってください」とあいさつ。
来賓の田岡実千年市長は「国民的スーパースターである斎藤さんを招いての素晴らしい大会。大好きな野球ができることを監督やコーチ、家族に感謝し、力いっぱい頑張ってください」と述べた。
選手らはチームごとに外野のグラウンドへ集まると、斎藤さんと一緒にランニング。その後、キャッチボールをして楽しく汗を流した。質問コーナーでは子どもたちから「試合で緊張せずに練習の成果を発揮する方法はありますか?」「苦しさや練習で疲れた時、どう乗り越えましたか?」などが挙がり、斎藤さんは丁寧に回答していた。
蓬莱フレンズの西内壱昂(いっこう)主将(6年)は「テレビ中継などで見ていた有名な人と一緒に過ごせて夢のようで、楽しかったです。斎藤さんの姿を目にして、もっと野球を上手になりたい思いが強くなった」。
斎藤さんは「熊野地方を訪れたのは初めてですが、選手一人一人が野球を愛しているのだと感じました。自分自身、小学1年生から長い間、野球をさせてもらい幸せな競技生活だった。自分の好きなことを追いかけられるのは素晴らしいことなので、これからも一人でも多くの選手に体験してもらえれば」と話していた。
(2022年5月7日付紙面より)
新宮市出身の文豪で、望郷詩人とも呼ばれる佐藤春夫(1892~1964年)の命日の6日、市内の佐藤春夫記念館前庭で3年ぶりとなるお供茶式(くちゃしき)が営まれた。関係者や一般約30人が参列し遺徳をしのんだ。
茶道裏千家淡交会が長年、大社烏集庵(うしゅうあん)や望郷五月歌碑前で営んできた式で、記念館がオープンした翌年の1990(平成2)年から佐藤春夫記念会(舩上光次代表理事)と共に記念館庭園で開いている。
式には田岡実千年市長、濱口太史県議、榎本鉄也議長をはじめとした市議会議員らも出席。茶道裏千家淡交会南紀支部の西宗友さんがお点前、半東は関宗重さんが務めた。なお、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、お茶の振る舞いは取りやめとした。
今年は春夫生誕130年の年。田岡市長は「生誕130年に当たり、その功績を改めて顕彰し、その精神、作品を後世に伝えていくことが私たちの使命」。
淡交会南紀支部や関係者らに感謝を伝え「春夫先生がこよなく愛された『ふるさと新宮』の豊かな自然と伝統を守り、新しい文化の創造と発展に力を尽くしたい」とさらなる協力を呼びかけた。
辻本雄一・佐藤春夫記念館長は「春夫はかつては谷崎潤一郎、芥川龍之介とともに三者鼎立(ていりつ)などと称されたが、残念ながら春夫だけが欠けているのが今の文学の状況。生誕130年を機に、小学生や中学生にも春夫の作品を気軽に読んでもらえる環境をつくっていかないといけない」とあいさつした。
(2022年5月7日付紙面より)
望楼の芝キャンプ場開場 (串本町 )
串本町潮岬にある潮岬望楼の芝キャンプ場が4月28日から5月5日まで、本年度最初の開場期間〈有料期間〉を迎えた。ゴールデンウイーク(GW)中の有料開場はおととし、昨年と新型コロナウイルスの情勢で見合わせたため、3年ぶりの実施。潮岬望楼の芝管理運営委員会(田仲康慧会長)によると、期間計で延べ1030人の利用を集めたという。
本年度から無料期間を設けず、有料期間のみとして開場期間を告知している同キャンプ場。有料期間は既設キャンプ場では収容しきれない数の利用が見込まれる場合に同委員会が実施している管理対応で、環境省の許可に基づき日帰りや車中泊の利用も含め小学生以上1人1泊1000円の清掃協力金を得て望楼の芝の東半分(既存施設も含む)をテント設営場所として提供し、キャンプに伴うごみの引き受けもしている。
