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2021年11月17日
1 聴いて。犠牲者の生きた証し
 20日、「生命のメッセージ展」  (新宮市 )

 新宮市の王子公民分館は20日(土)、市立王子ヶ浜小学校体育館で「生命(いのち)のメッセージ展 in 新宮」を開催する。遺族が制作した、理不尽に生命を奪われた犠牲者を型取りメッセージを託した30人分の「メッセンジャー」が展示される他、NPO法人「KENTO」代表の児島早苗さんが「生命(いのち)を越すものはない」を演題に講話する。

 紀南交通事故被害者の会代表の中岡貴恵さんは5日、新宮市佐野の自宅で同展に展示する「メッセンジャー」の制作に当たった。中岡さんは2018年12月15日、最愛の母・中尾叔子さん(享年85)を交通事故で亡くした。

 高齢ドライバーによる危険運転を避けようとして起こった事故だった。加害者は逃走。警察により発見されたが「加害者とその家族の誠意と反省が全く感じ取れない対応に苦しんだ」という。

 そんな中、(公社)紀の国被害者支援センターから児島さんを紹介され、児島さんが会員であるNPO法人「いのちのミュージアム」(鈴木共子代表理事)が開催する「生命のメッセージ展」に参加する機会を得るとともに、新宮市での開催実現に至った。児島さんは息子の健仁さん(享年18)を、鈴木さんもまた息子の零さん(享年19)を、それぞれ交通事故で亡くしている。

 「生命のメッセージ展」は殺人や悪質な交通事故、いじめ、医療過誤、一気飲ませなどの結果、理不尽に人生を断ち切られた犠牲者が主役のアート展。犠牲者一人一人の等身大の人型「メッセンジャー」(硬質発泡材)に遺品の靴、残された遺族がつづったメッセージが添えられているもので、向き合う者に命の重さや尊さを訴える。

 中岡さんは叔子さんの身長に合わせて硬質発泡材を切り抜き、生前の写真と母、そして来場者に向けたメッセージを貼付。生前愛用していた靴を供え、最後にフェルトで作成したハートを心臓部分に付けて命を吹き込んだ。

 中岡さんは「メッセンジャーの方たちからの声が届き、誰もが不幸になる交通事故を減らすことの実現を望んでいます。全てのドライバーの方にハンドルを握る責任と、事故により奪ってしまうものの重み、命の尊さを心に留めて運転していただけることを願います」と話す。

 児島さんは「残された家族の一人一人は孤立しているが、こうしてつながることで光が見えてくる。一人じゃないと思えることが歩き出せる一歩になると思う」。

 鈴木さんは「彼らはもっと生きたかったはず。失ってから大切な存在に気付かされた。当事者たちが声を上げなければならない。結果的に救われる命が増えることにつながるのでは」と話している。

 同展は入場無料。午前9時から午後3時まで。「メッセンジャー」は開催時間中、いつでも観覧することができる。

 同公民分館の野尻和則分館長は「今回は地元の濵田雅美市議が尽力してくださり、たくさんの団体が協力してくれた。王子公民分館としても全面的に協力体制を整え実現に向けて活動した。王子公民分館地区以外の方にも、ぜひ一人でも多くの方に参加いただき、かけがえのない命の大切さを改めて考えるきっかけになれば。また、南紀地方初の開催が当公民分館であることを誇りに思い、今後も地域のための活動にさらに努めてまいります」と広く来場を呼び掛けている。

(2021年11月17日付紙面より)

中尾叔子さんの「メッセンジャー」が完成=5日、新宮市佐野
命を吹き込む中岡貴恵さん
2021年11月17日
2 「天の剣を託された男」
 市民ミュージカル、大盛況  (新宮市 )

 新宮市下本町の市文化複合施設「丹鶴ホール」で14日、一般社団法人「熊野新宮ミュージアム」(池上順一代表理事)の市民ミュージカル「天(あめ)の剣(つるぎ)を託された男~熊野三党の祖高倉下命(たかくらじのみこと)~」があった。観客らはミュージカルを通して当地方の歴史・文化に触れる機会とした。

 「紀の国わかやま文化祭2021」の地域文化発信事業の一つとして実施。物語は、新宮地方に伝わる「神武東征」と神倉神社の「御燈祭(おとうまつ)り」を基に、それらをつなげる熊野三党の祖・高倉下命を主人公に制作。高倉下命が神武東征の最大の危機を救う様子がドラマチックに描かれている。

