三輪崎でささやかな打ち上げ花火 (新宮市 )
三輪崎八幡神社氏子総代会(中村武総代会長)は15日夜、区民に笑顔になってもらおうと新宮市三輪崎の孔島付近で花火の打ち上げを実施した。三輪崎漁港には近隣の住民らが訪れ、つかの間の花火大会を楽しんだ。
新型コロナウイルスの感染拡大防止の観点から、昨年に引き続き大幅な規模縮小を余儀なくされた三輪崎八幡神社例大祭。漁労加護、五穀豊穣(ほうじょう)、商売繁盛など地域の繁栄を願い、現在の三輪崎漁協付近にあった元宮に神様が年に1度里帰りする祭りだ。
元宮を目指して八幡神社を出発し、恵比寿(えびす)、二十四孝(にじゅうしこう)、大黒天の山車が豪快にぶつかり合いながら町を練り歩く神輿渡御(みこしとぎょ)やその他奉納行事は全て中止に。同日午前に約20人の関係者のみでしめやかに本殿大前ノ儀が営まれた。
花火の打ち上げは新型コロナの終息と区民の健康を祈願し、また区民の笑顔を取り戻したいという思いから企画したもの。色とりどりの約70発の花火が約3分間にわたって夜空を彩る様子に、地域住民らは惜しみない拍手を送った。
中村総代会長は「花火には神輿渡御など、奉納行事の2年連続中止に伴い、『祭りを忘れてほしくない』気持ちと、コロナ禍での一服の清涼剤になってほしいとの願いを込めた」と語り、「近隣地区にも祭りへの思いが浸透し、より活気のあるものにしていけたら」と地区の活性化と来年の盛大な斎行を願った。
(2021年9月17日付紙面より)
いきいきサロン大勝浦区 (那智勝浦町 )
那智勝浦町の大勝浦漁民集会場で15日、2カ月ぶりに「いきいきサロン大勝浦区」が開かれた。地域住民14人が集い、歌や体操で楽しい時間を過ごした。
いきいきサロンは地域の高齢化や1人暮らしの増加を背景に、引きこもり防止や生きがいづくりを目的としてスタート。同区では2019年に初めて開催され、月1回地域の高齢者が和気あいあいと交流する場となっている。8月は新宮保健所管内の新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止したが、今回は▽マスク着用▽手指消毒▽換気▽検温―の感染対策を取って2カ月ぶりに開いた。
雨の中集会所に集った参加者は、最初にお座敷小唄の替え歌の「ボケない小唄」「ボケます小唄」を歌い、「お酒も旅行もきらいです、歌も踊りも大嫌い、お金とストレスためる人、人の2倍もボケますよ」の歌詞に笑い合った。ラジオ体操1番、2番で体をほぐした後は、3密を避けてカラオケやゲームをした。
参加した70代女性は「普段から顔を合わせている人も多いですが、久しぶりに集まって話すからか、なんだか声が出にくいような気がします。やっぱりみんなで集まるのは楽しいですね」と話していた。
(2021年9月17日付紙面より)
地域リハビリ活動支援事業 (串本町包括支援セ )
串本町地域包括支援センターがリハビリテーション専門職を派遣する介護予防推進事業「地域リハビリテーション活動支援事業」を始めた。対象となる団体の申し出に応える形での実施で、派遣を希望する団体は同センター(電話0735・62・6005)まで連絡してほしいという。
この事業の対象は▽主に町内在住者で構成し活動拠点を町内に置く▽月1回以上の活動をしている▽おおむね65歳以上の高齢者で構成―の3条件を満たす団体。同センターから活動場所へ理学療法士や作業療法士などを派遣し、同町が町民の健康寿命増進を目的として導入した体成分分析装置「InBody」による測定や8項目の体力測定、測定前の問診の結果に基づいて今後の介護予防に適した体操メニューを提案する。
担当する専門職との日程調整が必要となるため、申し込みから派遣まで1カ月ほどの時間がほしいという。派遣は両測定や問診票受け付けで1回(同センター職員も同伴)、測定結果の説明や体操メニューの指導で1回の計2回で両者は1カ月程度の間隔を空けて行う。派遣は一団体につき年1度とし、できるだけ多くの団体を支援できる状況を目指すという。
この事業には並行して同センターには個人の特定に至らない範囲で測定や問診の結果を統計活用し町民の傾向をしっかりと踏まえた介護予防施策を展開したいという思いがあり、全体として町民に実のある支援をしつつデータ収集の協力を得るという縮図になっている。