本年度最初となる開場期間の前半は天候不順で2桁台推移と利用が伸び悩んだが、後半は好天に恵まれ利用もいよいよ3桁台へ。ピークの3日は最終的に531泊分の清掃協力金を受け付け、テント設営場所を急きょ拡張したり臨時駐車場を即日交渉で確保したりと受け入れの対応に追われた。
GW中の有料期間は年間を通してもっとも利用が多い時期。3年ぶりの実施を経て田仲会長は「コロナ禍は続いているが、思っていた以上に大勢の皆さんにご利用いただけた。この先行動制限がさらに緩んで勢いづくのが怖い」など印象を語り、相応の有料期間運営を心がけることに意気込んだ。
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同キャンプ場の今後の開場期間〈有料期間〉は▽7月16~18日▽8月10~15日▽9月16~19日▽9月22~25日▽10月7~10日▽11月2~6日―の計6期を予定(期間中に見込まれる状況により急きょ開場を中止する場合がある)し、いずれも初日は午後4時開場、最終日は午前10時閉場。町と同委員会の最新の申し合わせでGW期間中も含めて初日を1日繰り上げ、初日と最終日を除く中日の午前8時~午後6時(9月以降は午後5時まで)に同キャンプ場専用駐車場そばで清掃協力金の受け付けをする形に変更となっている。
開場期間外は既存施設を閉鎖し利用できない状況としている。開場中の注意事項などは町公式ホームページの新着情報〈一覧表示〉内にある3月15日付のリンク先を参照。問い合わせは町産業課(電話0735・62・0557、平日午前8時30分~午後5時15分)まで。
(2022年5月7日付紙面より)
観光筏下り開航 (北山村 )
熊野川の支流・北山川で3日、筏(いかだ)に乗り急流のスリルと渓谷美を楽しむ北山村の観光筏下りが始まった。関係者らが神事を執り行った後、マスク姿で救命胴衣を身に着けた観光客らを乗せた第1便が出発。乗客らは水しぶきを受けながら迫力満点の川下りを満喫した。
筏下りは元筏師や村民の努力で1979年に観光筏下りとして再開し今年で43回目。特産品のかんきつ系果実「じゃばら」とともに村の基幹産業になっている。スギの丸太8本で組んだ床を七つ連結している筏は、全長約30㍍、幅約1・6㍍、重さは7㌧。手すりと席が設けられ、訓練を積んだ筏師たちが櫂で操船する。
約5・5㌔を約70分かけて下るコースで、水量豊かな北山川の急流と渓谷の大自然、そして筏師の伝統技術を楽しむことができる人気のレジャーだ。例年なら年間約7000人ほどが体験に訪れるが、昨年は新型コロナウイルス感染症の影響で、おととしに引き続き特別便の運航は取りやめに。また、天候不順で約20日が欠航となったため、乗客は4277人にとどまった。
初日のこの日は午前68人、午後47人の計115人が筏に乗船した。今年も引き続き、定員を減らした上で乗客にマスク着用と検温への協力を呼びかけるなど新型コロナ対策を講じつつ、9月末まで運航する予定だ。
運航責任者の山本正幸さん(55)は「安全第一に努めて運航したい。サツキやイワチドリも現在見頃を迎えている。昨年に引き続きコロナ対策を徹底している。多くのお客さんに楽しんでもらいたい」と話していた。
観光筏下りは1日2便。料金は大人6600円、小学生3300円。乗船対象者は10~75歳の健康、健脚な人。筏をゆっくり進めながら景観を楽しむことができる人気の特別便は6月4日(土)に運航予定で大人9900円、小学生6600円(弁当、お茶、おくとろ温泉入浴含む)。予約・問い合わせは北山村観光センター(電話0735・49・2324)まで。なお、コロナ情勢により運航に変更が生じる場合がある。
(2022年5月7日付紙面より)
なちかつGGCクラブ大会