 熊野新宮の歴史文化を継承、発信し、郷土愛を育むとともに次世代への橋渡しを行う目的で設立した同法人は、このたびの公演に当たり一般から出演者を募集。当地方においても新型コロナウイルス感染症が猛威を振るう中、一部振り付けを変更するなど試行錯誤を重ねながら練習を重ねてきた。

 2回に分けて開催されたこの日の公演では、出演者がダンスや演技、歌、演奏などで観客を魅了。約70人が織り成すダイナミックな舞台に、観客席からは惜しみない拍手が送られた。

 公演終了後、髙由香専務理事は「新型コロナの影響などで一時はどうなることかと思ったが、出演者の皆さんの集中力で乗り越えることができた。ミュージカルを通して良い仲間に巡り会えた。カーテンコールでは感極まりました」と話していた。

(2021年11月17日付紙面より)

歌やダンスで観客を魅了した=14日、新宮市の「丹鶴ホール」
大盛況のうちに幕を降ろした
2021年11月17日
3 練習と地域貢献に打ち込む
 日野のラグビー選手ら串本で  (串本町 )

 串本町総合運動公園で13日、社会人ラグビーチーム「日野レッドドルフィンズ」のキャンプが始まった。昨年に続き2回目で、期間は18日(木)までの6日間。15日は串本町と県ラグビーフットボール協会が歓迎セレモニーを開き、地元を代表して同町立西向小学校(山本隆介校長、児童50人)が選手との交流に臨むなどした。

 東京都日野市を拠点にする同チームは、「ラグビーを通じて社内外の人々の心身の健全な発達と地域社会の発展・活性化に貢献し、社会的課題を解決する」を理念に掲げて活動。現在は日本ラグビー界のレジェンドとたたえられる箕内拓郎ヘッドコーチ(=監督)の下、来年1月に開幕するジャパンラグビーリーグではリーグワンの一角として競う強豪ぶりを発揮している。

 今回のキャンプには選手とスタッフ約70人(今回は日本代表選手を含まず)が参加。期間中は本来の目的である練習に加え、理念に基づき▽西向小との交流▽同協会関係で和歌山市立西浜中学校・県立新宮高校・県立新翔高校の各ラグビー部を対象にした教室(14日に実施済み)▽同町消防本部(寺島正彦消防長)の訓練体験(16日に実施済み)―といった交流にも打ち込むという。

 同セレモニーには町の平井治司副町長、潮﨑伸彦教育長、寺島消防長と宿泊拠点のホテル&リゾーツ和歌山串本・久保幸彦支配人、同グラウンドを運営する町B&G海洋センター・林享所長、同協会の田中義人副理事長、西向小一同らが出席。代表してラグビーの熱烈な愛好者でもある平井副町長が歓迎のあいさつを述べ田中副理事長と西向小児童代表が差し入れ(ミカン)と花束を贈呈し、同チームを代表して堀江恭佑共同キャプテンはキャンプのつながりの延長で今後の民間小型ロケットの打ち上げも見てみたいと希望しつつ「串本で成長したと言える合宿にしたい」と抱負を掲げ、引き続きの支持を求めて歓迎に感謝した。

 西向小と選手の交流内容は前半がコートすぐそばからの練習見学、後半はフィールド内で選手の守りを突破してトライする体験。残った時間で事由に交流してお互いに親しみを深め合った。

(2021年11月17日付紙面より)

日野レッドドルフィンズのキャンプを歓迎する平井治司副町長ら=15日、串本町総合運動公園
歓迎セレモニー後の西向小児童と選手の交流の様子
2021年11月17日
4 骨格学びきれいに食べよう
 勝浦小で「魚」の出張講座  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町立勝浦小学校(山下真司校長)で11日、和歌山県主催の出張!県政おはなし講座「魚の骨を知っておいしく食べよう」が開かれた。東牟婁振興局農林水産振興部農業水産振興課の松尾怜さんが講話し、5年生49人にさまざまな魚の知識を伝えた。

 子どもの魚食離れが進んでいるといわれる中、魚の骨の構造や骨を取りながらきれいに食べるこつを教わることを通じて、楽しく魚を食べてもらうことが目的。

 松尾さんは、県内で行われている漁法や魚の進化の過程、魚と人間の骨の共通点などを解説。魚の食べ方について▽頭から尾びれまで身の真ん中に箸で一本切れ目を入れる▽一口ずつ身をほぐして食べる▽頭と背骨を外す▽下の身を食べる―という手順を教えた。

 講座の最後には「サメの体も魚と同じですか?」「イカやタコにも骨がある?」「毒のある魚の見分け方は?」など数え切れないほどの質問が児童から出された。松尾さんは「勝浦小学校では家族が漁業関係の仕事をしている子もいて、他地域の小学校より魚の知識が豊富な子が多いのでは」と驚いていた。