まずはこの事業を町民に知ってもらうことが必要だとし、その足掛かりとして14日は県立潮岬青少年の家で親睦グラウンド・ゴルフ大会に臨む同町老人クラブ連合会女性部を対象にして1回目の派遣を試行した。71人全員とはいかないができる限り測定や問診の機会を届けて同事業を紹介。その延長で今後の派遣希望も伺うなどした。
この事業の問い合わせは同センターまで。
(2021年9月17日付紙面より)
町内の紀宝熊野道路に計画を (紀宝町 )
紀宝町と同町議会は15日、合同要望活動を実施。西田健町長、町議会の向井健雅議長、山本精一副議長、榎本健治・近畿自動車道紀勢線建設特別委員会委員長が国土交通省中部地方整備局紀勢国道事務所を訪問し、藤山一夫所長に一般国道42号紀宝熊野道路への休憩施設整備を求める要望書を提出した。
14日に開かれた町議会定例会で「津波浸水時にも機能する紀宝熊野道路に、一時避難や道路情報の提供、給油などができる防災機能を併せ持つ休憩施設の整備が強く望まれる」などの議決が採択され、要望に至った。
近畿自動車道紀勢線には、紀北町の「紀北PA」から和歌山県上富田町の「道の駅くちくまの」間の約140㌔にパーキングエリアが整備されておらず、町では防災機能を併せ持つ休憩施設の整備を求めていくこととした。
要望書には「三重県の南玄関に位置する本町に休憩施設が整備されることは、道路利用者の安全性と利便性の向上が図られるだけでなく、県域を越えた連携促進により、近畿自動車道紀勢線の効果を最大限に引き出し、交流人口の拡大、観光・産業の振興、地域経済の活性化に寄与することが大いに期待できるものであります。これらのことからも、今後、道路計画を進めるにあたり、本町内の一般国道42号紀宝熊野道路への休憩施設整備につきまして、格段のご配慮をいただきますようお願い申し上げます」などと整備計画の必要性を盛り込んだ。
(2021年9月17日付紙面より)
各スポーツ少年団が活動再開 (新宮市 )
新型コロナウイルスの急激な感染拡大を受けて先月3日から休止していた新宮市の関連施設再開に伴い、市内の各スポーツ少年団は13日から随時練習を始動させている。
新宮保健所管内の感染者発生状況を鑑み、再開決定に至った。今後は感染対策を徹底して運営していく。現在、市スポーツ少年団にはサッカー、野球、バレーボール、ラグビーなど21団体が所属している。
蓬莱体育館では、新宮バドミントンスポーツ少年団(奥田清二代表)が練習を再開。▽うがい▽手指消毒▽換気▽できる限りの密を避ける▽各家庭での検温―などの予防対策を講じ、熱中症を防ぐため、練習中はマスクを着用せず、こまめな水分補給も行っていく。
この日は約30人が参加。全員でランニングした後、ネット際やレシーブを打つ「ノック」「基礎打ち」、試合形式の「ゲーム練習」などに励み、久しぶりの練習に汗を流した。
丸山莉実(れみ)さん(12)は「久々にみんなと会えてうれしい。練習ができない間は家でトレーニングや壁打ちをしていた。しばらく期間が空いていたので、これから少しずつ感覚を取り戻していきたいです」と笑顔を見せた。
奥田代表は「子どもたちの元気そうな姿が見られてよかったです。練習が再開したとはいえ、まだまだコロナの状況は油断できないので、今後も感染対策をしっかりと施していきたい」と話していた。
なお、同日には木戸浦グラウンドや天満球場、テニスコートなど、スポーツ施設を含む那智勝浦町の関連施設も使用を再開した。
(2021年9月15日付紙面より)
10月31日まで、宇久井ビジター (那智勝浦町 )
那智勝浦町の環境省宇久井ビジターセンターで13日から、「宇久井半島のシダ標本展」が始まった。宇久井半島で確認されている65種のシダのうち48種の標本を展示しており、園地内には散策中の来園者に見てもらえるよう12種類のシダのネームプレートも設置している。
シダ植物とは、根・茎・葉の区別があり、維管束(水や養分を運ぶ管)を持ち、種子を作らない植物のことで、コケ植物と種子植物の両方の特徴を持つ。花は咲かず、葉の裏面などから胞子を飛ばして子孫を残す。
展示では正月飾りとして知られるウラジロやコケのような見た目のヒカゲノカズラ、山菜として食されるワラビの他、ヘラシダ、ホシダ、ベニオオイタチシダなど形も大きさもさまざまな標本を展示。これらは今年1月に県立新翔高校の職業体験で同センターを訪れた亀井青空さん、西村悠羽さんが採取したものだという。
半島内で見られるシダの見分け方を記したプリントも配布しており、同センターの浦希世子さんは「少しでもシダに興味を持っていただき、野に出掛けたときの植物観察の楽しみの一つに加えていただければ」と話していた。
