仲買人ら新鮮なミンク入札 (太地町 )
太地町漁業協同組合(脊古輝人組合長)の捕鯨船「第7勝丸」(32㌧、竹内隆士船長、乗組員5人)が今漁期の商業捕鯨で初漁獲したミンククジラの鯨肉の入札が26日、太地漁協地方卸売市場で行われた。地域の仲買人7業者が参加し、2業者が入札した。
今回、日本鯨類研究所が依頼した生態調査のために日本小型捕鯨協会(貝良文会長)に所属する同町の勝丸は先月9日に太地漁港を出港。今月3日から商業捕鯨が開始されたが、天候不良のためスムーズに操業が進まなかったという。
当初は青森県八戸沖での操業だったが、悪天候やクジラが小型のものばかりだったため、22日にむつ市沖に移動。翌23日午後2時5分ごろ、沖合50㌔付近で勝丸がミンククジラを発見。千葉県の純友丸と協働でミンククジラを捕獲した。
同町漁協によると、クジラはメスで全長7・9㍍、内臓などを取り除いた重量が約5・5㌧。鯨肉は同町以外では北海道から九州までの全国28カ所の市場へ運ばれたという。
太地漁協地方卸売市場では新鮮な赤身35㌔や畝須(うねす)17・5㌔が競りにかけられた。入札された肉は競り後すぐに町漁協スーパーに並んだほか、新宮市や那智勝浦町のスーパーなどにも並ぶ予定だ。
同町漁協の貝良文専務理事は入札については「クジラが好きな町民にとっては今回のミンクは好みの色ではなかったため、初漁の割には平均的な価格になった」。
勝丸の活躍や鯨肉につては「天候が悪い中、苦戦しながらも初漁で大きなクジラを捕ってくれてありがたい。今後も多くのクジラを捕ってくれることを期待している。近隣市町でも手に入るので新鮮なクジラをおいしく食べていただけたら」と語った。
(2021年4月29日付紙面より)
国土交通省近畿地方整備局は27日、新宮市と三重県紀宝町をつなぐ「新宮紀宝道路」(2・4㌔)が2024(令和6)年秋に開通するという見通しを公表した。現在整備が進む「すさみ串本道路」(19・2㌔)は25(令和7)年春に開通する見通しだ。
和歌山県における「防災・減災、国土強靱(きょうじん)化に向けた道路の5か年対策プログラム」で明らかにした。国交省では同プログラムに位置付けられた災害に強い国土幹線道路ネットワークについて、高規格道路のミッシングリンク(未整備区間で途中で途切れている区間)解消および4車線化、高規格道路と直轄国道とのダブルネットワーク化などによる道路ネットワークの機能強化対策を推進している。
新宮紀宝道路(紀宝町神内―新宮市あけぼの間)は、国道42号の渋滞緩和による地域相互の振興と発展に寄与するほか、台風などによる土砂災害や南海トラフ地震などの地震災害時におけるネットワークの構築による救命活動や観光をはじめとした地域振興支援、救急医療活動の支援を主な目的とする道路。
災害時、一般国道42号現道のうち、紀宝町の大部分の区間が津波により浸水し通行不能になると予想されており、整備により東南海・南海地震時の津波などによる浸水時には、迂回路、避難および避難場所として機能すると予想される。また、熊野川渡河部で慢性的に発生する渋滞の緩和にも期待が持たれる。
公表を受け、田岡実千年・新宮市長は「長年の悲願が現実になった。心よりうれしく、みんなで祝いたい気持ち。熊野川河口大橋の開通により交通の便が良くなり、地域経済活性化の起爆剤になることを期待している。長年建設促進にご尽力いただいた関係機関の方々に感謝申し上げたい」と話している。
(2021年4月29日付紙面より)
推進協がオンラインで総会 (南紀熊野ジオパーク )
南紀熊野ジオパーク推進協議会(会長=仁坂吉伸・和歌山県知事)が27日、オンライン形式で本年度通常総会に臨んだ。新任の東垣(あずま・わたる)・同パークセンター長が世界ジオパーク認定を見据えた今後の方向性を会員に示し、関連して一度打ち切った南紀熊野ジオパークガイド新規育成の再開を盛り込んだ事業計画案を承認するなどして初動を固めた。
この協議会は、南紀熊野ジオパーク振興の中核組織として県や関係9市町村と関係諸機関・団体で結成。本年度の通常総会はコロナ禍の情勢を鑑み、串本町潮岬にある同センター内に感染症予防を考慮したサテライト拠点を置き遠方の会員をウェブ会議システムでつないで審議の場を整えた。
当日は会員42人中31人が出席し11人が議長委任を提出。会長の仁坂知事はコロナ禍にあって同センターの教育活用が活発な状況や取り組みの高まりを期して3月に和歌山大学と連携協定を締結したことを報告し、「世界ジオパークとするためにはさらに実力を高めなければならない」と思いを掲げてあいさつ。和大を代表してアドバイザーに加わった伊東千尋学長が大学の持ち味を生かして盛り上げに協力したいという思いを掲げて会員との歩み寄りを深めた。
東センター長は海洋研究開発機構特任技術統括を務め、同協議会のアドバイザーも務める人材。非常勤待遇での起用で、「地元が楽しんで豊かになる状況を世界に知らしめることに頑張りたい」と将来ビジョンを掲げ、前任から引き継いだ世界ジオパーク認定を目指す上での課題に対する見解、世界ジオパークや日本ジオパークの最近の傾向を踏まえて南紀熊野ジオパークや同パークセンターが果たすべき役割を論じて「できるのかではなく、話し合い汗をかきたいと思う」と同調を求めた。