 この日の5年生の給食には、県産のアジの塩焼きが1匹ずつ提供され、児童はきれいに食べようと箸を進めていた。

(2021年11月17日付紙面より)

魚類の骨格標本に触れる=11日、那智勝浦町立勝浦小学校
2021年11月17日
5 サッカーを楽しむ環境を
 ジラソーレフットボールクラブが始動  
2021年11月17日
6 新宮Aが優勝果たす
 LC杯東牟婁地方少女バレーボール大会  
2021年11月17日
7 みんなと楽しく収穫  3児童館が合同芋掘り  (新宮市 )
2021年11月17日
8 丹鶴城跡で清掃奉仕  新宮LC35人が取り組む  (新宮市 )
2021年11月17日
9 健康チェックに80人  2町の地域包括支援センター  (太地町・那智勝浦町 )
2021年11月17日
10 日頃の生活に活用して  千穂第一地区福祉委員会が福袋贈呈  (新宮市 )
2021年11月17日
11 トンボ通して熊野の魅力知る  南敏行さんがギャラリートーク  (新宮市 )
2021年11月17日
12 利用者が職員の出し物楽しむ  「湯ごりの郷」で繋がりふぇす  (那智勝浦町 )
2021年11月17日
13 美しい音色、境内に響く  「熊野音楽祭」で西村由紀江さん  (熊野速玉大社 )
2021年11月17日
14 分団単位で消火態勢構築  秋恒例の遠距離中継訓練  (串本町消防団 )
2021年11月17日
15 地域とのつながり目指して  西向小で「西向子ども祭り」  (串本町 )
2021年11月17日
16 キーホルダー作りにも挑戦  4~6年生によるクラブ活動  (井田小 )
2021年11月17日
17 「楽しい英語授業にしたい」  3人目のALT、バレリーさん  (紀宝町 )
2021年11月17日
18 読み聞かせのスキルアップに  絵本よみきかせボラ養成講座  (紀宝町 )
2021年11月17日
19 クリスマスに向けて制作  子育てサロン「ふれんZOO」  (紀宝町 )
2021年11月17日
20 無投票の可能性高く  定数10に10人が立候補  (御浜町議選 )
2021年11月17日
21 「笑顔になるサクラに育って」  卒業記念にクマノザクラを植樹  (鵜殿小 )
2021年11月17日
22 お悔やみ情報
  
2021年11月09日
23 虹を浴び、光り輝く年に 熊野本宮大社で絵馬完成 

 田辺市本宮町の熊野本宮大社(九鬼家隆宮司)で8日、来年のえと「壬寅(みずのえとら)」の大絵馬と小絵馬が完成した。大絵馬は12月2日(木)に、大しめ縄と共に大社神門に掲げられる。

 スギ材などで作った大絵馬は、横232㌢、縦117㌢。九鬼宮司が8月半ばごろから構想を練り、制作に着手した。太陽を背にした白虎が、先を清眼として見据える構図で、全体を包み込む形で虹を描いた。

 「人々が未来に向かって進み、皆にとって光指す一年であるように」と思いを込め、「一筋の道」と「光」の文字を揮毫(きごう)した。

 新宮、白浜、紀伊田辺、周参見のJR各駅に掲げる小絵馬には、同じく太陽を背に先を見据える虎の姿。それぞれのまちのキャッチフレーズから印象的な単語を抜粋し、そこから着想を得た色で「蘇」の文字を書き入れた。

 新宮駅には24日(水)、紀伊田辺、白浜、周参見駅には26日(金)に授与する。旅の安全を願い、南紀白浜空港にも大絵馬を贈る予定。

 九鬼宮司は「新型コロナウイルス感染症の影響で多くの人の生活が一変した。今年もコロナ禍の中で年を越すが、来年こそは自分の歩む道が定まり、虹を浴びながら光輝く一年であってほしい」と絵馬に込めた思いを語った。

(2021年11月9日付紙面より)

「光輝く一年に」。絵馬を完成させた九鬼家隆宮司=8日、田辺市の熊野本宮大社瑞鳳殿
2021年11月09日
24 「佐藤春夫から中上健次へ」 コーナー開設記念し公開講座 (熊野大学)

 新宮市下本町の市文化複合施設「丹鶴ホール」で6日、市立図書館中上健次コーナー開設記念公開講座「佐藤春夫から中上健次へ―日本近代文学の百年」があった。熊野大学(松本巌理事長)主催。文芸評論家の高澤秀次さん、市立佐藤春夫記念館の辻本雄一館長、中上健次(1946~92年)の長女で作家の中上紀さんが、新宮が生んだ2人の文豪について講話した。