(2021年9月15日付紙面より)
紀伊半島大水害10年シンポ (紀宝町 )
紀伊半島大水害10年シンポジウムが11日、オンラインで開催された。2011年の大水害で甚大な被害を受けた三重、和歌山、奈良の3県関係者ら74人が参加し、犠牲者に黙とうをささげた上で、風水害への防災意識向上を図った。
災害対応力向上を図る「紀伊半島大水害10年プロジェクト」の一環。当初は紀宝町で予定していたが、新型コロナウイルスの感染状況を考慮し、オンラインでの開催に至った。三重県などが主催し、共催した同町からは西田健町長、鮒田自主防災会の東口高士会長が思いを語った。
黙とう後、鈴木英敬知事のビデオメッセージを流し、西田町長は「シンポジウムは皆さまと一緒に紀伊半島大水害を振り返り、当時の対応や大水害から得た教訓を今後も風化させることなく、後世に伝えていく機会にしたい」とあいさつした。
東京大学大学院客員教授で、紀宝町防災行政総合アドバイザーの松尾一郎さんが「大規模風水害を見据えた地域防災の必然性」をテーマに基調講演。「災害は地域で発生するため、地域で危機感を共有して災害に備えることが大切。水害は先を見越して早めの防災対応が重要で、これがタイムライン」と話した。
紀宝町は全国に先駆け、2015年に事前防災行動計画(タイムライン)を策定。パネルディスカッションで西田町長はタイムラインや町民防災会議、防災情報共有システムなど町の防災対策を説明し「今後も大規模災害に備え、タイムライン防災が紀宝町の文化となるよう、充実を図り、災害に強い安全・安心な町づくりに努める」と伝えた。
東口会長は当時の写真を基に「川の水が輪中堤を越えるとの情報があり、住民を避難させた」と大水害を振り返った。
過去の水害を教訓として次世代につなげていくことが求められている今日。実際に災害を経験したからこそ得られる「今」があり、これを風化させないためにも過去を振り返り、認識・危機感を新たにして行動することが大切になる。
(2021年9月15日付紙面より)
ヒマワリを育てることを通じて命の大切さを学び、交通事故の被害者支援へ理解を深める「ひまわりの絆プロジェクト」の輪が広がっている。新宮市の近畿大学附属新宮高校・中学校(池上博基校長)でもこのほど、生徒会メンバーが大切に育てていたヒマワリが、太陽へ向かって大輪の花を咲かせた。
2011年に京都府内で発生した交通事故で亡くなった男児(当時4歳)が生前育てていたヒマワリの種を引き継ぎ、全国で開花させるプロジェクト。交通事故を担当していた警察官の元へ遺族から「私たちの子どもが生きた証しを残したい。このヒマワリがあちらこちらで咲けば、この子もいろんな所へ行けると思う。もう交通事故は嫌です」の言葉とともに種が託されたことを契機に、15年にスタートした。
同校では中学校生徒会(宇惠諒介会長)が中心となって取り組みへ参加。7月初旬に種をまき、水やりには高校生徒会(小屋敷卓真会長)や教職員も協力して成長を見守ってきた。
開花したのは5本。生徒らの背丈ほどに育ったヒマワリの花を眺め、宇惠会長は「取り組みを通じ、交通事故の危険性を伝えたい。僕たちも毎日徒歩や自転車で通学しており、事故はいつでも起こりうるので、気を付けていきたいです」。小屋敷会長は「京都府で発生したような事故が二度と起こらないよう、自分たちも交通ルールを守っていきたい」と話していた。
(2021年9月15日付紙面より)
対日理解促進プログラム (新宮高校 )
外務省が推進する国際交流事業「対日理解促進交流プログラムJENESYS」の一環として7日、和歌山県とベトナム・クアンナム省の高校生のオンライン学校交流が行われた。当地方からは新宮高校から4人が参加し、英語を中心に和気あいあいと互いの地域の歴史文化や学校生活について伝えた。
和歌山県―ベトナム間の青少年交流は、2019年にグエン・スアン・フック首相(現国家主席)が来県したことが契機となってスタート。翌20年1月に県内6高校の生徒がベトナムを訪問し、現地の人々との交流や文化体験を通じて日本・ベトナム両国の関係について知見を深めた。
今年はベトナムの高校生を県に招く予定だったが、新型コロナウイルス感染拡大により両国間の往来ができないため、オンライン交流を実施する運びとなった。