議事では前年度と本年度の事業関連諸議案を審議し承認。前述した同ガイド新規育成の再開により数と活動領域を国際的に通用する域まで増強し、世界認定に向けた弾みをつける方向性を新たに宿すことになった。その他、環境省近畿地方環境事務所が吉野熊野国立公園内におけるジオ事業の前年度実績と本年度の予定を報告し、それらの情報共有を図って終了した。
(2021年4月29日付紙面より)
千鳥会が会員に支援金配布 (新宮市 )
新宮市の町内会・千鳥会(濱優治会長)は、20日から数日かけて、新型コロナウイルス感染症の支援策として町内会67世帯に対し支援金5000円を配布した。
長期化し、先の見えない不安に多くの人がストレスを抱えている新型コロナウイルス感染症。25日からは3回目となる緊急事態宣言が東京都・大阪府・京都府・兵庫県に発出されるなど、終息のめどはいまだ立ちそうにない。
同町内会では、最初の緊急事態宣言が発令されていた昨年5月、「会員のために何かできないか」と一足早く独自の支援を決定。町内会員に対し現金1万円を支給した。
このたびの支援については「コロナの時代をいかに乗り越えるか。コロナ終息に向け、町内会の存続を考えた」と濱会長。コロナ禍で役員が集まることも困難な中において、電話などで協議を重ねたという。
支援金には町内会の予備費を充当。「少しでも安堵(あんど)感や喜びを与えられたら」との思いを込め、役員らが会員宅を一軒一軒訪ねて支援金を手渡した。なお、同町内会では昨年、災害対策として古くなった街路灯を撤去し電柱に新たに電灯を取り付ける工事を実施。工事は維持管理費の低減にも一役買っているという。
支援金を受け取った町内会員の佐藤輝子さん(71)は「新しい電灯も支援金もありがたく、町内会のみんなが喜んでいる。心強く感じています」と笑顔。
濱会長は「有事の時にどう気遣えるかが大事。共助の気持ちこそ町内会の在り方では。町内会の皆さんには健康で笑顔でいてくれたら」と話していた。
(2021年4月29日付紙面より)
第165回職場対抗ボウリング大会
地域住民らがこいのぼり設置 (新宮市熊野川町 )
熊野川地域フラワーツーリズム推進協議会(下阪殖保会長)は22日、新宮市熊野川町日足道路バイパス付近の水田に、こいのぼり30匹を設置。未曽有の大水害から10年の節目に思いをはせた。
2011年9月の紀伊半島大水害からの復興への願いを込め、地元住民らが設置を始めて9回目。昨年は新型コロナ感染症の影響でこいのぼりの設置と災害復興イベント「鯉のぼり祭り」は中止となっていた。
11年まで町内イベントで使用していたこいのぼりは、熊野川行政局で保管していたものの水害の際に全て流出。現在使用しているこいのぼりは、熊野川行政局が新聞などで呼び掛け、県内各地から集まったものだ。
この日は会員と行政局職員ら約10人が設置作業に当たった。熊野杉の間伐材で作った高さ約12㍍のポール6本を立てて取り付けると、30匹のこいのぼりが空を泳ぐかのように風になびいた。
新型コロナの影響で、今年の「鯉のぼり祭り」もやむなく中止に。こいのぼりは連休明けの5月10日(月)ごろまで設置する予定だという。
青空にたなびくこいのぼりを見上げ、下阪会長は「復興イベントを催すたびに水害のことを思い出す。コロナ禍なのでこいのぼりを遠くから見て笑顔になってほしい」。
今年の9月4日に向け、「節目として全体で何ができるか考えていきたい」と地域住民参加型催しの計画を協議していると話した。
(2021年4月23日付紙面より)
現職・田嶋勝正町長公務再開 (串本町 )
任期満了に伴う串本町長選挙で当選した現職・田嶋勝正町長(62)が22日、任期開始より一足早く初登庁の節目をつけて公務を再開した。
この選挙は18日に執行され、田嶋町長は無所属ながら自民党、公明党の推薦を受けて立候補。当日有権者数1万3617人に対し5934票を獲得し、連続4期となる再選を果たした。
現職当選時の慣習となっている一足早い初登庁の節目。職員を代表して総務課の中井桐子主事(23)が花束を贈り、集まった職員や支持者らから拍手を受けて入庁した。
引き続きコロナ禍を考慮して課長級以上の職員を対象にした訓示に臨み、選挙活動中に掲げた▽防災▽子育て支援▽経済振興▽福祉―などの柱を今まで以上に強くするという思いを伝え、63年ぶりとなる役場本庁移転がもたらすモチベーション向上をさらなる住民サービスに充てること、千載一遇のチャンスであるロケット事業による地域振興を職員一丸で必ず成功させることを目指すところの一端として見据えた。
加えて選挙活動で感じた事柄として広報強化の必要性も掲げ重点化するほか、新型コロナウイルスワクチンの滞りない接種と接種までの間の予防を呼び掛けることを喫緊に始めるとし、「次の4年間はこれまでの経験を生かし、(臆すること無く)最大限頑張りたい」と意気込みを示した。
町長の次期任期は5月1日(土)から4年間。
