物資輸送と情報収集伝達訓練 (和歌山県 )
大規模災害時に備え、和歌山県は21日、新宮市立佐野体育館で物資輸送・災害情報収集伝達訓練を実施した。災害支援協定を結んでいる9機関が参加。県職員らが物資の集積所となる同所での搬入、搬出などを行い、対応を確認した。
佐野体育館は県が指定している広域防災拠点の一つで、県外や各協定を結んでいる企業団体からの物資を集積して各被災地に搬出する場所となる。
訓練は職員の対処能力の向上を図る目的で2012年から始まり、今回で7回目となる。県内4カ所の拠点で順に取り組んでおり、佐野体育館での訓練は2回目。
今回は▽和歌山県▽新宮市▽那智勝浦町▽北山村▽公益社団法人県トラック協会▽県倉庫協会▽株式会社オークワ▽県生活協同組合連合会▽わかやま市民生活協同組合―の9機関と県庁南別館3階防災対策室の計約90人が参加した。
和歌山県南方沖で発生したマグニチュード8・7の地震により県内各地で大規模な被害が発生したと想定。訓練は発災後48時間が経過し、県内各地の広域防災拠点が開設されて物資の受け入れなどが順次開始されている設定で進んだ。
実際に佐野の広域防災拠点と県災害対策本部総合統制室の一部を立ち上げた。職員らは救援物資の受け入れや仕分け、払い出しと物資管理システムの操作、防災行政無線と衛星電話を使った災害対策本部総合統制室救援物資班との連絡調整などに取り組んだ。
訓練開始を前に、福田充宏・県危機管理局災害対策課長は職員に対して「広域防災拠点要員として任命しているが、普段は防災業務に携わっているわけではない。今日はしっかり訓練を通じて手順を確認し、必要性を認識してほしい」とあいさつした。
(2018年11月22日付紙面より)
鵜殿西遺跡の現地説明会 (紀宝町 )
三重県埋蔵文化財センターは17日、紀宝町で発掘調査を続けてきた鵜殿西遺跡の現地説明会を催した。
現地は県道35号の矢渕信号近くにある。国道42号「新宮紀宝道路」の予定地にあるため、国交省近畿地方整備局紀南河川国道事務所の委託を受けた同センターが9月30日から調査を続けてきた。調査地は廻船(かいせん)問屋があった場所という。面積は851平方㍍で、地面を30~40㌢掘り進めたところ、鎌倉時代から室町時代にかけての掘立柱建物3棟や縄文土器、平安時代後期から江戸時代後期までの陶磁器などが見つかった。説明会には町民ら約40人が参加し、展示した発掘物約50点を興味深げに見入った。
周辺には成川小学校遺跡、貴祢ヶ谷社遺跡、鵜殿城跡があり、過去にも多くの出土物が発見された。説明を担当した埋蔵文化財センター職員の鐸木厚太(すずき・こうた)さんによれば、19日から記録保存を進め、終了後は遺跡を埋め戻して国交省へ引き渡し、出土物はセンターで保存する。
(2018年11月22日付紙面より)
全盲の落語家桂福点さん講演 (太地町 )
太地町人権尊重推進委員会(須川時夫会長)は20日、同町公民館で全盲の落語家、桂福点さんによる人権啓発講演会「出会いは心の光」を開催した。福点さんは昨年に続いて2回目の登壇となり、軽快な語りで会場を笑いの渦に包んだ。太地中学校の全学年の生徒も参加し、笑いの中にも人権の大切さを学んでいた。
須川会長は開会のあいさつで「福点さんと同じ立場に立ち、思いを共有、共感することが大切」と来場者に呼び掛けた。福点さんは「障害のある人を知ることが大切。無感心、無視は駄目」と語り、障害者を知ろうとすることから、相手への思いやりも生まれると訴えた。