この日は県内6校から23人、ベトナムの2校から20人が参加。新宮高校生による学校・地域紹介では、今年同校が創立120周年を迎えることやクラブ活動の様子、地元銘菓の鈴焼などについて発表。他高校の生徒らも、分散登校とオンライン授業を併用した学校生活やそれぞれの地域の観光名所について伝え、浴衣で参加する姿も見られた。
ベトナムの高校生も動画を交えて学校の歴史や学校祭、ローカルフードについての紹介。グエン・ビン・キエム専門高校の生徒と交流した東崎心さん(高2)は「コロナ禍の中、他の国の高校生はどんな学校生活を過ごしているのか知りたいと思って参加した。アニメや韓国アイドルなど、生徒の間ではやっているものは一緒だが、女の子の制服の形などが違うと感じた。新型コロナが収束したら、ベトナムに行ってみたい」と語った。
最後にクアンナム省教育訓練局のグエン・コン・タン次長が「互いの地域の高校生が、温かな雰囲気で交流する様子を見た。新型コロナの感染が続く中だが、今後も定期的に高校生の交流事業を実施していき、より建設的な関係を築いていきたい。和歌山県の関係者や教職員、生徒たちの健康と幸福を願っている」と結んだ。
(2021年9月9日付紙面より)
「人権の花運動」写真コンテスト (古座川町 )
和歌山県人権啓発活動ネットワーク協議会主催の「第39回和歌山県小学校人権の花運動」写真コンテストの結果が発表された。116校の応募の中から最優秀賞10校が選ばれ、古座川町立高池小学校(大畑眞校長)が入賞した。
小学生が協力して花を育てる中で命の尊さを実感し、人権尊重思想を育み情操をより豊かにしようと実施している。同小は毎年「花いっぱい あいさつ日本一の高池小学校」をテーマにコンテストに応募している。最優秀賞の受賞は3年ぶり。
コンテストに応募した写真は今年の3月24日に撮影した。同協議会から送られたチューリップの他、ノースポールやネモフィラ、パンジーやビオラなどさまざまな花がちょうど見頃を迎えた時期で、当時5年生だった現6年生が笑顔で写っている。
現在園芸委員を務めているのは6年生の紀田音色(ねいろ)さんと尾崎蓮音(れのん)君、5年生の洞勇佑君。委員長の紀田さんは「係の日は朝登校して準備をしたら花の水やりをします。元々動物や植物の世話をするのが好き。先生や昨年の園芸部の人が育ててくれた花が受賞でき、うれしいです」。
中心となって関わる校務員の東山仁美さんは「卒業する6年生と入学してくる新1年生を、たくさんの花で送り、迎えたいという思いで育てています。散歩コースを変えて見に来てくれる方もおり、地域の人にも喜んでもらえてうれしいです」と笑顔。
大畑校長は「校務員の東山さんがよくしてくれています。道行く人が『きれいやね』と声を掛けてくれ、子どもたちも授業で観察したりスケッチをしたりする機会があるなど、学校の環境整備や子どもたちの情操教育にも花は大切だと思います」と話していた。
本紙エリアでは優秀賞に新宮市立三輪崎小学校と那智勝浦町立宇久井小学校、奨励賞に市立神倉小学校と王子ヶ浜小学校が入選している。最優秀賞と優秀賞の作品は11月20日(土)に和歌山ビッグホエールで開催の「ふれあい人権フェスタ2021」で展示を予定している。
(2021年9月9日付紙面より)
大規模改修で教室など改装 (矢渕中 )
夏休み期間中も続いた紀宝町立矢渕中学校の大規模改修工事。7月20日の1学期終業式以降、生徒の立ち入りを原則中止し、校舎内の改装工事が集中的に行われた。
夏休み中は教室棟の内部工事を施工し、床や内壁、天井の改修工事、照明器具のLED取り替え、黒板、ロッカー、下足箱などの設置が完了した。生徒たちはきれいになった校内で2学期の学校生活を過ごしている。
1974年に建設された校舎の老朽化が進むことから、町では大規模改修を計画。3月から本格的に工事が始まり、8月末時点で全工程の70%ほどが完成した。現在は外壁の修繕、防水塗装工事などに取り組んでいる。
今後は、運動場のバックネット、防球ネット、駐輪場改修などを予定しているという。
竹原巧校長は「終業式後から生徒が立ち入らない校舎内で改装工事が精力的に行われました。お盆も休みを返上して業務に取り組んでいただいたおかげで2学期を迎えることができました」と感謝し、「教室のロッカーが以前より1・5倍広くなり、使いやすくなったと好評です。廊下も木目調で温かみを感じ、LED照明のおかげで学校全体が明るくなった。玄関の靴箱もきれいになり、生徒たちも喜んでいます」と話していた。
(2021年9月9日付紙面より)
全国老人福祉施設協議会 (太地町 )
