「那智の扇祭り」始まる (熊野那智大社 )
那智勝浦町那智山の熊野那智大社(男成洋三宮司)は14日、例大祭「那智の扇祭り(火祭)」を行った。午前中は大前の儀が営まれ、本殿前に華やかな「扇神輿(おうぎみこし)」12体が立て掛けられた。
那智の扇祭りは那智山中腹にうつした熊野の神々を本来祭られていた那智の滝前に里帰りさせてご神威を新たにする神事。ことしで創建1700年を迎えた。平成27年3月に国の重要無形民俗文化財の指定を受けている。扇神輿は那智の滝に見立てた高さ約6㍍の細長い形で、赤い緞子(どんす)に金色の扇が飾られている。12体に12柱の神々がうつされる。
午前中は、奉仕者らが力強く扇神輿を本殿前に立て掛けた。大前の儀の後、特設舞台で地元の子どもたちによる「大和舞」と国の重要無形民俗文化財でユネスコの無形文化遺産に指定された「那智の田楽」、木製の牛頭などが登場する「御田植式」が奉納された。
午後からは扇神輿が氏子らに担がれ、「御火神事」で12体の大たいまつに迎え清められながら那智の滝前まで渡御。3時30分ごろ、本社に還御し、全ての神事を終える。
(2017年7月15日付紙面より)
新宮市体育協会(会長・楠本秀一教育長)は14日、新宮市の高田第一、第二自然プールで安全祈願祭を営んだ。関係者約20人が参列し、今シーズンの無事故を祈った。開設期間は15日(土)から8月末まで。利用時間は午前10時から午後5時まで。
安全祈願祭には楠本会長をはじめ、亀井寿一郎副市長、屋敷満雄市議会議長らが参列。阿須賀神社の西俊行宮司が祝詞を読み上げた後、参列者たちが玉串を供えた。
神事後、楠本会長は「自然プールはオープンして今年で40年目。今年も大勢の子どもや家族連れが楽しく、安全、安心して遊べることを期待しています。清流の高田川は新宮市の宝」。来賓を代表して亀井副市長が「都会では味わうことができない豊かな自然のすばらしさを伝えていきたい」とあいさつした。
自然プールが開設されたのは第一が1978(昭和53)年、第二が82(昭和57)年。これまでに最も利用客が多かった年は88(昭和63)年で第一が6万1096人、第二が1万2127人の計7万3223人。昨年は第一が7843人(前年比1605人増)、第二が2937人(同733人増)の計1万780人だった。
(2017年7月15日付紙面より)
串本町の田嶋勝正町長が14日、全国消防救助技術大会(以下全国大会)や消防救助技術東近畿地区指導会(以下東近畿大会)に出場する同町消防本部(北地稔消防長)の隊員を激励した。全国大会にはほふく救出チーム、東近畿大会には引き揚げ救助チームが進出していて、田嶋町長は「串本町ここにありと東近畿に、そして全国に示す思いを持って大会に挑んでほしい」と励ました。
両チームは6月1日に和歌山消防学校で開かれた県消防救助技術会(以下県大会)で優勝し、県代表として上位大会出場権をつかんだ。同本部ほふく救出チームの進出は2008(平成20)年以来9年ぶり、同引き揚げ救助チームの進出は3年連続。両チームとも結果を残すため、県大会後も日々の訓練に打ち込んでさらに実力を磨くさなかにある。
田嶋町長は訓練視察に先だって隊員を激励。隊員を代表して矢野敬士長が「串本町、和歌山県の代表として精いっぱい臨む」と応え、両チームがそれぞれ試技に臨んで実力を披露した。田嶋町長は「これら大会には個人の能力を引き上げ、チームワークを良くする目的があろうが、最終的にはいざこういう場面に遭遇した時にいかに人命を助け出せるかにあると思う。君たちの成果が命を助けるという思いを持って練習を続けてほしい」と述べ、来る本番における活躍を期待した。
東近畿大会は27日(木)に京都市消防活動総合センターで、全国大会は8月23日(水)に宮城県総合運動公園でそれぞれ開かれる。
(2017年7月15日付紙面より)
新宮市文化財保護審議会(辻本雄一委員長、6人)は13日、楠本秀一教育長に文化複合施設建設予定地から出土した遺跡の取り扱いについて「現状・現地保存し、後世に伝えることが現在に生きるわれわれの重要な責務」とした答申書を提出した。楠本教育長は「遺跡の重要性は十分認識している」とした上で、答申を尊重して今後検討していくと述べた。
楠本教育長が今月3日、同審議会に諮問していた。辻本委員長と瀧野秀二副委員長が市役所を訪れ、提出した。
全会一致の答申では「遺跡は新宮の各時代の重要な性格と深く関わっており、新宮の歴史を語る上で極めて重要であるとともに学術上も価値が高い。法による保護措置を今後検討し、市民はもとより多くの人々が適切にその価値を享受できるよう活用すべき」と訴えている。
同施設は平成32年度末の完成予定。図書館建設予定地から中世の川湊跡が出土したことから、市は現在、配置の変更を検討していて、今年の秋ごろまでには方向性を示すとしている。
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委員は次の皆さん。
▽上野 顯(神道史)
▽辻本雄一(近代文学)
▽瀧野秀二(植物学)
▽南 敏行(動物学)
▽山本殖生(宗教民俗学)
▽中瀬古友夫(近現代史)
(2017年7月15日付紙面より)
早期実現求め決議を採択 (県内17市町村 )