(2021年4月23日付紙面より)
和歌山県
和歌山県内で新型コロナウイルスの感染者数が増加しており、病床数が逼迫(ひっぱく)している現状を鑑み、県は21日、紀北地方に呼び掛けていた「不要不急の外出の自粛」を県内全域に拡大し、25日(日)までとしていた期間も延長すると決定した。期間は5月9日(日)まで。
「カラオケ・ダンスなどの大規模な催しへの参加を控える」「在宅勤務(テレワーク)の積極的な活用」などに加え、「感染防止策が徹底されないイベントの開催の延期・自粛」「大規模集客施設・小売店での催物・バーゲンなどは延期・自粛」も新たに追加された。
また、県立学校の部活動は、県外の学校との練習試合や合同練習などを禁止する。大会などについては全国大会や近畿大会につながる場合、原則実施し、その他は原則延期または中止とする。大会などを実施する場合は「新型コロナウイルス感染症に係る県内大会への出場停止や大会中止の目安について」によることとする。
【今後の県立学校における部活動について】
■原則、対人練習および対面練習において、近距離で飛沫(ひまつ)の飛ぶことのないよう、一定の距離を取った上で練習する
▽相撲▽柔道▽剣道▽レスリング▽フェンシング▽なぎなた▽空手道▽少林寺拳法▽ボクシング▽水泳(水球)▽テニス▽ソフトテニス▽卓球▽バドミントン▽バレーボール▽バスケットボール▽ ハンドボール▽サッカー▽ラグビー▽ホッケー▽ 野球▽ソフトボール
■感染防止対策を十分講じた上で練習する
▽陸上競技▽体操▽水泳(競泳・飛込)▽弓道▽ウエイトリフティング▽登山▽ボート▽ヨット▽自転車▽カヌー▽アーチェリー
■向かい合っての演奏・発声などを避けるなどの対応を取った上で練習すること。※下記以外の文化部は感染防止対策を取った上で練習する
▽吹奏楽▽軽音楽▽合唱▽演劇▽放送など
(2021年4月23日付紙面より)
災害バンダナを作成 (新宮市 )
新宮市はこのほど、聴覚に障害のある人のための防災グッズ「災害バンダナ」を作成した=写真。市役所1階の福祉課と健康長寿課、4階の防災対策課で耳が聞こえない人(手帳の有無は問わない)、手話ができる人を対象に配布している。
障害者差別解消法では、要配慮者への合理的配慮の提供が国や地方公共団体の義務として定められており、それは災害時にも不足なく提供されなければならない。
災害バンダナには「耳が聞こえません お手伝いをお願いします」「手話ができます」といったメッセージが入っており、聴覚障害者がバンダナを身に着けることにより、避難時や避難所での生活において支援を受けやすくなることを目的に200枚作成した。作成に当たっては、市聴覚障害者協会、社会福祉法人美熊野福祉会の協力を得たという。
使用方法は、バンダナに記載されているメッセージが見えるように羽織るほか、火災時に鼻や口を覆うマスク・ハンカチ代わりとしてや、けがをした際に三角巾としても使用できる。
市防災対策課では「災害時など、バンダナを着けた方を見掛けたら、積極的に声掛けや支援への協力をお願いします」と呼び掛けている。
(2021年4月23日付紙面より)
令和3年度スクラッチ杯 (那智勝浦ゴルフ倶楽部 )
田辺市本宮町の熊野本宮大社(九鬼家隆宮司)の例大祭が15日、渡御祭(とぎょさい)で締めくくられた。晴天に恵まれる中、御神霊(おみたま)を納めた唐櫃(からひつ)と時代行列が社殿から旧社地の大斎原(おおゆのはら)まで練り歩き、斎庭(さいてい)神事が営まれた。
主祭神の家津美御子大神(けつみみこのおおかみ=スサノオノミコト)などを祭り、五穀豊穣(ほうじょう)を祈る祭り。主祭神が「我を祀(まつ)るに母神(イザナミノミコト)をも祀れ」と命じたという故事から、熊野市の花の窟(いわや)から母神を迎え、挑花(ちょうばな)と呼ぶチョウを付けた菊の造花を奉じて鼓・笛・旗をもって祭りを行うようになった。
午前にあった本殿祭には約100人が参列。新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、同市をはじめ当地方の関係者のみに参列を呼び掛けていた。
修祓(しゅばつ)、祝詞奏上などに続き、九鬼宮司が四方を榊(さかき)の風によってはらい清め、太陽を迎える新作神楽の男舞「熊野」を舞い新型コロナの終息などを祈願。
午後からは神木の榊を手にした神職を先頭に、修験者やみこらが渡御。ほら貝や笛の音が町中に響き、沿道から地域住民らがその様子を見守った。
大斎原では祭典を寿(ことぼ)ぎ、青年会有志が「大和舞」「八咫烏(やたがらす)舞」を奉奏。5人の稚児と父親の八撥(やさばき)神事が営まれた。神事後には那智山青岸渡寺の副住職で熊野修験の髙木亮英正大先達(しょうだいせんだつ)らによる採燈大護摩が行われ、最後に参拝者らに餅と挑花が配られた。
九鬼宮司は、今なお全国各地で厳しい状況が続くコロナ禍に言及。「今後も大変な日々が続くが前を向き、一歩でも半歩でも自分の歩幅で進んでほしい。コロナが終息し、来年は全国各地の方々にお祭りのご案内ができることを願うばかり」と祝詞や男舞に込めた思いを語った。