公益社団法人全国老人福祉施設協議会はこのほど、令和3年度の15年表彰を行い、太地町にある東牟婁郡町村新宮市老人福祉施設事務組合南紀園の岩佐記久子さんと、世古龍さん、掛橋みかさんに表彰状が贈られた。南紀園において初の表彰であり、金田健治園長から3人に表彰状が伝達された。
表彰は同協議会が、多年にわたり老人福祉および介護事業に貢献し、その業績が顕著な正会員・準会員の施設および事業所の施設長や職員などに対し、功績を顕彰して労苦に報いることなどが目的。
在職期間が通算15年以上の人が対象となる。全国で3923人が対象となり、和歌山県では98人が選ばれた。
養護老人ホームの岩佐さんは「子育てしながらの勤務だった。家族の支えのおかげで15年間続けてこられたと思う」。
特別養護老人ホームの世古さんは「入社してからここまで長く勤められたことを自分なりにほめてあげたい。今後は、20年、25年と頑張っていきたい」。
掛橋さんは「家族の協力があり勤められた。いろいろなことがあったが、周囲にも恵まれていたので楽しく仕事ができている。感謝しています」と笑顔で話した。
金田園長は「15年という長い間、ご苦労もあったと思う。一生懸命やってくれたことが表彰につながった。これからもよりいっそう頑張っていただけましたら」とねぎらった。
その後、開かれたリーダー会議において、3人の伝達式が行われた。
(2021年9月9日付紙面より)
アオウミガメも同時開始 (串本海中公園 )
串本町有田にある串本海中公園センター水族館(森美枝館長)が1日、今年ふ化したウミガメ類の展示飼育を始めた。今年は4年ぶりにアオウミガメもふ化。毎年ふ化するアカウミガメとともに生まれてまもない姿を観察できる貴重な機会となっている。
館内ウミガメプールで展示飼育しているウミガメ類が産んだ卵からふ化した個体。今年は全体で17回の産卵があり、8月下旬からふ化が活発化し始めている。うちアオウミガメは1頭が3回産卵していて、8月27日に2017年以来となる砂の中からの初脱出を確認。1回目の6月14日確認分から12匹がふ化し、飼育担当の吉田徹副館長は「産卵の時期がふ化率の低いシーズン序盤だが無事脱出をしてくれた。残る2回分は数十匹規模で脱出すると思う」と期待を強めている。
回数で言うと脱出まで育つのは全体の3分の2程度、というのが同館の人工ふ化場における傾向だそう。今月1日までにアカウミガメは3回分、アオウミガメは1回分の脱出を確認していて、予想より脱出が遅れ気味だがアカウミガメの脱出が40匹規模に達している状況もあり、今後9月いっぱいが最盛期になると展望を見据えている。
脱出したウミガメ類はまずバックヤードで状態観察をし、餌(=オキアミ)を食べ出す段階に達したら屋内水槽で展示飼育をするのが同館の稚ガメ公開の流れ。アカウミガメの初ふ化から推して今年は8月末ごろを目標にして開始を目指してきたが、アオウミガメもタイミング良く初脱出したことでアカウミガメと同時で展示飼育を始める形となった。
専用の屋内水槽は現在補修中で、当面は仮水槽で展示飼育し数日内に補修を完了し屋内水槽へ移すという。どちらの稚ガメも同じ水槽で飼育しているが、アオウミガメは一回り大きく目の周りや体の下部に白みを帯びる点でアカウミガメと区別できる。
展示場所は館内となっているため、観察には入館料が必要。同館の営業時間は午前9時~午後4時30分(チケット販売は午後4時まで)。問い合わせは同センター(電話0735・62・1122)まで。
(2021年9月3日付紙面より)
くじらの博物館で防災訓練 (太地町 )
太地町立くじらの博物館(林克紀館長)で1日、防災訓練があった。林館長はじめ職員ら35人が参加。津波を想定した避難や避難誘導、火災を想定した防火訓練などに取り組み、防災意識の向上を図った。
「防災の日」(9月1日)に関連した取り組みで、地震や津波、火災などの災害に対する防災意識を高め、しかるべきときに取る行動の統一と情報の共有を図ることを目的として開催。避難器具の点検などは定期的に実施しているが、大規模な防災訓練は初めてという。
林館長は集合した職員らを前に「この訓練を機に防災意識を高め、有事の際に一つでも二つでも役に立つように真剣に取り組んでほしい」と訓示。東海・東南海・南海地震の3連動地震による津波の発生を想定し、避難、および避難誘導訓練が行われた。