 「試験もない、校舎もない、校則もない。誰でもいつでも入学でき、卒業は死ぬ時」という熊野大学は1990年、中上によって設立。中上の逝去後は、遺志を受け継いだ有志たちが中心となって活動を続けている。

 中上が亡くなった月でもある8月のセミナーには例年、墓参りも兼ねて全国から多くの中上文学ファンが熊野地方を訪れるが、台風や新型コロナウイルスの影響で3年連続の中止に。

 このたびは市文化複合施設の完成に伴い新図書館に「中上健次コーナー」が新設されたことを記念し開催に至った。

 開催に当たり、松本理事長は生前の中上との交流や、熊野大学設立の経緯などを説明し「立派な施設と、立派な中上健次コーナーができた。健次のことを広く知ってもらえることをありがたく思っている」。

 紀さんは同コーナーの概要を紹介。「コーナーに近づくと生前最後の映像といわれるビデオが流しっぱなしとなっており、誰でも映像で健次の姿を見て声を聞くことができる。健次も喜んでくれていると思う。今日はセミナーではないが、3年ぶりの熊野大学の発信。短い時間だが皆さんと一緒にどっぷりと空気に浸りたい」とあいさつした。

 来年2022年は春夫(1892~1964年)が生誕して130年、中上が逝去して30年を迎える。辻本館長は「芥川賞を受賞する前、健次は『佐藤春夫のばい菌が満ちあふれている』と小説を書くきっかけについて話していた。文学的な風土がある、と。2人の文学は新宮と熊野の風土や歴史と深い関わりがあったのでは」と言及。

 「健次が亡くなった時、『近代文学は終わった』という言い方を報道などでよく目にした。春夫と健次の間の100年は近代文学の100年にぴったり重なるが、健次は近代文学そのものを批判して物語を展開していたと思う」と見解を述べた。

 高澤さんは「日本近代文学を2人に象徴させて語ることは決して奇抜な方法ではない」と述べ、日本近代文学の歴史について説明。中上の著書「枯木灘」について文学評論家の江藤淳(1932~99年)は「この作品によって自然主義文学の理想は達成された」と評価したと紹介した。

 また、主人公が被差別部落出身であることを告白したのちテキサスに渡るまでを描いた島崎藤村の「破戒」に関して「中上はカミングアウトして逃げていると、新宮の地で批判を展開した。そのことは日本近代文学に放った第一の矢だと思っている。物語と小説の関係性を問いただした作家であった」。

 春夫については「当時の日本文学の最前線だった。日本の自然主義文学から逸脱したモダンで実験的な小説を書いた」と評価。熊野地方から大石誠之助をはじめとする6人が連座した「大逆事件」(1911年)以降、日本文学は大きく方向転換したとし「(2人は)近代文学を問いただした作家であり、難関を突破し難関(『大逆事件』)を前にたじろいだ作家」であると述べた。

 また、中上が春夫に対し「『大逆事件』を回避している。熊野を真正面から書いていない」と批判したことに対し「佐藤春夫というターゲットがいなければ展開されなかった」と言及。

 対し辻本館長は、春夫の短編「砧(きぬた)」では直接「大逆事件」に触れてはいないものの、「大塩事件」(大塩平八郎の乱)の熊野に与えた影響が述べられているとし「『大逆事件』の後遺症の影が投影しているのでは」と話した。

(2021年11月9日付紙面より)

高澤秀次さん(右)と辻本雄一・市立佐藤春夫記念館長が2人の文豪を論じた=6日、新宮市の「丹鶴ホール」
熊野大学公開講座の様子
中上紀さん
2021年11月09日
25 平和な未来に歩み誓う
 コロナで延期の成人式に75人  (熊野市 )

 熊野市は7日、成人式を催した。対象の新成人は154人。うち75人が参列した。りりしい背広姿や華やかな振り袖姿で会場の熊野市民会館=木本町=に集い、旧知の友人たちとの再会を喜び合いながら、成人として恥じない行動とこれからの活躍を誓い合った。

 紀北町から紀宝町までの2市3町の成人式は、コロナ禍の影響で全てが11月に延期。熊野市も例年なら1月3日に開催していたがこの日、感染拡大防止のために簡素化して東紀州地区トップの開催となった。中村天音(あまね)さん(21)=2015年、木本中卒=が司会を務め、倉本勝也教育長は式辞の中で、これまでとは違った形の式の開催に理解を求めながら、「自分や家族など大切な人や地域の人を守るため、コロナ感染防止の行動を」と注意を促した。