また、新型コロナの影響で地元中学生参加による「大和舞」奉奏が困難な中においてその役目を引き継いだ青年会有志らに対し拍手を送り「今の状況を打破するためには若い人や関係者が協働していかなければならない」と感謝の意を示した。
(2021年4月17日付紙面より)
ワクチン接種をリハーサル (串本町 )
串本町が15日、くしもと町立病院で新型コロナウイルスワクチン接種のリハーサルに取り組んだ。
24日(土)から始まる65歳以上を対象にした接種を安全かつ円滑に進めるための課題抽出が目的。当日は老人クラブ連合会、食生活推進協議会、保健推進協議会の各会員26人が被接種者役として協力し、接種する側の医師や看護師、病院職員や役場福祉課職員が現在考えている接種体制を実践(接種のみ模擬実践)して要領や円滑化の糸口を探った。
被接種者から見た流れは①受け付け〈検温と受付番号発行を含む〉②看護師による予診票確認③医師による予診〈接種不可の判断時はここで一端終了〉④看護師によるワクチン接種⑤状態観察―の順。福祉課の中田匠課長が一同に改めてリハーサルの趣旨などを伝え、同病院事務部の名田倍也事務長が院内における一連の流れの動線を説明してリハーサルを始めた。
初回の24日は午前9時~正午と午後1時~4時、計6時間で487人の接種を想定。逆算して30分につき40人程度のペースで接種または予診による見合わせの判断が必要となる。この日は協力者26人という数から推して、30分で終了することを目標に設定した。
結果、終了までに要した時間は1時間強。15分の状態観察を差し引いても45分程度かかった計算となり、中田課長は「今後の反省会で出せる限りの課題を集約して、どうスピードアップさせるかを検討する。本番までにスムーズに進められるよう改善を図りたい」と緊張感をにじませた。
被接種者役はリハーサル後、気づいた事柄をアンケート回答するなどして今後の改善に協力。接種する側を代表して同病院の竹村司病院事業管理者は「接種当日は二の腕を出しやすい服装で、また前もって入浴で肌をきれいにしてきてほしい」など協力を呼び掛けながら締めくくった。
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同課によると、7日現在で65歳以上高齢者のうち5422人(全体の約73%)が接種を希望。他方、15日現在でめどが付いているワクチン供給は12日の週分と26日の週分の各487人×2回分のみで、接種体制上で想定する数より供給が少ないという。
そのような中、65歳以上を対象にした接種は年長優先(初回は102歳~88歳〈一部〉の幅で実施)とし、接種日時など案内通知はこの序列を基本にして順次希望者へ郵送するとしている。
(2021年4月17日付紙面より)
関係機関集まり協議 (新宮港港湾危機管理コアメンバー会合 )
新宮港におけるテロ対策の一層の強化を図るために15日、新宮市緑ヶ丘の東牟婁振興局で新宮港港湾危機管理コアメンバーの会合が開かれた。関係9機関が出席し、テロ未然防止のための水際対策の重要性について再確認した。
コアメンバーによると、新型コロナウイルス感染症が世界中に拡大し、国内で多くの感染者が発生している状況下においても、国際テロ情勢は依然として厳しい状況にあるという。今年は東京オリンピック・パラリンピックが開催されることから、これまで以上にテロ等未然防止のための水際対策の重要性が高まっているとしている。
新宮港港湾危機管理担当官の上野春一郎・田辺海上保安部長は、東京オリンピックの開催はテロリストにとっては絶好の機会となるとし、コロナの影響から世界各地で各種イベントが中止となる中でも各国でテロは起きていると伝えた。先月、インドネシアで発生したキリスト教徒を狙った自爆テロや首都ジャカルタの国家警察本部に武装した女性が侵入し射殺された事案を報告した。
上野保安部長は「わが国の水際危機管理チームの設置は水際対策に万全を期してテロを未然防止することだが、各組織のみではことをなし得ない。関係機関による連携が求められていることを確認しておきたい」と述べた。
副担当官の山田守孝・新宮警察署長はテロ情勢について、近年のイスラム過激派組織ISIL(アイシル)が支配地域を失ったことから戦闘員らが母国や第三国でテロ行為を敢行する可能性があると述べた。アルカイダは引き続き、オンライン機関誌を通じて信者に欧米諸国に対するテロ行為の実行を呼び掛けていると説明した。
過激派組織による海外発生のテロ事件では日本人にも被害が発生しているとし、欧米では国外の過激思想に共鳴した国内信者によるテロを行う「グローンテロリズム」の存在にも触れた。
山田署長は「テロ行為に手を染めることをいとわない過激思想を持つ人物は国内だけでなく、熊野地方に存在してもおかしくない。今年は東京オリンピックに加え、和歌山県内では国民文化祭も開催される。テロ対策は官民一体となって推進する必要がある。各機関においてはテロは差し迫った脅威であることを認識していただきたい。テロリストは国内に入れない基本方針で情報共有を図り、一層の連携強化を」と呼び掛けた。