職員らは来館者役と避難誘導役に分かれ、同施設裏手にある浅間山(せんげんやま、標高約37㍍)へ。津波到達時間内の避難を最終目標に定めつつ、避難行動に取り組んだ。3連動地震による同町の想定は津波到達時間7分、最大津波高6㍍、平均浸水2・3㍍となっている。
同町役場総務課の山下真一企画員は「来館者の誘導に加えて、職員自らの命を守り避難する『人命最優先』を念頭に訓練いただいた。来館者の安全を図りながら、スタッフとして落ち着いて避難誘導などを行えていたと思う」と講評。
訓練を重ね、さらに避難にかかる時間の短縮に期待を込め「訓練通りの対応が難しい場合もあると思う。日頃から防災意識を心掛けながら、来館者と自身の安全を考えて日々の業務にあたっていただければ」と伝えた。
火災を想定した訓練では、新宮防災(同市三輪崎)の職員らが、屋上救助袋の開け方や消火器の使い方、防火シャッターの取り扱いなどについて講義。参加者らは真剣な表情で説明を聞き、避難・消火器具についての知識を得る機会とした。
林館長は「訓練は継続していくことに意味がある。今後、年に1度でも実施していくことができれば」と話していた。
(2021年9月3日付紙面より)
防災の日に避難訓練 (相野谷中 )
「防災の日」の1日、紀宝町立相野谷中学校(佐藤光一校長、生徒25人)で地震を想定した避難訓練があり、全校生徒が校内で身を守る行動を確認した。
訓練を通して生徒自身が災害時に的確な判断をし、自らの安全を確保するための行動を取ることが狙い。同校では年に3回、地震や津波などを想定した避難訓練に取り組んでいる。
この日は、終業のチャイムが鳴った後、緊急地震速報を知らせる放送が流れ、生徒は一斉に自分の机の下に潜り込み、低い姿勢で身を守った。
揺れが収まった後、自転車で通学する生徒はヘルメットをかぶり、徒歩やバスで通う生徒は教科書などで頭を守り、運動場に避難した。
前回より2秒早い1分15秒で全生徒の避難が完了し、佐藤校長は「今回はスムーズに避難できたが、揺れている間は机をしっかり抑えてほしい。地震はいつ起こるか分からない。しっかり備えをしよう。自分の命を自分で守るために、考え、判断し、決断して行動することを心掛けてください」と話した。
(2021年9月3日付紙面より)
中井院長がメッセージ (新宮市立医療センター )
新宮市立医療センターの中井三量院長は1日、昨今の新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、市民への周知のためにメッセージを発表した。
中井院長のメッセージは次の通り。
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新型コロナ感染症は和歌山県下では2021年に入り、よくコントロールされ、収束方向へ向かっているようでありましたが、2021年7月下旬から、新たな感染者が増加し、新宮保健所管内でも患者が発生しております。多くが他圏域由来の患者から濃厚接触者として発症し、その周囲に小規模のクラスター、あるいは家族内感染しております。
新宮市立医療センターはPCR検査、簡易PCR検査機器を設置し、有症状・無症状の濃厚接触者および緊急入院を要する発熱患者に対し、感染者を判定できる体制がとれています。
なお、当院の感染者収容病床は20床から現在32床まで増床し、新宮保健所管内で発生した患者は有症状・無症状にかかわらず、当院での入院対応となります。
患者が重症化するかどうかの判断は、毎日の病状観察、酸素飽和度、胸部CT検査、血液検査などで行われ、コロナ感染病床では医師・専従の看護師が診療に当たっています。新宮市立医療センターでは、重症に陥る前に、レムデシビル(ベクルリー)、デキサメタゾン、バリシチニブ(オルミエント)、抗体カクテル(ロナプリーブ)を早期に使用する方針です(かっこ内は製品名)。重症者には、ECMO、呼吸器装着治療する準備はありますが、マンパワーに限りがあり、田辺市、和歌山市の専門病院へ転送する状況であります。幸い、患者さんの症状は軽症、無症状が多く、重症になられた方はおりません。病状が安定し、PCR検査陰性化、入院7日を目安として、退院できています。