新宮RC旗学童軟式野球大会
第93回紀南統一メーデー (新宮市 )
紀南地区労働組合協議会(喜田俊生議長)などでつくる「第93回紀南統一メーデー実行委員会」は1日、新宮市福祉センターでメーデー集会を開催。国民主権、平和主義、基本的人権の尊重を徹底する政治の実現を求めるメーデー宣言を承認したほか、雨の中、市内でサイレントアピール行進を実施。世界平和や民主主義の重要性などを広く呼びかけた。
メーデー(労働者の日)は、労働者が権利を要求するために行進や集会を行い、団結力を示す日として世界各地で実施されている。日本では1920年5月に、第1回メーデーが東京都の上野公園で開かれた。
新型コロナウイルス感染拡大防止のため、集会は人数を制限して開催。あいさつに臨んだ喜田議長が、ロシアのウクライナ侵攻などに言及。国際連合の取り決めの中、ロシアの行いはあってはならないことであるとし「多くの人を救うことができるよう、日々努力を重ねていかなければならない」。
また「日本が良い国であり続けるために、憲法9条の改正はあってはならない」と力を込めた。
東牟婁労働者福祉協議会と近畿労働金庫新宮支店を代表し、岩崎浩明・同金庫新宮支店長が祝辞。「相互扶助と連帯といった労働者自主福祉運動の原点を大切にし、事業を進めていきたい」などとあいさつした。
丸山さおり・和歌山県教職員組合東牟婁支部長、新宮市平和委員会の金田真さん、年金者組合の高塚建さん、新日本婦人の会の田中幸子さん、畑野よしひろ・日本共産党南地区委員会副委員長らによるリレートークも行われ、各登壇者が教育や平和、生活などの諸問題について問題提起を行い、課題と認識を共有。同協議会の岸本芳明事務局長がメーデー宣言を読み上げた。
紀南統一メーデーのスローガンは▽国民のいのちと健康確保へ コロナ対策予算拡充を!▽なくせ貧困と格差▽消費税減税▽軍事費削除、「敵基地攻撃能力」保有反対―の四つ。
(2022年5月3日付紙面より)
イオン新宮店で「生命のメッセージ展」 (紀南交通事故被害者の会 )
新宮市橋本のイオン新宮店イベントスペースで1日、紀南交通事故被害者の会(中岡貴恵代表)が主催する「生命(いのち)のメッセージ展」があった。会場には遺族が制作した、理不尽に生命を奪われた犠牲者を型取りメッセージを託した30人分の「メッセンジャー」を展示。買い物客らは足を止めてメッセンジャーを見つめ、命の大切さを再認識するなどしていた。
殺人や悪質な交通事故、いじめ、医療過誤、一気飲ませなどの結果、理不尽に人生を断ち切られた犠牲者が主役のアート展。犠牲者一人一人の等身大の人型「メッセンジャー」(硬質発泡材)に遺品の靴、残された遺族がつづったメッセージが添えられているもので、向き合う者に命の重さや尊さを訴える。
同展は昨年11月、王子公民分館が主催して新宮市内で初めて開催。多くの来場者が訪れた。同店での開催は新宮警察署からの声かけにより実現したもので、同店23周年記念イベントの一連として実施。新宮警察署は同店駐車場でパトカーなどの展示を通して、交通安全や犯罪防止に向けた取り組みを展開した。
また、イベントスペースでは同展開催時間に合わせて県立新翔高校吹奏楽部による演奏会も実施。「風になりたい」「宝島」「シェリーに口づけ」など5曲を披露。イベントの盛り上がりに花を添えた。
2018年に最愛の母・中尾叔子さん(享年85)を交通事故で亡くした中岡代表は、市内で再び開催できたことを、関係者らの協力によるものとし、また新翔高校吹奏楽部に対して「心を込めて楽しく演奏する姿で、生きていることの素晴らしさを皆さんに伝えていただいた」と感謝。