福点さんは、小学校入学時は緑内障で目が腫れ、片目しか見えず、仲間からいじめられていた。3年生の時に支援学校を訪問し、自分より大変な障害がある人を知った。見える方の目で手を引いたり、教科書を読んであげたりしていると「人の役に立つことができると思い元気が出た」と語った。中学校2年の時に視力が次第に落ちて全盲になった。この時の状況を、参加者にビニール袋を折って目に当ててもらい、見えなくなっていく不安を体験してもらった。孤独と不安で絶望し、死も考えた福点さんを女性の先生が救った。先生は「落ち穂拾い」の絵を指で触らせてくれ、「あなたは人生の落とし物をしている。それに気付いていない。障害のある人にやさしいのです」と自分の良い部分を示してくれ、「落とし物を少しずつ拾い、火をともせば温かくなる。人を喜ばせながら生きてほしい」と慰められたという。福点さんは「それがうれしかった。皆さんは何があっても生きるということを考えて」と訴えた。友人から音楽を勧められ、バンドを組んだ。「生きる意欲が湧いてきた。友達が大事」とも呼び掛けた。
福点さんは得意のオペラを披露し、「ライン」のやりとりをスクリーン上で見せながら語る創作落語も演じ、会場を沸かせた。生徒を演壇に招き、目の不自由な人の手引きの仕方も教えた。講演の最後に「皆さんの心の中にはホタルのような小さな光があります。私のように目が見えなくても見えています。心にある光は希望とか勇気とか、何か夢を持つことです。この火を消さずにいてください」と語った。
(2018年11月22日付紙面より)
第14回福祉・教育振興大会 (串本町 )
串本町の福祉・教育振興大会「第14回ふれあいいきいきまつり」が18日、文化センターと町立体育館で開かれた。式典では福祉や教育の功労者4人を表彰。その後は子どもから高齢者まで楽しめるさまざまな企画があり、世代を超え町民一体で楽しむひとときを過ごした。
この大会は、町、町教育委員会、町社会福祉協議会、町PTA連絡協議会が主催。「健康で明るい文化と福祉のまちづくり」をテーマに掲げ、町民が世代を超えてお互いを思いやり、ともに学んで育ち合う意識を高めて生涯を通した学習や健康づくりを促す目的で年1回開いている。
冒頭に同センターホールで記念式典が開かれ、主催者を代表して田嶋勝正町長は主催4者に加え13団体の協力があってこその大会だと感謝を掲げ「少子高齢化が進む中、互いを思いやり助け合う気持ちをまちづくりの柱として作り上げないといけないと思っている。団体や個人の皆さまの協力をいただく中で福祉が充実した、健康で安全で安心なまちづくりに取り組みたい」とあいさつ。続いて表彰があり、町社協の堀登世会長が地域福祉功労者関係で矢川章子さんと植松区青空サロン、田嶋町長が教育関係で谷口好布さん(元串本町消防団長)と関戸保次さん(元同団副団長)の功労をたたえた。
来賓を代表して寺町忠町議会議長と前芝雅嗣県議会議員が祝辞を述べ、町身体障害者連盟の中野實会長、町障害児者父母の会の地主春美会長、社会福祉法人串本福祉会の和田利文理事長、同法人つばさ福祉会の藤田勝彦理事長、町民生委員児童委員協議会の山崎巖会長も列席して大会の実施を祝った。
同ホールでは表彰後に歌と踊りの発表会があり、駐日トルコ共和国大使から民族衣装の寄贈を受けた大島小児童によるトルコダンス「ダーマット・ハライ」に続いて、串本学童保育所フラダンス同好会、ねんりんピックPRイベントチーム、潮岬幼稚園4~5歳児、串本小学校4~6年生が出演した。昼食休憩を挟んで、午後に社会教育・福祉講演会もあり、お天気キャスターとして活躍する正木明さんが「防災に活かす、天気予報の正しい見方・使い方」を演題に掲げて登壇した。
館内では臓器移植啓発や新宮薬剤師協会による腎臓病食の紹介、防災展示や地域おこし協力隊による運動教室、スポーツボイス体験やぶっくらぶ串本によるよみきかせ会などがあり、駐車場では食生活改善推進協議会による懐かしいおやつの配布や減塩みそ汁の試飲、串本婦人会や串本名品会、更生保護女性会やボランティアグループみみ、JA紀南女性会や串本学童保育所による各種バザーが開かれた。
体育館は子ども向けの会場とし、さまざまな挑戦企画やスポーツ「ボッチャ」体験、バルーンアートなどの機会を提供した。子どもらはスタンプラリー形式で各コーナーを回り、先着200人限定のクリア特典としてキャラクター人形釣りとお菓子釣りに挑戦。正午に先着300人限定のキャラクター風船プレゼントもあり、子どもの来場に拍車をかけた。