新宮市立医療センターではコロナ感染患者だけでなく、通常の傷病患者かつ救急患者に対する診療を続けなければなりません。日々の感染者が軽症で6人程度までであれば、新宮市立医療センターの検査体制、入院体制で持ちこたえられると考えます。これが毎日10人以上、重症者、あるいは認知症、透析、脳血管障害後遺症などを合併する患者となるとたちまち、入院体制の維持が困難となります。そうなる前に、①皆さまには、新型コロナワクチン接種を可能な限り多数の方に受けていただきたいと考えます。ワクチン接種で重症に陥ることはごくまれであり、死亡者はほぼなくすことができると報告があります。しかしワクチン接種の後も新型コロナ感染は起こり、無症状~軽症で感染したことが分かりにくくなります。そこで皆さまには②ワクチン接種後も可能な限り他圏域への移動を自粛し、3密になる状況を避けること、多人数での会食、飲酒を控え、自宅での静かな食事、マスク着用、手洗い励行を続けていただきたいと考えます。
ワクチン接種が人口全体の7~8割に達すると、集団免疫が働き、まん延状態は落ち着くといわれ、その後は通常の季節性インフルエンザと同様な定期的ワクチン接種で感染コントロールはできるといわれています。新宮地域でのワクチン接種は新宮市当局、新宮市医師会、新宮市立医療センターの協働作業で10月中旬をめどに完了する見込みであり、引き続き3部門協働でこの難局を乗り越えたいと考えておりますので、今しばらく皆さまの自粛をお願いいたします。
(2021年9月3日付紙面より)
鯨類追い込み漁が解禁 (太地町 )
太地町で1日、イルカや小型クジラの追い込み漁が解禁され、太地いさな組合(田中清仁組合長、21人)の漁船12隻が午前5時ごろに太地漁港を出発した。初日から、バンドウイルカ約10頭を捕獲し、幸先良い漁のスタートを切った。
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国際捕鯨委員会(IWC)脱退や商業捕鯨の再開が注目されていることから、同町では反捕鯨活動家による抗議や違法行為などに対し例年、和歌山県警と海上保安庁が連携し、厳重な警備態勢を敷いている。
和歌山県警によると、現在は新型コロナウイルス感染症の影響で外国人活動家が入国できないが、国内の活動家が会員制交流サイト(SNS)などを通じて活発化しているという。
この日、県警職員らが待機する東の浜駐車場では、目立った混乱はなかった。近畿、関東、中部地方から集まった動物愛護の活動家ら数人は「イルカたちが恐ろしい目に遭うことは胸が痛む。食肉は伝統文化だと思うが、生体の販売は伝統文化ではないはず」と訴えていた。
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晴天に恵まれた初日、船団は4㍄(約7㌔)ほど沖へ向かった。出港から約1時間後の午前6時20分ごろ、バンドウイルカの群れを発見。海保のボートが警戒を行う同町の畠尻湾に約10頭を追い込んだ。いずれも体長は約2・7㍍ほど。
同漁協によると、捕獲されたイルカは水族館などに販売される予定で、それ以外の個体は海に逃がすという。
太地漁業協同組合の貝良文専務理事は「出初めで追い込めたので一安心。コロナ禍で鯨類の価格下落や海外輸出は苦戦しているが、今季も安全に大漁で終えられることを願っている」。
初日の操業を終えた田中組合長は「数は少ないが出初めで捕獲でき、うれしく思っている。鯨類の流通が早く元に戻ってほしい。幸先が良かったので今年も良い漁ができることを祈っています」と語った。
なお、漁期はゴンドウクジラ類が来年4月30日、イルカ類が来年2月末までとなっている。
(2021年9月2日付紙面より)
智弁和歌山・宮坂主将を表彰 (太地町 )
「第103回全国高校野球選手権大会」で主将としてチームをけん引し、智弁和歌山を優勝に導いた太地町出身の宮坂厚希君(3年)が8月31日、凱旋(がいせん)を果たし、同町役場を訪問。三軒一高町長から表彰状を受け取った。
宮坂君は保育園児から野球を始め、地元の少年野球チームの太地シータス、同町を拠点に活動する中学生硬式野球チーム・和歌山南紀ボーイズ(漁野尚登代表)で仲間とともに練習に励んだ。
昨年秋からは智弁和歌山の主将としてチームをまとめ、今大会では準決勝で5打数4安打、決勝で2安打1打点と活躍し、チームの勝利に貢献した。
役場玄関前では、町職員らの拍手で迎えられた。宇佐川彰男教育長が「コロナ禍において人々の気持ちが閉塞する中、このたびの活躍は社会と町民に勇気と感動を与えてくれた」と功績をたたえた。
三軒町長は「野球だけではなく礼節も素晴らしかった。町の誇り。体に気を付けて頑張ってほしい」。