会合の参加機関は▽田辺海上保安部(串本海上保安署)▽新宮警察署▽大阪税関和歌山税関支署新宮出張所▽大阪出入国在留管理局和歌山出張所▽近畿地方整備局和歌山港湾事務所▽近畿運輸局和歌山運輸支局勝浦海事事務所▽和歌山県東牟婁振興局新宮建設部▽新宮市企画政策部▽新宮市消防本部。
(2021年4月17日付紙面より)
地域活性化起業人を活用 (那智勝浦町 )
那智勝浦町は本年度より、総務省が推進する「地域活性化起業人(令和2年度までは地域おこし企業人)」の制度を活用して株式会社ルネサンス=東京都=の社員、島田匡平さん(39)を受け入れた。15日には同社や町の関係者が集まり、役場で記者会見を開いた。起業人導入は和歌山県内初。
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三大都市圏にある民間企業などの社員が知見を生かして一定期間、地方自治体で地域独自の魅力や価値の向上につながる業務に従事する。期間は半年から3年間で、両者が協力して人の流れの創出を目指すもので、今回は世代間の交流による子どもから大人までの体力増進や高齢者の健康づくりなどを行う人材の登用となった。
また、派遣元企業に対する負担金など起業人の受け入れに要する経費や、起業人が発案・提案した事業、起業人の受け入れ準備などの経費には上限はあるが、特別交付税措置が受けられる。
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同社は全国にスポーツクラブやフィットネススタジオや介護リハビリ施設などを175カ所以上展開し今年で創業42年を迎える。培ったノウハウを生かして企業や自治体での健康作り支援などのヘルスケア関連事業、海外市場へ向けた取り組みなども実施している。
現在は200の自治体で健康事業を展開しており、東京オリンピック競泳種目のリレーなどに代表入りした池江璃花子選手が所属していることでも有名。
これまで鳥取県伯耆(ほうき)町で公共施設を有効利用し町民の健康増進につながる「フィットネス&スタジオパル」と「みぞくちテラソ」の2施設を開業。町や町社会福祉協議会と連携しながら支援を行っている。
フィットネス&スタジオパルでは補助金なしの黒字経営で7人の雇用を創出している。みぞくちテラソはシニア層の就労や運動、コミュニティの場づくりに取り組んでいるという。
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同社地域健康推進部の日高拓郎次長は「起業人制度を活用し、健康課題を抱える町の健康づくりや課題解決に役立ててほしい。町民の皆さまが元気になれるように伴走していきたい」と語った。
派遣された島田さんはこれまで同社が経営する福岡県の施設でトレーナーとして10年間勤務してきた実績がある。現在は同町湯川に在住。今後は各施設に赴いて園児や児童、生徒の健全な体力増進や高齢者の健康増進などの指導やアドバイスを行う予定だ。
町の印象について島田さんは「世界遺産の熊野古道や温泉、生マグロと魅力ある場所」と評価。
今後は「学んできたノウハウを生かし、町民の皆さまの健康などをサポートしたい。町が抱える課題を解決し、町に住みたい方を増やしていきたい」と抱負を述べた。
堀順一郎町長は「当町では子育て支援や高齢者の健康増進に取り組んでいる。非常階段が完成した体育文化会館や木戸浦グラウンドを利活用したいと考えており、町民と意見交換をしながら事業を進めていく。専門人材の島田さんには町民のためにもできるだけ長く町にいていただきたい」と語った。
(2021年4月17日付紙面より)
熊野那智大社で「桜花祭」 (那智勝浦町 )
那智勝浦町那智山の熊野那智大社(男成洋三宮司)は14日、自然の恵みに感謝し、五穀豊穣(ほうじょう)を祈る「桜花祭(おうかさい)」を営んだ。桜の花のかんざしを挿した巫女(みこ)が那智の滝前で「浦安の舞」を優雅に奉納した。
平安時代に花山法皇(968~1008年)が那智山で千日間の山ごもりをした際に、「木のもとをすみかとすればおのづから花見る人となりぬべきかな」と桜の美しさを詠んだという故事にちなんだ祭典。
神事は本社拝殿と別宮飛瀧(ひろう)神社斎場でそれぞれ営まれた。宮司以下神職の烏帽子(えぼし)や巫女の髪飾りには桜の小枝が付けられ、長さ約1㍍のヤエザクラの枝を幣帛(へいはく)として奉献した。
男成宮司は「昨年の桜花祭は新型コロナウイルスによる緊急事態宣言下の中で営んだ。現在も東京や大阪でまん延しているが、そんな中でも季節の移ろいは変わらず、春を迎え桜が咲いている。厳しい状況だが桜を愛(め)でる気持ちになっていただけたら。今後も感染防止に注意し、一日も早い終息を心から祈念しています」と語った。
神事の後、参列者には桜餅が振る舞われた。
(2021年4月15日付紙面より)
電話がつながりにくい状況 (新宮市 )