(2018年11月22日付紙面より)
第7回新宮・那智勝浦天空ハーフマラソン
「納税表彰並びに感謝状贈呈式」が15日、新宮市井の沢の新宮商工会議所であり、税務行政の運営に貢献したなどとして個人14人と4団体が受賞した。新宮税務署(榎本伸署長)、公益社団法人新宮納税協会(西義弘会長)、新宮納税貯蓄組合連合会(島野勝会長)が主催。
主催者を代表して榎本署長が「多年にわたり、卓越した指導力と行動力を発揮され、申告納税制度の普及発展、租税教育の推進に努められるなど納税道義の高揚に極めて顕著な功績を挙げられた」と述べ「皆さま方の理解と信頼の下、業務の効率化、高度化を進め、より質の高い税務行政に取り組みたい」と関係者の取り組み、理解と協力などに感謝した。
表彰状、感謝状贈呈後、来賓祝辞に続き向井一雄さんが「今後とも納税協会ならびに納税貯蓄組合連合会の組織の一層の充実、拡大と活発な事業活動の積極的な推進に協力し、正しい申告と納税に努め他の模範となるよう努力を重ねていく」とあいさつした。
中学生の「税についての作文」で近畿税理士会会長賞を受賞した妹尾杏樹さん(那智中3)は、賞状を受け取った後、受賞作品を朗読した。本年度は新宮税務署管内から610点の応募があった。
(2018年11月17日付紙面より)
巽真悟後援会「真翔会」が寄付
新宮市の県立新宮高校硬式野球部OBで、元ソフトバンクホークス投手の巽真悟さんの地元後援会「真翔会」(武田丈夫会長)は15日、同会の解散に伴い、会費の残金130万円を同校硬式野球部に寄付した。武田会長、少年野球時代の監督でもある橋本和士事務局長らが同校を訪れ、今後のために役立ててほしいと前田成穂校長に手渡した。
巽さんは、1987年1月10日生まれ、古座川町出身。小学2年生で地元の少年野球チームに入団し野球を始める。新宮高校入学当初は投手兼外野手だったが、2年生の秋から本格的に投手に転向した。
近畿大学を経て、福岡ソフトバンクホークスから1位指名を受けて入団し、プロ8年間で24試合に登板し1勝4敗。2度トライアウトを受けた後に、復帰を断念。2017年1月からは独立リーグ(ベースボール・チャレンジ・リーグ)栃木ゴールデンブレーブスの親会社である人材派遣会社エイジェックで、元プロアスリートによるセカンドキャリア形成の支援を目的に採用した社員の第1号として勤務している。
武田会長らは「いろいろな寄付の仕方なども考えたが、(巽さんが)野球人として大きく羽ばたくきっかけになったのが同校硬式野球部での3年間だったことから、全会一致で同校への寄付が決まった。地元の方にいろいろと夢を見せていただいた。集まったこのお金を通じて、同校で夢ある選手を育てていってほしいという気持ち」などと経緯を説明し、現役時代や野球を始めた当時の思い出を語るなど談笑した。
寄付を受け前田校長は「皆さんの善意あるお金であり、硬式野球部のためにしっかりと使わせていただけたら」と感謝した。
(2018年11月17日付紙面より)
古式ゆかしく「紅葉祭」 (熊野那智大社 )
那智勝浦町の熊野那智大社(男成洋三宮司)で14日、平安時代に那智山で修行した花山法皇の故事にちなんだ「紅葉祭(もみじまつり)」が営まれ、秋の自然の恵みに感謝をささげた。
本社拝殿での神事では男成宮司はじめ神職が正装に身を包み、宮司が本殿を開扉。祝詞をささげた後、冠に紅葉の飾りをつけたみこが紅葉の小枝を手に「豊栄(とよさか)の舞」を舞った。参列者らは順に玉串をささげた。那智の滝前の別宮・飛瀧(ひろう)神社でも神事があった。
寛和2(986)年に那智山で花山法皇が「千日修行」をした際、秋の陽光に映える紅葉をめでて歌を詠み、その短冊を小枝に結んで滝に流したと伝わる。
(2018年11月17日付紙面より)
古座中体育館で音楽鑑賞会 (古座川町教育会 )