「生きたくても生きられなかった人もいる。生きていることは当たり前ではない。命を大切に、毎日を生きてほしい。事故や犯罪のない社会の実現を願っています」と同展に託した思いを語った。
(2022年5月3日付紙面より)
ぼたん荘のRVパーク (古座川町 )
古座川町月野瀬にある南紀月の瀬温泉ぼたん荘が4月29日、いろり館横で車中泊施設「RVパーク南紀月の瀬温泉ぼたん荘」をオープンした。
RVパークは、日本RV協会が快適に安心して車中泊ができる場所として規定の滞在環境を満たした運営者からの申請を受けて認定する施設。認定後は公式ホームページによる統括紹介などでニーズにアプローチし、誘客を図る仕組みとなっている。
同荘はブームが過ぎ利用が停滞していた旧ゲートボール場を整地改修し、13区画分の給電設備を整備。同環境として不足していた炊事場やコインランドリー(3台)を新設しごみの引き取りにも対応する準備をして申請し、認定後の4月28日に公式ホームページでの紹介が始まるなど状況が整ったことを受け、翌日の受け入れ開始へとこぎつけた。
RVはレクリエーショナル・ビークルの略称で、RVパークは国内でキャンピングカーと通称される車種などをターゲットにした車中泊施設で、同荘は一区画につき3000円〈税込み〉で提供する。当日の利用状況にもよるが、区画数の多さを生かして複数区画の追加利用(2区画目以降は1区画につき1500円〈税込み〉)の相談にも応じるという。詳細は同協会か同荘の公式ホームページを参照。
県内では4番目となる登録で、区画数は目下県内最大級。飲食は同荘提供のサービス利用となるが、入浴は温泉館が優待利用できるなど敷地内に必要な環境が一通りそろっている点を魅力として自負している。当面は同協会の仕組みに加え、独自広報として近隣の道の駅などへチラシなどの設置や紹介の協力を求めて誘客を図るという。
同荘を運営する古座川ふるさと振興公社の関口隆男理事長は「当面の課題は認知度の向上で、一番は口コミによる広まりだと思っている。環境は十分と自信を持っているので、後は広まりとともに日々の利用が伸びてくれれば」と話した。
問い合わせは同荘(電話0735・72・0376)まで。
(2022年5月3日付紙面より)
吹奏楽部が定期演奏会 (近大新宮 )
近畿大学附属新宮高校・中学校の吹奏楽部(廣下亜美部長)は1日、御浜町中央公民館アメニティホールで第11回定期演奏会を開催した。部員ら計46人が部活動に関わる全ての人々へ感謝を込め、演奏を届けた。
吹奏楽部は創部16年を数え、昨年の第57回和歌山県吹奏楽コンクール高校小編成部門では初の関西大会出場をつかんだ。定期演奏会は毎年3月に開いているが、今年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で、2カ月延期。会場では検温や手指消毒、席間隔の確保などの対策を取った。
演奏会には新1年生6人を含む部員37人とOB・OG9人が出演し、行進曲「アルセナール」で開幕。本年度の夏のコンクールで挑戦する「梁塵秘抄(りょうじんひしょう)~熊野古道の幻想~」では、熊野の霧深い山々の風景や行き交う人々の心情を表現した。
第2部は2グループに分かれ、紅組「BEAUTY AND THE BEAST」、白組「明日があるさ」で演奏対決。 ポップスステージの第3部では「ご長寿番組大メドレー~テレビの名作・ケッサク20曲」などで会場を盛り上げ、卒部式では卒部生4人に花束を手渡した。アンコールでは、おなじみの「Sing Sing Sing」を披露し、観客らが惜しみない拍手を送った。
廣下部長は「2カ月延期したが、まずは開催できたことがうれしい。部員たちにとっても、いい経験になりました。ありがとうございました」と話していた。
(2022年5月3日付紙面より)