新宮市で25日(日)から始まる新型コロナワクチン集団接種の予約受け付けが12日から始まった。初日、翌日ともにコールセンターには電話が殺到しつながりにくい状況に。そういった現状を鑑み、市新型コロナワクチン接種推進室では「接種は予約先着順ではないため、慌てず焦らずに予約を」と呼び掛けている。
65歳以上の高齢者を対象に12日から国内各地で始まったワクチン接種。政府は6月末までに全高齢者約3600万人分を市区町村に配布し終える計画としている。
市では現在、接種・予約受け付け時期をずらして【別表①】①市役所別館②佐野体育館③熊野川総合開発センター④市役所別館―での集団接種を予定。
各会場360人(③熊野川総合開発センターは180人)が定員。現在予約を受け付けているのは①市役所別館のみで予約受け付け期間は16日(金)まで。
①市役所別館②佐野体育館に関しては、定員を超えた場合は高年齢順で受け付けを確定する。受け付けが確定した場合、予約に漏れた場合いずれについても通知が送付される。
コールセンター(電話0120・89・5070)がつながらない場合はFAX(0120・79・5070)もしくは市ホームページ(https://www.city.shingu.lg.jp)・公式LINE(ライン)でも予約可能。FAXの場合は▽FAX番号▽電話番号▽名前▽生年月日(西暦)▽接種券番号(10桁数字)▽希望する接種会場(現在は①のみ)―を記入する。
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個別接種については5月上旬を予定しているが、個別接種が可能な医療機関は現在調整中で予約も受け付けていないため、同推進室では、基礎疾患のある人や接種に不安のある人の相談とは別に、かかりつけ医に対する個別接種の可否や接種日、予約などの問い合わせは通常業務に支障をきたす可能性があるため控えるよう呼び掛けており、「調整でき次第、予約方法と併せてお知らせしたい」としている。
(2021年4月15日付紙面より)
UMOUプロジェクト (紀宝町社協 )
紀宝町社会福祉協議会は三重県共同募金会の「UMOU(うもう)プロジェクト」に協力しており、昨年の募金額が2年連続で三重県内1位となった。
町社協では2014年から活動し、現在は町の協力を得ながら年間を通して羽毛製品の募集を続けており、引き続き協力を呼び掛けている。昨年の実績は4万3600円だった。
このプロジェクトは、使わなくなった羽毛製品を回収し、羽毛をリサイクルさせることで、羽毛の安定供給や環境の保全、障害者の就労支援などに貢献するもの。その羽毛製品が募金となり「赤い羽根共同募金」を通じて紀宝町の地域福祉に使われる。
製品に付いている品質タグにダウン率50%以上の表示がある羽毛の布団やダウンジャケットなどが対象。穴あき、汚れたものなど不要になった羽毛製品も回収可能だという。
町福祉センター内の同協議会まで持ち込みを。問い合わせは、同協議会(電話0735・32・0957)まで。
(2021年4月15日付紙面より)
四村川などに稚アユ放流 (熊野川漁業協同組合 )
アユ釣りシーズンを前に、熊野川漁業協同組合(大嶋邦嗣組合長)は14日、管内流域に稚アユ計1350㌔を放流した。
この日放流したのは、大塔川450㌔、赤木川上流200㌔、高田川150㌔、三越川100㌔などで、田辺市本宮町の四村川では、同組合四村川地区の森俊博さんら約10人が体長7~10㌢の稚アユ450㌔を3カ所に分けて丁寧に放していった。
森さんは「前日の雨の影響もなく、放流を終えることができて安心しました。稚魚のサイズも大きめだったので、無事に大きく成長してくれるのが楽しみ。新型コロナウイルスの影響もあるので、アユ釣りが解禁になった際には感染症対策をしっかり施していただき、楽しんでもらえれば」と話していた。
(2021年4月15日付紙面より)
ホップリーグ東牟婁ブロック大会が開幕
スポ少野球東牟婁予選が開幕
町歌と春夫の歌詞が体文へ (那智勝浦町 )
那智勝浦町は6日、ヒノキ製の町歌ボードと新宮市輩出の文豪・佐藤春夫の「秋刀魚(さんま)の歌」直筆原稿を体育文化会館に移設した。町歌ボードはアリーナの壁面に、原稿はアリーナ前のロビー壁に設置された。
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町歌は那智勝浦町制30周年を記念し、1985年4月に制定されたもので、ボードは40周年を迎えた95年に姉妹都市である長野県上松町から寄贈され、町長室に飾られていた。
今月より午後5時のチャイムが町歌に変更となったことから、町民に広く知ってもらいたいという堀順一郎町長の思いもあり、多くの人々が利用する同館への移設に至った。
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新宮市出身の春夫は同町にもゆかりのある人物で、同町八尺鏡野(やたがの)には父の豊太郎の生家である下里懸泉堂(けんせんどう)もある。
直筆の歌詞原稿は、59年に紀勢本線が全通した際に記念してJR紀伊勝浦駅前に建立された歌碑の元となったもの。