古座川町立古座中学校体育館で15日、町内の小中学校を対象にした音楽鑑賞会があり児童や生徒、教職員や保護者200人余りが室内楽団「ゾリステン・ドライエック」の演奏などに親しんだ。
この演奏会は、同町教育会(海野文宏会長)が主催する秋恒例の合同文化行事。音楽会(発表会)と鑑賞会を隔年で計画していて、本年度は後者の巡りに当たる。
「ゾリステン・ドライエック」は2002年にドイツ・ライプツィヒで結成された室内楽団で、現在は広島県を拠点にして主に日本のプロ演奏家らが在席している。本物の音楽をもっと身近にするというコンセプトに基づき年間約260件の公演を重ねていて、この日はそのうちの1件として同町の児童生徒に演奏を届けた。
開会に当たり海野会長は「素晴らしい演奏を聴いて音楽は楽しい、素晴らしいという思いを持ってほしい。目で見て耳で聴いて心に残る演奏を楽しんでほしい」とあいさつ。同楽団は3人組で出演し、サックスやドラムセット、木琴の生演奏で児童や生徒も耳にしたことがありそうなクラシックの楽曲やアニメ曲など11曲を演奏した。
聴くだけでなく、シンプルな楽器を配って共演したり、音楽紙芝居を上演したり、指揮者体験を勧めてみたり、手拍子を求めてみたりと、同団は演奏に参加するさまざまな機会も提供し、児童生徒も引き込まれるように鑑賞を楽しんだ。アンコールを誘ってさらに1曲を演奏し、ミッションと題してリズムに合わせた早口言葉などへの挑戦も促した。
閉会に当たり会場校の髙尾昌伸校長は「それぞれの楽器の一流の演奏者が3人一緒になると、さらに素晴らしい音楽を作り出せる。皆さんも同じで、一人でも素敵だが、友達と一緒に、クラス全員で、学校全体で力を合わせればもっと素敵になれる。今日の鑑賞会で感じたことをこれからの学校生活で生かしてほしい」とあいさつして締めくくった。
(2018年11月17日付紙面より)
県高校ハンドボール新人大会
新宮市スポ祭少林寺拳法乱捕り大会
御船祭の早船競漕 (新宮の速玉祭 )
熊野速玉大社(上野顯宮司)の例大祭「新宮の速玉祭(はやたまさい)」の御船祭(みふねまつり)・早船競漕(きょうそう)で入賞した王子区(上り1位)、大王地区(上り2位、下り1位)、丹鶴区(上り3位)、堤防区(下り2位)、明神区(下り3位)への表彰式が13日、同大社で行われた。
表彰式には5地区の代表者と審判委員が参加。神職によるおはらいの後、上野宮司から上り表彰では各地区に賞状、盾、賞金、下り表彰では1位の大王地区に賞状と盾、2位堤防区、3位明神区に賞状が贈られた。
各地区への賞状、盾、賞金は、株式会社R.Link Corporationの椋野玲史取締役会長から、御船祭を後世に伝え、繁栄させてほしいとの願いを込めて贈られた助成金によるもの。
表彰後、下地昌宏審判長が「来年も今年のような勢いを持って頑張りましょう。よろしくお願いします」と呼び掛け、上野宮司が「各区の練習するその努力はもちろんで、それをこうして表彰し、無事に今年も終わった栄誉をたたえていただいたことを力として、また他の地区からも目指していただけるような立派な区になることを目指してほしい。皆さんがこいでくださるこの姿というのは、今の姿だけで終わると思っては困るわけです。ずっと伝えていくという、その姿のことを思って優勝した区も、また目指そうとする区の皆さんも、勝ち負けは大事だろうけども、それ以上に大事なものを背負っていることも申し送ってほしいというのが私たちの願いです」とあいさつ。
上りで優勝した王子区のとも取りの西村雄作さんは「10年ぶりの優勝で感無量です。OBの皆さんにも喜んでもらうことができ良かった」と話した。
(2018年11月15日付紙面より)
香港ユネスコの楊さんが視察 (南紀熊野ジオパーク推進協 )
南紀熊野ジオパーク推進協議会は11日から13日までの間、香港ユネスコ世界ジオパーク園長などを務める楊家明(ヤン・カーミン)さんを招き、和歌山県内の南紀熊野ジオパークの2度目となる視察が行われた。本紙エリア内では北山村、那智勝浦町、太地町を訪れた。