 河上敢二市長は高校生時代に何度か熊野を訪れ、大リーグ・エンゼルスでも投打二刀流の大活躍で人気沸騰の大谷翔平選手を例に、「夢に向かって努力を。夢はかなうものではなく、かなえるもの。努力すれば夢が近づく」と述べ、人生の大海原にこぎ出す若者たちを激励した。

 新成人を代表して濵中良輔さん(21)=15年、有馬中卒=が誓いの言葉。育ててくれた両親、家族、友人、先生方、地域の人々の温かい支えに感謝しながら、「将来は教師として、大好きな熊野市に恩返ししたい」と希望を語り、「新成人として感謝と思いやりの心を忘れず、平和な未来に向かって歩んでいく」と誓った。

 式後は校区別に記念写真の撮影。市民会館前でも友人同士が互いに写真を撮りながら、話に花を咲かせていた。無事に司会を終えた中村さんは「緊張した。仲の良い友達が来られなくて残念だった」と振り返った。

(2021年11月9日付紙面より)

国歌を斉唱する新成人=7日、熊野市木本町の市民会館
誓いの言葉を述べる濵中良輔さん
2021年11月09日
26 津波想定し高台へ避難
 那智勝浦町で統一津波避難訓練  

 那智勝浦町は6日、「令和3年度町内統一津波避難訓練」を町内各地で実施した。今回は町内19地区が参加。発生が懸念される南海トラフ巨大地震を想定し、住民らは津波から身を守るため高台などに避難した。

 2014年に和歌山県が発表した同町の被害想定の死者数は、南海トラフで1万1700人、三連動地震で5200人。さらに津波避難困難地域に指定される地区が多いことから町では避難路整備や津波避難タワーの建設などを進めてきた。

 訓練は発災時に「必ず避難行動を取る」「情報の伝達」「避難所運営」などの行動を住民が実行できるように取り組んでいるという。八反田地区では自主訓練のみ行った。

 訓練では南海トラフ巨大地震が発生し、震度6弱~7でマグニチュード9・1を想定。午前9時3分に訓練を告げるサイレンと放送が行われた。

 参加した勝浦四区の住民は、町立勝浦小学校敷地内に造成された高台へ避難した。この高台はかさ上げと造成によって4000平方㍍の平地が確保されており、災害時には多くの町民が避難できる。今年7月から着工し、同校が夏休み期間中に工事が進められた。訓練での使用は今回が初めて。

 この日は勝浦六区も同校敷地内で実施。町内3カ所に一時避難することになっている同区はその内の1カ所として避難を行った。

 四区では避難した区民の受け付け後、発電機の使用訓練や町災害対策本部への情報伝達訓練に取り組んだ。区民にはハザードマップや非常用持ち出し袋に備蓄する必要物のリスト、避難カードなどが配布された。

 同区防災部長を務める梶信隆さんは「災害はいつ発生するか分からないので心構えが必要。まずは避難することを念頭に置いてほしい」。

 楠本修一区長は「常に防災意識を持って日常生活を送ってほしい。そのための訓練」と語った。

 なお、この日は町民が964人、町職員6人、新宮警察署から3人が訓練に参加した。

(2021年11月9日付紙面より)

高台へ避難する住民ら=6日、那智勝浦町立勝浦小学校敷地内
避難した区民の受け付けなどを行った
2021年11月09日
27 野菜摂取など測定機会提供  道の駅で健康増進イベント  (串本町 )
2021年11月09日
28 選手27人の登録得て初動  ジュニア駅伝チーム結団  (古座川町 )
2021年11月09日
29 8校7組が演奏響かせる  串本で2年ぶりにつどい  (紀南地区吹奏楽連盟 )
2021年11月09日
30 新宮城跡を英語で案内しよう  英会話とガイドの知識吸収  (新宮市 )
2021年11月09日
31 こども食堂再開に向け寄贈  木原造林がクローバーの家に  (新宮市 )
2021年11月09日
32 元気いっぱい種目に挑戦  たづはら保で運動会  (新宮市 )
2021年11月09日
33 豊富な出店でにぎわう  太田の郷でフリーマーケット  (那智勝浦町 )
2021年11月09日
34 劇や落語で成長見せる  市小ふれあい祭り&秋祭り  (那智勝浦町 )
2021年11月09日
35 育てたサツマイモを収穫  秋空の下で芋掘り大会  (成川保 )
2021年11月09日
36 5カ月ぶりに集いの場再開  鵜殿地区で「かわりない会」  (紀宝町 )
2021年11月09日
37 お悔やみ情報