原稿は91年2月に町指定文化財に登録され、長きにわたって町長応接室に設置されていた。町歌ボードと同様、多くの人に知ってもらおうと同館に移設した。
堀町長は「これまで町歌は町民の皆さまに歌っていただける機会がなかった。町のことがしっかりと盛り込まれた分かりやすい歌詞となっている。これを機会に親しんでいただき、歌っていただけたら」。
原稿については「春夫の直筆が見られることも少ないと思う。町民だけでなく、多くの方々に見てもらいたい」と語った。
(2021年4月8日付紙面より)
新型コロナワクチン (新宮市 )
新宮市は5日、65歳以上の市民に対して、新型コロナウイルスワクチン接種券を送付した=写真。封筒にはワクチン接種までの流れや予約方法・接種会場などの説明や、ファイザー社製ワクチンの説明などが同封されている。
接種は「集団接種」「個別接種」のいずれかを選択可能。集団接種に関しては25日(日)、市役所別館での接種を皮切りに、佐野体育館(5月9日)、熊野川総合開発センター(23日)、市役所別館(6月6日)を予定している(いずれも1回目の接種日)。
25日の集団接種については、12日(月)から予約受付を開始する。25日の市役所別館と、5月5日の佐野体育館での集団接種については、定員を超えた場合は重症化リスクの高い「高年齢順」で受付を確定する。
接種会場への移動について、市はタクシーの初乗り料金(580円分)を補助。タクシー利用券も同封されている。また、集団接種会場への無料シャトルバスの支援も予定しているという。
個別接種については5月上旬からかかりつけ医(直接予約)などで接種開始予定としている。
市新型コロナワクチン接種推進室では「当初は、ワクチンの数に限りがありますので接種いただけるまでしばらくお待ちいただくこともありますが、国から順次供給される見込みで、必ず全員の方が接種できますのでご安心を。これまでの感染症対策を継続しながら、接種の時期までお待ちください」と呼び掛けている。
(2021年4月8日付紙面より)
オンラインで姉妹都市交流 (新宮市、サンタクルーズ市 )
新宮市は7日、市の姉妹都市アメリカ・カリフォルニア州サンタクルーズ市(サ市)とオンラインをつなぎ「オンライン生徒交流会」を実施した。市内の中学校に通う4人が参加。「バーチャルホスト生徒」としてサ市の生徒9人に市の魅力などを発信。交流を深める機会とした。
両市は1974年12月25日に姉妹都市関係を結んでおり、文化交流や訪問団の派遣などを通して友好関係を築いてきた。
本来なら春の生徒訪問団が来新する予定だったが、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため昨年に引き続き相互訪問が困難な状況に。隔年で実施していた国際理解教育海外研修も、本年度は市内中学生の派遣の中止が決定している。
そういった状況の中、両市は姉妹都市間の往来と本来の交流活動の再開を願いつつ、友好関係継続のための交流方法を模索。本年度の交流事業として、市内中学校に在籍する生徒にサ市の生徒や市民との交流を持つためにオンライン交流会を実施するに至った。
交流会は10日(土)にも開催予定で、この日は小西汰知君(緑丘中2)、宮本彩音さん(近大中2)、吉良和子さん(同)、吉良佳子さん(同)が参加。
市教育委員会の雜賀まどかさんが生徒らに対し「サ市の生徒たちは新宮市に来たかったのに来られなかった人たち。今日はバーチャルホストとして新宮の魅力を伝え、顔の見えるつながりを」と呼び掛け。市姉妹都市親善協会の須崎恵美会長や外国語指導助手(ALT)らが交流会の様子を見守った。
生徒らは英語で自己紹介を行った後、ミニゲームや、折り紙を使って日本文化を紹介するなどして交流。最後にカードとプレゼントを交換し、コロナ終息後の再会を誓い合った。
吉良佳子さんは「コロナの影響でオンラインという形になったが、英語力を生かして交流できて良かった。これからも勉強してもっと交流を図れるようになれたら」と話していた。
(2021年4月8日付紙面より)
新型コロナウイルスの影響で (熊野市 )
熊野市の七里御浜海岸で8月17日に開催を予定していた「熊野大花火大会」の中止が決まった。全国で新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、昨年に続き2年連続の中止となった。
6日に実施した熊野大花火大会実行委員会で協議し、新型コロナの影響がいまだ継続している中で観覧者や大会関係者、ボランティアなどの感染防止対策を講じての安全安心な大会運営が難しいと判断した。例年、地元や各企業からの協賛によって運営しており今年は協賛募集も中止とした。
大会本部長の河上敢二市長と大会実行委員長の中平孝之市観光協会長は連名で「毎年、熊野大花火大会を楽しみにしていただいている皆さまのためにも、開催に向けて協議を重ねてまいりましたが開催中止に至りました。新型コロナウイルス感染症が一日も早く終息し、来年は多くの方に楽しんでいただけるような熊野大花火大会が開催できるよう、実行委員一同力を合わせていく所存です」などとコメントを公表した。