今回の視察は楊さんから県内ジオパークについてアドバイスなどを受け、改善点の解消や新たな魅力の発見に努めるとともに、世界的な情報発信につなげることが目的。
楊さんはジオパークの世界的な普及に取り組んでおり、日本や世界各地の40カ所以上のジオパークで基調講演やアドバイスを行っている。世界ジオパーク・ネットワークを生かして国際ワークショップを開き、アジアや世界のジオパークの情報拠点となるように尽力している。
12日には、那智勝浦町の勝浦漁港と宇久井ビジターセンターを見学した。太地町では町立くじらの博物館で捕鯨の文化や移民の歴史などを同館学芸員の櫻井敬人さんが解説し、館内を案内した。
楊さんは視察について「訪れた地域は観光客にとっては興味深い場所だと思う。自然の景観や文化的景観も素晴らしい。前回来た時よりも改善された点も多く見受けられる。和歌山には他の地域が学べるところも多い」と評価した。
課題については「資源は豊富にあるが、重点や的を絞った取り組みができていない。その場合、お金や時間をかけ過ぎてしまううえ、うまくいかない」と指摘。「重要でないものは取り除いていくことが大事。ジオパークの取り組みが開始されて6年ほど経過したが、総括していく時期だと思う」と語った。
その後、楊さんは太地町内のまちなかジオツアーに参加し、堀順一郎・那智勝浦町長を訪問した。夜はホテル浦島で歓迎会が開かれた。12日には北山村を訪問し、「筏師の道」を歩いた。
(2018年11月15日付紙面より)
八坂神社秋季祭典迎える (古座川町 )
古座川町池野山にある八坂神社の秋季祭典が10日に宵宮、11日に本祭を迎えた。宵宮は夜半に境内で火焚(た)き行事を営み、区民らの随時参拝を集めるなどした。
池野山と上部の氏神社として護持される同神社は現在、年4回の例祭(正月、節分、夏季祭典、秋季祭典)が営まれている。11月の秋季祭典は池野山区(垣秀志区長)が奉仕の主体で、今年は同区の9班(矢本真一班長)と10班(谷正夫班長)が当番の巡りにより宵宮の火焚きを営んだ。
池野山の火焚きは、製材所があった下部のように夜通し行うわけではないが、夜半に火を保ち続けながら参拝者を迎える。宵宮は両班長の仕切りで境内にまきを積み、日没ごろに点火。たちまち広がる火に1本、また1本とまきをくべて火勢を保ちながら区民を迎えた。神前では神酒が振る舞われ、参拝した区民はしばし火焚きを眺め区民同士で近況を報告しあうなどして過ごした。
本祭は早朝に式典があり、その後は上部の獅子連中を迎えて奉納や酒宴の座を営み、その後は道の駅虫喰岩駐車場で区域全体を対象にした地下舞わしもあったという。矢本班長(46)は「区の皆さんが災害を被ることなく平穏に過ごせれば」と今回の奉仕を通して願うところを語った。
(2018年11月15日付紙面より)
3保育所が消防署見学 (新宮市 )
新宮市の蓬莱、佐野、高田保育所は14日、合同で市消防本部を見学した。5歳児44人がビデオ視聴や緊急車両見学、放水体験などをして消防士の仕事を学んだ。
5歳児交流の一環で、年間を通じてジャガイモ掘りや運動会ごっこなどを実施している。園児らは映像教材『火あそびはあぶないよ』を見て火事の恐ろしさを学び、火遊びをしないと約束。防災指導係の堀口清明さんが▽ライターやマッチで遊ばない▽花火をするときは大人と一緒に▽火事になったら逃げて大きな声で知らせる―を呼び掛けた。園児らからは「消防車のホースからどうして水が出るの?」「どんな訓練をしているの?」などの質問があった。
園児らは2班に分かれて通信指令室、救急車、消防車などを見学。車両の役割や装備の説明を受けた。放水体験に挑戦した園児らは防火衣を着用し、緊張した面持ちでホースを握っていた。
はしご車には職員2人が乗り込み、25㍍の高さから360度旋回。園児たちは「先生、大丈夫?」「高い」などと歓声を上げながら手を振っていた。
(2018年11月15日付紙面より)