高速自動車道紀南延長促進協議会(会長・田岡実千年新宮市長)の通常総会が7日、新宮市井の沢の新宮商工会議所であり、紀伊半島一周高速道路の早期実現を求める決議文を採択した。田岡会長は「一周高速道路が一歩一歩現実のものになってきている。一丸となって積極的な取り組みを」と協力を呼び掛けた。
紀伊半島一周を目指す高速道路は、すさみ串本道路(19・2㌔)、熊野道路(大泊―熊野、6・7㌔)、新宮紀宝道路(2・4㌔)が事業化されている。未事業化区間は串本―太地間(19㌔)、紀宝―熊野間(23㌔)、新宮あけぼの―高森間(5・5㌔)の3区間。
総会に出席した顧問の谷口和樹・県議会議員は「残りの区間をつなげていくことは私たちが担っていく責任。紀伊半島大水害の教訓を思い出しながらやっていきたい」。参与の庄司勝・県県土整備部道路局長は「紀伊半島一周は将来にわたり発展するチャンスを保障するもの」とあいさつした。
決議は「地方創生、国土強靱(きょうじん)化、地域の安全・安心を実現するとともに、ストック効果を早期に発揮させるためにも、紀伊半島一周高速道路の実現が急務」などとする内容で、新宮青年会議所の前田雄理事長が朗読した。
総会では事業化区間の早期工事着手、未事業化区間の早期事業化を強く要望していくことなどを盛り込んだ本年度事業計画など6議案を承認。役員改選では全員が再任となった。
同協議会は御坊市、田辺市、新宮市、日高郡、西牟婁郡、東牟婁郡の17市町村41団体で組織。各機関への要望などを展開している。
(2017年7月9日付紙面より)
女性部が健康づくり講演会 (新宮市ゆうゆうクラブ )
新宮市ゆうゆうクラブ(老人クラブ連合会)女性部(石原千里部長)は7日、市福祉センターで健康づくり講演会を開催した。会員ら65人が、市健康長寿課の理学療法士、関谷浩和さんから介護予防に関する講話を聞き、自宅でできる運動などを学んだ。
関谷さんは介護予防の重要性を死亡原因や平均寿命と健康寿命の差のグラフなどで紹介。高齢期の運動に関して「姿勢が崩れることで転倒のリスクが高まる。予防のためには姿勢を整えた上で、股関節の前の筋肉を鍛えてあげることが大事になる」。
関節や心臓に負担を掛けないためにもゆっくりとした運動を心掛けること、食事と運動のタイミング、呼吸を整えるために掛け声が有効であること、続けるには仲間と一緒に行うことが効果的であるなどと話した。
サロン活動や運動と認知症の関係性を説明。自宅でも簡単にできる体操を指導し、参加者らは一緒になって、しっかりと声を出しながら体を動かした。
石原部長は開会で「女性会員が会員全体の8割を占め、活動には女性会員の活動が重要な役割を果たす。本日は理学療法士の関谷先生にお越しいただいた。女性部では各地区で集まっていただける催しや講演会を企画している。アイデアなどがあればよろしくお願いします」とあいさつした。
(2017年7月9日付紙面より)
新宮市の仲之町商店街に2日、大阪市立大学の学生ら13人が訪れ、同市魅力発信女子部と交流し、商店街を視察した。
同大では文部科学省が補助する「地(知)の拠点整備事業」(大学COC事業)コミュニティー再生副専攻で地域課題の研究、学習に取り組んでおり、各学部の学生が参加している。同市は都市部と山間部がコンパクトに学べる場だとして、学生らは都市研究プラザの水内俊雄教授らとともに2泊3日で熊野川総合開発センターやかあちゃんの店などを訪問した。
サンタウンホールの交流会では、市商工観光課の勢子口千賀子さんが女子部について明治大学とも連携したこと、女子部主催イベントで行政と住民、地域内のつながりが生まれたことなどを話した。
学生からは「魅力発信イベントにおける地域内外からの集客割合はどうか」「男性がいないことの強みは」など質問があり、女子部メンバーらは「市内の人が多い」、「若い女性のネットワークができ、頻繁に企画が立ち上がる」などと答えた。
意見交換後、住民案内のもと商店街を視察した。
工学部4年生の惠美須屋直樹さん(25)は「将来的にコミュニティーデザインを視野に入れた学習塾を開きたいと思っているので女子部が街に活気を持たせる活動をしていることが参考になった」。
生活科学部人間福祉科2年の肥塚やよいさん(19)は「この街の高齢化や今後のコミュニティー活用に注目しました。お店をきっかけに人が集まるので、お店の配置と人の流れを考慮すれば地域活性化になるのでは」と話した。
(2017年7月9日付紙面より)
熊野地方各地で七夕行事
熊野地方の河原などで7日、七夕祭りなどがあり浴衣姿の子どもたちや願い事を書いた短冊をつるしたササ飾りを手にした家族らでにぎわった。
新宮市の熊野速玉大社下の河川敷には、夕方から多くの親子連れが訪れた。ササ飾りを置き、手を合わせたり、写真を撮影したりする姿が見られた。出店もあり、子どもから大人まで大勢の人でにぎわっていた。
短冊には「プリキュアになりたい」「ケーキやさんになれますように」「みんなが幸せになりますように」など、さまざまな願いが書かれていた。
御浜町から訪れた藤井アミナさん(4)は「4月から始めた新体操が上手になりますように」と願った。母の麻世さん(33)は「家族みんなが元気で幸せにいられますようにとお願いしました」。曽祖母の小野律枝さん(84)は「(麻世さんと)同じ。毎日元気で過ごせますように」と話していた。
七夕は盆行事の一つ。ササに短冊をつるす風習は江戸時代に広まった日本独自のもので、七夕の伝説に登場する織り姫にあやかり、裁縫や手習いごとの上達を願うものだったという。
(2017年7月9日付紙面より)