熊野大花火は初盆供養として江戸時代から始まり、300年以上の歴史と伝統を誇る。全国屈指の花火大会として知られ、海上に直径600㍍の半円を描く「三尺玉海上自爆」、フィナーレの鬼ヶ城大仕掛けなど色とりどりに夜空を覆う花火が観衆を魅了している。例年、17万~18万人が訪れているが、昨年は戦後初の中止となった。
(2021年4月8日付紙面より)
集団接種会場運営訓練を実施 (那智勝浦町 )
那智勝浦町は2日、同町の体育文化会館で新型コロナウイルスワクチンの接種会場運営訓練を実施した。医師、看護師、保健師、町消防本部、町職員や町老人クラブ連合会有志合わせて約80人が参加。同館アリーナで会場設備の配置を行い、受付や模擬接種などの動線を確認し、本番環境を想定した訓練に取り組んだ。
同町では先月、接種会場の設営確認などを実施したほか、役場庁舎1階に「新型コロナウイルスワクチン接種に関するお問い合わせ窓口」を設置。3月22日には接種が優先される75歳以上の町民3639人に対して新型コロナウイルスワクチン接種券を送付している。
16歳以上の国民約1億人が対象とされるワクチン接種。同町では16歳以上が1万3232人(3月1日現在)で、そのうち65歳以上は6413人。現在、75歳以上の接種希望者は1598人で接種は高齢順で実施するという。
19日(月)から22日(木)までの4日間、1日120人をめどに1回目の接種を行うとし、それ以降の接種時期は未定としている。
この日の訓練は▽受付(問診票の記入がない場合は記入する)▽保健師による問診▽医師の診察▽ワクチンの模擬接種▽待機―の流れで行われた。また、待機中に副反応であるアナフィラキシーショックを引き起こしたケースを想定した訓練にも取り組んだ。
訓練に協力した町老連の峰武久会長は「あらかじめ訓練していれば本番は円滑に接種ができる。そういう意味では良い経験になった」と語った。
訓練を視察した堀順一郎町長は「待機時間を快適に過ごしていただくためにテレビなどを設置することも検討している。今回出たさまざまな課題を研究したい。各団体と意見交換してよりスムーズに接種が行えるように対策や態勢を強化して進めていきたい」と話した。
(2021年4月4日付紙面より)
小中高生が応援ボード作る (紀宝町社協 )
「手洗い、マスクをしよう」「健康でいるためにみんなでしっかり予防しよう」「今できることを考えてそれをめいっぱい楽しもう」。みんなで新型コロナを乗り越えようと、紀宝町社会福祉協議会が3月31日に開催した町福祉センターでのボランティアスクールに参加した小中学生12人と、県立木本高校JRC部(市川芹部長)の部員が応援ボードを手作りした。
今月中旬まで町福祉センターと神内の神内福祉センター、鵜殿の主婦の店「アプローチ」に飾る。
ボードは「新緑の緑」「桜のピンク」「青空の青」の3種類で、1グループ8~9人で取り組んだ。小中学生は高校生にアドバイスをもらいながら、花や動物、植物などをかたどった用紙にメッセージやイラストを書き込んでいった。顔写真も貼り付け、子どもたちの思いが詰まったボードが完成した。
県内JRC部で最多の部員を有する木本高校。県内8校JRC部で組織する三重県青少年赤十字高等学校連絡協議会に属し、メンバーと医療従事者への感謝や応援の気持ちを込めたメッセージパネルを作成して伊勢赤十字病院に贈呈した。
同協議会のリーダーで、この日のボラスクールに参加した西那朋香さんは「小中学生と作った応援ボードを通してコロナについて考える良い機会になったと思う」と話していた。
(2021年4月4日付紙面より)
新宮神社でさくら祭り (熊野速玉大社 )
新宮市の熊野速玉大社(上野顯宮司)境内にある新宮神社で3日、例祭(さくら祭り)が執り行われた。大社崇敬会の杉本義和会長や敬神婦人会の久保あや子会長、神倉神社奉賛会の猪飼三雄会長ら約30人が参列し、桜の枝を玉串として奉奠(ほうてん)した。
新宮神社は1907(明治40)年、神社合祀(ごうし)令により、新宮町内にあった18社18柱の祭神を大社境内の金刀比羅(ことひら)宮に合祀したのが始まり。中でも最も位の高い渡御前(わたりごぜん)社の主祭神・神武天皇の例祭に合わせて、毎年4月3日に営まれている。
同神社はおととし、御代(みよ)替わりの年の記念事業として修復工事を行った。鬼瓦と拝所の瓦は、当時(江戸時代のものとされる)のものが利用されているという。
祭典では、上野宮司による祝詞奏上の後、桜の小枝を髪に挿した巫女(みこ)たちが、桜の木を背に優雅に「浦安の舞」を奉納した。
神事を終え、上野宮司は「また全国的に感染者が増え始めているが、できる限り徐々に通常の祭りの形に戻していきたい」と思いを語り「参列者の皆さまにも新型コロナ対策に気を付けていただき、厳粛にお祭りを営むことができた。心も希望新たに新しい年度を迎えることができて良かった」と話していた。
祭典終了後には、関係者らにより、参拝者や地域住民らに厄払いの餅が配られた。
(2021年4月4日付紙面より)