宮坂君の祖父で、昨年に病のためにこの世を去った元同町議会議員の山下雅久さんの生前を振り返り「孫に対する思いが人一倍強かった。こんなにうれしいことはない。雅久さんに見せてあげたかったと、多くの人が涙したと思う」と話した。
幼い頃から宮坂君の野球人生を見守り続けてきた父・雅也さん、母・陽美さんも同席。雅也さんは「試合が終わった後、夢をかなえてくれてありがとう、と伝えた。正直、『とんでもないことをやってくれた』という思い。息子を誇らしく思う」。陽美さんは「よく頑張ってくれた。親孝行の息子です」と活躍をねぎらった。
宮坂君は「いろいろな方々に支えてもらったおかげで優勝できた。応援や温かい声に対し最高の形で応えることができた。本当にうれしい気持ちでいっぱいです」と笑顔。
祖父・雅久さんに対しては「天国から見てくれていたと思う。力も貸してくれた。『やったよ。ありがとう』と伝えたいです」。
今後は大学進学を視野に入れ「野球を続けて小さい頃からの夢だったプロの舞台で活躍できる選手になれたら。これから野球を始める子どもたちが目指したい選手になれるように頑張りたい」と展望を語った。
(2021年9月2日付紙面より)
町独自ロゴのポロシャツ (串本町 )
串本町串本にあるスポーツ用品店「K SPORTS」(猪村一樹代表)がこのほど、同町の独自ロゴ「スペースタウン串本ロゴ」を取り入れたポロシャツの取り扱いを始めた。町職員有志も購入し、機運醸成のため先月下旬から徐々に業務内で着用中。先んじてサンプル品を着てアピールをしてきた田嶋勝正町長は「町民の皆さまにも着ていただき、ロケットの打ち上げを一緒に盛り上げていただければ」とコメントを発表している。
このロゴは2月実施のイベント「宇宙ウイーク」で同町が発表し、町内などへ今後の活用を呼び掛けた独自ツール。旧古座分庁舎内にある役場企画課ロケット推進室で7月から条件付きで使用許諾申請の受け付けを始め、現在ロゴやデザイン、CG画像や衛星画像の計8種類が許諾により活用できる状況となっている。
同店は同発表後、過去に日本トルコ友好周年記念事業や紀の国わかやま国体、ねんりんピック紀の国わかやまの機運醸成を目的とした製品を受注したノウハウを生かし、田嶋町長に独自ロゴのポロシャツ製作を相談。同申請を経て同ロゴ〈カラー〉を胸元にあしらうデザインで製作を進めた。
仕上げた製品(税込み価格)は①ポロシャツ(3200円)②ボタンダウンポロシャツ(3900円)―の2系統。いずれもミズノ株式会社の製品にロゴを追加した、①は17色、②は白、黒、紺の3色といったカラーバリエーションが選べる。同店によると8月31日現在で受注対応のみだが、今後は町職員143人分などの注文から売れ筋の色をリサーチし基本のサイズ(L、M、S)を少量だが店頭に製品を並べるという。
猪村代表は「町長に話をしたところ、それなら町職員でそろえようかということになり製作が進んだ。取り扱いは8月中旬から始めているが、今は受注生産で2週間ほどお時間を頂く形になる」と話し、今後の店頭販売実現も含め田嶋町長がコメントで呼び掛けた一般の需要に応えたいとしている。
同店は日曜を除く午前9時30分~午後8時に営業。問い合わせは同店(電話0735・62・7705)まで。
(2021年9月2日付紙面より)
新宮・東牟婁の小中学校で始業式
新宮・東牟婁地方の小中学校で1日、始業式が行われた。児童生徒たちは夏休みを終えて登校し、校舎に元気なあいさつが響いた。
新宮市立三輪崎小学校(嶋田雅昭校長、児童381人)では新型コロナウイルス感染症防止対策のため、校内放送で式を実施。嶋田校長は「放送のため皆さんの顔を見ることはできませんが、日焼けした元気な顔がそろっていることでしょう。『少ししんどいな』という人も学校のリズムで生活できるよう、今日から体と心の調子を整えてください」と話した。
児童会代表の丸山千尋君(6年)は「コロナの影響でどこにも行けませんでしたが、お父さんやお母さんがトランプやいろんなことをしてくれ、楽しめました」と夏休みの思い出を紹介。▽体も心も元気でいられるように心掛ける▽健康的な生活を意識する▽1学期にできなかったことに挑戦する―を挙げ、2学期で頑張ってほしいことを呼び掛けていた。
この日、市内では17カ所で「さわやか朝の声かけ運動」もあり、教職員や市教育委員会、地域住民などが通学路に立ち、登校中の児童生徒に「新学期、頑張ってね」「車に気を付けて」と笑顔であいさつしていた。
(2021年9月2日付紙面より)